2010年07月21日

高島イワグチ(釣行記1)満ちのイワグチはクエバ沖を釣れ

いや、まったく暑い。暑かった!覚悟の上とは申せ、容赦なく照りつける太陽に刃向かうのは、容易な精神力ではない。これもしかし高島の磯の醍醐味。目に沁みる額の汗とジリジリと焼かれる二の腕を見て、我ながら目出度いカゴ師だと嘲笑してしまった正午前。

梅雨前線を押し上げる力を有する高気圧ゆえ、梅雨明けの晴天はとりわけ強いのだという。それでも19日の祝日、恵翔丸は満船。イサキを求めて高島へ渡る釣り人のエネルギーは、太平洋高気圧を凌ぐのだった。

例によって週央の水曜日は、きっとまた大勢の釣り人が集うだろう。毎度の少人数は致し方ないが、今回はK先生と誘い合わせて2名での予約。ビリは免れるのではないか──その程度の願望を持って大浜港へ辿り着いた。

午前4時乗船。明るくなる前に恵翔丸は舫を解く。午前3時半に車内で仮眠から目覚め、どれほどの駐車車両があるかと思いきや、なんたる風景か、誰一人として姿が見えない。状況が把握できず、俄に『もしかして日にち、間違うたんか?(´Д`;)』と我を疑う夜明け前。

恵翔丸は今日、総勢3名というのである。聞くところでは島義丸も7名。磯上がりが10名の高島など、イサキシーズンにしては信じられない幸運だ。

恵翔丸の一番くじ。島義丸とのジャンケンも、こういう勝たなくても良い日に限って勝利する。一年に何度かしか勝てないのだから、なにも・・・。かくて高島一番乗りの権利を手中に収めた。しかもK先生は元より「チョボ」へ上がると云われるので、どこの磯を指定しても独占できる幸運が巡ってきたワケだ。

しかし、こいつは悩ましい。こんな事もあろうかと予め調べておいた潮回りは、若潮の前の長潮。満潮は午前8時頃。おそらく鈍い潮から、やがて一本潮が通す。

「何処からいく?」船長だ。
「ワレ、かイワグチ。ワレ。いたイワグチ!」

ワレの下げ潮は釣り辛いもの。イガラへ通してナンボのワレは朝方に魅力があるが、一旦潮が緩んだら餌盗りに泣くに違いない。いわんや下げ潮に転じたら、これはもう難儀するので、角磯に近いイワグチを選択した。

本当はタカミが良さそうに思えたのだが、二週前にタカミで掬い損なってバラしているので、単独でのタカミは敬遠。ショウドシロも良いが、何も一番の権利をショウドシロで行使する手は無い。(´Д`;)

午前5時。イワグチのコブ岩に立ち、最初の仕掛けを放り込んだ。

竿は復活成った剛弓。底カゴに6号ハリス4尋、鈎はカゴスペ11号。豆ヒラにも対処できる万能仕掛けである。まずはセオリーに従って正面の遠投から潮を窺う。明るくなったイワグチだが、早朝は風が強く波がざわめいてウキが見えにくい。

そのウキを凝視したところ、潮は僅かに左。続いてやや左側(タカミ側)へ遠投。この潮は左。次にワレの側へ体を捻って投げ入れる。このウキも左。

『この時間は上げ潮の筈じゃがのう』不可解に思えたが、おそらくワンド状になったイワグチでは引かれ潮が通しているのだろう。ジワジワと移動するウキの様子を見つめて思った。

風が強く、それ以上の遠投が出来ないので、先ずは正面付近へ定点を据えて仕掛けを入れる。餌盗りは居ないけれど、イサキも居ない。

『一投目から来る思うたがのう・・・』(´Д`;)致し方ない。

半時間が過ぎた頃、ワレの沖へかかっている島義丸が見えた。その向こう側に恵翔丸もアンカーを下ろしている。『ん?』

二隻の船は向かって左が舳先、右がトモ。という事は、沖合は確かな満ち潮が通しているという証左だ。ならば『よし、解った!』正面へ入れてあった仕掛けを大急ぎで回収し、まずハリスを6号から4号4尋へ換装。鈎はネムリ形状を持つ尾長専用6号。

タナ2本半にウキ止め糸をセットし、コブ岩の上で思い切ってクエバの方角を向き、正眼の構えから一気に竿を振り抜く。仕掛けは一直線にクエバ沖へ向かって飛んで行く。左様、ワレの沖に満ち潮があるなら、イワグチのクエバ側ではなく、完全にクエバの沖を狙って仕掛けを入れれば、もしかしたら満ち潮を捕まえられるかも知れない。

着水したウキは、緩いが明らかにクエバ沖へ向かって動いている。

『やっぱり、そうじゃ』(^m^)

波頭に見え隠れするウキの頭を目で追う。そしてウキが見えなくなった。

「そりゃ、入ったぁ!」(^△^)わはは!

狙いはまんまと的中。『やっぱりイワグチの満ち潮はクエバ沖を釣らにゃあいけん』立派な体格を持ったイサキは40センチ超え。幸先の良いイワグチのファーストヒットだった。

こうなる事は想定済み。いや、希望的観測。クーラーには既に潮氷水が張ってあり、魚を絞める道具もスタンバイ済み、血抜き網も出してある。手際よくイサキを処理し、次なる仕掛けを、今し方のポイントへ投げ入れた。

やや手前に着水した仕掛けは、先のようにクエバへ向かって流れない。少し沖合へ投じた仕掛けは磯際へ押される。どうやら潮筋は短時間に複雑な変化をしているらしく、同じ位置へ仕掛けを入れても、流れていく方向が手返し毎に異なる。

『うむー、これじゃあさっきのアタリはマグレ同然じゃ』(´Д`;)

半時間が過ぎた。クエバ方向を諦め、正面とタカミ側の潮を今一度、窺ってみると、タカミ寄りの潮は押し気味に、しかし正面付近は右流れの良い潮が通し始めていた。イワグチのコブ岩は攻め手が多く、様々なポイントを釣ることができる。『しばらくこの潮に乗せてみるか』

細かくタナを調節しながら打ち返すと、ときどきサシ餌が残ってくる。イサキが廻ってくればチャンスはある。タカミの高手を太陽が照らしていた。

落ち着きを取り戻していた波音が、急にざわめき始めた。それまでリズミカルに寄せていた波は突然大きく、騒がしく磯へぶつかって砕ける。『なんや、なんや?!』何か異様な雰囲気に包まれた事を感じ、少し身構えて海を見回した。

ザワザワと波音を立てながら、波頭が磯際へ寄せているようだった。きょろきょろと警戒心を持って竿を引き上げて待機していると、たちまちイワグチのワンドは、切れた海草や流れ物、ゴミ、漂流していたウキなど、あらゆる浮遊物に埋め尽くされた。押してくるというより、突っ込んでくるような激しい潮だ。

これでは仕掛けを入れても、回収する時にいろいろな物に引っ掛かってしまう。しばらく竿を揚げ、様子眺め。わずか20分程の出来事だったが、こんな潮を見たのは初めてだった。不意の大波でも立ちそうな危機感を本能が察し、道具を一段高い座へ移動させ、荒々しい潮を見送っていた。

『こりゃあいけん。ちょっと休むしかないわ』(´Д`;)

>>つづく

foujitas at 19:38コメント(0)TB(0)高島回顧録 | 潮待放談 
グーグルの広告です

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
BLOG foujitas
高島回顧録


ADMIN


必読オススメBLOG(^^)

いろいろ報告…錦帯橋

【プロフィール】
ふじたのぶお


最新のコメント
  • ライブドアブログ