2010年07月23日

高島イワグチ(考察)カゴ釣りは推理の釣り

火電沖波止で釣っているときはさほども感じなかったが、高島コダンで師匠と並んで釣ってみて思い知った。もう四、五年も前の事だ。

コダンのコブ岩に立ち、凄まじい馬力で遠投する師匠の隣に立ち、ほぼ同じ向きへ仕掛けを投げ入れた。しかし飛距離は僅か数メートルだけ師匠に及ばず、手前に着水した。師匠の仕掛けは火電煙突へ向けて沖に出るが、こちらのウキは途中で弛んで大きく左へ曲がり、フナヒキのワンドへ流れ入る。

そして師匠のウキをヒラマサが引き込み、こちらのウキは何事も起きぬままワンドで漂った。

慌ててタモを出し、師匠の魚を掬う。網を渡して己の竿へ戻り、再びコブ岩の上へ登って仕掛けを投げようとすると、先に投じていた師匠に再びヒット。またぞろタモ助となりヒラマサを掬い揚げ、三度コブ岩へ。するとまた同じ事が起きる。

取り込みと、コブ岩へよじ登る度に体力を消耗し、投げた仕掛けは徐々に飛距離を落とす。僅か10メートルの遠投力の差が、終わってみればヒラマサ4連発の師匠に軍配を挙げさせたワケだ。結果的に師匠8本、こちらは2本。完敗だった。

この日の出来事は、カゴ釣りにおける遠投力と潮が如何に重要かを決定的に意識づけた。

それからの釣りは常に潮を視るよう心がけた。一見しただけでは同じように見える潮流は、実際に仕掛けを入れてみると、そのウキの動き方が丸で異なり、カゴ錘と鈎がある位置の潮は随所で特徴的な動き方をしている事が解る。もちろん逆に大きな一本潮で、如何なる場所、如何なるタナにしても通り一遍に行ってしまうケースはある。

しかし高島の各磯では、磯を取りまく地形──磯の立地や海底の地形、それに潮の質──速さや強さ、向きによって、あるいは水温や風も因子となって、むしろ全く一様に動くケースは少ない。

すなわち投入点が僅かに違えば、そこにある潮は異なる。そして潮が異なれば、仕掛けが通過する先にヒラマサやイサキが居るか否かも異なる。

イワグチの潮は複雑である。なぜなら満ち潮がぶつかる角磯のタカミに隣接し、しかもワンド状に窪んだ地形を成しているため、満ち潮も引き潮も様々な表情を見せる。潮の強さによっても大きく変化する。

またイワグチの沖合は抉れたように深くなっており、海底は激しい起伏を成していると大船長は云う。様々な魚が好んで回遊する好条件だ。

実際に仕掛けを入れてみると、投げて届く70メートルほどの沖はタナ7本でも素直にウキは立つ。水深30メートルと云ったら3気圧。水深に応じて水温も異なる。

こうした自然条件が生み出す潮だから、先述のように潮に応じて魚の存在の可否が問われるとすれば、闇雲に仕掛けを投じるよりもアタマの中でイマジネーションを組み立て、その推理に基づいて効率的に釣ったほうが獲物に巡り会うチャンスは多い筈。

カゴ釣りは、コマセの操作ができない。潮に乗せて流した後、ここというポイントでコマセを放出する位置的な制御が出来るに過ぎないのである。他に出来る事と云ったら、ハリスや鈎などのハードウェアを物理的に交換するのみ。

だから潮を見切ってこそカゴ釣りは、その威を発揮するのではないだろうか。

先のイワグチの潮を時系列で追いかけてみると──。

早朝は全体に弛み気味。タカミ側(左)、正面、クエバ側(右)の3エリア、さらに沖と手前に分類するなら、少し時間が経つとタカミ側と正面の潮はゆっくり左流れ、クエバ側は徐々に右流れ。

続いてタカミ側は潮が立って左へ。正面は依然としてゆっくり左。クエバ側はジワリと右へ。

それから潮が全般に押してくる。やがて波音が激しくなると同時に、全ての潮流がイワグチのワンドへ突っ込むように強くぶつかる。ワンドは見る見る内にゴミだらけになる。

半時間が過ぎると、タカミ側はすっかり左流れ。正面は、今度は右へ、クエバ側は沖が右へ、手前は完全に滞留。タカミ側と正面の手前はゆっくり押してくる。

実は、これだけではない。それぞれの時間帯にタナを変えると、場所によってはウキが突っ走る。底潮だけが大きく動いていて、表層面は弛んでいるのだった。同じ位置へタナを変えて投げるだけでウキの動きが丸で異なる光景は、目の当たりにすると、ちょっと薄気味悪いほど不思議なものだ。

このように潮は、たった6時間のイワグチでも実に複雑で豊かな表情を見せる。そしてイサキやヒラマサがどんな潮を好むか、時期によっても異なり、時間帯によっても違う魚の本能を読み、潮の特徴と重ね合わせて推理する。

たった一本の竿と、たった一本の鈎を、ここぞ思える場所へ投じてアタリを引き出す。カゴ釣りの醍醐味は、もしかするとこんな推理や洞察にあるのかも知れないねえ。(´∀`)

※    ※    ※    ※

余談。本日より2日間、ボーイスカウトの夏期野営へ入営してきます。明日のブログはお休み致します。m(__)m

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コメント一覧

1. Posted by みやちゃん   2010年07月25日 10:48
3 ふじたさん、暑い中、お疲れ様です。三連休の最後の日、伍八波止にいってきました。二枚潮に苦しみましたがなんとかヒラマサ1、マメヒラ1を確保できました。
2. Posted by ふじた   2010年07月25日 17:59
みやちゃんさん^^
いつもありがとうございます。
伍八でヒラマサ!
豆ヒラだけでなく、二枚潮を攻略し、きっちり大型も仕留めていらっしゃるところなど、流石の腕前ですねえ。^^

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