2010年09月07日

クラゲとヒラマサの関係

クラゲの蛍光たんぱくの研究成果を挙げられた下村脩博士が、ノーベル化学賞を受賞された事は記憶に新しいが、あの神秘的に海の中を漂う生態は、いまだ多くの謎に包まれているようだ。

およその調べ事はgoogle任せにエンターキーを押すことで朧気に解るのだけれども、クラゲばかりはそうもいかない。なにしろ想像以上に種族が多く、また非常に原始的な生態を特徴としている事も、その理由か。

いまになって思い出すなら、幼少の頃、海の貸しボートで沖へ漕ぎ出し、浮遊する水クラゲを手で捕獲し、岸へ戻って自慢しようと思ったら、文字通りクラゲは水の泡。姿も形も無くなっており、狼少年のように罵られて酷く哀しかった。

さて、そのクラゲの仲間にあって昨今の巷を賑わしているのが、かのエチゼンクラゲである。巨大な個体は直径2メートル、重さ200kgに達し、定置網に掛かって漁業を妨げる。曳き網漁船が重さに耐えられず転覆した事故まで起こったという。

報道によると、そのエチゼンクラゲの発生が今年は、近年み比べて1/1000という調査結果が発表になったという。

外部リンク:アサヒコム「エチゼンクラゲ激減、昨年の千分の一に 東シナ海で調査」

これは漁業者にとっては大きな朗報であり、市場の魚の価格に影響を及ぼす社会的な朗報でもある。喜ばしい。

一方ではしかし、「クラゲが多い年はヒラマサが豊漁」という言い伝えもある。

何故かと尋ねてみたなら、「クラゲと一緒に潮へ乗ってくる」という。しかし待て。ヒラマサは自力で泳ぎ回るが、クラゲはヒラマサほど力強く泳げない。ヒラマサはクラゲのように、潮に身を委ねて回遊しているのではなく、自らの本能でクラゲの群れと行動を共にしていると考えるほうが容易い。

その鍵はイカではないだろうか。

カワハギの仲間はクラゲを食べるが、ヒラマサが直接クラゲを食べるという話しは聞いたことが無い。もしもイカがクラゲを餌にしているとすれば、イカの群れを追ってヒラマサはクラゲの群れに混じっているという道理だ。

先の火電・中本船長によると、二週間前の時点でイカ漁は芳しくないという。恵翔丸の大船長は「今年はクラゲが見えんのじゃ」と云う。そして先のエチゼンクラゲに関する報道。

この分で行くと、今年の秋のヒラマサは厳しい見通しなのかも知れないねえ。

夏に入っても豆ヒラが少なく、代わりに中型ヒラマサが各堤防を賑わした。どうも例年とは異なるシーンが断片的に見え隠れしている。

foujitas at 13:56コメント(2)TB(0)潮待放談  
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コメント一覧

1. Posted by あ2   2010年09月07日 23:46
潮とヒラの関係は
・潮が無いから潮に乗ってこない→ヒラが少ない
・潮が早いから小魚少ない→ヒラも少ない
どちらなのでしょうね。全く知らない方のHPですが以下のURLで黒潮と沖釣りの関係をべたべたの方言で語っているのを聞くことが出来ます。

http://www.shonan-rockets.com/fishing/ryoma/07/4.html

聞き取れますかね?ご参考まで。
2. Posted by ふじた   2010年09月08日 16:26
あ2さん^^
ただいま沖家室島から戻ってまいりました。
黒潮で漁をしている方のお話は面白いですねえ。全部は聞き取れませんでしたが、関西訛りの高知弁は、何となく親近感があります。
が、やっぱりハッキリとは・・・。(笑)
岩国の釣り仲間がシイラを釣りに行くのですが、たぶんムービーの「指」の辺りが漁場です。(なんのこっちゃ?(^^;)

ヒラマサと潮の関係は、おそらく前者
・潮が無いから潮に乗ってこない→ヒラが少ない
ではありませんかねえ。かなり速い潮流でも、魚はへっちゃらみたいでもあります。渓流とは違いますが、泳ぐことにかけては専門ですもんねえ。

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