2010年09月08日

沖家室島「カゴ師はカゴで」

台風9号は、むしろ東京都内で混乱を引き起こしたらしい。原宿が冠水するなど、そう滅多には無いことで、やはりゲリラ雨が襲った結果なのかも知れない。一方、台風を警戒した中国地方は意外に平穏。それでも山陰には風雨があったようだけれど、山陽側、とりわけ岩国・柳井という地域では、不可解なほど静かな台風一過だった。

前日、『そうは云っても。もしかすると──』と考え、火電沖波止・中本船長に電話を掛けてみた。

「どんなんですか、台風」
「ああ、まあまあじゃね」(まあまあって(^^;)
「あした・・・」
「あー、あしたぁペケペケ」

と云うワケで、すんなりと沖家室島行きが決まった。しかし相手は台風だ。侮って怪我をしては何もならぬ故、天候が安定する午前7時以降の釣りを目指す。出発は6時半。1時間少々で本浦港へ到着した。

堤防の先端には、泳がせ釣りの方が一人。他に釣り人の姿は無い。台風余波の強風を警戒していたが、これも平穏。爽やかな涼しい風が吹き、先月のように汗が流れるような事は無い。軽く挨拶をして、ケーソンの2番めのスリットへ座を構えた。

浜田や三隅の堤防では、ケーソンの継ぎ目にピトンを立てる習慣があるが、内海では見た事が無い。尤も、湾港の構造物である堤防へ無闇にピトンの穴を開ける事には本来、問題意識を持たねばならない。

さて、今日の日はあくまでも「泳がせ釣り」でハマチ(またはワカナ)を狙う。アジ釣りはどこまでも餌を確保するための手段であり、決して豆アジを持ち帰ろうなどとは、毛頭考えていない。(笑)

最初に泳がせの仕掛けをスタンバイ。潮が高く、波返しの下は冠水している。タイドグラフを見て来なかったが、どうやら満潮一杯の時間帯らしい。お誂え向きだ。ウキを用いた仕掛けをセットし、やおら餌のアジを釣りにかかる。こちらはカゴと一本鈎、それにチヌウキの味わい仕掛け。長い棒ウキが活発かつ繊細に動くので、アジを釣るにも趣が深い。

しかし、アジは、なかなか釣れない。堤防の表側にはサヨリの幼魚が群れていて、零れたジアミにたかって海面が盛り上がる。ゆっくりと仕掛けが沈むと、こんどは10センチ程度のサンバソウの群に捕まる。勢いよくウキが消し込むと、それは全てサンバソウだ。

これではお手上げ。仕方なく湾内へ向きを変え、仕掛けを投入。こんどは全くと云って良いほどアタリが無い。無いどころか、サシ餌が丸残り。ちょっとした焦燥感を覚え、一本鈎を断念する。

カゴ上にサビキ仕掛けを追加。手返しが悪くなるので、市販のサビキ仕掛けを半分の長さに切り、3本の枝鈎を装着してみた。一向に釣果は顕れず、そのまま一時間が経過した。泳がせ仕掛けは、泳がせるべきアジが無いので、そのままバッカンに掛けて置いてある。

漸く、漸くの思いで小さなアジが掛かった。その大きさと云ったら6センチ程度か。つべこべ云っている暇があったら、活き餌にしなくてはならない。いささかアンバランスに鈎が大きいが、背掛けにして投入。竿1本半のタナで潮に乗せてみる。

引き続き、餌のアジ釣り。だが釣況が上向くような気配は無く、先端の泳がせマンもサビキを遠投するなど苦戦を強いられているようだ。ここは辛抱のしどころ。おいそれと諦めていてはハマチは釣れない。今一度、打ち返し──。

次のアジが掛かったのは、それから一時間が過ぎていた。『なんぼ何でも、厳し過ぎやせんか?(´Д`;)』。

先に入れた泳がせ仕掛けなど、おそらくとうの昔に餌が落ちているに違いない。高を括って仕掛けを揚げてみたなら、なんとした事か餌のアジはピンピンと元気。『なんちゅうこっちゃ(´Д`;)』。

せっかく釣った活きアジなので、ここでサシ餌交換。


そして再び同じような一時間が過ぎた。

「もう辞めじゃ!」さすがに堪忍袋の尾が切れた。8時前から釣り始め、ここまで泳がせ仕掛けの手返しは2回。時刻はもう11時前になっていた。

泳がせ仕掛けを引き上げ、通常の底カゴ仕掛けに取り替える。天秤から上は同一なので、仕事は早い。ほどよく解凍したボイルオキアミをカゴに詰め、長いハリスを手繰ってサシ餌を付ける。

『わはは、これじゃ。この感覚じゃ。やっぱりカゴ師はこれでないといけん』すっかり調子を取り戻し、充分に竿を引いて軽く遠投。追い風に乗った仕掛けは50メートル以上先に着水した。『やっぱし、コレよぅ』(^m^)

だが、カゴ釣りにしたからと云って、直ぐに魚が釣れるワケではない。前回の沖家室島では、たった一度だけ、それもタナを間違えて底に達したサシ餌に偶々、カナガシラが食い付いたに過ぎないのである。

一所懸命に打ち返す。カゴ釣りに変えた頃から、潮はほどよく右沖へ出ていた。『これならマダイが来てもええ筈じゃ』微かな期待を込め、また打ち返す。

手前の30メートル海域はサヨリの相変わらず幼魚で埋め尽くされていて、たとへ餌が生オキアミからボイルオキアミになっても容赦されない。瞬く間に鈎は丸裸にされてしまう。そこで沖合50メートル以上の距離へ仕掛けを落とし、更に沖へ出る潮に乗せる。

半時間を頻繁に打ち返した。サシ餌が残る状況に期待感は膨らむも、『そう注文通りには釣れんか・・・』心が折れそうになった、その時だった。

牛ヶ首が見える方角から岸へ向かってウキが流れ、そこで勢いよく消し込んだ。

「ようぅっし、入ったかぁ!」(^△^)

一日千秋のアタリだ。一呼吸の後、糸フケを取り、大きく竿を起こす。

『のった!』

先端の兄ちゃんが網を持って来てくださった。手応えは中程度。「ヤズですか?」と尋ねられ、「いや、暴れんとこをみるとチヌか何か。頭も振りませんわ」と答える。

寄せてみると予想は的中。40センチほどの美しいチヌだった。狙っていたのはマダイだけれども、泳がせ仕掛けに見切りをつけ、投じたカゴ仕掛けに掛かった魚だ。これでケチを付けたらバチが当たる。(笑)

素直にチヌを喜び、クーラーへ収めた。

それから一時間足らず。潮はどんどん勢いを増し、150メートルのスプールの糸が全部出てしまう。そうこうしていると雲行きが怪しくなり、大粒の雨が降り始めた。オキアミは、どうせ先々週の余り物。次回は撒き餌くらいにしかならない。

あっさり諦めて、これにて納竿。

やっぱりカゴ師はカゴで釣るべし。


ちょと痩せ型(´Д`;)


foujitas at 18:15コメント(4)TB(0)沖家室島釣記 | 潮待放談 
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コメント一覧

1. Posted by かっちん   2010年09月08日 23:04
お疲れ様でした。
写真を見ても判りますが沖家室のチヌは綺麗ですねぇ。

泳がせは不調でしたが、カゴを振らせると流石ですよ。
ふじたさんは、やはりカゴ師だね。  笑
2. Posted by シュシュ   2010年09月08日 23:04
メッセージありがとうございました。
気持ちが揺れていた分、案の定寝坊してしまい釣行はあっさり諦めてしまいました。
また機会があればお願いします。

私も8月初旬に伊保田に行ったとき、なんかゴミがかかっとると思いきや50cmのチヌでした。
紀州釣りなら引き応え満点の50オーバーもカゴ釣りでは物足りないんですよね〜。
3. Posted by ふじた   2010年09月09日 08:13
かっちんさん^^
いつもありがとうございます。
ナブラも何も無いあの釣況で泳がせ釣りは困難でした。ロクに餌のアジも居ないでは、手も足も・・・。
隣の兄さんは、ナルトビエイを釣っておいででした。(笑)
こんな事もあろうかと思い、オキアミを持っていて良かったですわ。
あれがマダイなら、もっと格好が良いのですがねえ。(^^;
4. Posted by ふじた   2010年09月09日 08:16
シュシュさん^^
いつもありがとうございます。
いやいや、お休みされて正解の一日です、ハイ。
尤も、天気は良く、気持ちの良い沖家室の海でしたが、アタリは僅少。朝イチからカゴを投げていたら何等かの可能性があったかも知れません。
繊細な道具仕立ての釣りに比べると、無骨なカゴ釣りは妙味が・・・ねえ。
それでも辞められぬカゴではあります。(笑)
またご一緒させてくださいね。^^

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