4色ボールペンde魚の絵 by T.Murata

たまーに使う黄色ペンは詐欺にあたるのではないか・・・という自覚はあります.

びっくり魚

<びっくり魚>カタクチイワシ科は怪魚の宝庫

カタクチイワシはイワシの仲間だ.
そしてイワシと言えば,誰もが知っている食卓魚である.

しかし,
カタクチイワシは良く見ると奇妙な形の魚だ.
その名の通り下顎が極端に下寄りについていて,
普段は上顎しかないように見える.

だが,一度開けばその口は巨大だ.
その昔一世を風靡した妖怪『口裂け女』のようである.

このようによく見れば個性的なカタクチイワシだが,
世界に広く分布する,カタクチイワシ科の顔ぶれを見れば,
実に奇怪な種が多い.

カタクチイワシ科は世界中から150種が知られているが,
今回は,特にエキセントリックな2種を取り上げてみた.


まずは,深海魚のような長い体のエツ.
そして, 理解不能なまでに長い顎を持つロングジョー・スリーサだ.
カタクチイワシ科3種

エツ

主に中国大陸の沿岸の汽水域に生息する魚で,
日本では有明海に限定的に分布している.

一番の特徴はその独特な体形で,
深海魚のソコダラ類やシャチブリに良く似ている.

しかし,糸状に伸長した胸鰭上部の遊離軟条や
カイゼル髭のように突出した上顎も実に奇妙である.

体長はおよそ30㎝と,カタクチイワシよりもずいぶん大型だ.
ちなみに,この有明海の小さな怪魚は塩焼きが美味しい高級魚でもある.

ロングジョー・スリーサ

は東南アジアからオーストラリアの沿岸にかけて分布し,
もはや説明不要な奇怪な上顎を持っている.

先ほどご紹介したエツの上顎もかなり突出しているが,
この魚の上顎はその比ではない.

さながら大型海獣類であるセイウチの牙のようだ.
デザインも幅広い剣のようになっていて,強そうだ.

しかしながらロングジョー・スリーサの体長は20㎝程度.
自慢の牙は武器としては役立たないようで,
マグロなどの大型魚から見ればただの餌だ.


いかがだろうか,
知られざる小さな怪魚集団,カタクチイワシ科魚類.
まだ見ぬ珍魚が存在するのかもしれない.

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似た者同士?



 

<びっくり魚>大西洋のサンマは口が・・・

秋の味覚,サンマ.
ダツ目ダツ上科サンマ科のサンマである.

日本人にとっては親しみ深いこの魚だが,
大西洋に住む近縁種の"ニシサンマ"の顔は

我々のイメージするサンマからは
大きくかけ離れたものだった.
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なんと,上下の顎がピンセット状に突き出ているのだ.
下だけではなく上の顎も突出したサヨリ(↓),といった風貌である.
サヨリ

上顎は折れやすいようで,
漁獲時に撮影された資料写真では,

上顎が折れてサヨリのようになってしまった
ニシサンマが多数見受けられた.

このピンセットのような顎は,
一体何の役に立っているのだろうか.


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・・・まさかこんなことはないと思うが