Blog を対象にしたマーケティングってのが増えてきています。中には怪しいのもありますが、ビジネスの世界は最初から海千山千ですから驚くには値しないでしょう。
# 私の Blog は livedoor から撤退して既存のサーバスペースにマージされる予定ですが、それなりに重要度の高い話題なのであえて livedoor にエントリしています。
「買い物上手」さんのコメント @ ***じぇりーびーんず*** というエントリで、無差別に「相互リンク依頼」を乱発してアクセスを稼ぐ行為が SPAM に相当するのではないかという主張をされています。これにうっかり乗ってしまって、たとえば相手の小銭稼ぎに協力してしまうのは、たしかに癪に障ります。
しかし、メールによる SPAM などと性格が異なるのは、今回のケースが「相互リンク」を趣旨としている点です。対象サイトを糾弾する人の中には うちのサイトをろくに読みもせずに相互リンクを申し出るのはマナーに反するのではないか
と主張している方がいますが、リンクしてしまった側は相手の正体を見抜くことができずにリンクしてしまったわけですから、やっぱり相手サイトをろくすっぽ読んでいないことになってしまい、これは自己矛盾です。
まして「こちらからリンクする」という行為は能動的なので、読むか読まずに捨てるかしか選択肢のない、メールによる SPAM 行為 とは状況が異なります。また、今回のケースでは対象サイトが律儀にリンクを返してくれているようで、いちおう「相互リンク」の約束は果たしています。
リンクそのものは「○○という情報がどこそこにありますよ」という標識でしかないので、そこに悪意があるかを判断することはきわめて難しいでしょう。そもそも相互リンクの目的は大半がアクセス数のアップなので、商売気のあるなしに関わらず、リンク行為そのものに問題があるとは考えにくいと思われます。仮に問題があったとしても、どこからの範囲が問題かという線引きが難しく、その判断は個人差が激しくなりそうです。
かつてメールによる SPAM 行為が嫌われた理由には、もちろん受信した側の不快感もあるのですが、「(当時の)貧弱な回線を SPAM ごときに使わせたくない」とか「SPAM が蔓延すると無駄なトラフィックが増えて、公共の益に反する」という理由もありました。今のように回線が太くなっても無駄は無駄ですから、この理論はまだ有効だと思います。
それでも、リンクを置く行為そのものは日常のサイト更新作業と同じですから、トラフィックに影響するとは考えられません。影響するとしたら、多くの人がその「偽装相互リンク」をクリックした場合でしょう。これは「相互リンクしてしまった側」が気づいてリンクを撤去すれば済む話ですから、結局の所「相互リンク依頼に乗ってしまった側の自己責任」という話であるように思われます。
ともあれ、この手の SPAM 行為を容認できるかというと、やはり心情的にそれはできないわけで。我々ユーザレベルで対抗するには何ができるのかというと、「騒ぐこと」しかないのだろうなあと思います。それぞれの Blog で取り上げ、問題意識を浸透させるしかないかと。
ただし個々の意識には差がありますから、先述の***じぇりーびーんず***でも反応には個人差があるようです。しかし、Blog は個人差を超えて意見交換をするには適したメディアですから、それはそれでいいんじゃないかなあ。
何より私たちにはコメントとトラックバックという武器がありますから、これを使わない手はない。意見の相違がホットな議論を呼ぶなら、問題意識の浸透という意味では成功を得られるでしょう。
余談ながら、私はここ 6〜7年ほど「相互リンク」なるものをしたことがありません。一対一の人間関係しかベースがないリンクなら、どこかで誰かの役に立つとは思えないからです。
私が「相互リンク」をしないことでアクセス数のいくつかを損しているかも知れませんが、私は私の書く文章を読んでもらいたいのであって、私が何者であるかを知ってもらいたいわけではないので、特にそれが惜しいとも思いません。
それとは別次元で、自分の書く文章の内容を必要としている人がいるなら、その人に届ける努力はしたいと思います。これが私の SEO観であり、マーケティング観です。