6.10 福島おうえん勉強会「放射線のおさらい寺子屋-あれってどういうこと?」

 2012年6月10日、練馬区の男女共同参画センターにて、福島おうえん勉強会による勉強会「放射線のおさらい寺子屋-あれってどういうこと?」が開かれた。放射線について学ぶための勉強会が、参加者8名で小さな和室のテーブルを囲み行われた。

 私は幼稚園から高校までを福島県福島市で過ごし、現在は大学進学したため、都内で暮らしている。いま福島の中は、放射線汚染から避難すべきだという意見と福島で暮らし続けるべきだという意見でまっぷたつに割れてしまっている。私は放射線に不安を感じていて、避難すべきだと考えている側なのだが、現時点では自分で考えるにもまだ知識や判断材料が足りていないと感じていた。そのため、今回の勉強会に参加した。

 福島おうえん勉強会とは「自分たちで調べて考え、自分たちで決定して、自分たちで行動する」という精神を持ち、福島以外から福島を応援することを目的とした団体だ。この精神は「福島のエートス」からきており、各地で小さな勉強会を開き学ぶこと、時々現地の人の話を聞くことを活動としている。

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 勉強会は、子どもを持つお母さんたちに「放射性物質を自分の子どもが食べると想像しただけで耐えられない」という不安があるといった話からはじまり、参加者がそれぞれ抱えている不安を語り出した。

 子どもたちの給食や通学路についての話が進む中で、参加者たちの不安に対し、「子どもたちの給食や通学路の不安を、基準値以内だからとかで放置するのはよくない。単に基準値以内だからオッケーだけではなくて、基準値の決定の理由まで説明しなくてはならない。でないと、やっぱりゼロじゃないからと不安を抱え続ける人はいる」「基準値は年間1ミリシーベルト以下になると計算されたもの。そうした上で出ているものなので、いまはそれをどうやって説明していくかというコミュニケーションの問題になってきている。一人一人が理解できるようなコミュニケーションの場を作っていくべきだ」という意見が上がった。これらのような、不安を取り除くための行動がいま必要とされている。

 給食に関して参加者は次のように述べた。
 「実際にはいま不安を抱えている人が思っているレベルまで放射性物質の濃度を下げられないのも事実。放射性物質はすでにあるものであり、ゼロを目指すのではなく、薄めていく、リスクを下げていくといった方向に考えていったほうがいい。バッカリ食い(特定の物ばかりを食べること)をしないでいろんなものを食べていくことが重要だ」「食材一つ一つを測定するのは無茶。心配している人が思っているレベルで気にしたいのであれば、トレーサビリティが有効だ。給食一食分を測定して記録し続け、数値が高い際にどこの食材を使ったかさかのぼるという方法がある。不安な人はそういう方向に行ってほしい」

 いまの状況について様々な考えを持っているお母さんたちがおり、衝突することも多々あるそうだ。それに対し、「バックグラウンドを無視してゼロベクレルを目指すのは個人の自由だけれど、ただ、それをやらなかったら子どもを守ってないとか、それをやらないことが虐待みたいに言うことはやめてほしい。それをやるのが当たり前ではない」という意見が参加者のお母さんから上がった。

 勉強会は終わりに近づき、メディアが不安を煽っているという問題の話が出た。
 「メディアが不安になるように報道したりするのだから不安になるのはしょうがない。不安にならない方がおかしい。私たちには、専門家に聞いてみる、論文を調べてみる等、きちんと情報の裏取りをすることが必要とされている」
 この意見が出て、参加者たちはみな頷いた。

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 勉強会に参加して分かったことは、現在の放射線汚染に不安を感じる側と大丈夫だと主張する側のどちらにも、きちんと情報収集をして判断している人とそうではなく半ばパニック状態で決めている人がいること。また、その後者になってしまうと事態を良くしていくための話し合いが出来ないということだ。不安を抱える人のなかには、東北産のティッシュやおもちゃは使わないという人々もいるという話を聞いてとても驚いた。
 
 福島の中に関して言えば、私は避難するべきだと考えていて、福島に残る人々の考え方がよく分かっていなかった。しかし知らなかっただけで、どちらの側にもしっかりと現実をみて冷静に判断しようとする人々がおり、意見を異にしながらも活動を続けている。一人一人がどちらの意見にもふれ、落ち着いてから自分で判断していくことがいま求められていることだと思う。

取材・文 菅原実来

福島おうえん勉強会

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