10月1日より、年金制度が一部変更となりました。
我が国では原則として老後の生活費確保のための年金制度は、「国民年金」「厚生年金」「共済年金」及び「厚生年金基金」「共済年金の職域部分」等で構成されていましたが、国家公務員・地方公務員・私立学校教職員を対象とした「共済年金」が廃止され、「厚生年金」に統合されることになりました。

民間企業サラリーマンの「厚生年金」と比べて、公務員などの「共済年金」は、保険料の負担も軽く支給額が多いという、“官民格差”が問題視されることがたびたびありました。それらを解消する目的で、平成24年2月に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」に基づいて変更されたという経緯があります。

もちろん“官民格差の解消”という、多くの民間サラリーマンからすれば少し溜飲を下げられそうな動機があるのと同時に、裏では年々減りつつある公務員の人数に対して共済年金受給者が増えていくことで、共済年金原資が苦しくなるため、桁違いに被保険者が多い厚生年金でその財務基盤を強化するという目的もあることは知っておくべきことでしょう。

両制度には保険料率や支給規準などの違いのほかにも、いろいろな違いがありました。例えば被保険者の年齢は厚生年金では70歳が上限だったのに対して、共済年金では年齢制限がありません。また遺族年金は、厚生年金の場合に先順位者が失権しても次順位以下の者には支給されないのに対して、共済年金の場合先順位者が失権しても次順位者に支給されるようになっていることなどです。こうした違いは、基本的に厚生年金の規準に合わせる調整が図られます。

国のさまざまな制度のうち、年金制度は非常にわかりにくいという声が多いようです。それはサラリーマンになれば皆が保険料を負担しなければならない皆保険であるのに、いざ自分が受け取るのは65歳を過ぎないと切実なものととらえられないことが理由の一つです。

しかし国の財政上最も多い支出項目が年金で、2014年の支給額は実に56兆円(対GDP比11.2%)の巨額になっているのです。しかも高齢社会の進展によりこの額は今後増え続けていくことが確実なのですね。一方2014年の国の税収は約54兆円の予想です。これだけをみると国の全収入を出しても年金総額をまかなうことができないぐらいの巨額さがわかります。
もちろん、年金の原資には税金のほかに、もっと多い年金保険料があるのでなんとか収支バランスはとれているのですが、このまま若年人口の減少と高齢人口の増加がすすめば…。
誰にとっても決して、関心を持たざるを得ない深刻な問題の一つではあるのです。