2021年10月8日に、OECD(経済協力開発機構・加盟38カ国)は非加盟国を含めた140カ国・地域の参加で会合を開いて、国際法人税課税を大幅に見直すことで合意しました。大幅な改正は約100年ぶりのこととなるようです。今回の改正の大きな柱は、「デジタル課税」の導入と「最低法人税率15%」ルールの確立の二つです。

デジタル課税」とは、インターネットを通じて海外にサービスを提供できるようになったことを受けて、「自国に支店や工場を持たない外国企業の事業所得に課税できない」という、これまでの国際課税の原則を見直し、支店や工場がなくても市場国に課税権を認めるものです。その対象は、売上高が200億ユーロ(約2兆6000億円)超かつ利益率10%超の、資源関連や金融業を除く多国籍企業グループとされ、具体的にはAmazonやGoogleなど約100社程度が対象になるものといわれています。

最低法人税率15%」とは、低い法人税率による企業誘致が激しくなって、結果的に各国の税収が減ることにハードルを設けようとすることです。OECD加盟国の中でも、フランスの36%やメキシコ・ポルトガル・オーストラリアの30%などから、スイスの8.5%やハンガリーの9%までとても幅があります。アメリカも、トランプ政権下で35%から21%へ大幅に引き下げるまでは加盟国で最高率でした。自由競争に制限を加えることが必ずしもいいこととは言えませんが、過度な競争で自らの首を絞めるような状況も好ましいことではないとも言えますね。