November 2008

November 02, 200822:30Rachel Getting Married (2008)3
監督:ジョナサン・デミ
脚本:ジェニー・ルメット
出演:アン・ハサウェイ、ローズマリー・デウィット、マザー・ジッケル、ビル・アーウィン、デブラ・ウィンガー、アンナ・ディーヴァー・スミス

休暇を中断して急遽帰米。現在両親のもとにいる主人とは毎日電話で話しているのですが、電話、メールがBlackBerryに入ってくる度にびくびくしてしまう・・・。精神的にはかなりマイりつつある毎日です。そういうわけなので、電話すると約束した人達、誕生日に電話やメールをくれた友人達・・・不義理しまくりでごめんなさい。また落ち着いたら必ず連絡します。

そういうわけなので、主人と離れてもうすぐ一月。彼がいないと夜も良く寝られず、ご飯を食べる気にもならない私は、仕事から帰って来てはワインをついでテレビでDr.Houseの再放送を観ながソファでらうとうとする・・・という毎日です。でもこの日はそれをみかねた友人達が映画に誘ってくれてその後はメチャウマーなイタめしに連れて行ってくれました。久しぶりに夕食も完食。映画館で映画を観るのも久しぶりでした。

さて、詐欺行為で元カレが逮捕されたりレッドカーペットでのドレスが注目されたりと、ゴシップ欄を賑わすことが多いアン・ハサウェイですが、今年は「ゲット・スマート」が大ヒットしたのに加え、本作品ではアカデミー賞主演女優賞の呼び声も高い・・・と、本職でも大活躍。タイトルの「レイチェル」は彼女の妹(ローズマリー・デウィット)。ハサウェイが演じるのは、元ジャンキーで現在リハビリ施設に入居中のキムです。レイチェルの結婚式のためにキムが一時的に退院を認められ、帰宅するところから映画が始まります。

キムは元ジャンキーというだけでなく、明らかな人格障害も抱えています。また、ドラッグ中毒が原因で起きた出来事のせいで、けして癒えない傷を心に負っているのです。そんな役なので、キムが銀幕上に登場する度にハラハラしますし、なんともいや〜んな気持ちになりました。ほら、誰でも知っているでしょう?どんな問題があっても「私が原因ではない」「私は犠牲者だ」って言いのける人達。キムってまさにそれなんですよ。途中から蹴飛ばしてやりたくなりました。

Rachel Getting Marriedまあ、普段は割と明るく快活でおきゃんなタイプを演じることが多いハサウェイが、こういった汚れ役を演じるということで注目を集めているのでしょうが、正直同じ「心に傷を持ちながら社会復帰を夢見る女性」ならハサウェイと同様現時点でアカデミー賞の主演女優賞ノミネートの筆頭に挙げられているI've Loved You So Longクリスティン・スコット・トーマスの方が数段上です(姉と妹との複雑な関係の描写もね)。ただ、タイプキャストされるようになる前にこうやって違ったタイプの役に取り組もうという姿勢はとても好印象。個人的には彼女は美人というよりファニーフェースだと思いますし、「プラダを着た悪魔」も最大の致命的欠点が、このアン・ハサウェイが「変身後」も全然垢抜けて見えなかったことだと思っているので、何で彼女がここまで注目されるのかわかりません。まあ若くて華やかということで、もし下馬評通りアカデミー賞主演女優賞レースをメリッサ・レオとかクリスティン・スコット・トーマスみたいな「職人女優」が率いることになるのであれば一人は彼女みたいなタイプがノミネートされないと地味すぎますからね、きっとノミネートはされるでしょう。

映画としては、異人種間の結婚とか似非インド風のテーマとか、エスニック系の音楽とかをあえて「さらり」と描いているところが逆に鼻につきました。あと、あまりに結婚式の音楽やダンスやスピーチに時間を割きすぎ。あと20分短かったらもうちょっと映画としての評価も高いのになーと思ってしまいました。でもお久しぶりのデブラ・ウィンガーは登場時間はたったの15分ですが、凄いインパクトですよ。もしかしたら彼女もノミネートされちゃうかも・・・とちょっと思いました。

ちなみに、本作品はシドニー・ルメット監督のお嬢さん、ジェニー・ルメットの処女作です。彼女にもお姉さんがいるのですが・・・もしやこのドロドロしまくりのブキャナン一家は・・・ルメット一家がベースになっているのでしょうか・・・。だとしたらシドニー・ルメットって・・・(汗)

公式サイトはこちら。トレーラーもそこでどうぞ。