August 12, 200819:00Bottle Shock (2008)4
監督:ランダル・ミラー
脚本:ジョディ・サヴィン、ランダル・ミラー、ロス・シュワルツ
出演:クリス・パイン、アラン・リックマン、ビル・プルマン、レイチェル・テイラー、フレディ・ロドリゲス、デニス・ファリーナ、エリザ・ドゥシュク

判官贔屓というのは万国共通なようで、ハリウッドも、いつの時代でも弱いものが努力で勝利を得るというお話でいっぱいです。「ロッキー」(ボクシング)や「勝利への旅立ち」(Hoosiers)(バスケ)、「タイタンズを忘れない」(フットボール)、「ミラクル」(ホッケー)など、典型的なスポ根モノ以外でも「ベイブ」(牧羊犬コンテスト)や「The Great Debaters」(ディベート)、「シービスケット」(競馬)、「ドリーム・カムズ・トゥルー(Akeelah and the Bee)」(スペリングコンテスト)など、名前を挙げだしたらキリがありません。今回のこれは「ワイン」。ゴリアテはフランス。ダビデは新進のカリフォルニア(ナパ・バレー)のワイナリーです。1976年の「パリ対決」(目隠しをしてワインテイスティングを行い、味で競う大会)でそれまでネ申のように崇められていたフランスのワインをやぶって優勝したシャルドネを作ったシャトー・モントレーナのお話です。

Bottle Shockテイスティングの開催者、フランス在住のワイン評論家、スティーヴン・スパリエにアラン・リックマン。脱サラしてシャトー・モントレーナの運営に命を賭けるジム・バレットにお久しぶりのビル・プルマン。その出来損ないの息子、ボーに最近売れっ子のクリス・パイン(J.J.エイブラムズのスタトレのカーク役に抜擢)、ワイナリーで働く一夏のインターン、サムにレイチェル・テイラー、そしてワイナリーの従業員で、自身もワイン製造の夢をもつメキシコ人のグスタフにフレディー・ロドリゲス。かなりわかりやすいですが、しっくりくるキャスティングです。トレーラーからも明らかな通り、アラン・リックマンは「ワイン・スノッブ」のスパリエを実に楽しそうに演じていますし、90年代後半はアメリカの大統領役やらロマコメの主人公やらで引っ張りだこだったビル・プルマンも、いい感じに年をとって、どんなレッドネック(田舎者)を気取ってみても、基本的に上品なのがこの役にぴったり(脱サラする前は弁護士だったという設定)。ウェイトレス役のエリザ・ドゥシュクも、ヒロインではないのですが、タフでクールなジョー役にぴったりです。「ボビー」で一番感心したフレディ・ロドリゲスはここでもやっぱり主役のクリス・パインを食っちゃうぐらいの好演。クリス・パインも、大人になりきれないボンボン役でいい感じなのですが、いかんせんサタデー・ナイト・ライブのスキットに出てきそうなショボいウィッグがイマイチ、イマニで、私なら絶対にフレディ・ロドリゲス(またはパパ役のビル・プルマン)を選ぶがなぁ・・・と思っちゃいました(だから誰も訊いてないって!)。あと、昔テレビシリーズの「マーフィー・ブラウン」が好きだった人であれば(ここにも一人!)、これまたお久しぶり〜のジョー・レガルブート(MBではフランク役)の姿に大喜びするんでは。私はしました(笑)

完璧な映画ではないですし、同じくワインカントリーを舞台にした「サイドウェイ」と比べてもあまりにもわかりやすくてヒネリのない単純明快さにがっかりくる人もいるでしょう。でも、トレーラーからも明らかな通り、ここではその単純明快さが吉。素直に楽しめる映画です。落ち込んでいる時の気分転換にはぴったりですよ。

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この記事へのコメント

1. Posted by はまなす   September 10, 2008 04:12
これは私もとても楽しめました!結果はわかっているのにね。ヒロインの女の子(ブロンドの方)もレベッカ・ローミン(?)に似ていて良かったです。見たことな女優さんでしたが。アカデミー賞とる作品じゃないけど、こういう作品を見ることは精神衛生上いいんじゃないかと思います!
2. Posted by Franchesca   September 11, 2008 04:30
レベッカ・ローミンね、確かに似てますね!
私も観たことがない女優さんでした>レイチェル・テイラー
でも、トレーラーの「オパーイ丸出しでヒッチハイク」のシーンが妙に似合う、気風のいい女優さんですね。これからが楽しみ!
そう、アカデミー賞とる作品じゃないですが、純粋に楽しめる映画というのは貴重ですよ。トレーラーのトーンそのまんまの作品でしたね。

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