2010年01月
2010年01月03日
『憲法のなかの女性』の講演を聴いた私の夢
格差の是正・被害者救済をめざして
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レジメの最初、板戸に描いた1枚の絵に私は惹かれました。「塹壕のマドンナ」です。
1942年のスターリングラード戦の塹壕の中で描かれた絵。作者のクルト・ロイバーは、捕虜となったのち死亡した。マドンナの絵の廻に「光・命・愛」と書いてある。
息子あての手紙には「愛する子どもたちよ、このマドンナの絵をお前たちみんなの心のよりどころにしてほしい。人間は苦しい時、ぐらつかないように心の中に何かのより所を持つことが必要なのだから」と記されていた。 素晴らしい黄と黒で描かれた板戸の絵です。
私は、極限状況のなかで、人間としてどのように生きられるかを光と愛を求めながら、問われているように感じました。光とは叡智・神・人智の及ばないもの・良心?想像が膨らみます。ぐらつくよ。
日本の女性が「光・命・愛」に包まれるのは何時の事でしょうか?
確かに憲法24条には『 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、・・・2・・・ 法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。』と規定されています。
現実の日本は、ジェンダーエンパワーメント指数(GEM)108カ国中58位、ジェンダーギャップ指数(GGM)130カ国中98位(今年10月で75位)です。
女性差別撤廃委員会日本政府審査の総括所見を公表によれば
「14 、民法改正及び雇用、政治・公的領域等での暫定的特別措置の2点について、2年以内に、実施状況の詳細報告を提出することが要請されました。また、2014年7月に、次回の報告書の提出を求められました」と散々です。
彼は、憲法と現実との乖離は裁判で少しずつ埋められていく。だから、裁判官のジェンダー意識の改革は重要である。
ある弁護士が裁判官にジェンダー教育の必要性を力説していたのも尤もと思いました。
次いで法律の改正で男女差別がなくなる。理論的に「国は法律婚を奨励しています→だから夫婦別姓を認めず、フランス婚(事実婚・婚外子)を差別するのです」と証明して行かれます。
いろいろな女性差別を裁判判例・資料から説いていきます。だから、研究者の講演は聞き応えがあります。
1970年までは、欧米は日本同様性別分業でした。70年代の世界を風靡したフェミニズムによって、欧米は法の男女平等が推し進められていきました。
私の持論ですが、現在の『家』は1898年〜1947年の遺制だから、現行民法を知れば『家』はなくなって行く幻想を私は持っていました。が、日本は、戦後崩壊したはずの「家制度」を「家族単位」として甦えらせました。
それは?戸籍の戸籍筆頭者?住民基本台帳法の世帯主?第3号年金・遺族年金制度と103万円の壁です。
男女平等の逆をいきました。
そして、この現象を「日本の美しい家族風景です」と政治家は讃えます。この持論を彼は、『宿題にします』と言って下さいました。嬉しいです。
●シングルマザーの54,3%が年収160〜170万円。
「○○県母子世帯等実態調査」県内の母子家庭数は7915世帯。うち、441%は年200万円以内
●彼の提案?の問題を考えてみました。
家族単位で、夫が妻子を養うという発想そのものが、女性の低賃金や不安定雇用をもたらしている。非正規雇用問題は、実は家族単位の問題であると思います。女性労働が均等待遇=同一活労働同一賃金になるように運動していけば、一人ひとりの男も女も伸び伸び生きて働いて、ジェンダーエンパワーメント指数、ジェンダーギャップ指数も確実に上がるでしょう。
私達は憲法24条の男女平等を生きたいのです。
最後に、学校でジェンダー教育をして、自分の人権を権利として行使できる人に育って欲しいと願っています。
彼の裁判記録・緻密な資料を割愛しました。裁判記録・緻密な資料は大切に役たてていきます。
楽しく有意義な時間を過ごさせて頂きありがとうございました。
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