2014年06月
2014年06月25日
結婚改姓で失った名前が欲しいです。東京地裁判決（2013.5.29）を受けて
しばらく、お休みしようとして思っていた私、円に原告さんから又メールが来ました。以下です。
結婚改姓で失った名前が欲しいです
2011年2月14日、別姓訴訟して早、2年と3ヶ月。今、判決がありました。
blogﾗﾝｷﾝｸﾞへよろしくお願いします｡
皆様が支えてくださったからこそ、ここまで来れたのです。最高の15人の弁護団、支える会や支える会・富山の皆さまに深く感謝しています
「氏名は個人の人格の象徴であって、人格権の一内容を構成する。」
これは最高裁判所の見解（1988年）です。
でも、ここにいる私は誰でしょう。戸籍名はあるそうですが、、それは私の名ではありません。
通称が使用できても、私の名とは言えません。
何処に行ったのでしょうか。
名前がないと私個人の尊厳はありません。
私の人格権もありません。
今の私は何でしょう。人間であることは、確かです。
名前は、自然権だと思っています。だから、国が憲法13条個人も尊厳・２４条婚姻の自由・両性の本質的で私の本名を守るのが当たりまえです。
どうしてかな？どうしてかな・？民法750条の夫婦同姓規制があるのは。私個人の尊厳を守るために、53年間苦しみました。
私の名前が欲しいです。
私は6月で78歳になりました。私の根っこは、ただ私の本名で生き逝きたいだけです。
私の願いが叶えられれば、救われる方々が大勢います。
姓の喪失感で「一人苦しみ」の方は別姓訴訟があることをキャッチして欲しいと願っています。
私達は、氏名をもつ女性個人の人格の尊厳のために、最高裁までも闘います。
東京地裁判決（2013.5.29）を受けて
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結婚改姓で失った名前が欲しいです
2011年2月14日、別姓訴訟して早、2年と3ヶ月。今、判決がありました。
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皆様が支えてくださったからこそ、ここまで来れたのです。最高の15人の弁護団、支える会や支える会・富山の皆さまに深く感謝しています
「氏名は個人の人格の象徴であって、人格権の一内容を構成する。」
これは最高裁判所の見解（1988年）です。
でも、ここにいる私は誰でしょう。戸籍名はあるそうですが、、それは私の名ではありません。
通称が使用できても、私の名とは言えません。
何処に行ったのでしょうか。
名前がないと私個人の尊厳はありません。
私の人格権もありません。
今の私は何でしょう。人間であることは、確かです。
名前は、自然権だと思っています。だから、国が憲法13条個人も尊厳・２４条婚姻の自由・両性の本質的で私の本名を守るのが当たりまえです。
どうしてかな？どうしてかな・？民法750条の夫婦同姓規制があるのは。私個人の尊厳を守るために、53年間苦しみました。
私の名前が欲しいです。
私は6月で78歳になりました。私の根っこは、ただ私の本名で生き逝きたいだけです。
私の願いが叶えられれば、救われる方々が大勢います。
姓の喪失感で「一人苦しみ」の方は別姓訴訟があることをキャッチして欲しいと願っています。
私達は、氏名をもつ女性個人の人格の尊厳のために、最高裁までも闘います。
東京地裁判決（2013.5.29）を受けて
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2014年06月07日
お話；婚姻による姓の変動―民法と戸籍の関係から その６
お話；婚姻による姓の変動―民法と戸籍の関係から Ｑ＆Ａ
blogﾗﾝｷﾝｸﾞへよろしくお願いします｡
Ｑ；それで、私は法律を変える科学的な論証・一般法則による論証は出てきたと思います。
Ａ；よく、例に出されるアメリカでは１／２が離婚している。その原因は「氏」がバラバラなことではない。
これは一般法則にならない。アメリカ人に聞くと、配偶者間や子どもとで姓が違っていてもノー・プロブレム（問題ない）、です。
じゃ、世界中の別姓の国ではだいたい家族が崩壊しているか。「氏の同一によって一体感をもつべし」との命令みたいなモノです。
Ｑ；科学的ではなく、社会学的にはどうなっているか。もう、既に、日本の家族の状態はどうなっているか。夫婦は同姓といっているけど、今、家族どころでないと思います。もう、既に解体しているその方から、法律を直す「根拠」とならないか。
Ａ；それを手直しする法律が必要ではないか？
たとえば、子どもの問題は大人自体の矛盾が子どもにもちこまれているからです。少子化・晩婚化にしたって、それは社会的重圧があるからです。たとえば「子どもは親が育てるのが当たり前だ」として、中曽根行政改革から託児所を随分壊してきた。子どもを育てることを国が回避する。そうするとツケが回ってくるので、普通の家族が、働いて、子どもを育てられるように社会的重圧を取り除くことが必要だ。
離婚に関しても、法律的な規制が必要である。それは、夫婦別姓の次元の問題ではないと思う。
日本では協議離婚が世界一簡単にできる。離婚届の提出だけでいいのです。ただ何らかのチェックは必要でしょう。一番簡単には、原則として両当事者に「いいんですか」と確かめるくらいのチェックはなされるべきである〔一方的に離婚届が出されてしまうことがあるから〕。他方で、裁判離婚になれば、「我慢しなさい」という調停になりうる。しかし無理な結婚を一つに結びつけていくのは非人間的です。
Ｑ；家族の解体ではなく、家族の変容ではないか。
今、標準家庭は全体の１／３になった。だから、解体でなくて、変容ではないかナ。
高齢シングル、若いシングルも多いし、夫婦別姓、事実婚も多くなったし、同棲（異性、同性）など子どもが出来てから、結婚について考えるなど、多様な生き方が多くなった。これらを法律で認めて貰いたい。
多様な生き方を支えるために、最初は、夫婦別姓からやって貰いたい。
私は、夫の戸籍名を名乗るのは、震える位イヤで、このまま、夫の戸籍名で死んでいくのはイヤです。
ペーパー離婚しやすいのは、夫婦別姓を認めない、代わりではないですか（大笑い）。
Ａ；離婚したくないのに、離婚届をだす。日本の制度を、うまく逆用して自由な生き方を選ぶということですね……。
Ｑ；私は事実婚8年目です。夫の最初の結婚は婿養子で、離婚しても、養子先の姓を名乗っている。
再婚しようとしても「姓」が決まらない。
夫は姓を変えたくない。私は彼の養子先の名を名乗りたくない。ナンセンスです。だから、事実婚なんですよ。
姓を変えることは不可能ですか。私は、本当は姓を変えたくないのですけど（笑い）。
Ａ；3ヶ月以内に婚氏続称の手続きをした後は、なかなか変えられない。戸籍法第107条の「やむを得ない事情」によって氏を変えることはありえますが、なかなか認められないようです。保守的な裁判官だったら難しいでしょう。私が裁判官だったら、変えられます（皆ニコニコ）。「氏」と「名」では、「氏」の方がなかなか変えられない。
Ｑ；エー変えられないんだー（大笑い）。
彼、10年も同じ仕事したから姓を変えられなかった。
Ｑ；実は娘二人とも出したんですが、長女の3人息子の次男が、私の孫養子になって、姓を継ぐことになった。その息子が婿養子に行ったら弱るなと。孫にはよく言い聞かせては居ますが・・・。
Ａ：「姓を子孫に継がせたい」というのは一見古い考えに見えて、自然な感情だという人もいます。問題は夫だけがそれが出来るんですね。妻は自分の氏を残せない。子どもたちの姓がバラバラになる可能性を残した方がよいという意見があるのは、妻が自分の氏を子孫に残すことができるからです。
Ｑ；反対派の言うのはそのことなんですね。どうせ、親子同姓だからと。
Ｑ；私には、3人の子がいます。ペーパー離婚して、最初の子が私の姓です。
私の姓にするために、大きなお腹を抱えて、裁判所や弁護士に相談に行っても「わからない」というんです（笑）。後の二人は夫と同姓です。
Ａ；富山でも今ようやく、一人女性の弁護士が誕生しましたが……。
Ｑ：結婚の規制緩和して、少子化対策として認めさせる。子どもは増えますよ！(笑い続く)
それのトレードオフで、仕方がないとして別姓を認めるかも(笑)。
行き着くところまで少子化が進めば〜〜少子化がキー・ワードです。
Ａ；個人が尊ばれる社会が作られていくことを大前提に、まずは戸籍を一寸手直しすればよい。抜本的に変えていくのは「家意識」をなくすためです。
b>Ｑ：庶民のために、個人のために変えていかねばならないのに、何故、変えていかないのでしょう？
Ａ、私も少数派です。法律家はふつう保守的に考えます。今までの法律を守っていくけれど、そして、意見は聞くけれど、変わるのは少しずつです。
それから、法律家といってもすべての法律を「わかっている」わけではない。山ほど法律がある中の基本的な部分をほんの少し知っているだけです。ただ、何かあったときに調べて考える力があります。
blogﾗﾝｷﾝｸﾞへよろしくお願いします｡
完お読み下さり有り難うございます
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Ｑ；それで、私は法律を変える科学的な論証・一般法則による論証は出てきたと思います。
Ａ；よく、例に出されるアメリカでは１／２が離婚している。その原因は「氏」がバラバラなことではない。
これは一般法則にならない。アメリカ人に聞くと、配偶者間や子どもとで姓が違っていてもノー・プロブレム（問題ない）、です。
じゃ、世界中の別姓の国ではだいたい家族が崩壊しているか。「氏の同一によって一体感をもつべし」との命令みたいなモノです。
Ｑ；科学的ではなく、社会学的にはどうなっているか。もう、既に、日本の家族の状態はどうなっているか。夫婦は同姓といっているけど、今、家族どころでないと思います。もう、既に解体しているその方から、法律を直す「根拠」とならないか。
Ａ；それを手直しする法律が必要ではないか？
たとえば、子どもの問題は大人自体の矛盾が子どもにもちこまれているからです。少子化・晩婚化にしたって、それは社会的重圧があるからです。たとえば「子どもは親が育てるのが当たり前だ」として、中曽根行政改革から託児所を随分壊してきた。子どもを育てることを国が回避する。そうするとツケが回ってくるので、普通の家族が、働いて、子どもを育てられるように社会的重圧を取り除くことが必要だ。
離婚に関しても、法律的な規制が必要である。それは、夫婦別姓の次元の問題ではないと思う。
日本では協議離婚が世界一簡単にできる。離婚届の提出だけでいいのです。ただ何らかのチェックは必要でしょう。一番簡単には、原則として両当事者に「いいんですか」と確かめるくらいのチェックはなされるべきである〔一方的に離婚届が出されてしまうことがあるから〕。他方で、裁判離婚になれば、「我慢しなさい」という調停になりうる。しかし無理な結婚を一つに結びつけていくのは非人間的です。
Ｑ；家族の解体ではなく、家族の変容ではないか。
今、標準家庭は全体の１／３になった。だから、解体でなくて、変容ではないかナ。
高齢シングル、若いシングルも多いし、夫婦別姓、事実婚も多くなったし、同棲（異性、同性）など子どもが出来てから、結婚について考えるなど、多様な生き方が多くなった。これらを法律で認めて貰いたい。
多様な生き方を支えるために、最初は、夫婦別姓からやって貰いたい。
私は、夫の戸籍名を名乗るのは、震える位イヤで、このまま、夫の戸籍名で死んでいくのはイヤです。
ペーパー離婚しやすいのは、夫婦別姓を認めない、代わりではないですか（大笑い）。
Ａ；離婚したくないのに、離婚届をだす。日本の制度を、うまく逆用して自由な生き方を選ぶということですね……。
Ｑ；私は事実婚8年目です。夫の最初の結婚は婿養子で、離婚しても、養子先の姓を名乗っている。
再婚しようとしても「姓」が決まらない。
夫は姓を変えたくない。私は彼の養子先の名を名乗りたくない。ナンセンスです。だから、事実婚なんですよ。
姓を変えることは不可能ですか。私は、本当は姓を変えたくないのですけど（笑い）。
Ａ；3ヶ月以内に婚氏続称の手続きをした後は、なかなか変えられない。戸籍法第107条の「やむを得ない事情」によって氏を変えることはありえますが、なかなか認められないようです。保守的な裁判官だったら難しいでしょう。私が裁判官だったら、変えられます（皆ニコニコ）。「氏」と「名」では、「氏」の方がなかなか変えられない。
Ｑ；エー変えられないんだー（大笑い）。
彼、10年も同じ仕事したから姓を変えられなかった。
Ｑ；実は娘二人とも出したんですが、長女の3人息子の次男が、私の孫養子になって、姓を継ぐことになった。その息子が婿養子に行ったら弱るなと。孫にはよく言い聞かせては居ますが・・・。
Ａ：「姓を子孫に継がせたい」というのは一見古い考えに見えて、自然な感情だという人もいます。問題は夫だけがそれが出来るんですね。妻は自分の氏を残せない。子どもたちの姓がバラバラになる可能性を残した方がよいという意見があるのは、妻が自分の氏を子孫に残すことができるからです。
Ｑ；反対派の言うのはそのことなんですね。どうせ、親子同姓だからと。
Ｑ；私には、3人の子がいます。ペーパー離婚して、最初の子が私の姓です。
私の姓にするために、大きなお腹を抱えて、裁判所や弁護士に相談に行っても「わからない」というんです（笑）。後の二人は夫と同姓です。
Ａ；富山でも今ようやく、一人女性の弁護士が誕生しましたが……。
Ｑ：結婚の規制緩和して、少子化対策として認めさせる。子どもは増えますよ！(笑い続く)
それのトレードオフで、仕方がないとして別姓を認めるかも(笑)。
行き着くところまで少子化が進めば〜〜少子化がキー・ワードです。
Ａ；個人が尊ばれる社会が作られていくことを大前提に、まずは戸籍を一寸手直しすればよい。抜本的に変えていくのは「家意識」をなくすためです。
b>Ｑ：庶民のために、個人のために変えていかねばならないのに、何故、変えていかないのでしょう？
Ａ、私も少数派です。法律家はふつう保守的に考えます。今までの法律を守っていくけれど、そして、意見は聞くけれど、変わるのは少しずつです。
それから、法律家といってもすべての法律を「わかっている」わけではない。山ほど法律がある中の基本的な部分をほんの少し知っているだけです。ただ、何かあったときに調べて考える力があります。
blogﾗﾝｷﾝｸﾞへよろしくお願いします｡
完お読み下さり有り難うございます2014年06月02日
お話；婚姻による姓の変動―民法と戸籍の関係から その5
お話；婚姻による姓の変動―民法と戸籍の関係から Ｑ＆Ａ
blogﾗﾝｷﾝｸﾞへよろしくお願いします｡
司会：先生、わかりやすくて、しかも、先生自身も若者の考え方に沿った、われわれの「ななの会」とよく似た感覚をしていらっしゃるので助かります。民法や戸籍の関係だとか具体的にして頂き、「白地規定性」とか「個人呼称説」など教えて頂きました。今から30分ほど、吉田先生に直接聞いて下さい。
Ｑ：一般的に女性が、改姓するのは９８％である。
ところが「婿養子です」が１０％ある。その差は何か。結婚時、まず、男性の養子縁組があり、男性が改姓する。それから、男が戸籍筆頭者になって、女性が改姓したことにする。
それで、男の数字が2〜３％にしかならない。そんなからくりがありそうだ。婚姻届を先に出すか、養子縁組を先にするか、養子縁組を先にする方が多い。
Ａ：統計自体は法律家の仕事でないのでよくわかりませんが、社会学の仕事です。そうなると、いろいろなパターンがあって、１０％のうち全て男性が改姓しているとは思えないし、要するに、男性を戸籍筆頭者にしたくて、しかも一人娘の家などは、その「家」を残したいので、養子縁組することになりますね……。
Ｑ：妻が戸籍筆頭者になって、夫が改姓したら？
Ａ：婚姻届を夫の氏で出してから、養子縁組すれば、戸籍筆頭者である夫の姓が変わるので、妻や子どもも「右へ倣え」で姓が変わる。しかし、どうしても男を先に書かねばということなんですね？（笑）。
Ｑ：（資料の戸籍謄本を見ながら）別姓に関心があって、出席しました。戸籍の表示はインデックスみたいと言われたけど、これ＝戸籍筆頭者なんですね。
Ａ：（資料を指差しながら）これが本籍で、これが筆頭者です。これが〔二つ合わせて〕「戸籍の表示」です。
Ｑ；そうすると、民法の方では、ここには大した意味がない？
Ａ；民法は戸籍のことを考えていませんから。したがって、個人登録カードでもいいわけですね。
「戸」というのは、一家ということです。一家全員を一覧表にできるようになっていて便利である、というのが「戸」籍をどうしても残したい人達の言い分です。本籍と筆頭者はインデックスにすぎないので、重要性はない、と言われる。なら単に検索用の番号でもよいですね。実際はそうではないとの言い訳をもって、残そうとしている。本籍を残し、筆頭者は家長のようにしたい。
Ｑ；だから、今みたいな話になってくるのですね。
Ｑ；やっぱり、筆頭みたいなものに拘っているのですね。この戸籍の｢氏名｣は？｢氏｣は？別姓の｢姓｣は？
Ａ；法律用語の使用上は｢氏｣、氏は明治以来の「家制度」の意味あいがあるので、今は｢姓｣ということばを使おうとしている。「姓名判断」の姓です。江戸時代までは、「苗字」でした。「苗字」は武士だけのものであって、それが、明治に｢氏｣になって、誰もがもつべきものとなった。法律を説明するのに仕方なく「氏」という言葉を使っている。
Ｑ；そうすると、私たちは「なまえ」と言っていますが、「名前」は法律上何処にも書いてなくて、普通に使っているものですね。
Ａ；そうです。
Ｑ；「姓」はなんですか？
Ａ；「姓」は、氏姓制度として聖徳太子の頃からあって、天皇から与えられた……〔しかしこれは現在の姓とはぜんぜん違うものです〕。
Ｑ；夫婦別姓の姓、夫婦別氏の氏のつかいわけが分かりました。
Ｑ；法務省が、この法案を作ったときに、その下地になるようなものは、我々は知ることが出来るのでしょうか。審議に入ろうとしていても、ただの一度だって、審議は出来ないわけですよ。
自民党の法制部会は、開会前から、反対派のヤジと怒号で、賛成派は小さくなっている状態。審議すれば、なにをベースにしたか解るはず。なにをベースにしたか、知りたいのです。
Ａ；審議会での議論ですか？ 基本的には、法案は、政府提出法案と議員立法の場合がある。大体、社会的な問題がテーマであれば、国会議員による議員立法のこともあります。国会議員の立法能力は極めて乏しいから、大体、基本的には、各省庁から作り出された政府提出法案が多い。
民法改正のような、基本法に関しては、法務省が法案を作ります。その内容で、ほぼそのまま国会に提出されるわけです。その場合に、法務省の中に「法制審議会」があって、選択的夫婦別姓案が作られたときには、民法部会の身分法小委員会での議論は公開されている（今、民法部会はない）。しかし一般の人には、なかなか近づけない。法律家向けの解説はあります……。
Ｑ；是非それを聞きたい。審議会に掛かれば公開される。
Ａ；今であれば、法案を作って、パブリック・コメントを求めるようになった。内閣法制局などから解説本も出されたりします……〔が、法案が国会に提出された後の、国会での委員会やそれ以前の議論にはほとんど近づけません〕。
Ｑ；別姓が騒がれる何年も前から、『家庭裁判所の現場から』が出された。
私達は、「ななの会」をやっているのは、抑圧から逃れたい方が、ほとんどです。父親の抑圧とか、夫の抑圧とか、家の存続の方とか、いろいろですけど。「私は私らしくいたい」のに、「この家にはいったら、そこの家の考え方に沿って貰いたい」が、当たり前のごとくにあります。バカバカしい事など沢山ありました。山谷えり子が「たかだか、アンデイテイがなくなったかと言って、ガタガタ言うな、大人気ない」、西川京子は「家族の崩壊」という。
Ａ：崩壊しませんよ。ちなみに、私がよく研究しているハーバート・ハートという学者がいまして（イギリスの代表的知性）、近年亡くなったのですけど、その人が、「同性愛は法律で処罰すべし、なぜなら社会が解体するからだ」と主張するデヴリン卿を、こう批判しています。「解体すると言うなら経験科学に基づいた論証をして貰いたい。経験科学的な論証をする場合は、まず一般法則がなくてはならない。次にこれこれの場合はその法則を例証する一事例である、と、そうゆう２段階がある。たとえば、「水を熱したら蒸発する」とかの一般法則がまずあって、次にそれを当てはめると目下の場合は蒸発するするだろう、と言える。だから、�＾貳緬‖Г梁減澆鮗┐垢海箸函↓△海両豺腓呂修琉貳緬‖Г琉貉�例であるということを示さないと、その論証は意味をなさない。論証になっていないのに、漠然と「バラバラになる」と主張するのは、経験的な主張ではなく、単純に同性愛を厭う保守的な考えを述べているにすぎない。それならそう言え」と。別姓問題もしかり。
Ｑ＆Ａは続きます。
blogﾗﾝｷﾝｸﾞへよろしくお願いします｡
blogﾗﾝｷﾝｸﾞへよろしくお願いします｡
司会：先生、わかりやすくて、しかも、先生自身も若者の考え方に沿った、われわれの「ななの会」とよく似た感覚をしていらっしゃるので助かります。民法や戸籍の関係だとか具体的にして頂き、「白地規定性」とか「個人呼称説」など教えて頂きました。今から30分ほど、吉田先生に直接聞いて下さい。
Ｑ：一般的に女性が、改姓するのは９８％である。
ところが「婿養子です」が１０％ある。その差は何か。結婚時、まず、男性の養子縁組があり、男性が改姓する。それから、男が戸籍筆頭者になって、女性が改姓したことにする。
それで、男の数字が2〜３％にしかならない。そんなからくりがありそうだ。婚姻届を先に出すか、養子縁組を先にするか、養子縁組を先にする方が多い。
Ａ：統計自体は法律家の仕事でないのでよくわかりませんが、社会学の仕事です。そうなると、いろいろなパターンがあって、１０％のうち全て男性が改姓しているとは思えないし、要するに、男性を戸籍筆頭者にしたくて、しかも一人娘の家などは、その「家」を残したいので、養子縁組することになりますね……。
Ｑ：妻が戸籍筆頭者になって、夫が改姓したら？
Ａ：婚姻届を夫の氏で出してから、養子縁組すれば、戸籍筆頭者である夫の姓が変わるので、妻や子どもも「右へ倣え」で姓が変わる。しかし、どうしても男を先に書かねばということなんですね？（笑）。
Ｑ：（資料の戸籍謄本を見ながら）別姓に関心があって、出席しました。戸籍の表示はインデックスみたいと言われたけど、これ＝戸籍筆頭者なんですね。
Ａ：（資料を指差しながら）これが本籍で、これが筆頭者です。これが〔二つ合わせて〕「戸籍の表示」です。
Ｑ；そうすると、民法の方では、ここには大した意味がない？
Ａ；民法は戸籍のことを考えていませんから。したがって、個人登録カードでもいいわけですね。
「戸」というのは、一家ということです。一家全員を一覧表にできるようになっていて便利である、というのが「戸」籍をどうしても残したい人達の言い分です。本籍と筆頭者はインデックスにすぎないので、重要性はない、と言われる。なら単に検索用の番号でもよいですね。実際はそうではないとの言い訳をもって、残そうとしている。本籍を残し、筆頭者は家長のようにしたい。
Ｑ；だから、今みたいな話になってくるのですね。
Ｑ；やっぱり、筆頭みたいなものに拘っているのですね。この戸籍の｢氏名｣は？｢氏｣は？別姓の｢姓｣は？
Ａ；法律用語の使用上は｢氏｣、氏は明治以来の「家制度」の意味あいがあるので、今は｢姓｣ということばを使おうとしている。「姓名判断」の姓です。江戸時代までは、「苗字」でした。「苗字」は武士だけのものであって、それが、明治に｢氏｣になって、誰もがもつべきものとなった。法律を説明するのに仕方なく「氏」という言葉を使っている。
Ｑ；そうすると、私たちは「なまえ」と言っていますが、「名前」は法律上何処にも書いてなくて、普通に使っているものですね。
Ａ；そうです。
Ｑ；「姓」はなんですか？
Ａ；「姓」は、氏姓制度として聖徳太子の頃からあって、天皇から与えられた……〔しかしこれは現在の姓とはぜんぜん違うものです〕。
Ｑ；夫婦別姓の姓、夫婦別氏の氏のつかいわけが分かりました。
Ｑ；法務省が、この法案を作ったときに、その下地になるようなものは、我々は知ることが出来るのでしょうか。審議に入ろうとしていても、ただの一度だって、審議は出来ないわけですよ。
自民党の法制部会は、開会前から、反対派のヤジと怒号で、賛成派は小さくなっている状態。審議すれば、なにをベースにしたか解るはず。なにをベースにしたか、知りたいのです。
Ａ；審議会での議論ですか？ 基本的には、法案は、政府提出法案と議員立法の場合がある。大体、社会的な問題がテーマであれば、国会議員による議員立法のこともあります。国会議員の立法能力は極めて乏しいから、大体、基本的には、各省庁から作り出された政府提出法案が多い。
民法改正のような、基本法に関しては、法務省が法案を作ります。その内容で、ほぼそのまま国会に提出されるわけです。その場合に、法務省の中に「法制審議会」があって、選択的夫婦別姓案が作られたときには、民法部会の身分法小委員会での議論は公開されている（今、民法部会はない）。しかし一般の人には、なかなか近づけない。法律家向けの解説はあります……。
Ｑ；是非それを聞きたい。審議会に掛かれば公開される。
Ａ；今であれば、法案を作って、パブリック・コメントを求めるようになった。内閣法制局などから解説本も出されたりします……〔が、法案が国会に提出された後の、国会での委員会やそれ以前の議論にはほとんど近づけません〕。
Ｑ；別姓が騒がれる何年も前から、『家庭裁判所の現場から』が出された。
私達は、「ななの会」をやっているのは、抑圧から逃れたい方が、ほとんどです。父親の抑圧とか、夫の抑圧とか、家の存続の方とか、いろいろですけど。「私は私らしくいたい」のに、「この家にはいったら、そこの家の考え方に沿って貰いたい」が、当たり前のごとくにあります。バカバカしい事など沢山ありました。山谷えり子が「たかだか、アンデイテイがなくなったかと言って、ガタガタ言うな、大人気ない」、西川京子は「家族の崩壊」という。
Ａ：崩壊しませんよ。ちなみに、私がよく研究しているハーバート・ハートという学者がいまして（イギリスの代表的知性）、近年亡くなったのですけど、その人が、「同性愛は法律で処罰すべし、なぜなら社会が解体するからだ」と主張するデヴリン卿を、こう批判しています。「解体すると言うなら経験科学に基づいた論証をして貰いたい。経験科学的な論証をする場合は、まず一般法則がなくてはならない。次にこれこれの場合はその法則を例証する一事例である、と、そうゆう２段階がある。たとえば、「水を熱したら蒸発する」とかの一般法則がまずあって、次にそれを当てはめると目下の場合は蒸発するするだろう、と言える。だから、�＾貳緬‖Г梁減澆鮗┐垢海箸函↓△海両豺腓呂修琉貳緬‖Г琉貉�例であるということを示さないと、その論証は意味をなさない。論証になっていないのに、漠然と「バラバラになる」と主張するのは、経験的な主張ではなく、単純に同性愛を厭う保守的な考えを述べているにすぎない。それならそう言え」と。別姓問題もしかり。
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