朝、鈍い日が照ってて
 風がある。
 千の天使が
 バスケットボールする。  (「宿酔」より)

燻銀なる窓枠の中になごやかに
 一枝の花、桃色の花。  (「春の夜」より)

蝉の声は遠くでしている
 懐かしきものみな去ると。  (「いちじくの葉」より)

怒りたるあとの怒(いかり)よ
仁丹の二三十個をカリカリと噛む  (「未黒野 温泉集」より)

ゆうがた、空の下で、身一点に感じられれば、
万事に於いて文句はないのだ。   (「いのちの声」より)


***

しかし、詩をばらばらに分断して、そのかけらだけを集めていいものか?
ちょっと、小洒落たモノクロの写真とセットで。

さすがに「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」の「サーカス」という詩は、
少し長めに掲載されていたけど。

これらの詩の断片をきっかけに、全部をちゃんと読もうと思った人は、
詩集を買えばいいね。

わたしも本編と読み比べたりして。