人はなぜ、「美しい」ということがわかるのだろうか?自然を見て、人の立ち居振舞いを見て、それをなぜ「美しい」と感じるのだろうか?脳科学、発達心理学、美術史学など各種の学問的アプローチはさまざまに試みられるであろう。だが、もっと単純に、人として生きる生活レベルから「審美学」に斬り込むことはできないだろうか?源氏物語はじめ多くの日本の古典文学に、また日本美術に造詣の深い、活字の鉄人による「美」をめぐる人生論。

とのこと。

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当たり前だけど、『人はなぜ「美しい」がわかるのか』は、
『人はなぜ「美しい」がわからないのか 』 でもある。

「美意識」にまみれているつもりでいても、その姿が美しいとは限らない。
審美眼が自分に向かない人も多いことに、今さら驚きもしないが、
そこに穴があることは、気に留めていたいと思いながら読んだ。