センター表皮及びエンブレムはオーナーさまが欧州から取り寄せされ、サイド部のレザー(合皮)はオーナーさまとの打ち合わせで未張替えのヘッドレストの合皮に合わせるように、近似品を当社でご用意して張替を実施致しました。
フレーム塗装や補強、各部パーツの再生、前倒しレバーの復活、ウレタンの補修補強(←これが思いの外手間掛かりました。この補修でしっかりとウレタン形状ラインを出さないとシートデザインラインのバランスが崩れる為)等、張替以外にも多数の時間を費やしました。
センター生地もエンブレムも70年代のRECARO製の完璧なリプロ品なので全体的な仕上がりが抜群です。
お引渡し時には、オーナーさまから「20代に新品2脚をSHOPで見ましたが、とても手の届く価格ではなかったので、今回やっと念願が叶ってとても嬉しいです!!」とのコメントも頂きました。
当社と致しましても苦労した甲斐がありました!!
歴史的価値のあるアフター販売用ファーストRECARO is74ラリーの完成全容を解説画像を踏まえ
是非ともご覧ください!!
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レカロ:is74 ラリー 左右セット(オーナーさまが欧州からUSED品をご購入)
当社にてフルメンテナンス
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ラリーは外観はレトロですがの乗り心地は現行のis84に匹敵する素晴らしさです。
感覚的にはis84LS-M的な感じです。内部フレームはBOX状モノコックにはなっていませんが
is81のヒンジ部と背中+座面フレームの個々でのモノコック構造により高い剛性感を得ている
感じです。
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パットヘッドレストは未張替のオリジナル状態です。形状はis81やis84前期に採用されている
ものと同じ形状です。逆を言えば,is74時代のデザインをis84前期まで採用していたということです。
座面先端のウレタン厚みもM座面とほぼ同形状です。前面部のメディカル形状および前側への可動
範囲が広いのでとても使いやすいです。
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この時代はピレリーマットではなく、白のベルト状(幅50㎜程度)のものが3本横方向に
装着されています。この素材はコットン系に装飾用のゴムベルトを編み込んであるので、
耐久性が低く、現行USEDのものは使用不可です。is81の前期やメルセデスW460LX-Fにも
採用されています。今回は当社製高耐久のis81用を装着致しました。
フレーム関係は全て再塗装しています。オリジナルに近いピッチング塗装にて施工しました。
このラリーの雰囲気を一言でお伝えするとA8仕様のLS-Mです。
A8の様にバックシェルと側面が剥き出し状態であり、ホールド感等はLS-Mに近似して
います。
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前倒し及びリクライニング機構の本ギミックが70年代に本レベルで確立しているレカロ社
の技術レベル高さは驚愕です。前倒し機能の動きも感動的です。
着座時の背中角度調整も違和感なく完璧です。私自身も本ラリーを964ポルシェに装着
してインプレッション確認しましたが、年代を感じさせない最高の乗り心地でした。
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