August 18, 2008

幸福(1964年)

■ STORY
幸福な家庭生活を送る若い夫が知り合った娘を愛し、それを知った妻が自殺するが、娘と再婚して再び幸福な家庭生活を送るまでを描いた作品。監督はアニエス・ヴァルダ。ベルリン映画祭の銀熊賞、ルイ・デリュック賞を受賞している。

■ COMMENTS
主人公・フランソワは、美しい妻テレーズと幼い子供たちと、平凡だけれども幸せな日々を送っていました。しかし、フランソワはエミリーという若い女性に出会い、心を寄せるようになります。優しく従順な妻・テレーズと、妻とは違った魅力を持つエミリーを、同時に愛するフランソワ。そこに罪悪感はなく、フランソワは、ふたりの女性を愛して幸福も二倍になった、と幸せを実感していました。

家族でピクニックに出かけたある日、フランソワはエミリーとの関係を妻・テレーズに告白します。テレーズは、フランソワの自分への愛情が変わらないことを知り、それを受けいれることに。森の中で抱き合うふたり。しかし、数時間後、テレーズは溺死体で発見されるのです……。

テレーズの死因は、自殺か事故死か……、映画でははっきりと描かれていません。テレーズを心から愛していたフランソワは悲しみに沈むのだけれど、月日が経ち、そこにあるのは、以前と変わらない“幸福”な家族の風景。フランソワはエミリーと暮らすようになり、子供たちも彼女によくなついています。そして、テレーズが生きていた頃と同じように、家族でピクニックを楽しむ姿が映し出されるのです。幸せそうな家族はそのままで、違うのは、テレーズがエミリーに変わったということだけ。“幸福”という形の裏にある残酷な一面に、映画を見ているほうは、ぞぞぞっとさせられます。

終始、色鮮やかな映像が印象的で、モーツァルトの音楽も美しい。見終わったあと、深い余韻が残る、美しくも恐ろしい映画。おもしろかったです。

幸福
幸福

■ DATA
[監督] アニエス・ヴァルダ
[出演] ジャン=クロード・ドルオー、クレール・ドルオー他

frenchmania at 22:25|Permalink【さ行】フランス映画 | 【1960年代】フランス映画

August 11, 2008

冒険また冒険(1972年)

■ STORY
一攫千金を夢見て冒険を繰り広げる男たちのドラマ。彼らは、金のためなら犯罪さえも厭わない。金庫破りや営利誘拐を繰り返したあげく、某国の将軍を誘拐することを計画するが……。クロード・ルルーシュ監督が手がける犯罪冒険活劇。

■ COMMENTS
主人公は、リノ、ジャック、シモン、シャルル、アルドの男五人組。彼らは、犯罪で生計を立てているギャングたち。有名人を誘拐して身代金を巻き上げたり、刑事になりすまして大会社に乗りこみ、金庫の金を盗んだり……。次第に彼らのやることはデカくなり、さらにはハイジャックまで敢行してしまいます。悪事の数々は新聞をにぎわせ、人々の話題となり、彼ら自身も冒険を楽しむかのごとく、犯罪を重ねていきます。

全編にわたり、男五人組のやりとりがコミカルで楽しく、犯罪をおかしているのに、どこか憎めません。大会社に乗りこんだものの、英語が通じなかったり、某国の大使を誘拐したのに誰も身代金を払おうとせず、がっかりしたり……。成功したかと思ったら意外な落とし穴があったり、絶体絶命のピンチを機転を利かせて脱したりと、綱渡りのような日々に見ているほうもワクワク。ひょんなことから、彼らが英雄扱いされてしまうのもおかしい。

監督は「男と女」などで知られるクロード・ルルーシュ。リノ・ヴァンチュラやシャルル・デネといった有名な俳優らが出演しています。本人役でジョニー・アリディも登場します。

■ DATA
[監督] クロード・ルルーシュ
[出演] リノ・ヴァンチュラ、シャルル・ジェラール、シャルル・デネ、ニコール・クールセル 他

frenchmania at 11:13|Permalink【は行】フランス映画 | 【1970年代】フランス映画

July 30, 2008

少女首狩事件(2000年)

■ STORY
ヨーロッパ全土を震撼させた衝撃の事件を、フレデリック・シェンデルフェール監督が映画化。パリ郊外で、ブロンドの少女が突然失踪する。捜査を続ける中で、過去の行方不明者リストにブロンドの少女が10人以上も存在したことが判明。さらに、ブロンド少女7人の首が川から発見され……。

■ COMMENTS
映画は、ブロンドの少女が、突然、失踪するところから始まります。少女が持っていたパンフレットに血がついていたことから、事件に巻き込まれたことが判明。刑事のファビアンとゴメズが捜査を開始します。そして数日後、被害者と思われる死体が発見されます。少女は、頭部と手首を切断されていました……。

フランス映画祭では、「犯罪の風景」として上映されましたが、DVD化にあたり、タイトルが「少女首狩事件」に変更になりました。この映画、気になっていたのですが、「少女首狩事件」というタイトルとDVDのパッケージがなんとも猟奇的で、怖くて見ることができずにいたんですよね。でも、そのイメージとは違って、映画は実話をもとにした硬派なサスペンス、といった感じでした。ただ、頭部のない死体を検死するシーンは、かなりリアルで気持ち悪い。

映画は、事件だけでなく、ふたりの刑事の私生活も詳しく映し出していきます。仕事の過酷さゆえに、家庭が崩壊し、酒に溺れていくゴメズ。刑事だって、仕事を離れれば愛する家族がいる。でも、仕事と私生活の線引きはたやすいことではなく、凄惨な事件を追うことで、精神的にも肉体的にも追い詰められていく、刑事という職業の苦悩が描かれています。

主演の刑事を演じるのは、シャルル・ベルリングとアンドレ・デュソリエ。「スパイ・バウンド」「裏切りの闇で眠れ」などのフレデリック・シェンデルフェール監督の初長編作品です。映画の結末はあっけないものでしたが、実話をもとにした作品なので、これが現実なのでしょうね。

少女首狩事件
少女首狩事件

■ DATA
[監督] フレデリック・シェンデルフェール
[出演] シャルル・ベルリング、アンドレ・デュソリエ、エヴァ・ダルラン 他

frenchmania at 15:09|Permalink【さ行】フランス映画 | 【2000年代】フランス映画

July 28, 2008

マドモアゼル a GO GO(1973年)

■ STORY
4人の若い女性と2人組の泥棒との駆け引きを描くコメディ。望遠鏡で貸別荘の覗き見をしていた彼女たち。大金を数える2人の男の姿を目撃し、彼らを銀行強盗と思い込み、その金を奪うことを企むのだが……。ジェーン・バーキン、セルジュ・ゲンズブール 他出演。

■ COMMENTS
ニースにあるマンションの一室で暮らす4人の女たち。ある日、船員からプレゼントされた望遠鏡で、偶然、近所に住む男二人が大金を数えているところを目撃します。彼らを新聞に載っていた銀行強盗だと思いこんだ彼女たち。“盗んだ金を奪うのは、罪じゃない”とばかりに、その大金を奪うことを思いつきます。さっそくベルナデットは、泥棒を生業とし、刑務所に服役中の父親に相談。綿密な強盗計画を立てるのですが……。

終始ドタバタとした、楽しくてかわいらしいコメディ。全身黒タイツの泥棒スタイルで、強盗に及んだ4人。ところが、黒タイツが途中で破けちゃったり、気を失っちゃったり、車がエンストしたりと、おかしなトラブル続き。ひょんなことから金庫の暗証番号を知り、大金を盗むことには成功するのですが、男たちにバレてしまい、彼女たちは追われる羽目に……。

ジェーン・バーキンとセルジュ・ゲンズブールが夫婦で共演しているほか、ベルナデット・ラフォンなどの人気女優も出演しています。1970年代のファッションやインテリアがオシャレで、目を惹きます。肩肘張らずに、笑って楽しみたい方にはおすすめの作品。

マドモアゼル a GO GO
マドモアゼル a GO GO

■ DATA
[監督] リシャール・バルデュッシ
[出演] ジェーン・バーキン、ベルナデット・ラフォン、セルジュ・ゲンズブール 他

frenchmania at 11:34|Permalink【ま行】フランス映画 | 【1970年代】フランス映画

July 24, 2008

恋するガリア(1965年)

■ STORY
主人公のガリアは自殺未遂を起こした女性と知り合う。夫のプレイボーイぶりに悩む女性に同情したガリアは、密かに彼女の夫を尾行し始める。しかし、次第に、その男に心惹かれるようになる……。ミレーユ・ダルク主演によるサスペンスタッチのドラマ。

■ COMMENTS
主人公のガリアは、ある日、セーヌ川に身を投げた女性・ニコルを助けます。ニコルを自分のアパルトマンへ連れて行き、話を聞いてみると、彼女は夫の愛情が信じられずに悩んでいるらしい。彼女の夫・グレッグに興味を抱いたガリアは、好奇心から彼に近づくのですが、いつのまにか恋におちて、夢中になってしまいます。

一方、ニコルは、そのままガリアのアパルトマンに居候するようになります。グレッグとの関係が深まれば深まるほど、家に帰れば彼の妻がいるわけで、ガリアはグレッグへの思いや、ニコルへの罪悪感や、ニコルを疎ましく思う気持ちで、苦しむようになるのです。

当時、大ヒットした作品で、ガリアを演じたミレーユ・ダルクも一躍人気スターになったのだそうです。ミレーユ・ダルクの、細くしなやかな体つきに、コケティッシュな雰囲気がたまらなく魅力的。抜群のスタイルでワンピースもパンツもかっこよく着こなしていて、1960年代のファッションが存分に楽しめます。

前半はガリアとグレッグの恋模様が描かれ、セーヌ川で溺死体が見つかったあたりから、サスペンスの色合いが濃くなっていきます。結末はどうなるのかと、ドキドキしながら、映画の行方を見守りました。この映画、おもしろかったですね〜。

恋するガリア
恋するガリア

■ DATA
[監督] ジョルジュ・ロートネル
[出演] ミレーユ・ダルク、フランソワーズ・プレヴォー、ヴェナンチーノ・ヴェナンチーニ 他

frenchmania at 17:15|Permalink【か行】フランス映画 | 【1960年代】フランス映画