【報告】時代を越えたマスターピースが新展開を迎えます!12の表情と王道ロックを巡る旅【Miles Kane - Colour of the Trap】

2011年05月26日

【合評】Kula Shakerという唯一無二のバンド【Kula Shaker - K】

どうもyaboriです!

今日は以前予告したDavidさんとのコラボした合評記事をお届けします。

今回紹介するのはKula Shakerの『K』というアルバムです。

僕の記事の次にDavidさんの記事を載せています!

クーラ・シェイカー
エピックレコードジャパン
発売日:1996-09-11

オアシスがビートルズの最もポップかつシンガロングできる部分を受け継いだとするなら、クーラはビートルズのインド音楽とサイケを最も色濃く受け継いでいると言えるだろう。

この「K」というアルバムの魅力は1stにも関わらず、完全にバンドとしてのアイデンティティーを確立し、幅広いサウンドを味わえる所だ。

まず彼らのアイデンティティーとはブルース色の強いロックを基盤としながらも、完全にそのロックとインド音楽を融合させたサウンドにある。

アルバムの完成度と独自性の確立で言えば、Doorsの1stと比較しても遜色はないだろう。

Doorsは1stアルバムでオルガンとフラメンコ風のギターワーク、ジムのボーカルや詞世界で独自のサイケサウンドを生み出した。

そんな偉大なDoorsの作品と比べてみても、遜色のない時代を越えたマスターピースである。

なぜクーラはブリットポップ全盛期にここまで完璧にロックとインド音楽を融合出来たのだろうか?

それはKulaのボーカルのクリスピアン・ミルズの思想から来たものである。彼はイギリス人でありながらも、インド古典音楽についての知識と尊敬の念、音楽的な技術の三者が揃っていた。

実際にクリスピアンは熱心にインド仏教を信仰しており、ハレ・クリシュナ運動にも参加している。

それゆえ高いレベルでのインド音楽とロックとの融合ができたのだ。

クーラの曲の幅広さはロックとインド音楽との融合したような曲だけではない。

サイケな曲もあればブルース色の強いロックもあり、ポップで聴きやすい曲と多岐に渡った音作りをしている点に魅力があるのだ。

Into The Deepではクーラのポップさが最大限に発揮された曲で、ボーカルにオルガンを含めたバンドのアンサンブルが優しく寄り添うような曲である。

(Into The Deep) 


Grateful When You're Dead/Jerry Was Thereという曲はヴィンテージ風のブルース色の強いギターロックから、一転して妖しい雰囲気のサイケなサウンドになる。Gratefulとは全く違った表情を見せ、別世界へと誘うようなボーカルと浮遊感のあるギターと打楽器が魅力的だ。

(Grateful When You're Dead/Jerry Was There)


Temple Of Everlasting Lightでは深い森に入り込むような深淵さがあり、この曲の続きで聴くGovindaはこのアルバムの一番の聴き所である。

鳥のさえずり等の効果音から入るGovindaの繋がりは格別で、続くGovindaはまさにインド音楽とロックを融合させたこのアルバム屈指の名曲である。

この違和感なくインド音楽とロックを融合させる手腕はUKの中でも破格の才能だろう。

(Temple Of Everlasting Light) 

("GOVINDA LIVE" different)


この文章で言いたいことはクーラはそこまで知名度はないものの、Oasisと並ぶくらいの才能とクリエイティビティーに恵まれたバンドと言う事である。

ルーツミュージックを四方八方から引っ張り出してくる、インディーロック全盛の今だからこそ、インド音楽とロックの融合を最良の形で再構築したクーラはもっと評価されるべきバンドだと思う。

(boriboriyabori)  
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Kula Shaker - "K"(1996)

イギリスの5人組バンドによる、96年リリースのデビューアルバム。

96年と言えば、イギリスはブリットポップの過渡期。
そんな中で、彼らがドロップしたこのアルバムは、97年の「ブリットポップ崩壊」に向けて最初にクサビを打ち込んだ、と言えるのではないだろうか。

このアルバムは全英1位となったけど、1位になった理由はこの時代に数多く存在した所謂「ブリットポップ」とは一線を画すサウンドだったから。
飽和状態となったブリットポップに飽き飽きして、移り気なイギリス人が新しいものを求めていた証拠なんじゃないかと思う。

サイケとグルーヴに満ちたこのアルバムには、壮大なエスケーピズムがある。
普段の生活の中で、ほとんど馴染みのない異空間。
ヒンドゥーの世界観、インド風の女性コーラス何を言ってるか分からないマントラ、そしてシタールの音が、
聴く者に現実逃避的なトリップ感覚を抱かせる。
(まあ、シタールに関してはビートルズも取り入れているから、多少馴染みがあるかもしれないけど)

1曲目、「Hey Dude」ではうねるベースとグルーヴィーなドラムから始まり、やがてワウを使ったギターが絡む。
それらのインストルメンタルが混沌と巻き上がったところで、ぷっつりとブレイク。
そこから再び、各パートが絡んでの怒涛のグルーヴ。
さらに、クリスピアンの寝起きのような歌唱法でもって歌が始まる。

(KULA SHAKER-"HEY DUDE") 


このリズムも音階も無視した酔いどれのような歌い方は、ボブディランのようでもあり、しかし彼よりもさらに脱力気味だ。
60'sのブリティッシュロックンロールやマッドチェスターなど
(そう言えばこの曲は、前年にリリースされたThe Stone Rosesの「Begging You」とベースやドラムの雰囲気が似ている)、
イギリスの過去の音楽を下敷きにしながらも、インド風味とボブディラン風歌唱、さらに未知なるインドの要素が加わることで、
今まで耳にしたことのない斬新なサウンドがこのアルバムには詰まっている。

ただ物珍しい要素を取り入れただけでは、わざとらしく奇を衒ったようになってしまうところを、
当時のブリットポップの要素も感じさせるシンガロング可能なメロディを乗せることで、
このアルバムは全編が非常にポップ。
ヴァースからコーラスの展開が見事な「Into The Deep」はその最も良い例で、このアルバムには一切の捨て曲がない。
ポップに振り切れようが、「Govinda」や「Temple of Everlasting Light」のように
シタールやらタブラなどが鳴り響くドベドベにディープなインド風サイケになろうが、
どれも親しみやすいメロディを持っていることで、長く聴き続けても飽きない作品になっている。

ここまでポップでありながら混沌としていて、ダンサブルで、ロックンロールなサウンドなんて、
誰でも簡単に取り入れられるようなものではない。
その証拠に、彼らは1位を獲るほどにヒットしたにもかかわらず、フォロワーがまったく存在しない。
ブリットポップ終焉のきっかけを作った最初の一撃でありながら、
その後彼らに追随する新たなムーブメントは起きなかった。
でもそれは、彼らのサウンドが唯一無二だったからこそだと思う。
あの時代だからこそ、このアルバムは存在し得たんじゃないか。
そう考えると、このアルバムは時代性を大いに感じる作品だし、
Oasis、Blur、Pulp、Suedeといったブリットポップの名盤と対比して聴くのも面白い。

2011年、イギリスのロックシーンは再び活性化しつつある。
その中でも面白いのが、Brotherに代表されるようなブリットポップ・リヴァイヴァルだ。
一時期は「単なる享楽的なバカ騒ぎ」などと揶揄されたムーブメントも、
時が経って「ひたすらポップであること」はダサいことではなくなった。
だけど、これからのイギリスのロックシーンがより一層面白いものになるには、
そんなシーンの中でKula Shakerのようなバンドの存在が必要不可欠だと思う。

イギリスのロックシーンの今後のゆくえを占うものとしても、このアルバムは楽しむことができる。
メインストリームに対するカウンターの流れが、これまでのイギリスの、
いや世界のロックミュージックを面白くしてきたことは、疑いようもない事実なのだから。
(text:david_girl_)
Davidさんのブログはhttp://youthofeuphoria.blog65.fc2.com/
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以上Davidさんとの初めての合同レビューでした。

この2つのレビューから見えてきたことはこのアルバムを切り取る視点の違いだ。

僕はビートルズからの流れを汲む、Oasisとクーラの音楽性の違いについて述べたのだが、Davidさんはブリットポップ期の状況とクーラの異質さを浮き彫りにした。

そして興味深いのが、2011年イギリスでブリットポップリバイバルの芽がすでに出ているという点である。

以前ベルトイアのメンバーの方にインタビューをする機会があったのだが、『なぜ今90年代か?』という質問を投げかけさせて頂いたところ、メンバーの根岸さんは「90年代シーンが今ちょうどまさに、僕らにとって1つのクラシックになった」という解答を頂けた。

その解答と今まさに同じ状況がイギリスでは起こっているという事実が興味深い。

廻りに廻って90年代は今やブームや流行りではなくなって、一つの時代として私たちに根付くことになったという事だろうか。

それはこれからシーンを注意深く見つめないと分からない所だろう。

一方で僕とDavidさんの意見に共通した部分もある。

それはクーラはポップさを持っていながらも、唯一無二の音作りをしていることろだ。

クーラは90年代というOasis、Blurなどのロックスターが生まれた激動の時代にポップさと唯一無二の音楽性を共存させた、色褪せることのない名作を生みだしたのだ。


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from_the_basement at 01:18│Comments(6)TrackBack(0) 洋楽 | 特集

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この記事へのコメント

1. Posted by Tool   2011年05月29日 08:47
5 このアルバムのグルーヴ感は凄いですね(笑)

ハッシュのカバーも最高(笑)
2. Posted by boriboriyabori   2011年05月29日 10:17
> TOOLさん

コメントありがとうございます!

ホンマにグルーヴ凄いバンドっすよね♪

おっしゃってたHUSHのカバーが入ってるベストアルバムもオススメですよ!

べストにはボブディランのカバーとかも入ってますよ♪
3. Posted by たびけん   2011年05月30日 14:53
まさかクーラシェイカーとは!
サイケデリックでインド音楽っぽくて、個性的なバンドなのにブリットポップの徒花みたいな感じで捉えられているのが残念なバンドだよね…w

こういう音楽性のバンドは今現在出てきた方が機能するんじゃないかと常々思っていたので、このタイミングでのヤボリさんのレビューは頷く部分が多かったです。
4. Posted by boriboriyabori   2011年05月30日 15:05
> たびけん

コメントありがとう♪

たびけんも同じこと考えてたんや!

そうやんね。いつもブリットポップの真ん中で語られることのないバンドやんね。

そんな異質なバンドやからこそ今映えるのかも。

90年代のバンドブームが来てるっぽいし、書くなら今しかないし、以前から書きたかったバンドの一つやったからね。
5. Posted by Masashi   2012年07月14日 00:02
こちらでははじめまして、今日ツイッターで横レス入れた
Masashiです。どうぞよろしくお願いします。
ブリットポップ、いいですね〜いい時に青春を迎えたものです。
もちろんクーラも大好きです。一番最近に出た「Pilgrim's Progress」も1曲目からいきなり「ピーターパンR.I.P.」でぶっ飛びました。

ただ、クーラはインドと言うよりは音楽的にはフラワームーブメント〜ヒッピーの流れなんじゃないかなと思います。

近作「Strangefolk」で参加した新メンバーもアメリカ人でバリバリハモンドオルガン弾いてますし、もちろんスタンスは間違いなくインドなんですが、
音楽のスタイルとしてはヒッピーがクール!な人たちだと思うんです。

富山在住で東京圏とも関西圏とも切り離された環境で
なかなか音楽の情報が得られない中、ネットでの意見交換は
貴重なので、今後もどうぞよろしくお願いいたします。
6. Posted by boriboriyabori   2012年07月19日 00:44
>Masashiさん

返信遅くなってすいません。コメントありがとうございます!

Kulaは確かにサイケ色強いですね。

個人的には、60年代のサイケにインド色を色濃くさせたのが1stアルバムだと思ってます。

それ以降もマイペースに音楽の幅を広げて行ってるのが凄いですよね。

貴重な意見ありがとうございます。これからもよろしくお願いします!

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