外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

今週のつぶやき4

まずはルビコン川を渡った英国。様々な記事やコメントが出ていると思いますが確実に言えることはこの先のことは誰もわからないということです。そして人々は必要以上に感情的になるでしょう。あまりにもそれに固執すると新たなる道を築くのに大きな障害となりかねません。

そんな中で私も思うことをいくつか。目先ありそうなこととして英国ポンドの世界主要通貨としての機能低下、これがまず障害になると思います。それもあり、英国の物価が急上昇するリスクが差し迫ると思います。

次いでスコットランドの独立運動再気運。これも避けられないでしょう。更にEU内の右翼の勢いを増幅させることもありそうです。ドイツ、メルケル首相の采配で何度となくあったユーロ圏の危機は乗り越えられましたが、同首相の花道も見えています。

これから2年の間にEU離脱の為に具体的にどのような議論が展開されるのか注目です。考えてみれば押し寄せる移民難民がなければこのような選択肢はなかったかもしれません。ならば、イスラム国に端を発した問題は「風が吹けば桶屋が儲かる」的な思想の三段跳びがあったといえるでしょう。

我々が心しなくてはいけないのはこれが単に英国単体の問題ではないということ。必ず、これは飛び火します。人々の心に訴え、一部の人に勇気を与えることになるでしょう。その試練はまずはアメリカで試されることになります。ドナルド トランプ氏にとっては強烈な追い風となるでしょう。

さて、マーケットについて一言だけ。株価の下落率は日本が7.92%、香港2.92%、上海1.30%、ドイツ6.82%、フランス8.04%、英国は午後にぐっと戻して3.15%下落に留まっています。アメリカは3.4%下落となりました。これが何を意味するか、ですが、大きく下げたのは欧州大陸と日本です。日本は明らかに過剰反応で弱腰ニッポン丸出しでした。金曜日のシカゴ日経先物は15200円程度になっていますから月曜日はひとまず反騰でしょう。信用筋は追証発生となっていると思いますが、とりあえずスケジュール通過感から一旦は反対売買となるとみています。

為替は英国の離脱があろうがなかろうが当面の円高基調は変わらないとみています。スピードの問題だけです。

さて、次のニュース。株主総会の時期で各社ドラマがあったようです。注目はシャープと三菱自動車とドイツのVWでありました。株主の不満は経営陣に向けられ、激しい言葉で経営姿勢が糾弾されました。何もなければ名社長だったのに、知らぬところで起きた事件に責任だけ取らされる経営者は「ついていない」のぼやき節。こんなことなら社長をやるのではなかった、と思っているかもしれません。いや、多くの上場会社の経営陣はいつ自分のところに降りかかるかもしれない火の粉に戦々恐々としていることでしょう。明日は我が身、とはすべての上場会社の経営者に捧げる言葉です。

最後に東京都議会がリオのオリンピックの視察を中断したこと。このニュースに接した時、私は思わず笑ってしまいました。舛添さんを引きずり下ろしたあの議会の勢いはどうしたのか、と。一方で視察は大事なことなので「私費」で行くことで検討しているとのことです。結構じゃないですか、日本の議員が自腹で視察に行く時代が遂に到来したのです。まるで英国の議員と同様、「名誉職の手弁当」仕事を誇りと思う議員がもっと増えてくれたらうれしいですね。

しかし、リオまでの費用は高いと思います。それでも自費で行くならば議員役人の大好きな視察旅行の楽しい雰囲気は吹っ飛び、真剣そのもので勉強してくれるでしょう。都議会は都民にお返しをすべきです!ところで当初の視察予算6200万円、実際には1億円かかるかも、と言われているその費用、私費での視察が終わった際にはお一人当たりおいくらだったのか、ぜひ公開してもらいたいと思います。

では今日はこのぐらいで。あまり気持ちよい週末とならない人もいるかもしれませんが、気分転換をしましょう。

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ではまた明日。

世界の不確実性と日本の奇妙な安定感4

英国のEU離脱を問う選挙が進んでいますが、仮に残留となってもそれで安心できるわけではありません。今回の問題の根本はユーロ体制に対する不満がたまたま英国で大きなボイスとなっただけで2017年のドイツ、オランダ、フランスでの選挙で再び国を二分するような議論となってもおかしくないでしょう。

アメリカも11月に大統領選が行われます。このところ、トランプ氏支持派の凋落が伝えられていますが、まだ選挙戦は長いので全米を巻き込んだ議論が継続されることでしょう。お隣中国は議論を吹っ掛けると捕まるお国ですから国民は心の中で鬱積するものをぐっとこらえて黙っているのだろうと思います。中国でボイスが自由に飛び交うようになれば共産党は吹っ飛ばされるのではないでしょうか?

日本では参議院選挙が始まりましたが議論で盛り上がるということはなさそうです。特に今回の選挙は争点が与野党でずれまくっていますのでつまらない選挙となりそうです。

日本で議論はなぜ盛り上がらないのでしょうか?個人的に思うことは、我慢してしまう、あきらめてしまう、野党に力がなさすぎる、国家体制が盤石すぎる、保守的思想の蔓延などがあげられるのではないでしょうか?その上、近頃は「草食系若者」と「偏食系若者」が増えすぎたようです。

草食系がなぜ増えたのか、これも長年のテーマです。一時、ユニセックス化が指摘されました。男がより女に、女がより男に近づく的な発想です。女性の社会進出は勿論大きな要素です。が、それだけでもなさそうです。

確かに男はファッションに気を配るようになる一方、女子はタバコを吸い、「女酒会」でガンガン酒を飲んだりします。女はスカートより動いやすいパンツファッションと確かにその傾向はみて取れます。しかし、Z世代(85年から91年生まれ)は37.5%が草食系女子とされる報告もあります。

これは日本の「失われた時代」に符合し、バブルが何であるかも知らない世代が小さな幸せに満足するようになってしまったことがあるかもしれません。今の若い人にはスポーツカーも高級スイス時計も全身デザイナーズブランドも必要ではありません。そのかわりフェイスブックでつながるうれしさ、友達とシェアする楽しさ、イヤホンの音楽で自分の世界に入り込む引きこもり感、ミニマリストとしてすっきりあっさり過ごす人生がテイストなのでしょう。これは世界の中では私が見る限り日本、韓国などに見られる傾向ではないでしょうか。

欧米ではなぜ対立軸が生まれ、ボイスを交わし盛り上がるのでしょうか?私が見る限り、欧米人は少なくとも「濃いブラッド」を持っていると思います。中流の人は中流なりの、上流の人は上流の人なりの不満がいつもあって(私は聞き役になってしまいますが)常に「もっと」という熱い欲望が渦巻いています。

その背景の中、リーマンショック後の過剰流動性が招いた格差社会に対して大衆が蜂起した、ということではないでしょうか?主要先進国の金融緩和によりニューノーマルが生じました。これが社会に不満を生み出し、民衆の蜂起化現象を引き起こした、これが私の現在思うところです。

金融緩和が引き起こした問題とは何でしょうか?金利が下がりました。その結果、金利収入が重要な生活手段だったリタイア層はそれを失いました。(欧米は5-10%の金利でした。)金利低下で投資マネーが市場に入り込み、住宅価格は暴騰しました。世界から安い不動産を求め、マネーが集中砲火のごとく浴びせられたため、一般大衆はいくら金利が安くてもローンをして買える物件はうんと遠方に行くか、小さな集合住宅ぐらいとなりました。

企業は効率化を求め、世界の同業を買収する一方でリーマンショックで数多くの構造的変化が生まれました。、安泰であった職が失われたり、かつての水準の給与はもらえなくなりました。アメリカの自動車産業はその好例であります。私の顧客であるホテルの従業員用駐車場を歩くと面白いことにエグゼクティブと称する駐車エリアの車は生活感あふれる年季の入った車が多いのに対してアルバイトの人達の車はアウディやポルシェといった高級車で通勤する人が目立ちます。明らかに歪んでいるのです。

この歪みに声を上げるのが欧米、諦めて自分の世界を作り上げるのが日本を含むアジアのような気がします。

不確実な世界はまだまだ続く気がします。悩ましい世の中です。

では今日はこのぐらいで。

PS. 為替が異常な動きをしています。予断を許さないと思います。

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また明日お会いしましょう。

参院選、対立軸にならない野党のボイス4

7月10日の参院選に向け国内もにぎやかになってきました。予定外の都知事選も控える中で国政や都政を見直すにはよい機会かもしれません。

さて、その参院選ですが、第一声を聞く限り、いつもの通りですが、与党の方針に対してNOを突きつける野党の構図が相変わらず繰り返されています。こんな野党を信じますか?私は嫌です。

「対立軸」とは「対立する議論、抗争の中心である事柄。両者の考え方の違い。争点」(コトバンク)であり、一般的にはA案とB案という考えがぶつかり合い、選挙民に判断を乞うことだろうと思います。ところが報道の見出しは日経が「アベノミクス再審判」、つまりA案の考え方に同意するか、NOなのかを問う、ということになります。

ではA案が嫌いな野党はNOの後に何を用意しているのか、といえば何もないのです。民進党の岡田代表は「将来に希望を持てる状況をつくりだすことこそが経済成長にもつながる。安心してお金を使える状況にし、分配と成長を両立させることこそ本当の経済政策だ。」(日経)と声を上げるのですが、この言葉の意味を理解できる方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?私にはさっぱりわかりません。

子供じゃないのですから論理的に説得力があるプランを見せてもらわないとB案も面白そうだという評価にはつながりません。日本の経済をどうしたいのか、雇用者をどうしたいのか、具体的にビジョンを作らねばなりません。

例えば英国のEU離脱を問う国民投票を見てみましょう。これはYES,NOの判断ではないか、とおっしゃるかもしれませんが、A案(残留)とB案(離脱)が双方、強い主張のもとメリットデメリットを訴えています。国民は両案を聞き、世論の論評を聞き、友人と話し、家族で話題にして深堀します。つまり、選挙期間中に争点となる題目についてそれぞれの言い分を聞いた上でなるほどと思う方に投票します。

その点、最近の日本で明白な争点があったものとしては原発のあり方があったと思います。これは一定のルールのもとで原発を残したい政府や電力会社の言い分に対して原発の潜在的リスクを指摘するグループと大きな論争となりました。

では今回の参院選の数多くの争点の中で経済関係についてはどう展開すべきでしょうか?

数多くの切り口がありそうです。例えば高度成長期のころのような国民が一丸となって汗を流した時代を再現したいのか、若者が夢と希望を持てる社会を築く一方で高齢者は老後のお金や生活の心配をしなくて済む社会を仕組みとして作り出したいのか、成熟社会とAIやITの高度な発展を見越してベーシックインカム制を検討するのか、医療費の増大を解決するためにホームドクター制度など二段階医療を取り入れるというアイディアもあるでしょう。

各党は日本をどうしたいのか、そのビジョンとプロセスを示していただかないとアベノミクスを葬り去るべきか判断が出来ないのであります。

野党はTPPも反対ののろしを上げているのですが、どう反対なのか、わからないのです。FTAやEPAはいいけれどTPPだけが反対なのか、外国との垣根をとるような協定は何でもかんでも反対なのでしょうか?「農家の一部の懸念の声を拾い上げて」ということになっていますが、それが心底反対するボイスなのか、今までやったことがない挑戦への心配なのか、そのあたりの分析はできているのでしょうか?

TPPは今や政治的駆け引きになっています。TPPが潰れれば中国が高笑いします。ところが現実的にはTPPが成立する可能性は個人的には3割以下だとみています。そのためにすでに各国では代替案として個別FTA、EPAの早期確立に向けた動きが展開され、そのうちにTPPのバックアッププランも出てくると思われます。そのあたりを読み込んだうえでの反対の声なのでしょうか?

かつて北アフリカの春ではSNSが独裁政権を崩したとして大きな話題になりました。しかし、それらの国では新政権樹立後、方向性が迷走し、非常に苦しい政権運営となっています。なぜならそれらの国民は独裁政権を倒すことに勢力を置き、どのような国づくりをしたいのかは二の次だったためです。

今の野党のボイスはまさに北アフリカに於いて「打倒!独裁政権」と叫んでいるようにしか感じ取れません。野党が歩調を合わせられるのは「安倍政権を潰せ」だけです。あとは各党がそれぞれの譲れない個性をぶつけ合います。ここが野党の最大の弱点でしょう。ただでさえ分裂化している野党と意固地な政策は結局、安倍政権を安定化させることに繋がらないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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ではまた明日。

孫正義氏の苦悩4

巨大化したソフトバンクグループを担う男として注目されたニケシュ アローラ氏が株主総会を前にあっさりと退任が決まりました。たぶんですが、孫氏の失望ぶりは大変なものだったと思います。記事では22日付で退任となっていますが、想像するにアローラ氏と孫氏の間ではその前に相当の間話し合いがあったと思われます。

では、その電撃退任の理由ですが、報道にあるように孫氏が8月で60歳になった際にアローラ氏に「後進に道を譲る」つもりを後ずれさせたという生半可なレベルの話ではないと思っています。経済関係のゴシップネタがわんさと出てくる話のように見えます。

このところのソフトバンクグループの動きは実に不思議でありました。

まず、アリババ、スーパーセル、ガンホーの株式売却を通じて短期間に2兆円ほどの資金をかき集めています。この資金の使い先がわかりません。私はこのブログで米国ヤフーの買収に使うのではないかと書かせていただきましたが今のところ表向き、そのような動きは見て取れません。同社は借金体質であるため財務改善と説明していますが、その言葉通りに取るには疑問が残ります。

二番目にガンホーの創業者である孫泰蔵氏が同社の会長を今年初めに外れていることです。その泰蔵氏の長期ビジョンが見えません。私はソフトバンクグループに迎え入れたいのではないかと思っています。

三番目にアローラ氏をめぐる特別調査委員会です。これはアメリカの株主からアローラ氏がシルバーレイクという第三者の会社のアドバイザーを兼任していることは利益相反であってソフトバンクの役員にふさわしくないというクレームがあった問題について内部調査したものです。結論は「シロ」なのですが、その内容の詳細は明かされていません。

ニケシュ アローラ氏が「ソフトバンクの株を私財600億円をつぎ込んで買います」と発表した際、2015年8月21日付のこのブログで同氏をやや疑問視する内容を書かせていただきました。私にしては珍しいスキャンダラスな内容なのですが、その時から直感でおかしいという気がしていたので筆がそういう風に動いたのでしょう。孫氏とウマが合わない気がしたのです。大体その600億円の出どころもよくわかりませんでした。

あの頃の孫氏はまるで「恋愛して結婚することになりました」という記者会見のごとく、ニコニコした壇上の顔が印象的でした。が、その横に座るアローラ氏は表情をさほど変えず、クールなその奥底には「この会社からどれだけ抜けるか?」という秘めた野望が溢れていたように感じます。

2014年に入社祝いの165億円、2015年も80億円の報酬を貰ったアローラ氏がソフトバンクを辞めると思った理由は違うところにあると思っています。それが孫氏との経営方針の行き違いなのか、アローラ氏の身に降り注ぐ様々な過去の問題やシルバーレイクとの絡みなのか、アローラ氏が自分の成長路線はこの会社にないと思ったか、はたまた見えないところで彼が何かを仕掛けているのか、そこはわかりません。もう一つは12兆円を貸し込む銀行団がアローラ氏への信認に疑問符を付けた可能性もあるでしょう。

が、孫氏が「自分がやっぱりもう少し社長をやる」と発言した意味はアローラ氏に任せられないという疑惑があったとみています。表に出さなくても「不信感」が募るのは恋愛で「スキスキ」の100点満点から時間がたって減点されて及第点が維持できなくなったということでしょう。

この話を聞いて一番初めに思い出したのがユニクロ 柳井正氏が後継者ということで玉塚元一氏(現ローソン社長)を社長に昇格させた「事件」でしょう。その後、短期間で解任してご本人が社長に返り咲いています。あの時の柳井氏の「お怒りぶり」は印象的で今でも忘れません。

日本において創業者マインドのバトンタッチとは企業の成長よりも本質的価値観(=ブラッド)がもっと重要な要素ではないでしょうか?(孫氏をどうとるかは別ですが。)日本では家族経営、ヤクザの世界には盃を交わすといった非常に濃い血の交流がモノをいうときがあります。今更何を、と思われるかもしれませんが、案外、そんなものです。アローラ氏とは血を交わさず、札束を交わしたということです。人心はマネーでは買えないということを改めて見せつけたのが今回の「事件」ではないでしょうか?

創業者は本当に苦労します。これだけは間違いなく言えることです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

英国の離脱派とトランプ氏の共通点4

英国のEU離脱の行方が注目されますが、アメリカでドナルド トランプ氏が掲げる数々の主張と実は根が同じである気がしてなりません。

日経ビジネスに「書面一枚で営業利益5%増、本当は怖いTPP」という8ページにわたる記事があります。記事の内容はTPPやFTAは非常に複雑でその中身をよく理解しないとせっかくのメリットを生かせないという趣旨の内容です。が、私は全く違うことをそこで読み取りました。

記事ではユニクロの柳井会長が「アメリカはグローバル化の先兵なのに自由貿易を否定するような大統領は建国の精神に反する」とのろしを上げるところからスタートします。現時点ではどの大統領候補もTPPに反対であります。この記事の面白いのはこの後、リカードの「比較優位論」を持ち出し、自由貿易がなぜ困るのか、解説しています。

リカードの「比較優位論」は経済学部の一年生で勉強する内容だと思いますが、教科書では英国とポルトガルにおけるワインと毛織物の比較を題材にします。が、正直、これは現代の人にはピンと来ないのでわかりやすい例えを出しましょう。

私が事業の一環で利益率が20%の駐車場事業と利益率が3%のカフェの事業をしています。両方儲かっているのでそのままやればよいのですが、事業の司令塔である私は利益率の低いカフェにも一定時間割かねばなりません。それなら、いっそのこと、カフェのビジネスをやっている友人に売却し、駐車場事業に専念するほうがより効率的に仕事ができる、というのがかなり変形させた比較優位論の意味です。

ところが問題はカフェの従業員を友人のところで引き継いでもらえるかと思いきや、友人が俺のところにはスタッフがいるからお前のところの従業員は引き受けられないと断られるのです。かといってカフェの従業員を駐車場に転用できません。スタッフはここで路頭に迷うわけです。

アメリカが自由貿易を標榜できたのは戦後直後までほぼすべてなんでも優位に立っていたからであります。ところが日本が台頭し、繊維や鉄鋼など製造業の一部をアメリカから駆逐します。それでも大量消費時代を迎えブルーカラーの産業間のシフトは可能でありました。それでも次第に自動車、ハイテクとなるに従い製造業に携わる労働者には脱落者が生まれ、サービス業に転じます。

これはアメリカにおいて経済が拡大する過程において労働者の職の転換がある程度自国内で吸収できたとも言えます。ところが、過剰供給時代となり、労働者はその職が海外からのモノやサービス、人材攻勢で段々居場所が限られ、フラストレーションをためてきているのが現代の社会問題ではないでしょうか?

英国の離脱派は移民により職を失うことを恐れています。もともとロンドンには大量のマネーが入り込み、不動産が高騰し、非英国人が次々と高値で不動産を落札し、ロンドンにロンドンっ子なし、とまで言われたこともあります。つまり、広く扉を開けたが故のフラストレーションが生んだ離脱派のボイスなのだろうと思います。

同じことはアメリカの大統領選挙でもそっくりな状況が生み出されています。

冒頭の日経ビジネスの柳井会長のお言葉を返すならば「アメリカが自由貿易を標榜していた時代は終わり、かつてのわがままで孤立主義を貫くもう一つのアメリカの顔が台頭している」と言えないでしょうか?

英国にしてもアメリカにしても抱えるのは現代病。そしてこの病は開かれた世界から閉じる世界に変わろうとしているように見えます。仮にトランプ氏が大統領にならなくても、仮に英国がEUから離脱しなくてもこのようなボイスが世界中でブクブクと泡が立ち始めていることは確実に言えます。

AIやITといった技術の進歩は喜ばしい半面、多くの人を「置いてきぼり」にします。かつての電車は急行や特急で多くの駅に停まりましたが、今は新幹線、飛行機で目的地までノンストップの時代です。それはその間にいる多くを通過し、見向きもしなくなっていることで人々が鈍感になっているかもしれません。

SNSが普及したことでそれらの通過駅の声が今、英国やアメリカで思ったより大きくなっている、という社会現象なのでしょう。私は英国の国民投票は結果よりもこれほど拮抗した議論になっている世の中そのものにもっと注目すべきであると思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日、お会いしましょう。

「大失業時代」の可能性4

「大失業時代」といっても日本の話ではありません。中国やインド等新興の人口の多い国での話であります。

フィナンシャルタイムズによるとアメリカで今後20年で現在の半分近くの仕事がコンピューター化されてしまう可能性が高いと指摘しています。しかもこの比率はインドでは3分の2、中国では4分の3に及ぶとされています。

機械化、IT化、AIといった現代の革命は我々の生活をより便利に、そして業務をより効率的にさせてきましたが、多くの犠牲がその背景にあることはあまり語られていないでしょう。日本は幸いにして少子高齢化と成熟化社会となっていますのでこの影響をもっとも受けにくい国家のように見えます。

大失業時代が起きると何が起きるか、ですが、治安の悪化といった目に見える問題と共に少子化が一気に加速してしまいます。中国では一人っ子政策が大きな問題として取り上げられましたが、現代に於いて既に中国の都市部、韓国、台湾などは出生率が危機的状況となっています。

今年5月の時点に於ける合計特殊出生率の世界ランクを見ると世界201の国家、地域で下から台湾、韓国、ポルトガル、香港、マカオ、シンガポール…となっています。日本は184位、中国は164位です。その出生率、台湾は1.16、韓国は1.20と持続不可能な領域を突き進んでいます。たしか、中国も都市部は同じ程度の出生率しかないという調査結果があったはずです。

現在でもここまで下がった出生率が大失業時代を迎えると更に下押しする結果を生むことはほぼ確実と言い切って良いでしょう。理由は所得がなければ結婚が促進されないのです。仮に結婚しても子供をつくる余裕がありません。つまり生活するのに精いっぱいという事態が生じてしまうのです。

いわゆる人類滅亡の話はいろいろありますが、案外論理的に説明でき、且つ本当に起きる可能性が高いのは技術の究極的革新に伴う人口の大減少化かもしれません。勿論、この減少が顕著になるのは今日、明日ではありません。20年後、あるいは50年後に大きな数字として表れてくると思われます。

私が思うことは効率化が生み出す消費の減少であります。例えば今、私が旅行に行こうとしたらエクスペディアのサイトで航空券なりホテルなりを探すでしょう。航空券はもはや旅行代理店でもネットでも同じ金額です。エクスペディアでは安い順番にずらっとその選択肢を並べることが出来ます。

私はその中から自分の思い描くカテゴリーの中で最安値を選択するでしょう。これにより2位以下の候補者は全てビジネス機会を失ったことになり、需要と供給の関係で常にトップ水準の供給能力を持っていないと負けることになります。これは効率化と最適なものの選択を機械が自動選択してしまうことで無駄が全てはじかれてしまうのです。

いわゆる高度成長期になぜ経済が大きく伸びたか、その理由の一つに大いなる無駄が生み出す需要と供給だったのではないでしょうか?経理部にいる女子社員は毎日伝票に勘定科目のハンコを押し続け、課長さんは試算表の作成に勤しんでいました。その為に経理部門は多くの人を抱え、計算が合わないと遅くまで残業します。

しかし今はコンピューターがたちまち処理するため、一人でかつての5人分ぐらいの仕事は出来てしまいます。つまり4人は効率化により弾き飛ばされ別の仕事に就くことになりました。これがさまざまな業種の効率化が進むことで玉突きの様に弾き飛ばされて続けるのが今後20年での業務環境です。

中国、インドは多くの将来性ある人材の予備軍が控えています。今はまだ能力に応じて仕事を分け与えてもらうことが出来ます。今後はそれはなくなります。とすれば、疑問は「スマホが先が、仕事が先か」ともいえるでしょう。

私がトレッドミルで走る間に聞く音楽に初音ミクなどのバーチャルミュージックがあります。機械の独特な歌い方が慣れないと不思議ですが、最近はリアル歌手の歌と織り交ぜ普通に聞いてます。この初音ミク、アメリカでコンサートツアーが始まり、シアトルでは3600人を集めて大盛況だったようです。つまり完全なるバーチャルコンサートに人々が熱狂する意味は芸能人も機械化が進むということでしょうか?

そのうち、あなたの家のリビングにかかるその絵はコンピューターが描いた100万円の価値がある名画となっているかもしれません。その時、人間が本来持っている才能を発揮することが出来なくなるとんでもない事態が生じるわけです。

リアル人間が作った作品を「これ、天然ものよ」となれば今なら笑い話で済まされますが、20年後は普通の会話かもしれません。

今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

10年目のリフレッシュ4

リフレッシュといっても今日は休暇の話ではありません。これを英英辞典でひくと
give new strength or energy to
とでます。new strengthとは今までの状態を変えて見た目、体制、人材、発想、思想、デザインなどをあらゆる面から見直し、作り直すことで刺激を与え、新しい息吹を生み出すことでしょうか?

私は過去、25年近くここバンクーバーでビジネスをしている中で取引させていただいている方々を時々変えさせてもらっています。たぶん、一度も変わっていない業者や取引先、専門家は数社しかありません。理由は取引先が変わることで新たな切り口が生まれるからです。

「なあなあの付き合い」はある意味、心地よいものです。一から十までわかってくれているので失敗するリスクもありません。ですが、往々にしてそこには高いお金を払っている事実も隠れていることが多いでしょう。お任せ状態だからこそ、その仕事を精査し、比較することをおろそかにし、市場がどう変化しているのか、全く見ていないこともしばしば起こりえます。

ホテルの仕事を請けていますが「長年の顧客」が毎年、同じ時期に同じようなイベントをします。「また去年と同じ体制でやります」と週一のミーティングで指示を受け、事実、ほぼ同じイベントが繰り返されます。ところがそこには比較的隠れた特徴があります。主催者の多くが政府や役所、アソシエーション、協会、業界団体、学校などコンサバティブで失敗しないことに最大の注力が注がれる顧客が多いのです。なぜならばそのような団体は限られた職員で大きなイベントをこなさなくてはいけませんのでレールを敷きなおすのが大変なのです。

私が所属しているビジネス系のNPOも同様です。毎年同じようなイベントが同じような会場で延々と繰り返されていきます。担当者はボランティアベースなのに失敗は許されません。となれば当然、慣れたところでやるのが楽に決まっています。

ところが民間企業は割と柔軟になってきています。かつての顧客が消え、新たな顧客が増えることの繰り返しです。つまり、一定しないケースが往々にしておきます。理由は担当者変わるたびにが前回より更に良いもの、よりコストを抑えたもの、より顧客に喜んでもらえることなどそれなりの視点で「改善」を行うからでしょう。

つまり、リフレッシュとは改善以外の何物でもないのです。

この改善を10年程度のサイクルで自分の仕事、プライベートを問わず、全般的に見直すことで刺激を与え、より品質を上げたものにすることを意図的に行うことはとても重要ではないでしょうか?

私はマリーナの運営を15年ぶりに刷新し自社運営にしたのですが、運営開始をしてさまざまな気づきがあります。かつての運営会社は所有者に良い顔をするため最小限のコストでメンテを行っていることが往々にしてありました。それはコストがかかると所有者に資金的に迷惑をかける、運営者の能力を問われるなどの理由からです。

私どものマリーナは過去、明らかにメンテや刷新するコストを削りすぎたため、継続的にかなりの資金を投じて様々な補修、修理、アップグレードを各方面で行わざるを得ません。つまり、数字の上での運営はうまくやっていると思ってふたを開けたら中身は単にケチりすぎてボロボロだった、ということです。

いわゆる管理業務をされる方にはこの傾向が強いのは契約形態によってコストを抑えるとインセンティブ フィーが増える仕組みになっている場合があるからです。これがあると適正なコストの抑え方ではなく、ぶっ壊れても使うぐらいの無茶ぶりもあるのです。

日本の建物は法人所有も個人所有の場合でも完成したらほとんどお金をかけません。建物の外装の吹き付けのやり替えはあまり見ません。いったん作ったら作りっぱなしです。レストランや店舗も改装のコンセプトはないでしょう。これなどもリフレッシュしたら客が増えるなどの効果は期待できるはずなのです。

10年で周辺環境が変わる、ということもあります。私どもの事業には商業不動産業もありますが、そのテナントの一つである銀行が契約更改しないことになりました。理由は銀行の経営戦略の変化で10年間という銀行にしてはかなり短いリースでした。大家としては次にどんな業種を入れたら相乗効果などが期待できるかを考え、次のテナントを迎え入れますが、面白いところが入居しそうです。

一方、私どもとホテルとのビジネス契約は今月末で終わります。11年の長きに渡る運営委託契約でしたがたいそう楽しませてもらいました。こちらも新しいところにバトンタッチすることできっとリフレッシュするのでしょう。そういう意味での新陳代謝は必要です。妙にしがみつくのではなく、だめなら引く、そして高いパッションで新たに道を切り開いていくことがより研ぎ澄まされたビジネスやライフを過ごす秘訣かもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

舛添さんに始まり、舛添さんに終わる、そんな一週間でした。外野席にいる私からすると「ほかに報道したいことはないのかね?」と言いたくなります。ワイドショーでは同じような話を延々と繰り返していますが、切り口も斬新さがなくてしょぼいと感じてしまいます。テレビはもっとレベルアップを図るべきでしょう。

その中で面白い記事だと思ったのがメディア媒体、THE PAGEの分析です。舛添問題も世に先駆けて取り上げたのがあの週刊文春。なぜ次々と斬新なネタを出せるのか、という分析記事に対して「リスクをとれるから」と指摘しています。いまや、週刊誌といえば文春、文春といえば新谷編集長というぐらいの知名度になっています。大手が誤報やニュースネタの確認作業に追われ、斬新さを打ち出せないのに対して文春は踏み込み方が違うと指摘しています。確かに文春は新潮と並列に広告が出ますが最近は新潮を手に取りたいと思わなくなりました。

ところで昨日、テレビのワイドショーでゲストスピーカーが「日経も最近誤報が多い」と述べていました。確かに誤報は多いと思います。特にシャープの報道は酷かったですね。しかし、ブルームバーグも最近、日銀の政策見込みについて派手に間違えて市場を混乱させたこともあります。が、私が日経なりブルームバーグを丹念に読むのは誤報かもしれないほど踏み込んだ内容だからこその魅力だと思います。議論があるところですが、文春や日経の踏み込みすぎを嫌がるなら新潮なり一般紙をお読みになればよいでしょう。積極的理由で誤報となったマスコミに文句をいうなら、日本には星の数ほどマスコミがあり、選択するのは読者の自由だといいたいところです。

さて、世界に目を向けましょう。イギリスではEU離脱反対派の議員が殺される事件が発生しました。さしずめ、昔の右翼とか左翼の事件のようなものでしょうか?226事件、515事件あるいは浜口雄幸首相が東京駅で暴漢に襲われた事件にしてもいわゆる思想や主義主張が高揚した結果でありました。いま、英国ではそれぐらい世論が盛り上がっていることかと思います。

私は英国の歴史、姿勢、身軽さを考えると一時的には困りますが、中期的に復活はさほど苦しまないとみています。この話を分かりやすくするならこんなたとえはどうでしょうか?日本と中国と韓国と北朝鮮で人の自由移動を含む自由貿易、共通通貨を作ったとします。(EUと同じです。)ところが日本に中国や北朝鮮から大挙して人が押し寄せ、労働市場に入り込み、日本人の職が奪われたとしたらどうなるでしょうか?日本は英国と同じことをするはずです。その背景は中国や朝鮮半島とやや疎遠になっても「日本にはアメリカがついている」という安心感があるかもしれません。

島国は大陸思想と相違することが多く、融合しにくいものです。その点、英国と日本は非常に似ています。今でも思うのはかつて日英同盟があったからこその日本であったということです。それを破棄したのが敗戦に向かう第一歩だった気がします。今回、英国が離脱すれば最大のリスクは残されたEUの行方、これがもっとも大きな懸念になると確信しています。

ところで今週、もう一つの大きな、そしてうれしいニュースがありました。イチロー選手の日米通算4257本のヒットです。ヒットが出た日、私はバンクーバーで日本の朝一番のニュース番組を見ていたのですが、画面上部に「ニュース速報」が表示され、また、地震でもあったかと思いきや、「イチロー選手がピートローズ選手に並んだ」との報道でした。ある意味、日米合算は公式記録とならないのに日本をここまで盛り上がらせたイチロー選手には敬意以外の何ももありません。

彼を長年見ていて思うことはぶれない、そしてあのストイックさ、職人のような姿勢でしょうか?人間、ちやほやされたり、記録を作ると自分に褒美とか今日は祝杯というオフモードを作るものですが、彼はいつもの通り帰宅し、翌朝、いつもの通り球場に向かうのでしょう。ましてや42歳で盗塁、できませんよね。でも彼はやります。いわゆる常識を覆すレベルに目標が設定されているのだろうと思います。50歳でも現役大リーガー、これが私が期待するイチロー選手。それは自分を完全にコントロールし、万全な状態を維持することの何物でもありません。

これをビジネスに置き換えるとわかりやすいでしょう。自分の専門分野を磨き、競合が誰も追いつけないような世界をひた走ることです。ぜひマネしたいですね、私は100歳の現役社長を目指すかな。

では今日はこのぐらいで。良い週末をお過ごしください。

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また明日お会いしましょう。

二つの手詰まり感ある金融政策会合4

15日にアメリカのFOMCが定例の金融政策会合を、16日には日銀の政策決定会合を終え、それぞれ何もしないという発表をしました。時差の関係で実際には9時間程度の差で両方が発表するという珍しいケース、そして市場関係者からは「何もない」のはわかっているけれど気になって仕方がない会合でありました。

終わってみて感じたのは両会合とも「冴えなかった」ということでしょう。いや、むしろ批判の声が出ていることに注目でかつての中央銀行の威厳はどこに行ったのか、という気がします。ただし、今回は来週23日に控える英国のEU離脱を問う国民投票があることで対策を温存した可能性がないとは言いません。ちなみに昨日、その英国でも定例の中央銀行政策会議が行われていますが、現状維持となっています。

可能性としては各国中銀ともいざ離脱となり、市場が荒れ狂うようならば臨時会合を開催し、対策を打つ準備をしているとは思います。特に日本においては円が大暴騰する可能性があり、しかるべき対策がとれるのか要注目となります。

昨日、日本時間の11時半過ぎに突然円が1円ほど急騰しました。私もその時ボードを見ていましたが「あれ、日銀の政策発表はこんなに早くないはず」と思い、不思議でありました。案の定、先読み派が日銀発表より15分ほど早く大がかりな買い仕掛けをしたようであります。日中のこの時間ですら円がピンポン玉のごとく動くことに恐怖感すら覚えています。しかもその後も円高トレンドは全く止まらず、その後、103円台半ばまでつける円高となりました。。

今回は指摘したとおり、逃避マネーがうろついており、金もNY市場で一時1315ドルと大きく上昇し、世界中で波浪警報が出ているといえるでしょう。

さて、失望感を誘ったのはアメリカFOMC。政策据え置きはともかく、今後の利上げペース、インフレ見通しなどがほとんどリバイスされていません。いったいどういうつもりなのかはっきり言って「手腕の欠如」に陥っているように見えます。

元ピムコの社長のエルイレイン氏も「連中にはビジョンがない」とこき下ろしています。言っていることとやっていることがバラバラでそれでも年内あと2回程度の利上げを見込むということをこの時点でさらに上書きする意味は市場との対峙なのか、学者が市場を見下しているのかのどちらかと言われても仕方がありません。

一方の日銀も同様です。今回、大方の予想通り政策据え置きとなりましたが仮に何か対策を行うとしても相当手詰まり感があることは事実です。マイナス金利は反対者が多いこと、国債の買い入れ増はもはや国債市場をつぶすことになりかねないこと、ETFなどの買い入れも市場の不公平感を増長する可能性があります。

では円は今後、無対策のまま行くところまで行くのでしょうか?為替介入などの直接的対策は為替操作国としてアメリカから激しく叩かれます。ここにきて財務省と中央銀行の機能を含めた潜在的リスク対応とその能力に改めて注目が集まることとなるでしょう。

100円という心理的節目を抜けると国内経済への影響、金融、株式市場への影響のほか、訪日外国人の落とすお金がガクッと落ちる可能性を秘めています。安倍政権になって踊った円安株高はリバーサルの道をひた走っています。更にマイナス金利の影響で多くの銀行の収益に懸念が出ています。収益を国債運用に頼っていた地方銀行などは17年3月期の利益は二ケタ減が見込まれています。放置すれば相当悲惨な状況があり得ますので注意をしておいた方がよい気がします。

自分の身は自分で守るということでしょうか。投資家にとっては胃が痛い一週間となりそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

舛添知事 辞任の考察4

驚異的な粘りを見せ、辞めないと言い続けていた舛添氏が遂にギブアップしました。都政の停滞、これが舛添氏にとっての辞任への自己論理だろうと思います。これ以外に思いつきません。

今になってポロポロと出てくる「舛添さんはまとめる能力が高かった」という都職員らからの声。オリンピックの負担費用問題への姿勢もプラス評価でしょうか。猪瀬さんのかなり恥ずかしいスタイルに比べて統率能力などはあったのかもしれませんが(あくまでも推測です。)、彼の評判を落としたのは韓国の朴大統領と会談で、日本にある韓国人学校が不足しているのでどうにかしてほしいという要請に安請け合いしたことに端を発したと思います。舛添氏はその後、新宿区市ヶ谷にある都立高校の跡地を無償で韓国人学校の用地として提供するとしてしまいました。

これは酷い話であります。まず、当該高校跡地は新宿区神楽坂近くでかなり価値が高く用途のオプションがたくさんあるエリア。わざわざそこに外国のために無償で提供するという発想は全くもって理解不能であります。自分の母屋の庭先を無料で他人に使わせるようなものでしょう。舛添さんの発想は東京都という知事の立場を利用し、東京都の資産を活用しながら自己の評判を引き上げるという自分のための知事であった点は否めません。

知事に選ばれた方々は一定の能力はあるでしょう。しかし石原さんは任期後半あまり登庁しなかったそうです。会社に来ない社長が外で威張っているのはおかしいですよね。猪瀬さんは作家であって自己管理能力が欠けています。そして舛添さんは知名度が高かったことが災いしました。つまり、有名人であることで都民の票が集まりやすい構図でしょうか。これは都知事選挙に始まったわけではなく国政選挙では頻繁に行われていた選挙対策でタレントばかり集まった時代もあったし、ホリエモンが推挙されたこともありました。

つまり、政治家と政党は党利党略のために著名人にぶら下がり、なんでもいいから票を、という姿勢がありありであり、選挙する民はそれに釣られてしまうということでしょう。小泉さんが総理になった時、主婦から圧倒的人気があったのはそのマスクと独身というステータスがフォーカスされ、「いいわぁー」という井戸端会議の呟きが伝播したものでしょう。そう考えると舛添さんを選んだのは都民であり、2連発で恥ずかしい思いをする都知事を選んだ都民も反省すべき点はあるでしょう。

では、どうしたらよいのか、ですが、個人的には立候補者の表面的履歴ではなく、内面的な思想、性格、行動力、社会貢献力、自己管理能力をきちんと分析し、メディアを通じて公表すべきではないかと思います。議員は財布の中身を公開させられていますが、私はそんなものは見ても意味がないと思っています。「あの人は金持ち」、「この人は預貯金ゼロなのね」、「へぇ、こんな株を持っているんだ」、「山林なんてどうなの?」など公開内容に抜け道がいくらでもある中、資産開示がどれほど意味があるのか、単にのぞき見趣味なのかさっぱりわかりません。

それより行動力でしょう。企業の社長はどうやって選びますか?長年の事業の功績や仕事を通じて慎重に議論され、選ばれていきます。社長を公募制度にする会社がないとは言いませんが、うまく行ったケースはほとんどなかったと認識しています。

都民と知事の関係は株主と社長の関係に近いと思います。社長が会社の資産を他人にタダで使わせればそりゃ株主は文句を言います。社長が公費と称し会議費用を使えばだれと会議をしたのか、開示するのは当然です。もしも明かせないほど極秘の打ち合わせなら足がつかないよう自分のお金で処理するものです。能力のある社長ほど公私混同はしません。

次の都知事候補をどう絞り込むのか、これは見ものです。知名度より実績、そして信頼感と行動力でしょうか。私は企業経営経験者も面白いと思います。

最後に、この時期に都知事がまた辞任したのは確かに痛手です。大金をかけて選挙をしなくてはいけないプロセスもばかばかしいの一言です。が、高い授業料をはらった都民としては次こそ間違いない方を選出してもらいたいものです。オリンピックよりも数多くの難問を抱えている都政は相当の指揮者ではないとかじ取りは難しいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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英国のEU離脱となれば誰が損か?4

刻々と迫る6月23日の英国の国民投票。各種世論調査では離脱派がリードを広げているという内容が多く、不安感が台頭しています。離脱派も残留派もそれなりに説得力のある主張がありますが、一応、離脱という結果になった場合、いったい誰が一番損をするのでしょうか?

まず短期的視点です。市場関係者からはポンドもユーロも下落、円が対ドルで100円ぐらいまで買われるのではないか、とされています。直近の世界の株式市場を見ると一番派手にやられているのが日本であります。離脱となれば日本の株式市場のボラティリティの高さからすれば日経平均は瞬間的に4ケタ近い下落があってもおかしくない気がします。昨日のマザーズは10%以上下落していますが、その理由はリスク回避のよる換金売り。7割が個人投資家を占めるこの市場の腰の軽さが見て取れます。このペースならば投票日までの残り8日間で東京市場は疲弊し、追証が発生し、その前にボロボロになってしまいそうな気がします。つまりオーバーシュートによる自滅状態で短期的に一番影響を被るのは日本のような気がします。

では当事国の英国ですが、もちろん、離脱ショックはあると思いますが、比較的短期間で第一段階の初期立て直しは可能かと思います。第一段階とは離脱に伴う精神的ショックを伴う様々な観測が入り乱れることで世の中が混乱することですが、早期の収拾は可能でしょう。

英国中銀はこの日のために1年前から対策を練っています。市場への資金供与も通常の月一から週一に変えて金融市場の混乱を未然に防ぐ対策を作り上げています。中銀総裁のカーニー氏はもともとカナダ中銀の総裁でカナダ人です。氏が総裁だった時のカナダ金融市場のコントロールと安定感は抜群で圧倒的な能力をお持ちの方です。期待してよいと思います。

英国は外交的に三つの軸があります。一つ目は旧大英帝国のつながりでカナダ、オーストラリア、インド、南アフリカなどとの深い結びつきを利用した新たな同盟づくりが非常に早く進むとみています。二つ目は中国です。AIIBにいち早く手を挙げ、習近平国家主席が訪英した際、女王をはじめ、最高のもてなしをしたことは記憶に新しいところです。英国はもともと香港を99年間租借していた関係もあり、中国とはそれなりの縁がある国であります。

最後にアメリカですがプロテススタントとして歴史的結びつきはもちろん、JIBs(日本、イスラエル、英国)と称するアメリカを取り囲む結束の固い関係があります。つまり、英国にとって立て直し策のネタはかなり多いと考えられるのです。

一方、ガタガタになるのが大陸に残されたEU諸国であります。短期的にEU離脱派の声が高まることはもちろんですが、EUの中心となるドイツに対する目線が今後どうなるのか、読みにくい点があります。それは2017年に控える選挙であります。しかもそれはドイツにとどまらず、フランス、オランダも含むEUのオリジナル組成組の改選期に当たるのであります。

特に気になるのがフランスで極右政権である国民戦線のマリーヌ ル ペン氏、はたまたドイツのAfD(ドイツのための選択肢党)もEU離脱を主張しており、先日話題になったオーストリアの極右政党、自由党の大躍進とともに欧州大陸の一枚岩が維持できるのか数多くのチャレンジを控えています。

また、ドイツはトルコと、フランスはロシアと軸ができつつあり、欧州内部での力関係がEU外の国との政治的結びつきを含め、非常に複雑になってきていることは事実です。

こう見ると短期的には英国は非常に大きな危機にされされると思いますが、比較的早く回復する力は持ち合わせていると思います。一方、EUは構造的問題とされる共通通貨ユーロのあり方を含め、崩壊の可能性が真剣に取りざたされることもあるでしょう。確かルービニ教授はすでにそれを指摘していたはずです。

アメリカ大統領選で見るとトランプ氏は英国離脱支持派ですのでトランプ氏を利することとなります。

日本は外から見たセーフヘイブン、中から見た市場のかく乱で金融市場だけが一時的に大きく動揺することになりそうです。ただし、この手の話も常にオーバーシュートが伴います。この荒波に乗じてひと儲けなどというのは台風の日にサーフィンをする若者と同じです。まずは静観すべきでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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巨額買収に思うこと4

リンクトインがマイクロソフトに買収されることになりました。その金額約2兆8000億円。買収に伴い株価へのプレミアムは5割近くとまさに札束でほっぺたをひっぱたく買い方であります。リンクトインはSNSでもビジネス系に強みがあり、独自性がありました。会員数は4億人以上とされます。

巨額買収は昨日今日に始まったわけではありません。昔からどの業界でも延々と続いています。これぞ資本市場の醍醐味ともいえるでしょう。儲かって財務的に余裕がある企業が成長する会社を次々と傘下に取り込んでいくこのシナリオは同業者同士の戦国時代、非効率性、そして過剰な価格やサービス競争を引き起こさない適度なコントロールを維持することができます。

また、買収手法は成功を収めた企業が自社の成長期のピークを過ぎた際に次の成長期へ入るための刺激やモチベーションになることもあります。

そう考えると私は次の最大の焦点はアップルだろうと思っています。この会社にバフェット氏が10億ドルも投じて株を購入することにしましたが、ほかの主要投資家は基本的に売りで対応しています。アップル社から売り出される最近のスマホが今一つですし、タブレットも市場的に成長の壁にぶち当たっていることがあるのでしょう。

更にアップルウォッチにしてもアップルTVにしても製品としては今一つどころかそんなものあったのか、というレベルであります。そのアップルは成熟企業として内部留保が大きく、CEOのティムクック氏も次の成長のために大型買収を試みるという発表をしています。その買収資金余力は25兆円ですので買えない企業はないといっても過言ではありません。

ではどこを狙うか、ですが、個人的にはテスラがショッピングリストに入らないはずがないとみています。自動車とネットの融合はIoTよりも先行しているわけでその先駆的役割を果たすテスラはアップルにとって垂涎の的でありましょう。価格はざっくり3兆円であります。

こう見ると日本には7つもの主要自動車メーカーが存在しますが、外から誰も買いたいと思われないところに日本企業の壁が見て取れます。つまり、外資が喜ばない日本企業であります。なぜか、ですが、日本企業の組織体が外国企業のそれに比べて異質すぎることはもちろんのこと、英語などのコミュニケーション能力、更に社員の国際感覚が外資には分厚い壁のように感じます。

日産は外資ではないか、というかもしれませんが、企業活動はルノーと完全に仕切られ、一部だけが融合しています。しかもフランスも文化的に自己の殻が厚い国です。まさか日産の社員がルノーと同じ釜の飯を食っているという同朋意識を持っているとは思えません。「俺が食わしている」ぐらいでしょう。この意識は日本企業を孤立化させる可能性を秘めているかもしれません。

世界の有り余るカネは弱肉強食を繰り返し、市場を寡占化することで高い利潤を確保することを戦略とします。日本企業は内部留保も大きくなり、その「強食」の側にいるのですが、海外企業を食っても失敗が大きく、価値を遺棄させる場合があまりにも多いのです。つまり、食う方も食われる方もイマイチでM&A市場から取り残されつつないでしょうか?

昨日の東京株式市場は英国問題に絡み、3.5%以上下落しましたが、実はこれほどうろたえたのは日本だけでドイツ、フランスは1.8%程度の下落、当事者のイギリス1.2%下落、アメリカは0.74%下落と比較的落ち着いた展開となっているのです。かねてから日本だけ異様にボラティリティが高いとされる一つの理由は日本企業が世界の企業連合と「お仲間関係」になく、資本的な結びつきが薄いことはあるのかもしれません。

正直、これは日本企業の将来性に思った以上のリスクを暗示しています。SNSの「LINE」が日米同時上場をします。同時上場とはなかなかやるな、とは思いますが、この会社の親会社といえば韓国のネイバー社であります。特筆すべきは同社のシン ジュンホ取締役は前期、ストックオプションも含め、なんと52億5000万円の報酬となっています。日本人が稼いで韓国人が吸い上げていく構図だけはよく知っておくべきでしょう。

日産のゴーン社長の報酬がどうのこうのと時々目にしますが、海外ではそんなレベルではありません。生き馬の目を抜く世界が日々繰り広げられているのです。

では今日はこのぐらいで。

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迫りくる3大イベントは荒波となるのか?4

今週から来週にかけて三つの大きなイベントがあります。アメリカのFOMCが14-15日、日銀の政策会議が15-16日、そして英国のEU離脱を問う国民投票が23日であります。その内容次第では様々な影響が出てきますので予習の意味も兼ねてチェックしておきたいと思います。

まず14-15日のFOMCですが、これはイエレン議長が数か月以内の利上げを暗示していたものの、5月の雇用統計が失望的な結果となったことで現在、6月に利上げをするだろうと見込む専門家は4%に留まっています。それまでは6月の利上げは確率5割程度まで上がっていたことを踏まえれば雇用統計の与える意味合いがいかに大きいかお分かりただけると思います。

利上げは10中8,9ないと思っていますが、注目すべきはFOMCのステートメントとイエレン議長の会見の内容です。会見は7月にはありませんから今回、議長がどのようなコメントを発するのか一応、耳を傾けておく必要がありますが、個人的にはおおむね想像がついています。「月々の統計には若干の振れ幅が出るが全体論として景気が着実に改善しているかを見極めたうえで今後の利上げを決めていく」というスタンスかと思います。

ただし、本気で利上げをするならば7月が最後のチャンスかもしれません。8月はお休みでその次の9月は記者会見のある会合ですが世の中は大統領選で盛り上がり、トランプ氏が「イエレン議長クビ、利上げはすべきではない」とワンワン吠えると思いますのでFOMCとして動きにくくなると思います。

次に日銀ですが、こちらはもっと手詰まりのように感じます。緩和をしてもそれが効果をもたらさない状況が生じている今、中途半端なサプライズぐらいではやらないほうがまし、とも思えるからです。さらに三菱東京UFJの国債のプライマリーディーラーからの離脱検討という反乱があったことは総裁としてはショックだったと思います。

一方で参議院選を控える中、政府としては経済の状況を少しでも改善しておかねばなりません。その代表的指標が株価と為替、そしてそれに短期的に刺激を与えられるのは日銀の金融政策であることも確かです。政府と日銀は独立関係でありますが、そうはいっても根でつながっていることも事実。参議院選の投票は7月10日のようですから、日銀が定例会議で何か打ち出せるのは今回がラストチャンスになります。

FOMCにしろ日銀にしろその判断材料として最大の懸念は英国のEU離脱の行方でしょう。フィナンシャルタイムズの最新の世論調査は残留45%、離脱43%ですが、ほかの調査機関では全くさかさまの結果が出ています。つまり、想定以上の拮抗具合であります。私は保守的な残留派が大差をつけると予想していましたがどうやらはずれたようです。

私の判断ミスは保守が残留ではなくて離脱が保守だという点でしょう。中高年層と労働者層が離脱を支持するのは移民、難民などがEUという枠の中で押し付けられ、自国のアイデンティティが守られないことに業を煮やしたということでしょうか?

私もかつて英国にいたことありますが、基本的に英国人は自分の世界(テリトリー)を崩されたくないという強い信念を持っています。カナダも英国連邦ですから多くの英国ブラッドの人がいますが、カナダの根底を作っているのはこのブリティッシュ スピリットであります。それはアメリカと世界一の長さの国境を接しているにもかかわらずメンタルには案外遠い関係にあることが英国と欧州大陸との関係に似ています。

もしも離脱となれば英国、EUのみならず、計り知れない不確定要素が世界を駆け巡ることになり、金融市場はマヒ状態になる公算があります。ドルと円、それ以上に金が買われることになりますが、ドルと円はシーソー関係ですからドル円相場は相殺のベクトルが働くとみています。

また、それこそリーマンショック級の衝撃が時間をおいて出てくるかもしれません。一つはイギリスに本社を置く金融機関がアイルランドやフランスなどにその本店を移すことでロンドンシティの機能低下、もう一つはEUの内部崩壊を促進させること、欧州各地の極右政権に油を注ぐことになるなど計り知れない事態すら考えられます。

そうなるとアメリカFRBは利上げどころか利下げを検討せざるを得なくなるとみています。日銀は手詰まりで政府の判断を待つことになりますが、参議院選期間に入っており、政府対応が後手になりかねないでしょう。

国民投票までの10日間、その行方を巡って金融市場は荒れ、ボラタリティが急上昇するケースは頭に入れておいたほうがよさそうです。今年の二大イベントである英国の国民投票、アメリカ大統領選挙のまずは第一幕の最後の直線コースに入ってきました。シートベルトは相当しっかり締めておいたほうがよさそうです。

では今日はこのぐらいで。

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アメリカ大統領選、私感4

アメリカの大統領選はクリントン氏対トランプ氏がほぼ確定したような感じがします。サンダース氏があきらめない姿勢は評価します。が、彼が頑張れば頑張るほどトランプ氏を利する気がします。

さて、「好ましい」から「好ましくない」を引いた好感度指数はトランプ氏がマイナス33、クリントン氏がマイナス21で近年では圧倒的に不人気の二人であります。多分、お二人ともテイストが強いので好きな人は好き、嫌いな人は体質的に受けつけないということかと思います。

それを言うならペルーの大統領選でケイコ フジモリ氏とクチンスキ氏の間で猛烈な接戦が良い例でしょう。大統領の候補が4万数千票程度の差で争うということはそれだけ国家を二分するほどの国民感情のわだかまりがあるとも言えます。先日のオーストリアの大統領選も50.3%対49.7%という僅差でありました。かつても激しい争いは多く見られましたが、最近その傾向が目につくのはなぜでしょうか?

ペルーの選挙の場合、お二人の候補者は中道右派と右派で政策は非常に似たものだと思います。唯一の分岐点はケイコ氏の父、アルベルト氏の評価であります。彼のことを英語でstrong manと評しているものもありますが、その意味はそれぐらい強権をもってペルーの安全や治安対策に立ち向かっていったこと、一方でそれが逆に命取りになっているともいえます。

どちらが大統領になっても困ることは約半数が不満をもって新しい大統領を迎え入れなくてはいけないことでしょう。オーストリアの場合は左派に対して極右で移民排斥をうたう候補者との戦いでした。この場合は国政のかじ取りはもっと難しくなるでしょう。

ではアメリカ。議会は上院、下院とも共和党が押さえます。が、大統領は民主党出身。それゆえの長いレームダック政権と言われたオバマ大統領はその任期の後半ではレガシー的な外交的行動を行なったものの内政に関しては実に苦しい時期を過ごしたと思います。その一方でオバマさんの時代の経済は決して悪くなかったその意味は経済は民間主導で自助機能があった、ということでしょうか?ある意味、政治的インパクトがなかったからこそゆっくりながらも景気の回復を享受できたとも言えそうです。

さて、そのアメリカの大統領選、私が描くピクチャーはどちらになってもそれ以上悪くはならないだろう、という印象です。これほど期待値が低い大統領はある意味、ハンディキャップ36を貰ったゴルファーが「今日は調子が良くて」100ぐらいで回って優勝するようなものです。ゴルフで100を叩くのは決してうまくはないけれど優勝できるその意味はハードルが低いから何かやればプラスに作用しやすいということ。では、120を叩くこともあるだろうとおっしゃる方もいると思いますが、超大国の大統領は優秀なキャディ(=ブレーン)を相当抱え込みます。一定のバランス感覚は持たざるを得ず、放言、暴言が何時までもできるわけではないでしょう。

次期大統領は一国のトップと同時に外交デビューもするわけですから世界の国々とのスタンスをどう設定するのか、これがアメリカの評価にもつながります。悪態を続ければ国債を買ってもらえない、政策的な孤立感を味あう、アメリカの影響力の低下、世界の国家間のバランスの崩壊など様々な影響が出てきます。それは国内向け政策と同じぐらい重要、かつ、政治経済社会への影響力は甚大なものとなります。

トランプ氏の場合は口が災いする可能性があるのが懸念材料です。その失言に気が付き、取り消すこともしばしばありましたが(ローマ法王との一件など)候補者ならば許されても大統領となれば致命的問題となることはリスクファクターとして捉えておくべきです。

一方、クリントン氏は安倍首相ではありませんが、「新しい判断」が次々生まれそうな気がします。クリントン氏も使えば流行語大賞、間違いないと思います。彼女はそれぐらい言葉に対する信頼感が薄い点は留意した方がよいと思います。特に対中国では高い確率で「すり寄る」と思われます。中国はクリントン氏のツボを抑えているようにみえますので彼女が大統領になれば大変好都合で東シナ海の問題もどっかにすっ飛んでしまう可能性があります。

では北朝鮮の金正恩党委員長に会う用意があると述べたトランプ氏は日本の味方になるのか、ですが、プラスの部分とマイナスの部分で相殺されそうな気がします。プラスの部分は両国間の関係が改善する余地があること、そしてディール巧者のトランプ氏ですから飴と鞭をうまく使い分けると思います。金正恩氏は少なくとも喜んでいるようですから「構造的問題」でデッドロックに乗り上げているこの案件が何らかの形で動くことには期待できるでしょう。

好ましくないお二人のどちらに一票か、といえば弱くなりつつあるアメリカを足腰から鍛え直せるかもしれないトランプ氏にやはり期待してみたいのが外部の人間の想いであります。

ただし、選ぶのはアメリカ国民。そして体質的に受け付けず半分の人は「アメリカに未来はない」と国民があきらめることが一番怖い、そんな気がいたします。この選挙も大接戦が繰り広げられるかもしれません。

選挙まであと5カ月、それにしても長い選挙戦であります。クリントンさんの健康状態、大丈夫なのでしょうね?

では今日はこのぐらいで。

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今週のつぶやき4

今週のワイドショーは舛添さん一色だったような気がします。同じような返答を繰り返す舛添さんに対してワイドショーがさらに深堀します。舛添さんのしぐさ一つひとつを専門家が分析するといったヒートアップぶりには閉口です。が、週末になって舛添さんが「(このまま辞めたら)死んでも死にきれない」といったのは流行語大賞の候補入りでしょうか。

正直ここまでみっともない戦いに展開するとは思ってもいませんでした。完全包囲網を敷かれた中で孤軍奮闘と言いたいところですが、悪あがきは日本経済へのマイナス効果と税金の無駄遣いにつながります。私はもっとまともなワイドショーを見たいと思っております。バッテンがついてしまった舛添さんから仮にどれだけ素晴らしい奇跡の証拠が出てきたとしても「覆水盆に返らず」で人心は戻ってきません。参議院選も控える中、そろそろ幕引きとなってもらいたいものです。

さて、今週のヒーローですが私は三菱東京UFJ銀行をあげたいと思います。まず、第一弾に6月8日付日経のトップで「国債離れ」として「入札の特別資格返上へ」とあります。極めて専門的な話ですので詳細は避けますが、要はメガバンク3つと証券19社しか持たない国債入札に関する「特別の権利」を「もういらん!」と返上したのです。

この理由は表向き、同グループの中に証券系を通じてあと2つこの権利を確保しているから実質影響ない、というのでしょうが、本音は日銀のマイナス金利政策に怒った同銀行の反乱と見ています。日銀がマイナス金利を導入した今年1月以降、銀行の収益を圧迫するその政策にメガバンクを中心に反発姿勢が沸き上がりました。組織だった序列と極めて保守的な三菱東京UFJからそれが起きるとは驚きであったのです。

が、その続きは金曜日のえっと驚くニュースに続きます。「独自仮想通貨、一般向けに来秋」と出ています。これは同行が「MUFGコイン」を1円=1コインで発行し、汎用性を高め、各種手数料や為替の両替などにもメリットをもたらす新しい仕組みを銀行が行うというニュースであります。

実はこのニュース、日経の電子版で金曜日の朝に出たのですが、なぜか消えています。(私は見つけられません。)一日たって確認できるのは主に朝日の電子版なのですが、何かありそうな気がします。というのはこの独自仮想通貨が本当であれば、これがもたらすであろう影響力はとてつもなく、今までのSUICAやPASMOは簡単に凌駕できる可能性を秘めているからです。

それと税務当局からすると資金の流れがわかりにくくなる可能性が大いにあります。ATMでこのコインを買えかつ、そのコインをATMで1コイン=1円で換金できるため、使い方によっては税務当局が税の捕捉に困難をきたすことが予想されるからであります。

ご承知の通り、現在、税務当局は税を唯一の公認通貨である円をベースにすべてを仕切っています。仮にある会社が売り上げをMUFGコインで受け取り、従業員の給与をMUFGコインで支払うと税務当局はコインの流通関係を捕捉する手段を講じなくてはいけません。

また、フィンテックの技術はこれからが本番でこのような仮想通貨は今後、星の数ほど生まれ、淘汰されることになるでしょう。その時、当局の機能はほぼマヒすると思われます。しかもこれは日本だけではなく世界であっという間に伝播し、加速度的に発達するでしょう。

これは実に恐ろしいことです。仮想通貨とは今まで一国一通貨(一部の国はドルとローカル通貨)であったものが多数になり、海外とのやり取りも瞬時に行える、という意味です。それこそパナマ文書でも盛り上がったタックスヘイブンどころではなくなる、というのが私の第一印象です。そしてそれを世界の三菱東京UFJが発表したというのは脅威でもあります。

最後に、日本の株式市場、一体どうしちゃったのでしょう?一部上場株式の動きは鈍く、全く面白みがない状態が続きます。そこで唯一気を吐いているのがマザーズ上場株。アキュセラ、ブランジスタ、グリーンペプタイド、そーせい…。一般の人どころかちょっと株をかじっている人にもほとんどなじみがない銘柄が並びます。そして多くは創薬。創薬銘柄は普通夢を買い、現実を売ります。そこに群がる多くの個人投資家は枯れる東証一部市場に射幸性の高い小型軽量銘柄で一発当てるぐらいの気持ちなのでしょう。かなり不健全でいびつな市場が出来上がっています。悪いたとえをするならマザーズは上海市場と同じです。

ところでその上海市場。崩れそうでなぜ崩れないか、それは出来高に理由がありそうです。日経によると15年6月のころの出来高は一日1兆3000億元。それが5月30日には1167億元しかないというのです。つまり10分の1以下です。後場に急騰することもある、という意味は政府の買い支えがしやすくマーケット規模を極端に細くしてしまったのでしょう。

これはとりもなおさず市場の不安感が克服できないの意ですから中国の不安は相当長く抱きかかえるつもりなのでしょう。それが「パンドラの箱」と化したらこちらも恐ろしいことになりそうです。

長くなりました。今日はこのぐらいで。良い週末をお過ごしください。

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また明日お会いしましょう。

復帰したジョージソロス氏が稼ぐネタ4

ジョージ ソロスといっても知らない方も多いかと思います。伝説の投資家、いや投機家といったほうが良いのかもしれません。私はあえて「不和で儲ける男」と言っておきましょう。そのソロス氏が慈善家としての余生を堪能するだけでは我慢できなくなったらしく、85歳にしてトレーディング復活となったようです。

ソロス氏は1969年にソロスファンド(のちのクォンタム ファンド)を立ち上げ、ここから彼の第一幕である驚異的な収益を築きその名を世界に轟かせます。そのリターンは10年で4200%ともいわれ、論外なレベルであります。が、その不屈なファンドはパートナーであるジム ロジャーズと別れたことで大きな挫折となり、ファンドは巨額の損失を出します。

ここまでか、と思われたソロス氏がその名前を歴史に残した史上最大の賭けがイギリスのポンド危機に乗じたポンドの売り作戦で「イングランド銀行をつぶした男」としての異名をとったのであります。100億ドルの売り仕掛けで10-20億ドルの利益を上げたとされます。その後、97年のアジア危機でも売り方に回り大きな利益を上げたようです。

今年の初め、そのソロス氏が久々に注目を浴びたのは中国のハードランディングは避けられないとし、中国元の売りを公言したことでしょうか?その中国元は対米ドルでは14年1月を境に元安に転換しており、現在もそのトレンドは変わっていません。ソロス氏が為替のトレンド変更から2年もたってからその勝負に打って出るには何らかの自信があるからなのでしょう。

今回、復帰にあたり、二つの不和の可能性を提示しています。一つは中国、もう一つは欧州であります。不和に強い男である故にその匂いを嗅ぎつけて崖から落ちそうな人を背中から押し出すつもりなのでしょうか?

中国については市場と国民を区別して考えなくてはいけません。中国が潰れるという本は日本を中心に多く出回っていますが、潰れてなくなるわけではなく、潰れるのは市場でそれを支えた政府がさらに窮地に追い込まれるということです。もちろん13億の民が消えていなくなるわけではありません。

市場に於いて恣意的コントロールは一般的には難しくなってきたのですが、中国ではまだ可能であります。恣意とは実態と公開された数字にかい離があることを意味しますが、このかい離をアービトラージ(裁定取引=価格差を利用した取引)すれば大きく儲けることが論理的には可能であり、ソロス氏はここに目を付けたのではないかと思います。

有り余る資材、不動産バブル、世界の工場の終焉、資本逃避など良い話はほとんど聞こえてこないのに政府が買い支える株式市場、そして政治力満載の為替相場は確かに何かのきっかけでつまづく可能性は大いにあります。

ではもう一つの不安である欧州です。ソロス氏は目先に迫ったイギリスのEU離脱についてはないだろう、と想定しています。しかし、PIIGS,ギリシャ問題などの経済格差に端を発したEUの構造的問題、難民問題からフランスやオーストリアでの極右政党の躍進、イギリスはスコットランド独立運動が起きるなど欧州の各地域で成功こそしていないものの不和のフロス(泡)があちらこちらからぶくぶくと湧き上がっている実態は何かを予言していると見ているのでしょうか?

アメリカでもトランプ氏やサンダーズ氏の活躍ぶりは明らかに想定外であります。

その点からすると安倍首相がG7の際に述べたリーマンショックとの比較論はソロス氏にとって大変ありがたい援護射撃となるハト派(弱気)発言ということになります。海外では通常強気の姿勢(ブル)を示すことが指導者の基本であります。世界経済に不安感があるのならそうだとは述べずにより明るくする手段や改善方法を提示するのが政治家や経営者の基本スタンスであり使命であります。ところが安倍首相の発言は不安な社会を増長してしまい、本来ならタブーに近い発言であったのです。

欧州と中国、そこには共通点がないわけではありません。いびつな労働市場と行政の構造的硬直体制であります。一言で言えば過去を踏襲し、フレキシビリティがない点でしょうか?ところが急速な変化、IT化や流通、国際間の物流やネットビジネスなどでビジネスの屋台骨が根幹から変化しているのに対して欧州、中国は対応が遅れています。(日本もそうかもしれませんが、努力はしています。中国はそれを認めず、否定しています。)

マラソンで集団グループについているが実はもうアップアップ、いつ、遅れだすとも限らないとソロス氏は見ているのでしょうか。

ソロス氏のように巨額の資金を動かすことでそれに同調する他のファンドも当然出てくるため、実際に動き出すとあり得ないほどの力を発揮することも可能です。中央銀行を袖にするのですから怖いもの知らずなのでしょう。それは機動性でもあります。政府、中銀は一旦方針を作るとそう簡単に動きを変えられません。巨艦故の弱さです。

私は基本的に他人の弱みに付け込んで更にドツボに押し込むことは人道的に受け入れられません。もちろん、私もショート(売り建て)は投資のテクニックとして時々やりますが、それはあくまでもチャート上などの技術的理由であり、それもごくたまにしかやりません。

欧州にしても中国にしても盤石の体制ではない中で世界をかく乱させることが道義的に許されるのか、これは議論になるかもしれません。90年代は可能であっても現代は人々の考え方も変わってきています。ソロス氏のスタンスは弱みに付け込む金儲けであってそのお金が慈善事業に回ってもあまり嬉しくはないでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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ではまた明日。

なじみ客4

先日なじみのビアバーのカウンターに腰を下ろし、スタッフを見たところ、知った顔が誰もいません。スタッフも私も知らない同士なので行きつけの店なのに妙によそよそしくなり、腰が据わりません。ビール1杯飲んだところでそばにいたマネージャー氏(と言っても20代半ばぐらいの若い方)に「知った顔が全くいなくなったようだが?」と声をかけるとみんな辞めて自分もまだ入って僅かだ、と。お気に入りの店に期待するものとは「いつものやつ」といえばいつものビールが出てくるそんな気安さではないでしょうか?

大分前に東京で女の子のいる飲み屋に友人に連れて行かれたのですが、彼は知っている店だから楽しかったようなのですが、私は誰も知らないので20分ごとにくるくる変わる隣の女性に自己紹介を延々と繰り返し、げっそり疲れてしまったことがあります。

大塚家具の決算が芳しくないようです。今年12月の決算は16億円の赤字と6年ぶりの最終赤字を見込んでいるのは娘の経営方針がうまくワークしていない可能性を示しています。父の時代は会員制を謳い、店員が客にくっつき、細かい対応をしていたのを娘が今の時代に合わせ、入りやすい店づくりを求め、会員制もなくし、商品価格構成もやや下げる方針を打ち出していました。娘のメディアへの露出も最近は細り、いよいよその経営が正しかったかどうかを占うところに来ていましたが、厳しい状況を呈しているようです。

これも「なじみ」の発想ではないかと思います。モノを買う時、純粋に商品との一対一勝負ならばネットで買えばよいでしょう。わざわざ店に出向く理由は何でしょうか?それは「親身」なのだと思います。

デパートの店員が洋服売り場で「お客様、こちらがお似合いかと。」「それもお似合いですね。」「これなんかもいかがでしょう?」と言いつづけ、客が「どれが一番似合うの?」と聞けば「どれもお似合いです」という昔からある笑い話は「親身」ではありません。顧客の仕事、性格、好みを知り尽くしたうえで「この色はお客様に映えます」と言われればそうかな、じゃあお願いします、という感じになるのではないでしょうか?

消費が増えないというテーマをこのところ続けて書いているのですが、売り手側の商売のやり方が消費をそそらなくしてきたことも一つあるのではないでしょうか?スーパーで買い物しても「会員カードお持ちでしょうか?」と聞かれ、「ない」といえば「失礼しました」で終わるその関係は薄弱でカードのポイントを通してしか客と店を繋ぐものがない気がします。

昔、肉は肉屋で買うものでした。その肉屋におつかいに行けば「僕、偉いねぇ、少しおまけしておくよ」と言われたものです。「奥さん、今日は特別きれいだねぇ、少しいいお肉を内緒でサービスしておくね」というセリフも当時は常套句、今なら許されない「身勝手差別化」が逆に売り上げを伸ばす秘訣だったのではないでしょうか?

こう考えると実は私たちの周りで「なじみ」になるほどの関係をつくれるのは近所の赤ちょうちんとか商店街の店などごく少なくなってきたのではないでしょうか?昔、私が日本で車を買っていた際、やり手のそのセールスマン氏は「もうそろそろ、あの車、買い替え時期でしょう」とか「お父様の車、これなんか似合いますよ」といった具合で何年もの付き合いの中で何台か車を買わせてもらいました。私は縁がないですが、少し富裕層の方はデパートの外商が家に来てくれたりします。これも「御用聞き」の三河屋と同じ発想です。

店員の役目とは何でしょうか?それは価格や価値の違いを説明し、なぜこちらの商品の方が優れているか、それをお客様に知っていただき、プラスアルファの支出を引き出すことにあります。ところが先日も指摘したようにネットでモノを買うと一番安いものと二番目に安いものの差別化が出来ません。多くは一番安い方に流れてしまうのです。言い換えればネット社会が生んだ消費力減退も大いにあるかと思います。

なじみの関係とは客と売り手の信頼関係であります。それが今の社会ではほぼ完全に欠落してしまいました。コンビニでモノ買うのに客は一言も発せず、店員は「いらっしゃいませ」、「○○円です」、「有難うございました」の3言しか発しない関係が正しいのでしょうか?

多分、若者からは「会話、うざい!」と言われるのでしょう。でもそれはやっぱり間違いである、と声を大にして私は言い続けます。

消費の話を3連投させて頂きました。お読みいただき、ありがとうございました。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

「俺の」シリーズが変える消費者行動4

昨日のブログでは消費者の財布の紐が固い、ということを書きました。だからと言って私は消費はもう伸びないといっているわけではありません。紐が固ければ緩めればよいのです。

ブックオフの創業者が生み出した「俺のフレンチ」から始まる「俺の」シリーズは店舗数とその種類を急速に拡大しているようです。今ではフレンチ、イタリアンのみならず焼き鳥、おでん、割烹、そばに揚子江などという種類もあるようで正に無限の広がりを呈してます。

この「俺の」が静かなブームとなり、食に限らず自分のこだわりを示す代名詞的存在になってきているように思えます。最近は「いきなり…」も流行っているようで興味津々です。

日経ビジネスが5月16日号で「賞味期限切れのチェーン店 外食崩壊」という特集を組んでいます。いわゆる画一的なサービスを施すチェーン店がガタガタになる半面、世界で一つしかない個の塊のような店に心地よさを感じるような客が増えてきたという内容であります。

私も日本で下調べをしないで店に入って失敗するケースが増えてきました。ある居酒屋では2時間きっちりで追い出し攻撃をうけました。平日の夜、店には客が3割ぐらいしか残っていないのに「お客様、お時間になりましたので」と言われるわけです。食べ物がまだ残っているのに「すみません、そういうことになっているんで…」と。ならば追加注文をしたらいいですか、と聞けば「ルールなんですみません」とほとんど思考能力ゼロの学生アルバイトに馬鹿馬鹿しさすら感じてしまいました。

もう一店はそこそこ知れているある和食のチェーン店。夜の6時半なのに広ーい店に客は一組。店はシーンと静まり返り、活気がありません。そこに現れた店員君。ぱっと見て「こりゃ、ダメだ」と思ったのは白いシャツがよれよれで薄汚れ、あちらこちらに食べ物のシミ、疲れたネクタイでまるで店員さんまで覇気がなさそうに見えてしまいます。更に途中で追加オーダーをするためにその店員を引き留めたところ「お客様、御用の際にはテーブルのブザーを押してください、係りの者が参りますので」と言われて唖然。他に客は一組、店員は三人暇そうにしているのに、です。

ルールに縛られ、そこから外れたことはするな、ときつく言われている結果、消費者はそっぽを向く、これが今のトレンドかもしれません。デパートが面白くなくなった理由の一つは「そこに行けば何処にでもあるそのブランドがやっぱりあるから」であります。これではどのデパートに行っても同じものが買えるわけで差別化は何処にあるのでしょうか?デパートの一等地にはルイヴィトンなどおなじみの店がずらっと並びます。こんな店づくりが本当に百貨店のあるべき姿なのか、疑問に思う方はいらっしゃらないのでしょうか?

ものが溢れ、店が溢れ過ぎた結果、日本では手に入らないものはない、食べられないものはないとも言われます。しかし、同じような店、知っている店で消費する分には構いませんが、新たなる発見が実は困難になってきました。ネットで探せばいくらでも出てくる、と言われますが、いちいち口コミを読むほど暇ではありません。その上、人気店は予約が取れなかったり売り切れていたりします。そんな中、歩けばハッと気が付く路面店があればベストなんです。

私が何年も前からチェーン店崩壊のリスクを指摘していたのは人間の心理が大きく舵を切り始めているからです。そして一旦、人気が離散し始めると加速度的に悪化するのが世の常であります。日経ビジネスでダメ外食として吉野家、マック、ワタミ、ロイホが上がっています。一方伸びているのがサイゼリア、磯丸、コメダ、てんやとなっています。

私が予想する次の危機はコンビニとみています。コンビニが楽しいと思わせた時代は遠くない時期に終わると思っているのはコンビニの商品構成が売れ筋に限っていて選択肢の狭さに気が付く消費者が増えてくるとみているからです。

日本での消費が伸びません。これこそリーマンショック後より悪いとも言われています。しかし、なぜ消費が伸びないか、その理由をじっくり検討したものはあまり見かけません。消費税が8%に上がったことに全てを押し付けすぎていないでしょうか?

私は消費者行動が単に変わってきたのだろうと思います。お金を使うのには個人の価値観と同期するものが必要です。それは価格の安さだけではなく、1000円使ったとき1500円の満足感が得られるお得感なのですが、多くの店は勘違いをして価格を下げることで満足感をもっと下げてしまっています。

ちなみに私はコンビニではほとんど買い物をしません。せいぜい、一年に数回行くか行かないか。カナダでは基本的に避けて通ります。(笑)

「俺の」シリーズとは個のこだわりそのものであります。これは画一的なサービスを提供してきた巨大チェーン店、飲食から衣料まで全ての分野に於いて大変革が起きる素地が生まれています。ルィヴィトンではなくて私だけのこの商品、友達から「これ、かわいいー」と言われることへの嬉しさが育まれて来たら日本の消費は間違いなく伸びます。

言い換えれば売り手が消費者戦略を間違えたことや流行っているものにあやかった物まね主義が招いた消費者無視のトレンドづくりなどがあった気がしてなりません。

消費の話は次回、もう少し続けてみたいと思います。
では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

我々は本当に2%のインフレがあると思っているのだろうか?4

昔から良く聞こえてきた話の一つに「物価が下がるのは主婦のお財布にとって良いこと。なんで物価が下がっちゃ、いけないの?」があります。

主婦に物価が下がる弊害を述べてもなかなか理解してもらえないのは「明日の日本より今夜のおかず」だからかもしれません。もう一つはある程度の歳の方は覚えているあの「狂乱物価」の時代には戻りたくないという一種のトラウマもあるのかもしれません。つまり一定年齢以上の方にとって物価が上がることへの抵抗は消費税が2%更に上がるのと同じ意味合いがあるのでしょう。「物価も2%、消費税も2%、合せて4%、国は何を考えているのよ、年金もそれだけ増やしてよ!」という声が聞こえてきそうな気がします。

その日銀が物価2%上昇に向けた対策にほとほと頭を悩ませています。個人的に金融政策だけで物価を動かせると考えること自体がナンセンスだと思っていますが、黒田総裁はブレーキが壊れた機関車のごとく2%を叫びながら次々とサプライズなプレゼントを市場に提供してきました。

ただし、マイナス金利を導入したあたりから雲行きは怪しくなっています。欧州中央銀行(ECB)や欧州の一部の国がマイナス金利を日本に先駆け導入したことで技術的にユーロを売って円を買う動きを誘発し、円高になるバイアスがかかりやすくなりました。黒田総裁は為替は財務省の仕事と言いながらも実は円高を防ぐ方法論の一つに日本もマイナスにしてしまい日本円を買うことに魅力を失くしてしまえば円高は防げる、と考えた節はあります。

マイナス金利の先輩であるECBにおいてその評価についてはどうなのか、といえばマリオ ドラギ総裁から「スーパー」の文字が取れてしまいECBの中で一枚岩になっていない点を指摘しておきましょう。特にドイツ系の委員からはマイナス金利に対して厳しい声が上がり、金融緩和をしても物価は全く上昇気流に乗れていません。つまり、日本でも欧州でも議論されているマイナス金利の効果が今一つ分からないのであります。

特にドラギ総裁については15年10月に「年末にさらなる緩和」を事前アナウンスし、さぞかし素晴らしいクリスマスギフトが貰えると思いきや、「これだけ?」というしょぼい緩和発表となりました。そして今年5月に至るまでこれといったその後のプランが出てきません。「手詰まり感」すらある気がします。

では黒田総裁はどうなのか、といえば今年1月、スイスのダボス会議に出席する前に日銀の企画チームに「緩和プランのオプションを作っておいてくれ」と指示し、帰国後、そのリストを見てマイナス金利しか良いものが見当たらなかったというのが顛末であります。ダボス会議は1月20日から23日、リストを見たのは帰国後、定例政策会議まで数日しかなかったのでかなり短い時間枠の中で無理やり決めたことが見て取れます。

最後に総本山アメリカはどうなのか、ですが、直近の経済指標はあまり芳しくありません。というよりアメリカの景気はピークアウトした感があります。6月6日のイエレン議長のフィラデルフィアでの講演は雇用統計が彼女にとって大きなサプライズだったと同時に上げられない金利にもいらだちを示しています。

日経の「日曜に考える」に債券王のビルグロース氏のインタビュー記事が掲載されています。個人的には氏の視点が私の考えにかなり近いかなという気がしています。記事の中で 「企業が投資をしないのは需要がおぼつかないからだ。お客が製品やサービスを買ってくれなければ、経営者はリスクを取って投資をするわけにいかない。そして、お客が買ってくれない理由は高齢化だ。米国で第2次世界大戦後に生まれた大量のベビーブーマーが引退している。これまでの消費で多額の負債を抱えていることもあり、新たな大型消費には慎重だ。高齢化は欧州や日本でも進んでいる」とありますが、これは実にうまく言い当てています。

インフレはなぜ起きるか、と言えば需要が供給を上回る状態が続き、価格決定権が供給側にあるからであります。総需要不足は依然解消されず、今後も災害、天災、戦争など特殊事象が起きるか、独占や複占など供給側の支配構造が変化しない限り、解消されるとは思いません。インフレが起きなければ金利も上がりません。氏はこうも述べています。「米国は今年、3%の成長が可能という人も多いが、私はせいぜい2%と見ている。同じくユーロ圏は2%ではなく1%にとどまるだろうし、日本はプラスになれば御の字だ。」

目線は6月のFOMCから日銀の政策会議に移っているようですが、中央銀行の政策に期待すること自体がナンセンスになってきた気もします。我々は中銀のポリシーミーティングにあまりにも振り回され、甘言につられたような気がします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

体質の変化を感じるソフトバンクの運営4

ニケシュ アローラ副社長が仕切るソフトバンクの経営戦略はかなりドラスティックで孫正義氏の体質とはかなり異なる気がします。ある意味、ドライで斬った張ったの上手な経営者なのかもしれませんが、日本的な情や長年の付き合いに流されることはない点で日産のゴーン社長に共通するものがありそうです。

そのアローラ氏が進める資産の切り売り、キャッシュ化の行方に注目が集まっています。

まず、第一弾が中国のアリババ社の株式の一部売却であります。その売却に関して6月1日に79億ドル相当と発表したのに翌2日に89億ドル相当に増額されています。それでもアリババの持ち株は28%と持ち株適用は維持します。一日にして10億ドル増えた理由がなぜだか推測しにくいのですが、1兆円プラスの資金が必要であったことは確かであろうと思います。

ところが不思議なのは同社が売却を進めるのはアリババの株式だけではなく、フィンランドのスーパーセルと孫氏の弟が経営するガンホーまで売却すると発表したことであります。ガンホーはパズル&ドラゴンズのゲームで有名ですが、弟の会社の株式を売却する意味がまず不明なこと、第二に売却してもたかが730億円規模であります。つまり資金が欲しいのならアリババの株をもう1%余計に売却すればよいだけのことです。これは全く解せない話です。

更に付け加えればガンホーがこの売却に伴い、TOBをするのですがその金額が発表日の2日の終値の309円に比べて5%近く下回る294円なのであります。3日はどうなるかと思っていましたが、302円とずるっと下げています。ガンホーは中国でのゲーム進出発表で5月下旬にストップ高を付けるなど株価が高騰していたこともあり、これがTOB価格設定の想定外を生んだ可能性はあります。

フィンランドのスーパーセルについてはもともとガンホーと共同で鳴り物入りで買い取ったもののその後、ガンホーの持ち分をソフトバンクが引き受けた経緯があります。その点からすればソフトバンクの経営方針が大きく揺れていることも事実であります。

可能性の話をすれば孫氏の弟の孫泰蔵氏をソフトバンクグループで引き抜くという発想もアリかと思います。泰蔵氏はガンホーの創業者として同社に君臨していましたが今年の2月に会長から取締役に退いています。その理由は「一身上の都合」とされますのでその頃から何らかの準備が始まっていたとみるのが正解だろうと思います。ソフトバンクとガンホーの関係が2%程度となれば泰蔵氏の使命は終わったとみてよいかと思います。

では、ソフトバンクは何を考えているのか、ですが、アローラ氏は否定していますが、やはり、アメリカのヤフー株式取得がナチュラルだと思います。アメリカのヤフーがヤフージャパンの株式の売却方針を打ち出しており、そこに手を上げているのがアメリカ大手通信のベライゾンであります。まかり間違ってベライゾンが米ヤフーの持つ35%の株式を手に入れればソフトバンクとヤフージャパンの一体感はライバルとの極めてやりにくい関係となってしまいます。

アメリカ携帯電話会社スプリントを買収するに際して、ソフトバンクのライバルはAT&Tとベライゾンでありました。敵対する相手に市場を荒らされることになってはたまったものではないということでしょう。となれば、ここからは個人的な勝手な先読みですが、米ヤフーを丸ごと飲み込む計画に対してヤフー株式の購入価格にプレミアム、ないしライバル出現の可能性を見越し、余裕を持たせた資金を確保しているようにみえます。そして孫泰三氏をそこにはめ込むシナリオが描かれている気もします。

孫正義氏は経営者として確かに偉大でありますが、ピークは過ぎた気がしています。特に震災後、自然エネルギー関係に足を踏み入れた時点で何か別の世界に入った感がありました。アローラ氏のお目付け役も必要で弟をその役目に据えるという発想もアリかと思います。

こう見ると米ヤフーの買収の可能性となればこれはソフトバンクが本心でそうさせたものではなく、グループの運営を安定化させるための理由となります。同社はしばし守りの経営を余儀なくさせられるかもしれません。12兆円という巨額の借金が大きな賭けに出にくくさせていることも事実でしょう。その点からはアローラ氏の采配も十分に振るうことが出来ない可能性はあります。特に銀行団は孫氏へのクレジタビリティに対してアローラ氏の手腕にどれだけ信頼感を持たせているのか、まだ懐疑的な気がしています。このあたりが今回、まさかのアリババ株一部売却に進まざるを得ない理由だったのではないでしょうか?

いずれにせよ、ヤフージャパンと米ヤフーの行方は目先すぐに展開しそうです。要注目ではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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