外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

オンラインと在宅勤務4

私のように極小企業で少数の従業員が各拠点で1-2人体制で業務をしている場合、私が事務所で仕事をしなくてはいけない理由は少ないと思います。事実、週末は家のパソコンから仕事をしているし、半分ぐらいの業務は支障なく進められます。それでも私は事務所に行く理由は何でしょうか?在宅では超えられない壁がある気がするのです。

ZOOMでの会議やミーティングは今やごく普通に日常に溶け込んでいます。少なければ週に数回、多いと一日で6回という日もありました。これだけオンライン会議をやっているとあることに気が付きます。それは「これほどつまらぬ会議もない」であります。

実際に人が集まる会議ではしゃべっている人に対して廻りの反応やささやき、それこそ息遣いで流れが読めるものです。話の内容に「これ、ちょっと違くないかい?」と隣に座っている人につぶやいた経験者は多いでしょう。つまり場の雰囲気というのが生まれるのです。ところがオンラインだと何の空気も感じません。なぜでしょうか?

オンラインは基本的にしゃべる人が一人に限定され、その一人に会議参加者が全員付き合わされるという「弱点」があるのです。プレゼンが短く、要点をまとめたものならよいのですが、とりとめのない話や自己主張を延々と繰り広げる場合、どうしても聞く側の集中力は落ちてしまいます。会議室の会議ならば「ちょっと話を元に戻しましょう」とか「つまり要点は?」といった声が入りやすいのですが、オンラインではそれが少ないのです。ある意味、非効率な部分が見えてきたような気がするのです。

総合商社第2位の伊藤忠商事が勤務状態について一定の在宅を認めたうえで「出社が基本」という姿勢を打ち出しています。同社は春の感染時もどうにかして出社体制を維持しようと考えながらも世の中の事情、感染状況を見ながらかなり流動的にルールを変え、社員への出社を促してきました。

同社の鈴木善久社長は「社員一人ひとりが『商人』であることを非常に大事にしています」(日経ビジネス)と述べ、生活消費にかかわるビジネス比率が高い同社に於いて社員一人ひとりがエッセンシャルワーカーという発想だと述べています。

異論はあるでしょう。同社の労組が行った社内アンケートですら会社の考え方や理念、通常出社への基本姿勢に関し「理解もできなければ共感もできない」人が3割いたとあります。無理強いはできない、だけど会社としての明白な指針を打ち出したのは商人魂として非常に強いメッセージだと思います。

私がZOOM会議をしていて気になるのは参加者の服装と背景であります。まず、服装が概ねカジュアル。この格好でビジネスの話をするんかい、という方もいます。次に背景。自宅をそのまま映す人、借景にする人いろいろです。私は自宅からの場合なるべく背景から何も想像できないシンプルな壁をバックグラウンドにしています。生活の様子が見えてしまうような背景はアウトでしょう。借景でもビジネスにふさわしくないハワイなどのリゾートとか、山と海の美しい場所といったものを選択する人がいますがこれもおかしい気がします。

皆さん、パワーランチという言葉を覚えていますか?1時間のランチタイムで最高効率のビジネスランチをするという考え方でかなり前からあり、時折それが思い出されるように復活します。私が昔読んだパワーランチ系の本に客には壁側が見えるように座らせろ、という一節がありました。なぜか、といえば客は自分以外に見るところがなく話に集中できるから、というものでした。オンラインの背景もこれと同じ考え方です。

私は「オンライン会議が便利」と答えた方々の多くは電話のやり取りが極端に減った今、顔を見ながら話ができることに進化を感じているのではないかと思うのです。つまり、コロナ→在宅→オンラインという流れではなくてIT化→SNS主流→テキスト主体で声も顔も見えないことが改善されたのではと勘繰っています。

仕事はパソコンがあればこなせる部分が多いことは確かです。(スマホやタブレットでは画面が小さくて分割画面での作業ができないから無理)しかし、事務所の椅子に座った瞬間に入る仕事モードに勝るものはありません。私の場合、トイレに行くのも忘れるほど集中して仕事できるのは自分の仕事場所という脳からの指示効果が大だと思っています。映画館での集中力はなぜ起きるのか、といえば暗い客席に座る人全員が同じ世界に入り込むからなのです。この意味を考えると私は伊藤忠の出社が基本という考え方には奇妙に共感してしまうのです。

仕事のピリピリムード、大事だと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

日本の次世代の目玉産業4

高度成長期のころ、日本の株式市場で圧倒的取引量を誇ったのが新日鉄(現日本製鉄)など「産業のコメ」と称された鉄鋼業界でした。株価が比較的安かったこともあり、株式市場での出来高はほかの業種を圧倒していました。

住宅ブームや不動産価格の高騰で建設会社の株価が踊っていた時代もあります。上場会社のリストを見るとなぜ上場する建設会社がこんなにあるのかと思っていました。差別化がしにくいこの業種では仕事を皆で分かち合うという共同体的な育まれ方をしてきたと思います。

80年代は電機産業が花盛りでした。株価が往々にして高く4桁の株価が当たり前の中、日本の未来を背負うテクノロジー業種として新聞の株式欄のこのセクションには白い△マークで3桁で株価が上昇する銘柄が目立って多かったのです。若かったあの頃はその新聞の株式欄を見て電機業界が日本のエベレストだと思ったこともあります。

その後、自動車産業にバトンを渡したはずですがなぜか、自動車産業の株価のブームは起きなかったように記憶しています。投資家がこぞって自動車関係に投資をするという風景はなかったはずです。あの頃、メディアは自動車産業のすそ野の広さ、雇用、経済規模などから日本の産業のリーディングセクターと位置付けていましたが、私は大学時代に日本の自動車産業は3社に絞られると学んでいた折、建設業がバブル崩壊で雇用の受け皿が減ったことを理由に無理やりそのようなストーリーに仕立て上げているような感じすら持っていました。

あれから20年以上たったわけですが、日本の株式市場で次のリーディングセクターは何だろうと考えるとパッと答えが出てきません。

ソフトバンクグループが2016年に3.3兆円を投じて買収した半導体設計のアーム社をアメリカのエヌビディアに4.2兆円程度で売却しようとしています。(中国当局が同意するか不明なため、まだこのディールは最終ではありません。)ソフトバンクという会社はテクノロジー系の企業に一定の影響力を持っています。しかし、同社は日本企業には目もくれずアメリカ企業を主体に中国やインドを含めた世界中の企業に投資をし、一定の成果を上げています。

もしも孫正義氏が日本に新しい産業を勃興させるために日本のスタートアップや成長企業に資金を投じることがあればもしかすると別の産業地図があったかもしれませんが、孫氏にはその選択肢はなかったように思えます。なぜなのでしょうか?

新興企業には面白い会社がたくさんありますが、ナスダック上場の花形企業に比べてバリュエーションで大きく劣ります。それは資金力、人材、創造力、マーケット規模などあらゆる方面において数段の次元の違いが生じてしまっているからかもしれません。孫氏もそういう企業があれば投資を考えたと思いますが、ユニコーンと称する企業価値が1000億円を超える会社はAIのプリファードネットワークスぐらいでで最近ぎりぎりのところでほかに数社引っかかっているという感じです。

日本は長年、内需の国家として知られています。輸出や投資で稼いでいるというイメージがありますが、実は内需7割という国家であります。島国故に自国内で自給経済という姿勢が無きにしも非ずであります。これが世界に誇る日本の産業の核がなくなった理由の一つかもしれません。内需主導が悪いのではなく、内需に頼りすぎて真綿で首を絞められた状態にあるのに気が付かなかったということです。

韓国は人口が少なく、日本より少子化が進む中、輸出は国家の生命線とも言えます。サムスンは一時、その勢いがなくなりかけていましたがここにきて復活ののろしが上がってきています。強いポテンシャルがあると申し上げてよいでしょう。

日本企業はオールラウンダーでありますが、世界に売り込めるものがあるにもかかわらず、それが上手に機能していないと思います。日本が得意分野で世界のリーダーシップを取らねば30年前に一笑に付された日本のアルゼンチン化が冗談ではなくなる日が来てしまいます。(アルゼンチンは20世紀半ばまでは世界有数の富裕国でありました。)そうならないためにもせっかくのポテンシャルをもっと引き上げたいものでありますね。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

海外に住む日本人には朗報がありそうです。政府が滞在期間72時間以内の滞在に限り、入国制限を緩和する報道が各紙から流れていますが、その中で日経が「日本人の帰国時の条件も緩める。海外出張から帰国・再入国した日本人や在留資格を持つ外国人を対象に、日本に戻った後の2週間の待機措置を免除する」と報じています。世界各国からも14日間の隔離について緩和、ないし緩和実験が報じられつつあります。カナダもカルガリー空港で11月2日から隔離を48時間に短縮する実験を始める予定です。2021年に向けて少し明るさが見えてくるということでしょうか?

では今週のつぶやきをお届けします。

トランプ大統領の青息吐息
22日に行われたトランプ氏とバイデン氏の直接討論会最終戦。思わず見入ってしまいました。個人的感想を述べると大統領としての資質はどっちもどっちという気がします。トランプ氏が4年間、ある意味、常識破りをやりながらもアメリカの進むべき道を模索してきた一方、バイデン氏はそっくりそれを元に戻すようなスタンスであります。私から見れば「時計の針を4年前に戻すのかい?」と聞いてみたくなります。

この討論会のメディアでの評価は悪くなかったようですがすでに郵便で投票を済ませた人も多い中でサプライズが起きない限り、トランプ氏の巻き返しは難しいのかもしれません。個人的にはトランプ氏の粗削りながらも変えようとする姿勢は嫌ではありません。コロナ対策において22万人が亡くなったことがトランプ氏の失策だったのかについては死亡数だけを捉えるのはバランス的に正しくない議論ではないかと思っています。

レストランはプラスティックの仕切りを付ければいいじゃないか、というバイデン氏に対しトランプ氏が「あれは値段が高いんだ。どの経営者も付けられるわけじゃない」と言った点は私は同意します。バイデン氏は概ね理想論的であり、政策の面白さ、将来性、アメリカの魅力の引き出し方において妙味がないと思います。オバマさんのようなトークのうまさもなく、強いリーダーシップがバイデン氏に本当に備わっているのか私には疑わしいのですが、このブログで再三予想してきたように大統領交代の可能性はかなり高いと思います。

全日空と三菱ジェットの青息吐息
全日空の決算が5000億円以上の赤字になりそうだと報じられました。リーマンショックの際に記録した赤字幅の10倍近い巨額なものとなりその衝撃は一企業のレベルではなくなっています。常識的に見れば政府、銀行を含めた支援取り組み対象なのでしょう。ただ、先日もお伝えしたようにコロナでの影響は全ての産業に広がっているわけで特定企業の救済は難しくなります。冒頭の外国人の受け入れ措置も航空会社救済の間接的支援が当然内包しているとみています。

全日空はリストラプランに古い機材などを中心に手持ち航空機を減らすことが入っています。それもあり、今後新規の航空機発注のペースも見直しが必至であります。全日空の機材計画から既に落ちているかもしれませんが、意識しているであろう三菱ジェットについても当然先行き不透明感が強まっていました。三菱としては「飛べないジェット」がついには「売れないジェット」にさらに格下げになるわけでいくら何でももうこのプロジェクトに固執できないというところになったのでしょう。残念ながら開発凍結となりそうです。

三菱ジェットについても過去、何度か取り上げてきた話です。これは三菱の能力の問題が最大のポイントだったと思います。同じころに同じような開発を始めたブラジルのエンブラエル社は2018年に既に完成させて飛ばしています。悲しすぎる話です。全日空については来週の決算発表を待ちたいと思いますが、コロナによる影響と先行きが見えない中、綱渡り経営に近い状態になってきているように見受けられます。正念場に差し掛かっています。

石破茂氏の青息吐息
総裁選のけじめとして自民党内の石破派(水月会)の会長を辞任しました。結論を出すまでにずいぶん時間がかかったと思いますし、寝ないで考えたという辞任表明の文書というのもあまり評価されない気がします。一言でいえばすべてが遅すぎる、時間かかりすぎるということかと思います。しゃべるスピードも確かに遅いので敢えて言うなら安倍政権の陰にいる間にすっかり出遅れてしまったのかもしれません。

そもそも石破派は2015年にできた新興派閥。自民党内の他の派閥が自民党発足時からの歴史を繋いでいることを考えるとある意味、異質な派閥であったと思います。会派所属の19名。これがよく見ると男性議員しかいないのです。石破さんは女性に人気があったのかと思いきや、会派に入って慕われるという点では女性がいなかったということになります。会派が分裂するのか、解散するのかわかりませんが、石破さんにとっては悔しい思いをしていることでしょう。

ただ、同様なのが岸田文雄氏。無任所になり出版で注目を集めようと躍起ですが、求心力は石破氏同様、危機的状況にあります。日本の社会ではアメリカのように「復活劇」が起きにくい土壌があり、勝ち馬に乗るか、振り落とされるかのどちらかという厳しい社会に見えます。次の選挙は当然ながら活躍ぶりが目に見える閣僚を中心とした選択肢になる気がします。女性首相候補の筆頭である野田聖子氏は幹事長代行ですが二階さんの陰に隠れてしまっている気がしますし、稲田朋美氏に於いては無任所です。政治の世界は当選してからも厳しいと改めて実感します。

後記
アメリカで人気番組になっているのがSing On!。ネットフリックスでも放映されており、各国バージョンも増えてきています。素人6人が毎回のテーマに沿って歌い、カラオケで出てくる例の音程バー通りに歌うのを競います。その中にはいくつもの仕掛けがあって最近はまっています。日本にも素人カラオケ番組は過去から含めたくさんありますが、なぜこのような面白い番組に仕立て上げられないのか不思議です。この番組は本当に面白いです。日本語字幕出ます。騙されたと思って是非どうぞ。

では今日はこのぐらいで。

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思い切った温暖化ガス2050年排出ゼロ目標4

日経電子版トップの「温暖化ガス排出、2050年実質ゼロ 菅首相が所信表明へ」の文字が目に入った時は正直驚愕でした。ポジティブな意味での驚きであります。

実は10月20日朝刊トップには「再生エネ規制を総点検 河野規制改革相インタビュー 風力・太陽光の設置基準緩和 自動運転車、全国展開を推進」と踊っています。河野大臣の再生エネルギー規制総点検が前座で首相が26日に行う所信表明演説で温暖化排出ガスを2050年ゼロ目標を打ち立てるとすれば私から見れば安倍前首相がアベノミクスを発表、成功しなかった三本目の矢、構造改革が本格的に進む大きなきっかけにすらなるとみています。

私は河野大臣のユーチューブは折を見て拝見しているのですが、今までにないタイプの方で物事を正論でとらえ、政治的な頓着をしないところに美しさすら感じていました。先のインタビュー記事にも例の押印改革や医療改革をへて再生エネルギー推進に必要な「邪魔者」が何なのかを検討課題に挙げています。

その目玉の一つは21年夏に向けて策定されるエネルギー基本計画の改定になるかと思います。現在、日本のエネルギー源は原子力20-22%、再生可能エネルギー22-24%、56%が石炭・LNGなどの火力発電でありますが、この意気込みからすると石炭が中期的に消え、石油も減少させLNGが当面主力、その間に再生エネルギーの比率を大きく増やすということに見えます。

また原子力についてどのような指針を示すのかこれにも着目しています。個人的には技術力と安全性を向上させ、ある程度の比率は残し、将来的な選択肢の一つを担保することになるとは思いますが、現実解としては10-15%といったような数字になるのではないかと思います。

個人的には日本は環境負荷に対してかなりセンシティブだと考えています。分別ごみに対する周知徹底もしっかりしてますし、発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分という循環サイクルも確立しており、世界の中でも最先端を行っているかと思います。

30年後の温暖化ガスゼロ目標はずいぶん先と思われますが、ハードルはたやすくないと思います。電力各社は石炭や石油に頼る発電をベースとして投資をしており、仮に再生可能エネルギーが余っても化石燃料を優先するというルールがあります。これがそもそもおかしな話ですが、電力会社の経営が苦しくなることを考慮しているのでしょう。しかしここは大ナタを振るわねばならないところであります。

家庭用ソーラーパネルのあり方も再度見直しが必要でしょう。買取価格が下がり魅力がなくなったこともあり出荷は減っています。私も日本で6年前に建てた建物の屋上に取り付けていますが、正直、初期投資は全く回収できるとは思っていません。しかし、各家庭の電源という意味ではインフラそのものなのです。その在り方をもう少し見つめなおすとずいぶん違う絵図が出てくるのではないでしょうか?

世界で見ると温暖化ガス排出ゼロ目標は欧州が2050年、中国が2060年です。その点からすれば日本は世界最速グループを目指すことになります。アメリカはトランプ大統領が本件に関し後ろ向きだったこともあり、大きく遅れることになりそうです。仮にバイデン氏に代わってもこの遅れは10年から数十年ぐらいになるかもしれません。日本は新技術の開発と共に「できない理由、やらない理由」となり得る政治やルール、運用上の問題を無くすことが先決でしょう。また、その技術をアメリカや世界に売り込むぐらいの器量があってもよいかと思います。

車は今後10年ぐらいで一気に電気自動車が開花してくると思われます。好む好まざるにかかわらず、だと思いますし、世代が変わると「クルマは内燃機関で動いていたんだ!」「このクルマ、エンジンがついているぜ」となるのでしょう。これは我々の年代が何を言っても無駄で新しい世代が決めることであり、消費動向に見合った商品を出したメーカーが市場トレンドを作ることになるはずです。

この構造改革は社会の立ち位置の大きな変化と企業のスタンスに影響してきます。日本生命は全ての投資にESG(企業の環境問題や社会貢献への取り組み)を考慮したものにすると発表しました。これは企業の存在が社会的責任を負うというスタンスであり、多くの機関投資家が追随することになるでしょう。とすれば無頓着な会社はもはや生き残れないともいえるのです。

安倍政権でできなかった構造改革は案外、新政権がぐいと進めるような気がしており、期待したいと思っております。

では今日はこのぐらいで。

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コロナでも伸びる企業4

家具、インテリアの島忠にインテリア業界2位のDCMがTOBを仕掛けていますが、ニトリがそれに参戦をしてきました。島忠をめぐりすでにTOB期間に入っており特に両経営陣でもめているわけでもないところにニトリが割って入る構図となり、かつてない異例の展開となりそうです。

記事の解説からは巣ごもりの今期はインテリア業界は好調な決算で過去最高となっているものの巣ごもりが明けたら激しい競争が待っているというシナリオの下、今のうちにできるだけのことはしておこうという狙いのようです。

コロワイドによる大戸屋の買収劇もある意味、コロナのさなかの出来事でした。6月の株主総会で大戸屋の19%の株式を持つコロワイドの株主提案が否決されたため、力づくの勝負となりました。コロワイドからすれば大戸屋再生の目途と勝算は十分にあったのでしょう。そもそも19%の株式を取得していてIFRSの決算基準の同社にとって最低40%の株式取得で子会社化できる状況にあったので極論すれば目をつぶってでもTOBは成立させることができたのです。

大戸屋を巡る話は長くなるので省きますが、要は急激に利益率が下がり、このままでは大戸屋のバリューが大きく遺棄するところで救ってもらった形です。コロワイドは飲食系のブランドを数多くぶら下げている企業であり、こんな時期だからこそ攻めるという姿勢だったと思います。

日経によると今年1-9月の日本国内のM&Aは件数では9年ぶりに12%減(金額では12%増)と報じられています。海外勢による買収がコロナで減っているということですが、私はこれから半年-1年ぐらいの間に日本国内企業同士のM&Aは相当増えるとみています。

それは以前このブログで述べたようにアメリカではM&Aなどで上場企業数が減っているのに日本では増える一方です。時価総額やGDPを基準に考えれば会社が小粒化しており、経営効率が下がり、株価も低迷、海外企業から注目もされず、日本企業が海外に買収に向かう余力もないという悪循環を招いているとみています。サル山の大将であります。

よって私はM&Aが増えることは望ましいことだと思うし、ニトリが島忠争奪戦に加わったのは正解だと思っています。アメリカでは石油メジャーのコノコがシェール開発大手企業を1兆円で買収すると報じられていますが、この理由もシェール業界が石油価格低迷で再編を余儀なくされているからであります。

私も当地で長く業務をしていると取引先(しかも大半が非上場)がM&Aになるケースはごろごろあります。もはや当たり前で食うか食われるかのギリギリ勝負感は半端ではありません。事業展開でM&Aがなぜ有利かと言えばすでにそこにビジネスがあり、顧客がいて、従業員がいるからなのです。自分でゼロからスタートするのはとてつもなく手間暇がかかるうえ、それが成功するかどうかはふたを開けてみないとわからないのです。とすればM&Aの方が効率だけを考えれば圧倒的に良いわけです。

私は今後の業界再編に於いて異業種による買収が起きてくるとみています。以前にも論じましたが、今や一つの業界が垣根を作る時代ではありません。関連事業が様々に絡み合ってビジネスを作りあげています。日本の業界地図を見渡せばまだ手を付けていないところはいくらでもあります。そして業界内のなぁなぁ感や共存共栄感に対し、業界外からくる国内の黒船が遠慮なく攻め入ってくるでしょう。その意味では異業種の方が買収しやすい環境にあると思います。

そしてタイトルにもあるようにコロナで必要以上に体力を消耗した会社は狙われます。買収する側はその会社の潜在的能力とコロナで落ちた体力が回復可能なものか確実に分析しています。狙われるならそれだけ素質がある会社だと思わなくてはいけないのでしょう。

業界再編、これから数年間のキーワードになる気がします。

では今日はこのぐらいで。

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移動しなくてもよい新しい社会4

私はカナダでの29年の生活で6-7回引っ越しをしていますが、そのすべてがダウンタウンのある一角のエリアのみに留まっています。理由はカナダに来た時に感じた職住接近に非常に高い価値観を得たからです。今は家から会社まで歩いて3分です。職住接近になって思ったことは24時間の価値が非常に高まったことでしょうか?

日本に住んでいたときは通勤に片道1時間強、つまり往復でほぼ3時間近くを失っていたわけで1日を21時間しか利用できない状態にありました。もちろん、音楽を聴き、本を読むなどの工夫をしていましたが必ずしも思った通りにならないこともあります。電車が混んでいる、荷物が多くて手が塞がっている、疲れていてとてもその気にならない...といった具合です。

通勤を会社の業務と家庭との気持ちの切り替え距離という人も多いと思いますが、長時間の電車通勤は多くの勤労者諸氏に仕事が終わってもまっすぐ帰らない癖と理由を作った点は否めません。会社と家の間に「休憩処」「お食事処」(=まっすぐ帰らない)が入ってしまうのです。これをすると余計時間が無駄になるのであります。

日経ビジネスの特集に「首都圏分断 『移動なき社会』の未来」という特集があります。コロナがもたらした移動の短縮化、外国人居住者がもたらした異文化による囲い込み、「昭和の団地」に取り残された高齢者一人住まい、徒歩圏経済圏の再確立といった内容です。なかなか興味深い内容でした。

我々は長距離移動や高速移動できる新幹線や航空機といった利便性に頼り、日帰りや一泊でかなりの遠隔地まで仕事に行くことを良しとしてきました。私もかつてバンクーバーから東京1泊出張したことがありますが、移動時間に対して実労働時間はほんのわずかという事実は見て見ぬふりだったかもしれません。私は新幹線の高速化や伸延を否定するつもりはありません。(リニアはどっちでもいいですが。)ただ、人々はさして移動をしなくても十分に暮らせる時代が来たという実感が強いのです。

東京を例にとりましょう。なぜ、東京都心に行きたがるかといえばそこには「すべてが集まる」と期待していたからです。しかし、最近はチェーン店が増えたこともあり、ほとんどのターミナル駅の繁華街では何処も同じ商品がゲットできます。むしろ東京に出なくても川崎、横浜、大宮、千葉、船橋、北千住、八王子や立川とったサブシティがより大きくなりつつあります。そしてモノをゲットするならほとんどがネットで注文、配達してくれる時代です。移動は最小限で済むと考えてよいのでしょう。

私があえて日本で大して移動しなくてもよい社会が生まれつつある中で不満があるとすれば自然環境との接点が少なく、そればかりは足を延ばさないと駄目だということでしょうか?私は毎週、ここバンクーバーでロードバイクに1時間半ぐらい乗っているのですが、コースを選べば自転車道路が充実しているため乗っている間で信号は10-20以内で収まります。東京では絶対にありえません。また、バンクーバーは山が迫っており、湖や池も多いのですがトレイルが大変よく整備されており、いたるところでちょっとしたハイキングや散歩がてらの山歩き、はたまたスポーツ登山(走るようなスピードで山を駆け上がっていく)を無料で楽しめます。

私は以前からターミナル駅前繁華街の時代は終わり、もっと私鉄沿線の駅前が再復興する時代がやってくると申し上げていたと思います。コロナは確かに人々の価値観を変えましたがそれ以上にテクノロジーが生み出した移動の短縮化が人々のライフを変えると思います。とすればこれから日本に起きる変革とはクオリティオブライフの追及とみてよいと思います。

日経がカナダの投資ファンドが日本の不動産に1兆円投じると報じらえています。その記事に気になる記述があります。「日本は住宅が比較的狭く、IT(情報技術)インフラの整備も不十分なため、オフィス需要は大幅には減らないとみる」というわけです。これは2つの可能性を意味しています。まずは木造の古い小さな家から大きめの集合住宅やより広い戸建てにすること、もう一つはやっぱり事務所通いは必要だということであります。小さな古い住宅地をまとめ、高層にして緑地を増やすといった工夫は可能でしょう。在宅VS通勤については日を改めて近日中に考えを述べたいと思います。

日本はまだまだこれからが面白くなる国だと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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日本のチャンスでもある中国の実力向上4

バンクーバーは中国人の移民が多いところで知られていますが、同じ街で暮らす者として彼らの財布の中身がどうなっているのか気にならないわけにはいきません。中華系スーパーには目の玉が飛び出るような価格の和牛がショーケースに鎮座していますが、知り合い曰く、中華系の人がごく普通に購入していくと。駐車場には高級車が並び、子連れの中国人の奥様達は巨大なSUVがお好みのようでトラックのような車をいとも簡単に駐車しているのは駐車アシスト機能付きなのか、熟練の技なのかとにかくこの10年、明らかに変わったと思います。

金儲けに関しては巧みな操縦術をもつ中国人ゆえ、本土の中国人も同様なのだろうと推測せざるを得ません。もちろん、都市層と農村では大きな格差が存在しますが、時間をかけて改善されていくのでしょう。また、世界から叩かれるような無計画な伐採や環境への無頓着、激しい交通渋滞に人々の道徳感の低さなどは確実に変わりつつあり、我々の先入観から少しずつ取り除かねばならないかもしれません。確実にアメリカを射程距離に収めるだけの実力はついてきています。

中国の7-9月のGDPは4.9%成長。1-3月がマイナス6.8%、4-6月が3.1%であったことを考えるとV字回復といってよいでしょう。事前予想の5.2%には届きませんでしたが上出来だとみています。もちろん、統計の信ぴょう性は相変わらず間引いて考えなくてはいけませんが、個人的には数年前の状況より信頼度は高まってきているとみています。

それはそもそもの数字がいい加減だったのは下から上がってくる際の積み上げに問題があったわけでこれでは諸外国が「本当かい?」と疑問視する以前に中央政府が事実を知ることができず、判断を誤るリスクがありました。とすれば政府としては改善せざるを得ない部分だったと考えています。

さて、リーマンショックの際、中国が行った4兆元(56兆円)に上る景気対策は世界景気回復の大きな原動力になったことは疑いの余地はないでしょう。私はコロナ不況でまた中国が世界経済をけん引する可能性が否定できなくなりつつあるとみています。

今回、コロナが一番早く問題が起き、一番早く感染対策を行い、これこそ嘘か本当かわかりませんが、ぴたっと感染症は止まり、国慶節などであれだけの人出があってもコロナはほとんど存在しないぐらいの状態になっています。一方、隣国インドをはじめ、欧米ではこの冬は乗り越えられるのか、というほどの感染者急増で追加的な経済ダメージは相当なものになりそうです。仮に中国のV字回復で内需が中国の輸入を押し上げるならばこれは各国経済にとっては助け船のはずです。

問題はこの助け船に乗らない、あるいは乗れない国との格差がどうなるか、であります。またしても中国に一本取られるのか、正念場にあるように見えます。

日経にオーストラリアのシンクタンク発表のアジア太平洋地区の2020年度実力ランキング、アジアパワーインデックスの記事があります。これによるとアメリカがが81.6、中国76.1とあり、ポイントを落としたアメリカをポイントを増やした中国が追う展開となっており、多分数年後には逆転が起きる可能性があり得ます。興味深いのは日本が3位で41.0ポイント、インドが39.7でこれまた肉薄しています。

日本はどんな国なのか、といえば高い教育、社会基盤の高さ、成熟感、地政学的外交の重要性、経済レベルだろうと思います。とすれば今後、20年は成長が期待できるアジア地域全体において世界から見て投資や拠点のベースとして中国以外の選択肢で日本が必然的チョイスになるような仕組みが作りやすくなってきているとも言えます。

言い換えれば中国の実力が強くなればなるほど日本も強くならざるを得ないというわけです。これはファイブアイズとの取り組みもあるでしょう。東南アジア諸国やインドとのアライアンスもあると思います。日本は地理的に太平洋を挟みアメリカ、カナダと面していること、背後に中国がいることを考えればこれほど戦略的位置づけの国家はないのです。そして世界は常にバランス外交、あるいはリスクヘッジを考えるため、一つの国に賭けることはありません。とすれば日本が潜在的には圧倒的有利なのであります。

中国は共産党という仕組みで国民統制をします。日本は欧米との信頼関係が築かれ、近年は東南アジアでの連携も非常に強化されています。この枠組みを考えるならば日本は必然的な国家となるファンダメンタルズは高いはずです。バフェット氏が商社に投資したり、カナダ最大のファンドが日本の不動産投資に動くのはそのあたりも予見したのかもしれません。

まずはオリンピックをどう開催し、世界に日本をアピールできるのか、この辺りから巻き返しを図ってもらいたいところです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

反政府デモの行方4

タイで反政府、王政改革を求めるデモが盛り上がっています。特にタイに於いて王政について批判することはタブーとされている中で国民がそれに正面切って声を上げるようになり、5人以上の集会の禁止の定めもほとんど無視されている状態です。

タイはしばしばクーデターが起きていますが、今回のデモに関係するのは2014年のクーデターで軍事政権となったことでしょうか。国民の強い声を受け今年3月に総選挙、7月には名目上の新政権が成立し、軍事政権ではなくなったとされます。しかし、実際にはプラユット首相他軍政時代の人が横滑りした感がある政権は軍の影響力が強いため、国民が強く民主化を求めている流れであります。

また同国の国王、ワチラロンコン国王(ラーマ10世国王)はドイツのホテルに「居住」し、タイには公務があるときたまに戻るだけ。おまけに正式な側室がおりドイツでは20人もの女性に囲まれて住んでいるとされるプレイボーイでまるで徳川時代の側室話のようであります。この浮世離れした生活と体制に対してタイの学生らが中心となって怒り狂っているというのが事実のようです。

大規模反政府デモはあちらこちらで見受けられます。欧州、ベラルーシと言っても地理的位置関係すらわからない方も多いと思います。ポーランドとロシアの間に位置し旧ソ連からの独立国ですが、独立から3年後の1994年より大統領に収まっているルカシェンコ氏は欧州最後の独裁国家の悪名を持ち、国民は怒り、大統領選も不正だったと叫ぶもののその改革には遠く及びません。

記憶に新しいところでは香港の反政府デモも激しかったのですが、中国の強権になすすべもなく収まってしまいました。香港の若者は中国の管理社会に組み込まれることに恐怖を抱き、必死の抵抗を試みました。あるいは英国が永住への道を提示し、カナダ、オーストラリアでも永住権や市民権保有者が戻ってくるのではないか、とされましたが現状、そこまで大きな動きは起きていません。

アメリカの大統領選は二分化された国家という表現をします。テレビに映るのは共和、民主共に熱い支持者層であり、双方激しい主張をしているものの、大統領のふるまい以上に品格を疑われる議会政治に対し、無党派を決め込むアメリカ人が4-5割にも達することはあまり触れられません。とすれば今回の大統領選もメディア合戦に踊らされているものの割と多くのアメリカ国民は冷静にみているのだろうと察しています。

日本では私の知る限り最も過激だったのは60年安保の時だったと思います。日比谷公園は人で埋め尽くされ、国会議事堂を何重もの人垣が取り囲んだあの熱い日々について学校では教えることはないでしょう。あの安保の原動力は何だったのか、いろいろ理由はあると思います。私より読者の皆様がはるかに詳しいと思います。その中で私が思うのは政府による強権力の行使、そして国民のボイスが国政に十分に反映されないことへのいらだちに勤労者が同調せざるを得ない雰囲気が生じたと考えています。つまりデモに行くことは会社への忠誠心という面も強かったのだろうと察しています。

学生運動は当初、共産党と協力して始めたものの共産党の弱腰ぶりから学生主体の新左翼が形成されます。が、60年安保以降は迷走を繰り返しました。ここで国民(というより企業の労働組合)とは完全に離反したのです。ある意味、日本におけるデモは一時的なものだったように感じます。難産だった日米安保は今の日本にとっては重要は外交軸となっています。

民主化を訴えたアラブの春では多くがその後、迷走しました。独裁政権を転覆させた目的は達しても将来プランが確立されなかったことが災いしたと思います。香港のデモもその点は甘かったように感じます。気持ちはわかるのですが、敗因の一つは頑強な中国政府もありましたが中国本土の国民が持つ差別感情が冗長された点もあったかと思います。「香港だけ特別扱いはずるいだろう」という中国本土から見た不平等感であります。その意味では我々のイメージする香港は1997年に終わっていたのかもしれません。

反政府デモは国民の声という圧力はありますが、その目的が達成されても必ずしもうまくいかないこともあります。韓国のろうそくデモで朴政権を追いやりましたが文政権になってどれだけよくなったかといえば外から見れば疑問点だらけです。デモによる成果は急変であり、国民がその大きな変化についていけない点は見過ごせないでしょう。

タイのデモも何かを勝ち取った場合、その衝撃に国民のベクトルがまとまるのか、ここが最大のポイントだろうと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

コロナの恐怖、再び4

欧州でコロナ感染が再び急拡大しています。冬に向かう今、このコロナ感染拡大は春の時に比べて経済的影響が大きくなる可能性があり、非常に懸念しています。正直、この冬に春のような状態になれば経済に壊滅的打撃がでることも視野に入れなくてはいけないかもしれません。

ご承知の通り、今回の拡大はアジア(特に東アジア)での感染は低位水準に収まっているもののインド、アメリカ、ブラジルのほか、ここにきて欧州では優等生だったドイツが一日感染者数が過去最大の7300人、ベルギー、イタリアが1万人越えなど感染者グラフを見ると極めて深刻で、再び歯止めがかからなくなってきてます。

その為、経済活動の制限を次々と打ち出しており、飲食店の休業など営業活動や移動の制限、集会の制限が厳しくなってきています。また、政府による支援も原資が底をつき始めていることが一つあり、春のようにどんどん出てくるという状況にありません。また、アメリカのように政治ゲーム化してしまい、大統領選後まで追加経済支援策がまとまらないというところもあります。

カナダでも概ね9月末ぐらいまでには春から続いた支援策が切れつつあり、労働者も自宅のカウチ(ソファ)に座っていれば働く以上に支援金が貰えた人たちが労働市場で必死に職探しをしております。エントリーレベルの労働者の受け入れが多かった飲食業などが各種制限もあり、十分回復しておらず、肌感覚として路上生活者が増えてきているように感じます。統計的にはカナダは労働市場についてはコロナ前の約75%の戻りに留まっています。また、人々のメンタルが全体的に落ちているため、前向きなやり取りがしにくくなるシーンもあり、難しい局面にあるかと思います。

私の周りでも春のコロナの際は工夫をし、耐え忍んできたビジネスオーナーは多かったと思いますが、ここにきてその努力の甲斐もむなしく、数字として表れてこないため、ギブアップしそうなところが散見できます。

もちろん、オンラインビジネスなどに転換できるような業種は良いと思いますが、高齢の経営者やご夫婦など家族経営では日進月歩となった技術との戦いもあり、そう簡単にはいかないでしょう。(提供する経営側も注文する客側も変化対応についていけないという意味です。)また、飲食については夏は道路を封鎖し、テーブルを出し、パティオとするなど、飲食店の屋外での営業活動を推し進めました。例えば私の事業のテナントの一つにカフェがありますが、暖かい日は今でも屋外は満席になりますが、雨の日や寒い日は人影はまばらです。そうするとこれから約6カ月続く雨期で寒い日々は経営者の体力をより奪うことになりかねません。

日本については緩和策をどんどん繰り広げています。横浜スタジアムではほぼ満席状態にしたうえで感染対策の検証をする実験を行いますし、海外からの受け入れは10月から始まりましたし、一定条件下に於いて2週間の隔離免除案も近く具体化しそうです。

これらは来年のオリンピックが視野にあるわけですが、前述のようにアジア人は比較的落ち着いているのですが感染の拡大が止まらない欧米からの訪問者にはやや抵抗があるかもしれません。これを乗り切れるのかどうかは日本の感染症対策だけでなく世界全体の枠組みの中で決まっていくでしょう。私は無観客のオリンピック開催の可能性はまだ相当の確率でありうると思います。

最後になぜ、感染拡大が止まらないか不思議でしょうがないのですが、私は遺伝子的人種背景もあるような気がしてなりません。モンゴロイドはかかりにくく、コーカソイドは弱いような感じがしてなりません。ちなみにインド、イランはインドヨーロッパ語族(アーリア人)と言われるように肌の色は違いますがルーツは同じ白人です。専門家ではないので想像の域ですが、どうも外的要因と共に内的要因にもなにか隠されたものがあるような気がしてなりません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

郵便法改正法案がいよいよ臨時国会に提出されることになり、来年後半にも土曜日配達がなくなりそうです。働き方改革を受けてということでずいぶん前から方針が決まっていたもののかんぽ生命不正問題やコロナなどでずっと先送りにされていたものです。さて、この方針、正解でしょうか?私はアマゾンなどを介して注文する小物が郵便で配達される点を考えると日本郵便の敗退に見えるのです。多くの郵便物は電子文書に置き換わった今、郵便は大改革をすべき時なのにちょっと違うのではないか、と思うのは私だけでしょうか?

では今週のつぶやきをお送りします。

相場の賞味期限
日本のある株式専門家が大統領選のあとに暴落すると予想を立てています。アメリカでもあるファンドマネージャーが強い売りを推奨しています。何を根拠にそう考えているのか、明白ではないのですが、あえて彼らの代弁をするなら「噂で買って事実で売る」ことを指摘しているのではないかとみています。これはないとは言えません。

もともと大統領選のある年の株式市場は高いというアノマリーがあります。今年はコロナ禍に於いて夏以降、支援金元手にロビンフッドで一儲けというというシナリオが明白になりました。私は傍で見ていてまだ記憶に新しい「ビットコイン狂騒曲」と重なってしまうのです。あれもビーク後の落ち込みは尋常ではなく、多くが振り落とされ、真の投資家だけが生き残りました。

今回の大統領選はあらゆる点に於いて尋常ではなく、歴史に残る醜態だとみています。この異形こそが株価を余計刺激しているとすればこれは気を付けるべきでしょう。ただ、個人的には全ての銘柄が等しく売られるのではなく、提灯がついたところだろうとみています。折しも7-9月の決算発表が始まり、金融などは決して悪くない決算数字が出ており、金利も引き続き低いことから振り落としがあっても短期間で収まるとみています。

栄華の賞味期間
トランプ大統領が大統領選終盤にもかかわらず冴えません。ほとんど耳を傾けるに値しない主張ばかりで私は賞味期限切れだとみています。仮にそれを4年間だったとする場合、人々はその間、彼の次々打ち出すサプライズ感あふれる施策や姿勢に翻弄され、一部の人は魅了され、世の中の注目をさらったけど、目を覚ましたということであります。これを前提にすると様々な方の様々な賞味期限は考えられます。

安倍前首相は7年8カ月首相の座にいましたが私は早くから賞味期限切れを指摘していました。多分、実情6年程度だったと思います。バズーカの黒田日銀総裁は2年程度です。菅総理の賞味期限は割と短いとみています。NHKなどの世論調査で2カ月目にして支持率が大きくダウンしているのは学術会議問題という表面的なことより首相の国民向けアウトプットが十分ではない点に懸念を感じています。しゃべり方が朴訥(ぼくとつ)すぎるのかもしれません。

産経記事に藤井棋聖に関して「2、3世代後の棋士は藤井さんレベルの実力が普通になっている」と述べた大阪大大学院哲学専攻の棋士、糸谷哲郎八段の発言も興味深いところです。2、3世代が何年を意味しているのか分かりませんが、異才の持ち主ほどなかなかそれを維持するのが難しいということに他なりません。企業のトップも概ね6年前後、「山高ければ谷深し」という相場格言は人の栄華にも当てはまるのでしょうか?

韓国人の外交相手に対する賞味期限
時は1880年代の李氏朝鮮。朝鮮半島は壬午事変、甲申政変、日清戦争と流れていくのですが、歴史的に学校では日清戦争だけを重点的に教えていたように記憶しますが、この3つはひと括りしないとこの時代の歴史は全く理解できません。李氏朝鮮の国王である大院君と不出来の息子の高宗、その嫁の閔妃をめぐる争いが戦争を招いたようなものでした。巻き添えを食らったのが日本と清(中国)、閔妃は一時、ロシアやアメリカにも色気を示すなどそもそもポリシーなどほぼありませんでした。

この歴史は朝鮮半島で脈々と続いた目先のメリットという発想です。日本が今まで日韓関係についてどれだけ誠意を見せてきたかなど関係ありません。「過去ではなく、今でしょ!」というわけです。1965年の日韓基本条約、知らん!、2015年の慰安婦問題合意、知らん!、なのです。残念ながら彼らは過去を全て忘却し、ファイルから抹消する天才的才能を持っています。

先日ある報道を読んでいたところ、韓国で米軍なんてもういらないという強い声が出始めていると報じられていました。朝鮮戦争以来ずっと韓国を守ってきたアメリカ、さようならでしょうか。でもBTSがアメリカのヒットチャート1位を取ったのはうれしいという論理性もないこの変わり身は私から見れば世界で最も短い賞味期限国家ではないかと察するのであります。

後記
コロナの間、5カ月以上閉めていたある行きつけの飲み屋が再開したので早速行きました。再開したことがさほど知られていないのか広い店に客はまばら。ビールを飲んだあと、ハウスワインを頼んだところ微妙な味。不味いけれど飲めないこともないと思いグラス一杯飲んだのですがそのあとがいけませんでした。多分、コロナ以前に開けたワインだった気がします。店員にもちょっと変な味がすると言いながら飲んでしまった自分が悪いのですよね。賞味期限切れはやはりどんな世界もダメなようで。

では今日はこのぐらいで。

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自動車の価値観4

モノの価値とは何でしょうか?希少性、満足感、人気、必需性などいろいろ考えられます。例えば秋葉原で販売されているオタクグッズ。なぜ、注目され、そこに人が群がるかと言えばそこにしかないというよりそこで同じタイプの人間が集まることに一種の快感を求めることもあるでしょう。それは一般には理解しにくく、普遍性がないことに意味があります。100人か1000人に一人でもそれに気がつき「いいねぇ」というと「お主、分かるではないか」という仲間意識ができるのであります。

それが必ずしも高級、希少である必要はありません。私が小学生の時は「仮面ライダーカード」が大流行し、お菓子の部分を捨て、カードだけを集める生徒が続出、食べ物を粗末にするという社会問題が発生したのをよく覚えています。

これがスマホになるとアップルやサムスンの価値というよりどちらのファンか、ということになります。これは販売力、製造能力の汎用性が高く、希少性はないため、争って購入し、プレミアムが付くわけではないからです。例えばアップルウォッチとiPhoneとフィットネスアプリの動画をリンクさせてエクササイズすればジムに行く必要がなくなるのは囲い込みという価値ですが、他社が簡単に対抗的サービスを提供できる余地があります。

一方、ルイヴィトンもティファニーも有名なデザイナーブランドでありますが、好き嫌いが出る故の価値と原価よりも高額なデザイン代を消費者が支持するところに価値があるとも言えます。

では本題の自動車に価値はどうでしょうか?そのブランドにしかないという圧倒性と絶対性を打ち出せれば価値につながりますが、頭一つリードしているテスラになかなか誰も及ばないのはなぜなのでしょうか?

一つには自動車各社が巨大組織化し、トップの鶴の一声でどうにでもなるのがテスラのイーロンマスク氏ぐらいだから、という見方はできるでしょう。言い換えればあの会社はあの規模だからこそ、大暴れできるとも言えます。テスラが世界を席巻するようになればテスラのプレミアムは少しずつ剥げてくるというのが一般的な傾向だと考えています。つまり、プレミアムという点では今がピークかもしれません。

日本の自動車業界はなぜ伸び悩んでいるのでしょうか?どの会社の車も80点以上の車だけどどうしてもそれでなくてはいけないという革新性や斬新さがないから、ということかと思います。燃費や航続距離、静寂性や乗り心地、視認性や安全性などは世界中どの自動車会社も必死に研究開発しています。結果として自動車ショーに行ってもデザインや内装など表層的な良しあしはともかく、結局どれも似たり寄ったりで差別化しにくくなりました。

最近当地でやけに目に付くのがベンツの「ゲレンデ」。なぜ、このごつい車が求められるのか、人々は常に価値を探し求めているのかもしれません。

日本の自動車会社は3社に再編されるのでは、と最近改めてささやき始められました。トヨタ、日産、本田を核としたグループです。40年前にすでに指摘されたことが今、改めて言われているわけです。その時に再編していれば画期的だったと思いますが今、再編しても鉄砲の時代に槍をもって戦う兵が増えるだけという気がします。

自動車に求める価値とは自分で支配する乗り物を操作し目的を達成することがキーでした。過去何十年かはその操作性、スピード、快適性や豪華さがエレメントとして求められました。では我々はタクシーや電車や飛行機にどれだけのものを求めるかと言えば選択肢が限られていることもあり限定的です。タクシーがハイヤーになるのか、グリーン車に乗るのか、ビジネスやファーストクラスに乗るのかといった程度の選択肢です。

自動車が自動運転の電気自動車になった場合、差別化は極めて難しくなると思います。その一つは自動運転により自分の支配権がなくなることです。とすればここにどんな付加価値を付けるのかが自動車業界のキーであり、その価値とはまるで想像もしなかったようなことだろうと思います。

「うまい寿司が食べたい」と指示すればAIがその人の懐具合、好みを判断してベストなところに勝手に連れて行ってくれるとか、「大阪までひとっ走りしておくれ、僕は後ろで寝ているから」となれば車にシートではなく、ソファーかベッドが必要でしょう。「ここは駐車場がないから俺を下ろしたらそのあと、待機場で待ってくれ。5分前になったら呼ぶからここに迎えに来てくれ」というのもアリでこれは所有者の支配権下に戻ります。

こうなるとパーソナルアシスタントそのものであります。お抱え運転手兼秘書付き自動車が私の想像できる限界です。きっとそんな車ができるようになれば次は違うことを考えているでしょう。

中国ではすでに自動運転のタクシーが実用実験の段階に入っており、利用料無料で使えるそうです。自動運転という観点は既に通過点で自動車各社はその次の価値を見据える必要があります。中国は共産圏だけに国権でルールをいくらでも変えらえる強みがあります。つまり一晩明けたらルールがすっかり違っていてもアリなのです。日米欧ではとてもじゃないですが太刀打ちできない社会構造です。

私は自動車会社が束になって販売台数を追及したり車体の共有化によるコスト削減という何十年も続いたその発想からそろそろ脱却し、抜本的な価値創造の算段をすべき時期に来たと思います。トヨタはダイハツやスズキ、スバルなど抱え過ぎている気がします。このスタイルはVWがブランドをたくさんぶら下げた20年前の手法でトヨタが進むべき進路は違うんじゃないかと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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ドイツ慰安婦像、なぜ撤回できなかったか?4

ドイツ、ベルリンの公有地に設置された慰安婦像をめぐり、管轄のベルリンのミッテ区の判断が揺れ、一時、撤回指示が出たものの韓国の市民団体が裁判所に撤去決定の効力停止を求めたため、撤回を見合わせ、裁判所の判断に任せる状況となりました。

私は10月10日付の当ブログで日本政府が本件に全面的に関与してきたことに対して「基本的には政府が表舞台に立つのはタブーなのですが、茂木外相の戦略変更は長期的に功をなすのでしょうか?」と申し上げました。残念ながら懸念したとおりになってしまいました。

このような「戦い」は実際に参戦したことがある人ではないとなかなか肌感覚ではわからないものです。私はバンクーバーで「慰安婦像」問題と「南京事件記念日」問題の二つに直接的に関与してきましたが、その時に思ったのは市民レベルの戦いは市民レベルで対応するしかないことです。日韓の政府間の間で上がるさまざまな問題とこの世界各地で起きる慰安婦像問題はやや性質が異なり、本件は世界中の韓国系市民団体が主導している点であります。そこに日本が政府として介入するのは話を複雑にします。

事実、「裁判の判断を待つ」ということになりました。これは最悪のシナリオです。なぜなら、判決が日本にとって都合の良いものになればよいのですが、逆の場合、慰安婦像が一気に広がってしまう前例を作ってしまうのです。私から見れば完全にボタンを掛け違えたとしか思えないのです。

特に裁判となるとドイツの場合、戦中までのヒットラードイツを完全否定し、国家自体がreborn(生まれ変わり)しています。言い換えれば、ヒットラードイツを三人称扱いにできる国だという点で日本の主張が通りにくい素地がある気がしています。

今回の問題はベルリンの日本人社会があまりに小さい点が日系の市民団体としての活動につながらなかった可能性は大いにあると思います。外務省の資料によると2019年にベルリンの日本大使館管轄地区に住む日本人は長期滞在者が4370人、永住者に至っては751人しかいません。長期滞在者とは概ね、ベルリンあたりなら企業の駐在員、研究者、政府関係者とその家族が主体だと思いますので市民活動はまずやらないでしょう。ちなみにバンクーバー地区は長期滞在者が11400人、永住者が24000人いるうえ、いわゆる日系人がそれと同等人数ぐらい(人数の把握は不可能)いるため、市民活動展開がしやすかったことはあります。

市民活動と何でしょうか?共通のインタレストを持つ人が声を上げて地方自治体や政府に働きかけをして生活や環境を守ったり改善をすることです。今回の場合、ベルリンのほぼ中央にあるミッテ区がその舞台です。そうなるとミッテ区に居住する人の声が最も重要であり、それ以外の居住者の声は参考程度にしかならないのです。

つまり、本件、現地大使館のみならず、外務省から大臣まで参戦したわけですが、そもそものプロセスが違うと感じたのです。本来であらば750人しかいないベルリン地区の日系の永住者からミッテ区に住む日本人に立ち上がってもらうしかない、そして日本人で数が足りないなら現地の人の協力を貰うなどの横のつながりを大使館がアシストする体制が必要だったと思うのです。現地日本大使館の役目は黒子に徹するべきだったのではないでしょうか?どうもその戦略と展開がうまくワークしなかったと私は見ています。

今、私がバンクーバーで重要だと思う政策は日本人と日系人とのリンクです。そして最終的に必要なのはそれぞれの市やエリアに住む日本人、日系人との密接なつながりです。今、これをやれる人がいません。私も支えをしていますが、まだ現役の身でとてもそれはできません。

そんな中、最近は県人会見直しの機運があります。「海外ならでは」の出身県による県人会を強化させたいという動きです。なぜならこれぞ日系人と日本人を結びやすいネタのひとつだからです。(日本人と日系人は考え方の相違について懸念されるべき状態にあります。)そのため、私もある日系人の旗振り役の方に熱いエールを送ったこともあり、明日、県人会会議が開催されるに至り、私もビジネス団体の議長としてオブザーバーながら参加させて頂く予定です。

海外に住む日本人は何処に本拠地を持ってくるのか、と言えば本来であれば住む街であるはずです。(駐在員の本拠地は日本です。)とすればマイノリティである自分たちの声をいかに反映させるか、不断の努力が必要なのです。在外公館は助けてくれますが、人も変わるし、コミュニティに根付くわけではない、とすれば自らがより海外日系社会をより頑強なものにしていく必要があると改めて思った次第です。

こういう問題が起きたとき、さっと体制が取れるよう普段からのコミュニティの形成が重要だというのが改めて認識されたと思います。

ことの展開には引き続き留意したいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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賃金制度にメスを。非正規の賞与退職金なし判決に思うこと4

秘書としてフルタイムのアルバイトを長年続けていた方の賞与支給を争った最高裁で支給の要なしと判決、また東京メトロの売店の契約社員で10年働いた方の退職金支給も要なしと判断されました。

悩ましいところだと思います。

これが10-20年前ならあまり悩まなかったかもしれません。しかし、今の働き方改革と雇用形態の多様化を考えると一義的ではないような気もします。

この裁判の話題を聞いたときはごく一般的にアルバイト、非正規社員と正社員の業務内容に対する差という観点から賞与、退職金支給は難しいだろうと考えておりました。特に正社員は転勤や部署替えを厭わず、それが頻繁にある中で会社との忠義関係にある「メンバーシップ型採用」である点が大きいわけです。

私がゼネコンに入社した時、ある誓約書を書かされました。「海外勤務を厭わず」であります。これは入社した全員が署名させられました。そんな昔話ながら当時やや無理強い感があるなと思ったのは入社に至る面接で「海外勤務はどうですか?」と聞かれ「はい」と答えざるを得ない状況、つまり不平等な立場に置かれ言わされ感が強かったからです。内定が出るときにはそれが前提になっているとは知らされていないわけです。4月に入社してからしょっぱなに「これに署名を」というのは今の契約社会では受け入れられません。当然、内定の条件書にそれを謳うべきでした。

メンバーシップ制度の雇用関係はそんな無理強いをする会社へのコミットメントであるため、アルバイトさんと賃金的差額があるのはやむを得なかったのです。今でも覚えているのですが、2000年頃、親会社の経営が悪く賞与も減る一方で労働時間が異様に増えたことがあります。通常業務の上に銀行向けの資料作成と質疑応答であります。残業時間で換算すれば月150-200時間ぐらいは普通にあったと思います。そんな頃、皆で冗談交じりで話したのが「俺たちの労働時間当たりの給与は時給千数百円ぐらいかね?これじゃアルバイトと変わらないな」であります。

もう一つ、日本独特の賞与の発想について最高裁では触れていないと思いますが、ここにもからくりがあると思います。そもそも日本の給与制度は年間を12カ月で割るのではなく、14カ月で割る仕組みでした。賞与という発想ができたのは日本に盆暮のつけ届けという入用の時期があるため、夏と冬に給与と同額程度を支給できるように年収を14で割って計算し始めたのがオリジナルです。

つまり、賞与がいかにも正社員の既得権のように言われていますが、実はそうではありませんでした。ただ、この半世紀以上は実質的には経営側が業績見合いで増減させたり、個人査定を反映させたりしています。よって賞与という発想そのものが変質化していることは否めません。それなのに最も保守的であるべき住宅ローンで賞与月に増額返済などという仕組みだけは残っているのはやや時代錯誤感が無きにしも非ずであります。

ここまで書くと経営側の言い分に味方しているように思われるでしょう。そうではなく、私は働き方が変わってきた中で今回の問題は賞与と退職金そのもののあり方が問われているのだろうと思います。つまり、正社員であってもそれを無くし、代わりに月々の給与を増やす方が優れているのではないかと思うのです。メンバーシップ制度を継続するなら従業員にストックオプションをつける方がましであります。

海外では日本型の賞与も退職金もありません。クリスマスの時に一人1万-数万円程度を配るところもありますが、これはあくまでも一種の「餅代」であります。賞与はジョブ型契約において年間目標値を設定し、そこに達成したらいくらのボーナスがもらえるという方式です。私の会社でも10数年前から導入しており、一年に一度その配分があります。

賞与とは読んで字のごとし「功に対して褒美を与える」わけですが、「功」を測定する手段を持たない場合、会社全体の業績に依存するしかありません。秘書にしろ駅の売店の売り子さんにしろその功を決める約束事が事前になければ支払いようがないわけです。それはメンバーシップ型の一般正社員でも同じでそれゆえに株式でも分け与えるしかないというのが私の考えなのです。

同一労働同一賃金という発想は結構なのですが、これは経営的には成長のきっかけがつかめなくなる恐れがあります。どうやったら同一の枠組みから外れるか、その仕組みを雇用者側が提供しない限り延々と同じレベルの仕事しかしないというジレンマに陥るとみており、雇用側がどうインセンティブを出すか知恵の出しどころだと考えております。

私は賞与、退職金を含めた報酬、更には通勤費などの各種手当や賃金体系など雇用形態の多様化と共に抜本的見直しが必要になってきているのではないかと考えております。

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空箱会社に資金が集まるアメリカ4

先日台湾人の知人と食事をしていた際、彼の母親が台湾の合会に所属していたことで彼の人生が大きく開けたという話を聞きました。台湾には一種の互助会のような形で一般個人が資金を出し合い、ミニ銀行のようなものを組織し、資金が必要な人に貸すという仕組みがあります。

日本では無尽講、頼母子講などと呼ばれていたものと似ています。沖縄では模合(もあい)と呼ばれ、今でも半分近くの方が参加しているとされます。これらは庶民金融ともいわれますが、鎌倉時代にできたこのシステムは一般庶民が資金の融通ができないところから発達したものです。特に台湾では銀行は信用ある大手への貸し付けに偏重しやすく、自分の身は自分で守るということが染みついているとも言えます。

また、台湾の合会にしろ、沖縄や奄美の模合にしろ日本から見て南部の方で強くその歴史が残っているところに非常に興味がそそられます。

さて、空箱に資金が集まるアメリカと無尽講、私がなぜ、この2つを結びつけたかご説明します。

この空箱会社である特別買収目的会社(略称SPAC、Special Purpose Acquisition Company)の目的はとにかく会社を作る、資金を集める、上場する、だけど何も事業がない、こういう箱です。だから空箱と称しています。なぜ、こんな空箱に資金が集まるのか、といえば集まった資金でうまそうな未上場の会社を買収し、上場時の期待価値に対する利益(この場合、株価上昇)を得ながらインキュベーション(企業の孵化)を行い、更なる価値をつけて将来売却することを前提にしています。 よってこの会社の価値は会社を運営する経営陣の目利きがすべてであります。

このSPACは珍しいものではなく、20年前にもあったのですが、そこに利用価値を見出すようなことはあまりありませんでした。あくまでもIPOの手段の一つだったけれど異質だったといえます。ここ数年、急速に着目され、特に今年は19年の数倍規模の調達額に膨れ上がりそうです。

アメリカで空箱に資金が集まるのは何を意味しているのでしょうか?IPO前に個人投資家が初期から参入する手段なのであります。今までのIPOのプロセスとは一部の企業家たちや投資銀行が閉鎖的な世界を通じて世界中の将来性ある企業を見つけては投資し、ごく限られた企業のみがその恩恵に預かり、それらスタートアップが上場する際にIPOで利益を得るという仕組みでした。これを一般投資家にも可能性を広げたといってよいでしょう。

たとえはソフトバンクにしろビジョンファンドにしろ投資先に数多くみられる未上場の企業はどうやって見つけたのでしょう。そして孫正義氏はまさに将来性ある未上場株を大量に買い付け、それが上場し大きく成長した時、圧倒的な利益を計上することができたのです。ソフトバンクのアリババに対する投資などはその典型でありました。

つまり、台湾の合会と同様、一部の世界ではとてつもない資金が動き、莫大な利益を上げているのに一般人はその恩恵に預かれないとすればこれは庶民金融ならぬ庶民投資機構を作らねばならないという論理は確かに一理あるのです。

私がアメリカで空箱投資に集まる資金の話を聞いたとき、無尽講と何ら変わらないと思ったのは社会に2段階の明白な格差が生じている中で誰でも平等な機会を得るための手段であると考えたわけです。

話は飛びますが、日本の地銀再編の機運が高まっていますが、信用金庫や信用組合の話はあまり出てきません。信用金庫や信用組合は共同組織の非営利法人であり、私から見れば一種の無尽講の成長形であり、むしろ発展する余地を残しているかもしれない気がするのです。それらの組織は地域密着型で顧客は組合に加盟したり出資したりします。日本でも地銀再編でメガバンク主導の金融体制ができたら一般庶民や個人事業主には融通が利かず、困ることも増えるでしょう。そのための金融組織だと考えればどうでしょうか?

アメリカでSPACに資金が集まるのは投資の世界においてたとえ100砲任眦蟷颪靴討澆燭い隼廚人のためにあります。高層のきらびやかなオフィスビルの一室でごくわずかの利害関係者の間で資金が動くような時代に立ち向かう仕組みだとすれば応援をしたくなります。

但し、先述のように何に投資するかわからず、目利きの経営陣に全てを託すという点はなかなかハードルが高いでしょう。EVトラック開発の二コラ社もSPAC経由で上場していますが、株価が94砲砲泙把靴余紊った後、「二コラ疑惑」で今は25膨度まで下がっています。リスクと背中合わせという点だけは肝に銘じなくてはいけません。

では今日はこのぐらいで。

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性善説と性悪説からみたITの暗号技術の展開4

日経に興味深い記事が掲載されています。「フェイスブックの暗号化、日米英などが見直し要求へ」であります。いわゆるメッセンジャーやワッツアップといった対話アプリでやり取りした内容がその送信者と受信者以外誰も見られなくなる技術を同社が搭載する意向に対してファイブアイズや日本を含む複数国が犯罪防止上、それに反対しているというものです。

性善説にたって考えればプライバシーを最大限維持する発想からは郵便でいう「信書」とも同様で、当事者同士のやり取りに対する機密性は高い方がよいことは確かです。例えば日本の場合には憲法21条で「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」とあります。これを受けた法律については電気通信事業法、有線電気通信法、電波法などでそれらが具体的に定められており、罰則規定があるものもあります。

日本でも犯罪捜査に於いてSNSなどのやり取りの証拠を得るためにそれらの会社に内容の開示を求めてもかつてはなかなかそれに応じてもらえなかったという警察の苦労話もありました。これが地球儀ベースとなると様々なことが日常茶飯事起きており、それが不正行為に対する捜査目的であればアクセスが必要なのは理解できるところです。

ところが今回フェイスブックが作った技術はフェイスブック社すら見られなくなるというものでこれでは捜査協力しようがないというものです。各国の当局が焦るのも無理ありません。

世の中、全員がシロですべてのルールに従っているかと言えば相当多くの方は何らかの違反をしているはずです。単に気が付かないだけのこともあるでしょう。程度の問題はありますが、私のように外国に住んでいていればなお更ながら性悪説に立たざるを得なくなります。

ところで日銀を含め、各国政府でデジタル通貨の研究が進み、日本ではその実証実験が来年あたりから始まりそうです。なぜデジタル通貨にするのか、報道ではリアル通貨に比べて扱いが楽で安全だということを第一義に挙げていますが、私はそうではなく、マネーの動きが一目瞭然でありその結果、犯罪捜査などに極めて有効に活用できる点があまり表に出ない重要なメリットだとみています。

普段考えたこともないと思いますが、銀行のATMから出てくる紙幣や釣りでもらうお金はその前に誰が持っていたか知ることは不可能です。そしていったん自分の財布から出ていけば紙幣の番号を控え、それを追跡してもどこに行ったか解明するのはほぼ不可能かと思います。現金の秘匿性とはここにあり、悪さがいくらでもできる悪の温床とも考えられています。よって以前にも書きましたが今や「銀行は現金がお嫌い」の時代で、なるべく扱いたくないし、当地のATMでは1000法8万円)までしか出ないし例えば一定額以上の通貨を他通貨に両替する場合、本人確認と連絡先、使用目的を聞かれます。

デジタル通貨になればこれが透明になり、長い目で見ればあらゆる脱税は捕捉できることになります。つまりデジタル通貨はある意味、性悪説に立った技術とも言えます。

こう見ればフェイスブックが今回検討している誰にも見えないやり取りを可能にさせるプログラムは時代に逆らっているように見えます。一方で一部の繊細な方には憲法21条の「通信の秘密はこれを犯してならない」に違反するのではないか、という意見もあると思いますが、現実社会でプライバシーを含め、どこまでそれが維持されているかと言えば厳密にいえばなくなりつつあると思っています。

たとえば最近の社会事件ではへぇ、こんな事件の犯人も捕まるんだというケースが増えていると思います。決め手は街中のカメラであります。これが中国やドイツに行けばカメラだらけで街を歩けば自分をさらすようなものとなります。顔認証も増えていますがそのデータはあらゆるところで集められています。海外から帰国した際に通関で顔認証で入国していると思いますが、あれで法務省にデータが全部取られています。

中国ではそれに対して「悪いことをしなければ関係ない」と平然としたものです。バンクーバーでも道路を走ればオービス(自動交通違反取り締まり機)が至る所にありますが、これだって交通ルールを守っていれば関係ないわけで技術の使い方と人々がそれにどう理解を示していくのか、時間とともに大きく変わっていく過程にあるということではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

外食に求めるもの、求めないもの4

コロナ禍で外食産業にも大きな変革が訪れているようです。その最大のポイントの一つは居酒屋の不振であります。日本フードサービス協会がまとめるタイプ別売上高変化の推移をみるとファーストフードがコロナでの落ち込みを最小限に抑えている半面、居酒屋は4月に9割減を記録した後、回復の兆しがあったものの7月以降、再び下落に向かっており、出口が見えない状態になってきています。

そんな中、ワタミは居酒屋業態の120店を焼肉店に変えると発表しました。そしてその焼肉も回転すしのように注文した生肉がレーンを滑ってきてくる仕組みで非接触の新業態に転換すると発表しています。

以前、ユニクロの柳井正氏が「コロナは変革を10年促進した」という趣旨のことを述べていましたが、外食産業も同様で時間が経ち回復できる業態と回復しない業態があるとみています。そして個人的には居酒屋は市場規模を相当落として下限を探る展開になるとみています。なぜか、と言えば時代に合わなくなったからであります。

実は私は居酒屋系が大好きで日本でも一人でふらっと焼き鳥屋とかに入って悦に入るのであります。ですが、それはちょっと飲みたい、ちょっと食べたいという小腹を満たし、軽い酔いを求めるだけで飲んでいる間はせいぜいスマホをいじるぐらいしかやることがありません。では誰かと行くとなると最近、居酒屋に行こうという選択肢が減り、テーマ性のある専門店の声が圧倒的に多いのです。つまり壁一面に読み切れないほどメニューがある居酒屋は売りがどこにあるか見せずらいのだろうと思います。

次に料理宅配が非常にポピュラーになり、食の形態で新しい市場を作りつつあるとみています。日経には配達員が延べ4万人に達したと報じられています。身内で食べるなら手軽さとレストランの味を自宅で堪能できること、更には飲み物が安く収まることからコスパが良い点はあるでしょう。

これはレストランが店内飲食重視型からキッチン型に変わることも意味しています。極端な話、ブランドネームがある飲食店が住宅街のど真ん中にある潰れそうな飲食店を買い取って宅配基地にしてしまえば無限の広がりができるでしょう。例えば武蔵小杉や湾岸の高層マンション群のそばなら宅配需要の潜在市場は巨大だとみています。考え方としては店には10組、20組しか入らないけれど宅配なら何組でも受けられる、つまり売り上げは2倍3倍になるチャンスがあるのです。また、その基地は一等地である必要性は全くないのです。

ところでアメリカ。労働市場の規模からすると産業別では二番目に大きくなるこの外食産業は9月末で閉鎖したのが10万軒、比率にして15%強、雇用にして300万人が奪われた状況にあります。また倒産も相次いでいます。業界は必死に政府に支援を求めていますが、明白な態度は示されていません。何故でしょうか?

日米ともに飲食業の起業は入り口のハードルが比較的低い業態です。個人経営者も多い中、経営基盤が強かったわけではないのです。その中で先日も指摘したようにコロナ禍であらゆる産業にその影響が出ており、その業種だけに的を絞った支援は難しいのが現状だと思います。その点、GoToイートはプレミアム付き食事券を打ち出していますが、単なるお得感だけで中長期的な根本的支援になるかは別問題だと考えています。そもそも食事券などは金券ショップに行けば2割引き位の株主優待がかなり出回っていたわけで私からみれば目新しさはまるでありませんでした。

もっと発展的に考えると友人といろんな宅配を試したいという需要が生まれるかもしれません。いわゆるフードコートの高級版(たしか日本でも日比谷あたりにフードトラックが集まるエリアがあった記憶があります)で道路を封鎖し、テーブルをたくさん並べるようなスタイルが普及してもおかしくないし、飲食店はそのフットワークの軽さが勝負どころになるかもしれません。今後、従来型のレストランとして生きていけるのは懐石やフランス料理などコースといった接待やサービスの強化が求められる分野になるとみています。中途半端は何事もダメ、ということではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

ノーベル平和賞ほど難しい選考もないかもしれません。それは目立つ人ほど批判も多くなるからです。世の中の考え方が一つではない以上、その選考結果に真逆の論理でクレームすることも可能です。この10年受賞したのは発展途上の国で活躍する方や団体ばかり。特に2009年にオバマ元大統領が受賞し、翌年に中国の劉暁波氏が受賞したころから決定的におかしくなった気がします。今年の平和賞は国際連合世界食糧計画が受賞しています。そもそも物議の多い平和賞、今年も候補には議論を巻き起こす方々が上がっていた中でもっとも安全なところで収めたという感じがしないでもありません。

では今週のつぶやきです。

株式市場は新高値が射程圏に
アメリカは追加経済支援策がまもなくまとまりそうな期待もあり、ダウは高値まで800砲阿蕕ぁ▲淵好瀬奪も500膨度にまで迫っています。一方の日本は1月に日経平均がつけた年初来高値まであと500円程度です。金も高いし不動産も高騰が続いています。どれも共通ワードは長期化する低金利状態であります。そして仮に追加経済支援策が決まれば小銭をもったにわか投機家が投資アプリ、ロビンフッドに資金を突っ込むのが目に見えております。

リスク資産の購入に踏み切る人が増えているとも報じられています。あるいはすでにリスク資産を購入している人はその割合を増やした方も多いでしょう。いわゆる大相場の末期になると相場の素人が市場に参入し、最後の爆上げを演じることはしばしば小説ネタにすらなります。思い出すのが料亭の女将、尾上縫が日本興業銀行を巻き込んだ巨額詐欺事件で一料亭の女将に2300億円を貸し込んだ同行とそのグループのあり方が問われました。

一つだけ覚えておいてほしいのは株価が上がるときは階段を登るようにじわじわとその高揚感を楽しむことができますが、下げに入るとバンジージャンプ状態になる点です。バンジージャンプは一度奈落の底まで落とされた後激しい上下を繰り返す、しかし、絶対に元にいたところには戻らないのです。今日の問題はお金が世界で有り余っていてその運用に困っているということ。これが相場を大きく歪めたとみています。ヘリコプターマネー推奨者のバーナンキFRB元議長は後年、どのような評価となるのか、私には別の意味で強い興味があります。

外交2題
某省庁の友人がLINEでドイツ、慰安婦像の件について「日本人は舐められている」と怒りまみれのテキストを送ってきました。本件の解決手段はバンクーバー方式である「議論ある事象を第三国で繰り広げないためにその問題が両者の間で平和的に解決するまでは設置を認めない」というやり方を踏襲しました。これはこれで結構。ただ、バンクーバー方式と違ったのは日本政府が全面的に前に出たということ。もしかしたら現地日本人組織が十分に機能しなかったのかもしれません。基本的には政府が表舞台に立つのはタブーなのですが、茂木外相の戦略変更は長期的に功をなすのでしょうか?

一方、日本の外交が叩かれたのがWTO事務局長選の行方です。最終候補は2名の女性、一人が韓国、一人が中国をバックアップにするナイジェリアからの候補者です。例の半導体部品の輸出規制問題がまだ解決していない中、韓国候補者が勝利すれば日本にとっては大きな痛手となるのは目に見えています。ではなぜ、こんなになるまで制御不能だったのでしょうか?産経の見出しには「日本外交失態 究極の選択迫られる」とあります。コロナ禍で工作ができなかったというのは言い訳にすぎません。

日本は5年後、10年後に向けて海外で通用する強力な人材を育成すべきでしょう。特に女性が足りないと思います。多分、潜在的才能ある人材はいるはずなのですが、日本政府や関係省庁との距離感や感性が合わないのかもしれません。そのために才能の芽が出てないのだろうと思います。また、アメリカのニュース番組を見ているとコメンテーターの主張が非常に明白で説得力をもち、プレゼンテーションのうまさを感じます。政府はもう少し放牧させながら活躍の場とそのチャンスを作らないと世界の中で戦い続けるのは難しいと思います。

河野行革大臣の手に渡る学術会議問題
菅総理にとって最初の野党とのバトルとなる学術会議問題ですが、国がそもそも運営費を年10億円程度負担しているということは国のお抱え組織であります。政府は各種政策を推し進めるにあたり学術的論拠や支援が必要です。そのあと押しとなれば政府の諮問機関に見えます。ところがウィキには日本学術会議について「日本の国立アカデミー」「政府の特別機関」とあるのです。これはよくよく考えると真逆の定義を二つ並べているようなものであります。

アカデミーの一般的理解は独立した組織が学術的立場から存在するものであります。例えばノーベル賞を決めるスウェーデン王立科学アカデミーは独立行政法人でスウェーデン政府の資金は25%以下で外国人の会員もいます。その点、日本の学術会議は中途半端だと言わざるを得ないのです。諮問機関なのか、独立性の高いアカデミーなのか、であります。では日本にアカデミーを作る土壌があるのか、企業や個人がこれに資金を供するのか、それに見合う成果をどう築くのか難しい課題であります。

ここで本問題の担当になった河野行革大臣がどのような采配を行うのか、ある意味、氏の将来を占う重要な試験のようにも見えます。河野氏の割とドライな考え方からすれば「すっかり一から作り変える」という方向性を出してもおかしくないと思います。目的論とその運営母体の在り方全てが俎上にのせられると思います。では6人の件はどうなのか、ですが、政府の100%お抱えの現状からすれば好き嫌いは出てもやむを得ないと思います。むしろ今まで何をしていたのか、という話ではないでしょうか?与党と野党は理想と現実というか、同床異夢というかこの議論、そもそもが不明瞭なので結論が出ない気がします。

後記
二つの不思議な裁判がありました。一つは池袋自動車暴走事故の飯塚被告の公判で「車の何らかの異常で暴走したと思っている」といまだに言い続けた往生際の悪さ。もう一つは座間市の殺人事件で白石被告が自分の弁護士を無視し、さっさと終わらせたいという姿勢を示し、弁護側の主張(承諾殺人)と被告本人(殺人罪)の主張も食い違っていたことです。被告をどう守るかは弁護士の腕次第ですが、飯塚被告はもともと社会的立場があった人で論理性は理解できているはずです。一方、座間のケースは弁護士のあり方を考えさせられます。

では今日はこのぐらいで。

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勝負あった アメリカ大統領選4

アメリカ大統領選挙、昨日の副大統領候補の討論会を拝見していました。論戦そのものに決め手はなかったと思いますが、その後のメディア発表の評価ではハリス候補がペンス候補を引き離していると報じられています。但し、私の見ている限り、中国との貿易戦争に関してハリス候補は中国への姿勢を明白にせず、むしろアメリカが被った影響が大きいとトランプ政権に非があるという論じ方だった点において私は不満が残ります。

一方でトランプ大統領のコロナからの退院後の言動も乱れ気味です。議会で激しい議論が続く追加経済支援策について大統領選が終わるまでやらないと述べてみたり、第2回目の大統領候補同士の討論会がバーチャルなら時間の無駄だと主張したりする点は稚拙さを打ち出し、アメリカ全体の風向きを変えたように見えます。

アメリカメディアの論調もすでにバイデン氏と民主党の圧勝とみる予想が増えてきています。株価の上昇も続きますが、これはかなり、ひねくれた論法ですが、トランプ大統領の政策である副作用を伴う強硬策ではなく、より常識的範囲に沿ったばらまきを含む国家再建の方に経済回復の糸口があると解釈し始めています。

確かにバイデン氏の政策の一つに法人税の引き上げがあるため、一般的にはネガティブなのですが、それよりコロナ禍のアメリカ経済をいかに早く回復させるかという論理的で広く大衆受けし説得力ある手法を取るであろう民主党に理があると読み込んでいるようです。

ではGAFAの解体論ですが、これについても直接的解体がすぐに進むわけではなく、長い議論を経て仮に事業分割が起きてもGAFAの影響力は何らかの形で維持されるとみる向きが多く、アメリカ特有のポジティブシンキングによる前向きな検討に変わってきています。

世論調査では10月7日現在でバイデン氏が10ポイントほどリード、賭けサイトで30ポイントの差がついています。一般的には賭けサイトは選挙プロセスのあらゆるファクターを考慮したもので選挙結果の実態により近いものとされています。よってこの1週間ほどで差が大きく開いてしまったことで私は勝負あったとみています。ここからトランプ氏が挽回するのはほぼ不可能かと思います。

先進国の都市部ではリベラルが強いとされます。理由は労働者が多く、資本側の搾取に立ち向かうための労働者の味方という位置づけでした。過去形にしたのはそのようなイメージからより広範な声を反映して誰にでも住みやすい国家や街を提供するという視点に変わってきている点は無視できないでしょう。

多分、日本の一定年齢以上の方からは「お前何言っているか?」とお叱りを受けると思います。ただ、私がリベラル派になったわけではなく、それが世界の趨勢になりつつある点は好む好まざるにかかわらす受け止めておく必要がある点を申し上げたいと思います。その点、日本は特殊だと思っています。世界で最も進化した社会主義的国家と言われる基準を作った歴史の後ろでは自民党がほとんど政権を握っていたわけですから世界から見ればある意味、摩訶不思議と言ってもおかしくないのでしょう。

ここBC州も解散選挙となっており、10月24日に投開票が行われます。中道左派で現与党が圧倒的有利とされます。保守系は必死の巻き返しを図りますが、州税の一時廃止とか交通渋滞のネックになっている橋の建築といった提言がコロナ禍でほとんど市民に響いていないのは人々の関心がそこにないからなのでしょう。今日のケーキより1年間の飴玉を選ぶ感じでしょうか?私は選挙権はありませんが、寄付などを通じてそれなりにつながっています。先日もある議員の応援メッセージのビデオ撮りに参加しました。

多分ですが、右派、左派、リベラル、コンサバティブ、革新、保守といった枠組みの中身が社会の変貌とともに大きく変わってきているのだろうと思います。よって言葉尻にとらわれてお前は右、左という判断をしていると大局を見誤ることもあるかもしれません。

日本政府は今頃、アメリカ民主党政権とのつながりを必死に探していることでしょう。前回、トランプ政権になった際、誰も近寄らないトランプタワーに乗り込んだ安倍元首相のような立ち回りは今回は難しそうです。どのような外交政策をとるのか、日本政府も必死の工作に入っているのではないかと察します。

では今日はこのぐらいで。

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下降する航空会社、支える政府4

ビジネスのトップニュースで全日空が希望退職を実施すべく労働組合との協議に入ったと報じられています。また、冬の賞与はゼロとするともあります。

かつて日本航空が経営破綻した際には旧民主党政権が稲盛和夫氏を同社再建のリーダーとして指名したことから同社は旧民主党系とみられています。稲盛氏は当時、旧民主党を強く支持していたことも背景にあります。

一方、日本航空への破格の考慮、配慮に対して怨嗟の声が出たのも事実です。全日空はそれらの対応に対して当初から極めて厳しい非難をトップ以下が公然と発し続け、航空路線拡大交渉では海外路線を中心に全日空に圧倒的有利な采配がなされたのもご存じのとおりです。そして当然ながらそれは自民党が後ろから猛烈な支援をし続けた結果でもあり、傍で見ている一般人の我々でも全日空の快進撃というより攻めすぎ、やりすぎでやや無謀なところも無きにしも非ずでした。

経営成績で見ると与党主導で下駄をはかされた全日空と比べて、地道で堅実な再建をしてきた日本航空が財務的に体力があります。全日空は6月末で長短借入金だけでも1兆円規模、機材数も従業員数も日本航空に比べ全日空がはるかに多くなっています。

全日空が国際線に積極攻勢をかけたのは日本の人口が減少し、新幹線網もどんどん拡充していく中で成長の余地が限られるからであります。一般的なイメージなどの評価は全日空の方がよいようですが個人的には日本航空に軍配を上げます。理由は国際線に限って言えばCAの質です。日本航空の方が英語も概して上手だし、サービスに落ち着きを感じます。全日空は飲み物のサービスを飛ばしたりCAの動作が全体的に落ち着きがないように感じます。あくまでも私の主観なのですが、急成長させたために人材が育っていないのではないかというふうに感じています。

さて、話は変わりますが、海外在住の日本人の方にはやや朗報が入ってきました。日本に入国の際に要求されていた14日間の隔離が免除方向で検討が進んでいるようです。但し、現時点では行動計画を提出するのはともかく、自宅と勤務先のみの移動に制約され、公共交通手段は使えないとなっています。はっきり申し上げるとこれでは商用にならないです。ビジネス目的の相手に自分の会社に来いという横柄な仕事はできません。では商用ではなく、冠婚葬祭ならどうなるのでしょうか?(今は大々的な冠婚葬祭はないにしてもそれなりに人が集まるところにはいかざるを得ません。)

以前から申し上げているように日本はオリンピック対策もあり、世界に先駆けて国の扉を開けています。これは大きなチャレンジですが、コントロールがうまく機能するならば先々、極めて称賛されるべき英断であります。

ただ日本が積極的に人の移動を促進させる「GO TOキャンペーン」などをコロナのさなかに展開せざるを得なかったのも「ウィズコロナ」政策をとらざるを得なかったからでしょう。観光業や運輸業の下支えという観点には当然ながら航空会社支援も含まれています。しかし、先述の通り、国内航空需要の頭打ちから海外に展開している航空会社への経営的打撃は強烈であり、海外では数多くの航空会社がすでに倒産しています。またアメリカでは航空業界への政府からの支援も行われるなど極めて神経質な展開となっています。

この状況に於いて日本政府はコロナがあらゆる業種に悪影響を与えている中で特定業界、業種、企業だけに支援をするのは日本の従前の方針からして極めて難しいものがあります。仮に全日空を支援するとしても直接的であからさまなことはできません。となれば海外とのアクセスをより広げ、航空需要を高めるしかないというのが苦渋の選択だったのではないかと思うのです。

極端なことを言えば全日空が倒産するようなことがあっても日本航空に行ったような支援は今できないわけで、それゆえに表向き自力再建をしてもらわねばならないのであります。多分ですが、経営側の組合側への希望退職打診も実質的には出来レースのような形で展開すると思われます。

同社の今年の賞与は夏が1カ月、冬がゼロ。日経には「賃金カットで年収3割減に」とあります。経済学的にみると100の給与をもらっていた人は100の生活水準に基づく支出計画をしています。ところが収入が突然70になっても生活水準は簡単に70に落とせないため、多くの家計は貯蓄の切り崩しが行われます。また住宅ローンでボーナス月の返済を多く組んでいる人にとっては目も当てられない事態になるでしょう。

背伸び以上に伸びきった全日空には厳しい試練となりますがどうか乗り切ってもらいたいものです。話題にならない日本航空も同様の厳しさがありますがまだ10年前のあの悲劇が体感として残っているため、耐える力ははるかに強いでしょう。双方、頑張ってもらいたいものです。

では今日はこのぐらいで。

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日米豪印戦略対話と東アジア外交4

硬いタイトルで申し訳ないです。日米豪印戦略対話(略称QUAD、クアッド)が対面方式で日本で開催されました。特にアメリカからはポンペオ国務長官が予定を変更し日本だけに訪れた意味は菅総理への表敬訪問的意味合いとアメリカ政権交代を前提にしたQUADの下地固めがあったと思われます。そのため、総理とポンペオ国務長官は二度会合する形となり、トランプ大統領の名代として強力な日米関係の継続を確認したものと考えます。

まず、このQUADですが、別名アジア版NATOとも呼ばれ、中国が主導する「上海協力機構」に対抗するものともされます。また、将来的には参加国が増える可能性もあり、中期的には防衛戦略という点で目が離せない集まりです。

表向きは中国を意識したものではないとされますが、その言葉通りに受け止めている人は少ないでしょう。事実、中国の王毅外相が今月、日本に来ることになっています。まさか王毅外相が習近平氏の名代ということはないと思いますのであくまでも日中の外交に的を絞った会談になるはずですが、当然ながらQUADの内容を確認することも含まれているでしょう。

このひと月、日本の首相が代わり、アメリカの大統領選が間近に迫る中、私は東アジアの色が少し変わってきたように感じています。一言でいうと「落ち着いてきて緊張感が和らいだ」ように見えます。

その要因の一つが中国のコロナ対策が比較的うまく機能しており、経済の回復が想定より上向きである点です。そろそろ7-9月のGDPが各国、意識される頃ですが、発表が早い中国は専門家の予想で5.2%程度になると日経が報じています。4-6月が3.2%でしたので力強い回復で特に内需が伸びているようです。また中国の国慶節の連休は海外旅行に出られない中国人が国内各地にあふれていた報道は目にされた方も多いと思いますが、そもそもコロナが表面上完全に抑え込まれている点が人々の動きをより活性化しているものと思われます。

ちなみに中国のコロナの現状は一日の新規感染者数が20人台程度で安定しています。中国発のコロナでありますが、湖北省にほぼすべてが集中しているといってよく、奇妙なほどよくコントロールされているのであります。まるでコロナウイルスも共産党員で統制が取れているのではないかと勘繰りたくなります。

いずれにせよ、データを見る限り中国の現状は最悪期を抜けて回復基調をたどっています。アメリカとの問題は山積していますが、一部については先々、中国が巻き返す可能性はあると思います。大統領選挙の結果が出るまでは何も起きないはずですが、バイデン氏が大統領になった場合、トランプ氏のような対中戦略はあり得ないとみています。(選挙戦では対中強硬路線を維持するようなことをいっていますが、そもそも彼はそんな思想も過激さも持ち合わせていません。)

では日中関係ですが、双方、外交戦略の出方を見守っているように感じます。そもそもコロナ禍で外交バトルをしている余裕があまりなく菅総理が安倍元首相のような思想的色付けもなく中国には読みにくいというのが本音でしょう。安倍氏はデビュー後、靖国訪問で中韓を刺激して安倍氏の立ち位置を明白にしたこととの比較という意味です。お手並み拝見というところなのでしょう。だから王毅外相がやってくるとも言えます。

さて、地団駄を踏んでいるのが韓国。韓国紙にはポンペオ氏も王毅氏も来ないといったトーンの記事が出ていますが、いわゆる外交スルー現象(Korea Passing)が起きているとみています。理由は明白で文政権のポリシーが朴槿恵政権と全く同様、中国アメリカ両股天秤外交であるからです。同国の両股天秤外交は歴史的に当たり前のように存在し、その中心は日本と中国との両股天秤でした。数多くの朝鮮半島の歴史的事変のトリガーはその両股に背景がありました。今、その天秤が日本ではなく、アメリカに移ったというだけの話でアメリカはもちろん気が付いています。ならば、大統領選を控える中、今は韓国訪問は得策ではないと考えたとみています。

また北朝鮮も自国の立て直しに精いっぱいに見受けられます。台風9号が思ったより北朝鮮に甚大な被害をもたらしたこともあり、金正恩委員長もロケットを飛ばしている場合ではないことはありありとわかります。先日の北朝鮮軍の韓国人射殺事件は日本であまり報じられませんが、かなり不思議な事件で確実に裏があるはずですが、もっとも奇妙だったのは金正恩委員長が謝罪したことであります。これは異例中の異例の事態であり、外交が優先していないことを明示しています。

そのあたりから概括するとポンペオ国務長官が韓国訪問を延期したのも王毅外相が韓国訪問計画を白紙撤回しているのも朝鮮半島が今の主たるテーマではないということを裏付けています。言い換えれば周りを固める方が先で朝鮮半島は一番最後ということに見えます。

そもそもアメリカは大統領選、欧州はコロナが再び襲来、中東は原油価格の低迷とイスラエル、イランをめぐる外交の天秤があり、東アジアだけが比較的平穏で回復基調という状況です。個人的には今年いっぱい、大きな外交展開はないとみています。

では今日はこのぐらいで。

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