外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

アルファ碁が残したもの4

現在、世界で最も強い棋士とされる柯潔氏と人工知能のアルファ碁との対決はアルファ碁の完勝で幕を閉じました。そしてアルファ碁はこの囲碁対決からの引退も表明しました。残された意味を俯瞰してみたいと思います。

「対局から2時間が過ぎたところでメガネを取り、手で顔を覆う。柯は苦悩しながら一手を打ち、そのまま席を立った。10分近い空白の時間のあと、席に戻った柯は涙を拭ってから次の一手を放つ。その後対局は1時間弱続き、柯は投了を宣言した。」(Wired JPより)この記事を読んで、人類最強の棋士の自尊心が打ち砕かれたその衝撃を感じないわけにはいきません。

コンピューターは人類を凌駕すると言われてきたものの「まだ先さ」と言い続けてきたのも事実。アルファ碁に関して言えば2015年10月にプロとの互角勝負で初めて勝利してから今回の頂上対決までわずか1年7カ月しかたっていません。開発スピードが加速度感をもって進んでいるといってもよいでしょう。我々の周辺では気が付かないうちにコンピューター化が浸透し、人間のあるべきスタイルが見失われる危険がないとも限りません。

多くの専門家はコンピューター化で人間の仕事や生活が脅かされることはなく、共存共栄の繁栄が築かれると説いています。個人的にはこれはテクノロジーとの付き合い方次第なのだろうと思います。

ごく身近な例を考えてみましょう。私は世の中の仕事で知らぬ間にテクノロジーに凌駕されている分野とは営業の仕事ではないかと思うのです。かつての営業は顧客と知り合いになり、打ち解けた中で相手が欲しいと思う製品を売り込むという流れでした。製品の魅力と同時に売り手の顔が重要な決定要素であったと思います。

ところが決定を下す人たちはかつて以上にデータ重視となりました。ライバル商品と比べ価格、性能、納期、品質保証などあらゆる面を数値的に取り出し、客観的判断によりベストなソリューションを見出します。

これはよく考えてみれば人間がやらなくても双方がデータの出し合いをすることで自動的に優劣がついてしまいます。つまり、判断材料がより機械的になってきたと言えないでしょうか?

あるいは我々が普段お世話になるネットショッピング。いいな、と思ったら商品の様々な角度の写真を見比べ購入者のコメントを読み、価格の比較をして自分の価値観にフィットしたものを選び出します。この自分の価値観を仮にAIでコントロールしてもらえば自分の周りには欲しいもの、食べたいもの、行きたいところがいつも情報としてスマホにポップアップしてくるかもしれません。そうなれば探す手間すら省けるというものです。

アルファ碁が残したものとは虚しさかもしれません。なぜなら人類がコンピューターに完敗し、その対戦相手が引退したことで負けが確定したからであります。しかし、落ち込んでばかりもいられません。考え方をポジティブに変えるには「人間の能力はこんなにあるのだ」というコンピューターと人間の隔離化をすることなのでしょう。

人間にしかできないこと、これをもっと濃いものにしませんか?例えば料理はどうでしょうか?コンピューターが作ったレシピでロボットが調理した料理と愛妻や食堂のおばちゃんが手塩にかけて作った料理はどちらがうまいでしょうか?技術的にはロボット調理は完璧なものを作るかもしれませんが、愛がありません。私は料理とは人間と人間の愛情や喜んでもらいたいという気持ちを媒介するものだと思っています。

介護でもそうです。確かにロボット君が介護をするのもよいと思いますが、ロボット君に愛情を持つようになるのでしょうか?面倒見る人、見られる人双方の気持ちが繋がっているところに意味があると思うのです。

ギリシャやローマ時代に人間は議論を学びました。なぜなら人間が持つ言論の能力を見出したからです。今、我々は便利な社会になったが故に我々しかできないことを再び考えなくてはいけない時代になってきました。その時、誰とコミュニケーションをするのでしょうか?Siriでしょうか?アマゾンのEchoでしょうか?私は人間と会話をしたいですね。

北米でhow are you?と言われればfine thank you.ではなく、「実はさ…」という話が出てくるものです。ところがSiriにそう聞くと「絶好調です」と返ってきます。「Siri君、悩みはないのかね」と聞くと「わたしじゃなくてあなたのことを話しましょうよ」と自分のことに触れられたくないようです。

不完全で癖があって許せない時もあるけれどいい奴なんだよな、と思わせる人間臭さが我々は本当は好きなんでしょう。野菜や魚を買うとき、「それは今日採れたばっかりで、新鮮ほやほやですよ」など奇妙なセールストークに思わず手が伸びるのは「その気にさせるから」であります。そこには数値的判断ではなく直感で「いいねぇ」と思わせる何かがあるはずです。

我々が直面しているのはコンピューターを使うのか、使われるかであります。私は適度に使い、あとはマニュアルチックで非効率かもしれないけれど汗を流すことを選択しています。便利さにかまけていると自分に何も残らない気がするからです。一度の人生だからこそ、コンピューターという新しい仲間と程よく付き合うマナーが大事なのだろうと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

○○ファーストは危険な利己主義4

世の中、〇〇ファーストが流行言葉のようになっています。しかし、何気で聞き流している〇〇ファーストもよく考えると実に危険な香りがします。

トランプ氏初舞台のG7では自分の主義主張で議長国イタリアが用意していた難民に関する共同声明が出来なくなりました。更に貿易に関しても強硬な姿勢で最後にようやくやや軟化して「保護主義と闘う」で決着しました。そういえばその前に参加していたNATOの会議の記念撮影では他国の国家元首を押しのけて前に出たと話題になっていましたがミーイズムそのものという印象はぬぐえません。

同じファーストでもお馴染みのレディファーストになると意味がすっかり変わります。女性を尊重し、優先させることを意味する言葉として現代社会では理解されています。海外では生活習慣にしみついています。ドアを開けて女性を先に通す、エレベーターの乗り降りも女性が先だったりするし、車の乗り降りも女性を先に助手席に座らせてあげるケースもあるでしょう。

レディファーストの語源については様々な説があります。決して現代社会が理解している意味のようなものではありません。先に行かせてリスクを取らせる的な起源もあるようですが、現代の変質化した意味合いの中では女性=男性に比べて弱者に心地よい思いをさせ、譲る者の器の大きさを示しているとも言えます。

ならば米国ファーストとはアメリカの気持ちの器が小さくなったことに直結するといってもよいかもしれません。世界の警官を止めるというのは他国の面倒はもう見ていられないという意味合いですし、これ以上の貿易赤字は放置できないというのも「アメリカは今まで人が好過ぎたんだ。我々は青年から壮年を経て高齢になったし電車に乗れば優先席に座れる権利も持つぐらいなんだからもう双子の赤字から脱却させてくれよ」ぐらいに聞こえます。

ならばアメリカは自国がもつ様々な権益もギブアップすべきでしょう。基軸通貨ドルや世界銀行の主導権などはほんの一例です。しかし、そんなことをするとは誰も信じていないし、「高齢?冗談じゃない。アメリカはまだ若さで元気はつらつさ。」と答えるでしょう。高齢なのはトランプ大統領その人のことであり、氏自身のミーイズムをアメリカ国民の利益に結びつけたとして過言ではないでしょう。

ではもう一つのファーストである東京都はどうなのでしょうか?「都民の為」という小池氏の主張に大いに違和感があるのは東京は昼間人口と夜間人口が全然違う点を無視している点が挙げられます。近隣県から東京都に通う多くの人々は「都民」ではありません。ではその人たちのことはどっちでもよいのでしょうか?東京都に登記される多くの大企業は何処でビジネスをしているのでしょうか?日本全国のみならず世界中で稼ぎ、活躍しているではありませんか?

築地は都民の台所でしょうか?日本の台所どころか世界中のすし屋にネタが送られる大事な中継地点です。オリンピックの費用負担問題で強烈な反旗を翻したのはのは周辺の県知事らでした。

こう考えると東京都は行政上は一定の仕切りがあるものの東京都が単体独立してミーイズムになれる分野は限定されます。東京都の財政は7割が都税であり、その3分の1が世界で稼ぐ法人からの税収入であります。とすれば東京都はむしろ他府県にもっと気を配らなねばならない立場にないでしょうか?

そういう観点からは都民ファーストというコンセプト自体、危険だと考えるボイスが出てきてもおかしくないでしょう。そのような主張を次回の選挙の時、自民党あたりがしたら世の中に新風を吹き込むかもしれません。

ビジネスの世界において一番大事にするのは顧客と従業員です。正にクライアント ファースト、エンプロイー ファーストです。しかし、アメリカや東京都の主張するファーストイズムは「株主ファースト」と同義になります。これは経営の中ではあまり支持されない発想でしょう。

我々は〇〇ファーストという言葉を何気に聞き流していますが、よくよく考えるとおかしいな、と思わずにはいられないのです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

安倍首相の不在中に再び盛り上がった加計学園問題ですが、前川前事務次官の記者会見を受けた菅官房長官の会見で勝負あり、とみました。私は昨日のブログで本件は盛り上がるだろうけれど「処理の仕方を間違えなければ騒動は収まるのではないかと思います」と記させていただきました。

菅官房長官の会見は理路整然としております。加計学園の話は福田政権時代からあったもので民主党からの要望でもあったという歴史的経緯、及び、官邸の力学を岩盤規制を打ち壊すことにあるという趣旨のストーリーとなれば民進党の党首の方も噛みつけないでしょう。

前川氏が朝日新聞にリークした内容に対して野党が盛り上がりを欠いた為、本人が会見に登場との話も聞こえてきますが、これでは前川氏の文科省と官邸に対する嫌がらせにしか思えなくなってしまいます。というより「楽しいところ」に通っていた前川氏、文科省の事務次官としてはかつての大蔵省のしゃぶしゃぶレベルと同じで極めてお下劣、野党は拳すら上げられないかもしれません。前川氏の自作自演、自滅でこの話はもう終わりです。

政治ネタついででもう一つ。都議選の行方ですが、私はどうしても解せないことあります。小池百合子氏の人気と都民ファーストの人気がどうしてリンクするのか、であります。そもそも都民が小池氏にいまだ7割近くの支持率を出しているのはなぜなのか、でありますが、個人的には高齢者と女性の絶対支持層が定着しているものと思われます。絶対支持層とは小泉元首相の人気もそうだったのですが、政策や政権運営とは関係ないレベルで「頑張っている」「応援したくなる」という気にさせる心理的ファン層が確実に存在するのでしょう。公明党や共産党が絶対支持層を持っているのも同様です。

ではこの点は否定しないとしても都民ファーストとは「右向け小池、左向け小池、グリーンのTシャツ着てハイタッチ」の感が否めないのであります。実際に築地をどうするのか、という点に関しては他党全部がほぼ明白な方針を出しているのに都民ファーストだけが「未定」であります。これだけ都民のみならず日本中の話題になっている案件に関して「もごもごの衆」が本当に大量の議席数を確保するのでしょうか?そうだとしたら東京都の政治は内田某も狂っていましたが、私には何が何だかさっぱりわりません。頭がくらくらします。

アメリカの話題を一つ。鬼の居ぬ間になんとやら、とはこのことでFBI関連のニュースが2本ありました。一つはトランプ政権がFBI長官の指名候補に挙げていたかつて副大統領候補だったこともあるリーバーマン氏が辞退しました。コンフリクト オブ インタレスト(利害相反)とのことですが、どうもトランプ氏の周りに集まる人に高い人望がある人は少ないのでしょうか?

もう一つは予想されていた通り、トランプ氏の娘婿で上級顧問のクシュナー氏がロシアゲートに絡み、捜査対象になっていると報じられています。若きエリートでトランプ大統領の懐刀的な人物に教育している最中だったと思われます。もちろん、捜査=犯罪ではありませんので何もなく終わるかもしれませんが、大統領はFBIを敵に回してはいけないという教訓が改めて示されたということでしょう。

ただ、北米ではもう、この手の話は食傷気味になってきた感があります。経済は比較的順調で株式市場も最高値水準を維持しています。本日発表になった見直し版第1四半期GDPは上方修正で6月の利上げの確率が再び高まってきています。私は6月の利上げはないのではないか、と予想しており、経済指標も決して芳しいとは思わなかったのですが、トランプ氏の醜聞に振り回されない経済の強さを見て取りましたので今は中立ぐらいまで考え直しています。

最後に企業ネタを一つ。日経に「ティファニー、失った名画の輝き」という記事が掲載されています。アメリカ人にティファニーは「もう古い!」と言わせてしまっているようで売り上げが伸び悩んでいるという内容です。時代の流れとはそんなものなのでしょうか?

思い起こせば20歳の時、初めてのニューヨークをぶらついていた際、5番街のティファニーを見つけ、重々しいドアを開けて「どこで朝食が食べられるのだろう」と店内を一生懸命探したことがあります。店の人に聞く勇気もなく、すごすご出てきましたが後で「聞かなくてよかった」と心底思っております、はい。

ではよい週末をお過ごしください。

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また明日お会いしましょう。

加計学園問題は政権に激震となるか?4

前川喜平全文科省事務次官の突然の記者会見。そして、朝日新聞がすっぱ抜いた「最高レベルのご意向」は確実に存在するとした証言は大きな波紋を呼びそうです。ズバリ申し上げると最高レベルのお二人、総理と官房長官は矢面に立たされることになりそうです。

但し、今の官邸の力が異様に強いことも事実で、そのまま窮地に追いやられることがあるのかといえば処理の仕方を間違えなければ騒動は収まるのではないかと思います。

本件、5月20日付の本ブログでは「加計学園問題は森友と似た話の気がします。朝日の指摘する時間と参加者が特定された会議でのメモが何なのか、松野大臣は否定していますが、全くのウソならそこまで具体的な情報は出ないはずです。何かあるのでしょう。ただ、そのメモが仮にあったとしてもだからどうなのか、という次のハードルはまた闇の闇です。そんたくであるとすれば証拠はありません」と記しています。

このストーリーからすればそのメモ(報告書)が存在したという点で週刊誌的にも非常に面白みが出てきたのですが、トップが物事の方針決定に影響してはいけないのか、というボトムラインを考えると別に問題はないのではないか、ということになります。

いいかえれば政府を一般会社とすれば官邸は社長室のようなものです。事業の決定は各部門で行われることもありますが、トップダウンで行われることもあります。ならばその指示系統そのものを否定する理由はないと思われます。

但し、緩和措置などがとられた場合には特定の私人、私企業への便宜供与になりますから緩和の汎用性が問題になるかもしれません。愛媛県の国家戦略特区と獣医学部と加計学園が全てイコールの関係にあるならば疑惑が生じる可能性はあります。一方、国家戦略特区に加計学園と同様の緩和措置を盛り込んだ同様の学校ができれば疑いをかわすことは可能となります。この辺りが難しいところでしょう。

では、文科省の松野大臣は元部下に噛みつかれたわけですが、この落とし前はどうするのか、ですが、事務次官は実務レベルのトップであり、大臣は政権から降りてくる人ですのでもともとの性格が違います。よって政権に飼われている松野大臣は「ありません」「みつかりません」「存在しません」を繰り返すとみています。その強烈な指示は当然、最高幹部のお一人から出されることになります。

一点気を付けなくてはいけないのは文科省の現職が裏切り行為をする場合で、その時は再び混迷の度合いを増しますが、その行為は自爆的行為になり、内部統制の問題に直結します。

いずれにせよ、「最高指導部」はしかるべき防戦を強いられることになりますし、ようやく沈静化しつつあった森友学園問題とセットになって民進党あたり相当盛り上がりそうです。

前川前事務次官の記者会見の記事を読む限り、文科省に官邸からのバイアスがかかっていることに不満感が漂っていましたが、そんなことは昨日今日に始まったわけではなく、あまりにも当たり前の話故に「だからどうなのか」と逆に聞いてみたい気もします。見えない力がかからない省庁など世界のどこにも存在しないのではないでしょうか?

朝日新聞あたりは盛り上がるのだろうと思いますが、森友学園ほどのインパクトは最終的にはなく収まるところに収まるのでしょう、安倍ー菅ラインはそう簡単に音を上げることはありません。

では今日はこのぐらいで。

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有名人経営の急成長のベンチャーのリスク4

500円ピザで一躍有名になった遠藤商事がフランチャイズを含め74店舗まで6年で急拡大したのち、破産したというニュースが日経など各方面に出ています。同紙は急速な多角化、人材不足、管理の甘さという極めてまっとうな解説をしています。しかし、私はそう読みませんでした。彼が13歳でジュニアプロとしてイタリアのセリアAで契約、プレーしたことが全てだったような気がします。

彼が事業をはじめたのはセリアAとの契約が終わった時。そして事業化のきっかけはイタリアにいた際に親しみ、学んだ窯焼きピザ。

日本人が芸能ネタですぐ話題にするのが有名人経営の店であります。相撲取りや有名スポーツ選手、アイドルが引退後、店を出すと客は確かに集まります。「ちょっと行ってみよう」と。しかし、大成した事業はあったでしょうか?調子に乗って数店舗出した有名人の多くは破たんというシナリオになっています。

何故でしょうか?一つには有名人は自分で経営しない、というか経営できず、誰かに任せるケースが多いことが挙げられます。「あの人が今は包丁を握っている」などという話は少ないと思います。有名人は有名人としての広告塔であってその為の事業としても過言ではありません。つまり、売名行為こそが営業とも言えます。いい服を着て、テレビの取材を受けて儲かっていそうなそぶりをして派手な生活をするというのは絵にかいたような話であります。

なぜそこまで言い切るのかといえばそういう人たちを私も知っているからです。彼らとお付き合いすると安い居酒屋には絶対に行きません。隠れ家的な店=客が少ない店でインテリアだけは異様に凝った店あたりに行きます。店に行けばいかにも常連という感じで店のマネージャーは特上の扱いをし、客にも知った顔がいて「あれは○○で有名な△△さん」という具合に私に囁き、「へぇ、すごいんですね」と言わせるわけです。

経営とはそんなにたやすいものではありません。一店舗を大事に育てるならともかく、多店舗展開や多角化は時代の波に乗りながらスクラップアンドビルトをしなくてはいけません。わたしも今の事業形態になった11年の間に手じまいしたビジネスは3つ、新規の立ち上げが5-6本という具合に常に入れ替え戦が行われています。それこそコンビニの商品棚のようなもので年中入れ替わります。

多角化には人材不足もあるかもしれませんが、経営者のイマジネーションがどこまでついていくかだろうと思います。経営者が生み出す事業とは一つの芸術作品ですがその作品に顧客が一時期の感動ではなく、長くお付き合いしてくれるのか、そこが勝負なのです。

テレビや雑誌で取り上げられると顧客は一時的に本来のペースより増えます。しかしその増分は剥離しやすい為、本当の顧客ではなく「さくら」に近いと考えねばなりません。リピートさせるには本当の価値を提供しなくてはいけないのです。ところがこれが見えなくなり、テレビ雑誌効果がなくなればまた、取材をしてもらうという一種の麻薬効果を期待するようになります。これが破たんに向かう代表的傾向でしょう。

今、大変話題になっている会社があります。影響があるので実名は出しませんが、破竹の勢いで多角化を進めており、株式市場でも大きな話題になっています。私はこういう会社は長続きしないだろうと思っています。世の中、そんなに簡単に事業がボンボン大きくなることはないのです。年間成長率はせいぜい5割が限界。それが数倍ずつ伸びるような事業はどこかに必ずオチがあるか、無理があると考えてよいと思います。

別に有名人の方がビジネスをしちゃいけないなどとは言いません。しかし、有名人なら一般経営者より早く事業拡大できるというのは明らかにおかしいのにそんな経営者に様々な売名的な賞を授与し、銀行はそれを実績として担保にするという馬鹿なオチがあるのなら日本のビジネスは狂っているとしか思えないです。

ビジネスはもっと地味に下地を作り上げるものでしょう。窯焼きピザもそれなら500円では売れないのではなかったかと思いますが。

では今日はこのぐらいで。

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テロと共謀罪4

以前から気になっていたことがあります。コンサート会場やスポーツイベントはテロリストにとってはもっとも刺激的なターゲットになりうるだろうな、と。日本の都市では人口密度がもともと高いこともあり割と気がつきにくいと思うのですが、欧米では人口集積地域はそれほど多くはないものです。駅でも繁華街でも日本ほど人が密集しているわけではないのですが、人気あるイベントの会場となればこれは全く別世界であります。

また、以前から指摘されているソフトターゲットと称する一般市民を対象にしたテロはもはや場所も手段も選ばないとも言えるのでしょう。私が懸念するのは英国のこのような事件で一般市民のイベントへの参加を消極的にさせかねない悪循環に陥る可能性です。

テロが欧州を中心に頻発しているのは地政学的な点もあろうかと思います。選挙は終わっていますが、オランダやフランスで再び保守的な思想がもたげ始めてもおかしくないでしょう。国家元首は「テロに屈しない」と強い表現を繰り返しますが、その犠牲は常に一般市民であることにいらだちを隠せません。

そんな中、日本では共謀罪が衆議院を強行突破に近い形で通過し、民進党や共産党が吠えています。反対意見の主だったトーンは「一般市民にあらぬ嫌疑をかけられる心配がある」という点なのですが、個人的には民進や共産の追及が「レバタラ」のように聞こえます。

私がこの議論で直感的に思い出したのが「特高警察」と「レッドパージ(赤狩り)」であります。特高警察は戦前、反体制派を取り締まるためかなり強引な取り調べを行った悪名高き警察組織です。そしてレッドパージは戦後GHQ下における共産主義の膨張を防ぐ対策であります。これらの取り締まりは拷問に近く「蟹工船」の小林多喜二もその犠牲者の一人であります。

現代の日本において特高や赤狩りのような捜査が行われるとは信じがたく、反対派の声は杞憂だと考えておりますが、もちろん、捜査に完璧はないわけでどんな形でこの共謀罪が通過しようと反対のボイスは消えないかもしれません。

それでも私はこの法案は絶対に通過させねばならないと思います。それは2020年のオリンピックに向けた予防的措置が十分に施されなくてはいけないからです。そして、今のところは日本にテロの目は向いていませんが、仮にターゲットにされた場合、人口集積度が高く潜在的犠牲者が出やすい点に疑いの余地はありません。また、日本の脇の甘さは「不慣れ」ということを含め、否めない事実であります。

もう一つ、テロといえばイスラム系過激派の代名詞だと思われますが、私は北朝鮮問題が今後、更に混迷を深めるならば全く違う類のテロもあり得ると考えています。また騒乱を起こすのはオウムのような宗教的思想や45年ぶりに逮捕された大坂正明らが扇動した「渋谷暴動事件」のように学生運動というテロリズムもありうるわけです。また、昔はテロは大掛かりな組織的犯罪だったものが最近のテロリストは極めて少人数の犯人ないしグループが大事件を引き起こすケースが目立ちます。

英国の今回のテロも実行犯は数人しかいないように見受けられます。つまり、世の中には何処にでもいるようなエキストリームな思想を持った人間が割と簡単に行動を引き起こすリスクがあるという点において犯罪そのものが変質化してきていることにも留意すべきでしょう。

その点からすれば日本ではあまり強くないプリベンティブな(予防的)対策は今後、大いに強化すべきであります。仮にテロが起きたとき、共謀罪に反対する民進党や共産党はどう言い訳するのでしょうか?

我々の住む現代社会は戦争時代とは違い、はるかに過ごしやすい時代となったことは事実です。が、一方でテロという新しい敵に対して世の中はまだまだ無防備であり、日本では無策とも思われるこの現状は認識すべきではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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到来! 仮想通貨の時代4

仮想通貨が世の中を席巻する時代が到来したことは否定できないでしょう。「昔はね、紙幣や硬貨と言ってお金をやり取りしていたんだよ」と言うセリフは皆さんがおじいさん、おばあさんになった時に孫に本当に言いそうなセリフであります。ついでに申し上げるなら「昔のスーツには内ポケットがついていてそこに財布を入れていたんだ」というのもありかもしれません。

世の中、貨幣を使わなくなったのは紛れもない事実。現金大国で世界でも最も後進国である日本ですらクレジットカードのポイントを貯め、Suicaで電車に乗り、nanacoでコンビニ決済の時代です。日銀は1円硬貨の製造が16年度分は実質ゼロ(記念硬貨用途の55万枚のみ鋳造)で世の中の1円玉流通量は着実に減少しています。

カナダにおいては最小単位の1セント硬貨はだいぶ前に廃止され、現金扱いの場合には端数を5セント単位で四捨五入(23セントなら25セント、27セントでも25セントと計算)するようになりました。合理的です。(クレジットカードや通常の銀行間取引はきっちりセントまであります。)

実際にカナダで生活をするにおいてクレジットカードとデビットカードがあれば問題なく、逆にそれがないと非常に不便をきたすことになります。例えば私どものレンタカーもクレジットカードがないと貸し出しできない仕組みになっています。

これは仮想通貨の時代がやってきたというより現金の時代の終焉と言った方が正しいのでしょう。銀行の現金自動引き出し機では最大1000ドル程度しか引き出せないし窓口で5000ドルでも引き出すものなら「何にお使いでしょう?」と怪訝な顔をしたテラーに聞かれるのがおちです。現金=アンダーというイメージが染み込んでいることも事実であります。つまり、不正利用を防ぐという意味で現金扱いをなるべく減らすというのは時代の要請であります。

ではなぜ仮想通貨が必要なのでしょうか?クレジットにデビットカード、電子マネーで何が困るのでしょうか?

通貨は各国がその価値を保証したうえで中央銀行が発行しています。しかし、この保証はどこまで信用できるかといえば不安になることもあるでしょう。例えば97年のアジア通貨危機のようなことが再び起きないとも限りません。ソ連崩壊の際にはルーブルが大暴落してアメリカ製たばこが何より価値があったというウソのようなホントの話もあります。中国では今年、外貨準備が一時3兆ドルを割り込み、政府の必死の防衛策が続きます。つまり、政府と言えども絶対安心の世界はないという前提に立てばクレジットカードやデビットカードなどの支払いが担保される銀行預金が不安定になればカードで払おうとしても「DECLINE」と表示され、大混乱にならないとも限りません。

仮想通貨が世の中を席巻し始めたもう一つの理由はマネーが国境を渡るということです。日本で働くアジアの人たちはそのお金をどうしているのでしょうか?日本でためたお金でものを買わず、ギリギリの出費であとは本国に送金する人が主流でしょう。メキシコ人はアメリカで、フィリピン人は香港で、タイ人は日本で稼ぎ、本国に送金します。いや、アフリカのケニアではM-PESAというモバイル送金サービスがあり、銀行を介入しないで商店にお金を預けることで送金できる画期的な仕組みが存在します。

例えば今、正当な方法で海外送金をするとします。送金依頼銀行へは送金手数料、為替両替手数料、更に受け取り銀行ではリフティングチャージがかかったりします。つまり送金には多額の手数料がかかる上に面倒な申込書、そしてSWIFTという世界の銀行のコード番号を記入しなくてはいけません。

数年前日本からあるべき送金が着金せず、トラブルになりました。日本の送り出し銀行は某メガバンク。受け手はカナダの最大の銀行。私が送金未着のクレームをカナダ側銀行にすると「受け手は探しようがない」とにべもない返事。送金側に調査依頼をしてようやく調べたらSWIFT間違いで着金は数週間遅れました。

このような前近代的な海外送金制度をもっとスムーズに、安い手数料で行うのが仮想通貨であるとも言えます。仮想通貨といえばビットコインを思い出すと思いますが、考案されているのは数百あるとされます。たまたま、ビットコインは中国での需要が高く、また仮想通貨の代名詞的存在の為に「ちょっと試してみよう」的な普及効果もありその「価格」が暴騰しています。

このビットコインは中央銀行発行通貨のように無尽蔵に作り出せないところに欠点があります。言い換えれば通貨ならば価値の安定感が不可欠ですが、価値が1年で数倍も変動する点において個人的には汎用性は低いとみています。

個人的には金(ゴールド)を担保にした仮想通貨が生み出されてもおかしくないと思います。金は価格が安定しており、年間を通じて一般的にはせいぜい1-2割しか変動しません。また代替価値としての認知度は圧倒的であります。

ただし、ビットコインを代表する仮想通貨は様々な形で進化し、我々の生活の中に浸透してくるはずです。日本では相続税対策で金庫が売れているようですが、そんな時代もなくなる日が来るのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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孫正義氏に学ぶこと4

孫正義氏のことを嫌いな人は徹底して嫌いでしょう。但し、会ったこともない人を風評で判断するのもどうかと思います。(もちろん、その逆も言えますが。)彼に苦手意識を持っている人はその出自とかビジネスの戦い方が日本的ではないと考えるのでしょう。ならば欧米にいる数々の名経営者なら「すごい」と手放しになれるのも論理的ではない気がします。

私は彼を好きか嫌いかというバリアを一旦除去して彼のビジネス戦略を見ることに価値があるとみています。彼の投資に対する先見性は常人の何倍も先を見抜ける力を持っています。また、問題が発生しても絶対にあきらめず、解決していく粘り強さに時として感嘆してしまうのです。

原発事故の直後、孫氏は再生可能エネルギー事業に巨額の資金を投じました。ITの人がなぜ、と思ったのですが、それは彼の独特のひらめきだったのでしょう。そして彼の投資は1年や2年といった短期の投資ではなく、10年単位である点においてそのビジネスが花開いたとき「あれ?これも孫氏の息がかかっているの?」ということになります。

アリババの株式を大量に所有するのも好例の一つでしょう。一部売却した現時点でも同社の27%ほどの株を持つ持ち株法適用会社であります。アリババは33兆円規模の時価総額でアップルの88兆円、グーグルの72兆円規模には及ばないものの数年で2-3倍ぐらいになれる成長力を維持しているお化け会社です。それが意味することはアリババのジャックマー氏との連携ビジネスがやりやすいのみならず、ソフトバンクのキャッシュカウ(cash cow=金のなる木)にもなるのです。私もアリババの株式に投資しているのは成長するのは確実だとわかっているからです。

今回、孫氏が運営する10兆円ファンドが発足しました。ただ、このファンドの出資者に日本企業がいないのが不思議でなりません。(シャープが入っていますが、シャープが日本企業として経営判断したとは誰も思わないでしょう。)そこに見えるのは圧倒的勝ち組になれば孫氏は出る杭ではなく、出過ぎた杭で誰も打てないとも言えないでしょうか?

ではその強さとは何か、ですが、一人でも行動するし、一緒にやるなら人を相当相手を選んでいる気がします。

「宝くじで1億円当たった人の末路」(鈴木信行著)の中に「孤独な人の末路」というテーマがあります。そこではSNSで友達がたくさんいる意味はあるのか、と説いています。その結論はSNSで群れるデメリットとして「孤独力を磨けない」、「同調圧力によるストレスで精神的に追い込まれる」、「年を取っても自分が何をどう感じていて何を欲しているのかわからないまま」とズバリ切り込んでいます。孫氏はその点においてメンタルが異様に強い気がいたします。

日本は相談して物事を進める社会です。それに対して起業家は多少の問題点には目をつむり総合的に判断できるチカラを持っています。そのチカラとは資金力をバックに常にリスクに挑み、ハードルを乗り越える精神力以外の何物でもありません。私が会議と合議制を良しと思わないのは発案者の粗削りならがらも革新的な発想を万人受けできる丸いアイディアに変えてしまうからであります。

好例を一つ。日本発信の世界を制覇するビジネスにラーメンがあります。ではこのラーメンですが、組織だってやった人はいるでしょうか?ほとんどが一店舗の頑固な味づくりからスタートしているはずです。その頑固さは中には「無理でしょ」というものも当然ありますが、きら星のような店が世界制覇をしているのです。

日本は組織力を強みとするところもありますが、それが弱みとなる場合もあります。個人的には世界のビジネスシーンで目立たなくなった日本企業はもっと野武士のような荒々しさをもう一度思い起こしてもらいたいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

失敗がつきものの新規案件4

この10年強で新規案件や新事業を十数件検討、うち手掛けてモノになったのは5-6件位ではないでしょうか?一般的な指標からすると事業化成功率は高いのかもしれませんが、そこには理由があります。人件費がかかっていないからであります。

売り上げに対してコストを抑えることはどのような事業家ももっとも熱心に取り組む分野でありますが、インキュベーション(孵化)の頃は売り上げが上がらないため、損益分岐点に達しないことがしばしばであります。以前、指摘しましたが、起業して3年間赤字を耐えられるかが長く事業を続けられるか一つの重要な分かれ道となると考えています。

ではその経費の中で一般的に最も多く占めるのが人件費ではないかと思います。これが無ければかなりの確率で事業は黒字になるのではないかと思います。そこで私は基本的に個別事業には私の人件費を割り当てず、事業化が成功し、安定するまで人件費期待値もゼロとしています。

社長の人件費は高いものです。なぜ高いかといえばメインストリームの事業でそれなりの利益が得られているからです。そこに新規事業をするからと言ってひよっ子の事業に高い社長の人件費の何%かを振れば黒字になる方がおかしいでしょう。インキュベーションというのは孵化という意味ですから、雛になり、ある程度成長し、卵を産んでくれるまではじっと我慢を強いられるのであります。

事業をたくさんやっていると各事業から大なり小なりのキャッシュフローと利益が生まれてきます。これが社長の人件費になり、あるいは株主としての配当に繋がってきます。会社経営にはいろいろな経営者の思想や発想がありますが私は様々な事業から収益が上がるようある程度リスク分散をさせています。

さて、その新規事業、私も多くの失敗をしました。また、いま、成功している事業でも始めの3年間は事業の見直し、修正、手戻りなど計画段階の浅はかさを何度となく味わってきました。一つには事業遂行のためのスタッフへの期待と実際の仕事の展開が一致しなかったことが挙げられます。正直申し上げると起業して当初のスタッフが残るケースはとても少なく、多くの場合、何らかのスタッフ入れ替え戦が1年以内に起きています。

つまり、いくら計画段階でじっくり考えても知らない分野の起業とは本当に予想しがたいことが次々起きるとも言えるのです。となれば、計画はいくら練ってもその通り行かないとも言え、私は7割準備できたらさっさと事業を進めることにしています。戦略はあらゆることを考え、10割カバーしていますが、それをあるべき事業の姿として枠にはめ込むのは逆にリスクだと思っています。

今、東京で2軒目のシェアハウスの開業の準備を進めていますが、これも1軒目とは全く違ったコンセプトでの挑戦ですので数々の失敗をするのだろうと今から構えています。逆に言えば失敗することが当然であるという心構えがあるために多少のことが起きてもびくともしないとも言えるのです。

最近の事業で思うことは立ち上げに巨額の資金が必要なケースが増えてきている点でしょうか?そうなれば一般の人が起業できるチャンスはほとんどなくなってきます。また、どんな事業でもカバーしなくてはいけない分野、例えば経理、財務、人事、総務などは得手不得手にかかわらず避けて通れないものです。しかし、それらが出来るマルチタスクプレーヤーはそうそういるものではありません。

その場合にはやはり、リーズナブルな費用でヘルプしてもらえる人脈はつくっておくべきだとおもいます。例えば私の場合日本事業の税務処理は大学時代のクラブの同期の人にお願いしています。無理が利くというのが最大のメリットです。あるいは当地のマリーナ事業で人が足りなくなって明日からでも人が欲しいという状況になった際、普段交流のあるあの男が確か今、職探しをしていたな、と思い、声をかけたら一発で決まったこともあります。これらは起業家として問題にぶつかった時、どうそれを処理するのか、焦るのではなく、自分の持てる情報を最大限駆使するというのも大事だと思います。

失敗がつきものの新規案件ですが、そのリスクを低める方法は割とたくさんある、というのも事実です。ある技術や才能一本で勝負に挑む方をよく見かけますが、一番大事なのは持てる力をどう展開し、どう応用できるのか、その才能をマーケティングすることではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

今週はカバーしたいキーワードが豊富な週だったのですが、まずはトランプ大統領に振り回された市場から見ていきたいと思います。

水曜日に370ドル下落したNYのダウ。総悲観論が渦巻き、第二のウォーターゲート事件などネガティブな話題に振り回されました。私はその時のブログで「過度の悲観論は避けたい」と記しています。事実、金曜日のNY市場が終わってみれば水曜日のボトムから200ドル以上戻した20800ドル台となっています。

但し、この騒動、一過性のものとも思いません。気になるのは金曜日にかけて再び売り込まれたドル。円ドルで見ると111円台前半なので何を、と思われると思いますが、ドルインデックスでは週間で2%ほど売り込まれています。

このドル安は来週のOPEC総会やトランプ大統領の中東訪問、NATO会議、G7という重要会議で何を発言するかで大きく振り回される公算があります。よって日本の株式市場も月曜日は安泰だと思いますが、火曜日以降は日々のニュースに振り回されることになりそうです。日経平均2万円奪取は、と聞かれても「あるかもしれないし、ないかもしれない」としか申し上げられません。それぐらい日本の市場は主体性がないとも言えます。

さて、東アジアの話題を少し。中国の「一帯一路」国際会議。習近平国家主席のワンマンショーで大いに盛り上がり、日本にも友好的姿勢を見せました。何故か、といえば秋に控える党大会での習体制の絶対的確立のために今は不必要な敵を作らないというポリシーがあるからでしょう。これも以前、指摘したとおりです。

アメリカとうまいディールをし、貿易問題で一発触発から世紀の大逆転劇となったのは習主席のディール巧者なのかトランプ大統領のはったりだったのか分かりませんが、習主席の思い通りになっていることは間違いないでしょう。こういう場合、日本は心情的には不満が残っても敢えて喧嘩を売ることもしないはずです。

では、話題の中心からやや熱が冷めている北朝鮮はどうなのでしょうか?強く感じるのは金正恩氏はバカではないという点です。人民のハートをあそこまで掴むほどのカリスマ性は外から見ればおかしいのですが、宗教がかっており高い判断力と実行力もあり一定の力量はあるように見えます。

以前、彼の行動が読めず「天才か無知無謀な若者か?」という記事の記憶があるのですが、天才かどうかはともかく、無知無謀ではなさそうです。では、彼の本当の敵は誰で目的は何なのか、といえば韓国との統一が目的でそれを阻止するアメリカをどうにかしたいという気がします。この項はまた別の機会に考察します。

最後に日本の政治。こちらもいろいろあるのですが、加計学園問題は森友と似た話の気がします。朝日の指摘する時間と参加者が特定された会議でのメモが何なのか、松野大臣は否定していますが、全くのウソならそこまで具体的な情報は出ないはずです。何かあるのでしょう。ただ、そのメモが仮にあったとしてもだからどうなのか、という次のハードルはまた闇の闇です。そんたくであるとすれば証拠はありません。

私はそれよりもそれを含め、ただただひたすら過激な姿勢で追及する民進党の姿勢に最近辟易としています。党首の癖が民進の議員にもうつったようで品のなさが目立ちます。強い言葉の暴力でしょう。あれは子供に見せないよう閲覧制限をかけるべきです。(笑) 見ちゃったなら子供に対して「ああいう言葉の圧力は良くないことだから学校ではしないように」と反面教師にすべきです。

まだまだいろいろ話題は尽きませんが、ネタは来週以降に残しておきます。

ではよい週末を。

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また明日お会いしましょう。

景気の安定巡行はどこまで4

発表された日本の17年1-3月期のGDP。年換算で実質2.2%成長と心地よい水準となりました。これで5四半期連続のプラスで次の4-6月がプラスであれば戦後最長記録に並ぶことになります。但し、いざなみ景気が02年2月から08年2月までの73カ月続いたこともあり、「戦後最長」とは何をもって表現するかによって変わってきます。4半期ベースでは05年から06年の6四半期連続が戦後最長記録ですが、これはいざなみ景気と重なっています。

さて、こう見るとバブル崩壊から失われた○○年と言われる割には今世紀に入ってからはいぶし銀の成長ぶりを遂げており、個人的には世界経済で衝撃が起きなければ次の四半期もプラスで行けるような気がいたします。今回の2.2%成長の原動力は輸出と消費。輸出はIT関連と自動車関連部品など「部品のニッポン」を謳歌しています。一方の個人消費の原動力はスマホや衣服と報道されています。

先日、用事があって表参道を通りかかった際、表参道ヒルズを覗いてみましたが、平日の午後だったのですが、上から下まで客が入っているのは飲食店だけで一般店舗は店員が手持無沙汰でありました。それ以外にも表参道にはセキュリティの人がドアを開けてくれるような店がずらっと並びますが、ルイヴィトンを除き、どこもがらんとしています。(ルイヴィトンやティファニー、コーチはバンクーバーのハイブランド街でも同様に勝ち組だと思います。)

一方、100均のダイソーに夕方行けば長蛇の列で一人、数点確実に買っていくことを考えると日本は小額をたくさん使う国なのかもしれません。つまり、レストランでもガストのような安い店を頻繁に使い、惣菜店で夕飯を買い、こだわりの焼酎や日本酒をちょっと飲み、ユニクロで服をそろえ、無印で小間物を買い続ける文化であります。極論すれば、月に500円を100回使うのが日本で、5000円を10回使うのが北米といった違いでしょうか?収入が伸びないから消費が伸びないと言われながらもそこそこ使っている気がします。

数年前の日経ビジネスに「共稼ぎ、忙しすぎて夕飯はコンビニでイートイン」という趣旨の特集がありましたが、忙しすぎることで時間をお金で買うことになり、その結果、本来意図せざるものへの消費(浪費)が増えているのかもしれません。言い換えれば「時間という見えざる手」で消費せざるを得ない状況が作り出されているとも言えないでしょうか?

北米では日本のようなコンビニがあるわけでもなし、外食は敷居が高い(もともと価格が高い上にチップがある)ので外食はイベント的なものであります。言い換えればスーパーでカートに一杯食材を買うのは家で食事をするのが原則であり、消費をくすぐる機会もそうあるわけではありません。

ここから類推するに日本の消費が伸びないと言われている原因は何処にあるのか、といえば大型消費が北米に比べて不活発なのだろうと思います。つまり、家とクルマ、更には家具や大型家電の買い替え需要です。特に家の買い替えが北米では一生の間に3-4回はあると思いますが、日本は一度買って終わりだと思います。土地神話の崩壊が最大の悪役ですが、外部からの人口やマネーの流入が少ない点も足を引っ張る原因だと考えられます。

では輸出はどうなのか、ですが、「部品大国ニッポン」という位置づけならまだまだ伸びしろはあるでしょう。なぜなら部品はロボットに依存した生産工程が期待できるため、人口減の日本でも十分対応できるからであります。

ニュースで「グーグルがスマートスピーカーを日本でも発売へ」とあります。もともとアマゾンが出していたものでマイクロソフトも追随します。これは今後、入力方式が音声に変わる劇的変化を引き出すきっかけになるはずです。例えば私も人がいない時や歩きながらの場合にはスマホへのテキストは音声入力に頼っています。圧倒的早さで間違いも少ないのです。

これが家庭に浸透してくれば応用範囲は無限でしょう。それこそ、一人住まいの老人がスマートスピーカーにしゃべれば家族なり介護してくれる人なりにダイレクトで連絡が取れるようにできます。このような機器は爆発的需要を生むことは100%確実で、そのような製品の部品を提供している限り下請けニッポンは統計上は安泰なのであります。

但し、日本から画期的新製品が出なくなって久しい気がします。高音質「ハイレゾ」も日本の「おたく」系ガジェットで終わってしまう気がします。それより家でネットフレックスを見ているとサービスや製品の創造力の違いを感じてしまいます。

景気指標は巡行でもドキドキする夢がないのはいくら戦後最長を目指すと言われても盛り上がらない訳であります。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

アメリカは混沌の始まりか?4

つい1,2日前までは恐怖指数が極端に低く緩み切っていたのが北米の株式市場でした。トランプ大統領が何をしようと経済は別腹で好調と信じていました。しかし、こうも簡単に崩れ落ちるのはなぜでしょうか?北米では今や、ウォーターゲート事件との対比が様々なメディアで行われています。そして一部の民主党議員が弾劾を叫び始めました。この声は今後、大きく拡散していくのでしょうか。

アメリカが選んだ大統領はデッドロックに乗り上げています。そしてはやりの「大統領弾劾」や辞任といううわさで振り回されるのでしょうか?市場はどう展開するのでしょうか?

まず、目先懸念されているのは2つの問題です。

一つはコーミーFBI長官の突如の解任の背景がフリン大統領補佐官のロシア疑惑の調査に関して「放っておけ」というトランプ氏の発言を司法妨害だとする声が問題視されています。もう一つはラブロフ ロシア外務大臣らとトランプ大統領が会談した際にトランプ氏が入手していたイスラエルからのシリアに関する情報を漏らしたという点であります。

前者の「放っておけ」は司法界でも意見が分かれるところですが、首にしたという事実は大統領の強権力とも言えるでしょう。世論が騒ぐ理由です。後者のシリア情報についても情報の共有なのか情報漏洩なのか言葉尻により全く意味合いは変わります。ここがもめる理由であります。

ではなぜ、今まで市場では見て見ぬふりをしていたのに突如、ダウが370ドルも下がり、ドルが全面安で対円では2円近く動いてしまったのでしょうか?

背景にはアメリカ経済の息切れが見えてきたことにあります。経済指標は雇用統計以外決して芳しくないもののトランプ経済政策に期待する向きもありました。しかし、オバマケアをどうにか葬りつつあるものの、減税プランへの道は遠く、やや目標を失いつつある感があります。

そこに「好きか嫌いか」完全に分かれるトランプ大統領はあまりにも多くの敵を作ったのですが、その中で絶対に味方につけるべきだったメディアを遠ざけたことで彼らは書き、世論の流れを作り始めたことで不人気に拍車をかけ始めたようです。

今回の問題はそれが外交問題、しかも両方とも「ロシア」という共通項であります。プーチン大統領は「何なんだったらラブロフとの議事録を見せようか?」発言していますが、これはアメリカ世論の分断化を図った上手な演技であります。

プーチン大統領にしてみれば外交素人のトランプ氏とはやりやすく、手のひらでコロコロ出来る感じなのだろうと思います。

さて、この状況の中で突如の円高になりました。どこまで行くのでしょうか?実はこのところのドル安傾向ですが、主要通貨バスケットの指数でみると年初をピークに確実にドル安になるチャートになっているのです。ところがドル円で見るとこのバスケット指数にほぼ沿っていたのですが、4月中旬から突如乖離し、先日114円台を付けるほどの円安になっていました。これは技術的に補正される可能性が高く、個人的には通貨バスケットとの乖離が補正される105円程度までの円高は目先、覚悟かな、と思っています。

特に25日のOPEC総会に向けて原油が上がる傾向が強まり、ユーロ圏も選挙が終わり、とりあえず落ち着きを取り戻したため、ドルが売られても大丈夫な状態にあると言えます。6月の利上げ予想も62%まで下がってきています。言い換えれば為替はドル安になる引き金をトランプ氏が引いただけ、とも言えないでしょうか?

トランプ氏への不信感は今後更に増す可能性があります。それ以上に内部情報が「ダダ漏れ」状態である点において機密性が極めて低い点は要注意です。これは政権内部者がメディアにリークしているという意味ですが、トランプ大統領が裸の大様になりつつあるとも言えます。トランプ氏に心の底から忠誠を誓う人がほとんどいないのかも知れません。それぐらいアメリカはドライで身替わりをしやすくして保身するスタイルになっているとも言えます。

こうなると他国もアメリカとの外交は不活発にならざるを得ません。大いなる損失であります。問題は経済と政治がディタッチ(切り離し)可能かどうかですが、大統領を無力化することは可能でしょう。共和党もすでに一枚岩ではないことを考えれば過度の悲観論は避けたいものです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

高等教育無償化と偏差値のはなし4

安倍首相が憲法改正の一つの名目として高等教育無償化を掲げました。「おやっ?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?私も唐突感を持ちました。そんな教育の無償化とその教育の絶対的指標である偏差値について考えてみたいと思います。

まず、教育に関する憲法は26条でその第2項に「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」という定めがあり、この議論の原点になります。高等教育=大学と捉えれば大学を義務教育化するならば憲法改正は必要ないことになります。義務教育は教育基本法などで定められているからです。

では首相発言の真意は何処にあるのか、これは推測ですが、別目的の憲法改正議論の中で教育を緩衝材的に入れたような気もしますが、敢えて言うなら、高卒と大卒の生涯年収格差を捉えたのかもしれません。つまり、国民平等に生まれたのならば家庭の懐具合で高等教育をあきらめなくてはいけない子女をなくす、というやや政治的背景が考えられなくもありません。

しかし、ちょっと待てよ、と思うのはなぜにして誰でも大学を出なくてはいけないのか、であります。「大学は出たけれど」という映画が昔ありましたが、大学に行く基本的思想は終身雇用だと思うのです。「良い大学、良い就職口=一生面倒見てくれる」ではなかったでしょうか?しかし、今や、終身雇用を信じる現役族は少ないでしょう。一つには会社の将来は見通せないこと、もう一つは自分の人生をその会社と共に固定化させることに抵抗があるからです。

塾で子供たちと接触しているとあまり勉強熱心ではない子たちがいやいや勉強させられていることを体感しています。しかし、その子たちは通信簿が全部均等に悪いわけではなく、2ばっかりなのに一つや二つ、4とか5があったりします。私は本来であればそのような才能を見出し、好きなエリアを深堀させればよいと思っています。別に大学に行かなくても素晴らしいスキルを磨けます。

しかし、親は「どうにか普通高に」「将来は無名でもいいので大学に」と懇願し、模試と偏差値との格闘が始まります。この偏差値ですが、「合格圏内」とか「合格確実」といった模試での結果で親や子を一喜一憂させる魔物であります。ではこの学校の偏差値はどうやって決まるのでしょう?

割と簡単に出ます。ある高校の合格者のすべての偏差値を調べ上げ、最低成績の合格者の偏差値をその学校の偏差値としています。つまり、偏差値60の高校があれば60が足切りラインということになります。ならば高校の合格者のすべての偏差値はどうやって調べるのか、といえば今はやりのビックデータのようなものなのですが、要するに模試の会社がそのデータを持っており、それを分析しているだけであります。かなり機械的に算出できるといってよいでしょう。

ここで気が付いてもらいたいのはこれは学校の人気ランキングであってその学校に行ったあとのことを何ら保証するものではないのです。では学校はどうやって人気ランクを上げるかといえば高校なら国公立大学合格状況やスーパー グローバル ハイスクールの認定かもしれませんし、大学なら就職や知名度が影響してくるでしょう。そして受験生が増えれば偏差値の上昇につながります。(株価と出来高の関係と同じです。)

例えば一部の高校や大学がスポーツに異様に力を入れるのは知名度向上であります。箱根駅伝などはその典型で大学にしてみれば学生を広告塔にしているわけです。そして多くの受験生は知名度が高いところを望む傾向があります。学生の人気企業ランキングも上位はほとんどが「BtoC」です。2018年度の人気企業ランキングは1位ANA、2位JAL(学情の調査)というあいも変わらずのミーハーぶりが見て取れるのです。

つまり、今の教育は人気ランクに基づき、親も子供も振り回されているといってもよく、それを憲法改正してまで高等教育無償化にするというのはおかしいと思っています。どうせ無償化するなら小学校入学前、つまり、保育園と幼稚園の無償化を優先した方がはるかに理にかなっています。それこそこちらを全入体制にすべきなのになぜかちぐはぐな感じがしないでしょうか?

本来であれば高校や大学がその教育方針や進学/就職をベースにした査定を受けるべきです。上場企業は決算とそれに伴うアナリストから厳しい質問を受け、一定の評価を受けます。株価や格付けもあります。私は学校もそれが必要だと思うのです。何もわからない親や子供が人気だけで振り回されるのはまるで客観性を持ちません。

まずはこのあたりから手を付けるべきではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

反面教師としての東芝4

時々お伝えしている東芝問題。なぜ、私は飽きもせずにこれだけネタにするのかといえば他人事ではない気がするからです。巨大企業の経営、そのかじ取り、取締役会と経営判断、会計士、銀行、提携ビジネス、リストラなどこれほど多くのエッセンスが詰まった問題はそうあるものではありません。

そしてあれだけの大企業にあちらこちらクラックが入り、崩れていく様子は自分が経営者ならどうするだろうか、というシュミレーションを含め、学問的にも意味がありますし、それ以上に日本企業が同じ間違いを繰り返してもらいたくないが故の継続的スタディ案件だと思っています。

さて、12日の「今週のつぶやき」でもお伝えしたとおり15日に東芝は17年3月期決算概要を監査法人のお墨付きなしで発表しました。決算短信もありません。決算短信とは自主的なもので監査人のお墨付きを必ずしも要するものではありません。但し、投資家の利益を考え、上場会社としてなるべく簡潔でエッセンスとなるものを一定様式のもと、発表するものです。今回はそちらをなぜか省いています。

形の上では昨日の決算概要発表が直ちに東証の規定に反するものではないにせよ、由々しき事態であることには変わりありません。そして会計士関係でいえば有価証券報告書だけは6月末までに出さねばなりません。(たしか一度だけ延長が許されているはずですが。)しかし、ここまでくると相撲でいえば土俵際まで追いやれています。そして単なる押し出しで済むどころか、下手をしたら土俵から落ちて悪いところをぶつけてしまう危険すら出てきています。

確定していることは8月1日付で東証2部降格です。そして上場廃止になるシナリオは現時点で2つ。一つは18年3月期の決算で債務超過を解消できないときの一発退場。もう一つは前回の不正時から特設注意銘柄としてその経営等の是正とその改善プランの提出を求めていましたが、それがクリアできず、3月に管理銘柄になり上場の妥当性について審査が進んでいます。この審査で上場維持が不適切であると認められた場合でも上場廃止になります。

多分、メインバンクは上場を維持するため八方手を尽くしているはずです。メインバンクという意味は東芝本体はそれに尽力するどころではなく、分業しないと手が回らないとお見受けできるからです。

少なくとも上場廃止リスクを低減させるため、東芝の半導体部門(東芝メモリ)を第三者に高値で売却したいところでありますが、協業関係にあるウエスタンデジタル社からちゃちゃが入りました。ここでも余計な労力を使わねばなりません。オマケにうまくいっていた同社との関係が改善不能なほどの不信感となってしまいましたが、これほど八方ふさがりの会社も珍しいものであります。

まだまだ東芝の抱える問題は多いですし、今後も出てくると思われます。攻めの経営がほとんどできず、守りを3年ぐらい続け、その間の崩壊を止める術もありません。

何故、ここまで経営が崩れてしまうのでしょうか?そもそも大企業経営とはこれほど柔なものだったのでしょうか?同社には多くの優れた経営者と社員が集まっていたはずではないでしょうか?

私が思うに根本的な「愛社精神」がなかったのではないかと思います。社員は東芝という傘だけがほしく、一定水準以上の給与をもらい、安定感を堪能することで本当の意味での「チャレンジ」を忘れてしまったのでしょう。役員になれば上に上がるための派閥や保身にも精力を傾けるでしょう。では誰が会社を守ってくれるのか、といえばメインバンクと株主という甘えがあったとみています。

メインバンクとはいざというときに一緒に汗を流してくれる銀行のことです。東芝の金屏風である銀行への過度の依存体質は否定できないでしょう。そして見せかけだけの功績の連続です。なぜそうなるのか、といえばサラリーマン社長のはかなさなのかもしれません。

日本独特の取締役会での決議という集団合議性は極端にそれが強くなると決定する内容が丸いものになりやすい上に派閥間の事前の根回しなど大変な準備が要求されます。一方で銀行も人事ローテーションの中で任期中の数年を無事過ごせればよいという責任転嫁型のスタイルが見受けられます。何かあっても「私は関係ない」と言い切ることが銀行での世渡りであります。つまり私からみれば企業も銀行も実に面白くない経営をしているように見えるのです。

私が時々名前を挙げる孫正義、柳井正、永守重信氏らはカリスマという名の圧倒的経営指導能力を持っている点が強みです。一方でその経営者がいなくなったらどうなるのか、という弱みも持ち合わせます。その代表例が自動車のスズキの鈴木修氏やセブン&アイの鈴木敏文氏らのようなカリスマ経営者が辞した後の経営の行方であります。

それ故に企業は強い後継者を育てなくてはいけません。ただ、日本の場合「創業者の意図」が社風として脈々と引き継がれる点において強い後継者を望まないところがあります。ユニクロの社長に一時君臨した玉塚元一氏との確執が好例でしょう。出光のトラブルもそうです。

日本型の経営はある意味、大変革をしないといけない気がします。まずは名刺の順番である社名、部署名、肩書、氏名を欧米のように逆さに出来るよう、社員一人ひとりの自覚を植え付けなくてはいけないと思います。

では今日はこのぐらいで。

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欺瞞こそ現代の戦争か?4

ジュリアス シーザーを読んでいると紀元前の話にもかかわらず英雄、独裁、暗殺という欧州の戦争の歴史のエッセンスを感じます。いわゆる戦争とは武器の進化こそあったものの多くの兵士を動かし、領土を占拠するスタイルが主であり、将軍様の実力と民の圧倒的忠心の中で世の勢力は決まっていたといっても過言ではないでしょう。これは日本の歴史でもほぼ同じことが言えます。

ところが第二次世界大戦で原爆が使われ、核の脅威が叫ばれるようになると圧倒的な支配力がなくても勝負ができるという新たなる時代の幕開けになりました。更に進化したのがテロリズムだろうと思います。ごくわずかの人間が民を恐怖のどん底に追いやることがごく普通にどこでも起きる時代となったのです。自爆テロのニュースはあまりにも頻繁で人々の関心も薄くなっています。

そんな中、最近、新たなる手法が世の中で急速に芽生えています。一つはフェイクニュース、もう一つはサイバー攻撃であります。

フェイクニュースは選挙などの際に相手方を貶める手法としてごく一般的に使われるようになりました。アメリカ大統領選でもフランス大統領選でも何らかのフェイクニュースによるマインドコントロールがあったようです。

日本ではキュレーションサイトが問題になりましした。私が思うこの問題のポイントは受信者側の「お手軽感覚」なのだろうと思います。急速な情報化時代で人々が目にする情報量はかつてないほどになり、処理不能状態になっています。そのため、人々は多くの情報を「端的に」「要点だけ」欲しいと思うようになります。細かい内容や条件は無視し、「結局どういうことよ」という結論を急ぐことがフェイクニュースで騙される結果に繋がっていると思われます。

現代社会において情報とは人間の基本欲求に新たに加わったなくてはならないものと化しています。私を含め、一日たりともネットがつながらなければ仕事もできず、イライラし、不安になる人は多いでしょう。電車の中でどれだけ多くの人がスマホをいじっていることでしょう。エレベーターの中で必死にテキストする人は洋の東西を問いません。

ではサイバー攻撃。これも入り口があってのサイバーであります。かつて城は相手から攻められにくく作りました。これは入り口をコントロールするという意味です。ところが今のサイバー攻撃とはとにかく多数に一斉に攻撃を加えることにより入り口を見つけ出すという考え方です。つまり、防御するにも限られた入り口だけを監視する時代からすべての関与者が同等の管理レベルを持たねばならないのです。ところが人間、クローンではありませんから必ず隙はあります。わきが甘く、うっかりしており、まさかと思うことが年中起きるでしょう。敵はそうやって城の中に入るのです。

かつての戦争とは軍人が軍人としての紳士協定の中で戦いが進みました。それがいつの間にか、非軍人をも巻き込む形となり、現代では一般大衆がサイバーやフェイクニュースという戦争の危機にさらされているといってもよいでしょう。

IoTなどが普及すればサイバー攻撃をする側としてはより破壊する機会が増えることになり、世の中を混乱に陥れ、資金を得、より凶暴になってくるかもしれません。

これを防ぐ方法は何処にあるのか私には即答出来ません。但し、自己防衛することは可能です。ネットと繋がっているIT機器と繋がっていない機器を別々にして「情報の金庫」を作る方法もあるでしょう。

フェイクニュースはどうするのか、ですが、私はレベルの高い情報を取捨選択することなのだろうと思います。そして自分で考えることだろうと思います。最近のネット情報はいかに短時間ですべての情報が習得できるか様々な工夫が施されています。そうなると時間をかけて分厚い図書を読まずして誰でも評論家になれるでしょう。しかし、それは情報に踊らされているとも言えるのかもしれません。良質の情報を自分できちんとかみ砕いて吸収することこそ、自己防衛の基本中の基本なのでしょう。

人を欺くことを欺瞞(ぎまん)といいます。我々は騙されやすい新たなる戦時下にいることだけは認識しておくべきでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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投資をしよう!4

日経に「成長しなきゃいけないの?」という記事があります。衝撃的です。記事の中で経団連の榊原会長がこの言葉に嘆きます。「1番が節約、2番が貯蓄。海外旅行やテレビ、車を買うとは誰も言わない」。これにはさすがの私も固まります。

今の多くの若者は成長を忘れてしまいました。歌を忘れたカナリヤと同じです。いや、若者だけではなく、大半の日本の方はそれが忘却の彼方となっています。

まず、成長を身近に感じられるのが預金利息です。かつては普通預金でも数%ありました。国債で10%の利回りなんていう時代もありました。が、今では0がいくつつくのかわからないぐらいの低金利になりました。これではお金が成長しません。

給与はどうでしょうか?最近、安倍首相が熊のようにベアベアと言っているので大手企業を中心に給与が上がるところもありますが、派遣社員の給与は上がったでしょうか?給与所得の人で余裕しゃくしゃくという方はほとんどいないと思います。

所得があった人約5600万人に対して一般的な給与所得者は4300万人。この大半の方は少ない給与、増えない給与をやりくりして切り盛りしなくてはいけません。投資の余裕などあるわけありません。仮に余裕があったとしても「リスクがあるものにお金など入れられるわけがない」のです。

では自営業者はどうでしょうか?一般的な自営業の損益計算書は普通の発想と違います。(売り上げ)−(仕入れ額)−(経費)=自分の取り分(=報酬)であります。一般的な経理の場合には自分の報酬は普通、経費の中に入っているものですが、自営業者の発想はそうではなくて最後、余ったのが自分のもの、であります。例えば「今月はちょっと忙しくて収入が多かったからルイヴィトンの財布を買っちゃった」という人が身近にいるのですが、それはこの発想が根底にあるからです。

では世紀の借金王、孫正義氏はなぜ、あれほど巨大な帝国を築いたのでしょうか?発想としては彼の場合損益計算書ではなく、キャッシュフローを中心に捉えていると思います。(アマゾンのジェフペゾフ氏も同じです。)孫氏にしろ、ペゾフ氏にしろ事業は当初巨額の赤字になりがちです。それは巨額投資に対する償却費が重いからです。ところがお金で見ると初めに投資をしているのでキャッシュフローは潤沢になります。このギャップがポイントです。

大きな会社に成長できるか、小さいままでとどまるかはキャッシュフローを自分の給与で吸い上げてしまうのか、再投資するのかで乗数的変化をもたらします。日本の場合は金利が極端に低いので借りられる限りおいて「借り得」となり、それを再投資に次ぐ再投資で廻せば何サイクルかのちには損益もプラスに転換し、莫大な利潤を生みながらキャッシュフローも回ることになります。孫氏の場合は収穫期に入っていますし、ベソフ氏やテスラのイーロンマスク氏等はまだまだ投資を続けることで会社の収益が見た目、低迷しているのです。

飲食店や物販店の店舗展開する場合でも同じです。5−6店舗目から急速に資金が回りだし、多店舗展開の入り口の切符を手に入れることができます。ただ、このポイントは5−6店舗まで増やすだけの成功したビジネスなのか、それほど儲かっているのか、将来性があるのか、という点が加味された結果であることに留意が必要です。

成長しやすい一つのツールが株式やFXでしょうか?しかし、それらの投資が難しいのは継続性であります。つまり、安定的に勝ち続けるモデルがあればいいですが、出入りの激しい投資結果では成長戦略にならないのです。私が北米の株式市場を通じて行っている戦略は高配当銘柄に7割の資金を突っ込む、であります。バフェット氏と同様、長期的に高配当をとり続け、その配当金を更に投資に回すことで複利効果を生み出します。北米には高配当銘柄は今でもざらで年10%の配当はまだまだあるのです。10%を複利で廻せば10年後には元本が2.6倍になります。これが成長なのです。

言い換えれば努力して実った果実は食べず、来年の為に更に種をまくということです。では給与生活者はどうすればよいのか、ですが、私は自分に投資したらよいと思います。知識や専門性を磨き、会社の中でランクアップや別の会社に移ることになった際に自分のプロフェッショナリズムを売りにできるようにすることしょう。多くの被雇用者は会社の中の便利屋になっていることが多くないでしょうか?ちやほやされて「さすが○○さんだね」とおだてられて踊っているようではだめです。本当の自分を磨き上げることが将来への道のりだと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

新聞の社会面をにぎわす話題は少なかったかもしれませんが、個人的には興味深いニュース山積だった一週間でした。

まずはマーケットのおさらいと今後の見通しをさらっと。

日経平均はいよいよ20000円越えか、と期待が膨らんだのですが、あと10円足りず、その後、再び、調整に入っています。企業決算でトヨタが冴えなかったことで盛り上がりを欠いたこともあるかもしれません。為替も115円台は遠く、週末は再び113円台でとどまっています。

株価はムードに左右されることも多く、アメリカの株価が堅調であればまだ雰囲気もよくなるのですが、そちらも今一つ足踏みが続いています。アメリカの場合、多くの第1四半期決算発表は終わってきていますが、現在開示が進む小売業が業績散々な状態で株価押し上げには雰囲気が悪すぎます。一方であまりニュースにはならないですが、アップルなどIT銘柄は最高値更新をしています。

では今後の見通しですが、原油価格が25日のOPEC総会を控え、60ドルを目指す動きと予想する向きがあります。あながち嘘でもない気がします。もう一点、6月のFRB利上げ予想確率が数日前まで80%を超えていたものが経済指標悪化で60%台まで下がっています。これによりドル安で資源価格が上昇しやすいバイアスがかかるとみています。では円が上がるのかといえばそれも怪しげで結局のところ、一進一退の膠着相場かもしれません。

さて、アメリカが冴えない本当の理由とはトランプ大統領の歴史に残るかもしれない大疑惑事件の幕開けだからかもしれません。日本の方にはあまり興味ないと思いますが、FBIのコミー長官をこのタイミングで突如、首にしたトランプ大統領。その真相はロシアコネクション追及をかわすためなのか、という噂でもちきりとなっています。

かつてアメリカで大統領を辞任したのはウォーターゲート事件のニクソン大統領のみ。今回のトランプ大統領の言動は何時もの通り揺れており、国民の信認は更に下がる可能性があります。サザンオールスターズの2枚目のシングル曲だった「気分次第で責めないで」に「気分次第でしゃべらないで」と「気分次第で首にしないで」を付け加えたくなります。

それでもアメリカの景気が悪くならないのは経済と政治が分離していると同時に「辞任してほしい」と思っているアメリカ人が相当いるからなのでしょう。今回のFBI長官解任事件の混迷度が高まれば高まるほど国民は期待に胸を膨らませて「トランプ スキャンダル ラリー」なる株価急騰があってもおかしくない国でもあります。

月曜日の日本は東芝の話題で再び盛り上がることになりそうです。会計士のお墨付きが貰えず延期していた決算発表ですが、結局会計士と修復不能の関係に陥ったようで何も出てこないため、自主決算発表、決算短信を行うと報道されています。

東証の堪忍袋は何処まで、ということが注目されるはずです。ではなぜ、東芝に優しい対応が続くのか、という話は過去から様々な理由が言われてきました。日本郵政上場時で元東芝の西室さんの功績を安倍首相が評価したからとか、ウエスチングハウスとは縁が切れないからだとか、銀行団の貸し込みが大きく、大きすぎて潰せないという論理もあるでしょう。

しかし、最大の理由は福島原発の管理だと思うのです。これをやっているのが東芝。よって彼らの組織力がなくなると東電が困り、政府が困るというストーリーがあります。私はずっとこれがトリガーだと思っています。

東電は異様に儲かる成長力NO1の会社になるべく、ばく進する予定ですが、理由はその儲けで国に借金を返すためです。電力自由化になったにもかかわらずさっぱり競争状態にならないのも東電が経済産業省にしっかり守れらており、自由化しても東電に勝てないからなのです。そしてその東電大成長作戦を遂行するにあたり東芝はなくてはならない原発処理会社という位置づけだと私は見ています。

ゴールデンウィークも終わり、この一週間はいつもより長く感じた方も多いのではないでしょうか?大騒ぎした北朝鮮問題もどこかにすっ飛んで行ってしまいました。次はどんな話題で盛り上がるのでしょうか?日本は本当に週刊誌がよろこぶ話題に事欠かない国であります。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

小池都知事の大盤振る舞い4

「都、火種残す全額負担」(日経)、「自治体と温度差、薄れた小池色」(産経)、「五輪仮設、追い込まれた小池知事 官邸や他知事が包囲網」(朝日)…。

小池都知事は安倍首相との会談を踏まえ、オリンピックに関連する他府県の仮設費用についても都が全額負担するという「ご英断」を行いましたが、マスコミは各紙、首をかしげています。この問題、私から見れば詰将棋で追い込まれた「小池棋士」と言ったところでしょう。

このブログをお読みの方は東京都や近接県にお住まいの方だけではなく、世界各地から読まれていると思いますのでこの話題にあまり興味を持たれない方も多いと思います。私も大阪で維新が話題になっていた時、関西でなんか面白いことがおきている、ぐらいの感覚だったと思います。

ですので小池さんの話題を時々このブログで振るのはやや気が引けます。それでも書きたくなるほど面白いと思うのは孤軍奮闘する小池知事をサポートする都民ファーストの会や元塾生や都民の熱狂的ファンに取り囲まれる構図に対して都連自民党との距離感、平静を装っているが実は一番強者である官邸と安倍総理という三位一体のゲームが進行するからでしょう。7月の都議選という目先のゴールに向けて誰がどこでどのような駆け引きをするのか、都民のマインドはどう変化するのか、非常に興味深いのであります。

では今回の「ご英断」の背景ですが、もともとの五輪誘致に関して組織委員会、国、自治体間の費用負担の取り決めが緩かったことにつきます。このために新国立競技場問題や小池知事就任直後の一部開催地の変更への試みなどの問題が生じたのはご承知の通り。更には築地移転問題も背景には道路という五輪関係費用問題が絡みます。

そして、このゲーム、結局東京都が主催者なんだから東京都が負担しなくてはいけないという落としどころがある点がポイントであります。かといって今更、やっぱり誘致しなければよかったとも言えません。こうなった以上、費用対効果を最大限に引き延ばすことに注力した方が賢いと思います。

タイトルの「小池都知事の大盤振る舞い」はもちろん、知事の本望ではありませんでした。が、安倍首相が「いい加減にせよ」と決断を急がせたことで知事はほぼ無抵抗に費用負担を決意したのでありましょう。

当然、これは都連自民党にしてみれば突き上げをする最高のネタであり、共産など他党とも連携して「なぜ、勝手にこんな約束をした」とするはずです。これも全部想定されているシナリオで7月の選挙で都自民党が有利な展開をする下地でありましょう。

では官邸は小池知事をどうしたいのか、ですが、個人的には言葉は悪いですが「傀儡」にしたいのだろうと思います。経済規模的に他の道府県を圧倒しているのみならず、官邸が存在するのも東京都だという認識の上で官邸と都のラインに「濁りがないようにする」のが本望なのでしょう。

実際に逆らうとどうなるのか、を見せつけたのが沖縄県への姿勢でありますから他国における連邦制の州知事のような圧倒的権限を持っているわけではない都道府県の知事は結局江戸幕府下の大名と同じということだと思います。

今回のニュースで私が注目したのは「決められない、止められない、時間切れで殿がお怒り」なのだろうと思います。これは小池知事のアキレス腱。都民がどう思うか、大本命、「豊洲VS築地」という判断にも当然ながら重くのしかかる知事への衆目でありましょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

トヨタの憂鬱4

私の会社のレンタカー部門。人気のあったレクサス(日本未発売のES)からベンツのC型に近く変更することにしました。海外におけるベンツの圧倒的ブランド力は半端ではなく、レンタカー業としてはやむを得ないのかな、と思っています。

多くのレクサスを借りてくれたお客様からは「初めて乗ったけどいいねぇ」と前向きのコメントをたくさん貰いましたが、心を完全に許しているようには聞こえませんでした。但し、確実に言えることは品質は素晴らしくよく、非の付け所がないと申し上げておきます。成績優秀でまじめなクルマという感じでしょうか?日本人のクルマづくりそのものであり豊田章男氏の性格がにじみ出ています。

バンクーバーで車を運転しているとそれこそクルマの品評会のような状態なのですが、トヨタのクルマが目立たないのはなぜでしょうか?レクサスは確かに多く、また、どの車種にも統一された精悍なフロントグリルが目に付くのは確かなのですが、トヨタブランド車となると埋没します。

自動車産業が成熟化したと同時に顧客も成熟化し、いろいろなクルマを乗り継ぎ、自分のスタイルを持ちつつあります。そうなると主張するクルマが欲しくなるのは当然です。SUVでないと絶対嫌だというわがままな客もいるし、ハイキングに行くためのスペシャリティカーが欲しいという人もいます。ランボルギーニやフェラーリなんてごろごろ走っています。

そうなるとやはり尖がったクルマが欲しいところなのですが、これは社風なんでしょう、トヨタにそれを求めるのは無理というものです。

発表された18年3月期の決算予想は純利が18%減で2年連続の減少となる1兆5000億円であります。トヨタショックといってもよいでしょう。

個人的には長年そんなにファンではなかったのですが、ここにきてトヨタは踊り場を迎えたかな、という第三者的思いがあります。

つまづきの一つ目は燃料電池のクルマに期待が高すぎたこと、二つ目にそれに伴う電気自動車の将来性を甘く見たこと、三つ目にマーケティング的に中流層にターゲットした顧客層が飽きを感じていることやブランディングのイメージがわかなくなったことが挙げられます。(北米ではカローラとカムリのイメージが強すぎます。)ハイブリッドがカリフォルニアの環境基準で評価されていないこともあるでしょう。

日経ビジネスに長期連載で「トヨタ生産方式を作った男たち」(野地秩嘉著)が掲載されています。既に連載50回を超えている大作です。が、トヨタ生産方式など技術のトヨタ、品質のトヨタのこだわりは分かるのですが、その次が一向に出てこないところに一抹の不安すら感じるのがこのノンフィクションの話であります。

私ごときがこんなことを言ってはいけないのですが、中国には「ありえない」と思われるような車がどんどん販売されているようです。観音開きにガルウィング、運転席や助手席が180度回転してテーブルが出せるなど、なるほど、面白いと思わせるものが出ています。もちろん、そんなもの、比較にならないと一蹴されると思いますが私はそのチャレンジがなくなったのが日本のクルマのような気がします。

売れそうな王道のクルマをひたすら作り続けるのは商売としては成功なのかもしれません。しかし、今の社会がある日突然、急展開するのも事実です。日産が「ノート」でガソリンを電気に転換するレンジエキスパンダー方式のクルマを昨年10月に販売、今年の日本の販売ランキングは1月から4月がそれぞれ、1,2,1,3位であります。いわゆるトヨタの販売力を考えるとこの日産の成績はこのランキング以上の評価に値するものだと言わざるを得ません。

個人的にはトヨタに野性味を持たせてほしいと思います。自動車レビューで100点を取らなくてもいい、好き嫌い分かれるけど挑戦したというクルマが欲しいですね。個人的には年寄りが助手席や後部座席に乗るのがとても億劫そうだということに気がつけばもっと乗り降りしやすいクルマを作るなど知恵はあると思います。

ところで最後になりますが、クルマの話ついで恐縮ですが先日も91歳の高齢者が高速を逆走したようです。これを防ぐ方法、私ならカメラを出口に逆向きにつけ、車が逆走した時点で高速の出口に踏切のようなゲートが降りるか逆走車警告サインが出るようにしたらよいと思います。こんなもの、ものすごく安くできるので数があってもコストは知れています。クルマのインフラも時代と共に見直さないといけないということでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

新大統領の韓国で何が起きるか?4

文在寅大統領が誕生しました。メディアはこぞって記事を並べていますが、私は今回はあえてそれらの記事から距離を置いて自問自答してみました。どんな影響力があるのか、そして何が起きるのか、であります。

この問題にはあまりにも多くのエレメントがあります。そして今回、北朝鮮問題では陰に隠れていた韓国という主役が舞台にいよいよ登場しそうであります。

私がキーになると思われる本件のポイントは以下の通りです。
 )鳴鮮はどうしたいのか、そして周りの国は北朝鮮をどうしたいのか?
◆|羚颪肇▲瓮螢はどういうお約束になったのか?
 韓国はどんな国づくりを目指すつもりなのか?
ぁ|羚颪歪鮮半島をどうしたいのか?
ァ.蹈轡△亘楫錣亡悗靴謄曠錺ぅ肇淵ぅ箸砲覆襪弔發蠅覆里?
Α‘本のボイスは何処まで届いているのか?

つまり6ヵ国協議をする国々の顔と虎視眈々と狙っているその本心が全ての国でバラバラであるように見えるのです。言い換えれば最悪の事態にあります。何故か、といえば取りまとめる国がいないからであります。これはかつてないほど危険、かつ、無法地帯にあるとみています。「半島の危機」を地で行くような形となりそうです。

この複雑怪奇な関係を分かりやすく考えるには失礼だとは思いますが、クラスメートの人間関係に例えると案外わかりやすいかもしれません。

北朝鮮の金君 アメリカの気を引きたい一心、ちょっと目立ったことをするやんちゃ坊主。
韓国の文君 昔喧嘩した北朝鮮に「ごめん、俺が悪かった」とやり直しの為に大統領の首まで挿げ替えたと猛烈にアプローチ
中国の習君 金君に耳元から「俺たち、昔から仲良しだよね」と冊封という腐れ縁と「言うこと聞かないならわかっているだろーな!」というアメとムチで迫ります。
アメリカのトランプ君 金、をうるせー奴だな、と思いながらも「俺が会えば答一発だぜ!」と大ぼらを吹きまくる。でも遠い国の話だから内心「面倒くせー、習の好きにしてくれよ」という姿勢がありあり。
ロシアのプーチン君 こういう時は3歩下がってぐちゃぐちゃになってから強そうなところにつくのに限る、と要領のよさで静観姿勢。
日本の安倍君 こういう時を利用してやっぱ、自分の身を固めるかと「憲法改正しようよ」と自国の政治戦略を優先。

アメリカのボトムラインは核さえなければそれ以上何も言わないという気持ちです。これは大統領立候補の演説の際の在日、在韓米軍の費用問題発言につながるわけで「金が貰えないならさっさと止める」という風にしか見えません。よって朝鮮半島が統一されれば在韓米軍はなくなるでしょう。但し、中国の膨張を防ぐために日本の駐留は強化するとみています。

朝鮮半島が統一されるかはまだ時間がかかる事項だと思います。但し、韓国の経済が思ったほど悪くないので今後中国との関係を改善すれば韓国は割と平静を取り戻し、真剣に北朝鮮との関係回復を目指す気がします。

この一連の流れで一番損をするのは日本だとみています。北朝鮮との交渉事は凍り付いたまま、韓国とは外交交渉は今後、極めて厳しくなります。中国は今は日本いじめをしませんが、そのタイミングは虎視眈々と狙っています。つまり、好かれない日本は東アジアと明白な一線が出来る一方、ビジネス関係だけは更に進化し、外交と経済でまるで違う対応を取ることになりそうです。

では日本はアメリカにどこまで頼れるのか、といえばトランプ大統領のアメリカは「昨日の約束は昨日までの話」となるタイプですので政治主体ではなく、ビジネス主体で取り込んでいくしかないと思います。アメリカとのFTAの話が出ていますが、やるならさっさとやった方がよいと思います。

日本の本当の同盟ラインは太平洋ラインとなりますので台湾、フィリピン、インドネシアあたりとの関係強化がナチュラルではないかと思います。その延長からすれば日本がロシアとの北方の問題を解決することは外交戦略的優先度は最優先と考えています。

韓国との慰安婦問題はまた別の日に触れたいと思いますが、文大統領は日本と再交渉は望めないとみています。選挙戦の良いターゲットになっただけで実際には国際世論の反発を食らう禁則であります。

北朝鮮はしばらく、弾道ミサイル実験はお休みする気がします。今後は外交ルートのニュースが忙しくなってくるかと思います。

では今日はこのぐらいで。

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