外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

アルコール大国ニッポン4

アルコール大国ニッポン、実はアルコールの社会的許容度が世界で最も緩い国の一つが日本とされます。多くの皆さんは祭りで飲む日本酒、BBQやビーチで飲むビール、路上座りしてストロングハイを飲む若者など公共の場で飲酒をするシーンはよく見かけると思います。ですが、先進国において公共の場で飲酒が許されている国は非常に少ないのが現状です。

カナダもコロナまでは公共の場で飲酒していれば捕まっていたのですが、コロナ禍の若者の気持ちを晴らすために一部の公園で飲酒が暫定的に解禁となりました。ちなみにカナダはたしなむ程度の飲酒後の運転はOKで、血中アルコール濃度の具合次第です。その人の体格など因子がありますが、食事に伴うビールやワインが概ね1杯ぐらいなら大丈夫です。一方のアメリカは非常に厳しく、一晩お泊りした方も割といました。ちなみにカナダは日本に次いで世界でも緩い国の一つとされます。

さて、日本人がアルコールとの接点が多いのは祭事、慶事、弔事などで飲酒が伴うことが多いことは一つあるでしょう。正月のお屠蘇、酒粕のアルコール分が残った甘酒もあります。葬儀の通夜では日本酒を飲みかわし、故人を偲びます。結婚式ではアルコールで盛り上がり、知らないおじさんが酔いに任せて突然マイクを握って挨拶をします。カラオケで盛り上がるのにアルコールは重要な媒介。一昔前は「日本の仕事は夕方5時から」とされ、サラリーマンが居酒屋で口角を飛ばしながら会社と上司ネタをつまみに盛り上がりました。

私が時代の変化を感じたのは90年代以降の入社組の人が増えてきたころからです。年齢にして今の50歳から下の世代でしょうか?私のように建設会社にいた者は浴びるように酒を飲んでいたのですが、その頃から若手を誘っても来なくなったのです。せいぜい頑張って一次会まで。参加してもおとなしく、先輩方のおだに飲まれることもなく所在なく小さくしていて「そろそろ会計!」と言ったとたん、元気になり、「ではお先に」と脱兎のごとく帰っていく若手を見て、「もう強制的に誘ってはいけないのだな」と感じた次第です。

それでもアルコールが日本文化に根付いた部分もあり、時代時代で特定のアルコールが話題になりました。焼酎、特に黒霧島が出た時はブームだったし、ウィスキーはドラマが火付けでした。ビールはクラフトという新しい切り口が話題になりました。日本酒ブームは安定的だと思います。ストロング酎ハイは今から10年ぐらい前に「パッと飲んでパッと酔う」が流行ったこともあります。一缶130円程度と無茶苦茶安いこともコンビニの前や公園で座り飲みする若者たちの背景となりました。私も昔、若い連中から「今日は飲もうよ!」と言われ居酒屋に行くのかと思い、「どこに行く?」と聞けば「〇〇公園で朝まで飲み会!」でマジか、と思い、「ご、ご、ごめん、今日は用事があるのを忘れていた」と逃げ帰ったこともあります。

が、ここにきてアルコールが「いけてない」のは明白なトレンドであります。先日のブログでなぜ若い人は酒を飲まないのか、という問いに「酔いたくないから」と述べました。多分、これが図星だろうと確信しています。背景はいろいろやりたいことがあるに尽きるのです。ところが酒に酔うとその日の夜はほぼ無為になってしまうことも多く、それを若い世代は嫌うのです。

私の世代が麻雀が流行らなくなったちょうど切り替わりの時期でした。学生時代、私の大学の周りからは雀荘がどんどん消えており、私がつるんでいたクラス仲間は「暇だよね、タバコでモクモクする部屋で、出前で丼物を頼んで朝までジャラジャラやるんだからね」と非常に醒めた目線で雀荘に通う人を見ていました。もっと言うなら「早稲田って未だに麻雀やるらしいぜ、いけてないよな」とひたすら早稲田の文化的遅れ、いや質実剛健のそのスタイルが時代にマッチしていないと話題にしたものです。

その後、ゴルフブームになった時、私は下手だったこともあるのですが、「このブームは絶対に長続きしない」と断言していました。ちなみに私は当時、法人会員価格一次売り出し日本最高額の8千万円のゴルフ場の工事、完成後の管理をしていました。会員権の販売管理も私がしました。なぜ、流行らないと断言できたかと言えば多くの社内の管理職が月2-3回、一回2万円程度の出費でゴルフ場に通い、高価なクラブの品評会に「サラリーマン、ゴルフのお金はOBショット」と詠むほどお金が飛んでいく遊びだったのです。

こう見るとマージャンもゴルフも酒もタイパが悪い、これが共通点です。飲み会で夜更けまでだらだら飲む時代ではなくなったのかもしれません。ですが、今回、銀座の並木通りで食事をした時、夜の街に繰り出す車が並んでおり、きれいなお姉さまが同伴でご出勤されるのを見るにつけ、昭和だなぁ、と思うのであります。

若者にとっては現代社会は楽しいことが無限に広がります。そして10人いれば10人とも違う趣味があり、車座になってボロアパートで一升瓶を前に語り明かすなどというシーンはあまりにも遠い話となったのです。

国税庁の調査によると日本人のアルコール摂取量は2001年の95.4リットルから2021年に74.3リットルになったとあります。グラフを見ても長期下降トレンドを描いており、これは今後も続くのだろうと思います。

最近は私もあまり飲めなくなったのですが、飲まなくても全然大丈夫なのは寝る直前までやりたいことがあるということなのでしょう。たまにちらっとたしなめれば良しで酩酊するほど飲むことはもう一生なさそうです。

では今日はこのぐらいで

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

思ったほど盛り上がらないのが派閥裏金問題を吊るし上げるはずの政治倫理審査会を巡る動き。多分、多くの国民は気にはしているのでしょうが案外、いうほどでもない気もします。野党は当初、裏金対象者全員出席を求めていたものの5人衆の出席に「まぁいいか」。公開/非公開のバトルは続いていますが、冒頭だけチラ見せであとは非公開で進むのでしょう。以前、指摘したように野党もこの問題、あまりやりたくないのが本音と思われ「国民が怒っているぞ」と勝手に理由をつけているようにしか見えないのです。だけど脱税として税務当局はしっかりペナルティを含めた税の徴収だけはして頂かないと確定申告のこの時期、影響を及ぼしかねません。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

株はまだ上がるのか?
日本の報道も日経平均が遂に1989年の記録を超えたことを囃すものが目立ち、昨日のブログのテーマ「貯蓄から投資」ではないですが、「私もやってみようかしら」という方は確実に増えるのでしょう。北米市場は以前にも指摘したように株価指標であるS&P、ダウ、ナスダックのどれを見ても長期的に何倍にも上がっています。ただ、北米の場合には弱肉強食で大手が中小を次々買収することで早い成長を達成しており、株価も時間軸で見ると8割以上の期間は株価上昇を示します。また、お金が企業に入り込みやすい仕組みは企業の成長に大きな支援となります。

翻って日本。34年2カ月かけてようやく高値を更新したのですが、北米との違いは明白でした。それは銀行は信用できないから借りず、手持ち資金でチマチマやるでした。買収は様々な利害関係があるので敵対的買収はおろか、よほどのことがなければできない代物でした。ちなみに1985年のM&Aはわずか260件だったのです。その間、韓国と中国が大きく伸びて東アジアの経済競争は激化し、日本は失うものはあれど、地位を維持できる分野がどんどん少なくなっていったのが現実でした。その上、長期にわたるディスインフレが株価の上昇を拒んだ点はあまり指摘されません。

それもようやく改善に向かい、インフレ率は確実に好転、M&Aは22年には4304件と史上最高、23年は4015件とやや減少ですが、今後、多すぎる日本の中小企業と小型の上場企業が淘汰されてくれば世の中の絵図は大きく変化してくるでしょう。また、海外で仕事をする私から見ると日本クオリティは世界でも圧倒するレベルであり、今後さらに磨きがかかればアメリカのビジネスマインドよりも日本のビジネスマインドが世界をリードしてもおかしくない時代がやってくる気もします。そういう長期的視点に立てば株価が上がるかはともかく、日本企業の優位性に改めて焦点が当たると期待したいところです。

半導体も豊洲もニセコもバブルまみれ!?
数年後、今の世界的株価が沈静化した時、人々はそれを振り返り、「半導体バブルだったね」というのでしょうか。木曜日のエヌビディアの株価は16%上昇しアマゾンの時価総額をあっさり追い抜き去り、圧巻でした。金曜日も続伸で、マグニフィセント・セブンの順位は今年に入り、トップにマイクロソフト、そしてエヌビディアが3位に浮上とランクが変化しています。80年代後半の不動産バブル、2000年代初頭のドットコムバブル(ITバブル)、2008年ごろまでのアメリカ住宅バブルなどいろいろありました。ビットコインバブルがバブル本家オランダのチューリップバブルと比較されたのは狭い需給環境の中でそのバランスが崩れたことで暴走が起きたともいえましょう。

日本国内でも半導体バブルが熊本で発生し、人件費が急騰して「熊本物価」を形成、九州の人は「熊本詣」ならぬ「就職するなら熊本でしょう!」なのでしょうか?福岡の人も真っ青ですね。ただ、日本の局地バブルは他にもあります。東京なら豊洲千客万来バブルで約7000円のインバウンド丼なる言葉も。私の顧客のカナダ人夫婦は「昨日、うに丼専門店で食ったぜ!」と。確か1万5千円ぐらいするはずです。そもそもウニを食す外国人はまだまだ少ないはず。あの「ねちょっとした食感」にそこまで払うとは驚きです。ちなみにそのご夫妻と訪れた寿司屋で提供された「白子」には奥さんはアーメンと心で誓いながら目をつぶって口に入れていました。

現代版日本のバブル総本家といえばニセコでしょう。北米の高級リゾート、コロラドのリゾート群やバンクーバーから2時間弱のウィスラーといった一流のビレッジと肩を並べる高品質な空間を形成しつつあるようです。チャンスがあるなら一度行ってみたいものです。コロラドやウィスラーが既に完成されたリゾートに対してニセコはまだまだ伸び盛り。個人的にはあと10年は開発が続き、新幹線開通に向けて盛り上がっていくと思います。ただ、こちらも工事費などの費用が暴騰し、一部では計画中止もあるようです。ランチは3500円程度だそうですが、米ドル換算なら23砲妊船奪廚覆靴覆藥笋任眥餽海呂△蠅泙擦鵝ニセコの平均時給は1611円だそうですが、日本で一番高いリゾートの時給は岩手安比高原の1936円だそうです。バブルですよねぇ。

天皇陛下、誕生日のお祝い
天皇陛下の64歳の誕生日、皇居一般参賀は4年ぶりの制限なしで多くの方が皇居を訪れたようです。ある意味、皇居は行きそうで行かないところなので正月やお誕生日など一般参賀がある時は特別の賑わいとなるのでしょう。ちなみに宮内庁が管轄するのは皇居以外に奈良正倉院と栃木の御料牧場、そして京都御所など京都地区の国有財産管理が含まれます。12月に京都に日帰りで行った際、宇治に住む友人に「どうしても京都御所に行っておきたい」と言ったところ、数ある京都の見どころの中で京都御所を選ぶとは驚いたと。ちなみにこの友人、灯台下暗しなのか京都御所には行ったことがないそうです。

京都御所は1337年から1869年(明治2年)まで使われていたもののその後、荒れ放題となったものを明治天皇が嘆き、再建を命じたものであります。今ではこざっぱりとしているものの、だだっ広い割には他の京都の寺院に比べてインパクトが少ないのか、訪れる人もさほど多い感じはしませんでした。その点、日本に帰国するたびに参拝を欠かさない明治神宮は立地条件もあるのか、人ごみの多さ、そして外国人観光客のごった返し感にやや辟易とすることもあります。やはり、静寂に心の落ち着きを感じる方がいいですね。

ところで愛子さまが就職を発表されました。今年、学習院大学をご卒業されますが、4月から日本赤十字社に嘱託社員としてお入りになるそうです。皇族としての仕事と兼任ということで多忙な日々を送られるのでしょう。どんなお仕事をされるのか気になるところですが、上司や同僚になる方は緊張するのでしょうね。個人的には普通の組織がどのように意思決定をし、行動を起こすのか、その原動力を学んでいただければと思います。数少ない皇族の方々であらゆる公務に対応せざるを得ない現状の中、大変なご負担になるとは思いますが、素晴らしい経験となることを願っております。

後記
カナダに戻る際にふと気がついたこと。まず京成スカイライナーが満席の状態で日暮里は外国人でごった返していました。そして成田空港駅のJRと京成の乗り場付近では日本に到着した人達の電車の切符購入でとてつもない列、そして駅のアナウンスは「成田エキスプレスは満席、席は買えません!」と。「そんなこと、あるのかい?」と長年バンクーバーと通勤のように通い詰めたこの駅の激変ぶりにただただ驚くばかり。空港の制限エリアは海外からの乗り継ぎ客も含め、大混雑。バンクーバーに戻る飛行機は春節を中国で過ごした方が成田で乗り継いだのでしょう。エアカナダが中国航空に乗っ取られたような状態でした。いやはや別の意味で疲て果てました。

では今日はこのぐらいで

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また明日お会いしましょう。

ようやく生まれてきた貯蓄から投資の機運4

バブルの申し子のような私にとって80年代後半の高揚感と今の社会の雰囲気を比べると比較にならないほど盛り上がりに欠けます。先日も日本のニュース解説で専門家が「好景気な業種がある半面、個人の生活は非常に苦しい」と言い切っていました。ただ個人的にはその表現は頂けません。「非常に」という言葉は「平常よりかなりブレた」という意味ですからこの専門家が何をもって「非常に」という表現を使ったのかわからないのですが、一般ニュースの解説としては言葉には十分気をつけるべきだろうと思います。

さて私が東京に1週間強滞在した限りの実感としては「プチ好景気」だろうと思います。トリクルダウンがあったかどうかはわかりませんが、比較的広範囲の方々の表情が柔らかくなり、財布の紐も少し緩めだったと思います。「賃金上昇の実感はありますか?」「株価が上がっていますが、生活具合はどうですか?」といった街角インタビューが当たり前のようにニュースの中に組み込まれていますが、あのコメントをまともに聞いていたら9割の人は間違った印象を持ち、テレビ局の思惑のとおり誘導されてしまいます。日本人はどんなに景気が良くても宝くじで1億円当たっても「ホクホクですよ」とは言いません。控えめな表現が日本人の特性ですから。

貯蓄から投資というアプローチは過去何度かあったかと思います。証券会社が主導し、政府が旗振りをやったりと四苦八苦したにもかかわらず「やっぱり貯蓄が安心安全ね」で一年で10円も利息が付いたと喜ぶ奥様方にどうお言葉をおかけしてよいか悩んだものです。「だけど減るよりいいじゃない」と言い返されれば「ごもっとも」と言わざるを得ない日本の株価の長期低迷がそもそもの問題であったともいえるのでしょう。

その点、東証改革もだいぶ進み、外国人からみた「投資の安心安全」を提示することで海外マネーを受け入れやすい素地が出来たことは歓迎すべきなのでしょう。個人的には細かい点において不満もありますが、大所高所の見地からは投資の土壌改良ができたこと、それを踏まえてバフェット氏やアメリカの投資ファンド、機関投資家、大物ファンドマネージャーらが来日し、日本市場を改めて見直したこと、中国向け投資の不調と日本向けへの振り替え、そして世界のインフレが収まりつつあり、欧米は利下げの機運を探る展開になっていること、アメリカはこれだけの高金利にも関わらず企業業績が落ち込まず、生成AIを軸とする新たなテーマが生まれていることなどは好循環だと思います。

そして日本独自の理由としては超えられなかったあのバブルの高値に遂に到達したことが最大のメンタル上の変化になるとみています。日本人はセロトニンが少なく、不安感を醸成しやすいのですが、常にネクラ、下向き、不安いっぱいというわけではなく、お祭りになると120%以上の力を発揮し、常識やルールが当てはまらなくなることがしばしば起きるのです。オリンピックで一人が金メダルを取ると一気に「俺も、私も」という雰囲気が出来たり、高校野球で勢いに乗る下馬評になかったチームが優勝までしてしまうのは同じような心理状態に陥るからです。

日経平均が今年、何処まで上がるのか私はあえて予想をしていません。というより出来ないのは「気分次第で責めないで」というサザンの曲ではありませんが、アナリストの分析を全く無視した動きになる可能性がより強まったからなのです。私は日経平均が4万円を超えるかもしれないとは申し上げていますが、仮にそうなれば祭り状態になります。

日程的には一部の自動車会社の回答が出始めていますが、春闘全般でかなりの高額回答、満額回答が続くとみています。この平均賃上げ率がインフレ率を上回りそうです。また人材不足でバイトや非正規雇用の人たちの賃金も底上げが期待できます。「春闘は大手だけでは?」と言われると思いますが、今の人材不足の時代にバイトですら時給1200-1400円出しても見つかるかどうかです。

続いて夏の賞与があります。これも個人的にはかなり高い金額が出るだろうとみています。一方で日銀が金融政策の正常化を行うはずですが、政策金利が一気に上がるわけではなく、YCCを撤廃し、ゼロ金利への誘導を止めるところから始まるわけで突如、金利が急上昇するわけではありません。よって住宅ローンを組んでいる方への影響は軽微のはずで、心理的なマイナス要因より実質的なプラス要因の方が大きいとみています。

ところでバブルの頃、投資ないし、投機は人の無限の欲望を満たすための手段でしかなかった気もします。ゴルフ会員権や絵画などの価格の高騰は狭い市場における需給バランスの変化が価格の急騰を生んだと言えます。では今の株式投資ブームのすそ野がひろがるとすればどこにマネーは向かうのでしょうか?個人的にはビットコインと仮想通貨は引き続き高いポテンシャルを持つとみています。特にビットコインは投資対象物として一応お墨付きとなっているので今の水準から大きな展開があってもおかしくないかもしれません。

不動産は物件の立地を選べば上がるものは上がると思います。都心に近くないとダメだと思います。少子化社会に於いて需要が定常的にあるのは海外投資家の売買対象エリアである必要があります。私鉄沿線とか、駅からバス便とか歩いて7分以上になると厳しいと思います。また高級住宅地が先に価格を主導し、そのすそ野がじわっと広がる感じを予想しています。

今年は1989年から35年という節目。あの後、バブル崩壊で苦い思いをした方もまだ生きていればほっと一息つけるのが今年のマネーの動きになるかもしれません。

では今日はこのぐらいで

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日本企業の海外戦略。弱みと強みを見てみよう4

バンクーバーで32年も仕事をしていると様々な日本企業、日系企業の動向を歴史的な軸で捉えることができます。そしてその多くが敗退という点は残念な話ですが、事実でもあります。日系企業がバンクーバーで勝てない理由はいくつも挙がります。経済規模がカナダ3番目の大きさの街で常にアメリカとも比較され、ビジネス拠点として光が当たりにくいと考えています。アジアのゲートウェイだけどビジネス都市のトロント、モントリオールからは隔離されカナダの「後背地」とされた政治、経済的立ち位置など思い浮かびます。政権もビジネス寄りではありません。よって日本のようなビジネス環境を求めるには中途半端なのです。

ですが街の規模うんうんだけではなく、日本企業が勝てない理由は他にもあります。キーは日本企業が国際的感性を持っているか、社員なり駐在員なりがローカルのビジネスを取り込む意欲をどれだけ見せるのか、そこが勝負どころなのだと思います。

かつて当地でブイブイ言わせた日本の会社の多くは日本人需要に支えられたものでした。旅行関係、日本食レストラン、各種サービス事業もカナダ在住の日本人向けや日本人旅行者の間で上手く廻していたわけです。ところが日本人は中国、韓国人と違い、群れない性格なのでむしろ日本人を避けることもあるわけです。例えば当地の寿司屋のカウンターでつまんでいれば寿司屋のオヤジが会話に首を突っ込んでくるし、居酒屋から誰と誰が来ていたという話が時々聞こえてきたりします。ですので「会話を聞かれたくないなら日本の店には行くな」になるわけです。

ではカナダにずっといる日本人ですらローカルビジネスを取り込めないのは何故なのでしょうか?ズバリ申し上げると「ローカルの人って面倒くさい」なのです。この意味は客から「あぁでもない、こうでもない」といろいろ要求されることが「ウザい」わけです。おまけにうまく出来なければ文句はクレーマー並みに言われます。普通の日本人なら凹みます。

私のビジネスは売り上げ的に言えばほぼ全部ローカルの方からです。これは私がカナダに来た時から変わりません。先々週、弊社で運営するマリーナの年間係留契約の更新の書類を全顧客に送りました。今年は平均5%の値上げを提示させて頂きましたが、早い人は10分で署名された契約書を送り返してきます。そして多くはそれに一言二言、嬉しいコメントがついています。顧客は皆、私たちが大好きなのです。

なぜ好きか、といえば問題点にはすぐに対応する、なるべく予防的措置をとり、トラブルになる前に対策を施す、そして現場スタッフは全員カナダ人のベテランを揃えていることです。私は契約を、私の右腕は集金などマネー関係をやりますが、いざとなれば私たちも現場で汚れ仕事でも何でもします。そしてそれ以上に客とよく会話するのです。現場スタッフは特にそれが上手で仕事をしているのか、井戸端会議をしているのかわからないですが、億円単位のクルーザーを所有する社会的地位のある方々の信頼を得るのは自分から突っ込んでいくしかないのです。

書籍部門も確実に売り上げが伸びてきています。特に私たちは小売りもしますが、卸が主体でカナダの大学や日本語学校向け教科書はかなり強いと思います。理由はオーバーヘッド(管理費)がほとんどなく、東京に輸出会社と拠点もあるので垂直展開を図っているので安いのです。2019年末から始めたこのビジネス、教科書の卸の金額は一度も価格改定していません。輸送費が高騰したあの時を含め、全部それを吸収できるのは無理をしているのではなく余力があるのです。

企業の多くがM&Aを通じて大きくなっていき、顧客を吸い取り、中小企業を蹴散らかします。しかし、裏返せば彼らのオーバーヘッドや買収の償却に伴うコストは大きいのです。私がアマゾンと価格的に変わらない金額で提供できるのでは彼らは大量の荷物を捌くことでコストは下がりますが、マーケティングやオーバーヘッドが非常に重いわけです。それを均すと私のような弱小と変わらなくなってしまうのです。これらと比較すると小粒でそこまで人件費が高くない日系企業なら安くても利益が出る、しかも良い仕事ができるという優位性はあるのです。

ただ、それがローカルの方になかなか認識されない、それがとても残念なことなのです。潜在的には日本人と日本企業の能力なら世界で勝負できます。なのにその才能を発揮できていない、それが私の32年間見続ける海外における日本企業の現状だと思います。

では今日はこのぐらいで

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「士業」との戦い、その金額払えますか?4

私が32年、カナダで仕事をしていてコスト面で最もむかつくのは弁護士代であります。私の32年間の業務に於いて大半の取引業者は何度も変わっているのですが、変わらなかったところが2つだけあります。1つが弁護士、1つが保険の代理店です。あとは全部変わりました。

保険の代理店が変わらなかったのは理由があり、アンダーライターと私が実質的に繋がっているからです。日本では〇〇海上保険から保険を直接買うこともできますが、カナダでは法律で禁止されています。その為、代理店をかますのですが私の会社の場合には代理店は形だけで実態はアンダーライターと私の接着剤という役目です。理由は保険が特殊であることと長期間の取引で信頼関係があるからです。よってこちらはどちらかと言えば保険料に優しいので構わないと思っています。

一方の弁護士は切るに切れない関係なのです。会社の過去の問題や書類のアーカイブがあることから「忘れたころにやって来る災難」に備えて関係を維持しているわけです。既に20年近く経常的な弁護士への委託業務はなく、必要に応じて業務をお願いするオンコール的な付き合いですが、それでも先日も1行メールを2,3度やり取りしただけで12万円も請求が来ました。

私はカナダに来て3年ほどは法務の業務が主だったのでこの弁護士と密接に仕事をしてきたのですが、当初から「どうせ弁護士も書類を作るのはひな形に手を加えるだけならば自分でもそれをすればよい」と考え、ひたすら弁護士からくるあらゆる法務書類をフォーム化し、自分流に作り直したのです。なので、この20年間、私が弁護士をほぼ使わないのは自分で契約書類を作っているのです。ごく最近も40ページぐらいの契約書を自分で作っています。

私が関係した「士業」の中でもう一つむかついたのが会計士であります。その昔はデロイト、そしてKPMGと依頼先を渡り歩いたのは国際会計が要求されたからです。親会社が日本、業務はカナダとなると双方の税法を照らし合わせる必要があり、それができるのは各国に提携会計士がいる大手会計事務所がベストだったわけです。ところが税務相談にかかる費用たるや目の玉が飛び出る金額です。

そこで自分が独立した際に当時の監査人だったKPMGを切り、日系の小さな会計事務所に移しました。会計費用は3分の1になります。その頃、カナダ大手銀行から莫大なる借入金があったため、決算ごとに会計監査書が要求されました。日系の会計事務所がそれを作成、銀行に提出したところ、担当者から「ひろ、この監査人は誰だ?もっと名の知れた信用のある会社はいないのか?」と言われたのは今でもよく覚えています。いみじくも日経の「監査法人、膨らむ業務と減る報酬 『保証はコスト』の壁」という記事に「我々(=日本の監査法人)はコストなのだと再認識した。第三者による保証料ととらえる米企業と違う(大手パートナー)」とあるのですが、まさにこれなのです。つまり日系の小さな会計事務所では北米スタンダードでは「保証料にならない」ということです。

先述の保険の話で保険代理店を一度も変えたことがないと申し上げました。理由はもう一つあるのです。いざ、事故が起きた時、代理店の能力次第で保険金の支払いなどは大きく変わることもあるのです。私がお付き合いしているのは大手代理店の建設保険部で当然、そこには情報も集まっているし、保険請求も数多く生じているのです。その為にクライアントとアンダーライターをよりスムーズにする仕組みがあるのです。保険料をケチってネット保険とか、街中の小さな保険屋ですと多額の保険クレームの際に対応できないのです。私は過去、2度ほど保険の巨額請求があったのですが、助けられました。

くだんの日経の記事はクライアントと士業側の意思と期待のずれがポイントです。私もずれまくりでした。会計士の話はもう一つあります。日系のその会計士がカナダの中堅会計事務所に合流しました。毎年の会計コストは2倍以上に急上昇します。顧客の私からすると「何が変わったのだ?」であります。一方会計事務所もより細かい社内プロセスを経る必要があり、驚くほど年度決算に時間がかかるのです。私のように9月決算でも2.5カ月かかり、納税に間に合わないときはとりあえず金額を提示され、これを払っておけ、というわけです。これには怒り心頭。結局そこもおさらばし、今のオタク系カナダ人経営の会計事務所に依頼しています。早い、安い、税務アドバイスがうまいの三拍子そろって費用は以前の半分以下です。

大手上場会社が上場を止めたくなる理由の一つはその上場維持コスト。そしてそれは人に見せる数字故に余計なコストをかけざるを得ないとも言えます。それが吸収できるならよいですが、新興企業にとってそれは莫大で経営の足かせにすらなりえるとも言えると思います。

では今日はこのぐらいで。

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逃げる中国人4

「国、貧すれば民、とん走す」。こんな言葉はありません。私が今思いついただけです。「とん走」という言葉を敢えて使ってみたのはこの言葉には2つの意味があり、逃げるという意味の他に自分の過去を忘れ去るという意味が内包されているからです。

だいぶ前ですが、カルガリー在住のある日本人男性と接したところ、当時、日本を出て20年ぐらいだったはずですが、日本語を全く喋れなくなっていたのです。その間、日本にも行ったことがなく、日本の思い出もあまりない、というわけです。まさに「とん走」であります。ちなみに「棄民」という言葉は国家が民を見放す行為であって自分から出ていくというより「棄てられた」場合を言います。以前、私のことを「棄民者」と言いつけたコメントがありましたが、これはそもそも使い方が間違いであります。

1997年の韓国危機の際、韓国を脱した若者は多く、その後、落ち着きを取り戻した後も国外脱出を考えている韓国人は多くなっています。私の韓国人の友人の一人はサムスン電子で97年の危機の際にリストラされた優秀な男でした。家族そろってカナダにきて自分で警備会社を立ち上げ、私と協業して自動車のナンバープレートの認識装置をカナダでほぼ初めて導入するプロジェクトをやったこともあります。彼は社長として今では安定し、すっかりカナダ人になってしまい、韓国系のイベントに行けば必ず出席していて、よもや話をします。彼らの年代、つまり97年頃に30−40代前半だった人達の国家への危機感は想像以上のものがあります。

さて、中国の経済不振ぶりは目を覆うほどになっていますが、当然、14億人を食べさせるだけの経済の回転が効かなければ日々の生活に行き詰まるのは目に見えています。1月19日のブルームバーグに「中国脱出する富裕層やミドルクラス−移民で世界の風景一変、緊張も」という長い記事が掲載されているのですが、2月13日には日経が「米国境に中国移民10倍増、現地ルポ 熱帯雨林を踏破」と題して、まさに現地のルポ調査をしたこれまた長文の記事があります。ブルームバーグの記事の一節に「自由への憧れ」とサブタイトルをつけ、「シンガポールやアラブ首長国連邦(UAE)に高級物件を購入する資産家から、密入国請負業者の助けを借りて米国・メキシコ国境を越えようとする貧困層まで、中国からの移民はさまざまだ」と記しており、日経のルポ記事はこの後段の部分に焦点をあてた形となっています。つまりブルームバーグの記事の方が全体像が良く見えるわけです。

それによると中国国家は流出する移民数を発表していないが国連調査で19年までの10年間の平均は年間19万人が、この2年(20−21年、つまりコロナ規制の時期)は31万人を超えたとあります。さらにある調査会社によると今後2年で更に70万人が国を出ると予想しています。

ブルームバーグの記事が比較的富裕層で海外移住をして心機一転ビジネスをして生計を立てるというのに対して日経のそれはまさに棄民、難民のような話です。そもそもどうやってアメリカ国境までいくのかと思えば、タイ経由エクアドルに飛び、そこから車でコロンビア、更に船と徒歩でパナマ。再びクルマでメキシコに入り、アメリカ国境まで行くというすさまじさであります。

当然、記事はアメリカの国境警備隊に捕捉された人々を取材したもので、この人たちが果たしてアメリカに難民申請できるかは微妙な気がします。なぜならトランプ氏は絶対に許さないし、バイデン氏も不法難民がどれだけ悩ましいものかようやく理解し、国境の壁づくりを進めているからです。ましてや中国人となれば「難民申請が通った」などと言う噂を聞きつけただけでとてつもない数の中国人が押し寄せるのは目に見えています。

さて、ブルームバーグは中国人が世界にその新天地を見つけていると報じているのですが、サブタイトルに「沖縄」という項があります。そこには「事業に500万円を投資した人に居住権を与える『経営・管理』ビザは、中国人に人気がある。昨年1−9月にこの方法で日本に入国した中国人は2768人で、22年の年間記録2576人を上回った」とあるのです。その中で、沖縄における中国人人口が増加し、裕福な中国人コミュニティも出来つつあるというのが沖縄ということなのでしょう。ですが、池袋の中国人村の膨張ぶりも凄いです。

さて、この経営管理ビザは法務省のサイトには「本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動。該当例としては、企業等の経営者・管理者」とあります。では500万円とは何かですが、自分で会社を立ち上げる際の資本金500万円の話ではないかと推測します。ただ、これは2015年の入管法改正で撤廃されているのですが、たぶん、ビザ申請の際に「元手」の確認をされるということかもしれません。

500万円でビザは安いな、と思うのです。しかもそれは資本金であってカナダやオーストラリアのように億円単位の資金を訳の分からない僻地の事業への投資ビザのような話とは違います。沖縄は中国から近いこともあり親和性もあるでしょう。日本の入管はこれを500万円を100倍ぐらいに引き上げないととんでもないことになると思います。

難民問題は今や地球規模の問題であり、国家が民を支えられなくなり、民が自由を選ぶ時代になってきたのかもしれません。かつて生まれた国は宿命であると考えれらていましたが、生まれた場所は変えられなくても育つ場所、生活する場所は変えられる時代になったと言えるのでしょう。中国はこれらとん走する中国人を放置プレーするのか、新たな規制を加えるのか気になるところです。

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岸田首相は「空気」か、「神」か?4

岸田内閣の支持率が低下の一途を辿っているようです。この週末の朝日新聞の調査では1月調査の23%から2ポイント下げて21%、不支持率はほぼ横ばいの65%、一方、毎日新聞の調査は何故か突出して悪く、支持率は1月調査の21%から7ポイントも下げ14%、不支持率は72%から10ポイント上昇の82%と報じています。主要各紙やNHKなどの世論調査と比べても毎日新聞の調査結果は統計学的に有意に飛び出しており、調査結果への信ぴょう性に疑問符がつき、データとしての存在価値はないとみています。

それにしても岸田内閣はここにきて存在感がより低下したという気がします。タイトルで「岸田首相は『空気』か」と書いたのは必要だけどその存在感がないという意味です。一部の辛口読者の方は「必要もない!」と仰るでしょう。ただ、問題は「では誰なら満足しますか?」という問いにほとんどの方が答えられないのです。国民人気とされる「小石河」、あるいは上川外相というのはあくまでも人気タレント選びに近い話でその実力や手腕は未知数です。おまけにご本人の能力が高くても党内の勢力地図や駆け引き、官僚などとの関係、さらには「大御所」らの支援の有無といった複雑怪奇な「政治」が渦巻くのが永田町です。個人的には党本部の執行部を歴任することが重要なキャリアになりつつある気がしており、今すぐではないですが、先々、小渕優子氏がガラスの天井を破る最初の人材になると思っています。

ではタイトルにつけた「神」とはどういう意味か、と思われるでしょう。ここは私の独断と偏見なのでお許しを頂きたいのですが、今の株価の原動力は岸田首相故の理由ではないかと思っているのです。「えっ?」と思われるでしょう。説明します。

欧米はウクライナとイスラエル問題で団結も出来ず、分裂し、それが大きなイシューとして国内で議論されています。当然ながら各国の政治課題でもあり、2024年の選挙イヤーに様々な憶測と力学が生まれます。それらと地政学的に遠い日本というということもありますが、世界をうろつく投資マネーが投資先選びで躊躇するという可能性を見ています。

ご承知の通り、今、中国から欧米のマネーがどんどん撤退しており、まるで潮の満ち引きで言う干潮のような状態になっています。理由は中国政府ひいては共産党の一声で中国での投資環境が一夜にして逆転するリスクがあるからです。同様にアメリカもトランプ氏が大統領になれば4年間築いたバイデン氏の国内経済基盤がトランプ氏によりことごとくひっくり返されるオセロゲームになり、企業側はそのリスクを読み切れないのです。

となると「聞く力」を発揮しているつもりでも岸田首相は魑魅魍魎な政治力学の中で泳いでいるのか、泳がされているのかわからない状態で何も大きな変化は起きない、故に企業も国民も欧米に比べれば安心感があるはずなのです。

例えばイスラエル問題の影響はイスラム系のマネーの行方です。特に中東のオイルマネーだけでもファンドの規模は610兆円あるとされます。それらが世界をうろつく投資マネーに変化するのです。そんな中、イスラエルを支持するアメリカにはイスラム系マネーは流れにくくなります。中国は前述のようにリスキーです。もう1つはファンドの運営にはつねにバランスを重視するポリシーが存在します。株価が上昇しポートフォリオ上のバランスが崩れた場合、それをリバランスするわけでアメリカ向け投資は既に果実の収穫時期にあるはずなのです。一方、投資額的には日本向けはずっと低かったのです。よって何も起きない日本は安心感が漂い、リバランス後の資金が廻るという仕組みになりやすいのです。

宗教論を出すつもりはないのですが、日本は多神教であり、無神論者主体という極めてユニークな国家であります。一方、世界の大半の国家は宗教に縛られているのです。故にどの一神教にも属さない日本はピュアホワイトともいえ、投資資金を振り向けやすいとも言えます。

岸田首相は欧米追従としながらも全方向外交です。日韓の関係が大きく改善したのは岸田氏の功績でしょう。安倍首相はメリハリと白黒をつけるタイプ、それに対して岸田氏は常に中間色で片方には寄り過ぎることはないのです。これが逆に少なくとも日本の高株価を生んだ、とみています。

評価とは見るところ次第なのです。あとはそれに気がつくかどうか、であります。これを読んで「そうか!」と思って頂く方はきっと株で存分儲けて恩恵がある方かも知れません。

しかしながら将来も岸田首相になってもらいたいと思う人は確か1%といった水準で次の芽は厳しそうですが、案外、このふわふわ漂う空気の感じが日本人の性格には合っているような気がしないでもありません。

では今日はこのぐらいで

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また明日お会いしましょう。

食にまつわるあれこれ4

私はグルメではないので語る資格はないかもしれませんが、少なくとも人間である以上、毎日何らかのものを口にしているわけでそれなりにこだわりはあると思います。こだわりは各自の感性の問題でそれが標準化されるものではないですが、大きなトレンドはあるのでしょう。最近思った食にまつわるあれこれをいくつか綴ってみたいと思います。

カナダの牛肉
大手スーパーの精肉コーナーの牛肉は1ポンド(454グラム)あたりで20法2200円)前後と以前より相当高くなりました。こうなるとメンタル的に手が出ないことが多くなります。メンタル的というのは買って買えないことはないけれどそこまでして毎週食べなくてもよいだろう、という気持ちの芽生えであります。一時期言われた牛はSDG’s的にはよくないとか、そもそも北米で牛肉の消費量が大きく減っているなどそれらの情報に影響を受けていないとも断言できません。不思議なのは時々行く中華系の肉屋(数軒)はどこもほとんど牛肉を扱っていないのです。豚が主流で鶏がちょっとあるだけ。

顔なじみの一つであるステーキハウスのバー。バーテンダーが「ひろ、今日のスペシャルはブタだ!」。こんな調子でステーキハウスなのに牛肉以外の肉の提供が増えているのです。数年前は客でごった返していた大型店のこの店も空席が目立つようになり、日によっては「大丈夫かな?」と思わせるのは価格が上昇しただけが理由とは思えないトレンドチェンジを感じさせます。

ビールは流行らない?
数年前までのクラフトビールブームは何処に行ったのでしょうか?やはり行きつけの一つのクラフトビールバーも最近はめっきり客が減っています。この店はビールなら1000円ぐらいですが、ワインだと1800円ぐらいするので否が応でもビールを飲ませる仕組みになっています。それでも客が来ないのか、日曜日の夜のビールは一日中700円、それでも客はポツポツ。一時期、高アルコール度のドリンクでパッと酔ってパッと帰るという話もありましたが、それもありません。なぜだろう、という問いにある人は大麻があるでしょ、と。個人的にはいくら合法だとしてもビールを飲まなくなったのは世界的トレンドと思われ、それは主因ではないと思います。私になりに思うその理由はずばり「酔いたくない」のだと思います。

なんだもんじゃ
カナダ人夫婦のご接待で本人たちの希望もあり、この時期に東京湾の屋形船ランチに行ってまいりました。この屋形船、てんぷらではなくてもんじゃ食べ放題だったのですが、私ももんじゃなどほとんど食したことがなく、スタッフに聞きながら見様見真似で土手を作り、中に汁を流し込み…とどうにか形にしました。私はおいしいと思いましたが、やっぱりカナダ人の口には合わないのか、あまり手が伸びず、野菜焼きやソーセージがうまい、うまいと。

浅草あたりで買い食いするのは一口、二口程度だから驚きの味と思うのでしょう。これがランチなりディナーのメインコースとなるとそれはまた別腹なのでやっぱり普段食べているスタイルの食生活がお望みのように感じました。以前、別のカナダ人夫妻が東京でステーキが食べたいというので松坂牛だったか、非常に高級なステーキ屋にお連れした時も初めの数口は感動していましたが、最後、あのサシの脂身が重くて食べきれず、ジャパニーズビーフの印象がイマイチだったのは今でも後悔の念に駆られる思い出の一つです。

進化した寿司
私の長年の友人が経営する知る人ぞ知る西麻布の寿司屋に7−8年ぶりに行きました。器類からこだわりぬき、おちょこは切子グラス、皿なども全部カスタムメード。それよりも圧倒されたのは寿司職人が生み出す包丁わざとプレゼンテーションで2時間ちょっとのエンタテイメントを堪能させて頂きました。寿司ネタの一部に熟成ものを多く採用し、またマグロ一つにしてもどこで獲れた何キロのマグロというネタの詳細情報に思わず引き込まれました。

横に座っていた友人は「どう、7−8年前と比べてだいぶ変わったでしょ?」と。寿司職人は寿司を握るだけではない、見せるのだ、いや魅せるのだというショービジネスを感じました。寿司職人は10年修業しなくてもできるという意見もありますが、この手の店はやはり職人技が光ります。ちなみに私を担当してくれたのはこの道26年のベテランに安心すら感じたのでありました。まさに衝撃の寿司一夜でした。

日本に来ると確かに食のレベルはすさまじいものがあり、圧巻です。これがあるからカナダでレストランに行きたくなくなるのです。とはいっても美食三昧で足のつま先がピリピリと痛風になるのもカンベンなので程よいところでカナダに引き上げた方がカラダによさそうだ、と思う次第です。

では今日はこのぐらいで

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

アメリカ大統領選挙の注目点の一つにトランプ氏の財布があります。あれだけの訴訟をかかえ、最高水準の弁護士団への費用だけでも何十億円を湯水のように使っています。今般NY地裁から一族の資産管理会社の資産水増しによる不当利益に対して罰金530億円他様々な罰則が科せられました。トランプ氏のことですからどうせ上告するのでしょう。しかし、カネはかかるのです。選挙活動費も夏までには枯渇するとされます。調べたわけではないですが、トランプ氏がいくら金持ちだと言っても実態としてはもう借金大魔王ではないかという気がします。化けの皮を被り続けられるのか、見ものです。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

バブリーな日経平均はバブル時を超えるか?
日経平均が一時、史上最高値にあと50円と迫るところまでやってきました。正直驚きです。専門家は年初、今年は38000円ぐらいまでという予想は並んでいましたが、史上最高値をつけると読んだ人は少数派でした。ましてや2月の中旬にそこまで達するとは誰も想像していなかったはずです。ということは目標達成で一服する可能性は高いと思います。ただ、中国から引き上げた投資マネーをアジアで運用し続けたい投資筋や再度のインフレ懸念を抱え始めた北米市場と比べ、東京市場は規模的にも安心感的にもちょうどいいわけです。

物色の範囲も指数相場からやや広がりを見せており、グロース市場の株価も反応し始めており、好循環になってきています。10−12月決算を見る限り善し悪しが明白に出ていますが、好決算を提示した企業へはマネーが集まる形になっています。3か月前の決算期にこの項でソニーより楽天と申し上げたのですが、これはドンピシャだったと思います。つまり投資はリスクテイクそのものなのです。ただ、いくら何でも今の日経平均は上げ過ぎだし、スピード違反です。一旦、最高値を付けた後、反落し、調整に入り、その後、4万円を探るのでしょうか?

ただ、経済全般を見ればそこまで手放しというほどでもない気がします。また、個別の日本企業は小粒すぎて海外の機関投資家が直接的に売買しやすいのはせいぜい300銘柄程度でしょう。そうなれば代わりに指数、例えば日経平均そのものに投資することでリスクをヘッジすることは可能でしょう。となれば指数がリードし、現物の株価が後からついていくという現在のシナリオに整合性があるとも言えるのです。このあたりはテクニカルであり急騰しやすい反面、急落するリスクもあるので要注意かと思います。

「次元の異なる少子化対策」は発想の次元間違い
批判が多い児童手当の拡充を含む少子化対策の改正法案が閣議決定し今国会に提出の見込みです。財源として公的医療保険に上乗せ、当初数百円でその後500円程度となる見込みです。首相は公的医療保険が将来下がる見込みでそれとの相殺だから国民負担はないと言っています。お年寄りからは児童手当より老人手当をくれ、といった街の声も出るなど財源を医療保険を通じて確保する姑息なやり方に岸田氏のステルス増税をする増税メガネの真骨頂であります。財務省のポチなのは自身の党内勢力地図を考えれば麻生派をしっかり取り込まなければ自身の立場はないという立ち位置がそうさせるのでしょう。

しかし、それ以前に少子化対策に児童手当とか3子いる家庭の大学授業料無料など何が何でも手当をつけて子育てが所得の邪魔にならないようにすることが正しい政策なのでしょうか?何度も言うようですが、これは子育てに経済的不安を持つ家庭への問題解決提示でありますが、支援金⇒子供を産むという直接的な動機にはなりません。「ないよりまし」程度です。今週もあった子供の虐待で両親が逮捕されたケースなどを見ても必ずしもお金の問題ではなさそうです。むしろ親が子育てそのものが出来ないのです。もちろんあのような事件は極めて少ないのだと信じていますが、それにしても親が親たる能力を持ち合わせていない点に着目すべきでしょう。

少子化の本当の対策は子供が欲しいと思わせる環境づくりです。その一つが大人の生活習慣の変化です。日本のようにモノがあふれ、娯楽やエンタテイメントが何処でもある社会が生まれると適齢期の人たちは家庭を作るより自分たちが楽しみたいという世界に走るのは当然です。そしてスマホに常時接続状態の人々の生活習慣が家庭中心ライフ、子供をつくるといった発想に至らなくなるのです。終戦直後は日々の生活にも飢えていたのに子供を作りたいという人たちが多かったおかげでブーマー族が存在したのです。少子化対策は必ずしも経済的に恵まれることが必要条件ではないことに気がついてもらいたいものです。

「学び直し」は静かなブームになるのか?
皆さんは小説でもビジネス本でもよいですが、読み終わった書籍はどうされていますか?私はジャンルごとに図書館や本屋のように本棚に並べており、2度読み3度読みしやすいよう仕分けしてあります。なぜ、繰り返し読むのか、と言えば1度目と2度目はまるで印象が違うからです。そして「こんな内容だったかな?」と思うこともしばしば。つまり、1度目はいかに粗く読んでいたかばれてしまうのです。教育も同じで「もしも今、もう一度高校教育を受けるとしたら?」と想像するだけで「何も覚えていないぞ」という焦りが出てくるわけです。

ある大学の先生と話をしていて「リカレント」の話題になりました。その大学でもリカレント教育に力を入れているようです。私の母校もこのところリカレントプログラムが増えてきています。何しろ我が母校にはいろいろな意味で有名な教授陣が多く、話題になった方ゆえに話を聞いてみたいと思う訳です。多くは3か月ぐらいの講座で数万円ぐらいの受講料になっています。残念ながらリアルのクラスのようなので私は参加できないのですが、極めて良い傾向かと思います。

参加できるなら3食抜いてでもそれらの講座に出てみたいです。理由は知への欲求と過去不充分な知識で宙ぶらりんになっていたものをある程度のレベルにまで引き上げたいからです。つまり「知っているつもり。だけど実際は薄っぺらなものだった」という部分を改めたいわけです。最近読んだ本に「日本書紀」と「古事記」の比較で政治的陰謀を問うものがあり、藤原不比等が自己都合で描き上げた「日本書紀」は事実を表していないのではないか、といった話題には私はつい飛びついてしまい、関連本を買ってきてはその時代を調べてしまうのです。まさに学び直しです。楽しいです。

後記
昨日、行きつけの美容室に行った際、店長の奥さんが呟きます。「株価が上がっているんだって?さっき来たお客さんなんて髪の毛やっている間、ずっとスマホで株価見ていたわよ。儲かるのかしら?新NISAってやるべきかしら?」と。10年以上通ってきましたがこんな話題を振られたのは初めてです。つい思い出すんですよね、NYで1929年の大暴落前の靴磨きの少年の話とか日本のバブルの頃に株式占いで巨額融資を受けた料亭の女将、尾上縫の話など。そのうち、新しい格言が出来ますよ、「美容室で株の話が出たら相場はピークだ」と。

では今日はこのぐらいで

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強気になった北朝鮮4

安全保障という観点で世界を見た時、戦後の和平バランスが取れた時代から明白に変化しつつあります。ウクライナ問題とイスラエル/ハマス問題はその典型ですが、一部の国家指導者は和平の我慢をしなくてもよいと思うようになり、力による誇示を示すことに価値観を見出そうとしているように感じます。

朝鮮半島の和平バランスも同様かと思います。北朝鮮は長年貧しく、西側諸国からの制裁も厳しく、国民は耐え忍び、軍部は不満を抱える中、若かった金正恩氏は国家指導者として試練の日々でありました。が、金氏が変わり始めたのが何故なのか、明白なるきっかけはわかりにくいのですが、自身の性格がそれまでの守りの姿勢から攻めの姿勢に変わったことは事実です。

その一つに中国の北朝鮮に対するグリップが甘くなったことがあるとみています。かつては北朝鮮は中国の傘下ぐらいであり、北朝鮮のヤンチャも中国という親の前では静かにせざる得ず、中国も飴とムチ的な政策で北朝鮮を手なずけていました。が、習近平氏が金正恩氏に手を焼き、興味が失せたのは昨日今日ではなく、感覚的にはトランプ氏が金氏と何度か会談をした時代から徐々に進んでいったとみています。また、金氏も中国を目の上のたんこぶ扱いで「触らぬ神に祟りなし」的な距離を置く政策を取ってきました。

そこにウクライナ戦争のよる特需が生まれ、北朝鮮が「好景気」になったことで金氏をより強気にさせたことは間違いないとみています。日経によるとロシアがウクライナ戦争に使用する武器、弾薬は北朝鮮から相当量を調達しているとしています。また、金氏にとって自国で作るそれらの兵器がどれだけの威力を発揮するのか試験することが出来、将来的に権威主義国家向けの兵器の大供給網を確立することすらできるのです。

この自信は23年末の党中央委員会総会での韓国との関係を平和的解決手段を探る努力から転換し、敵対国とみなすと発言することに繋がります。更に奇妙なのは能登半島地震の際に岸田首相あてにお見舞いのメッセージを送ったことが話題になりました。かつてそんなことはあり得なかったのです。まだあります。妹の金与正氏が個人的見解と断った上で日本が拉致問題を出さないならば岸田首相の訪朝はあり得ると述べたのです。この談話が2月15日です。これは驚きで一体北朝鮮に何が起きているのか、更なる疑念が生じない訳には行かないのです。

一番単純な見方としては日韓の「良好な」関係を切る為ではないかとされます。つまり、北朝鮮が日本に対して「囁き」をすれば日本としてはすぐに反応しなくても岸田首相は自らの外交能力に自信を示し、「ぜひともそのチャンスはつかみたい」と食いつくだろうとみているわけです。仮にその餌に釣られて北朝鮮にでも行けば厚遇される一方、尹錫悦大統領との「蜜月」とも言える関係にすきま風が吹くことはありえましょう。

一方、アメリカ大統領選でトランプ氏が当選した場合、面識がある金正恩氏は確実にトランプ氏に祝電を打ち、再度面会の機会を探るものと思われます。その間、プーチン氏は3月の大統領選後に訪朝する公算は極めて高く、北朝鮮が大国の外交の拠点として一気に注目されることもあり得るのです。とすれば中国も黙っているわけにはいかず、習近平氏の訪朝を検討せざるを得なくなる、そうすれば金氏にとっては極めて都合の良い外交展開となるわけです。

東アジアの貧しい権威主義の小国が世界の大国の首脳がやって来る国家となり金正恩氏の北朝鮮内での評価は天に届くほどの高さとなり、国民と軍部の信頼を一気に勝ち取れるわけです。これが金氏の勝利の方程式であります。

当然ながら日本が恐れなくていけないのは北朝鮮向けの戦後補償の問題であります。これは今まで何もしていません。仮にその話が出てくるとすればその額たるや天文学的金額になりえるのですが、「時効」という発想が出来たとしても日本が拉致問題で押すレベルとはまるで違う次元の交渉となるはずです。この点からすれば実務的にも現実的にも日本は内心近寄りたくないはずです。但し、政治的にポイントゲットしたい岸田首相はその手中にはまるかもしれません。

そもそも外交関係がない訳で、そのルートは長年北京経由でした。が、北京経由の外交がうまくいかないならば本来ロシアルートを探らねばなりませんが、ロシアは既に日本向け制裁リストなるものを作っているわけでそんな外交ルートはないに等しいわけです。

強気になった北朝鮮は今後、日本にとって頭痛の種になるはずです。この手の問題は一部の報道に留まっていますが、個人的には日本に直接影響がでる最重要な外交イシューになるとみています。

では今日はこのぐらいで

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経営の引き際、永守重信氏のひと区切り4

ニデック(旧日本電産)の永守重信氏が5人の副社長の中から岸田光哉氏を後任の社長に選びました。永守氏は今年80歳になりますが、その後任選びについてはこの10年、躓き続けました。そして少なくとも過去は任せた「社長」や候補者を見事にこき下ろし、それらの方々は退任どころか会社を去って行きました。例えば吉本浩之氏、関潤氏がそうでした。第4代社長となった小部博志氏だけは永守氏にとって番頭でもあり、戦友でもあったので処遇は違いましたが、経営に対する厳しさについては日本を代表するレベルでしょう。

ただ、長年の永守ウォッチャーである私が見る限り、氏の神通力は過去のものになったな、という気がします。そして当の本人もそう思っているはずです。最大の読み違いは中国のEV向けモーター事業でまさか、中国がこれほど経済全般でとん挫するとは予想できず、また中国におけるEVの需要に変化の兆候が出るとは思わなかったのだろうと思います。

永守氏は自身の経営手腕を株価と比較することが多く、決算発表の際、株価下落に対して社長の手腕を厳しく断じてきました。が、現在の同社の株価はピークからざっくり1/3となり、その昔は株価が10000円を切ったことでカッカしていたのが今ではしょうがないとあきらめの境地にあります。ニデックの株価がおおよそ15000円をつけたのは21年。つまり中国でのEV向けモーターに期待と夢が膨らんでいた頃でした。株価というのは現在の業績に反応すると同時に将来のプランに対する期待から先行して買われる要素も重要です。その点、当時のシナリオはEVは今後自動車のデファクトスタンダード⇒使用するモーター需要も拡大⇒ニデックは中国向けに傾注⇒恩恵が期待でき、株価上昇というストーリーだったわけです。

私が零細ながらも経営者である一方、地球儀ベースでの社会、政治、経済、トレンドなどを語るのは地球全体を俯瞰しなければ経営は目先を追うだけになると考えているからです。このブログで持論を毎日展開するのはあっていようが、間違っていようがまずは意見を述べる、それに対して皆様がどう考えるか参考にさせて頂くと同時に時がたって「あの時、ああ述べたのは果たして正しかったのか?」という反省と振り返りをするためなのです。つまり私はブログを書きっぱなしにするのではなく、自分の考えの変化も含め、時間軸のトレンドを見ているのです。

EVについては先週の「つぶやき」でちらっと書きましたし、そこに今日の議論の的は当てませんが、トレンドと経営判断を的確に予想するのは極めて困難であり、永守氏ですら読み切れなかったとも言えるのです。ただ、私が敢えて言うなら軌道修正は出来たのかもしれないと思っています。

さて、今回の5人の候補者の中からの社長選び。実はその記事が出た23年6月に5人の候補者を眺めながら「自分ならどうするだろう」と何度か考えたことがあるのです。5人は銀行出身者が3名、純粋な意味での製造業が1名、もう一方はどちらかというと教育者です。また年齢区切りという見方もあり、60代前半までが3名、後半が2名でした。永守氏の好みからは製造業がわかる岸氏が有力なるも車載部品担当であり、今回一番悩みの種となった部門の責任者であるゆえにどう判断されるのか、気になっていました。もしも岸氏でなければりそな出身の大塚氏が年齢も若いしやり手である点で評価されるかもしれないと思っていました。

岸氏の人事について私は永守氏は結局、安心安全を選んだ、とみています。特に銀行関係者をトップに選んだ場合、銀行間の駆け引きが非常に面倒になり、経営の統率が取りにくくなるのです。例えば私が勤めたゼネコンはいわゆるメインバンクを大手銀行2行が50:50の関係であった「ダブルメインバンク」という聞こえは良いけれど実は一番面倒なパタンで破綻したという事実があるのです。

さて、永守氏の記者会見に「遅くとも28年4月までに『なにも仕事しない名誉会長になるのではないか。時々会社に来てお茶を飲んで帰る。(理事長を務める京都先端科学大の)大学運営にも関わる』と見通しを語った」(日経)とあります。京都先端科学大学では私が昨年講演をしたこともあり、今でも密接にやり取りをしているのですが、家に郵便物があり、封筒を見ると「学校法人 永守学園」とあります。なるほど、単なる理事長ではなく自分の名前の冠をつけた学校法人としたのか、と思うと氏の教育へのシフトを感じるのです。

それでよいと思います。永守氏の経営スタイルは昭和の中でも一番厳しいスタイルを貫きました。今の時代、若者にコトの善悪すら教えない大人が当たり前になり、子供という腫れ物には触らない親すら普通です。ところが私が京都先端科学大学に伺った際、学園内を職員の方が案内してくださったのですが、廊下ですれ違う学生が私に頭を下げたり挨拶をするのです。「なぜですか?」と職員の方に聞くと「永守さんの教えです」と。非常に感銘を受けました。大学で学生に挨拶をしてもらえるなんて日本何処に行ってもないでしょう。そういう意味で永守スピリッツは今後も形を変えながら磨きをかけてもらいたいと思っています。

では今日はこのぐらいで

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トランプ氏の外交4

もしも日本政府が輸入品の関税を一律10%にし、特に中国製品は60%にし、海外企業による日本企業への買収をしにくくし、脱炭素化も「けったいなこと」とし、TPPやQUADを止めて二国間協定に変えようといったらどうしますか?国民の過半は狂喜乱舞しますか?私は凶器乱舞で大混乱が起きると思います。

私も国際人の端くれとして様々な人の様々な意見を吸収するチカラはあると思っていますが、トランプ氏がまたやって来ると思うと気が重いのです。前回、大統領になった時は想定外の当選で本人も好き勝手な放言をした状態で大統領に就任しました。その点で大統領としての手腕は素人であったのです。ところが今回、仮に当選すると確信犯として政策の転覆を図るわけです。そしてトランプ氏の支持層である保守派の多くは高等教育ではなく、それこそ自分の住む州から外に出たこともなく、ニューヨークの摩天楼はテレビでしか知らないという人たちに「外交?なんだそれ?それより俺の生活だろう」という心の叫びをトランプ氏が「俺が聞いてやる、俺が実現してやる」というわけです。

直近の報道でNATOの加盟国に向け「軍事費を適切に負担しなければロシアが攻撃してきても米国は支援せず、むしろ『好きに振る舞うようロシアをけしかけてやる』」と述べています。背景はNATOに加盟する31カ国のGDP比の国防費負担が十分ではないことがあります。目標は2%ですがそれに達しているのは半分以下。しかもトランプ氏は2%ではなく4%ぐらいにしないとダメだと主張し、出来ないなら防衛義務は果たさないというわけです。

この理論、はっと思い出した方もいるでしょう。トランプ氏が大統領時代、韓国と日本に向けて発した防衛費負担増額の話と全く同じなのです。トランプ氏の気持ちを代弁すると「お前らは皆バカだ。軍備拡張をするためのルールを作るのではなく、問題解決を図る算段を考えることが大事なんだ。だから俺はウクライナ問題は一日で解決すると言っただろう。お互いが意地の張り合いをするのではなく、ディールをすれば早く安くうまく解決できるのだ」と。

この心の内が正しければ東アジアの危機も「ロケットマンは俺に任せたら言うことをすぐに聞くぞ」「中国も時代に合わない思想と制限をしたから恐竜時代の滅亡と同じ末路を辿るのだ。図体がでかい者はより強くするために自国を守らねばならないのだ」と。

トランプ氏が大統領になるかどうか、これは分かりません。私はまだその確率は半分以下だと思っています。理由は国民の過半ともいわれる無党派が誰に投じるか次第だからです。そして無党派の声は聞こえてこないのですが、私の見方では消極的理由でバイデン氏に入れるのでしょう。理由は中流階級はそこまでの激変効果を求めていないと思われるからです。アメリカは成熟国家なのです。そしてアメリカに生まれ育ち、生活することに高い誇りを持つ人にとって諸外国との関係は直接にせよ、間接的にせよ何らかの関係はあったりするものなのです。私はその人たちが最終的に「現状に保守的な選択をする」とみています。アメリカは政変を求めるほど不安な経済状況ではないのです。敢えて言うなら社会不安はありますが、トランプ氏の外交ではアメリカは今より不和になり、貧乏になる公算はあると思います。

ビジネスでもそうですが自分の思い通りにならないことはあります。よってfail safe (失敗時の安全策)のback up plan(代替案)は用意するべきなのでしょう。日本、カナダ、メキシコは影響が大きいと思います。その密着度が高いからです。基本的にはトランプ氏の言うなりになるので振り回される覚悟は必要です。特に経済と安全保障、東アジア外交には大きな影響が出ます。

経済は輸出関税を要求されそうです。問題は中国が60%で他国が10%である場合、中国はすでに行っているう回輸出を強化するはずです。アメリカがそれを見過ごすかどうかで変わるでしょう。USMCA(アメリカ、カナダ、メキシコの貿易協定)はトランプ氏が作っただけにこれには手を付けない可能性があるのでカナダとメキシコからのう回輸出が激増するかもしれません。とくに中国はメキシコに多額の直接投資をしているので構図が変わるかもしれません。

安全保障はNATOについては上述した通りでロシアとディールをしようと画策しているような気もします。ロシアに恩を売り、その見返りを求めるのです。最大の焦点はイスラエル政策ですが、これはイスラエルへの強力な支援を掲げ、ハマスなどイスラム原理主義に関係する人物のアメリカ入国拒否を既に口にしています。これらの外交政策にアメリカ国内での世論が大きく揺れる公算があります。

東アジア外交については金正恩氏が戦争時には韓国を支配下に置き、統一すると断言したので韓国人の民意が大きく変化するかもしれません。韓国総選挙を控え、中道左派が再び騰勢を増すかもしれません。トランプ氏は「半島のことは半島が決めること」と突き放すこともありうるでしょう。台湾海峡については興味ないと思います。トランプ氏はそれよりも中国の不公平で不平等で不正直な姿勢に対峙するというポジションを取り台湾に焦点を当てた話は二の次にするとみています。

トランプ氏の外交は予想は難しくないのですが、「そこまでするか?」というチカラが人々を圧倒し、唖然とさせ、「出来ないなら…」と厳しい条件を突き付けられることに各国の政治家も自分が傷つきたくないので言いなりになるのです。トランプ氏は人生において後がないのです。プーチン氏とその点は似た者同士にある中での選挙戦だという点がポイントかと思います。

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物価高の主因、労働生産性の改善を4

企業が儲かるかどうか、コスト面で見て一番わかりやすいのは社員が生産性のある仕事をしているかどうかであります。こういうと語弊があるかもしれませんが、勤務時間で9時から5時まで全く気を抜かないで全力疾走している人はいますか?少ないと思います。例えば現場の人は手待ちや移動時間があります。本社などに勤めている人は不毛の会議が延々と続き、様々な社内の人とのやりとりもあるでしょう。

私はシェアオフィスに入居しているので30社ぐらい入っているのですが、まじめに仕事をしている会社もありますが、かなり手抜きしてお茶タイムばかりやっている会社もあります。労働生産性が高く、手抜きしたらクビになるリスクがあるカナダですらこのレベルです。

私の会社はキーエンスの利益率を楽勝で超えます。私が支援している介護事業の会社もキーエンスまではいかないけれど介護事業では最高水準の利益をたたき出しています。理由は会社が筋肉質だからです。私たちは何にいくら使ったか全てわかっています。例えば経理に「3か月前に使ったあの500砲世韻鼻帖廚箸い┐弌屬修譴蓮察纂劼泡あい濃箸辰燭笋弔任垢諭廚判峪に返答が来ます。ITよりも早いのは経理はキーパンチャーではなく、どの業者になぜそのお金を払うのか見ており、我々が数字を把握しているからなのです。ということは会社のお金が誰にどう使われたかが管理されているとも言えます。

我々は「戦闘集団」かもしれません。しかし、一般企業の利益率2-3%とはまるでレベルが違うのは結局、労働生産性と各自の責任分担とやる気のコンビネーションなのだと思います。大手企業に入ってしまえば会社全体がどうなろうが、社長の顔を忘れようが給与を貰えます。上司に言われた業務だけを必死にやり、時として仕事をやっているフリをします。大きな会社に行くと社員がパソコンに向かってシャカシャカ必死に作業をしているシーンがあるかと思います。多分ですが、あの業務は3割落とせると思います。パソコンの作業なら効率が高いはずなのになぜ一日中パソコンとにらめっこするのか、こちらが聞きたいです。

今、最終の仕上げに入った建築中のグループホーム。一部の植栽が竣工条件になっており、5本の木を植えるのに工事管理業者が私に75万円の見積もりをよこしました。「ざけねんじゃねぇ!寝ぼけているのか!」と突っ返してしまいました。何故か、と言えば木のコストが一本いくらぐらいか、運賃がいくらで、植えるのに何時間かかりそれがいくらか積み上げれば逆立ちしてもそんな数字にはならないのです。焦った管理会社は他の見積もりを取り始めます。私はどうせできないだろうと高をくくり、弊社の出入り業者に見積もりを取ったら20万円強。工事業者には「そこはこちらでやるから手を引け」と指示をしました。

正直工事のやり方全般を見ていると業者のコストは15%、作業効率が15%の合計30%の費用は落とせたと思います、私のやり方をすれば、です。ただ、私はそこに時間を割けないのです。だから多少のサービス費用という名目の「下手料」をばら撒かないと出来ないのは分かっているのでそんなにきつい予算編成はしなかったのであらかた枠に収まったわけです。

日本生産性本部が出している日本の労働生産性を見て頂くと一発でわかるのですが、就業者一人当たりの付加価値額の推移をみると驚くことに1995年から2022年までほとんど変わっていないのです。つまり、従業員が稼いでいないわけです。特に下がっているのがサービス業で顕著に悪いのが飲食業です。目も当てられないぐらい下がってしまい、コロナから回復できないのです。

海外との比較でみると就業者一人当たりの労働生産性は日本が81500砲紡个靴謄ナダは106000法▲▲瓮螢は153000砲妊薀鵐的には日本はOECD内で29位です。もちろん、為替の問題はあります。がそれでも低いと言わざるを得ないのです。

原因も分かっています。日本はクビを切れないこととチームワーク主体だからです。その為に大手企業は子会社関連会社を何十、何百社と抱え、そこに出向転籍させるという技を使うことで本体を一定の質に保つという見せかけをします。50代半ば以降の年齢層はどれだけ一流企業に入社しても今頃は関連会社で本体とは永久の別れの人がほとんどのはずです。

この日本独特のやり方について善悪は問いません。それは日本の根幹に触れるからです。では海外ではクビが切れるのになぜ物価が高いのか、と言われればこれも簡単だろうと思います。企業の要求レベルに対して労働者の質が均一ではなく、特上でもないからです。マネージメントは日本より論理的で効率的ですが、その下は別世界なのです。先ほど工事業者の例を出しましたが、それを最高水準まで直接管理すれば3割のコストカットできると思いますが、私が一人でそれは出来ないのでしょうがなく上乗せ費用を払っているということです。これが今の物価高の主因だと思います。

これが改善できないかぎり世の中の物価は上昇する一方だし、労働生産性は伸びないということになります。給与を上げたい会社があるなら今の3割高を提示することさえできますが、従業員には飴とムチということになるでしょう。そこはわかっていただかないといけません。アメばかりのおいしい社会は存在しえないのです。

では今日はこのぐらいで

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また明日お会いしましょう。

日本人は海外で本当に活躍できるのか?4

先週号の日経ビジネスの特集は「アジア出稼ぎ日本人 人材大流動時代に生きる」と銘打ち、主にアジア、オセアニア地区で活躍する日本人若者を捉える一方、ベトナム人が日本に来なくなっていると報じています。この記事は前向きな記事なのか、後ろ向きの記事なのか、読みながら悩んでしまったのですが、記事の担当者は前向きで書いたと述べています。

記事ではラーメン店、寿司、トリマー、美容師といった手に職を持っている人がアジアの国々で仕事を見つけ、日本で働くよりも高い報酬を得ているという記事でこれは半年から1年ほど前に話題になった「海外の方が稼げる」というブームの流れが続いているものと思われます。

一方、日本人の技術が評価されるのは確かなのですが、ラーメンや寿司は日本そのものでシンガポールやタイの方にお願いしてもそれは難しいでしょう。トリマーについては実は弊社のテナントにペットショップがあり、そこに数多くの日本人トリマーが働いています。店主は「日本人は安定しているからよい」と高評価です。この安定というのは必ずしもスキルを意味しているのではなく、時間通り出社し、突然の休みも少なく、3か月で「私、辞めます」と言わないという意味での安定感です。

同様にやはり弊社のテナントに大手タイ式スパ店があり、そこも日本人従業員が3割ぐらい占めます。15年ぐらい前にオープンしたての頃はタイの方がたくさんいたのですが、最近は日本人を含め非タイ人ばかり。人材不足もあるのでしょうが、日本人は接客が上手なのです。それと優しいので顧客満足度が高いようです。スキルが特上ではなくてもそのあたりで経営側も顧客側も満足するのです。

つまり、ラーメンでも寿司でもトリマーでも美容室でもスパマッサージでもそこそこは出来る、それ以上に店の運営上絶対に欠かせられない安定感があり、信頼度が高い、これが日本人評価の6−7割だと思います。私も長年、日本の若者たちと接してきているのでこの分析には自信があります。

とすれば日本人は海外で本当に活躍できるのか、といえば個人的にはそう簡単じゃない、と申し上げます。それでも日本人が海外に渡れば稼げるのは物価水準と業務の効率性が理由だとみています。たとえば私が支援している介護ビジネスでも日本人の看護師経験者ならフルタイムで働けば35万円ぐらい稼いでいます。ローカルの人も雇っていますが、長続きしない、さぼる、休む、クレームがあるなどで散々なのです。

日経ビジネスの記事を読むとまるで日本人は神の手のような気にさせるのですが、そうじゃないのです。実際、私は日本人を月に7−8人ぐらいをコンスタントに面接していますが、最近は合格率が下がっていて、採用する人は半分程度です。日本人だって全員がレベル高い訳じゃないのです。

海外に出てくる日本人、特にカナダには女性比率が8割ですが、多くは人生の中で経験値を高めたいという方が多く、海外での仕事の経験を生かして日本で活用したいという方がほとんどです。かつては語学力が主たる理由でしたが今では自分が日本でやってきた仕事を海外でやるとどうなるのか、という自分への修業的な目的が増え、良い傾向が見られます。

正直、語学を目的に来られてもどこに照準を置くか次第ですが、個人的にはあまり意味がないと思います。理由は海外に来ても深い英語を話すことは少なく、1年すれば日本に帰り、英語との縁はほぼ切れるのです。時々若い人に意地悪な質問をします。「英語、話していますか?」「はい、学校の友達と」「それはもしかして韓国人やブラジル人?」「そうです」「カナダ人と話したことある?」「先生以外はほとんどありません」「家では?」「ホストファミリーはフィリピン人でほとんど話さないです」。

日本人の若者が海外に出る理由の大きな理由の一つは賃金格差ですが、もしも日本で物価水準が修正され、賃金が末端まで上昇するようになり、円高時代が再びやってくれば海外に出るモチベーションは下がるかもしれません。一方、人生の経験値を求めて海外に出たいという野心を持った人はどんどん出た方がよいでしょう。

ところでカナダは学生ビザの発給数が多すぎてそれら海外学生を受け入れる住宅が圧倒的に不足する事態となり、今年、突然カナダ政府が今後2年間、学生ビザの発給を35%減らす、と発表しました。海外に出たいけどその枠組みに入ることが今後、難しくなるわけです。アメリカはそもそもワーキングホリディ制度がない訳で北米への若者の足掛かりはやや難しくなりそうな気配です。

今後、日本人の若者に求められるのは更に研ぎ澄まされた世界に通用するスキルであり、それをプレゼンテーションするぐらいの能力とノウハウを持ち合わせることだと思います。とても難しいことですが、それをやりぬいてこそ、日本人が海外で本当に活躍できる時代が到来したとも言えるでしょう。

では今日はこのぐらいで

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また明日お会いしましょう。

定年退職後はヒマを持て余すのか、充実できるか?4

私の同期が続々と年齢理由による退職となっており、「退職後、どうしているんだい?」と聞けば一様にそれなりに忙しくしていると答えます。ここバンクーバーに私の高校2,3年の時のクラスメートの女子がいて、先日新年会で顔を合わせた際にCAをやっているので「まだ飛んでいる?」と聞けば、「飛んでいる」と。辞める気はサラサラなさそうで大卒以降、40年間飛び続けたその魂は根性なのか、惰性なのか、人生の一部なのか、価値観なのか、議論はありそうですが、結論は「結局、クラスメートであと3年後も働いているのはうちらだけかもねぇ」であります。

竹中直人が2017年頃主演した「野武士のグルメ」というドラマがあります。定年退職後、家にいてもしょうがないので昼食グルメで上手いものを食べ歩くという話だったと思います。なぜあのドラマが印象に残っているのかといえば定年退職後、男は家庭=妻に邪魔者扱いにされるのか、という議論があった中で「おぅ、そうか、竹中もやっぱり日中はグルメと称して外に出ざるを得ないのか」と奇妙な納得をしたからです。

「ぬれ落ち葉」という言葉をご存知でしょうか?日経に「定年は意外と楽しい 脱・カイシャが促すひとり消費」という記事の中に出てきた一言です。申し訳ないですが、私は知らなかった言葉です。意味を確認すると「仕事も趣味も仲間もなく、妻に頼りきって離れようとしない定年退職後の男」のことでぬれた落ち葉が地面にこびりついてなかなか取れないことが語源とか。定年退職した男を落ち葉と表し、母なる大地ならぬ妻の根城にしがみつく男は「稼ぎもないなら図書館にでも行ってちょうだい」と言われるのがおちなのでしょうか?

定年退職後の人生は1960-70年代ぐらいまではせいぜい5-10年程度でした。日本の年金制度の設計もそれが前提だったのです。なので65歳定年で85歳まで生きられると設計年齢を2-4倍超過するし、女性の平均年齢は90歳に届きそうで実際に健康生活を心がければ男性も女性も90歳代は普通に元気な生活をができる時代になっています。昔の90歳は生きているけど座って縁側でひなたぼっこがせいぜいだったのが、今では普通に街中で活動しているのです。おまけに北米に比べて歩行器や車いすの方が少なく見える気がするのは出たがらないこともありそうですが、絶対数が少ないのだと思います。つまり健康なのです。

人生の選択はもちろん個人の裁量ですが、余命からみる定年は75歳まで引き上げても良い気がします。もっとも北米のように定年という明白な仕切り線を作らず、自分の判断で50代でFIREしても良いし、死ぬ前日まで仕事をしてもよいでしょう。年金設計であるひとが元気に活動し、判断能力を備えているという前提が死ぬ5−10年前までだとしたら75歳という目安は悪くない考え方かもしれません。

健康維持が日本人の間では特に意識されていることは重要です。私は医者から言われたこともあり、アルコールはたまにしか飲まなくなりましたが、慣れてくると気にならなくなりました。砂糖の塊だったクッキーを低血圧の私が目覚めるために朝食代わりにしていたものをオートミールに変えた時は「人生の末期」かと思いました。それぐらい不味かったのをいろいろ工夫をして最近は普通に食べています。

今、哲学の本を読んでいるのですが、スマホに縛られて、ぼっとする時間が無くなった現代社会という著者の主張に自分は一日のうち、いつ自分だけの誰にも邪魔されない時間を謳歌しているかと考えたのですが、ありました。1時間フィットネスをしている時です。特にトレッドミルの上で30−40分ほど走るのですが、好きな音楽を聴きながら走っている時、ひたすらいろいろなことを考え巡らしています。つまり足は駆け足、頭は思想に没頭するわけです。一石二鳥ですね。

定年退職後も自分に刺激を与え続ければよいわけでそれは趣味でもよいし、アルバイトでもよいし、人との接触でもよいでしょう。私のようにブログを書くのはインプットした情報や日々の出来事、考えたことをまとめるという意味で極めて有効な脳の刺激になると思います。普通、自分でテーマを決めて白紙の上に文章を書くのは相当大変だと思います。コメントは楽なのです。誰かのネタにちゃちゃを入れるだけですから。白紙の紙を前に原稿用紙3枚、毎日、1時間以内で書く癖をつけるのもまた乙なものです。

それを「かったるい」「それをして何になる」と言われればそれまで。そして定年後の生活はだれも強要しないのです。だれもルールも決めないのです。午前中ずっと寝ててもいいし(老人には寝るチカラがなくなるので不可能なことですが)、パチンコや麻雀でもいいのです。死ぬ前日に「俺の人生」を垣間見た時、「ありがとう」といって永眠できるかその価値観と満足感だと思います。

では今日はこのぐらいで

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

世界の巨匠、小澤征爾、逝く。本当に残念です。日本の財産、世界の財産でした。ガンを含め長いこと病との戦いをされていました。小澤氏は音楽の世界では日本の存在がまだ薄かった欧米で才能を開花、カラヤンやバーンスタインといった巨匠との縁が氏をさらに大きなものにしたと思います。誰もやっていなかった欧米で挑戦、そして自身で切り開いてきた道は音楽の世界だけではなく、人間小澤征爾としての評価をすべきでしょう。近年は若手の教育にも力を入れていたとのこと、やるべきことを全うされたと思います。素晴らしい生き様でした。合掌

では今週のつぶやきをお送りします。

株価に騙されるな、危険のフロスに気をつけよ
日経平均が一時37000円を大きく超え、株式市場では強気の声が聞こえてきます。ですが、市場をよく知る人なら冷たい目線で見ているはずです。木曜日の日経平均は743円上げました。しかし上げた株は584銘柄、下げたのが1013銘柄です。翌金曜日は日経平均34円高に対して上げた株が565銘柄、下げた銘柄が1048銘柄です。以前から何度も申し上げているように今は指数相場で日本の景気全体を表しているわけではないのです。極端なことを言えば木曜と金曜の株価上昇はソフトバンクG効果が大きいのです。決算もあるのですが、子会社のアーム社の決算が評価され株価が一日で一時60%を超える上昇をして90%のアーム株を所有するソフトバンクGの含み益が増えたことが大きいのです。

アメリカの株も過熱感が高まり、一部ハイテクについては明白に上げ過ぎでエヌビディアがアマゾンの時価総額に接近しており「スピード超過」とされます。一方でニューヨーク コミュニティ バンクコープ(NYCB)が商業不動産向け融資の引当金を積み増し、配当を下げ想定外の赤字決算となり株価が大暴落しました。パウエル議長も金融機関の歪みが起こりうる可能性を指摘しており、地銀業界については昨年と同様の展開となるのか注目です。雇用統計にまだ出てこないですが、大手ハイテクはリストラを強固に進めており、AIなどが職を奪う形になりつつあります。とすれば3月ぐらいからやや深めの調整に入る可能性はあるとみています。

日本については気になるのが為替でこれを書いている時点で149円台半ば。日本の3連休で取引が薄くなるので一気に150円台をつけるとなれば「円安祭り」をしている場合でもないと思います。一方日銀は3月ないし4月に政策変更をする公算が高く、市場は大きく振り回されるとみています。日本の倒産件数は1月が前年同月比28%増の700件で個人事業主や中小の自主廃業を含めればかなり厳しい数字です。日本でも弱肉強食と主役交代が進んでいると言ってよく、コロナのゼロゼロ融資の返済の行き詰まりを含め、まだら感が非常に強い2024年前半の経済が見て取れます。要注意です。

まだ断言はできないが、クルマの売れ行きは明白に変わった…
カナダの業務用でトヨタ シエナ ハイブリッドを購入しようとディーラーに電話をしたら笑われました。「そんなの、いつ納車できるかかわからない、だけどクラウンなら在庫はあるぞ!」と。知り合いのクルマ屋に聞いたらミニバンのような売れ線ではない車種は製造も納車も廻ってこないから2年待ちだと。とはいえ、何もしなければ永久に買えないのでコネを使って早めに廻してもらうよう画策しました。私がGTRを買った時でさえ1年待ちぐらいだったのに一体何なのだろうと思います。アメ車には似た車はありますが、ハイブリッドではないのでそれはダメ。今はハイブリッドにこだわります。

実はハイブリッドのクルマが大リベンジをかけているのは中国だけでなく、欧州、そして直近のフォードの決算にもみられたように明らかに世界でクルマの売れ線に変調が感じられます。ハイブリッドと言えば日本のお家芸で圧倒的強さをここから見せそうです。聞こえてくるのはEVの使い勝手が必ずしも便利ではなかったこと。テスラの評価が下がっているのはEVしかない同社の企業戦略が時代の流れにマッチしなくなった場合のリスクであります。EVについてはBYDが市場を侵食しており、アップルとサムスンのスマホ戦争の二の舞すら感じられるようになりテスラの収益も圧迫しそうです。

クルマがどのように進化するのかについては紆余曲折がありそうと申し上げたと思いますが、EVが環境問題に照らし合わせ政治主導で進められたのに対してハイブリッドは欧米で上手く作れないことから「そんな車はダメ」という烙印を政治的に決定したのでした。が、消費者は必ずしも政治主導で補助金まみれのEV政策に「そこまで熱くなれなかった」のでしょうか?クルマをどのように使うか、ガソリン代が生活費に響くほど乗るのか、週末ドライバーなのかでもずいぶん変わるでしょう。ハイブリッドはチョイ乗りなら経済的であることから消費者の判断はそこにあったのかもしれません。このトレンドはまだ断定はできないですが、確実にその兆候は見て取れます。

窮地に陥るゼレンスキー氏
ウクライナ問題については私は戦争の悲惨さとは別にやや冷めた見方をしてきました。それは開戦してしばらくしてから見えたプーチン氏とゼレンスキー氏の意地の張り合いが「親子喧嘩」のようにしか見えなかったこともあるでしょう。何度か浮かんだ休戦調停の話も両者の掲げる条件が問題解決に何一つ助けにならず、これは「根気比べ」になるなとみていました。案の定、欧米は「支援疲れ」が明白になります。欧州は先日、8兆円規模のウクライナ向け支援を決めましたが、これは前線向けというより後方支援、つまり国家再建への支援なのです。

一方、ゼレンスキー氏側から聞こえてきた「醜聞」が国民人気が高かったザルジニー総司令官を解任したこと。ウクライナは大統領選挙が本来であれば3月に行われるところでしたが、戦争中ということで休戦まで延期する公算が高いようです。その大統領選、国民の下馬評はザルジニー氏を88%を信用し、ゼレンスキー氏は62%に留まったのです。大統領選に誰が出馬するのかを論じるのはまだ早いですが、ゼレンスキー氏もプーチン氏と同様、大統領選に向けてライバルを無力化しているような余裕があるのかと聞いてみたいものです。

戦争は持久戦。プーチン氏は自身の3月の大統領選に向けて余裕の様子。昨日、元FOXテレビのホスト、Tucker Carlson氏がプーチン氏と開戦後初めてメディアと単独の2時間インタビューを行っています。インタビューそのものはメディアが「プーチン氏、カールトン氏にウクライナ戦争を講義(lecture)」と叩きまくっており、プーチン氏は明らかにリラックスした会見でした。その中でトランプ氏が大統領になったらという質問に「俺はトランプさんとは知り合いよ」と軽く答えています。客観的に見るとプーチン氏が勝つというより私はゼレンスキー氏の粘りがもう限界まで来ている、そのように見えてしまいます。

後記
来週水曜日から8日間東京です。今回もちっとも楽しくない超過密スケジュールで新宿区、渋谷区、港区、江東区に千代田区にしか行きません。コンベンションで商談もあるし、国をまたいだビジネスディール、更には教育関係の会議も2本あります。過密と言えばエアカナダのクルーが嫌がるのが東京便だそうで、理由は狭い機材で客は常に満席で忙しすぎるからと。客の大半は日本に行くカナダ人と中国に向かう中国人。理由は中国直行便がほとんどないので東京で乗り継ぎです。そりゃクルーだけじゃなくて客も窮屈なんですよ。

では今日はこのぐらいで

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異流を取り込め、企業運営の新しい形4

私のように80年代初頭に大学で経済や経営を学び、社会に出て実践をし、バブル崩壊後には「本業回帰」という言葉がもてはやされた経験を積んだ人間にとってこの5-10年の経営のスタイルの変化ぶりに「学問も経営も流行なり」と言わざるを得ない気がしないでもありません。

これも学んだことが全く役立たなくなったという話ではなく、変化しつつある社会を理解することが重要だということです。哲学における「概念」とは知識と思考の組み合わせだとされますが、知識は学問として取り込むものの思考を通じてそれが絶対不変の正解ではないことを悟るのです。

ローソンをKDDIがTOBすることになりました。その報道は驚きもなく淡々としたものであります。なぜなら出来レースだからです。ローソンは三菱商事が50%強の株を持ち、KDDIも2019年にローソンと業務提携をして以降、2%強の株主として君臨していました。一方、三菱商事は2017年にローソンを子会社化するもののその後の業績は下降一辺倒。21年には17年の利益の1/7ぐらいまで減ってしまい、コンビニ3社では最下位となり、天下の三菱商事としては「出来の悪い子供」であったわけです。昨年KDDIに「ローソンに少しテコ入れしてくれないか?」という話を三菱商事から持ち掛け、今回のTOBに至っています。

裏話としては実はもう一つ別の会社が絡んでいたようですが、昨年末に突如「撤退」され、しょうがないのでKDDIと二社連合になるようです。三菱商事がKDDIに期待するのはスマホとのリンクなど、テクノロジーとの掛け合わせであろうことは容易に想像できます。

話は脱線しますが、楽天の三木谷社長が「よせばいいのに」という声を無視して第4の携帯会社に驀進し、少しずつですが、アカウント数を増やし、プラチナ周波数も取得し、最大の山場は乗り越えつつあります。三木谷氏が狙ったのは楽天商圏であり、おもちゃ箱をひっくり返したような楽天のビジネス網をひとくくりにするスマホ技術による連携を進めたいのでしょう。三木谷氏の思想は非日本人的で独特の世界観があります。誰もやっていない世界に向けて爆走しているため、世の批判だらけなのですが、結局今回のローソンの話を見ると三菱商事でさえ行き詰まったコンビニ経営にKDDIを取り込むことで打開を図るのは三木谷思想に似ているともいえないでしょうか?

北米で事業を見ていると事業推進方法が二手に分かれる傾向が見て取れます。1つは従前からある専業の深掘りで同業他社を買収し、マーケットシェアを高める戦略。もう一つが異業種や「業際業種」を買収、出資、提携などを通じて自社に取り込むという方式です。「業際業種」についていうと、かつては垂直展開として川上から川下までを自社で全部取り込む方式でした。かつてのシャープにその傾向がありました。電気自動車業界では電池を自社で内製するなど外注を極力減らす形態で事業を伸ばす方式が注目されます。中国BYDはその典型です。一方、テスラは保険会社を取り込むという「水平の業際」まで手を伸ばしています。

私事で申し訳ないのですが、不動産事業、つまり「箱ものビジネス」を生業としているのですが、箱を作りそれをお客様に売るなり貸すなりした場合、市場価値以上の付加価値はありません。例えばアパートを建ててもこの場所でこの広さなら相場はいくらと決まっているわけです。その相場を乗り越えるには付加価値を創造する必要がありました。そこで10年前からシェアハウスをやり6年前からサービスアパートメントをやり、3年前から通常のアパートにある付加価値を乗せる方式を取っています。これは日本の事業で、カナダの事業ではもっと継続的に既存物件に投資をして付加価値の創造をし、いわゆる近隣相場で最高水準でかつ顧客が絶対に離れないビジネスを生み出しています。

それは不動産事業者の枠組みを超える意気込みなのだと思います。基本は日々のオペレーションにどれだけ自分が入り込むかです。マリーナも駐車場もストーレッジ業も全部自社運営しているところに強みがあり、顧客が求めるものを常に先取りするのです。

同じコンビニのニュースが並ぶ中、セブン傘下のイトーヨーカドーについて日経が「窮地」とし、「再出発の『カギ』にぎる創業家」と題した編集委員記事を掲載しています。セブンについては昨年の西武そごう売却でドタバタぶりを見せ、いよいよ次は本丸イトーヨーカドーの処遇であることは誰にでもわかることです。セブンは明白には言わないですが、売りたいのでしょう。ですが、買い手がつかないほど弱体化させてしまったのです。つまり、セブンはコンビニ事業に力を入れるあまり、異流、業際業種を完全放置プレーにして価値を遺棄させたわけです。私から見れば創業家なんて鍵を握っているようには思えません。伊藤家はそんなタイプの家系ではないのです。買いかぶりもいいところだと思います。よってセブンだけを考えれば早急に切り離すべきで、イトーヨーカドーとすればセブンは愛もないし、人材も金も突っ込まないのが目に見えているので古女房にすがらずにさっさと再婚相手を見つけるべきなのです。

時代の風は日々、変わってきています。学問や経験で安住している時代ではないのです。私もふと思うことがあります。あと100年生きられたらもう少し面白いビジネスが出来たのになぁ、と。生まれ変わったら何になりたいか、って。そりゃ、ビジネスマンに決まっています。リベンジです。もっと面白いビジネスをしてみたいと思います。それぐらい楽しいのです、この仕事。

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日本製鉄のUSスチール買収は出来るのか?4

(このネタは一昨日に既に書き終えていて早くアップすればよかったのですが、今日になってメディアはこの話題で盛り上がっています。メディア情報による書き直しはしていませんのでよろしくご理解の程、お願いします。)

日本製鉄が昨年USスチールを買収することで合意したとのニュースは様々な余波を生み、アメリカ国内、そして挙句の果てにアメリカ大統領選のネタにまでなっています。トランプ氏は極めて明白に買収を否定しています。果たしてこの買収が認められるのか、考えてみたいと思います。

日本製鉄の剛腕社長、橋本英二氏が社長としての最後の大仕事となったのがこの買収合意でした。橋本氏はこの合意を見届けた上で自身の社長辞任、会長への就任を発表、社長には現副社長で橋本社長自ら「私をはるかにしのぐ知力と胆力の持ち主。脱炭素では世界の鉄鋼業界のエンジニアを集めてもかなわない」(日経ビジネス)と言わしめた今井正氏に譲ります。但し、橋本氏は引き続きUSスチール案件を今井氏と共に担当する予定です。その橋本氏は今回の買収について1月11日の社長交代の記者会見の際、「11月の大統領選挙までに結論が欲しい」と述べています。これは橋本氏には当然計算ずくのことだったと思います。

買収発表時には既にトランプ旋風が吹き荒れ始めており、仮にトランプ氏が再び大統領になるような流れとなれば「反対!」と声を上げることは予想出来ました。なぜ、トランプ氏は日鉄によるUSスチールに反対なのでしょうか?ズバリ、氏は「アメリカ版国粋主義者」だからです。いわゆる国家主義者とも言えるでしょう。トランプ氏が大統領だった際、アメリカ企業のレパトリ(国内回帰)を訴えました。そして強いアメリカをまた作る、と言い続けているのです。

トランプ氏は弱者救済を戦略の一つに掲げているため、アメリカの弱体化した鉄鋼業界の労働者を守るとすることで自身の選挙対策にしたいわけです。非常に読みやすい話です。では、鉄鋼業界の労働者は日鉄に買収されることでクビを切られるなどのリスクが顕在化するのか、あるいはアメリカ企業よりも派手にリストラ断行をするのか、と言えばにわかには信じられません。但し、橋本社長は儲からない高炉を止める英断をし、トヨタにケンカを売るなど日本人離れした発想があるのでここは断じることはできません。

一方、日本とアメリカは長年の安定したアライアンスの関係にあり、この買収が国家安全保障上の問題になるとは思えないというのがワシントンの基調であります。ただ、アメリカ人が日本人に買収されるのが好きかどうかは別問題なのです。これは表現をするのにやや躊躇しますが、アメリカ人は自分の上に日本人がいるのは嫌なのです。人種差別というよりアメリカは常にNo1でなくてはならないという意識があるのです。これは野球を見ていてもいかにして日本人にタイトルを取らせないようにするか、巧みに邪魔をしています。これと同じです。

一方、産業界はどうか、といえばブルームバーグによれば取引業者や需要家は歓迎とし、従業員も同社買収で名乗りを上げていたクリーブランドクリフスに比べて雇用ははるかに安定的とみています。

よって今回の日鉄のケースは政争の具とされる可能性が高いのです。では、バイデン氏はどう見ているのかというと2月2日に組合がバイデン大統領からpersonal assurances(個人保証)を貰ったと発表しています。ただし、この個人保証が何を意味しているのか、バイデン氏も買収阻止に走るのか、労働者の雇用を守ると言っているのか判断できない状態です。

ではお前ならどうするかと聞かれれば、私が社長なら以下の戦略を取ります。

 USスチールと鉄鋼業界の組合に日鉄が雇用の確約を入れ、今回の買収が平和的であること。また長期的にUSスチール、ひいてはアメリカ鉄鋼業界に最新の技術をもらたし、アメリカ自動車業界などの長期繁栄につながると申し入れ、組合とコミュニティラインを作り上げること

◆.丱ぅ妊鷸瓩慮朕擁歉擇鮹簡櫃掘▲丱ぅ妊鷸瓩隆蕕鯆戮気覆い海箸鮠魴錣貿禺審査を速やかに進めてもらうようバイデン氏に伝えるとともに議員へのロビー活動を継続すること

 岸田首相の4月のアメリカ公式訪問の際に岸田氏からバイデン氏へ働きかけをしてもらうこと

ぁ.肇薀鵐彁瓩惱餞覆鯀り、トランプの政争の具にさせないこと

ァ.丱奪アッププランとしてUSスチールの持ち株会社への移行を検討し、日鉄がUSスチールの直接のオーナーではなく、持ち株会社を通じた所有形態にしてアメリカ人の感情を和らげる策を念のため検討すること

Αゞ極楴卍梗身がアメリカで直接交渉に臨むこと

サラサラ書きましたが、なかなかこれは大変な作業なのです。ただ、橋本/今井体制なら強力であり、可能だろうと思います。むしろこの話が大統領選で潰された、というのは禍根を残すことになります。その為にも一企業同士の話ではなく、政府間のサポートを期待したいところです。岸田さんもアメリカに飯を食いに行くだけではなく、お国のために汗をかいてもらいたいところです。

では今日はこのぐらいで

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国民はそれでも自民党がお好きなのか?4

「不思議な日本」の一つに歴史的にこれだけ不祥事を重ねてきてもやっぱり自民党が与党である理由は何かであります。この極めてシンプルな疑問は私が外国に住んでいるからでしょうか?自民党が好きな方に「Youはなぜ自民党を支持?」と聞けば「なんだかんだ言っても安心安全よ」というのかと思います。「安心安全」という言葉は小池百合子氏が大好きな標語でもありますが、この言葉の背景には「挑戦」も「改革」も「改善」も「新しい未来」も内包されません。過去何十年もやってきたやり方を変えられては困る、それだけなのです。

例えば今、iPhoneを使っている人に「今、その携帯を別のブランドに変えられますか?」と聞いたらどうでしょうか?あるいは「もう20年も住んでいるその家、そろそろ引っ越したくないですか?」とか、「同じ会社で同じ仕事、同じ月曜が始まり、同じ日曜で終わる、そんなパタンを変えたくないですか?」など問いかけてもたぶん「いや、今ので満足しているから」というのが大方の答えだと思います。

自民党の派閥解消が進みました。しかし、私は「どうせ、派閥を解消してもまた何らかのグループがすぐできる。理由は政治家なんて一人で仕事は出来ないのだから」と申し上げました。その中で私が以前から主張している「自民党を割れ!」という意見していますが、遠いような気がします。

日本の政党は自民一強が長すぎて野党が全然育ちませんでした。自民に近い国民民主や維新も支持率を見るとレベルが違いすぎます。ましてや「日本保守党」(百田新党)は駆け出しの頃は大人気で今度の新党は期待できるという意見が並びましたが、私は「青い!」と心の中で叫んでいました。結局、風前の灯火でしょう。ちなみに高橋洋一氏が最近、百田新党への期待がしぼんでいるような発言をしており、設立頃には旗振り役のようにすら思われたのに「あれ?」であります。

なぜ、新党はダメなのか、といえば「何その新党?信用できるの?」「どうせ、1人とか2人しか当選しないんでしょ」であってマーケティングでいうアーリーアダプターがほとんどいないのです。また、商品のマーケティングはマーケターの都合で短期勝負で一気に攻められますが、政党は選挙の時しか攻められないのです。

もう一点、申し上げると官僚機構と政治の密着度であります。日本の省庁は前例主義であり、新しいチャレンジはしません。閣僚会議で指示が出ればやりますが、いかんせん、新しいことが苦手なので何をやらせても「へたくそ!」の一言です。コロナ対策で各省庁が右往左往したことは記憶に新しいところです。これをお読みの皆さんが大っ嫌いな河野太郎氏は省庁の姿勢に風穴を開けようとした点では評価すべきでした。ですが、自民党の原理的右派の人は「あいつは親中派だ」であとはどれだけ功績があろうが、努力しようがゼロ点なんです。それ以上に官僚からは氏はもっと嫌がられるのでしょう。何故ならやったことないことをやらせるんですから。

「国民はそれでも自民党がお好きなのか」という題目に対してズバリ答えは「大好きです。だって変なことされるよりいいじゃないの」なのです。「河野太郎さんとか、いろいろやっているけれど何をやらかすかわからないでしょ?それなら王道の既定路線から一歩もはみ出さない人の方が良いのよ」になるのです。なので最近は無名の大臣ばかりで閣僚の名前がほとんど分からなくなっていますが、「目立たないことはいいことだ!」なのです。

2月5日の日経の「核心」に「自民党に明日はない」という記事があります。これ、なかなかの力作です。私が興味深く読ませて頂いたのは1976年ロッキード事件を契機に「河野氏ら党内の中堅・若手の6人が自民党を飛び出し、新自由クラブを旗揚げした。自民党は選挙に敗北、新自クはブームをおこし17人が当選した」というくだり。そして自民は派閥解消するかに見えたが、それは福田派だけであとは政策集団、政策研究会で復活、更に1986年、新自由クラブは解散し、自民党に合流したとあります。

記事は更にリクルート事件、東京佐川急便事件と続き、いったんは自民党の分裂につながったとあります。この編集員記事はそれでも当時は若手議員が党を割る力を見せたが、今回はそれすらないとし、今の議員を「羊の群れ」と評しています。そして「ほとぼりが冷めると派閥は復活するにちがいない」と結んでいるのです。

もしも私がかすかな期待を寄せるのであれば過去3度の自民党大事件から時代が変わり、党のグリップがかつてほどではない点であります。つまり「羊の群れ」ならば「どんぐりの背比べ」とも表せるわけで、羊飼い不在になりつつある現状がより混とんとさせるのであります。二階氏の実権は何らかの形で終わるでしょう。麻生氏がそれに代わってその座に就くはずですが、私が知る麻生氏はそんなわからずやではないと理解しています。

いっそのこと、自民党という名前を変えるだけでも情勢変化のきっかけにはなるでしょう。

日本に変化を求めていないもう一つのキーはアメリカだろうとみています。アメリカだけは戦後、一貫して日本に完全なる自由度を与えない「神の見えざるチカラ化」となっている点は良い意味でも悪い意味でも全ての日本人が理解をしておくべき点でありましょう。

では今日はこのぐらいで

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また明日お会いしましょう。

25年後に住むところ4

少し前ですが、日経が興味深い記事を報じています。「2050年の孫は『家なき子』 住宅、建てるも直すも難しく」というものです。1980年には大工が90万人いたけれど2045年には10万人を切るそうです。となれば、新築住宅は出来ないし、家の修理もままならず、ましてや震災などで住宅の損傷が地域全体に広がった場合、対応のしようがない、というものです。

もちろん、この人数だけを見れば「そうだよな」と思わず納得するのですが、それまでに住宅の工法は大きく変わってくるとみています。我々が普通に見る戸建て住宅は在来工法でつくるので現場で各工種の職人が作業を進めるわけです。建築というのは一種の流れ作業を工場ではなく、現場で行うと考えて頂いてよく、時としてそれがうまく流れないので工期が延びたり、コストがかかったりするわけです。

2045年に大工が10万人しかいないと予想できるなら他業種の人材が住宅を作る流れを生み出すしかありません。個人的にはさほど難しくないと考えています。

ここカナダ。年間移民数が50万人、それに対して住宅供給キャパシティが28万戸程度。どう考えても住宅は不足です。故に価格が確実に上昇していくのですが、カナダ国営のCBCニュースで政府として移民政策と住宅政策の整合性が取れていないのでは、との記事がありました。住むところもないのに移民をそんなに入れてどうするのだ、というわけです。

そこでカナダでもプレハブ(Pre-fabrication)工法が再度注目されてきています。バンクーバー近郊のあるところでは総戸数100戸越えの6階建てのプレハブ住宅が着々と進んでいますが、その工期はなんと6か月。在来工法の1/3から1/4の工期です。

日本ではプレハブといえば大和ハウスのミゼットハウスが有名で「安物」のイメージを植え付けてしまったと思います。ところが今、街中に建つ大和ハウスのプレハブ工法の住宅は決して安くありません。在来より高い感じすらします。私も一度だけ大和ハウスで設計までやったことがあるのですが、住宅のデザインに限界があり、私のレベルでは「貧弱」「上品ではない」という結論に達し、ハウジングマイスターと称する大和のトップクラスの設計士と丁々発止して結局、やめたことがあります。

ただ、カナダのように安い住宅がすぐに欲しいという場合にはプレハブ住宅はアリだと思います。事実、日本の某大手が当地に進出を狙っているはずですが、日本のようには行かないでしょう。なぜならいくらプレハブと言えども現場作業は多く、クオリティのよい作業員、特に配管工と電気工は少ないのです。彼らを抱き込めるかが勝負でしょう。

日本の話に戻します。個人的にはプレハブ、つまり工場制作の作業量を今よりもっと増やし、現場での作業を究極的に減らすことがまず求められます。次に工種が多いのが建築業の特徴ですが、その工種を半分以下にする努力が必要かと思います。例えばペンキ屋と床材/カーペット/天井は同じ会社でできれば作業員がそれらすべての工種を一緒にできる能力を備えることで作業効率は上がります。

東京にいた際、近所でプレハブ3階建ての住宅を作っていました。3つの箱を積み重ねて作るのです。こんなので大丈夫かな、と思ったのですが、出来上がって外装の化粧をしてしまうとパッと見はプレハブの安普請とは見えません。工期は1週間とか10日ぐらいでほぼ完成していました。

今、日本で在来工法で住宅を作れば工期は5-6か月程度だと思います。それを1.5か月に縮めれば職人が仮に10万人しかいなくても実質40万人分の作業ができるということです。こう考えると2050年に住宅が買えないといった問題は避けられるはずです。但し、私の発想は現場作業を工場で究極的に行い、現場では運び込み、取り付け、つなぎ込み、化粧(外装と内装)だけに限定するという発想なのでパタン作業になります。

ところが震災のようにどこで何が起きるかわからない場合にはこの対応が非常に困難になります。今はまだ被災地で「住める、住めない」という議論ができる余地もありますが、今から20数年たつとその議論の余地が無くなるのです。ましてや南海トラフ地震やら首都直下型地震などが起きた場合、住宅事情は崩壊すると考えた方がよいと思います。先日テレビで専門家が南海トラフ地震は2035年前後に確実に起こる、とし、首都直下型地震は明日かもしれないし、しばらく起きないかもしれないし、ということを述べていました。

恐怖をあおるわけではないのですが、地震の備えとはまず、耐震構造の住宅に住むことで命のリスクを最小限にすることが重要です。よく勘違いされる方がいるのですが、耐震構造の家でも地震で壊れます。ただ、能登で多数見られたようなぺしゃこになりにくいので命は助かるというものです。もう一つ、震災の備えとは震災時の備えだけではなく、いざ震災になった時、どうやって速やかに平常な生活に戻すか、これがもっと重要な課題です。このプランが政府にも国民にもありそうでないのです。今までは起きた時に一気に復旧させるという発想ですが、もう少し工夫を凝らす必要はありそうです。

日本の人口が減り、建築関係の職人も減ることは予見できるので企業ベースでは乗り越えるべく対応ができる、だけど、役所ベースでは前例主義なので対応が出来ない、これが大きなネックになる可能性を見て取っています。その点からは皆さんが今お住まいの住宅はしっかりメンテをして多少の地震ぐらいでは大丈夫なような予防措置をするしかないと思います。

では今日はこのぐらいで

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