外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

今週のつぶやき4

サッカーワールドカップ。先週はドイツに勝って勢いに乗るかも、と記させて頂きましたが、無敵艦隊スペインに勝つのは確かに神がかり、奇跡と言われるほど。私はそれでも「奇跡も実力のうち」と申し上げたいです。勝たねばならない場面で監督以下全員が120%の気力で頑張ればできないことはないことを見せてくれました。日本チームがどこまで勇気を与えてくれるか、そして我々はそれに対して何ができるのでしょうか?「よっしゃ、俺も!」になりますよね。一緒に頑張りましょう。

では今週のつぶやきをお送りします。

市場のムード悪し
アメリカの11月度雇用統計が発表になりました。事前予想20万人増に対して26.3万人増を嫌気しているのですが、もともと11月と12月は年末商戦があるため、雇用が活発化します。雇用統計は昨年10月以降、2月と7月を除きトレンドとしてマイナスが継続しており、今後もこの傾向はしばらく続くとみています。今回の雇用統計もそのトレンドを変えるものではなく、何も刺激的な結果ではありません。

ではなぜ、株式市場はこの統計結果を嫌がるのか考えていたのですが、悪く考えて売りを誘い込みたいのではないかと思うのです。そもそも景気後退の可能性が叫ばれる中、雇用が悪くないならそれは本来よかったね、となるべきところです。ところが市場はそうとらず、「利上げペースは落ちてもそのピークはまだ先になる」と解釈したのでしょう。それでは景気後退説とは裏腹なわけで市場はさまよっているとしか、言いようがないのです。

私は年末ラリーがあるのではないか、と先週申し上げました。ラリーどころか、下げ一方ではないか、とお叱りを受けそうです。しかし、指数とは別に個別の株価はそこまで下がっていないはずです。NYも東京もチャートは崩れていません。(東京はギリギリですが。)週明けに値を保てれば「保ち合い」に入るか、何かのきっかけで上に抜ける可能性はあります。ただ、東京市場は「円高は株安なり」なのです。もっとゆっくりした為替の動きならよいのですが、動きが激しすぎます。そこは懸念材料です。

外したバイデン氏の停戦介入のおせっかい
バイデン大統領がロシアにウクライナからの撤退を条件に停戦介入の用意がある、と発言しました。当然ながらロシア、ペスコフ報道官は「否」の返事です。一方でロシアはいつでも交渉の用意はあると述べています。ここをどう読み解くのでしょうか?私はバイデン氏は下手だったな、と思います。まず、足元を見透かされたのです。アメリカがウクライナへの武器供与を含む支援は議会がねじれたため、今後はそう簡単に資金がでない、だから、そろそろ対策を打たねばならないというアメリカ国内事情がバイデン氏を動かしたのであり、戦略が見え見えなのです。

停戦を探るならロシアより先にゼレンスキー大統領の真意、ひいてはウクライナ国民の意向を知る必要があります。我々はほぼ誰もウクライナ国民の声を統計として捉えたことはないのです。国民の一部の声だけがばらばらと聞こえてくるだけです。私は以前から国家のインフラがボロボロになり、市民の犠牲を払い続けることにゼレンスキー氏はどこまで代償を払えるのかと思っていました。これはロシアとの戦いだけではなく、国民と国家の財をどう守るのかという観点からも重要でないかと考えています。

プーチン氏の立場はもっと厳しいでしょう。退路が全くありません。それでも前進以外に脇道に入る方法と、立ち止まらせる方法がある中でバイデン氏の「お前がどけば停戦交渉してもいいぞ」はプーチン氏にすれば「何を言っている、このオヤジ!」にしかなりません。私が思う方法としては全権の密使を立てる、そして両国の大統領の間を行き来させて詰め交渉をさせたらどうでしょうか?できれば複数人。一人はアメリカから、一人は欧州ないしトルコですかね。もう一人ぐらいいてもよいと思います。

消えた高級食パン店のなぜ?
今更そんなことを話題にするのか、と怒られるかもしれませんが、一言だけ述べたいのです。一過性のブーム、単品勝負、参入障壁の低さ、コロナ巣ごもり下の特需。これ以外に何があるのか、ということです。ここにきて物価高、特に小麦粉が高騰します。倒産、閉店するパン屋は後を絶たずです。乃が美、一本堂、銀座仁志川といった資本力、ネームバリューがあるところだけが残るのではないか、と囁かれていました。しかし、ここにきて乃が美のフランチャイズ店からも悲鳴が上がり、現場では全然利益が出ないと報じられてしまいました。

日本人の感性とバブル後30年にも及ぶ清貧のライフに於いてプチ贅沢は常に時の話題でした。その中でバルミューダの数万円するトースターが話題になり、食パンぐらい贅沢したいという流れができました。これは高級スイーツやパンケーキブームとほぼ同じ位置づけで、時間の経過とともに過半数以上が脱落し、ごく一部だけが生き残るといういつものパターン通りです。しかもスイーツやパンケーキの販売店は他の商品も売っている中で高級食パンは一本勝負ですので経営としてはリスクの塊だったとも言えます。

私は海外でビジネスをしてますが、新製品の投入は非常に難しく、ブームが起きるのも稀なことを体得しています。理由は様々な人種、貧富の差、文化や生活の背景を持った人たちの集まりに於いて皆が絶賛し、欲しがる商品はまれな存在なのです。アメリカはそれでもまだコンセンサスを取りやすい国民性がありますが、カナダや欧州はみなひねくれています。なので日本や韓国で爆発的ブームになる商品の背景は結局はほぼ単一の国民という特殊なマーケットに支えられているのだ、ということはご理解いただきたいのです。

後記
このところ寒波と嵐で街中は大混乱。気温はマイナス5度ぐらいまで下がった日もあったのですが、ふと気がついたのは私、まだ今年一度もコートを着ていないんです。ジャケットの下は半袖のポロシャツで事務所ではもちろん半袖。昨年も2、3回しかコートを着なかった記憶があります。冬でも暑がりなのが理由です。日本なら「格好悪いから」といわれそうですが、カナダなら気楽です。人と合わせなくても誰も何も言いませんので。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

報道の前に読み解く能力を備えよう4

2−3か月前からドル円はレンジを抜けず、そろそろ円高に反転すると何度か申し上げ、現在、その方向に進んでいます。産経は12月1日付記事でようやく「円相場、1カ月で11円超上昇 為替相場に潮目の変化」と報じています。ちなみに産経はもともと日経と勝負ををするほどの経済新聞だったのを知る人はあまりいらっしゃらないかもしれません。経済記事は定評があるはずなのですが、報道は時として事実が明白にならないと書けないこともあります。

よく言われるのが大手新聞社が「書かない」あるいは「書けない」記事。その為に専門紙やミニコミ誌、オタク系の情報などを拾い集めなくてはいけませんが、その中でお宝情報を探すのは至難の業です。皆、好き勝手書いていますので当たるも八卦当たらぬも八卦に近いものがあるのです。もちろんマネーの話に限らず、政治から国際情勢、経済全般まで「そうくるか」という奇想天外なものもあります。調べれば調べるほど訳が分からなくなり、迷路にはまるのです。

少なくとも投資やマネーに関しては私は限られた一次情報しかないのです。重要な統計、決算、企業動静、重要な発表だけが頼りであとは市場との対話なのです。私のパソコンの一つの画面では株価ボードがチカチカと点灯しているのですが、そこには生きた人間と同じように事実だけに基づいた株価という生命があるのです。その呼吸や波動を感じ取れれば相場は少しずつ見えてきます。

最近このブログでは機会がなかったのでゴールドの話をあまり振らなかったのですが、1か月ぐらい前から相場付きが変わってきたのに気がついていました。理由は複数あります。利上げの頭打ちが見えてきたこと、ドル高が止まりそうなこと、仮想通貨の足腰が弱いこと、世界で不和があること、中国などが金を大量に買い付けていること…。これらは全て金相場を押し上げるに十分な理由です。特にドル独歩高が反転するのは極めて大きな後押しなのです。

実は相場と呼吸を共にしているともう一つ、気がつくことがあるのです。金は秋が深まると買われやすい、と。これはアノマリーに近いと思いますが、不思議と年内は結構上がることが多いのです。

昨日のパウエル議長の講演で何を述べるか、概ね分かっていたのに何故かNY市場は議長の講演が始まる午後になるまで死んだような相場つきでした。講演中に目が覚めたような急騰となり、ダウは700砲鯆兇┐訃緇困箸覆蠅泙靴拭これなどもなぜ、皆、待ち続けたのだろうか、と考えるとその数日前からインフレはそう簡単に収まらないというニュースがブルームバーグあたりから出ていたため、疑心暗鬼になった投資家が「それじゃ、パウエルさんの講演を聞いてからにしよう」となった気がします。ですが、データでは明らかに12月のFOMCで0.50%の利上げが優勢であることは分かっていました。

本日、PCE(Personal Consumption Expenditures、PCEデフレーター)が発表になりました。これは月中に先行発表されるCPI(消費者物価指数)よりも広範な物価についての調査であり、言ってしまえばCPIが簡易型、PCEがフルスペック型の物価指標であります。FOMCでは当然、こちらのフルスペックのPCEを物価判断に使います。ただ、CPIとPCEにはある程度数字の出方に特徴があり、CPIの方がブレが大きいのです。偏差の大きさの違いと言ったほうが正確かもしれません。またCPIとPCEで逆の動きをすることもまずないと言え、11月半ばにでた10月度のCPIでインフレ鎮静化の動きが見て取れればそれをPCEが踏襲するとみて間違いない訳です。ここが相場の判断をするにあたっての読み込み方なのです。

しかしながら最近、本当の相場師がいなくなったのではないか、という気がしているのです。プログラム売買が進んでいるために相場を自分のカラダと頭で判断する癖が無くなってきているのではないか、ということです。その昔、野村證券の田淵節也元会長(当時)と私が短い時間ですが二人っきりで酒を片手に話をするチャンスがありました。「相場がうまく読めないがどうしたらよいだろうか?」と20代の若造の私が聞くと「今はコンピューターが取引するからワシもわからんよ、ワハハハ」と言われたのは1988年だったと思います。それから35年も経てば相場をいじくるファンドマネージャーもコンピューターの言うなりになり、相場観を身に着けていないのではないかと思うのです。

この世の中、プロと称する人たちはどこの世界にもいます。が本当のプロ、プロ中のプロは少ないのです。例えば私が昨年地上げして改築したアパートでは工事の際、既存の基礎のそばに50センチ程度の空洞が見つかりました。私は検査結果、地形、地層、土地の歴史からして防空壕的にお金を隠した人為的な穴の残骸だろう、だから掘り起こして埋め戻せば大丈夫じゃないか、と申し上げたのですが、建設会社がビビりまくってしまい、3か月ぐらい工事が止まったのです。議論を重ねても現場責任者が動かないので「念書をいれるから工事を進めよ」と無理やりやらせたことがあります。この場合、建設会社があらゆる可能性を考えるのは良いのですが、どれがprobable(ありそう)なのか判断できないのです。これではプロではないのです。

結局、何事も人から教えてもらったり書籍から学ぶ以上に体得し、失敗し、様々な考察の中で判断する能力を持つことが大事なのです。最近のさまざまな議論では「ああいえばこう言う、こういえばああ言う」一種の不毛論争をすることもあります。が、結局、誰かが判断しなくてはならないのですが妥協点を探り中庸となり、尖ったものにならなず、「まずまず」の結果で終わることも多いような気がします。

人々は判断し、失敗せよ、そして学ぶ、ということを忘れてはいけないと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

新しい社会論、分散型自立組織の行方4

なにやらタイトルからして難しそうな話です。私も正直、十分理解していない部分もあるのですが、コンセプトはそれなりにわかっていますのでそのあたりを展開してみたいと思います。

最近、時々目にするWEB3という言葉、何だろうと思っている方も多いと思います。簡単に言ってしまえば、WEB1はウィンドウズ95がでて、インターネット黎明期に人々が情報を読み取ることができるようになったこと。WEB2はインターネットを介し、人々が参加することができるようになったSNSの時代です。WEB1の時代もコメントを入れるなどの双方向のコミュニケーションはあったのですが、それは付属的な意味合いでWEB2になり、本格的な時代を迎えたとも言えます。

もう一つ、WEB2はデータの時代だったともいえます。大企業がそれらSNSのアドミニストレーターとなり、データはそれらサービスの提供者に所属することになってしまいました。彼らはそのビックデータを解析し、AIにつなげていったことでビジネスとしては成功したかもしれませんが、人々は必ずしも満足しうる形ではなく、最大公約数的な状況になっていたわけです。

私がGAFAMの時代のピークは過ぎたと申し上げているのはここにあるのです。そして近年話題になっているのがWEB3です。コンセプト的には2014年頃にできたのですが、当初はあまり盛り上がりませんでした。しかし、この1-2年に急速に話題になったのです。WEB3が普及したのはいわゆる仮想通貨のベースであるブロックチェーンの存在が大きいのですが、本ブログの主テーマではないのでここでは述べません。

ただ、着目していただきたいのは先般破綻したFTXという仮想通貨取引所の事業であった分散型トークンの普及です。トークンというだけでいかがわしいものと思われるでしょうがほぼ全ての人が今までトークンは何らかの形で使っています。一言でいえば「引換券」なのです。ポイントカードも図書券もトークンだというのはそういう意味です。パチンコ屋のお金に換える景品もそうですね。ただ、狭義のトークンはそれをインターネット上のブロックチェーンに乗せることでデータを残し、管理し、監視するという機能が備わったのです。

これが社会で一気に広まったのは個々人が支配下に置かれたくないという願望の下、自分たちの世界を作り始めたからです。これを分散型自立組織(DAO=Decentralized Autonomous Organizaiton)といいます。日本語を見るとピンとこないのですが、英語はストレートな表現です。Decentralizedですから中央管理を否定することであり、自分たちだけの世界で自立(Autonomous )する社会(Organization)なのです。

私が今日、ここで述べたかったのはWEB3のコンセプトにある分散型自立組織は明らかに社会を変えるだけの力をもつ新たな潮流になり得る点です。

ノマド族、一瞬、古い言葉だなと思うでしょう。これからノマド族は再度ブームが来るかもしれません。それは先進国を含む多くの国がノマド族のためのビザを用意しているからです。この流れは単にGAFAMに対する反発だけではありません。COVIDという制約も人々がそこからの脱却を図るための一環だったと思います。グレタ嬢が環境問題を提起して、多くの若者がそれに賛同したのも国境を越えた分散型自立の一環とみています。

以前、このブログでバラバラになる社会ということを記したと思います。我々の社会は国境という枠組みで大枠管理され、地方政府が細かいことを設定します。国家の枠組みは概ね似たような法律が設定され、国外と識別するのが当たり前でした。これが変わるとしたらどうでしょうか?

BTSやテイラースイフトが好きな人は韓国やアメリカだけではなく世界中にファンがいます。その人たちが作り出す分散型自立組織という考え方は可能です。発想としては共通のインタレストを持つ人たちが集まり、何かを作り出すということにもつながります。これは時としてスポンサーを超える力を生み出すかもしれません。

日本の社会は「お上(=スポンサーや株主)」に対する遠慮意識が異様に強いと言えます。メディアなどはその端的な例です。が、仮にメディアや企業が株主からの束縛から解放され、DAOがその経営支配をしたらどうなるでしょうか?DAOとはその経営に興味があるすべての関連者、顧客も取引先も従業員など全てです。その時、株主の意向ではなく、より公共性の高い判断が下されるのではないか、というものです。

美談です。もちろん私はそう簡単なものではないと思っています。そもそも意見を言う人、講釈を垂れる人はどんな世界にもいるもの。そしてそういう人はしつこいしうるさいし、自己主張が顕著であります。100人のDAOがいてもごく一部の声の大きな人の影響力は消すことが出来ないだろうと思います。よってこのコンセプトは適用しやすいところとそうではないところがあり、万能型ではありません。クラウドファンディングで100人からお金を集めたとしてその中に強い意見を言う人がいたら経営者はウザいと思うでしょう。企業が時々MBOをして非上場にするのはDAOの真逆だともいえます。

そうはいっても私は徐々にこの社会は成長するとみています。「社会にリーダーは必要か?」という議論があります。これは参加者が果実を平等に共有できるならリーダーが必要以上にそれを奪い取らなくてもよいだろう、という考えです。今の北米の上場会社のトップの報酬は異様なほど高いです。不平等社会を生み出した原因の一つです。ではREITの組織はどうかといえば報酬は低廉に抑えられ、より平等な分配が形成されているからこそ高い配当が期待できます。その代わり成長率は低いです。そう、徐々に、なのです。

社会は急激な成長から成熟時代を迎えつつある中、「徐々に」というスピードを受け入れるならこれはアリでしょう。日本は既に30年も「徐々に」進んでいます。が、日本人から不幸せだという声は諸外国に比べはるかに少ないでしょう。一種の分散型自立組織が世界より一歩早く展開しているのかもしれません。

この概念は実に面白く、奥深く、日本人論にまで展開できるものだと思います。世界の潮流をこういう形で見るとまた違った絵図になるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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中国のゼロコロナ抗議は国民を解放するのか?4

中国のゼロコロナ政策についに国民が声ならぬ「白い紙」を掲げ始めました。中国では体制に対する批判は厳しく罰せられるため、白い紙は無言の抵抗という訳です。政権からは明白な指針が聞こえきておらず、難しい判断を求められそうです。

きっかけの一つは11月24日に新疆ウイグル自治区で起きた火事でその際にコロナ規制があだとなり、相当数の死者が出たとされます。相当数の死者とは公になっている10名より実際ははるかに多いのではないかという情報の不確定さ故に断言できないのです。これは国民の不満が相当溜まっていて、きっかけがあればすぐに反応する状態だったともいえ、今後、似たような「惨劇」が起きれば一気に事態が悪化する公算はあります。

一方、政権の立場は不明瞭です。当初は習近平政権はある程度の折衷的な緩和策を提示するのではないか、とされました。そうすれば中国経済に改善の兆しが生まれるので世界経済としてもほっとできるという楽観的な見方もありました。アップル製品を作っている工場での抗議運動により稼働が落ちており、製品が十分に供給できない不安感からアップルの株価が下落するなど世界への影響も看過できない状況ともいえます。

しかし、政権は緩和すれば爆発的なコロナ感染の拡大とその対応で国内が大混乱することをより恐れているという立場のようです。様々なシナリオがあるようですが、大局的にみれば中国製のワクチンは効きが悪い、患者を収容する施設が十分にない、仮に何十万人もの高齢者を中心とした死者が出れば政権がぐらつく可能性がある、当然ながら習近平氏の手腕と中国経済のダメージは相当厳しいものが予想されます。世界経済へも波及し、その影響力は計り知れないものになる、と想像できます。

となれば上述の緩和策による経済復活という楽観視のシナリオはリスクと背中合わせで、日本やアメリカを含め世界が混乱に陥ることもあり得るとなります。

中国のコロナ対策は当初は素晴らしいものとされました。感染者を徹底的に追い込んだからです。平たく言えば「力づく」での対策です。それは考えるまでもなく、中国全体を一種の無菌状態にしようとしたわけです。ですが、抑え込みという発想そのものが私には荒唐無稽であります。100歩譲ってそれが出来たとして数年後、人工培養の中国人が諸外国の人と接点を持った時、中国人は自分を守る免疫がないので高いリスクを負うことにならないでしょうか?これでは中国発のコロナ無免疫者災害になりかねません。そんな事が起きればそれは人災という声すら上がるでしょう。

私は免疫学者でも何でもないので専門的なご意見はありがたく頂戴しますが、結局はゼロコロナ政策こそが中国の最大のリスクではないかと思うのです。イアンブレマー氏が2022年の最大のリスクはゼロコロナと年初に指摘していたのですが、本当にそういうことになりそうです。

習近平氏はイデオロギーの塊です。一度決めたことを簡単に方向転換するタイプでもありません。とすれば現状の「白い紙」抗議運動程度ならスルーする可能性は高いと思います。つまり国民は解放されないとみています。仮にこの抗議がより過激に、そして死傷者を伴うような当局と住民との衝突が起きればこれも軍隊なりを動員してでも力づくで抑えてしまうでしょう。ですが、それは習近平氏が大変な危機との背中合わせになるとも言えます。

だいぶ前に私はこのブログで中国を変えられるのは誰か、ということを記しました。それは外交的圧力でもないし、経済制裁でもありません。中国国内の国民の蜂起、これが最大のリスクなのです。文化大革命の際の終わり方もドラマがかっていましたが、実質は内乱という大混乱を通して政権が変わります。

習近平氏はアリババも不動産会社もIT企業も学習塾も抑え込むことに成功しました。香港も実質的に取り込み、政敵も今はほとんどいません。台湾政策も虎視眈々と進めるでしょう。が、これは習氏が裸の王様になりつつあるともいえます。独裁化すればするほど国内の反発力は高まり、何かあれば大きな衝撃になりやすくなるともいえましょう。

あくまでも個人的考えですが、免疫という発想は大事だと思うのです。人間は個体を守る本来の力を皆、持っています。が、その本来持てる力を人々は均等に発揮できません。出来ない人のために治癒方法として現代医学が進化しました。よって弱い人はワクチンを打つことである程度緩和できるかもしれませんが、ワクチンは万能でもないし、副反応や更に悪い結果をもたらすこともあります。こうなると確率論に近い気がします。

本質的にはヒトが本来持つ治癒させたり環境適応したりする能力を自然に身に着けることがより重要ではないかと思います。その点、中国の無理やりの政治ショーのような対策は大変不自然でその歪は必ずどこかでしわ寄せがくるだろうと思います。

では今日はこのぐらいで。

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投資と投機とギャンブル、財は自分で考えて成すもの4

競馬場に向かう人たちが専門紙と赤鉛筆をもって必死に考えているシーンが私には非常に強い印象に残っています。専門紙には分析予想が出ていますが、馬券を買う人たちは様々な予見や条件を自分なりに考え、最後にこうだ、と判断して資金を投じます。

年末ジャンボ宝くじが発売になりました。報道を見ていると3日前から並んだという方もいらっしゃるようで売り場の前には長蛇の列となっています。街角インタビューでは「インフレで生活がきついから」「これが当たれば買いたかったものが買えるから」といった声が多かったように思えます。

さて投資家視線で見たら競馬で馬券を買う人と宝くじを買う人、どちらが正しいスタンスでしょうか?言うまでもありません。馬券を買う人ですね。馬券も宝くじも当落次第で掛け金が化けて戻ってくるか、紙くずになるか極端な結果となります。その点は同じなのですが、少なくとも馬券を買う人は現状を分析し、自分なりに考えているのです。この点は投資という観点では偉いのです。

ではここに100万円あります。これを投資信託に預けるか、個別銘柄を自分で探して株を買うか、定期預金に入れるか、何もしないで普通預金に放置するか、と言われたらどうでしょうか?案外、答えは割れると思いますが、答えと行動が一致しないケースも多く、わかっているけれど普通預金放置、という人も多いのではないでしょうか?なぜか、といえばやるのが面倒くさいのです。

お前はどうせ、個別銘柄を探せ、というのだろう、と言わるでしょう。ハイ、そうです。しかし、「俺は何を買ってよいかわからない」とおっしゃる方が多いのです。投資指南雑誌におすすめ銘柄が出ていた、証券会社で勧められた、最近ニュースで見てよいと思った…などほとんどが自分で考えていないのです。

ところで学生の就活。最近も現役生と話していて「どういうところに行きたいの?」と聞けば商社、広告代理店、放送、航空、有名食品メーカー…と私が就活した時代と全く変わっていません。就活の人気企業ランキングも昔からたいして変わっていません。なぜか、といえば学生が社会と接点を持つのはBtoCの企業がほとんどで、それも学生が普段利用する商品やサービス、コマーシャルで見た企業が主流なのです。つまり知らないだけ。日本には上場会社は3849社あります。うちプライムが1836社。なのに学生が知る企業などせいぜい100社とか200社ぐらいしかないので95%以上の会社は埋もれているということです。

投資も同じで、多くの個人投資家は名前を聞いたことがある企業に投資をする傾向が非常に強く、知らない会社は怖くて触れないのです。ところが自分の知っている企業の数などそもそも知れているわけでしかもその多くは成熟企業でしょう。そうなると株価はある程度のレンジの上下運動になりやすく、レンジバンドの下限で拾い、上限で売るという「売買活動」をしなくてはいけません。「お前はそれができるかもしれないが、俺にはできない!」。はい、そのご意見もごもっともです。

そこで銀行や証券会社が悪魔のささやきをするのです。「プロのファンドマネージャーがインベストメント ポートフォリオをしっかりマネージさせて頂きます」と。お前、何語をしゃべっているのだ、と言いたくなるほど横文字のオンパレードだけれど「はい、よろしくお願いします」と降臨してしまうのです。これであなたは宝くじと同じで投資を運に天に任せたようなものです。運用する側は売ったり買ったりして立派で詳細な報告書を送ってくれますが、なんのこっちゃ、ほとんど見ることもなくゴミ箱行きになっているはずです。

イーロンマスク氏が昔、こんなことを言っています。「自分の財産を投じる覚悟がないなら、投資家に投資を求めてはならない。(中略)友人や投資家が損失を被るくらいなら、自分が損失を被るほうがましだ」(東洋経済)と。私はこの意味を他人任せにするな。投資信託で損をするぐらいなら自分で投資して損した方ましだ、という解釈をしています。

さわかみ投信の澤上篤人氏が日経のコラムにこんなことを記しています。「世のファイナンシャルプランナー(FP)たちが学んできた資産形成と管理の方法論にも、抜本的な見直しが迫られている。米国を中心に40年ぶりの金利上昇局面に遭遇している。そうした中、ほとんどのFPが未経験の領域に放り込まれて、対応が分からず右往左往しているのだ。(中略)これまでの常識が通用しなくなる時代、どのように資産形成・運用をすればよいのか。FPたちは一から勉強し直す必要があろう」。

今、投資については難しい時代にあります。かといって普通預金に預けていればあなたの財産は毎年数%ずつ減っていきます。銀行が手数料をかけているわけではなく、今の100万円は来年の98万円の価値しかないのです。せめてインフレ率と同等のリターンを得ないとあなたの資産はどんどん減っていくことになるのです。

私もマネーの話をよくしますが、コメントには長期投資一辺倒という方もいらっいます。一方、日経には時々、マネーの達人が紹介され、個人運用資産〇億円という方が日々パソコンの前で戦っている記事もよく目にします。東京やNY市場では日々、とてつもないボリュームの株式が売買されていますが、それらの多くは長期投資のマネーのポジションではありません。コンピューターの自動売買、アルゴリズムやテクニカル指標で運用するといった短期中期のポジションが大きいのです。あるいは年金基金などは運用目標設定があり、そこに達すると自動的に売却するようなところもあります。

投機と投資は何が違うか、といえばリターンを得る方法が違うだけです。投資は長期的に、会社の長期成長に期待するという名の放置プレーで配当などのリターンを得る一方、投機はせっかちに稼ぐことです。

このブログをお読みの方に釣りをされる方もいらっしゃるでしょう。釣りが上手な人と下手な人の違いは何でしょうか?上手な人は短気なので場所を変え、仕掛けを変え、餌を変えるのです。下手な人は太公望というぐらい気長に待ちます。

ではこれを投資に当てはめると「短気」は「短期」なんです。つまり投機で勝ち抜く人が爆発的なリターンを得ることもあるのです。但し、その継続的な成功率は極めて低いと申し上げておきます。1度や2度の投機で成功しても3度目にその10倍返しの損をすることはごく日常的なのです。但し、それが悪いとは私は思いません。なぜならそれは投資家が自分の頭で考えた結果だからです。つまり他人任せにしないこと、これは大事でここで多少なりとも授業料を払えばマネーについてもう少し理解度が深まるのです。結果として中長期投資にシフトするならそれはそれがその人の体得したスタイルなのです。

投資のスタイルに良し悪しをつける意味はありません。スタイルは個人の信条であって市場はもっとグローバルな参加者がうようよしています。また会社の栄枯盛衰は99%の企業で必ず起きています。永続的に成長するところは極めて少ないのです。株価が何十年とまっすぐ右肩上がりの会社はまずない、だからこそ、自分で考え、自分で判断する癖をつけること、これが財を成す第一歩だと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今だからこそ熱い経営者4

LGBTQの認知度や褒めて育てる指導方法といった発想や社会現象は今世紀に入って主流路線となっています。時代の流れとして受け入れるし、その意味合いも認めていますが、世の中、オセロゲームではないので昭和のやり方や昔の経営の仕方を全否定するものでもないと考えています。世の中、進化はするけれど、時として昔のスタイルが新し形で再び現れることもあります。

最近、強権経営の極みを行くのがイーロンマスク氏。ツィッター社を個人で買い取り、従業員をバッタバッタ斬るのみか、熱い社員だけが欲しい、9時−5時の社員なんていらないという趣旨のスタンスを表明、ツィッター社のみにならず世の中を震撼させました。

彼は6兆数千億円の買収資金をどぶに捨てる覚悟で全く違う体質の会社を作り上げようとしているのでしょう。外部の圧力に屈するかどうか、これは今の時点ではまだわかりません。メディアの論調も真っ二つです。

私も今回はなかなか厳しい挑戦だと思っている理由はマスク氏の成功物語は過去、全部ゼロから自分で作り上げたビジネスだからです。今回は既存のプラットフォームを買収することでそれを改革するわけですから今までとはまるで違います。ただ、ここまでのやり方を見ると一旦最小限まで絞ってそこから構造改革と新しいプランを注入していくように見え、買収金額の6兆円の価値がゼロとは言わないまでも1−2兆円ぐらいまでいったん下がることも厭わず、そこから大きくV字回復を狙っているように見えます。熱い経営者の代表格そのものであります。

日本にも熱い方はたくさんいらっしゃいますが、日経ビジネスの特集を拝見してこれはすごい、と思ったのが日本製鉄の橋本英二社長。プロパーの方で2019年に社長になっています。が、この3年間の大改革の成果が表れ始め、22年3月決算では売上が前年比41%増、事業利益が8.5倍となるなど住金との合併以降最高を記録したとあります。

この橋本改革ですが、私も含め多くの方に記憶があるかと思いますが、日鉄がトヨタに鋼材の値上げを申し入れたり、同社を中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄と共に訴えたりしたのです。これはその世界にいる人なら驚愕だったと思うし、トヨタの豊田社長もさぞかし怒り心頭だったと思います。が、結果は日鉄の意図した方向に動くのです。

話は少しだけズレますが、個人的にトヨタの経営は最近、シャープさに欠けてきているとみています。それが経営陣の問題か、社風の問題か、ガリバーとして汗をかかなくなったのか、末端まで胡坐をかいているのか、この点はもっと詳しい方がいると思いますので譲ります。確かに決算上の数字は外ずらの体裁を保っていますが、砂上の楼閣となる公算があります。個人的には豊田社長の経営ポジションではここから先、改革できないように見えます。日野自動車のような問題は今後再び起きかねません。そろそろ社長交代の時期にあるように思います。

さて、日鉄の橋本社長ですが、3つの改革をかかげています。2年以内のV字回復、上からの改革、最後が論理と数字が全て、であります。私は同じ経営者としてこれに最大級の賞賛を送りたいと思います。

まず、2年でV字回復というのは時間軸を切ることで自分に甘えを許さない意味です。例えば私は今、NPOの会長をしていますが、2年だけのお役目と就任時から断言しています。1年目がもうすぐ終わるところですが、改革と再構築を断行しています。あと1年で完成できる目途は立っていますが、その為にずっと走っています。これからどこまで走るのかわからないのとゴールがわかっているのではその戦略は全然違うのです。2年の改革断行はさしずめ10キロマラソンでフルマラソン分の仕事をするということでしょうか。

次に上からの改革。日経ビジネスには「改革はすべて上からであり、問われるのはマネジメント力」という例えを使っています。これを言うと反発を食らうかもしれませんが、下から上を見るのと、上から下を見るのではまるで景色は違います。車を運転するのに車高の低いスポーツカーとSUVでは運転のしやすさが全然違うでしょう。バスはなぜあの狭い車線をはみ出さずうまく走行できるのかといえば車高が高いからなのです。つまり上からはより全体を把握することができるのです。

3番目の「論理と数字が全て」。これは私は違う意味で理解しました。それは自分は嫌われてもよい、ただその使命を果たすのみ、という強い人間性とくじけない精神力のバックボーンだという解釈です。日鉄ほどの規模ですと仮に社内外の反発があればひとたまりもありません。それでも怯みません。

JALを再建した稲盛和夫氏はどうでしょうか?航空産業の「こ」の字もわからない方が突如、経営改革に来るのです。ではその結果はどうでしたか?稲盛氏の強い気持ちが社内を変えたのです。

では反発する力にどう立ち向かったか、といえば橋本氏は「論理と数字」としたわけです。だからトヨタすら組み伏せたのです。稲盛氏は人としてのチカラでしょうか?実は私もかなり不人気な男でチヤホヤされることは100%ありません。しかし、私が役目を仰せつかっている以上、それを全うすることに責任があるのです。正しい形で成果を残すのが使命ですね。だから別に私に人がすり寄ってこなくてもよいし、悪口を言われようが、友達がいなくても関係なしです。相当煙たがられていると思いますが、そういう人は社会に必要だということです。

昭和の経営のイメージは恫喝。灰皿が飛び、机をたたき、大声で威圧しました。これは今のコンプライアンスではアウト。橋本氏は信念を貫くという意味での昭和型の経営者ですが同じ喧嘩を売るにしても売り方がヤクザ的ではなく、有能な弁護士が裁判に立ち向かうような鋭さです。この厳しさになれていない社員さんは大変だと思いますが、そこを突き抜ければまぶしい太陽が見えるとも言えそうですね。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

台湾地方選挙の結果は地図を塗り替えるのか?4

台湾で4年に一度の全国地方選が行われ、中国に近いとされる野党、国民党が勝利、与党、民進党の大敗を受けて祭英文氏は党主席を辞任(総統は継続)する事態となりました。まだ結果が出たばかりで、これから様々な分析が出てくると思いますが、限られた情報の中で私の思うところを述べたいと思います。

まず、今回の敗北は当初から予想されていたもので21の首長のポストは民進が5,国民が13などとなっていますが、どちらかというと国民党が強かったというより民進党が弱かったというのが印象です。

表向きの選挙の争点はやはり国内問題で物価とコロナ対策が主軸だったと理解しています。両方ともうまくいかなかった、これが結論ですが、最近の世界中の選挙を見て、物価問題でうまく乗り切ったケースはほとんどない訳でこれは不幸だったと言わざるを得ません。コロナ対策については今でも日々1−2万人の新規感染者が出ていることが民衆目線で不満視されています。これについても、では中国のようなゼロコロナ対策が良いのか、と言えば個人的にも全く同意できず、日本でもコロナのコントロールには苦慮しています。つまり誰がやってもこの二つの問題の対応は困難を極めただろうと思うのです。

一方、私はそのような問題は実際は表向きではないか、という気がします。根本的に中国本土とのかかわり方について台湾世論は長年二分化しており、一方で、あまり表立ってそのことを表明しない社会が生み出した混とんが存在しているように見えるのです。

アメリカでは政治の話を食事の席でするな、と言われますが、日本でもよく考えてみれば職場など自分の周りの人達がどの政党を支持しどのような主義主張か、案外わかりにくいものです。それでも日本は平和な国なのでどのような主張をしてもそれでトラブルになることは少ないと思いますが、台湾の人は場合によりすべてを失うほどのリスクがあります。

当地にいる香港や台湾出身の方々と話していると「一夜にしてすべてを失うリスク」を非常に恐れています。中国の政治的ポジションは突然180度転換することはいつでもあるのです。近年でもアリババや学習塾産業、大手不動産業者、アメリカに上場しようとしたIT企業などがやり玉にあがりました。彼らにとってはそんなのを潰すのは赤子の手をひねる様なものです。

それ以上にトラウマのように今でも残っているのがやはり文化大革命ではないかと思います。さすが、戦時中の話や中国共産党と国民党の争いまで遡ると生き証人が少ないのですが、文化大革命を横目で見た人はまだまだ多く、あの鮮烈な記憶は忘れることができないのです。とすれば台湾の人は政治思想についてはなおさら黙らざるを得ないと思うのです。私が親しくしている台湾の方々にその話を振り向けても一切返事は来ません。かわされるのです。

私はこのブログで2週間ぐらい前に台湾は中国に無血統一されることも無きにしも非ずという趣旨のことを記させて頂きました。その時点で今回の民進党の大敗は予想していたのですが、それがなぜ無血統一の可能性に飛躍するのでしょうか?多分ですが、中国からのスパイや思想教育の影響が今後さらに強まるのだとみています。一種のマインドコントロールです。そして香港の一国二制度の実質的崩壊は戦う意欲を失わせたように思えます。更に私がダメ押しをしたとみたのがペロシ氏の台湾訪問です。あれは逆効果だったと思います。あの訪問は外交レベルでは非常に盛り上がり大きなイシューとなりましたが、台湾人レベルではあまり触ってほしくなかったのではないでしょうか?繊細な政治イシューを外国が煽るな、であります。

台湾の総統選挙は24年1月です。つまり今から1年2か月後。この間に中国は台湾に猛烈な攻めをするはずです。もちろん武力ではありません。思想教育です。スパイもはびこるでしょう。そのあたりに中国の協力者がうようよいる状態になるとみています。そうなれば総統選への影響力も高まります。中国はまず、総統選で国民党に政権を奪取させ、その上で2024年が習近平氏にとって「平和裏に」踏み込むタイミングではないかとこのブログで予想させて頂きました。

では最後に日本の立場はどうなるでしょうか?個人的想像ですが、中国が日本にこうささやくと思います。「中国は日本には全く興味がない」と。この意味するところは日本の安全は確保するから台湾問題には手を出すな、ということです。当然保守派は「そんなことは信じられない」と声を上げるでしょう。しかし、岸田さんならこれを折衷として受け止める可能性はあります。故に私が何度も言っているように岸田政権は長くなるのです。それは違う形で政権が維持されるという意味です。

お前の思想も飛躍しているな、と仰る人が多いでしょう。さて、どうなることやら。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

サッカーワールドカップ、日本が優勝候補の一角、ドイツを下したことで淡い期待が生まれています。サッカーを語るつもりは毛頭ないのですが、日本人の特性にお祭り好き的な性格があり、ムードが好転すると信じらえないほどの力を出すことが多いのです。オリンピックでもフィギュアスケートでもマラソンでも突然驚くべき成果が飛び出すのはメンタルとプレシャーによる縮みから伸びに変えられるかではないかと思います。日本全体が明るいムードのなることはウェルカム。頑張ってもらいたいです。

では今週のつぶやきをお送りします。

市場は年末ラリー期待
冴えない株式市場でしたが最後のひと月ぐらいは花が咲くのでしょうか?希望的観測ですが、咲くように見えます。理由は悪いニュースが消化されつつある点です。悪役だった仮想通貨取引業者FTXの倒産で連鎖破綻も相次ぎましたが落ち着きを取り戻しつつあります。最大手バイナンスが20億ドルの基金創設を検討するなど市場の健全化、安定化にむけた改善が進めばプラスでしょう。またマスク氏のツイッター社のガバナンスも不安材料の一つでしたが解雇のピークは過ぎています。

ブラックフライディのセールは昨年比3-9%程度増と予想されており消費のダメージは少ないのではないかという声もありますが、売り上げが伸びたのはインフレで価格が上がったことが主因でしょう。ただダメージは軽めで収まるかもしれません。中国が景気支援策で預金率引き下げをしたこともプラス。また株価指数が5割も下落した香港市場がチャート的に底打ちが見えてきたこともあります。もっとも中国の厳しいコロナ対策が経済に与える影響は未知数です。

最後に東京市場ですが主要市場では一番期待できるかもしれません。原動力は三菱商事の初の利益1兆円越えの可能性を含む商社の稼ぎっぷりでバフェット氏も買い増したほどです。マザーズ市場も6月に底打ちしてから3割以上回復しています。市場の信頼を勝ち取れるなら勢いが出るかもしれません。ただ、先日申し上げたように内需に限界があるのが東京市場の特徴。結局、商社のように海外とのビジネスで稼ぐ企業に頼らざるを得ないというのが悩ましいところではあります。

電通は解体的出直しを
広告代理店は学生には未だに響きが良い業種のようですが、往々にして入社してからはボロボロになる人が多いのもこれまた事実。私のクラスメートは人生を電通で走り切ったのですが、この40年弱、彼の疲れ果てた顔を時々見ていると精気を吸い取られたなと思ったりもしたものです。社内自殺者が出るのは社風そのものが生み出す緊張感でしょうか?逆にそこまでしたからこそ、業界の覇者であったわけです。

ただ、あまり聞かないのは電通出身者が転職後に成功街道を突っ走ったケースです。優秀な人材を輩出する会社は社員が生き生き成長路線を歩める環境を提供したからこそ、どこの会社でも通用できるものです。とすれば電通は社員を使い倒すのがお得意なのかもしれません。今回五輪談合の仕切り役が同社ではなかったか、という報道が出ています。いわゆる業界の仕切り役はどこの世界にもありました。例えば私がゼネコンにいた時の談合の仕切りは飛島建設だったし、音楽業界はジャニーズ事務所のチカラは圧倒してました。両社とも過去の話です。仕切り役はもう必要ない時代です。

広告代理店という仕事は少しずつ立ち位置を変えていくことになるでしょう。大規模イベントなどは確かに彼らの存在は意味があるし、コーディネーションの出来がイベントの成否を左右します。一方、企業の広告戦略はマスからよりターゲット型になっていく中でどのツールが最も効果的かその経済計算は極めて難しいものです。私も広告を代理店と打ち合わせ、機関銃のように打ちまくったこともありますが、全部外れたこともあります。企業がもう少し目覚めれば広告代理店の位置づけも変わるでしょう。儲け至上主義の電通は解体的出直しが必要です。

四半期開示問題とNISA恒久化
ほぼ同時にでたこの2つのニュースはある意味、背反しています。四半期開示は現在金融商品取引法に基づくものと東証が設定するルールの2つあるのですが、これをまず東証のものに一本化し、更に将来的にその開示義務すら撤廃する方向だというのです。政府の言い分は適時開示制度があるからよいだろうと。これは政府が投資家のポジションを全く理解してません。素人の極み。そもそもこんな奇妙な改変をしようというのはこれまた首相の奇妙な企業を慮る気持ちから出ているものです。

NISAの恒久化は今まで時限だった非課税の投資を日本人の財産形成の一環とし、年金だけでは足りなくなる生活費などを蓄える道筋を作るものです。そもそもNISAを時限化していたことが国際的にみて、全くお粗末だったのでようやくまともになると個人的にはほっとしています。ただ、私はこれも不満。というのはNISAの対象が投資に限られているからで銀行の定期預金などを入れるべきだと思います。日本人は投資に対する意識がまだまだなので預金もそれにいれることで貯蓄をして将来に備えたい人を助けるべきでしょう。預金利息の節税など意味がないという意見があるのは分かっていますが、まずはNISAの意味するところを理解してもらうところからスタートすべきです。

政府は国民に「もっと投資を」と折に触れてずっと言い続けています。近年はお金を学ぶことが学校教育でも取り入れらている中で投資の最大のキーは定期的な業績開示です。小売店は月次の売り上げを公表するところも多いのですが、コストが見えなければいくら売り上げが増えても意味がないのです。仮に四半期開示が無くすことで投資ポジションを長期化させようというなら日本からマネーが流出するのがオチ。つまり東証はガタガタになります。この辺り、岸田首相は理解をしているのか、私には意味不明であります。

後記
平日の移動はできる限り公共交通機関のみで自分の車を使うのは現場に行くときぐらいです。理由は運転するのが面倒だからです。移動している間も仕事なりメールチェックなりしたいので電車バスが圧倒的に便利です。ところがバスは地元の人でも嫌がる人が多いのです。時としてあまり乗り合わせたくない人に出くわすからでしょう。この後記の意味するところが日本の方には理解できないかもしれません。東南アジアでもバスなど公共交通機関は乗る人、乗らない人が分かれる国が多いでしょう。日本はバスになんの疑念もなく乗れるという意味で本当に平和で平等な国ということです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

話題の中国Sheinはアパレルの覇者になれるのか?4

このブログをお読みの方にはあまり縁がないかもしれません。Shein(シーイン)は中国発のファストファッションブランドですが、ほぼ輸出専用会社と言ってよいでしょう。中国国内では手に入りません。しかし、その企業価値は14兆円を超えるとされ、ユニクロどころか、ZaraとH&Mを足してもまだ追い付かないという規模です。大阪以外に最近、東京の原宿に常設店が出来たのでメディアのカバーも増えていると思います。しかし、この常設店に行っても商品は買えません。オンライン注文のみで常設店は一種のアンテナショップです。

なぜ爆発的人気が出たか、といえばその驚きの価格です。基本は女性用の服やアクセサリーが中心でそれ以外に一般雑貨やペット関係、多少男性物もあります。女性用のアウターは2−300円からでアクセサリーは100円以下から、靴は500円程度からといった具合で一般的な物価の1/5-1/10ぐらいの金額で提供されています。なので、女性が頭の上からつま先まで全部そろえても1万円で十分おつりがくるということになります。

同社の売り上げは本年度は240億法△弔泙3兆円越えの水準になりそうだとされ、そのうち1/3がアメリカ向けとなっています。購入層は中高生から20代全般のヤングアダルトの女性が主軸です。

なぜ、破竹の勢いで伸びているのでしょうか?売り方が非常に上手なのだとみています。例えば大阪や東京の常設店はそこで販売しないのですが、来た客が見て触るだけではなく、インスタ映えする展示をしているので友達拡散をして口コミ営業をします。自社工場はもたず、製造ロットは100と極小なので在庫が生まれません。全品、中国で作り、中国から発送しますので管理は楽。ファストファッションは通常のルートだと船便を使ったりして2か月はかかったりするところ、作り立ての製品が消費者の手に2週間で着く点も今までの常識を覆しています。

これに対して異論もあるでしょう。あんなペラペラな服、着られんわ、と。そりゃ、何万円もするアウターを着ているマチュアな方からすれば恥ずかしいぐらいの商品でもヤングアダルトや学生にとっては「洋服、アクセサリーの100均」という位置づけだとみています。つまり2−3回使ったらポイ、いや、下手したら一度も使わないこともあるでしょう。若い女性の心理はお金を使うことでストレス発散をします。そうショッピングなのです。1万円も使えば5-6点は買えるのです。これは楽しいし、毎日、3−5千アイテムも新作が出るのです。ECサイトで同じものは二度と買えないわけで女性が大好きなウィンドウショッピング更に購入を急がせる心理作戦も上手です。

ブルームバーグは同社の製品に新疆ウィグルの製品が使われている可能性が高いものの、これがアメリカで取り締まれないと報じています。理由はBtoBの輸入ではなく、BtoCの小ロットの個人輸入なのでアメリカが課す中国制裁のルールに引っかからないのです。

アメリカ人も中国に厳しい姿勢と言いながら結局、同社の製品を年間1兆円もお買い上げになっているのです。日韓問題で政府レベルでもめているのに若い日本人女性は韓国大好きの人で溢れかえっているのとまったく同じ構図です。

中国と言えば最近はハイテクやEV自動車が注目されがちです。2001年、WTOで中国製のアパレルが世を席捲した後、アパレルの名はあまり聞きませんでした。もちろん、市場はしっかり築いていたのですが、ベトナムやバングラディッシュなどへ生産拠点を移行した企業も多く、目線に入らなかったということでしょう。その点では不意を突かれたのかもしれません。

実は私はミンソウの株を少しだけ持っています。あの100均と無印良品を足して2で割ったようなコンセプト店で典型的な中国クオリティの雑貨チェーンです。あの会社の話だけでもこのブログ一本書けると思いますが、私が着目したのは出店店舗数が破竹の勢いだからなのです。カナダでも今やどこにでもあるし、名前が浸透したこともあり、10年前に比べ、客がしっかり入っているのです。それをみて純粋にビジネスモデルをもう少し検証したく、投資をしながら行方を追っているのです。ちなみにゴールドマンサックス証券のイチオシ企業の一つです。

中国にはこのような爆発的パワーを持つ会社がいくつもあります。日経には「点検 世界シェア56品目IT・供給網、中国依存根強く 21品目でシェア拡大」とあり日本がトップを取ったのは7品目のみと報じられています。私は日本が「良い、悪い」、という議論ではなくてすっかり「よい子」になったのだと考えています。

昨日、インフルエンザの注射を受けに行ったら注射をしてくれた若い中国系の女性の方が「あなた、日本人ね、日本の経済は今でも悪いの?」と単刀直入に聞くのです。グサッと来たのは注射針ではなく、日本経済は悪いと先入観を持たれていることが心に刺さりました。

タイトルの「話題の中国Sheinはアパレルの覇者になれるのか?」はアパレルの全く違うマーケットセグメントを開拓した点に於いてこの会社はまだまだ突っ走るのではないかという気がしています。マチュアな方は「あんな安物」というと思いますが、中国の会社は必ず改善してきたのが歴史です。私がミンソウというパチモンまがいの会社の株を買ったのもその変貌を研究したかったからです。

世界の政治と流行は別物だということも言えるのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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どう見る、年末相場と新春相場4

今年1月2日のブログに「ひろの10大予想」があり、その中で株価についてこう予想しています。

「(株価の予想は困難) 株式投資を14歳から始めた私も2022年の株価予想をするのは極めて困難だ。理由は起こりそうな大変革が多すぎてどの問題が株価や経済に最大のインパクトを与えるか読めないからだ。一見すると悪いニュースが推し並ぶがマネーも地球上に溢れるほどある。近視眼的な動きが強まり、乱高下が続くかもしれない。ただ、止まない嵐はないはずで、案外、一年後の株価は今と同じ水準とか、もっと高くなっているのかもしれない。」

1−2か月ほど前、G20が終われば(イベント通過感で)年末にかけてラリーを予想しました。私のその予想はインフレ鎮静化期待と世界の様相が少し見えはじめ、投資家の不安が解消されることでマネーが動き出すだろうとみたわけです。しかしG20が終わっても相場はちっとも動かず、膠着状態だったのですが、東京市場が今週になってようやく動き出し、北米市場は実質週明けから年末ラリーになりそうです。

このところ、さえなかった動きの理由は前回の「今週つぶやき」でも指摘したように市場の出来高が少なかったことが主因ですが、これも来週には復活しそうです。悪役は原油価格で現在NY市場で77膨度に下落しています。原油価格の下落は株式市場の下落、と考えて頂いてよいでしょう。原油の需要が多ければ産業が活性化していることであり、それが廻りまわって景気を押し上げ、株価も潤うのがシナリオになります。

ということはアナリストや専門家が見込む来年の景気後退が今後、どの程度なものになるのか占うのが今後の試金石であり、まずは金曜日から始まるショッピングの動向が注目されます。

今、ラジオをつければブラックフライディーのセールスのコマーシャルが例年に比べはるかに多く流れてきます。販売競争は熾烈で商品の価格は割引価格の値札から更にレジで値引きするような状態になっています。レジでの値引きはこのところ、北米でよくあるセールス攻勢で「メアドを登録したら更に1割引き」なんて言うのは当たり前になってきています。(故にレジに時間がかかり、長蛇の列になりやすい弊害もあります。)逆に言えばそれぐらいしないとモノが売れないとも言えそうです。

アメリカの消費者物価指数の指数構成の約4割は住宅関連費で賃料のウェイトも大きいのですが、アメリカでは利上げにより潜在住宅購入者層が賃貸住宅に留まり、物件を売った人も一時的に賃借を選択するケースが増えたため、賃料が高騰してインフレ率を押し上げたのも一つの原因です。大家もローン支払いのため金利の上昇分をカバーするため賃料を引き上げたい動機が生まれています。つまり、今のインフレはFRBの自作自演的なところもあるのです。よって利上げに対する不信感は今後更に強まるはずで利上げ打ち止めは春には見られると予想しています。

とすれば目先の株式相場の焦点は景気後退に対する耐性、つまり企業業績が耐えらえるか、にかかってきています。アメリカのハイテク系は雇用調整がリストラ感となり、株価をサポートしていますが、あまり嬉しい話ではありません。もう一つ見えてきたことはドル独歩高のサイクルは既に終わったか、最終局面にあるので日本円や新興国の通貨が少し持ち直してくるだろう、とすれば行き過ぎたドル高の修正から世界経済は多少、改善するだろうと予測できます。

また、中国の動きは要注目ですが、日経に「中国が『脱ドル』か 名乗らぬ中銀、金の大量買い」と題した記事を入れています。22年の中央銀行による金(ゴールド)の購入量が既に1960年以来の規模に膨れ上がっているというのです。新興国の中銀がかなり金の保有高を増やしているのは分かっていますが、たまにしか保有量を公表しない中国が相当仕込んでいるのではないかとみられています。中国はアメリカ国債の保有量を徐々に減らしていますが、その代わりに無国籍通貨であるゴールドを増やすということです。これはロシアの苦悩をみてゴールドの一定量の所有は国家防衛に重要である、と判断した可能性はあります。

これは米ドルが弱含むバイアスに更に拍車をかけることになる点は頭に入れておいた方がいいでしょう。仮に23年度中に円ドルで120円台までゆっくり戻すシナリオを描けるなら日本全体でプラスになるので株価は中期的には上昇波動になると考えるのがナチュラルかと思います。くれぐれも中期であり、目先は景気後退の底が見えるまで上下に振れやすいとみています。

アメリカに投資した海外投資家もドルが高いうちにアメリカ株を売却し、他国の株式に乗り換えることで為替メリットを享受することができます。この潮流の変化を捉えることが重要です。

日本では今年の春から夏ごろでしたか、アメリカ株への投資を煽るメディアの記事が多かったと思いますが、あの時に投資をした方は高値つかみになっていた公算があったと思います。日本では個人向けの投資指南書が山のように売られていますが、投資はどんなに難しくても最終的に自分で分析しないとダメです。

私の投資判断は個別銘柄を調べたうえでチャート的に初動を捉えることに徹しています。コツンとくればそれが小波動か大波動かわかりませんが、そこですかさず動きます。そんなタイミングは極めて限られた期間なので書籍のような印刷物を待っていれば既に全くタイミングがずれているということです。日本の新興企業銘柄なら午前外せば午後は高値つかみなどしょっちゅう起きてしまうのです。

私は皆さんがそれで大事な元手をなくしてほしくないのです。正しい投資への理解が改めて求められるとも言えそうです。

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現代の「勘定奉行」、ザ 財務省!4

その昔、農民は厳しい年貢の取り立てで苦しめられ、手元に残るのは自分たちが食べる分だけだったようなこともあり、百姓一揆がしばしば起きたのはご承知の通りです。当時はコメが第二の通貨のような意味合いすらあった一方、コメを生産できるのは農民だけでり、農民依存の社会が生まれます。江戸時代は戦さが少ないことで武士の本来の仕事はヒマ、一方で食えない武士ばかりで結局、普段は農民をやりながらいざとなれば武士に早変わりでありました。江戸時代で力をつけたのは結局商人ですが、職業に貴賤なしと言われながらも武士で商人の手伝いをする者はまずいなかったのもこれまた歴史であります。

地方の大名は農民から搾り取る、徳川さんは地方大名から更に搾り取る、という「搾取の文化」が江戸時代の基本であり、これが不幸にも明治以降も引き継がれ、今でもその考え方が明白に残っています。それは「3代で家はなくなる」と揶揄されます。今の相続税を払い続ければ3代目、つまり孫の時代でおじいさんの作った財産は使い果たす、という例えです。もちろん、世の中のシナリオはこれほど単純ではありませんのでこれを真に受ける必要もありません。

違う例としてはギャンブルで100億円を浪費した井川意高氏は懲役刑4年を経て、出獄後、親譲りの製紙関連の株式をすっかり売却します。その金額540億円也で、税金を払った残りが彼の手元に入り、それを元手に再びカジノ三昧の生活をしていると報じられています。この場合は勘定奉行の取り立てで苦しくなるのではなく、いわゆる「2代目、3代目が会社を潰す」という言い伝えの方で、彼も財をなくす方に突っ走っているように見えますが、世の中、案外、阿呆な人間ほど幸せなのではないか、と思うこともあります。

それはさておき、日本は基本的に故人の財産は没収する考え方がどこかにあります。神道的に「我々人間はこの世で生かされているのであり、それが終わった時は得たものを神様に返さねばならぬ」という発想がないとも言えません。中国では住宅の所有は70年の賃借権で所有は出来ませんが、日本も見方によっては似たようなものなのかもしれません。

ということは財務省、つまり現代の勘定奉行さまは日本人の生み出す経済価値を最終的に手のひらの上でコロコロする任務を古代より引き継いでおり、世代を超えた蓄財を許さないお目付け役ということになります。まぁ、勤労日本人は「鵜」で財務省が「鵜飼」という表現も出来ます。時として鵜が紐を切って海外に飛び出すのですが、最近はその海外まで鵜飼さまは追ってきます。「もうあなたのお金はどこにも逃げられない by 財務省」というオカルトタッチの書籍があればベストセラー間違いなしでしょう。

話題の防衛費増額の話でも「国債は発行しません、現役世代でその負担増を吸収してください」というのは財務省目線のキャッシュフローをこれ以上傷ませないという宣言であります。その点で財務省の視線はフローを中心に見るのですが、ストックであるバランスシートについてはよくわかりません。高橋洋一さんは財務省が650兆円の資産を隠していると暴露本を出していますがこれなどは明らかに貸借対照表における資産の話です。これとキャッシュフローをどう結び付けるかといえば経営している人は分かると思いますが、資産を売却したり運用益を反映すればキャッシュフローはプラスに転じます。

もう一点は国の歳入である収入は我々がよく知る一般税収です。では高橋氏のいう650兆円の貸借対照表は何処にあるのでしょうか?それだけの資産がどこかにあり、仮に年3%のリターンがあれば毎年20兆円の利益がどこかにあるはずなんです。つまり財務省が財務省帳簿と国家予算のコンソリデーション(連結)をしたら一発でわかるのですが、残念ながら隠すわけです。ならば、公認会計士の監査は通らないでしょうね。

財務省と日銀もチキンレースをしています。日本の金利が上がらない最大の理由は財政が利払い増で傷むことを防ぐためです。それが誰が何と言おうと最大の理由だと考えています。それなのに個人の住宅ローンが不良化するとか中小企業の経営が悪くなる、と目線を変える理由をこじつけるのです。国債の利払いとレベルが違うし、そもそも金融の量的緩和は金利の引き下げを更に深掘りする代替策であって、イールドコントロールは日銀が国債の利回りを極端に引き下げた状態で安定化させ、財務省が管理する利払いを抑える役目です。

黒田総裁は財務省出身ですので当然財務省を慮る気持ちはあるのです。今度の日銀総裁候補である中曾さんも雨宮さんも日銀出身なのでじわっとした政策転換があり、円高へのバイアスがかかるだろうと私が考えているのはこの辺りにもあるのです。

最後に財務省のもう一つのお宝をご紹介しましょう。日本の家計が保有する金融資産は2000兆円とされ、そのうち、60歳以上が所有する資産が1300兆円あるとされます。ということは今後2-30年のうちにその1300兆円がほぼ相続税ないし贈与税の対象になるのです。相続税収は概ね毎年2兆円強あり、消費税に比べれば1/10程度なのですが、この税収は今後右肩上がりで上昇が期待できるので消費税を1-2%上げて数兆円確保するような議論など全く必要なく、確実に収入増が期待できるはずです。

勘定奉行の懐具合は何があっても揺るぎません。奉行さまはいつも高笑いです。

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暗号資産の不信感を拭い取れ4

バンクーバーで生活している方は最近、あれっと思った方も多いのではないでしょうか?それは一部の公共料金や比較的高額な支払いをする際にクレジットカードプロセスフィーが上乗せされるようになったのです。実はこれ、気をつけて見ないとわからないのです。例えば私は自宅のインターネットサービス料金をクレカで支払いますが、請求書は毎月120砲埜把蠅任后(この時点で日本の2倍ですね。)そこで支払い方法を選びクレカでオンラインの支払いをするとクレカ処理料が料金の1.5%付加されるのです。(当地では自動引き落としはトラブルが多いので普及していません。)

最近、このクレジットカードプロセス費が急速に普及しており、今後1−2年で多くの支払いにはこれが付加されるようになるでしょう。理由はマーチャント側から見るとクレカの決済費用が異様に高いのです。海外発行のカードのリスクやプラチナカードの特典に対する追加費用はマーチャント側に付加費用として請求されるのです。なので私どもは例えば一番カード処理の多い4月は決済費用だけで月100万円ぐらい払うのです。

マーチャント側からすれば「お客さんはカード使ってポイント貯めてメリットいっぱいあるけれど、店側がそれを負担する理由はないでしょ」ということです。それでもカード費用を顧客に請求するのは躊躇するところが多かったのですが、役所が様々な支払いを受ける際にカード費用を1.5%程度堂々と請求するようになり、この辺りから時代が変わってきたのです。

これが何を意味するか、といえば消費者もクレカから違う決済手段を考えるということです。今、北米で小切手は未だに使いますが、流通量は急速に減っています。理由は郵便制度に依存し、もらった小切手も即座に現金にならないからです。また、以前、ご紹介したと思いますが、法人口座の場合、売り上げなど現金を銀行に預けると「現金取扱料」を請求されます。とすれば現金支払いも過去の産物と化す中で費用が安いデビットカードが客にもマーチャントにもリーズナブルな唯一の方法になるのです。

日本の場合は決済手段が多岐にわたっているし、様々な決済会社の端末がレジの前にずらりと並んでいることも多いかと思います。残念ながらそのビジネスのやり方は日本やアジアで進化しているものの当地ではほとんど普及していません。それはクレカ決済に圧倒的な便利さがあり、一定額までは暗証番号も入れず、端末にピッとするだけで瞬時決済だからです。スマホを取り出す手間もないのです。ですが、仮に1.5%のサービス費用がつけばポイントメリットが1.0%程度なのでクレカは使うと余計にコストがかかるということになり、今迄のクレカとポイントの市場制覇の時代は変わるのだろうと予想しています。

そこで出てくるのが暗号資産やデジタルマネーです。つまり社会はより安全で安価な機能性の高い決済手段を求めており、クレカ以外の手段を探し求めるとも言えます。デジタルマネーは中央銀行が進めるプランでもあり、これは将来、普及するでしょう。ただ、日々の生活に於いてそれがデビットカードとどう違うのか、といえば案外差別化しにくいかもしれません。

Suicaのような非接触型カードはどうでしょうか?当地にもバスや電車で使えるものがあります。が、そのインフラは交通機関にほぼ限定されており、日本のような横のつながりも広がりも一切ありません。何故かは知りませんが、読み取りリーダーである端末の普及がなされていないことが主因でしょう。

とすれば一般的な広がりが期待できるのはスマホ型の電子マネーか、暗号資産が仮想通貨に「昇格」した時にその利用価値が見いだせるでしょう。

ここまで長々と書いた理由は世の中のディファクトスタンダード(業界標準)のライフは短くなっており、より新しいものに変わりつつある中、新しい芽を摘み取ってはいけないのだということを言いたかったのです。

FTX社の倒産は予想したとおり、大きな衝撃となり、余波がまだ続いています。しかし私が見る限り今回の事態はエンロン型でリーマン型ではありません。つまりFTX社個体の問題であり、業界全体の体質とは違います。私が同社が倒産した時にビットコインやイーサリアムを揺るがすものではないと申し上げました。実際、ビットコインの相場はいったん下げたのちは崩れていません。

FTX社の倒産の背景は創業者の無知で杜撰な経営と金余りによる投資側の姿勢、FTX社への監視の目が全くなかったことに尽きます。つまり、北米が一番大好きな企業ガバナンスがそっくり抜け落ちていた、それだけの話で暗号資産根源の問題ではないのです。そもそも価値を担保するものがない中で悪い噂が出れば暴落するのは世の常。銀行だって取り付け騒ぎはかつてずいぶんありました。が、その中で体質を改善し監視体制を作って今があるのです。

私が生きているうちに世の中の金融は完全デジタル化になるとみています。当然ながらそこの一翼を担うのが現在の暗号資産でしょう。そしてその頃にはクレカはないかもしれないのです。それぐらい社会は激変するのですから新しいものを怖がってはいけないし、潰してもいけないのです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

岸田政権、今は耐えながら自民改革のきっかけをつくれ。4

お前もおかしなことを言うな、と思う人もいるでしょう。政権発足前から好きなタイプではないとずっと言い続けた岸田さんをここでかばうのか、という訳です。私は決してかばっているわけではなく、今の岸田政権の崩壊は日本が内外に対して信頼を失うときである、という危機感があるのです。なので、岸田首相には背水の陣で臨んでもらうしかない、と考えているのです。

岸田氏は安倍首相暗殺という歴史に残る事件を経て、想定外の旧統一教会問題に巻き込まれました。「あれがなければ…」という声がある一方、「あれがあったからこそ…」という見方もできるのです。それは旧統一教会と自民党のそこまでどっぷりつかった関係が明らかになり、自民党の体質がいよいよ国民の支持を得られなくなりつつある点です。

概ね理由は解明されています。妖怪、岸信介氏の時代に反共というスタンスで意見の一致をみた統一教会との接点がスタートです。また統一教会創始者、文鮮明氏が日本の政治への影響力を戦略的に狙います。岸信介氏の十日会の流れをくむ清和政策研究会を介して、安倍晋太郎氏に食い込みます。更に安倍晋三氏に引き継がれます。文氏は日本に政治家を送り込む(=信者が政界に入る)ことを目論んでいました。その為、いわゆる反共の時代が終わり、政治的連携の役割を終えたにもかかわらず、長年の親交を通じてギブアンドテイクの関係が脈々と続いたと理解しています。

とすれば歴代首相や重鎮を多く輩出してきた清和政策研究会としてはまさか、次の首相を非常に出しにくいわけです。下手をしたらみそぎが終わらず、派閥の自然消滅すら絶対にないとは言い切れません。政治家の野心が大臣や党の幹部になることであるとすればどうやってそこにたどり着くか、これしか考えていない政治家もいるでしょう。個人的政治の主張より大きいものに巻かれろ、です。例えは悪いですが、甲子園に行きたければ行けるチャンスがある高校を選ぶし、駅伝に出たければ出られる大学を選ぶのと同じです。

言い換えれば自民党はそもそものレゾンデートル(存在意義)を失いつつあるようにも感じます。政治がつまらない、安定第一で挑戦をしない、何も変えられない、保守という名の過去への踏襲が続く、としたら言い過ぎでしょうか?私が再三、自民は割るべきだ、と申し上げているのは政治だけが昭和を未だに引きずるのはおかしいだろうと思うのです。

さて、岸田政権が崩壊した場合、次の首相は消去法的に選ばれるはずです。そんな首相はいりません。ならば、岸田氏にやってもらいたいことがあります。国内についてはさっさと実行力を備えた旧統一教会問題にかかる救済法を作ること。次にインフレ対策は所得の低い人への重点的支援、中間層向けには企業への来年春闘に向けた賃金引上げの要請と企業へ従業員に対するインフレ調整金の支給を支援すること、日銀総裁の前倒し交代をこの2か月程度でこなしてもらいたいのです。

次に外交面では日本の位置づけが重視されるとみています。今回の重層的首脳会議を経て岸田氏は一応、日本の顔として知られました。次の大舞台は広島サミットです。そこまでに弱体化するアメリカを補いながら東アジアの安定をどう図るか、です。その最重要ポイントである台湾は無血で中国に統一される公算が私はあるとみています。好む、好まざるにかかわらず、冷静に見てそうならざるを得ない壮大なる準備がなされる気がします。この項は日を改めて書きますが、中国は狡猾で策士です。

その場合、日本は中国とどうディールするか、です。個人的には岸田氏が習近平氏と北朝鮮問題で共同歩調を取れるか、ここにかかってくると思います。つまり、朝鮮半島の安定化、これを日本が中国と一緒に主導できるかではないでしょうか?今の日本の実力では台湾と北朝鮮の両方を思惑通りに持っていくのは無理であり、日本への影響が及ばないようにすることが最大の課題になります。

また、23年に英国がTPP11に正式加盟する日程を踏まえ、新「日英同盟」なる話もあります。だいぶ前に当地の総領事と談笑していた時、私が日英同盟をなぜ復活させないのか、と言ったら一笑に付されました。ですが、今、その話題が水面下で進んでいるのです。何故か、といえば日本は英国と似た条件をたくさん持っていると同時に国際社会から見て考え方が共にユニークなのです。故に日本と英国は潜在的に極めてくっつきやすい関係にあるのです。これがエリート外交官にわかってもらえなかったのは至極残念でした。

政権から短期間で3人、離脱者が出たことは岸田氏にとって頭が痛いと思います。が、閣僚の任命は結局、好きな人を誰でも配置できるわけではありません。派閥という恐ろしく封建的な世界との駆け引きであります。今回、総務大臣が麻生派から出たのも納得なのです。麻生派ありき、だったと私は見ています。そんな政治の世界、もうやめにしたいと思いませんか?6期議員やったら大臣の権利が得られるとかおかしいでしょう。今、喫緊の課題は自民党の改革だと考えています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

もっと出せる組織の力4

私が22歳でゼネコンに入社して土木の現場配属になった初日の話です。その現場は会社が最も得意とする宅地造成工事で山を切り崩し、道路を作り、宅盤を作る仕事です。当然、男臭い。所長に着任の挨拶をすると「事務屋は現場の母としてしっかり技術屋の仕事を受け止めてほしい」と言われました。これが私の人生を変えた一言です。心の中でこう叫んだのです。「冗談じゃない。僕はこの会社にピッチャーとしてエースを取り来たんだ。キャッチャーは嫌だ!」と。いわゆる反骨精神の始まりです。

ゼネコン、しかも土木主体の会社でどうやって事務系社員がピッチャーになれるか、ふと思いついたのが不動産事業でした。当時、何処のゼネコンにも開発事業部はあったのです。「そうか、不動産部門ならピッチャーになれるかもしれない!」。

高校時代のクラスメートで不動産屋の息子が大学一年の時に「俺と宅建を付き合い受験してくんない?」と言われました。それまで不動産の「ふ」の字も知らない中、宅建の分厚い試験のための解説書をしょうがなく、2か月ほど勉強したら二人とも合格でした。しかし、私は合格したことすら忘れ、海外という違う世界を目指したのでドメスティックな不動産には見向きもなかったのです。

縁というは不思議なもので、その宅建の資格が人事の目にも留まり、その後、晴れて開発事業部に配属になります。そこではトップ直轄のプロジェクトを部長と私の二人でやる特命係となり、本社内で一気に名が知られます。その後、秘書に引き上げられ全国区で名が知れ渡ります。その後、社長から「社歴で最大の開発事業を任せた」と海外赴任を命じられた時、あぁ、これでピッチャーになったかな、と思ったものです。海外では事務系も技術系も関係なく協業しないと事業は動きません。組織の垣根がなくお互いの専門性を発揮し合えば面白い展開ができることを実践したのです。

さて、日本では組織論の書籍や研究は無数にあると思います。どういう組織が最も力を出せるのか、というわけです。当然、切り口も多く、このブログで一言でこうではないか、と纏められる代物でもありません。その中で私が思う日本の組織の特色を挙げてみましょう。

上述のストーリーの通り、日本はまず、技術系と事務系、官僚ならキャリアとノンキャリアといった具合に人の潜在能力より所属をベースに色分けをします。そして色ごとにきちんと仕分けするのが日本的なのです。いかにも日本人の大好きな整理整頓のような話です。更に専門組織の中で更に細分化され、技能や経験で「あの人は…」という色付けをします。いわゆる人材比較論です。そして「凄い」と称される人は極端な話、崇められるほどになるのです。これでは若手や才能が見いだされなかった社員にはなかなかチャンスが訪れない組織形態とも言えます。

もう一つは組織同士の関係が薄いのです。「おらが部署」「おらが組織」の思想が非常につよく、組織はより保守的になり、「牙城化」します。これは役所や大企業に特に多く見られます。例えば各省庁は「金のなるお宝」法制度を結構抱えています。それだけは家宝の如く絶対に「見せない、上げない、触らせない」のです。大企業の場合は子会社、関連会社を山のようにもつことで人材の振り分けをします。一定年齢になると居場所がなくなるので外の会社に出向させ、そのかわり、肩書が一つ、二つ上がります。そこで1−2年我慢すると「転籍」となり、自分がいたあの「大企業様」とは「永久のお別れ」となります。

これらの例は本来大きな組織のはずが、どんどん細分化され、能力のベクトルが散っていくのです。そんな事で苦しんだ会社は数知れずあります。有名どころではかつての日産、日本航空、更にソニーもそうでした。が、それらの会社はあるところで気がつき、あるいは誰か強い指導者が現れ、組織の無用な壁が壊され、風通しを良くすることで問題解決を図りました。

先日、当地の大手にお勤めの方が「事務所が2フロアから1フロアになる」と。その上で会社の座席が自由席になるそうです。これで違う組織の人とフラットなやり取りができ、思わぬ発見ができるチャンスが生まれることでしょう。コロナが生んだ発見と改革に背中を押された形でしょうか?北米の事務所は個室型、日本の事務所はシマ型です。どちらも古いスタイルです。双方とも自分に指示されたタスクをこなすという受動的職務になりやすく、能動型、提案型が生まれにくい形態かもしれません。

組織は暑苦しいほどタイトにくっつくよりナチュラルな距離感を置きながらよりオープンにしていくのが今の流れではないかと思います。大事な戦力をあまりに色付けすることは多様化する社会の中で決して得策ではないと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

サッカーのワールドカップが始まります。なんとなくメディアの盛り上がりはかつてと様相が違う気がします。好きな人は好きなのでしょうが、サッカーブームが過ぎてしまったこともあります。10年経てば「野球少年とかサッカー少年とか歳が分かっちゃうよね」になるのでしょうか?様々なスポーツが出てくる中で観客としての熱狂感より自分でやるスポーツに変わる気がします。アメリカでアメフトが人気でもアメフトの選手になろうという人は限られるのと同じ。ならばマラソンが日本で最も親しまれるスポーツになるというのが私の持論。それでもサッカーニッポン、ガンバ!応援します!

では今週のつぶやきをお送りします。

株式市場、冴えない理由は方向性喪失感
市場参加者として言わせて頂ければこれほどつまらない相場形成もありません。金曜日のダウの出来高は3億1千万株。金曜日は普通盛り上がるのですが、こんな出来高は久しぶりの気がします。全く盛り上がらないのです。四半期決算が一巡し、様々なイベント通過で本来は安ど感から年末前の最後のラリーを期待したいところですが、企業ニュースは不景気な内容が多く、仮想通貨問題もあり、株を買ってやろうというムードが盛り上がりません。アメリカの機関投資家、専門家の意見も割れています。

こう言っては怒られるのですが、株価は物価が上がると一緒に上がりやすい傾向があります。物価高で金利が上がることを懸念しましたが、企業業績はそれでも今年の4-6月決算までは「ほう、やるじゃん」という決算内容を維持していました。7-9月決算は悪いとは言いませんが、その先に暗雲が立ち込めているのがアリアリとわかるものが多いのです。その上、いよいよ来年春の金利引き上げ打ち止め説が市場のコンセンサスとなる中「そうか、景気が悪いから金利も打ち止めか」という意味にすり替わってしまっています。

パウエル議長は「物価が上昇しすぎるからその火消し」で利上げを進めているのですが、企業ベースでは解雇に在庫処分、市場ベースでは景気後退に備えよ、とバラバラです。そして今週、全体のムードを悪くしたのが原油価格の下落。これは株式市場では強烈なネガティブインパクトなのです。来月のOPECプラスで生産量を引き締めると思います。が、それ以上に原油の需要不足が深刻です。今の市場の行方は原油価格に聞け、と言ってもよいでしょう。

トランプ氏、湿気ていた最後の花火
トランプ氏が次期大統領選への出馬表明をしました。予定通りです。が、この出馬表明、花火が湿気ていたようで途中退場者が続出したと報じられています。出馬表明に目新しさがなく、これ以上聞いても無駄だ、と思った人たちが会場を後にしたわけです。そもそも中間選挙では予想を覆す民主党善戦の理由はトランプ氏の声に反比例したものというのは今では共通の理解です。決して民主党を推すわけでなく、消去法という点が悩ましいところです。

もう一つはトランプ氏が仮に大統領に復帰したらどういう手法、政策、アプローチをとるのか、トランプのカードは敵にも味方にも読まれているのです。アメリカ人は現状打破に期待をするのが大好きですが、読まれたカードがエースとかキングならよいのですが、そうではなくジョーカーだったりすれば「そこまでしてトランプ氏にこだわらなくてもよい」に変わりつつあるのがアメリカ世論です。もちろん、これから2年先のことは誰もわかりません。アメリカがどういう境遇になるのか、経済、社会、政治、外交、全てにおいて未知です。

よってトランプ氏を排除する気はないですが、バイデン氏と共に「さよならoldies こんにちは未来のアメリカ」を選択するのが主流になるとみています。そういえば共和党が下院の多数派になることからペロシ下院議長が院内総務の職を退くと発表しています。80歳のマコネル上院院内総務はまだやる気のようですが、時代の変わり目です。80歳前後の権力者層から20年若返りを目指す、これがアメリカの今後の流れともいえます。そういえば中国の長老パワーも抑えらえたし、日本でも二階さんら権力者たちの存在感は薄れました。時代の流れには逆らえないということです。

今こそ停戦協議
ウクライナ問題を見ていて思うこと。一つは「一種の身内の争い」二つ目は「双方ともに疲れてきた」三つ目は「世界は白い目」であることです。森元首相が鈴木宗男氏の集りの挨拶の際、ゼレンスキー氏批判をしたことが話題になっています。森さんと聞けば「またか」になるのですが、今回は「そうなんだよな、森さん、よく言った」と思っている人がいるような気がします。マクロン大統領も日経とFTの共同独占インタビューで停戦協議を呼び掛けると表明しています。

今回の争い。両国民にとっても当初の熱意は程遠く「辟易」が正しい表現かもしれません。現代において普通なら10カ月も争いは続きません。中東やイスラエルの争いでもすぐに停戦します。ではなぜ、今回は収まらないのか、といえば両トップが意地になっているからです。つまり上げた手を下ろせないわけです。それと「どこに下ろすか」も双方わかっていません。今回マクロン大統領が提示しているのは停戦です。つまり前線の一時ストップ。国同士が同意すれば休戦。そして講和があれば終戦になります。停戦は第三国が介入しやすいレフェリーストップです。

日本はこの停戦に向けた作業に積極的に取り組むべきです。理由は北朝鮮への刺激を抑えるためです。「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話ですが、ウクライナの緊張は北朝鮮の血糖値ならぬ「決闘値」を上げています。昨日のミサイルはEEZ内に落ちたとされます。じわっと近づく北朝鮮の攻撃と口撃のテンションを下げるには中国の協力も必要でしょう。その点では中国と対話できるルートを再構築できたのは良かったと思います。「外交の岸田」の出番です。ここは期待するしかありません。

後記
私も忙しい日々を送っているのですが、久々のあっぷあっぷ状態になっています。家で夕食を採るのは週1-2回程度。人と会い、ミーティングをこなし、戦略を立てることに翻弄されています。週末も平日も関係なし。理由の一つは来週がアメリカの感謝祭に当たるため、年度内の予定を前倒しで押し込んでいることがあります。感謝祭のあとはブラックフライディ、ビジネスのソーシャルな集りが2-3週間連日続きます。そのあとはクリスマスですが、業務的には12月末の決算対策に追われクリスマス休み返上のてんやわんやがまた近づきます。華やかさを増す街角と違い、憂鬱になる今日この頃です。

では今日はこのぐらいで。

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管理職は難しいのだ!4

「管理職は難しいのだ」と言われてもお前はどういう意味でこのタイトルをつけたのか、とご指摘があると思います。私の言わんとするのは「するのも地獄、させるのも地獄」という意味です。つまり、嫌なのです、こんな仕事みんな。しかし、こんなこと言うと昭和の経営者は血相変えて怒りそうです。

日経ビジネスオンラインに「昭和世代は驚愕!? 若者の83%が『出世は勘弁』」とあります。しかし、私はこのタイトルを見た時、違和感があったのです。私が新入社員で入った1984年で既に出世欲などなかったのです。つまり、昭和世代が驚愕するのではなく、ブーマー世代が驚愕する、がより正しい表現であり、我々新人類世代は既に出世に興味などトレンドとしてさらさらなかったのです。

理由は簡単です。私たちの世代は既に親が困苦を乗り越えて上昇軌道に乗り始めた生活をしており、「貧乏は嫌だ」という時代から過ぎ去りつつあったからです。

私の新入社員研修の際、技術系事務系併せて180人ほどが会議室に詰め込まれ、人事部が「君たちが将来この会社でどのポジションまで上がりたいか、全員述べよ」と、一人ひとり言わされたのです。私は社長と言ったのですが、確か2−3人しかいませんでした。

私自身が当時、驚愕したのは「課長がいい」といった人が過半数だったのです。それが忖度か、遠慮かそこまでは分析できません。私が逆に聞いたのは「なんで課長なんて言う中途半端なところが良いのか」でした。同期の仲間は「だって、責任取るの面倒じゃない」「おれ、会社のためにそこまで骨をうずめたくない」「ほかにやりたいことあるし」…だったのです。つまり、今の若者のトレンドは40年近く前から既に萌芽の様相があったということです。

最近ではワークライフバランスや子育て父さんは当たり前。リモートワークになって会社に行かずに済むようになり体がダレ切ってしまった方も知っています。「もう会社になんて行けねぇー」と。しかし、現場に行かなくて済む職業の人はごくわずかなんです。全勤労者のせいぜい、全体の1−2割ぐらいでしょうか。私から言わせれば甘えすぎなのですが、一度身についた甘い汁は決して忘れないのです。

これはここカナダでも同じ。ホテルのバレーパーキング会社の若いスタッフさんの一例です。「俺、現場責任者になれって会社から言われたんだよ、時給1ドル増やすからさ、と。冗談じゃないよな。そんな飴玉みたいなもので俺は騙されないよ」。もう1点、最近気になるのが北米の転勤は出世を目指さなくなったような気がするのです。単に今の職場が嫌だから新しい職を探すであって、ポジション的には横横シフト、つまりプロモートされる役職よりも働きやすい厚遇な会社に移るというトレンドです。

なぜ、管理職は不人気かといえばとにかく面倒くさく、自分の仕事より部下の教育や悩み相談、部を取りまとめるための会議、上司とのやり取りなど時間と労力を求められるのです。課長というポジションは昔から最も不人気で上と下の間に挟まる「あんこ」そのものなのです。

ところで私は稲盛さんのアメーバーというのは現代社会では機能しないとずっと以前から思っています。様々な理由があるのですが、この管理職の不人気ぶりで適当ななり手がいないという問題があるためにアメーバーにこだわっていたら日本は圧倒的な人材不足に陥ることになるのです。

少子化もあり、管理職不人気ぶりもあり、業務の複雑さから課長に適任な人は昭和の時期に比べて1/3以下になるとみています。とすればアメーバーの単位も3倍にならざるを得ません。アメーバーの長が係長ならたぶん現在の6−8人体制を20−30人規模の管理体制にする必要があり、課長は100人規模を管理することが必然になるはずです。つまり日本の人事体系と組織体系は変わらざるを得ないところまで来ているということです。誰もそれは指摘していないと思います。

人事部からすれば管理職不適格者も多くなるとみています。管理職の適性とは仕事の実務が十分できることと人間性を問われます。前者は専門能力を磨けばよいわけですが、後者の人間性は酷く難しくなったと思います。それは若い世代がリアルコミュニケーションをとることに不得手であるため、褒める使い方しかできないからです。まさかあの「褒め殺し」も出来まいし、なかなか人を使うテクニックは難しいということです。

もう一つがコンプライアンス。とにかく大手になればなるほどこれが微に入り細に入り決められています。興味深かったのが警視庁公安部が作ったユーチューブのドラマ。全部で20分程度の短いドラマですが、要はスパイがうようよしていて情報漏洩に対する啓蒙を図るものです。管理職はこんなことにも気を配らねばなりません。部下の社外での行動にも目を見張らせる必要があるとすればそんなこと、やってられねえーとなるのがオチなのだろうという気がします。

管理職をやらないと重役になれません。組織が嫌だから自営業をやるという選択肢は間違い。自営業は立派な管理職であり、社長なのです。今はそんなのんきな職業などないとすれば社会全体のあり方を見直すぐらいの覚悟がいるかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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防衛費増、予算ありきか?4

2023年度の国家予算の枠組みで防衛費大幅増額案について有識者会議が展開されています。これは9月末に初会議が開催され、来年2月ぐらいまで継続的に審議されるとみられています。有識者は10名で全員男性、しかもご年配の方ばかりです。有識者が年寄りの男性でなければならない理由はなく、本来であれば実務がわかる年齢層の識者もそこに入るべきだと思いますが、日本のヒエラルキーはこのようなバランス感覚を見ても不思議に見えます。

ここにきて北朝鮮の挑発、中国の台湾政策に対する強い意図や習近平氏体制の確立を受けて日本も対岸の火事ではないとようやく目覚め始めました。防衛費増についてのアンケートでも増額に理解を示す声が反対を明白に上回る状態になっており、一定の増額、そして5年程度でGDPの2%まで増額したいという自民党の思惑の方向に紆余曲折ながらも進んでいくのでしょう。

一方、社会全般を見ると防衛費についてしっかりした考えを持ち、意識をしている人は少ないのではないかという気がします。なんとなくきな臭い世界情勢はウクライナ問題を含め、多くの国民は感じていますが、それがすわ「ドンパチ」に展開し、自分たちがまきこまれるという意識はほぼないのではないでしょうか?

Jアラートが出ても「それでどうすりゃいいんだ!」という声が主流です。地下や頑強な建物、なければ物陰に身を隠すか、身を伏せるということですが、相手はミサイルです。地震は広い地域にほぼ均一に伝わる中で、自分が存在する場所によってリスク管理を行います。古い木造の家なのか、RCのマンションなのか、駅の構内か、オフィスビルの中なのか、といったように揺れによる倒壊や火災、パニックが主たる対策になります。が、ミサイルは比較的狭いエリアを一瞬にして深く傷つける武器だけに「当たるか、当たらないか」というリスク管理であり、地震とはやや異なるでしょう。ましてやほぼ誰も経験したことがない話をしていることが悩ましいのです。

防衛費増については様々な視点があります。まず財源です。そして少なくともこの有識者会議で見られる議論は「負担を将来世代に先送りするのは適当でない。国債依存があってはならない」「国民各層の負担能力や経済情勢への配慮は必要」とされます。端的に言うならば国民の皆さんが今、負担してください、ということです。

その手法として広く均等に手当てする消費税ならば2%増程度、さもなければ法人税増が具体的な方法論です。今、このインフレ、景気後退論が見え隠れする中、消費税増額案は99%不可能な手段であります。

ちょっと脱線しますが、英国のスナク首相が超緊縮財政を今日明日にも発表する予定ですが、英国ではデモが多くなっており、即時、政権交代を求める声が日増しに高まっています。この話を聞いて戦前の井上準之助と高橋是清の好対照な財政政策の話を思い出してしまうのです。トラス前首相がばらまき型で英国金融市場が大混乱に陥ったのに対し、スナク政権の短期間に真逆の政策で一気に締め上げる新案となれば英国国民も生きた心地がしないでしょう。仮に政権が崩壊すれば次は労働党ですから、再び緩めでばらまき型の予算になります。国民は政府の厳しい予算措置にはカラダを張ってでも反対するということなのです。

これを横目で見れば最後の決断をする岸田政権は法人税増税がやりやすいのでそちらに走るのは議論をする前から目に見えております。そうです、「法人税増税がやってくる」、ここは押さえておく必要があります。

次に防衛とは何か、であります。日本を守るのは自衛隊任せか、という話です。火事の時、消防士だけではなく、民間の消防団がバックアップすることがあります。警察だけでは手に負えないのでセキュリティ会社と契約したり、自衛団や見廻りをしている自治体や管理組合もあるでしょう。では戦争になったら自衛隊に全部お任せか、という議論が全く盛り上がらないのです。もちろん、一般人に何ができるか、と言われるでしょう。

私はまずは意識改革が必要だと感じています。平穏な戦後の安定期はどうやら終わりつつあり、地球上のどこで何時、何が起きてもおかしくない、そしてそれは日本も含まれるのだ、という気持ちです。その上で国民ができることは防衛に対して理解し、協力意識を育むことが必要でしょう。子供たちに「戦争になったらどうなるの?」と聞けば「自衛隊のお兄さんたちが戦ってくれるんでしょ」という他人意識ではダメだ、ということです。

想像しにくいのですが、かつての戦争のように陸戦が主力の時は多くの兵士が必要で徴兵が当たり前でした。今、日本でも中国でも韓国でも台湾でも「徴兵したい」と政府が言っても皆、逃げるだけです。ロシアが過去、訓練を受けた人たちを兵力として狩り出そうとして往生したのと比較にならないほど兵力など集まらないのです。例え狩り出しても多くがノイローゼになるのが関の山です。

つまり今、日本が言う防衛とは武器を山のように買い込み、「俺、こんなに持っているんだぜ」という話です。では侍が二刀流で拳銃まで持てば強いのでしょうか?個個人ベースでは凄い人もいるかもしれませんが、組織論だと全く機能しないとみています。

強い日本を作るには国民の防衛意識もありますが、更にあといくつか思い浮かびます。一つはサイバーアタックをより防御できる技術確立です。たとえば量子コンピューターが話題になりつつありますが、これができるとハッキングは極めて困難になるとされます。次にスパイ。まず、情報漏洩を許さず、スパイを見逃さないこと、そして日本でプロの諜報員は法律を変えてでも養成すべきと思います。そう、昔の陸軍中野学校の現代版です。三つ目に情報連携を強めること。情報は必ずしも近くの国が持つわけではないのです。世界の諜報機関はリンクしています。ここでギブアンドテイクできる能力を身に着けることです。

防衛費は湯水のごとく使えます。が上述の対策はそこまでではないはずです。またサイバーアタック対策はIT技術の進化の一部であり、当然ながら防衛はそれを転用すると考えれば防衛費とほかの研究開発費の線引きも不明瞭になるとも言えましょう。

日本が強い国になるにはミサイルの数ばかりを議論するのではなく、もっとしっかりとした防衛の基礎固めからではないかと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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GDPが映す日本経済の近未来4

7-9月期の日本のGDPが発表になりマイナス1.5%成長となりました。私が気になっているのは今回のマイナス成長の話ではなく、ほとんどゼロ%を軸にその上下を行ったり来たりしている日本の経済成長そのものを懸念しています。

日本のGDPが年間で500兆円を超えたのは2004年。7-9月期を季節調整を含めた年率換算すると543兆円。つまり18年で40兆円しか増えていないので単純平均で年率0.4%成長、実際はもっと少なくなります。しかも2016年にGDPの計算方法を変更して研究開発費などが上乗せになり、国際基準と合わせたこともあり、30兆円ほど計算上の上振れが起きています。とすれば我々はほぼ20年間、成長なし、と言ってよいでしょう。

もちろん、以前、このブログでも申し上げたようにGDPは経済測定のごく一部の方法であり、それが体を表す全てではありません。GDP否定論もあるわけでそれだけでもって判断はするつもりはありません。が、バブル崩壊後、30年間も言われた「昇らぬ太陽」は今後もまだ見ることはないのでしょうか?

幸福度と経済は一緒くたに出来ません。しかし、給与所得者にとって毎年少しでも給与が上がると嬉しいように一定の右肩上がりは期待するものだし、年齢と共に「いつまでも若者のような生活もできない」という気持ちもあるでしょう。つまりライフスタイルのクオリティを少しずつ引き上げたいわけです。私はこれをフローとストックの測定相違と考えています。

フローの尺度が有効なのは勤労世代である20-50代でこの世代は所得の上昇による生活水準の向上が家計の主軸であり、幸福度が増します。ところが60代から上になるとストックが主たる測定基準となり、一定の貯蓄額と期待しうる年金所得があることでどれだけ安定した生活ができるかが幸福度の尺度となります。

そんな中、現在は賃金上昇率より物価の方が勝るため、実質的には貧乏になっていきます。当然、リタイア層も年金が上がらないので実質収入は下がります。しかも所得不足を金利収入でカバーしようとしても金利はそもそもほぼゼロの国です。では投資はどうでしょうか?残念なことに日本の株式市場を1年というスパンで見るとレンジ相場になってしまっています。要はGDPが成長しないのと同様、日経平均も全然成長していないのです。言うまでもなく投資信託に預けている人もさっぱり増えないということになります。

日経平均を今年の初めから見ると29000円と25000円の間にほぼ収まるのですが、特に26000円から28000円のレンジの期間が長いのです。かなり無茶なこじつけをするとGDPゼロ成長とした場合、27000円が収まりどころが良い株価水準ということになってしまいます。これでは来年3万円越えがある、とは言いづらくなります。株価が成長しないということは海外からの投資も滞ってしまいます。

今、外国人観光客が増えてきて安どしている経営者も多いことかと思います。経済的には観光客増→学生増→外国人労働者増→海外からの投資増という流れが期待される形です。ところが海外で指摘されるのは少子高齢化が進む日本への投資の躊躇であります。よって一番期待したい海外からの投資は以前ほど期待できなくなってきています。

子供の数は今年、80万人割れとなりそうです。1973年生まれは200万人を超えていました。今の49歳の方ですね。ではその49歳の方の総数が50年後に半分以下になると想像してみてください。街のスーパーマーケットも飲食店も半分以下で足りてしまいます。そもそも従業員もいないでしょう。これが実態です。

今、50歳より年齢が上の方も日本経済全体で見れば真綿で首を絞められている状態ですが自分のお財布を頼りに年金収入も確保している限り安定を維持できるので「今の日本で何が不満なの?」ということになります。が、50歳以下の人たちには経済の収縮というあまりにも厳しい社会が待っているのです。

もちろん、少子化問題は日本だけではなく、先進国や東アジアの共通事項です。その中でカナダ政府は現在の年間40万人の移民受け入れ数を2025年に50万人に引き上げると発表しました。人口の1.4%を毎年増やしていくのです。これは何を意味していると思いますか?そう、人口争奪戦なのです。

これが先進国の新しい経済政策でありエンジンなのです。もちろん、50万人には難民も含まれていますが、基本は若い将来ある高学歴者です。カナダにある大学などを卒業すれば移民になりやすいのです。かつてカナダは経済移民と称してお金でビザを買うようなスタイルも流行ったことがありました。今はとにかく優秀な若者をカナダで育て、カナダで収穫するプログラムなのです。

日本は人口が多すぎたから多少減るぐらいでもよい、という意見もあります。1億2千万が8千万人に減っても問題ないと豪語する人もいます。が、確実に言えるのは日本は中小企業が99.7%であり、ほとんどが国内経済(内需)に依存しているのです。人口減はそれら財務と経営基盤が弱い中小企業を吹き飛ばすのです。そして政府部門は税収が十分でなければ政府支出が追い付かなくなります。

大手企業はITや新技術に多額投資をすることが可能ですが、それで国民が食べていけるわけでもありません。企業の業績と国全体の富は違います。カナダは人口密度がスカスカだから長い時間をかけて人口を増やしています。日本は人口密度が高いからそんなことは逆立ちしても考えないのですが、そもそも高人口密度を前提にした経済設計だということ、今後、低人口密度に移行するとしてその移行費用をだれが負担するのか、と考えると個人的には好む好まざるにかかわらず、高人口密度経済を維持するメリットはあるのではないかと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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対話が生み出す緊張緩和4

現在進んでいる東南アジア各地での数々の国際会議と首脳会議はコロナ以降、最も活発な重層的外交交流となっています。米中首脳会談では明らかにトーンは緩和方向。バイデン大統領が中国に気を遣い、会談は中国団の宿舎(ホテル)に出向く形で3時間にわたり行われました。主題の一つ、台湾問題は平行線でしたが、中国がアメリカとの対話を再開することとし、ブリンケン国務長官が近々中国入りし、実務レベルの山積する案件の交渉再開がまとまっています。これは評価すべき進展だと思います。

日韓首脳会議でも徴用工問題を韓国国内でどうにか片付けようと事務レベルで動いていますが、なかなか展開しない中、尹錫悦大統領は解決に向けた努力を約束しています。更に岸田首相が習近平国家主席と17日にタイのバンコクで会談する予定も決定しました。この会談は岸田氏が日本を発つ前からずっと中国側と調整していたものですが、今般確定したのはたぶん、バイデン大統領との会談を受けたあとの政治的判断をしたのだと思います。これも評価できます。

産経に「支持率続落の底なし沼 旧統一教会への対応が焦点」とあり、岸田政権の支持率が38.6%に下落したと報じています。法務大臣の発言問題と統一教会問題さらには判断の遅さなど様々な点が指摘された結果です。ただ、公平に見て岸田氏にプラスの面が全くないわけでもなく、メディアの偏向報道が世論を形成した部分も大いにあると思います。先日のサンデージャポンで杉村太蔵氏が岸田氏が首相就任以降、経済は回復の一途を辿っており、首相しての主たる業務はきちんとこなしているのではないか、という趣旨の発言をしていました。これは岸田氏をかばうというよりまっとうな発言で私も岸田氏は好きではないけれど杉村氏の発言はなるほど、うなずけると思います。

もともと岸田氏は外務大臣経験者であることもあり、外交面に力を入れているのは事実で精力的な外交活動は安倍氏と良い勝負です。ところが国内の政権支持率にしろ、選挙のイシューにしろ、外交はまず主題にならないのです。これはアメリカでも英国でも同じで常に国内問題が主軸になります。物価高は世界中の政権に与えられた課題ですが、イシューとしては一国の首相や政権が取り組む課題としては大きすぎるのが正直なところなのです。だからこそ外交交渉はその一環だともいえ、岸田首相が何もしていないわけではないのです。メディアはそこが全然わかっていません。

ところで国のトップが外交に力を入れるもう一つの理由をご存知でしょうか?それは国内問題は議会とのやり取りを通じた法制化という複雑なパワーゲームがあるからなのです。が、外交問題は政権が議会とは別次元で動きやすいのです。そして派手なパフォーマンスや成果も得やすいわけです。そこでトップが国内問題を横にしてでも外交に走りやすいのはそのような背景もあるのです。

さて、本題に戻ります。私は中国のポジションは今後、やや軟化するのではないかと予想しています。それは習近平氏が外交活動を再開したことが理由です。氏は共産党大会で自分の任期と国内派閥の問題を解決することに過去3年間、全精力を注ぎ込んできました。一応、今回でそのしがらみは解けたので外交を積極化するとみています。

トップ外交で重要なのは完全平行線は割と少ない点です。それまでに事務方が必死の調整をするわけですが、その落としどころを確認するのがトップ同士の会談です。つまり、完全平行線ならトップ会談そのものが成立しないのです。故に会談があるということは何らかの妥協がそこに生まれると考えてよいのです。その中で習氏が外交を再開すれば氏のスタンスはある程度軟化せざるを得ないのです。それを誘い込んだバイデン氏は老獪とは言わないですが、経験故の策士だったと思います。

以前、トランプ氏が金正恩氏と会談した際は金氏を外に引っ張り出したという点で極めて評価すべきものでした。問題はアメリカと北朝鮮の事務交渉が仮にどういう形であっても金正恩氏がそれを踏襲せず、ちゃぶ台返しをしたために会談の成果が得られないわけです。つまり金正恩氏が国際社会において適応不可能で頑なな態度を少しでも軟化させ、第三国で会談をすれば北朝鮮の緊張緩和に大きく進む余地もあるのです。まずは金氏がもっと大人にならねばならないということでしょう。

では最後に対話が最も欠如しているのは誰か、であります。プーチン氏とゼレンスキー氏です。プーチン氏は言うまでもないのですが、ゼレンスキー氏は味方を取り込む目的の対話はしますが、敵や第三国を介した交渉は上手ではないように見えます。まずは世界が対話のある社会を取り戻すことでプーチン、ゼレンスキー両名を取り囲むようにして休戦調停の圧力をかけるべきなのでしょう。今回の一連の東南アジア頂上会合がその地ならしになればよいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

難しいアジアの安定成長への課題4

日米韓ASEAN首脳会合がプノンペンで開催されました。インドネシアでのG20開催に日程を合わせたものでバイデン大統領はアメリカとASEAN諸国の関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすると報じられています。また岸田首相は北朝鮮問題を取り上げ、その危機感を共有しました。更に日米韓首脳会議に日韓首脳会議と外交スケジュールが忙しくなっています。

アジアの安定と成長は果たして可能かという題目に対し、世界の地域を俯瞰した時、これほど難しい地域は他にないということをまずは指摘したいと思います。

北米はアメリカとカナダを主軸にメキシコが経済的メリットを享受することで体制を維持する頑強な仕組みが整っています。アメリカにとってメキシコは利用価値が高いのです。それは豊富な労働力を提供し、違法不法問題があるとしてもアメリカ南部の国内経済に一定のメリットを生み出しています。中南米との緩衝ゾーンとしての役割もあります。

欧州はEU設立の起源である大陸北部の優等生国家が主軸となるもののその組織体は北米同様、経済的メリットを上手に活かしてユーラシア大陸の東にどんどん広がる展開を見せています。共通通貨ユーロは各国の財政事情に伴う調整機能という根本的問題は抱えているものの今日に至るまで安定して成長しています。

欧米の共通点は域内に敵がいない、これが重要な点です。

ところがアジアについていえばそれがほぼ機能できない不全があります。この点についてわかってはいるけどきちんと概括したうえで議論をしたものは案外少ないのかもしれません。つまり、欧米の国家間関係は経済的メリットを主軸に廻っており、イデオロギーや社会、文化的背景を劣後させることで手をつないでいると言えます。

言えることは結局は経済がうまく回る、景気が良い、労働者や経営者が安定成長を享受できることが重要であるわけです。

ところがアジアの場合はまず、センターに中国という物理的な大国があり、残念なことにその体制が権威主義であり、中華思想的でイデオロギー第一主義であることです。一方、経済規模世界第3位の日本は中国と体制的な対立をしながらも経済的には貿易量の1/4を双方向で依存しあう関係にあります。同様に日韓関係も政治的には溶け込めないながらもビジネス関係や若者レベルでの好感度は悪くない状態が継続しています。

更に東南アジアになるともっと複雑で中国がテコ入れしているミャンマーやバングラディッシュがあると思えばインドやタイのように距離感があるケースもあります。華僑が演じる複雑な人的関係もあるし、宗教的に仏教の大陸側とフィリピンのようなキリスト教、インドネシアのイスラム教といったバラバラ感もあります。

更に東アジアのunrest(不穏)、つまり台湾問題と北朝鮮問題は特筆すべき事項だと思います。おまけに日本と台湾は近い関係、台湾と韓国は近くない、日本と韓国はバリアがあり、北朝鮮とは全く相いれません。中国は台湾を自分の一部だとみなし、北朝鮮はやんちゃで頭が痛いが割と放任している一方、韓国には「寸止め」手法を使います。中国は日本に対しては枠組みの中で積極的に敵対する気もなさそうですが、時代時代で枠の大きさが変わるという都合よさがあります。

この中で岸田首相が懸念する北朝鮮ですが、最近の蛮行は何故できるのでしょうか?私は2つのアングラ経済が機能しているとみています。一つが仮想通貨の強奪、もう一つが武器などの売却やロシアへの人材提供などで収入を確保しているものとみています。例えば今年3月にあるオンラインゲームにハッキングして一気に930億円を強奪(日経ビジネス)したり、かつてはバングラディッシュ中央銀行から120億円ハッキングするなど極めて悪質な強奪を国家として実行しています。武器などの売却はロシアのニーズ、つまり戦争特需に沸いていると言ってよいのでしょう。故にミサイルは飛ばせるし、核実験にまい進することもできるのです。

北朝鮮問題は資金源を断つことがたやすくないけれど最もシンプルな方法です。日本は懸念表明を繰り返すより、圧倒的な防御策、つまりハッキングされず、資金源を断つことに注力し、ASEAN各国とそれを共有すべきだと思います。幸いなことにFTXが倒産したことで仮想通貨の管理が再び中心課題となるでしょう。一気に世界規模で管理強化を図るべきでしょう。

東南アジアについては身になる援助をしていくべきです。ハノイやバングラのダッカにいった時、思ったのはこの街には公共交通機関が発達していない、故にオートバイが日常の足となり、交通や環境問題を引き起こす、ならば地下鉄などを作ればよいのですが、モノを作るだけではなく、都市づくりを長期に渡って指導するようなしっかりしたグリップづくりは重要だと思うのです。

フィリピンのセブで現地の方が「この橋は日本のODAで作ってもらった」と嬉しそうに話していたのを覚えています。が、日本は橋を作ったら終わりなんです。そうではない、それは経済協力の始まりに過ぎず、もっと深く関与し、ウィンウィンの長期の関係を作ることが日本の使命だし、日本にとって東南アジアのリーダーシップに繋がると考えています。

では今日はこのぐらいで。

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