外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

サプライチェーンの悲劇4

私どもはカナダ全土で日本の書籍を輸入販売しています。輸入は船便と航空便を使い分けていますが、本質的には船便で運ぶことがベストです。価格が5倍ぐらいの開きが出るからです。論理的には東京港を出ればバンクーバー/シアトルには2週間の航路となりますので完全無人化、通関も瞬時に終わるのであれば書籍のように2週間の鮮度に耐えられるものはそれの方がよいのは自明です。

ところが最近はどうなっているかといえばまず、混載用のコンテナを確保するのに一苦労なのです。我々のようにコンテナ全部を埋められない小規模貿易の場合には他の荷物と混じる積み方をします。ところがそのスペースを確保するのに約ひと月からふた月先の予約になります。次に予定船はスケジュールから場合により数週間遅れで寄港します。ここで船のルートは東京/神戸あたりからまっすぐ北米に向かう便と韓国、釜山経由に向かう便に分かれます。なぜかといえば船によっては日本から北米直接の物量では足りないので釜山で中国と韓国の荷物を積むのです。そうなるとここで更に数週間時間を食うため、我々は直行便を使っています。

我々が使う貨物船のバンクーバー便はシアトル経由なのでシアトルでの港の積み下ろしで約2週間待ち、更にバンクーバーも数日の待ちを経てようやくコンテナは陸揚げされます。船はカラのコンテナを積んで全速で日本に戻ります。

問題は続きます。通常コンテナの荷物は保税庫で関税チェックを受け、その後、仮置き倉庫にトレーラーで輸送されます。保税庫での税関チェックは割と頻繁に引っかかり、詳細にチェックすることもあればさっと見て終わりの時もあります。引っかかれば検査で1週間保留という時もあります。それらの状況は通関業者からEmailで連絡が逐次入ります。我々の場合には自分のところのトラックで仮置き倉庫に引き取りに行くのですが、巨大な倉庫には荷物が入りきれないほど溢れているもののそれを捌くトレーラーが来ない、というのが実情のようです。

アークインベストメントCEOのキャシーウッド氏がツィッターの創業者ジャックドーシー氏の「ハイパーインフレが起きつつありすべてを変えようしてる」という投稿に対して「AI、イノベーション、パンデミックによる循環需要でデフレが勝る」と述べたとあります。これにイーロンマスク氏が高いインフレはしばらく続くとしたのに対し、キャシーはそんなことはないと再度否定しています。

私も懸念する現在のサプライチェーンの問題はキャシーの言い分だと乗り越えられることになっており、「最終的にはクリスマスシーズン後に過剰供給と価格低下に直面する」と考えているようです。

私はジャックのいうこともキャシーのいうことも違うと思っています。イーロンマスク氏の言い分が私の考えに近いところです。つまり、ハイパーインフレにはならないけれど現在の問題がそう簡単に解決できる問題でもないとみています。

例えばサプライチェーンの問題も船が足りないのではというより、トレーラーの運転手が足りないという問題であり、ロスアンジェルス港がいくらバイデン氏の肝いりで24時間営業になっても誰がそこにトレーラーを乗りつけるのか、ボトムネックの問題解決は全くなされていないのです。

次に資源高の問題です。いつまで続くか、どこまで上がるか、です。「脱炭素化に向けたコスト」だと考えれば原油はバレル当たり100砲匹海蹐120砲六詭遒貌れざるを得なくなります。私はリチウムの掘削会社に投資をしていますが、これから1年で更に2倍になってもおかしくないと思っています。それは人類が脱炭素、EVシフトを望むのでそのコストなのです。

私が繰り返し、電源の主役交代こそが本当の産業革命だといった意味がお分かりいただけるかもしれません。我々は脱石化エネルギーに向けてとてつもないチャレンジに挑んでいます。それが達成されるまでは「生みの苦しみ」を当然分かち合わねばならないのです。

サプライチェーンの悲劇はなぜ起きたか、と言えばトラックドライバーのなり手がいないのです。何故か、といえば賃金水準が上がり、コンプライアンスに組合、法令といったものにしっかり守られる一方、やりがいがある仕事とは思ってもらえないのです。人がやりたくない仕事の雇用条件ほど良いものはないのです。しかし、お金や労働時間管理で人の労働の満足度は得られないことは政府の政策担当者も投資家もわかっていないのです。人としゃべることも少ないこの業種が将来ロボット化され自動配送されるまで我々はコストが上がる一方でモノが来ない、というストレスをため続けなくてはいけないのです。

私はトレーラーだらけの一般の人が入らないエリアで自分の会社の輸入品を積み込んでいるとき、これほどローテックな業界もない、とそのギャップにいつも驚かされているのです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

乗り越えらえるのか、国家間の利害関係4

外交上のもめごとはギリシャ、ローマの時代から今日までずっと続いていることなので特段珍しいことではありません。敢えて特筆するなら二度の大戦を経てあのような惨劇はもうやりたくないという抑止力が効いている中で各国がどう覇権を握るか、水面下の必死のバトルが延々と行われている、そんな風に見えます。

第二次大戦後のもめごとの切り口の一つは経済/貿易でした。日本やドイツが急成長し、輸出で主導権を握り、それらを輸入する国からは重宝がられることもあれば、自国の経済に深刻な打撃を与えたと激しい反対運動が起きた国もあります。

70年代の石油ショックも結局は利害関係でした。あの頃、石油は有限、あと〇年すれば枯渇するという話をバックグラウンドに産油国の乱がおきたとも言えます。

一方、国際連合は戦後に国際連盟の教訓を生かして結成されたものの机上の議論と表層の合意を繰り返します。安保理の力関係で大きな行動力を示すことができない、そんな組織です。同様にG7を拡大したオバマ元大統領のG20も似たり寄ったりです。各国の意見を聞く調整の場以外の何物でもなくなってしまっています。

岸田総理は10月30日-31日にローマで開催されるG20には選挙の関係で出席しないのですが、国際社会の舞台に新任の首相が出ないのは大きなデメリットであると海外では評されています。選挙日程を決めた時点でG20の日程は当然分かっていたので内政と外交の選択肢で内政を選択したということはボトムラインでは岸田氏のG20の期待度が低かったともいえそうです。

11月にはCOP26が英国で開催されますが、理念と実務にギャップがありすぎて国家間の調整ができるのか、議長国のジョンソン首相には既に焦りが見られます。実務レベルで激しいやり取りがあるものとみています。それこそ電気自動車の普及の話と同じで理想と現実は全く別物、なのです。

数日前の産経に2つの気になる記事があります。「中国TPP加盟に支持相次ぐ…どうなる?」と「対中AUKUS大丈夫か、冷え込む米豪と仏」です。前者はTPP加盟に力を注ぐ中国と台湾についてTPP加盟国が支持支援にむけた水面下のバトルを報じるもの。もう一つのAUKUSについては原子力潜水艦建造をめぐっての米豪とフランスのしこり問題です。

国連の安全保障理事会にしろTPPにしろ全員の承諾という達成不可能に近いハードルがあります。普通で考えればTPPに中国も台湾も加盟できる可能性はまずない、とみるのが現実解のはずです。しかし、その間に中国が主導できるRCEPが機能し始めればTPPから外れるのは南北アメリカ大陸の参加国だけになり、日本主導のTPPの存在価値が大きく損なわれることは目に見えています。

結局これらのバトルに垣間見られるのは国家の主導権争い以外の何物でもなく、それを担保するために最新の兵器の増強や経済制裁を科せるパワー、発言力の強化を目指します。また昨今のエネルギー問題が出てくればOPECといった旧来の国々の発言力は当然増し、「オイルの増産、そう簡単にはしないさ、我々の主導権をもっと明白にするまではね」という立場をとるのは当然の判断になります。

かなり反日思想をもったある韓国人の知人が「日本はいい国だ。自分も何度も行った。日本人もいい人だし、日本の食べ物も大好きだ。だけど政府は大嫌いだ」と。二枚舌そのものですが、二重基準が当たり前の社会が生まれています。中国人の日本へのイメージも低下していると報じられています。理由は中国人が日本に観光旅行で来られないのでポジティブなイメージが醸成されないというのが理由だそうです。

ということは軋む国家間の関係はコロナで国を閉ざしたことも大いにあるのかもしれません。一般の人が往来し、旅行をし、政府高官がリアル会議を通じて落としどころを探す、という従前の取り組みが案外世界平和と微妙なバランスを維持させるもっとも効果的なクスリという気もします。

ならば日本もそろそろコロナ規制を緩和し、外国人に門戸を開けないと敵が増える一方になってしまうかも、です。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

パナソニックは覚悟を見せるか?4

パナソニックの企業イメージについて多くの方々は家電製品を思い浮かべると思います。私もそうです。私の家には昭和40年代に同社が発売したヘアドライヤーがあり、今でも動きます。どの家にもパナソニックの製品の一つや二つはあるし、かつては街の電気屋さんとして「ナショナルショップ」があちらこちらにあり、私が育った地域でも住宅街にぽつねんと店を構え、誰が客なんだろう、と幼少期、いつも思っていたことがあります。

また同社はオリンピックの正式なスポンサーであり、社名はとにもかくにもよく知られた会社なのであります。ただ、その知名度に反して近年(10年、20年というスパン)についてみれば、北米で同社の製品は見なくなったなぁ、というのが海外暮らしの私の印象です。その上、この数年は家電量販店なる場所に足を踏み入れることはめったになくなりました。日本ですとターミナル駅には大手量販店が競い合い、週末には人がごった返すのですが、どう見ても当地ではその傾向は見られないのです。

理由の一つに集合住宅を購入すると洗濯機、乾燥機、電子レンジ、オーブン、冷蔵庫などは標準装備でついてくるからです。つまり消費者が家電製品を選ぶチャンスはないのです。一方、不動産開発業者からすると私を含めどの製品を選ぶかはマーケティング上極めて重要な戦略です。そして今でも多くの開発業者は特定のブランドに走ります。Subzero,Bosch, Wolf, Kitchen Aid…といった具合です。ではパナソニックは入るのか、というと私は電子レンジだけ採用しました。割と同社のレンジは今でも高い評価があります。

一般消費者が自分で買う家電とはテレビやパソコン系などに絞り込まれてしまうのです。そしてそれらはコストコでもウォールマートでも購入できます。つまり専門店に行かなくても普段使いのスーパーマーケットで販売されているのです。例えばコストコなどはそれら家電製品は入口の入った目立つところにあり、ショッピング満々の消費者の一番初めに目に入るのです。

するといやがおうなしに「あー、80型のテレビ、安くなったな」「このパソコン600法△悗А次廚覆里任后つまり知らず知らずのうちに洗脳教育されていて「うちのテレビ、そろそろ買い替えだね。こんど安い日があったら買おう」なのです。まさに心理作戦。ちなみにコストコの陳列は非日常製品からスタートし、レジそばの日常製品やドラッグなど選択余地の少ない商品への陳列になっています。ものすごく心理を突いているのですが、そんなことに気がつく人はいないでしょう。

さて、パナソニック。今回、アメリカのサプライチェーンソフトウェア会社のブルーヨンダー社を7000億円超で買収、9月にその買収作業が完了しました。前社長の津賀一宏氏は社長在任時代、負の遺産の整理から入り、同じような苦悩を抱えたソニーの平井一夫氏とヨーイドンだったのですが、平井氏はゴールにはるか前に到達、周回遅れのパナソニックはへとへとになって楠見雄規氏に社長のバトンを渡しました。その際、このブルーヨンダーの買収案件が社内で大議論となるものの後任となる楠見氏の最終判断でゴーサインとなりました。

ではこのブルーヨンダーはパナソニックにどういうインパクトを与えるのか、ここが私にはまだ確証がないのです。どういうことでしょうか?

冒頭申し上げたようにパナソニックという会社はそもそもは一般消費者向け製品に強みがあった会社です。街の電気屋、まさにそのイメージだったのです。ところが同社は「それではもうだめだ」と気が付きます。理由は利益率が異様に低いのです。これはどんな業界でもそうですが、BtoBとBtoCどちらが良いか、といえばBtoBに軍配が上がります。利益率が安定、マーケティングコストも低く、手間のかかり方が全然違います。例えば私どもは書籍を顧客に一冊一冊販売させていただくと同時に図書館に450冊納品とか大学購買部に教科書300冊といった販売をしているのです。

つまり同社は明らかにBtoBにシフトしたがっています。それを刺激したのはたぶん、日立ではないかと思います。同社の製品は最近一般消費者向けコーナーからだいぶ減ったと思います。一方、BtoB向けでは海外で破竹の勢いです。そこで津賀氏は車載用電池としてテスラ社と運命決死隊のパートナーとなりました。が、途中でテスラの鼻息とは裏腹にその勢いは明らかに失速します。今回のブルーヨンダーの買収資金の多くは大儲けしたテスラ社の株式売却資金を投じています。おまけに先日発表になったトヨタのアメリカでの電池工場建築にあたり、そもそも提携関係があったパナソニックではないとされています。

それでは、ブルーヨンダーでBtoB、更にハードからソフトへのシフトをするのか、といえばこれは同社が清水の舞台から飛び降りるほどの覚悟が必要だとみています。

「パナソニックよ、君はIBMのようになれるのか?」であります。

おまけにもう、買収してしまったという点でかつての日本企業による海外企業買収後の失敗劇を繰り返さなければよいと思っています。いただけないのは買収後のブルーヨンダー社とのやり取りでパナソニック側は「学ばせてもらいます」とした点。海外企業買収でポールポジションを取られたらアウトです。つまり私は第一歩目からしてだめじゃん、と思ってしまったのです。

3−5年後のパナソニック、そして楠見氏の手腕を見てみましょう。本気でブルーヨンダーを取り込むならサントリーがビーム買収後、新浪剛史社長が直接乗り込んでサントリーとの一体化に取り組んだあの姿勢を見せるべきです。歴史的にはブリヂストンによるファイアストン買収がたぶん、買収とはこうあるべきだを見せつけた超傑作例でしょう。楠見氏はアメリカに乗り込む、それぐらいの覚悟は必要だと思います。

では今日はこのぐらいで。

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頑張れ、シングルファーザー4

「がん宣告から12日後の妻との死別 『遺された僕』を変えた3児の子育て 2歳、6歳、11歳と修羅場の毎日」という記事が一週間ほど前のヤフーとWithnewsの共同企画として掲載されました。かなりの反響があったようでヤフーのコメントも膨大な数となっているようです。

長いストーリーですが、要約すれば幼い3児を残して母親ががんで先立たれ、雇われ社長をしていた父親の長くつらい奮闘記です。最後は仕事と家庭の両立ができず、「社長の代わりはいるけれど父親の代わりはいない」として社長を降り専業主夫になったという話です。

シングルファーザー。あまり話題になることはなかったのですが、私は支援している高齢者介護事業の絡みで奥さんに先立たれたケースや奥さんが認知症になりご主人が面倒をみているケース、さらには老々介護などを実際のケース、さらには様々な書籍など読み物を通じて勉強させていただいています。

上記の企画記事の端々に見えるのは「夫は仕事、妻は家事」という家族内役割分担が破綻した時の衝撃であります。仕事に専念する夫の日々はある意味、狭い枠組みの日常です。同じような時間に会社に行き、同じような社員とやり取りをし、業務を行い、時として社員と酒を飲みかわし、子供が寝静まった頃に帰る、これが典型的パタンだと思います。もちろん、若い世代では家事への取り組みはもう少し増えていると思いますが、時間的制約が家庭内分業への障壁となっていることは確かです。

数年前、「お母さん、ごめん。」(松浦晋也著)という書を読んだときも衝撃でした。日経BPで科学ジャーナリストを務める著者の母親が認知症になり、自分の人生でまるで無縁だった世界に選択の余地なく入り込み、必死の日々介護をする姿はたまらない切なさを感じました。なぜ男が子育てや介護をやることになると驚きがあるのか、それはまるで遠い世界が「まさか」という形で訪れ、それまでの人生設計をすべて狂わせるからです。私に母親の下の世話ができるか、と言われれば「オーマイガッド」としか言いようがないのです。

だいぶ前ですが、私の知人の妻がノイローゼで自殺しました。幼い女の子一人残し、夫の奮戦がはじまります。時々父子と食事をしながら様子を伺っていたのですが、子供の洋服は破れてどう見てもきれいとは思えません。娘は小学校2−3年だったのですが、日本語も英語も中途半端です。夫は明らかに苦しんでいました。私はできるなら再婚をした方がいいと言ったのですがそう簡単に相手が見つかるわけありません。数年後、父子は日本に帰国しましたが、妻の実家からは娘を死に追い込んだとして残された子供も含め一切の縁を切られます。自分の実家からも勘当まがいの状態だと聞いたところで連絡は途絶えました。彼はまだシングルファーザーをしているのだろうか、と時々思い出すのです。

男と女。社会的政治的には平等が当たり前ですが、生理学的にはもちろん、全然違います。そもそも男は不完全な物体であって幼少期も病気しがちだし、言葉の発育も遅い。しっかりした子ねぇ、というのは女児のことで男児がそういわれることはあまり聞きません。男はある部分においてぶきっちょで深掘りが得意。女性のようにSNSが生まれる前から「井戸端会議」で情報交換をしながら生活の知恵を着実に蓄える器用さもなし。歳を取ればもっと始末に負えない頑固じじぃとなり、戸山や高島平の団地の鉄の扉の奥に一人籠もり、外出は弁当を買いに行く時だけという社交ゼロの寂しい人生の最終路が待っています。

そんなぶきっちょな男が器用になる方法はあるのか、といえば少なくとも私は少しは救われたと思っています。理由は社長をやるようになって時間的融通が利くこと。通勤時間が3分なので24時間をフル活用できることもあり仕事以外の家事でもごく普通にこなします。重曹を使って水垢のついたキッチン用具をきれいにする5分なり10分間の無になれる瞬間が好きだったりします。そもそもミニマリストなのでモノがないから散らかしようがないということもあります。

シングルファーザーになって将来苦しまないハウツーなんてないけれど私の人生経験から敢えて言うなら「仕事に逃げるな」だと思います。「家事のABCを理解せずして『デキる男』にならず」というのが持論です。はは、ちょっと格好良すぎかもしれません。だけどいざとなったら私もどうするのか、考えるだけで不安一杯です。

では今日はこのぐらいで。

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今週のつぶやき4

ショパンコンクールで2位になった反田恭平氏のインタビューを聞いて意外感を持ったのは「鍵盤に向かってずっと練習しているわけじゃない」。いろいろ見聞きしてインプットして考えてそれらを音楽表現としたのです。様々な角度からの強い刺激を糧とした、です。思い起こしたのが野球のイチローさん。彼はストイックに素振りに励みました。この違いを深堀する意味は大いにありそうです。ちなみに反田氏の理想は大谷翔平さんだそうです。常識にとらわれない異次元、これがキーワードですね。

では今週のつぶやきをお送りします。

ビットコイン、テスラ、原油価格…さて、何処に行く?
10月半ばになって新ラウンドに入った、そう感じています。相場のトーンが変わりました。第3四半期決算シーズン真っただ中でもありますし、ビットコインのETFもついに登場、フェイスブックは社名変更検討と報じられ、原油価格はこじっかり。その間、目立たない金(ゴールド)はアノマリー的に秋には高くなるのですが、今年も裏切っていません。

あまり個別について述べたくはないのですが、ビットコインはETF上場で一旦休んだ後、年内7−8万ドルを目指す展開を想定しています。最大発行枚数2100万枚、21万ブロックごとの半減期は全部で33回のうちまだ3回しかないので先の長い物語は始まったばかりに見えます。テスラは好決算を理由に久々に新高値を付けましたが正直判断できません。業績からはじく理論価に対して期待値が高すぎてビットコインより読みにくいのです。原油は22年年初までは強いとみられ、インフレリスクで代替資産の金も上昇余地はあるとみています。

ただ、トレンド投資は概ね息が短いもの。今の流れは一つの節でその次に何が来るかは誰もわかりません。それは専門家に聞くというより相場に聞くことになるのですが、私は「相場の息遣い」に最大限の神経を注ぎ込んでいます。しかし、こうなるとマネーゲームになってしまい、素人は勝ちにくくなります。理由は情報とその分析が3歩も4歩も後手になるからです。どの相場も現在は非常に高いところにあり、プロ集団が激しいつばぜり合いをしています。自動車レースの決勝戦にプロドライバーと素人が一緒に参加するようなものなのでそのリスクは十分に把握しておくこと、これが大事だと思います。

疑問符だらけの「新エネルギー計画」
待ちに待った新エネルギー計画が発表になりました。なぜこのタイミングか、といえば11月に英国グラスゴーで開催されるCOP26での発表用に閣議決定する必要がありました。2030年のエネルギーミックス、私の瞬時の疑問は3つ、仝業、今の3-4倍の比率、可能なのか?∪价困まだ19%も残っている(LNGが20%なのでほぼ同じぐらいという意味)5賁槁犬料軼杜藁未1兆650億kWhが今回の目標は9340kWhに下がっています。その下落率12%です。どこを削減するのでしょうか?

では最大注目の再生エネですが、2019年の18%から30年には36-38%にするとあります。風力や地熱、バイオマスが大きな割合になるとは思えないので太陽光頼みです。正直、私は不可能だとほぼ断じてよい目標だと思います。理由は簡単です。日本の日照時間は長くない、これに尽きます。気象台の平均値は年間1850時間、世界平均は2500時間です。平均より22-3%低いのです。偏差値ならば42-3ぐらいかもしれません。私が大昔に日本にはリゾートはできない、理由は沖縄は雨や台風ばかりと申し上げました。特にここにきて気候変動で天気はより安定しなくなりました。役人が机上で考えたプランというのはこういうことなのです。

私は東京の事業用不動産の屋上に7年ほど前に200万円かけて太陽光パネルを設置しましたが月々東電からもらうのは5000円程度。年間収入6万円だから回収するのに計算上33年、投資リターンは実質マイナスです。これはもちろん失敗です。太陽光には投資できないのです。ではお前ならどうするか、と言われたら国立公園法を改定してでも地熱発電を目指すと思います。太陽も風も国土的に十分期待できないけれど地熱だけは大いにある、この恵と原発との引き換えが国民に理解されるか、これぐらいの覚悟を政府は示すべきです。この新エネルギー計画は腑抜け以外の何物でもありません。

60代にしておきたい3つのことby ひろ
60歳になった今年は今までにないほど年齢を意識するようになりました。それは過去は末広がりの年代だったからです。可能性も無限の広がりがあったし、私には経営者としての選択の自由もあります。私は今でも生涯現役を考えていますが、それが80歳までか100歳までか、物理的限界の120歳なのかこれは神のみぞ知る、であります。一方、社会的にはシニアの範疇となり、高校のクラスメートからもリタイアという声がちらほら聞こえてきます。

以前、本田健さんの講演も聞き彼の〇〇代シリーズも読んだうえでずっと考えていたのですが、自分で設計する60代にしておきたいこと、3つとは何だろうと。結論。70歳までの10年で後悔のない最高のチャレンジ 過去の流れをいったん遮断し、全く新たな道を築く 0掬歸な体力を維持する、この3つです。

後悔のないチャレンジの対象はビジネスだと思いますが、失敗して無一文になってもよいので信念をもって攻めたいと思います。過去の流れの遮断とは60年間に積み上げた社会的地位を全部捨ててでもゼロスタートを切ってみたいのです。そして違う世界を覗いてみたいのです。最後の体力とは別に〇〇大会に出て優勝するという話ではなく、自分への鍛錬という意味です。肉体的にも精神的にも屈強になりたいのです。私に影響を与えたのはソニーのCEOだった平井一夫氏かもしれません。私より6カ月早く生まれた同世代である氏のソニーからの潔い退き方は感動でした。

後記
最近、スーパーマーケットで野菜を一切買わなくなりました。その代わり、ある中華モールの八百屋で中国人に交じって無造作に山積みになった野菜を買います。理由は鮮度がまるで違うのです。久々に新鮮な野菜はうまいと感じました。価格もスーパーより3-4割は安いです。大規模流通は必ずしも鮮度を確保できない話は豊洲問題の際にも取り上げました。大手では不可能な小規模店の強みを改めて見せつけられています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今日の物価高 スタグフレーションには見えず4

経済、投資系の記事にスタグフレーションの文字をちらほら見かけるようになりました。10月2日の「今週のつぶやき」で「スタグフレーションがやってくる?」と「?」を付けたのはかつて我々が知っているタイプと違うような気もするのです。もしかすると新型の「経済問題」のようにも見えるのです。

スタグフレーション、久々に耳にする方もいらっしゃるでしょう。スタグ(stagnation=経済停滞)とフレーション(inflation=物価上昇)の合成語で悪質な経済病といってよいでしょう。

通常は景気が良ければ物が売れ、賃金が上昇します。ところがこれが過熱するとモノの価格が上昇しすぎるので金利を上げて冷や水を浴びさせ、景気の熱を冷ます、という人為的操作をします。これをするのが中央銀行の役目です。一方、スタグフレーションはモノが売れないのに食品や生活財など誰もが必要とする財の物価を中心に急上昇、賃金上昇が追い付かず、景気が落ち込む状態を言います。

スタグフレーションの好例は1970年代の石油ショックの時で原油価格が4倍にもなり、景気が落ち込み、対応に苦慮したもののその後、原油価格が下がったことで収まりました。同様に2008年のリーマンショック後も原油価格や穀物価格が上昇したもののその後、再び価格下落があり、その危機を脱出しました。

では今回、同じような状況なのに私がなぜ疑問符を付けたのか、といえば技術の進化と世の変化、価値観の変化、それに対してコロナショックによる1年半以上の時間的ギャップが生み出した複雑性があり、わかりにくいからです。

まず、需要が一方向に定まらず、食い散らかすような状態になっています。これは消費意欲が高いもののそれに見合う供給ができないか、消費者を失望させる価格となっており、消費を諦める層が出ていることがあります。家は高い、車は在庫がない、旅行は制約だらけです。その中でカナダではついに「ぜいたく税」が付加されそうで10万ドル(約900万円)以上の自動車や25万ドル(2200万円)以上の船の購入などには10%の「ぜいたく税」を来年から課すことになりそうです。個人的にはこの政策はごく短期的処置には有効なものの恒常的な税にするのは大変な間違いだと考えています。それにそんな税額も抑制策も効果はたかが知れているのです。

今回の状況は資源価格や食糧価格の上昇だけを見れば過去のスタグフレーションに似ています。但し、その価格は過去の事例のようにすぐに下がらないかもしれません。それはカーボンゼロという新たな取り組みとコロナ特需で追いつかない産業界が背景です。生産体制がフルにならない問題点もあります。コロナで工場の稼働率が十分ではなくベトナムなど東南アジアからの輸入品は需要に応えていません。半導体不足で9月のアメリカの自動車販売は25%も下落しました。つまり、価格は上がっているけれど今のところ実需がついてきているのです。

これから1−2か月に起きること、それは欧米の感謝祭とクリスマスという二大ギフトシーズンにものがない、という問題です。この伝統的なギフト交換の習慣に対して一部の小売業者が商品の在庫がなくなるかもしれないから早めの購入を促している状態です。それもあり、ショッピングモールは既にとても混み合っています。それだけを見ると景気のブーム(高揚期)ではないかと思われるかもしれません。しかし、一時的に過大になっている総需要に対して供給が追い付かないだけの状態であり、本来なら設備投資を促進するべきで金利を上げるのは逆効果であります。

企業は作りたくても作れない、運びたくても運べない、売りたくてもスタッフがいない、という三重苦を抱えているのです。

パウエル議長がこのインフレは一時的と言っている意味はこの点を指しています。「食い散らかし型過剰需要」であるなら確かに待てば経済の正常化に伴い、企業の生産活動が元に戻り、流通も落ち着くのでしょう。つまり、今回の場合、供給ペースを落とさず、需要を落とすという仕組みづくりが必要でこれをどうやって金融政策上反映させるか、であります。

20年初夏、私は自転車が欲しくて何軒も回ったけれど一台もありませんでした。ようやく見つけても一台50万円といったものしかないのです。私を含め消費者は購入を諦めました。過剰需要が落ち着き、1年後の21年春にはそこそこ入手できるようになりました。それは爆発的需要がそこまで継続せず、盛り下がった一方、供給が追い付いたからです。まさにこの状態があらゆる業種で起きているということです。

我々マリーンの業界では来年以降、プレジャーボートの取引価格が大幅に下落するとみています。潜在需要を先食いし過ぎて揺り戻しが来るとみているのです。本来、そこまで船が好きではない人まで買ってしまった、だから後悔して売り急ぐ、です。

日本に於いては外国人労働者が払底したことが大きく、コロナ入国規制が緩和されそれらの人が労働市場に戻ってくれば人材不足は解消に向かうでしょう。その際、日本独特の問題として賃金上昇圧力が落ちるのでこれが長期的な問題として残る可能性はあります。

総合的に見て私には「騙しインフレ」にもみえます。1−2年は過渡期となり、読みにくい状態になるもののキャッチアップが進むと予想しています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

トヨタに見え隠れする苦渋のEV戦略4

トヨタのEV戦略が凡人には少々わかりにくい、そんな気がします。

豊田社長は自工会会長の立場から政府のカーボンニュートラル政策と自動車産業への波及について再三にわたり強い懸念を示してきています。しかし、私も何度か申し上げているようにそれは自工会会長の立場であり、トヨタの社長の立場ではないところに豊田氏ですらかなり苦しんでいるのではないか、という様子が垣間見えるのです。

10月18日の日経には「トヨタ、米に電池新工場 30年までに総額3800億円投資」とあります。北米の経済ニュースでも比較的大きく報じられています。但し、記事の中には「当初はハイブリッド車用のリチウムイオン電池を生産し、電気自動車向けの製造も視野に入れる」とあります。トヨタは引き続きハイブリッド車(HEV)重視の姿勢を貫いているようです。ですが、同社の世界戦略をみると地域によりかなり違うプランを示しています。

今年5月に発表したトヨタの2030年の計画にはHEVと電動車(BEV)を含む比率は欧州と中国(35年)は100%、北米70%、日本95%となっています。但し、その内訳でEVと燃料電池車(FCV)であるZEV(=Zero Emission Vehicle)は中国50%、欧州40%に対して北米15%、日本に至っては10%なのです。つまり、2030年の日本ではトヨタ車においては新車販売はハイブリッド車ばかりで純粋な電気自動車はまだわずか、ということになります。

一方、環境規制や政治主導性の高い欧州や中国ではその方針に従わざるを得ないという泣く泣くのスタンスが透けて見えます。

私がいただけないと思ったのは今週号の日経ビジネスの「電子版編集長セレクト」にある「日本流脱炭素を製造業が目指すべき理由」という記事。筆者がトヨタの役員室で取材した話を解説したものなのですが、これだけ読むとトヨタは反政府的姿勢に聞こえ、「内燃機関が悪いのではなく炭素が悪いのだろう、だから炭素を減せれば内燃機関だっていいじゃないか」というトーンなのです。多分、豊田社長はそこまで反抗的には言っていない気がしており、この役員氏か筆者が盛っているように聞こえるのです。

しかし、いずれにせよ、そうまでして自工会会長の豊田氏が二枚舌的な発言をしなくてはいけないとすれば、それは国内産業への気遣い以外の何物でもないと考えます。つまり、激変対応が苦手な日本にあってその重層な下請けシステムについて「痛み止めの薬」を打たざるを得ないという超日本的対応であると思うのです。

時価総額日本一の会社として国内自動車産業のトップとして期待と責任に応える一方、2030年以降のビジョンは国内向けと海外向けを使い分けなくてはいけないところに胸の内の苦しさが伝わってきます。

内燃機関の車は2030年において日本を含む先進国では販売激減となるも、世界全体で見ればトヨタは、逆に維持、ないし伸ばせる余地すらできるとみています。それは新興国ではEVのインフラはそう簡単にできないことが分かり切っているからで、内燃機関の車は20年後も普通に販売されているとみています。一方で市場参加者(=メーカー)が少なくなってくるので漁夫の利があるだろうとみています。

一方、ガバナンスや企業存在価値にうるさいビジネスセンシティブなグループ(機関投資家、金融機関、保険業界、環境団体…)は「トヨタよ、なぜ、世界潮流はBEVであってHEVではないのにそれを続けるのか」というでしょう。これにどう打ち勝つのか、これが難問であります。

姑息な手段かもしれませんが、トヨタの製造ルートを二分させ、内燃機関とHEV専門会社とZEV(EV、FCVだけ)専門会社に分けてトヨタがホールディング会社とする戦略は取れなくはないのかもしれません。ちなみに欧米メーカーでは既に電気自動車専用工場の準備が進んでいます。(日本ではいまだ混在です。)

私が懸念していることはニッポン株式会社において、最終消費者向け製品を売る世界最高峰の企業が1980年代以降、少なくなっていることに危惧をしており、トヨタはある意味、最後の砦ですらあるわけです。自動車業界における時価総額ではテスラを別とすればトヨタは2位のVWを圧倒していますが、世界の中でトヨタのイメージはあまりにも優等生だけどやや普通すぎるのかもしれません。全方位対応と言えば美しいのでしょうけれどトヨタのもっと力強さも見たいと思っています。レクサスは頑張っていますが、まったく別物と市場は理解しています。

80−90年代、北米では車は実用主義で動けばよいもの、と評されたことがありました。今、車はその人のライフスタイルを表すアバター的存在です。ステータスシンボルという意見もあるかもしれませんが、私の感性では10年以上古いと思います。それゆえ、企業の向かう方向性を業界のリーダーとして世界に指し示してほしいところです。わかりやすい圧勝の方程式を是非とも見せてもらいたいですね。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ワクワクしない衆議院選挙、なぜ?4

いよいよ衆議院選挙ですが、個人的に久々のワクワクしない選挙のような気がします。党首討論会も数多く開催されましたが、やればやるほどよくわからなくなる、それが今回の選挙の魅力のなさを表しているような気がします。

そこに追い打ちをかけるように「衆院選公示、候補者の多様化遠く 20〜30代初の1割未満」(日経)とあり20−30代の若手の候補者は2012年の296人からわずか99人に減少、一方、70代以上が97人と20−30代候補者と拮抗している報じています。

これだけを見ても政治がどこを向いて行われているのか様々な憶測を呼ぶでしょう。日本を背負う世代は政治に対して「自分の一票では何も反映されない」という割り切り感がより強くなり、「何をどう言っても同じでしょ」という諦めすら聞こえてくるのであります。

今回の選挙の特徴は対立軸がほとんどない点です。各党、それぞれ主張はあり、もちろん、差異はありますが、国民を巻き込むほどの論争になっていません。次に給付金ですが、どの党も積極的にとらえています。自民党だけが具体的には踏み込んでおらず、岸田さんの優柔不断な性格とも捉えられかねません。

また、消費税の廃止や一時凍結などを掲げている野党も複数ありますが、自民党を含め、基本的に低下する国民生活レベルを下支えするためにお金を使うというスタンスでほぼ横一直線となっています。特に自民党は分厚い中間層を再構築とし、立民は一億総中流社会の復活を掲げています。これ、どう違うのか、説明せよと言われてもかなり苦しいと思います。

若手の立候補者が少ないということは政治はより真の意味での保守性向が強まるということにほかなりません。もちろん異次元の高齢化社会を迎える日本に於いてより安心安全なくらしを提供するのは極めて重要なことですが、残りの75%の日本の未来を支える世代にどんな希望を与えてくれるのか、そこが本来あるべき公約の主軸ではないでしょうか?

コロナ対策についても各党、細かいところまで踏み込んだ公約を入れています。私は今回のコロナでわかった感染症対策の弱点をまずは総ざらいすべきと考えます。それを踏まえ、次にいつまた起きるかもしれない感染症に対してどういう体制を構築するのか、国民への情報提供やコミュニケーション、感染者への対応、医療体制の柔軟性、危機対応を震災の対策と同様のシステムとして構築するといった公約であるべきではないでしょうか?政党の公約なので微に入り細に入りの内容ではなく、大所高所からどうするのか、そこを私は聞きたかったのです。

自民党の掲げる成長戦略の具体的内容がほとんど語られていないのは今回の自民党の公約の大きな弱点だと思います。2030年に向けてどんな社会を構築したいのか、全ての国民がワクワクするようなそんなビジョンが全然出てこないのです。2030年まであと8年ですが、流れゆく時と共に迎えるのでしょうか?

子供たちはIT機器と接しながら便利さと楽しさを享受していますが、泥臭さがありません。なんとなく学校に行き、なんとなく受験し、なんとなく就職する、そんな社会です。毎日ユーチューブ見ているけれどそれ以上のことはしないし考えることもありません。なぜなら便利で何一つ困らないからです。いざとなったら政府が助けてくれるから、です。

本当にこれでいいのでしょうか?政治家は将来への道筋を切り開く、それが役割です。実務は行政にやってもらう分業体制であるはずなのに政治と行政がほぼ一体化してしまい、三権分立がどっかに行ってしまった感すらあります。

最後に外交ですが、各党、中国を念頭にした安全保障を一義に掲げています。しかし、中国には戦争といった従来型の攻め方への対応だけではなく、全く想定していない切り口への対処が必要です。イデオロギーの塊のような国だからです。その影響力が果てしなく広がった時、日本をどう守るか、という議論は防衛や安全保障だけではなく、自分から積極的に味方を作り、どんな事態が起きても(仮に経済的衝撃が起きても)対応できる極めて高度で広範な対応と対策が必要と察します。日米関係は維持するにしても私が見るアメリカはかつてのアメリカではありません。よりドライな関係になるでしょう。その時、代替え策のオプションを日本は持ち合わせているのでしょうか?日本には一つもないのです。

安倍さんが必死に外遊をしました。コロナでそれが出来なくなったのですが、では新しい総理がそれを引き継ぎ、海外のトップと渡り歩けるか、といえば期待薄です。結局、安倍さんだからこそできた技となり、それが伝承されなければ意味がないのです。

選挙戦において外交は劣後するのは定石でありますが、本当にこれでよいのか、というのが各党首の発言、および公約を読む限りの私の印象です。良い選挙になってもらえばと思います。

では今日はこのぐらいで。

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東京は不動産バブル???4

中国では不動産バブルが弾けるといっているのに西側諸国はその真逆で不動産がバブル化しているというのがブルームバーグの「住宅バブルリスク、欧州全域で高まる−東京も『過大評価』組の上位に」という記事です。世界9都市がバブルリスクが高く東京は10番目でギリギリのところにあるというものです。

元記事はスイス最大銀行、UBSが発表する世界不動産バブル指数です。同銀行の調査部門が毎年発表しているもので世界の25の主要都市の不動産価格を調査しています。私も早速その元レポートをチェックしました。

バブルリスクの高い上位9都市はトップのフランクフルトをはじめとする欧州都市が6,カナダが2,香港となっています。アメリカ主要都市はリスク度は普通ランク以下で最高位が12番のマイアミ以下、ロス、サンフランシスコとなり、以外にもニューヨークはランクが低くなっています。また住宅バブルで苦しむソウルは調査対象に入っていません。

この調査におけるバブルの定義は理論的価格や健全性との乖離で収入や賃料、貸し付け状況や新規供給などを分析したものとあります。

例えばカナダは第2位のトロントと6位のバンクーバーについて来年にも金利上昇が見込まれる中、住宅価格のバブル破裂のリスクは高いと解説されています。一般的にはそうかもしれませんが、私は残念ながらトロントもバンクーバーも住宅価格のもう一段の上昇、そして継続した上昇があるとみています。つまり、レポートの警告を裏切るとみています。

理由はカナダ特有の経済移民政策で毎年人口の1%以上である40万人を受け入れているので分譲賃貸に関わらず移民の需要だけでも毎年約6万戸弱の新規住宅が必要になります。ところがパンデミックで許認可プロセスがスローダウンしたこともあり新規着工件数が需要に追い付かなくなります。

もう一つは近年の集合住宅のデザインがより複雑でかつ、高機能性を持たせていることから建築コストはうなぎのぼりになっています。当地では最終販売価格がsf当たり1000-2200法△弔泙100屬僚弦臀斬陲任兇辰り9000万円から2億円が開発業者が打ち出す価格水準です。先日も若い銀行員と話をしていて郊外に6300万円の集合住宅を買ったのだけどバブル破裂で価格が下るのが心配で眠れないほどだと呟いていました。

カナダがバブルとは言い切れないのは開発事業費からみた供給側のコスト及び高い潜在需要から今や1億円の不動産は誰も驚きもしない価格帯である点でしょうか。その分、賃金も上がっているし、買い替え用不動産も上がり、投資を通じた老齢年金の価値の上昇などで備えある人には許容できる状況にあるともいえます。

では東京です。UBSのレポートには不動産価格については日本全国を見た場合、東京の一人勝ちとあります。何故でしょうか?別のデータを見てみましょう。首都圏の新規着工数は20年前の年間8−9万戸からわずか3万戸程度に下がっています。また、コロナで住宅需要が高まったこともあるでしょう。中古マンションの在庫数は22か月減の35000戸を切る水準となっており、買い手にとっては選択肢がかなり少ない状況にあります。そのために需給が締まり、価格が上昇するというトレンドに乗っているものと思われます。

今後、建築費が相当高騰することが見込まれ、デベロッパーは供給を絞らざるを得ないとみています。一方、買い替え側は新規購入したくとも物件価格に手が届かない、ないし物件そのものがないという状態になり不動産の流動性が下がってしまい、ますます価格が上昇しやすい傾向が出てしまうのです。

ではこれを政策的に抑える方法はあるか、と言えば日本はかなり難しいかもしれません。理由は不動産価格の抑制だけのために金融政策を引き締めることができないからです。唯一の方法は郊外に出るしかなく、70-80年代に騒がれた「痛勤片道1時間半」や新幹線通勤が視野に入るのかもしれません。

いわゆる公示価格や路線価をみていると非常に緩やかな動きでまさかバブルとは思えないのですが、見るデータを変えるとその絵面はすっかり変わるという典型的例なのでしょう。人口減ではありますが、古い木造住宅が多く耐久性などから買替需要は一定数見込まれるとみています。

先日記載したように円安が進行すれば海外の不動産価格との比較から東京の不動産でも安いということになりますので海外からの資金が流入して火に油を注がないとも言い切れないとみています。

では今日はこのぐらいで。

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年収 30年横ばい狂騒記4

日本人の年収は過去30年、横ばいだそうです。16日、日経の一面「〈データが問う衆院選の争点〉日本の年収、30年横ばい 米は1.5倍に 新政権、分配へまず成長を」とあります。30年とはバブル崩壊から全然変わっていないということです。私は30年前に日本を出たので完全なるギャップがあります。では海外がいいのか、といえば一言でいえばここまで身をかがめながらの匍匐(ほふく)前進だったと思います。

日本のメリットは日本人としての主流を謳歌できることです。私はカナダへの移民権ステータスであり、カナダの市民権(国籍)を取ったわけではありません。そうするとどうなのか、といえば30年間ずっと多国籍国家のマイナーな存在だったのです。白人社会でのブレイクスルーはたやすくありません。今は周りの白人社会には多少、溶け込んでいますが、理由は30年の功績です。功績とは業績ではなく、社会貢献と個人の立ち位置と評判が積みあがったものです。自分でいうのもなんですが、30年間匍匐前進なんてやってられないけれど移民は移民なのです。100年前となんら変わりないのです。

では日本は王道を肩で風を切って進めるのになぜ、年収が増えなかったのでしょうか?

大局的に見て切り口はいくつかあると思います。こちら来たばかりの90年代初頭、多くの白人は私に同じことを言うのです。「日本って行ったことないけれどコーヒー1杯10法800円)もするんだろー!(そんな国には行きたくねー)」だったのです。つまり、ジパングならぬ狂乱物価ジャパンだったのです。80年代、日本では「アメリカならプール付きの巨大な住宅が数千万円で購入できる」といったトーンでメディアで紹介されていました。

その為、日本は物価高修正にいそしみます。それまでの絶対物価主義から海外物価との比較をする相対物価主義になります。マクドナルド指数なるものが真剣に取りざたするようになったのもその頃です。

私は絶対物価主義を貫けばよかったのだと思います。物価も高いけど賃金も高くなる、それでよかったのです。私は当時出張でスイス チューリッヒで2週間缶詰め仕事をしたことがあります。当時のスイスの初任給は日本円で40万円、スイス人にはさぞかし天国かと思いきや、物価が応分で高く、ひもじい思いをしました。つまり、私のスイスの経験、あるいは英国ポンドが高かったころの英国の2か月の滞在経験を踏まえ私は物価高肯定論でありました。

20年ぐらい前、アメリカのITブームの頃、有能人材の引き抜き合戦がヒートアップし、「当社に入れば新車を一台プレゼント」などというバカげた話がありましたが、結局20年たった今でも同じような手法で人材争奪戦は繰り返されています。

日本人の物価感性度が異様に高いのは主婦の行動規範にも表れています。ママチャリを飛ばして1円でも安い特売品を求めて開店直後の争奪戦で戦利品を獲た時の喜びは旦那には絶対にわからない快感であります。当時、給与上昇が物価高についていかず、実質賃金上昇率がその時点でフラットになっていたこと、更に物欲からサービス欲への移行、更に子供の教育費が高騰した時期でお金が必要であったにもかかわらず、給与も賞与も渋くなる一方だったのです。

私はその主犯は今でも銀行を筆頭候補にあげます。「貸した金は返すのが当たり前」という切り崩し方は単なる銀行と借り入れ企業の関係にとどまらず、社会の立ち位置を一変させてしまったのです。借入金返済第一主義の時代です。ところがこの病気は借入金を返済し終わっても止まらなかったのです。企業のみならず個人も含め、いざというときの「貯め込み第一主義」に変わったのです。これが今の日本社会です。なぜ、企業は従業員にばら撒かないのでしょうか?

私は不要な企業内滞留資金への「資産税」を科すべきと思います。これが日本を激変させるカンフル剤になることは確実、保証したって良いくらいです。その代わり、企業が「いざ」というときには銀行がたやすく貸し出しに応じられるフローがある企業社会を形成する、これがひろ流「分配と成長の方程式」です。

日本の企業は「縮こまり経営」になってしまいました。失敗もしないけれど功績もないのです。これでは海外の企業から「欲しい」とも思ってもらえなくなります。海外から日本に住みたい、日本に学びたいという人も少なくなるでしょう。私は客観的に見て最近、韓国に負けそうな分野がいくつも出てくるだろうと思っています。サムスンのみならず、自動車業界は日本は気をつけた方がいいと思います。韓国車の実力は想定上に上がっているし、デザインも洗練されています。文化芸能の発信力は雲泥の差です。

30年の停滞は思った以上に衝撃的ギャップとして様々な経済指標に現れてくる日は遠くはないと思います。

では今日はこのぐらいで。

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厳しいバッシングへの不快感4

メディア先鋭化の時代は昨日今日に始まったわけではありません。見出しやタイトルをより刺激的にする方法はその昔、日本のタブロイド紙によく見られた手法で過激なタイトルがチラっとみえる駅の売店の新聞に思わず手を伸ばした方も多いでしょう。

その後、ネットのタイトルから書籍のタイトルに至るまで、「タイトル一本勝負の時代」か、と思わせたのが今から10-20年ぐらい前でしょうか?かつて私のブログのタイトルもあるところに転載されると私自身が「おぉー!」っと驚くような見出しになっていて恥ずかしい思いを何度もしました。

ただ、人間、刺激を快感だと思い始めるとより強いものを求めるのが世の常で今度はユーチューブなどで出演者自身が強い口調、断言調の物言いになり始めます。こうなると好き嫌いが出てくるのですが、ごく狭いイシューに対して圧倒的な賛同を求め、人気を博すケースが増えています。ユーチューブの場合には再生回数を増やし、登録を増やすことで「お小遣いがもらえる」ため、より極端な言動を加速化しているとも言えます。

フェイスブックなどSNSのつながりは不特定多数の人がその人の特定部分のファンであることが重要でその人の全てを知っているわけでもなく、それを肯定しているわけでもないのです。これまでは画面越しの文字だったものが動画として発信することで自己アピールには極めて効果的であります。

この数日だけで気になった出来事。
財務省の矢野事務次官の新型コロナ経済対策合戦をばら撒き合戦と評したことに高市早苗氏が「大変失礼な言い方」、高橋洋一氏が「全然ウソ」「ぐちゅぐちゅ言っている」とかなりの口調で食って掛かった件

立憲民主党の生方幸夫議員の拉致被害者について「日本から連れ去られた被害者というのはもう生きている人はいない」との発言とそれを受けて枝野氏が「大変驚愕し激怒」とした件

れいわ新選組の山本太郎代表が東京8区からの出馬に対して立民との調整不良で山本氏が撤回したことに東国原英夫氏が「混乱させるだけさせといて…国政選挙・政治自体を愚弄し舐めてるとしか言いようが無い」

丸山穂高議員の不出馬表明に対してやはり東国原英夫氏が「やっと国会から消える」

といった内容を我々は普通に目にしているのですが、私は2つの点に注目しています。1つは言葉の刺激度。生の声や発言内容が極めて辛辣になっています。2つ目はネタ元とそれを受けたコメント発言者の立ち位置関係です。高市対矢野なら高市氏が上、生方対枝野は枝野氏が上、高橋、東国原両氏はメディアなどでの影響力が強く矢野氏、山本氏、丸山氏も太刀打ちできないのです。

これはホリエモンやひろゆき氏も同様のパタンで有名人や発言影響力をもつ人が刺激的発言をするとメディアが面白おかしく拡散するだけではなく立場上の相違から「圧勝の方程式」がそこに生まれてしまうのです。つまり、議論にならないのです。もちろん、上記の例についてお前は擁護する気か、と言われればひと括りにはできませんが、そこまでして葬り去らなくてもよいのではないかと思うのです。

敢えてご批判覚悟で擁護論を出してみましょう。矢野氏はブレーキ役だったはずです。タガが外れることを恐れた財務省のトップとしてドイツ財政のような保守性を持っていたわけです。国家が破綻することなどないのですがその言葉尻をとらえて「お前は間違っている」というのは狭義の捉え方と言えないでしょうか?

生方氏は日本は北朝鮮との外交について拉致問題の解決しか切り口しかないのか、という問題提起だったとしたらどうでしょうか?拉致被害者を軽視するつもりは毛頭ないのですが、どう見ても正面突破しか考えていない日本政府、外務省に「拉致問題解決のための戦略は他にないのかね?」と伺ってみたいのです。「坂の上の雲」で日本は満州の陸戦でロシアとどう戦ったか、お読みになるべきでしょう。

その上、矢野次官にしろ生方議員にしろ、たった一度の発言でその人の人生が終わるかもしれない怖さを見ると誰も物言いが出来なくなる、そんな社会すら起こりえるのです。

私は日本の罰点社会が今だに変わらず、今後も変わらないのだろうと思っています。かつて離婚した人をバツイチとかバツニといったのですがあれは昔のスタイルの戸籍では本当にバッテンが付くからです。(今は除籍とだけありバツはつきません。)ただ、日本の社会は減点主義で「どれだけ普通にして悪さをしなかったかを問う社会」という点では変わりありません。サラリーマンは功績もないけれどヘマをしなければ課長か次長ぐらいまでには行けるのと同じです。

自民党議員でコロナ禍で飲みに行って自民党を離脱した人たちが次回の選挙で公認をとれないそうです。(当選すれば仲間に入れてやってもよい、そうですが。)ノーベル賞を受賞した真鍋淑郎先生はこんなところもやりにくさを感じていたのではないかと察しています。

北米社会は失敗しても立ち上がろうとする人には救いの手があるし、何度もやり直しをすることができます。むしろ失敗して強くなることを望んでいる感じすらあります。だけど、日本はこんな風に立場を利用して上から目線で叩き、メディアが面白おかしく報じれば面白い議論になることを封印し、思想の飛躍が出来なくなることに危惧を感じるのです。

では今日はこのぐらいで。

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今週のつぶやき4

コロナ関連のニュースが明らかに減ってきました。金曜日の感染者数は531人(日経、午後8時現在)。各県、地方では独自の飲食店支援キャンペーンなど続々出てきており、正常化に向かっているように見えます。「冬にはまた波がやって来る…」という声もありますが、状況は改善しているように見えます。飲み薬の治療薬も出ることで1年9か月に及ぶ人類の戦いのトンネルの向こうが見えてきたと思いたいです。

では今週のつぶやきをお送りします。

踊る株価の向かう先
正直、北米市場は一部銘柄は熱狂的株価上昇で飛びすぎの感もあります。私はカナダ国内の投資が主流ですのでポートフォリオ上、オイル、ガス、資源関連銘柄は外せないところですが、ここにきて異次元の上昇過程に入っています。また、2-3週間前にカナダドルは米ドルと共に上がる、と申し上げましたがそのトレンドはより鮮明になっています。何が起きているのでしょうか?私には回遊するお金がそこに回ってきてるとしか申し上げられません。そういう意味では非常に不健全な相場つきです。

またこれも2−3週間前に予言しましたが、ビットコインは吹き上げました。今の材料は来週にもアメリカで暗号資産のETFが許可されそうだということ、そして暗号資産が着実に市民権を得ていることがあります。キャシーウッド氏も手を出しています。テスラ社はビットコインでぼろ儲けしています。ここにも回遊するマネーが一気に流れ込んでおり、値動きについていくという展開かと思います。

私は実体経済とは結構乖離しつつあるとみています。人々の懐具合は悪くはないですが、フローの経済ではなく、アセットの経済になっている点においてアメリカが利上げを本気で意識し始めたらボディーブローのように効いてくるように思えます。その一方でコロナからの回復は世界規模で起きている中、サプライチェーンの寸断がボトムネックです。アジア物流の大拠点、釜山がマヒ状態だけど日本は指をくわえているだけというのも寂しいものです。

さぁ、衆議院選
先日の総裁選の際も公開討論会が多いなと思ったのですが、今回も党首の討論会が頻繁に開催されています。あのようなフラットな討論が企画されるとプレゼンの差が出ます。その中で私は給付金についての各党の考えを拝見したのですが、差がない、これが正直なところです。給付金の代案やほかのオプションはなく、どの党も何らかの給付を主張しています。これ、正しい討論会でしょうかね?「お前がやるなら俺もやる」ではなく、「お前がそっちなら俺はこっちだ」という意見を聞きたかったです。

この衆議院選挙、果たして盛り上がるのか、というのも私の着目点です。かなり投票率が悪い、そんな気もします。理由は各党の政策の差が少ない上に岸田首相の手腕がまだ何も見えていない状況です。とすればまずは岸田氏のお手並み拝見となるでしょうから野党が共闘しても何に対して声を上げるか微妙だし、弱小政党はコアな支持層以外は離反する可能性すらあります。岸田政権の総合的な評価は私は当分しないつもりですが、正直、ちっとも面白くないけれどバランスよい運営をしそうだという期待感はあります。

これは野党からするとやりにくい相手でしょう。立憲がしきりにアベノミクスを引き出していますが、自民党を安倍政権と結びつけることによるイメージ色をつける戦略です。しかし岸田氏のスタンスはアベノミクスとは違うし、枝野氏の「まずは相手を罵り、叩く」戦法は正直、聞いていて苦しくなるんです。人間が貧相に見えます。もっと正々堂々と相手の批判ではなく、自己主張してもらいたいです。野党は「与党批判党」から脱皮することをまずは見せてもらいたいと思います。

ブログを書いていて思うこと
私には一種独特の割り切り感があります。かつて49人の敵がいても51人の味方がいれば勝てると思っていました。小学校の時からの教えで今でも基本はそうです。しかし、アメリカの上院あたりを見ていると49対51の戦いは果たして最良の判断をもたらしているのか疑問視に変わりました。そこで思ったのが、賛同する味方は少なくなっても信念は貫くべきなのかもしれないと。

私は海外在住で顧客も95%以上がローカル相手で誰にも遠慮する必要もなく、完全実力勝負で生き延びてきました。サラリーマンから独立した時、同僚や当時の仲間とはbon voyageとなり完全孤独に陥った時も「ならば、一人で勝負する」とむしろ燃えました。私のブログが好き勝手書いているのもそのあたりの影響もあります。当然、賛同する人、批判する人いろいろですし、これだけ日替わりメニューで国際、経済、社会をカバーすれば「おまえ、それ、おかしいだろー」という内容も大いにあります。

しかし、私はブログをお金のために書いているわけではなく、最近の社会動静について「お前はどう思うのだ」ということに真摯に向き合った私の意見であり、政治家のように八方美人になり迎合する必要もありません。社会は基本的に二極化するものです。右派と左派、金持ちと貧乏、男と女…きりがありません。ほぼ全ての人には10や20の「所属」があるのです。それが全部一致することは確率論からすればまずないです。夫婦だって30年一緒でも意見の相違だらけでしょう。しかし、この考え方の差が世の中を楽しくさせているのです。そして「おまえ、またそんな馬鹿なことを書きよって」と言われると思わず「でへへ」と頭をかいている自分がおります。皆さん、ありがとー。

後記
眞子さまと小室さまが先々NYに立たれるにあたり現地の日系コミュニティがNY総領事館と共に必死の受け入れ準備をしているという報を目にし、いたく感動しています。私も当地の経済10団体の議長という立場で日系という視点で常に物事をとらえ、案件によっては皆で手を合わせて頑張ろうと声をかけています。世論の声とは別に実際に受け入れる側にたったその準備や努力という見えない協力に拍手喝采です。

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シニア人材活用の長短4

日経に「ノジマ、雇用の80歳上限を撤廃 シニア積極活用広がる」とあり、企業が定年制を撤廃したり定年の年齢を引き上げる動きが活発化していると報じています。

この手の動きは道義的にもガバナンス的にも正しいため、一種のSDG’sのようなもので「嫌と言わせない耳障りの良い案」として一般には受け入れられると思います。私も年齢的にはシニアに足を踏み入れていますが、「一生現役」を目指しています。このニュースはその点からは正直嬉しい部分もありますが、はて、両手放しなのか、という不安な部分の両方が入り混じっています。

私の事業のマリーナ部門の専属従業員は3名いますが、平均年齢は67歳、一番若い64歳が現場責任者です。メリットは全員まじめ、これに尽きます。まず仕事への責任感の強さが圧倒的で時間外給与がどうのこうのということは一切言いません。自分の与えられた職務に対して不安や気になることがあれば時間を気にせず徹底的に対応してくれる点は非常にありがたい点です。

2点目に彼らは仕事ができることに喜びを感じてくれています。自分の選んだ職場に来て様々な人と接し、仕事を通じた刺激があり、わからないことは彼らの中で相談し解決策を見出すという好循環が働いています。

ただ、不安もあります。前回人材募集をした際に公募から応募した人はほぼ全員が若手でした。仕事を探しているけれど気に入った仕事が見つからない、そういうタイプの方々ばかりでした。うち、何人かと面接をしましたが意中の人はいませんでした。何がダメだったか、といえば若い人たちはお金のために働く意識がアリアリと見えてしまったからです。お金のためだとどうしても仕事は割り切り仕事になります。これは長年人事もやっているので面接をした瞬間にほぼわかってしまうのです。

訪問介護会社の人事面接を手伝っているのですが、ほとんど誰も「給与はいくらですか」と聞かないのです。その職業に就きたいという気持ちと給与水準がある程度決まっているので自分のやりたい仕事に就けるなら時給の細かいことは言わないということなのでしょう。日本では人材募集に「時給〇〇円」というのがずらりと並び給与で応募先を選んだ人も多いでしょう。そのあたりは給与水準が高いカナダゆえにおおらかなのかもしれません。

ではシニアの積極雇用において不安部分とは何でしょうか?実際に雇用する側として2つの点をあげます。1つはシニアは先が見えている中で雇う側からすれば「この人はいつまで働いてくれるのだろう」という不安があるのです。あるいは病気やケガをして急に働けなくなるというリスクも若い人よりはるかに高くなります。

2つ目に職能の若手へのバトンタッチを考えた時、仕事に対する感性や姿勢の違いのギャップが大きすぎる点があります。例えば北米はジョブ型雇用と言いますが、私どものように小さな会社ではそのジョブの範囲はかなり広くなります。というよりその従業員の持っている能力を全部引き出してもらい、全然違う仕事すら手伝ってもらうこともしばしばあるのです。ところがこれを若い従業員にお願いすれば「なぜ?」を連発され査定で「俺はこんなこともやったからもっと給与上げろ」と言われるのが関の山。

若い従業員に対しては二重基準といわれるかもしれませんが、完全にドライな雇用しかできないのです。決められた時間、決められた狭い業務範囲、やり取りも淡泊…こうしないとつなぎ止めができないのです。このやり方だと業務の80%はできるのですが、残りに20%の隙間を埋められず、自分たちでやらなくてはいけないことになります。つまり、経営者である私への負担が大きくなるという頭痛の種が生まれるのです。

給与水準もあります。こう言っては何ですが、シニア従業員の昇給に対する要求は低いのですが若い人は自分への評価=昇給なのでそれが十分ではないと簡単に「辞めます」となります。つまり、必要以上に気を遣わねばならないのです。

事業によっては同じ仕事を延々と繰り返し、特段職能の向上が求められない業務もあります。私の場合、かつてやっていた24時間駐車場料金ブースの集金係です。カナダに来る日本人のワーキングホリデイの若者を主体に採用したのですがビザの関係で1年ごとに採用し直さねばいけません。面倒なのですが、一方で給与はいつも同じというメリットがあるのです。「同一労働同一賃金」そのものなのですが、雇用側からみればインフレしない採用でもあったのです。これならいいですが、長期雇用する場合には機能しません。では高い目標をどう提示するか、その人の職能や能力にあった業務を擦り合わせられるのか、といえば正直、言うほど易しくないと断言します。

となれば私はシニア雇用に走りやすくなる、だけど長期的視点では不安も抱えなくてはいけないという経営者の悩みは尽きないのであります。

では今日はこのぐらいで。

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アマゾンのビジネスモデルの限界4

アマゾンの株価は20年8月以降、1年以上にわたってフラットな状態になっています。この株高の1年の間、ほとんどそのメリットを享受できなかった代表的銘柄であり、ホールダーの方は残念な思いをしているでしょう。ではなぜ、株価が上がらないのか、業績が悪いのか、といえば全く逆です。

20年12月の決算期を前年と比較すれば売り上げ37%増、経常利益73%増、最終益84%増、一株当たり利益に至っては81%増なのです。とすれば同じPER(一株あたり利益)から換算した適正株価は当然、8割上がるのが理論株価ですが、全くそうならないのです。

くしくもアマゾンはアンディ ジャシー氏が今年7月にベゾス氏の後をついてCEOになりました。ジャシー氏はAWSを率いた功績がありますが、果たしてアップル社のジョブズ氏からクック氏へのような引継ぎができるのか、ビルゲイツ後のマイクロソフトのような低迷期となるのか、アマゾン帝国の行方は1-2年、様子見が必要です。

しかし、今、アマゾンという声がかつてほどではないのがなぜなのか、考えてみたいと思います。

私どもはカナダで日本の教科書や書籍販売をするにあたり、BtoCについては自社オンラインとアマゾンへの納品、およびリアル店舗で行っています。昨年9月は大学がオンライン化したものの学生が教科書をゲットする術がないということで自社とアマゾンの両方のオンラインでの注文が急増しました。アマゾンは確かに知名度もあり、オンラインといえばアマゾンでしたので、昨年はアマゾン経由の販売量が多かったのです。ところが、今年9月の新学期は自社オンラインへの誘導を進め、アマゾンではかなり絞った数にしました。

どう絞ったのかといえばアマゾンの「fulfillment Centre」に積極納品しないことにしたのです。なぜか、といえばアマゾンの場合二つの問題があるのです。一つは提示価格。同じ商品の場合、安い価格を提示した方が上に上がります。つまり買ってもらえる可能性が大なのです。すると非カナダの個人事業主などが破格値をつけてアップするのです。(私どもはカナダで唯一の正規ルート日本の書籍販売会社です。)そうすれば当然それが「落札」されるわけです。つまり、アマゾンに商品を提供する場合、商品の差別化をするのが難しく、消費者は価格比較を重視するため、売り手からすれば「蛸は身を食う」状態になるのです。

アマゾンのビジネスモデルは商品価格を必要以上に引き下げ、売り手側への価格圧力を迫るのです。そういう意味では消費者重視であるのですが、納品業者軽視のスタンスになっているのです。

もう一つはアマゾンの手数料が高いのです。商品にもよりますが、いろいろな手数料を足し合わせれば大体売り上げの2割以上は持っていかれます。例えば書籍などは仕入れ価格が一般的には上代の75-80%ぐらいでしょうからそれだけ持っていかれるとまず、利益などでないのです。

ただし、売り手側が「在庫処分」という発想で、いくらでもいいから持って行ってくれ、という場合には逆にアマゾンの販売力が使えるとも言えます。これを逆手に取れば意地悪な売り手はアマゾンに処分品だけをアップするという売り方もできるかもしれません。

以前、このブログでご紹介したようにカナダのショッピファイが個人経営者向けにオンラインストアのサービスを提供しており、大きく成長しています。将来的にはアマゾンや楽天といった巨大なオンラインストアは一選択肢と化し、全く違うビジネスモデルができるとみています。それが例えば地域ごとのオンラインモールであるとか、ある業種に特定したモール、あるいは商品のディテールが詳細にわかるようにしてウェブチャットを介して店員と商品の説明ができる、さらにはARやVRを使ってその商品を自分が身に着けたり装着した感じを出すなど工夫の余地は無限に広がります。

私はアマゾンをぶっ潰すとある出版社の社長に言って冷笑されたことがあります。その時はアマゾンは神様です、の状態でした。あれからまだ3年もたっていないですが、アマゾンがつぶれるとは思いませんが、構図は確実に崩れるとみています。ビジネスモデルはそれぐらい日進月歩であり、「帝国」を築けてもその覇権の期間はどんどん短くなっているともいえるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

この円安は気をつけよ4

円が対ドルで2018年初頭以来の水準まで下がってきました。ほぼ3年ぶりのレベルになるのでしょうか?為替の変動幅はかつては一年に20円以上動くこともあったのですが、先進国同士の振れ幅は小さくなる傾向が強まりました。いろいろな理由があるでしょう。生産活動拠点がばらけたこと、経済全体が成熟化したこと、ディスインフレ化が進み、金利差が為替変動の主題になりにくくなったこともあります。

ところがここにきて欧米のインフレ率が顕著に高まっている一方、日本の物価水準が今一つ上がりません。8月の消費者物価指数は総合指数で前年比マイナス0.4%、生鮮とエネルギーを抜いたコアコア指数でマイナス0.5%なのです。市場関係者なら思わず、ん?と聞きなおすでしょう。それぐらい日本の物価は異常値なのです。

アメリカが利上げの前段となる量的緩和の縮小に踏み切るのか、これが現在の最大の注目点です。悲観主義の経済学者、ヌリエル ルービニ氏はコモディティ価格の上昇が継続し、経済成長率が鈍化すれば利上げ計画は先送るだろうと意見しています。パウエル議長もこのインフレは一時的という立場を全面的には崩していません。

コモディティ価格の上昇については私はルービニ氏と同じ考えであと半年といった相当期間は続く、とみています。これはコロナ回復期で生産活動が一斉に開花した一方、エネルギー源がカーボンゼロ対策で絞られてしまった過渡期となったからです。但し、メディアは私が主張するカーボンゼロの余波とは逆立ちしても言わないはずです。それが反社会的と捉えられるからでしょう。

仮にアメリカの金利先高観が薄まるのであればドル高円安にはならないのでは、と考えると思います。ただ為替の話は時として全く違う世界を映し出し、それがまるでトレンドのようになることがあります。

今、ドルはなぜ強いのでしょうか?

まず、ドルインデックスをみると今年5月にやや形は悪いもののW底を付けた後急回復し、その途上にあります。チャート的にはあと5%程度は上昇の余地があります。5月から急騰し始めたのは物価高が意識された頃とほぼ一致しています。ということはインフレはドルの買いという流れにも感じます。なぜでしょうか?これはたぶんですが、アメリカがもつ潜在的エネルギー源(シェールなど)を含めた持久力の経済だとみています。同様にカナダドル指数(CXYチャート)でもカナダドルが2015年来のバリアを抜ける状況にあります。これは資源国家故の強さです。

一方、韓国ウォンは対ドルで1200ウォンを一時突破しています。今年の5月から見ると概ね8%ほどウォン安となっています。円は今年の1月に102円台をつけてそれ以降円安トレンドが止まっていません。現在の113円台後半はまだ節目にきているようには見えません。最近は円安=株高というシナリオも薄れてしまいました。

円安は日本にとってどんな問題を引き起こすでしょうか?

直接的なインパクトは輸入品の値上がりです。特にこの冬の光熱費の上昇には身構える必要がありそうです。新電力会社の電気料金は厳しい状況が起こりうるかもしれません。ここにきて一時期暴落していた木材の価格が着実に上昇、食糧についてもカナダ産小麦やアメリカ産牛肉が高騰するなどほぼあらゆるものが異次元の価格となりつつあります。エンド価格がびっくりするほど上がるのは時間の問題かと思います。

もう一つの懸念は日本と他国の物価水準の相違から輸入品の買い負けが起きること、輸送手段(サプライチェーン)が寸断されていることも日本には非常に不利な状況になります。

最後、私が懸念しているのは日本企業の価格=時価総額がドル建て見ると安いうえに時価総額そのものが株高でインフレしている北米上場企業にとって日本企業の価格が大バーゲン価格になっている点です。幸か不幸か北米企業があまり積極的に日本企業買収を仕掛けてきていないのですが高い技術力をもった会社は要注意かもしれません。IT関連はペイパルによるペイディの3000億円買収、グーグルによる送金業者プリンの買収(未発表ながら100億円前後か?)程度にとどまっていますが、今後の買収リスクにも大いに構えておく必要がありそうです。

同時にファンドを通じた日本の不動産の取得も積極化するかもしれません。

かつては円安万歳でしたが、円安が話題になればなるほどに日本が食い物にされやすくなる脅威となるかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

新しい資本主義ってなんだ?4

岸田首相が強く提唱する「新しい資本主義」についてさまざまな解釈が生まれてきています。本稿10月7日の「3人の富の再分配論」で述べたように岸田首相の新しい資本主義には富の格差是正を国家主導型、つまり政策や支援策、税体制の見直しを通じて行うことでよりフラットな社会を目指しているように見えます。

この傾向は岸田氏が突然言い出したというより、多くの先進国の主要都市ではリベラル化の声が強まる中で岸田型フラット構造の構築について中間層の「お尻を下から持ち上げる」手法を取ろうということかと思います。

資本主義という大所高所の大枠を変えるようなこのキャッチが妥当なのかわかりませんが、岸田型はユニークであり、かつ、いかにも日本的であると考えています。

資本主義も様々な形があります。日本を含む西側諸国の多くはリベラル資本主義、中国は政治資本主義と称しています。政府の介入度合いに応じて強いものから国家資本主義、ケインズ型資本主義、新自由主義ともされます。北欧の福祉型資本主義もあります。資本主義だけでも一義でなく、また時代と共に形も価値観も変わっていく中で日本が目指す資本主義が一体どういう形で国民が幸福になり、企業が成長する軌跡を辿ることができるか、これからの30年間のビジョンの中で議論すべきことと思います。

岸田氏の「新しい資本主義」の主張はその説明が淡泊すぎるように思えます。つまり、国家の関与はどうするのか、米中という大国に挟まれた中でどちらかとアライアンスを結ぶのか、それとも日本独特の社会を作り出すのか、を含めたテーゼが欲しいところです。

そこで岸田氏の発想を私が勝手に想像します。多分ですが、岸田型資本主義とは「サラリーマン型フラット構造」を目指しているように見えます。集団合議を重視し、出し抜けより皆で一歩ずつ着実に歩を進める、そんな国家観を感じています。官民が協調しながら民主的手法をとる、といったものもあるでしょう。

ところで、外から見ると日本の企業は誰が最終決定者かわからないとされます。権限が細かく分かれていますが、実際には上司への報告が重層的に行われ、最終的には取締役会などで議論されるも、そこに至るまでに銀行や株主などとの果てしない調整が行われます。では役員会でそれら調整事項を踏まえた上で結論が出るかというと「次回持越し」ということはしばしば発生します。

これが世界の中で日本が周回遅れになった最大の理由の一つなのですが、岸田型フラット構造はこの遅れを増長する結果となりかねません。つまり、富の再分配だけをしたいのか、令和版所得倍増という成長をしたいのか、ある意味二律背反することを同時に俎上に載せたようなもので市場はこれに対して混乱した、これが岸田氏が総裁になってから株式市場が冷や水を浴びせた理由とみています。

つまり、呪文のような話が「新しい資本主義」と言えるのです。

私は昔からある信念があります。経済成長は差があるがゆえに成長するのだ、と。今、成功している多くの創業者は割と貧乏だった、あるいはハングリーだった方が多いのです。それは日本に限らず世界どこでも、です。サケの遡上と同じでリーダーが先頭を引っ張ることが必要なのです。ではなぜ、日本は中間層が没落したのでしょうか?

個人的には2つの理由が強くあるとみています。一つは非正規雇用が悪い形で日本型の典型となったこと、もう一つは極端なインフレ警戒志向です。非正規雇用という雇用形態そのものは悪くはなく、雇用のオプションの一つだと思っています。ただ、日本に於いてそれまでの終身雇用の慣行を打ち破り、IT化に伴う効率化の一環で人件費を極端に削る経営に走ったのです。挙句の果てにサラリーマンの賃金のピークは50歳前後でそこからは大幅減になることすら許容しました。

これが被雇用者の所得減を招き、価格センシティブな社会を作りました。つまり、異様な節約型社会で価格第一主義が生まれたのです。これは「失われた20年」の最大の特徴でもあります。日本の商品価格が低位でデフレすら招いた要因は私の見立ては企業が人件費を削りとって生まれた現代版「蟹工船」状態にあったとみています。

ではお前ならどうするか、ですが、比較的簡単な気がしています。最低賃金を自動的に毎年5%ずつ上げる、これでよいと思います。この効果は最低賃金の人だけがスライドするのではなく、それより多くもらっている人も「実質賃金差」を確保するために全体がスライド上昇する仕組みになります。「最低賃金毎年5%上昇なんてキチガイ沙汰だ」と言われるかもしれませんが、北米の企業や経営者は皆、それを耐えて乗り越えてきています。また今回のノーベル経済学賞の受賞研究はこの人件費の上昇と企業経営で影響がないという点を証明しています。

もう一つは法令手当をきちんと出すことです。国民の祝日に働いても割り増しがつかないのはおかしいと誰も思っていないでしょう。祝日は労働基準法により割増の付与義務がないと定められているのです。これを改変することを含め、従業員にきちんとした報酬を払う癖をつけるのです。

岸田首相の考える小難しい小手先論ではなく、北米の最低賃金15忙代において50%を差をつけられ、結果として物価ギャップが大きすぎて貧乏くさくなることを避ける、これでいいのだと思います。中間層や低所得者層がこれで上から引っ張り上げる形で底上げされる際、企業は働き方を改革せざるを得なくなります。そうではないと利益が上がらないからです。この繰り返しで社会は確実に変わると思います。

その点からすれば新しい資本主義なんて小難しいこと言わず、案外抜け落ちているやるべきことをやる方が簡単だろうと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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台湾問題、習近平氏の本気度4

習近平国家主席が10月9日の辛亥革命記念の演説の際、「台湾問題は完全に中国の内政で、外部のいかなる干渉も許さない」「祖国の完全統一という歴史的任務は必ず実現しなければならないし、必ず実現できる」(産経より)と述べました。これを受けて台湾の大陸委員会が「台湾の未来と発展について決定権があるのは台湾人だけだ」「断固として国家主権を守る」(同)と反発しています。

習近平氏の「台湾併合」への熱意は香港併合後、いよいよ本気度を増してきています。香港民主化運動の頃囁かれていたのは香港は中国の一部だが台湾は明らかに距離があるのでそこまで踏み込むにはハードルが高い、でありました。しかし、中国はハードルを本気で乗り越える、そんな状況になってきました。

一つには来年、習近平氏の異例の三期目を迎えるにあたり、党の士気を高めるための「材料」が必要であり、そのターゲットが台湾になる、ということかと思います。

10月9日、バンクーバーで開催された台湾建国110年記念「双十節ディナー」には約500人ぐらいが集まり、大臣や議員も多く参加し、久々の大規模イベントでした。台湾の歴史は何を起点とするか次第でいろいろあるとする説もありますが、一般には中華民国の建国をベースにし、辛亥革命の1911年10月9日を祝うようです。イベントでは一部議員からカナダによる強い台湾支持の声も上がりましたが、中国を刺激するようなことは一切なく明るく楽しいイベントでした。それ以上に感じたのは台湾人の結束感でしょうか?非常に熱いものがありました。

さて、その台湾の近代史ですが、かつて清朝の傘下にあったものの「化外の地」(中華思想において文明の外でそこに住む人を蛮族とし、台湾や新疆がそれにあたった)とされ、本土からの多少の移住者がいたものの先住民の力が強くとても統治された状況にありませんでした。清朝もその気すらなかったのです。

その中、1874年に明治政府による台湾出兵が行われます。これは台湾に漂着した宮古島島民54人を台湾先住民が殺害したことに対し、清朝にクレームしたところ、「化外の民で清政府の責任範囲でない」とされたことで出兵したものです。これが世界の目を台湾にひきつけた初のケースと思われ、結局それから21年後の1895年、日本は日清戦争に勝利し、台湾を領有します。

次の局面は第二次大戦後で中国本土の共産党対国民党の戦い後、敗れた国民党が台湾に逃げてきたこと、蒋介石は不評だったけれど李登輝が台湾を大きく変え、発展させる源となった点を理解しておく必要があると思います。

こう見ると中国からみた台湾とはそもそも興味もなく統治もしておらず、内戦で負けた国民党が現在の台湾の発展の原点になったが、それを含め歴史的には中国が支配する構図はなかったのです。

ではなぜ、いまなのでしょうか?いくつか切り口があると思います。一つは中華思想的な拡大志向、二つ目に民族合体、三つ目に仮想敵国アメリカに対峙するための太平洋へのアクセス確保、四つ目に台湾経済活動を取り込むこと、五つ目に習近平氏の崇拝を高めるためだろうと考えています。

今の状況からすると中国は実力行使に出る、とみた方が確実です。それもそれほど時間的猶予はないと思います。仮に今、それに踏み込んだ場合、アメリカは手を出せないとみています。アメリカの外交部は口で言うほど強い行動力を持ち合わせていません。バイデン政権なら口先介入で終わる可能性が8割以上でしょう。そうであれば中国にとって敵なしなのです。

我々にできることはないのでしょうか?英国のジョンソン首相が香港民に対して英国への移住をウェルカムしました。歴史的つながりがあるからです。ならば、日本も台湾と歴史的つながりがあるので台湾の人にそれを提供できるか、であります。

英国が香港人300万人受け入れを示していますが、日本政府が最低でも100万人単位の移住者受け入れを行うこと、もしそれがあり得るならその受け入れ基盤は九州が最適ではないかと考えています。単に移住者を受け入れるというよりカナダ方式の経済移民方式にして高い技術や能力を持つ人を受け入れる頭脳流出ならぬ「頭脳流入策」をとり、少子化と地方の疲弊に対する活性化案とするものです。

半導体の最大手TSMCがソニーなどと熊本に工場を作る計画を固めています。以前にも申し上げた通り、台湾の重要性の一つはこの半導体製造でありこれが中国の支配下になると西側諸国はどうにもならない状態になります。日本は国策として台湾の先端事業を早急に取り込み、その場所を提供すべきなのです。それこそアメリカ的に言えば土地の提供などあらゆる誘致策をだし、官民一体となった支援があってもいいでしょう。

たぶん、私の主張は日本の方には受け入れられないと思います。お前は人の土地だからそう勝手なことを言えるのだろう、と。しかし、今はそんなことを言っている場合ではないし自分のことだけを考える時代でもないのです。人口が増え、投資があれば地方は潤うでしょう。それこそ、日本政府が特区をつくり、インフラ整備までしてあげてもよいぐらいです。

岸田政権がどこまで踏み込めるか次第です。踏み込めないと思いますが、ならば民間主導でそういう形に持っていくというのもアリではないでしょうか?中台関係はそれぐらい切羽詰まっています。

では今日はこのぐらいで。

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フェイクニュースとフェイスブックの苦悩4

フェイスブックの元社員がこの社員の知る限りでの暴露話をアメリカ議会の公聴会で3時間以上にわたり証言しました。この元社員はそもそもフェイクニュース対策などを担当していたものの5月に退職し、その後、匿名情報を寄せ、10月にテレビに出て実名報道をしたことで急速に話題になったものです。

この伏線として9月27日にフェイスブックは準備を進めていた子供向けインスタグラムの開発中断を発表していました。中断の理由は13歳以下の子供向けのプログラムにメンタルヘルス上の問題があるという意見に対して十分な論理的説明が出来なかったことが背景かとみられています。

上述の暴露者も何か技術的な瑕疵を指摘したわけではなく、感性的な主張が主流のように見え、フェイスブック社は安全より利益第一主義としたのは個人の考えを色付けし、印象操作を地で行ったようなもので公聴会に呼ぶ理由があったのかどうか、そこが私には今一つよくわからないところです。

フェイスブック社をはじめ、多くのSNS事業者を悩ましているのがフェイクニュース対策です。フェイクニュースとは偽情報やデマのことです。かつてはこんな問題が机上に上がることがなかったのは情報発信者が事業者やその記者といったその道のプロであり、また情報を載せる媒体はテレビ、ラジオおよび新聞や雑誌と限りがあった上にプル型の情報が主流であったからです。プル型とは自分で情報を取りに行く、という作業をする必要があり、テレビで情報を取る、新聞を読むという行為が求められます。

ところがこの20年ぐらいの変化とは情報が勝手に入ってくるプッシュ型に変わったことです。スマホやパソコンに次々と自分が興味ありそうな情報が入ってくると思います。もちろん、登録しているメディアにそれを許しているからですが、何か違う作業をしているときに「ほれ、情報だよ」と囁かれるとつい見てしまうという方も多いでしょう。

もう一つはSNSです。ご承知の通りSNSの参加者はプロではなく、一般人です。しかも我々の知っている人という紐づけがあります。この紐づけがミソで「誰々からこんな情報が来た」となるとメディアが出すニュースより見てしまう確率ははるかに高くなります。なぜ、プロの記事よりSNSの記事を見てしまうのでしょうか?

それは多くの方にとってローカルニュースが最大の興味だからです。大学の時、社会学の授業だったと思いますが、教授が「あなたは新聞をどちらから開きますか?」とクラス全員に質問しました。確かかなりの大多数が新聞の後ろから、つまりテレビ番組表、社会面、スポーツ欄から見ると答えたのです。

私はカナダにいてカナダと日本のニュースを見ますが、こちらに来てからは日本の社会面的記事には興味があまりなくなりました。理由は身近ではないからです。むしろ、自分が今住んでいる地域で何が起きているか、殺人、火災、交通事故…には興味があるのです。これは誰でも同じです。日本で各地にある地方新聞が全国紙より売れるのはそこに理由があるのです。

とすれば配信ニュースについて言えばメディアとSNS、どちらに興味があるかといえばSNSであり、その内容について強く惹かれるのは人間としてごく普通の行動なのです。

ではフェイスブックの何が問題なのでしょうか?それはAIアルゴリズムです。AI、つまり人工知能は音楽や芸術、思想などを認識し、数値化し、それをアルゴリズム(計算方法)でパタンやモデル化をします。この中にフェイスニュースが入っていてもそれを排除する完全なる決め手がないというのが現状なのです。

例えばあなたのとてもよく知っていて信頼している人がフェイクニュースをSNSで発信したとしてもフェイクニュースだというフィルターに必ずしも引っかからないこともあり、それを見たあなたは「おぉー!」ということでそれをさらに拡散するということにつながります。

この話に似たケースがパソコンを乗っ取られ、自分の登録していたメアドに悪意を持った人間がウィルスをまき散らします。ところがあなたの友人はそれをあなたからの本当のメールだと思い、開けてしまう、というのとほぼ同じ心理状態です。オレオレ詐欺もほぼ同じ心理から来ます。

インスタグラムに抵抗をもつ女性が全体の1/3にも及ぶというカナダCBC(国営放送)の報道があります。要はインスタが写真、動画を介して容姿や体形を重視する結果となり、暗黙の差別化が起きているというものです。

この記事を読んで思い出したのが履歴書の写真。日本は今でも添付するのでしょうけれど当地では履歴書に写真はありえません。しかも履歴書から写真が消えたのは私が当地に来る前からですから80年代かそれ以前の話です。容姿で採用の可否を差別される原因だとされたわけです。そんな先進国がインスタで差別意識というのはある意味滑稽な話ですが結局、我々は同じことをずっと繰り返しているのでしょう。

「お前は何者じゃ、名を名乗れ」という流れと同じで「あなた、顔を見せてよ、その表情を見ないと判断できない」という主張が強い時代もあれば「中身重視です」と本心か言わされているのかわからない時もあります。

フェイスブックの問題であるフェイクニュースの撲滅と差別化の助長対策は極めて難しい問題なのだろうと思います。特に北米では「答えは無限にある」という中でどれが完全なブラックでどれがグレーゾーンなのかそれをアルゴリズムで判断することができるかどうか、私にはわかりません。

今できることは情報を鵜呑みにせず、わからないことは分からないで判断留保する勇気だと思います。複雑な世の中、分かろうとするから最終的に短絡的な答えを選択することもあるでしょう。そんなことをせずに正々堂々と「わかりませーん」と言えることが今の時代には一番大事なのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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今週のつぶやき4

地震で負傷者と被害、帰宅難民が出たようですが、これだけの大都市でこの規模の地震にもかかわらずこの程度で済んでいるというのは災害に強い街という印象を更に裏付けました。ただ、いただけないのはテレビ局が地震直後、どこかに被害がないかとメディア目線で必死に探し、都内のマンホールから水が溢れていると大騒ぎし、レポーターが現場で煽っているのを見て、たかがこれぐらいでなぜそこまで報道するのか、私には皆目見当がつきませんでした。メディアの「煽り報道」、やめてほしいです。

では今週のつぶやきをお送りします。

株価は持ち直せるのか?
アメリカの9月度雇用統計は2か月連続の失望を誘いました。事前予想の49万人増に対してわずか19万人増に留まっています。背景は雇用のミスマッチ。わかりやすく言えばコロナまでは多少の我慢をしながらみんなでマラソンを走っていたけれど、1年半たってまたその頃のペースでは我慢してまで走りたくない、ルート(=職種)も変えたい、身の入りがもっと良い方がいいなど元に戻れない人たちで溢れかえっているというのが私の理解です。

株価は持ち直すか、ですが日本では8日連続安で3500円も一気に下げた反動で2日間連続の反発となりましたが今後は世界の動向と歩調を合わせるとみています。ではアメリカの株価はどうか、といえば懸案の債務上限問題は一旦はどうにかなりそうですが、サプライチェーン寸断、エネルギー価格高騰の流れが変わったわけではありません。見込まれる中国の恒大集団のデフォルトについては世界経済への波及は限定的だと思いますが、中国の不動産業界への連鎖反応への警戒は必要でしょう。

10月というのは株式市場にとって鬼門なのです。特に感謝祭、クリスマス向け商品の欠品、価格の割高感は今後、注目されるでしょう。昨日、当地で高級車を扱うディーラーの社長と話したら「売るクルマ、全然在庫なし」と。そういえば日本でもレクサスの注文後の待ち時間が2−3か月から半年程度に引き延ばされ、新車が出ても試乗車すらないという事態は経済全般への影響が大きくなるシグナルだと思います。

日大問題
かつて医学部の権威主義は「白い巨塔」「ドクターX」といった小説やドラマを通じて国民に大きな関心事となりました。その権威主義は今でも当然残っているのですが、それ以上にメスを入れなくてはいけないのが学校経営かもしれません。特に総合大学などで学生数の多い学校では莫大な資金が毎年動くわけでそれに関する利権は否が応でもあるのです。著名大学の建設会社は大手ゼネコンがひしめいているのですが、なぜ、それらブランドネームのある会社ではないと建設できないのでしょうか?たかが校舎でハイテクな建物ではないのに、です。

結局、癒着は何らかの形でどこにでもあるのでしょう。今回の日大の背任事件はとりあえず逮捕者を2名出しましたが、本丸は田中理事長かもしれません。この問題、結局のところ、学校関係者の99%は何も知らず、ドラマのように高級ステーキ屋でワインを飲みながら話が決まっていく展開だったのでしょう。学校の支配関係は正直、恐ろしいほど複雑で力関係がうごめいています。大学によっては魑魅魍魎だろうと思います。

私も母校の校友会の関係のことをやっておりますが、何年たっても校友会ですら糸がほぐれないのです。なぜだろうと考えると結局ここにも「おらが村」的発想があり、そこにお金が絡むから権力闘争がどうしても出てしまうのです。たかが校友会運営でも毎年億の単位のお金が動くのに末端の人たちがみればあれっというほどきちんと費消されています。会計報告をみても企業レベルの目線で見れば無駄だらけだけれど経済観念より権力と権威とコネというのなら残念なことであります。

「日本に戻りたくない」by真鍋淑郎先生
ノーベル賞を受賞した真鍋淑郎先生の「日本人は互いに邪魔しないように協調するが私は得意ではなかった」からアメリカ国籍を取得したというインタビューは海外在住の私にとって爆笑でもあるし、そうそうと思わずうなずく点でもあります。数年間、海外駐在を経験した社員を「洋行帰り」と称し、リハビリ期間を設けるという冗談とも本気ともつかない話も聞いたことがあります。私のように心の底まで染まってしまった者は日本に行くたびに「日本モード」に切り替えて腰を低く、丁寧なそぶりをするよう心がけていますが、最近はオンラインになり、モードの切り替えが出来ず、怒りまくっていることもしばしばあります。

昨夜、教育関係の人、4名で酒を飲んだのですが、私は足元にも及ばないほどユニークな経歴の人ばかり。しかし、彼らの人生を見ているとなにかすごいことをしてくれるのではないかとワクワクするのです。北米では組織力ではなく個人の能力の出し合い、見せあい、競い合いです。皆、負けじと努力しています。その中の一人で当地の大学で教鞭をとっている方は博士号を取得するまで5−6年かかり、初めの2年は与えられる課題があったけれどそこから先は自分で道を切り開かねばならず苦労したと述べたのが印象的でした。日本でも大変ですが、海外での博士号です。すごいです。

日大の話ではないですが、日本の学校には変な勢力関係や決まり事が多すぎて研究者も自由に羽ばたけないように思います。海外で活躍している人は普通の日本人からしたら全員「変人」だと思いますが、私からすれば「フリーレンジ(放し飼い)で育った鶏のようなもの」と自負しています。養鶏場の狭いところで育つより大地を駆け巡り、困苦にぶち当たりながらも生き抜いていくそんなライフは一度経験すると二度と止められない愉しみです。もちろん、変わり者でも芽が出る人はごく一部ではありますが。

後記
カナダはついに連邦政府の輸送関係従事者にワクチンを義務化し、ワクチンしない場合には解雇、ないし無給休暇を決定しました。また国内旅行もワクチン義務化です。バイデン大統領も企業にワクチン義務化を要請しています。ワクチンを打たねば生活できない、そんな社会です。強い抵抗を示す方もいますが、形成は悪くなりつつあります。一方、カナダ政府は次の感染の波が来ても大きくならないと発表しました。克服が近いとみているように見受けられます。そうであれば嬉しいですが。

では今日はこのぐらいで。

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女性活躍、社会進出は十分だがその中身を改善できるか?4

日経の社説に「女性の活躍促す根本的な改革に向き合え」とあり、日本人女性の管理職に占める割合が欧米諸国に比べて格段に低いという点を指摘しています。アメリカや英国、フランスのその比率が41%から34%に対して日本は13%しかないという点をその論拠にしています。

日経がこの話題を唐突に振ったのは野田聖子氏が総務大臣、女性活躍担当大臣に任命されたこと、総裁選でも女性の活躍を訴えていた氏に白羽の矢が立ったことを受けての話題なのかもしれません。

私は学生の時から欧米でうろちょろしていてその後、カナダ在住も30年となり、当然仕事のカウンターパートという観点から女性について思うことはあります。統計の通り欧米には女性の管理職が多い中、なぜ日本は遅れているのか、欧米並みに数を引き上げられないか、という議論は過去10年も20年も展開しています。

私が当地で仕事をしている経験的には半数以上の相手は女性なのですが、正直、日本人のメンタリティと違うと感じます。強いし、個がしっかりしているのです。カナダは多国籍国家ですので当然、カウンターパートには非白人の女性であることもしばしばあるのですが、アジア系の方ですと優しい感じはします。その代わりアジア系の女性は特に実務に関しての精通度が高く、かなり細かい点まで熟知しています。一方の白人女性は物事の考え方が論理的なうえにケースバイケースでの対応に柔軟であったり内部の取り計らいなどが上手です。

なぜ、欧米の白人女性が管理職になれるか、私の経験則では案件処理のコーディネーションが上手で人をうまくつなげていく才能があり、上司も他部署も説き伏せるだけの説得力を持ち合わせている点はあるでしょう。男性の方がむしろバランス感覚を持ちすぎたりして枠からはみ出せないことがあるのです。

私の30年の経験から日本人女性が管理職になぜなかなかなれないか、と聞かれればその理由はたぶん5つぐらいは瞬間に思い当たりますが、どうしても乗り越えられないその違いは人としてのそもそものベースが違うと感じるのです。端的に言ってしまえば仕事中の女性はオンナではなく、男以上の男なんです。社会への参加意識が強く、明白な意見を持ち、しゃべらせるとしっかりと組み立てて相手を説得できるのです。口がうまい点もあるでしょう。

では日本人女性がダメなのか、といえば全然そんなことはないのです。総務省の2020年のデータによると女性の就業率は全体では51%ですが、15−64歳の生産年齢人口で見ると70.6%です。注目しているのはこの生産年齢人口の就労率が2010年は60.1%だったのに10年で10%ポイント以上上昇しているのです。男性は83%ですがこの10年ではわずか3.8%ポイントしか上昇していないのです。いかに日本人女性が社会に急速に進出しているかお分かりいただけるでしょう。また就労者の男女比は女性が44.5%、男性が55.5%です。専業主婦は10人に3人、という時代なのです。

ちなみにアメリカの女性就業率は64%、英国が70%ですので日本の70.6%はそん色ないどころか英米より上だという事実が表現されていないのです。つまり私の見立ては日本が世界に比べて女性の社会進出が遅れているのではなく、その立ち位置が違うのであり、それを欧米のやり方と比較する意味があるのかどうか、これが疑問なのです。

日本の独特なところは女性の職場、男性の職場が比較的明確な点です。例えば幼稚園、保育園の先生、看護師、介護職、テレセンター、クレーム処理、ショップの店員、接客業…は女性が主流です。つまり、職業に応じて男女を知らず知らずのうちに分けているのです。もちろん、この傾向は欧米でも出ますが、日本人は気持ちの中に「なんだ、男か!(あるいは女か!)」という固定概念的性別意識がまだ残っていると思います。

では管理職になぜなれないか、ですが、私はこれは儒教の影響は大きいと思います。日本と朝鮮半島は家父長制度と女性の地位について信念的なとらえ方をするため、オンナが男の上に立つなんてありえん、と未だに心の奥底で思っている人は多いのです。もう一つは短大教育が生み出した男女意識の醸成は大きかったと思います。また子育てに対する母親としての強い母性愛(子供は絶対に他人に預けないなど)から社会人キャリアが分断されるデメリットはあります。

一方で女性側への注文もあります。上に立っても部下から十分に支持される客観的能力を持ち合わせているか、判断が感情的になっていないか、えこひいきが強く出ないか、甘えの意識はないか、女性同士のくだらないいざこざやグループ意識を持っていないか、といったメンタルや自己コントロール欠如のケースはしばしば見られます。仕事がどれだけ出来てもこれが管理職になれるかどうかの評点となるのです。

あえて欧米女性との比較をするならこのプロフェッショナリズムを日本の女性が持ち、マインドコントロールできるようにすることを磨いてもらいたいと思います。私が欧米の女性は男だ、といったのは性別をまったく感じさせないほど仕事への意識が高いという意の他にありません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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