外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

そんたくは日本人のメンタリティ4

久々に聞いたそんたくという言葉はなにやら今年の流行語のトップ10ぐらいには入りそうな勢いです。外国人記者クラブで通訳が「そんたく」を訳す際に詰まってしまったと報道されていました。検索でそんたくを英語にするとconjectureと出ますが、これはオックスフォード辞典で見るとAn opinion or conclusion formed on the basis of incomplete informationと出ますので一般には「推測」と訳すところでしょう。

つまり「そんたく」という言葉は英語でフィットしにくいとても日本的な表現であるとも言えます。そんたくの日本語の意味は「相手の気持ちを推し量る」であります。ちなみにこれに近いのが「斟酌」でこれはそんたくしたうえで手加減する動作が加わります。政治家や役人が斟酌したらダメですが、そんたくは許される範囲でしょう。

そんな苦労をへて英語の記事になるとNYタイムズではThursday afternoon, Mr. Kagoike said he did not believe Mr. Abe had “direct influence” on the discounted land deal.He hinted at “powers at work behind the scenes” and said that unidentified officials in the Ministry of Finance had helped facilitate the deal.
となっており、安い土地価格に関して首相が直接的になにか手を下したわけではなく、「目に見えない力」が働いたという表現になっています。しかし、この場合は「そんたく」というより私は実態としては斟酌の話ではないかと思います。

さて、我々日本人は日常生活において「そんたく」なり「斟酌」はごく普通に行われています。漫談家の綾小路きみまろではありませんが、夫婦30年続けていれば顔かたちが似てくるだけじゃなくて「そんたくに斟酌」がしみこみすぎて朝起きてから晩、寝るまで会話がなくても何の不自由もなく暮らせるということが普通で起きてしまいます。夫の気持ちを推し量り、新聞をテーブルの上に置き、コーヒーを沸かし、いつもの朝食を作るまで阿吽の呼吸ですべて通せます。

新入社員が会社に入って何を覚えるか、といえば裏オリエンテーションとして先輩方から飲みに連れて行ってもらって「うちの会社のそんたくの為の材料提供」を習います。あの課長は午前中は低血圧だから機嫌が悪いとか、あの先輩は人の功績を自分のものにしちゃうとか、係長は奥さんの監視が厳しくてよく会社に電話がかかってくるといった感じでしょうか。

経営術の話には仕事が出来る奴は「1を知って10を悟ることだ」などとよく書かれています。私も若い頃、うーん、3ぐらいは悟れるようになったとか、5まで達成したと自己満足に浸っていたことがあります。

このそんたくや斟酌が日本独特のものである理由はほぼ単一民族故に相手の行動パタン、展開が読みやすいからであります。それゆえに海外でそんたくなるものは基本的に存在せず、相手のことを知るには会話として聞き取り、斟酌の代わりにはっきり要求するしかないわけです。上述のNYタイムズの英語の表現は労作だと思いますが、少なくともそれを読む外国人には神がかりのような意味合いに言わんとしていることがなかなか理解できないと思います。

これは日本人の気遣い、気心、心遣い、おもてなしなどすべてに通じる基本中の基本でもあり、日本からそんたくと斟酌を取ると気が抜けたコーラのようなものであります。

若い人が電話をしなくなった一つの理由は電話をするのはかける側の勝手だという考えから自主規制しているとも言えます。我々が今、身につけているマナーは電話した際「今、お話して大丈夫でしょうか?」というエチケットであります。その「そんたく」は若い人の間ではさらに進化し、新スタンダードは電話の前にラインやテキストで「いま、電話してもよいでしょうか?」と聞いたりするわけです。今の時代、何の予告もなく電話していると若い人から「このオヤジ!」と言われる時代なのです。

私は海外に25年もいますのでこのそんたくや斟酌は日本でのみ使うテクニックのようなものになっています。国境を超えるときは必ず「マインドのギアチェンジ」をするのですが、日本に行くときには前に進み過ぎず、三歩前進二歩後退ぐらいのペースにしないとそんたく出来ない男、つまりKYであるとみられます。では、日本からカナダに戻るときはどうかといえば「論破の世界」が待っているのであります。そういう意味ではそんたくできる限り日本は肩に力が入らなくてらくちんな国であります。

日本人に生まれてよかったとつくづく思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

メディアは籠池一色の一週間でしたが、他にもフォローしておかねばならないこともありますので「その他のもっと重要なニュース」をカバーしたいと思います。

まず、アメリカではオバマケアがトランプケアに変わるのか、その重要な局面を迎えていました。23日(木)に予定されていたオバマケアに代わる新しい健康保険制度の議会承認は共和党の中に明白な反対者、及び反対しそうだとされる議員が多く、仮に議会で強行採決した場合、マジックナンバーである21人以上の造反者が出ることが確実となったため、東部時間の木曜日の昼にはその日予定されていた投票を延期、本日、金曜日の早朝に行うことになりました。

トランプ大統領はその際、「ここで通らなければオバマケアを残す」としました。トランプ大統領は他の重要なプラン(税制改革などでしょう。)を早く通したいのでヘルスケアに構っていられないという立場のようでした。ところが、議会は揉めます。票読みで造反者の説得が進まず、東部時間昼前に採決は東部時間午後4時半までに、と延期されます。この4時半は曲者でNY株式市場が4時に終わるのでその影響を極力避ける方針を立てた、つまり市場は説得工作は失敗と読んだのです。私も一部、株の手じまいをしました。

結論からすると予想通りその努力もむなしく、説得工作は失敗、トランプケアの議会提出を直前に撤回するという不本意な結果となりました。トランプ政権の運営能力にまた黒星が一つついたことになります。

これは経済のトランプの期待が剥がれ落ちていく状態であり、株、為替に多少影響が出るとみています。円相場の動きには十分な注意が必要かと思います。

次にまいりましょう。

東芝も最重要局面となってきました。今月中、つまりこの一週間程度内に原発子会社ウエスチングハウスの破産宣告をして、損失を確定する方向がほぼ固まったようです。この場合、損失が今まで以上に膨らむとみられますので会社側が会計士の監査済みの証なく発表した損失をどれぐらい上回るのかが注目されます。

一方、こういう話にハイエナが群がるのは常でありますが、出てきたのは旧村上ファンドのエフィッシモで8.7%程度の株を取得、筆頭株主に躍り出たようです。いくら屋台骨が揺らいでいるとはいえ、東芝のような伝統的な会社の筆頭株主が旧村上ファンドとは安く見られたものです。

さて、では思惑通りに全部うまくいくのか、ですが、あまりにも考慮すべきファクターがあり、投資対象としては考えにくいのではないでしょうか?例えば売却予定の半導体メモリー部門ですが、日本政府が海外企業への売却を制限する方向です。

現在手を挙げた有力候補企業は米ウエスタンデジタル、台湾の鴻海、韓国のSK, 米ファンドのKKRなど非日系ですが、日本政策銀行や産業改革機構あたりがオールジャパンとして出てくるのでしょう。その場合、売却金額が抑えられやすいという東芝にとっておいしくない弱点があることは誰も指摘しておらず、技術が外もれしない利点に対して東芝の健全化にはマイナス効果になります。他にもいろいろありますが、甘い汁があるかどうかはふたを開けてみないとわからない気がします。

さて、英国では単独犯のテロ事件がありました。今回の事件はISからの犯行声明が出ている一方、単独犯でも大騒ぎさせることができるという脆弱性はあったとみています。英国のメディアはこんな事件があっても国民は粛々とし平静を保っていたとあります。

英国は29日にもEU離脱の正式通告を行う予定で嵐に備えているせいか、メイ首相以下、ちょっとのことぐらいではびくつかない精神力の強さを示していたようです。

案外、このテロ事件は大統領選挙を控えたフランスへのメンタルな影響のほうが大きくルペン候補にすれば「ほら、見たことか」と思っているでしょう。今のところ、ルペン氏が大統領になる可能性はほぼゼロですが、マクロン候補は39歳と若い以上に経験値がほとんどなく、フランスは不人気のオランド大統領に次いでまた「ふさわしくない」人を選ぶのでしょうか?

最後に小池知事話題をさらっと。昨日、小池知事の能力について一部著名人が疑問を呈し始めていると書かせていただきました。私も当選した昨年夏からの氏の手腕を傍で見ていて同様に感じており、この1-2か月は似たようなことを指摘してきました。

豊洲移転に関して昨日、小池知事は「戦略本部を立ち上げる」と発表したようです。私は耳を疑いました。色の濃いトップが組織に判断を求めるのはギブアップするに等しいことです。これは小池氏にとって最悪の判断となるでしょう。小池知事はリスクがとれず、思いっきりがなく、重大な判断を回避するタイプとみなされます。これでは東京都は運営できません。内田某やその取り巻きはいなくなってもらわねばなりませんが、夏の選挙、自民党への追い風が急速に吹き始めたようです。

では今日はこのぐらいで。良い週末をお過ごしください。

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また明日お会いしましょう。

証人喚問いろいろ4

注目された籠池氏の証人喚問。私は衆議院の喚問のみ2時間テレビで拝見させていただきました。数日前の豊洲問題に絡む石原元都知事の喚問も全部見てしまいましたが、あの時はある程度何も出てこないという想定通りだった中で石原節が妙に印象に残り、風向きが変わるきっかけを作ったな、と思っています。

一部の著名人が小池都知事の判断能力に疑問を呈し始めていますが、このきっかけは明らかに石原氏のガンとした主張が影響していると思われます。それを踏まえ、世の中、何処で逆回転が始まるかわからないという前提に立てばこの籠池氏が一体何をしゃべるのか、注目しない訳にはいかなかったわけです。

私は皆様方ほど本件を詳細に追っているわけではありません。大所高所で見ると大阪で計画されていた小学校に関してその土地が不当に安く売買されたこと、また、学校設立の準備を巡り安倍首相の奥様、昭恵様の名前がちらちら見えることで野党の気を引き、世間で注目された事件だとの認識です。つまり、経済的影響度は相対的に小さいのですが、首相夫人が絡む前代未聞の不思議な話の玉手箱状態であることから蜂の巣を突っついた状態になっていると考えています。

この話には誰も口にしていない(あるいはできない)オチがあるはずで、そこの核心に証人喚問で誰も触れていなかったところが野党も大人だったと思っています。表面だけさらった喚問では分かりにくく、真相は心臓に中に手を突っ込む勇気がいるはずです。

私は衆議院の部しか見ていませんが、その中で質問が上手だったと印象付けたのは枝野元官房長官でしょうか?さすが弁護士としてのバックグラウンドがあり、質問の展開とテンポがよく、あわや、籠池氏を追い詰めるのではないか、という期待もありました。

一方、石原氏の喚問の時の質問者は酷すぎました。あれは質問というより自己アピール大会で喚問されている石原氏が1つしゃべる間に質問者が10ぐらいしゃべり、自分の主張を述べているのはあきれ返りました。特に公明党の女性の方の質問の下手ぶりには目も当てられなかったです。

さて、籠池氏の喚問、質問者から「偽証罪に問われますよ」という再三再四にかかわる警告にもかかわらず、氏が言い切りつづけた言葉の奥底に見えるものはこの人のメンタリティが通常の尺度では測れないほど太いものを持っているという印象を持ちました。では、喚問の証言は嘘なのか、といえばよどみなく答えるところに相当の準備をしているという印象を持ち、次々と関与者の名前が出てくるところにこれはトラップ(わな)ではないか、という気がしてきました。

そして未だによくわからないのが安倍昭恵氏がなぜ、あそこまで個別案件に首を突っ込むことになったのか、それが説明されていないのです。ここは一旦首相夫人という意味ではなく、安倍昭恵個人としてどうだったのか、これが説明されないと誰も納得できないはずです。

あるところから首相夫妻は「不思議カップル」と聞いたことがあるのですが、安倍昭恵氏が単独で突っ込み過ぎたきらいがありそうな気がします。菅官房長官の必死の思いは分かるのですが、今はちょっと空虚に感じます。ここまで話題の中心になったら何らかの形で昭恵氏が真相を明らかにしないと首相の支持率にも影響するでしょう。

もう一つ、籠池氏が小学校の認可申請を取り下げた経緯があまりにも不明瞭です。籠池氏の話が正しいとすれば籠池氏が短期間雇った弁護士が何らかのディールをし、籠池氏に全くメリットがない認可申請取り下げを推挙し、それが行われた直後に弁護士が降りています。この話は籠池氏の話が作り話か、弁護士が誰かとディールをして抱き込まれたか、弁護士が初めから籠池氏を陥れる作戦だったか、のどれかでしょう。野党の勢いは止まらないものと思われます。

この森友学園問題は上述したように経済的インパクトの点では小さな一案件に関する対応の問題であります。ほじくることでもっと闇の話が出てくるのかはわかりませんが、今、日本が抱えている問題を考えればこんなことで政治家が上に下にの大騒ぎをしている暇はありません。

北朝鮮問題は切迫感がありますし、韓国大統領選後の外交対策もあるでしょう。トランプ政権の行方も見据えながら日米関係の再構築もあるし、EUとの貿易協定を全速力で進める話も出てきました。国内では働き方改革や財政問題、円相場も110円という心理的バリア水準近くで多くの企業の想定レートに達してきています。東芝問題は同社単体では解決できない次元にあります。

かつて政界を巻き込んだスキャンダラスな事件は何度かありましたが、今回の事件は安倍首相夫人がからむというレベルを考えれば金丸信と佐川急便の事件ほどのインパクトすらあり得るとみています。心なしか、安倍首相も防戦に立っているようでヨーロッパでのいくつかの首脳会談の記事は非常に小さいものに見えます。

昔の航空写真を拝見しましたが、あの学園予定地はもともと沼地でした。沼地に廃棄物を処理していたという事の流れはある程度想像でき、これ以上ほじくりだしてはいけない問題だと思っています。上手な幕切れを期待したいものです。

では今日はこのぐらいで。

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トランプ政権が変えた市場の音色4

トランプ相場で株価が上がり、円安が進行していた昨年、「この相場つきは大統領就任後まで」と申し上げていました。相場を張る人にはお分かりいただけると思いますが、「噂で買って事実で売る」という格言が私の予言の前提でありました。

トランプ大統領はあれもやる、これもよくなる、と国民が喜びそうな甘いものをたくさん並べてきました。「私が大統領になればこのガラスのショーケースに入ったおいしいものは皆さんのものになる」と言い続けていたのです。おまけにツィッターで放言し客寄せまでしたわけです。

ですが、ガラスのショーケースからいざ、おいしいものを出そうとしてもショーケースのドアが開かない、あるいは出しても見たものと違う、とすればどうでしょうか?失望感が漂います。今、まさに起きているのがガラスケースが開けられない事態であります。

具体的にはオバマケアの代替え案が議会で可決ラインを確保できないかもしれないという第一歩目(一丁目一番地とも表現しているようです。)での躓きであります。この代替案が通らないとトランプ大統領がいう税制改革は思惑通りになりません。2月9日に「数週間以内には驚くほどの税制案を発表する」といったのに5週も6週も経っても何も聞こえてこないのはここからきているのです。

私がショーケースでみたものと実際が違うかもしれないと考えているのは税制改革のことであります。出てみないとわかりませんが、見せかけ倒れだとしたら経済しか取り柄がないトランプ大統領には致命的となります。

市場はこのような展開に非常に敏感に反応します。今起きているのはトランプ大統領のレームダック化なのかもしれません。これは期待した分だけはげ落ちるどころか、8年近く景気回復路線を辿ってきた原動力のポンプが作動しなくなるリスクを抱えるかもしれません。

では株は暴落するのか、といえば私はさせないとみています。それはアメリカ国民が金融資産の4割を株で持っているという事実に鑑み、株価の下落はアメリカの貧困化にダイレクトに響くからであります。(特にリタイア層や準リタイア層には大きな影響が出ます。)ではどうするのか、といえば為替でドル安にすることなのでしょう。これで海外から見ればアメリカの株価が実態として安くなります。これが私の思う対策です。

ではどうやったらそんなうまい操作が出来るのか、といえば唯一、トランプ大統領からダイレクトで影響を受けないFRBが対策をとるしかありません。金利の引き上げ方針を再びハト派寄り(弱気)に転換し、利上げ期待を下げることでしょう。これでドルへの需要が下がる一方、株価にはPKOになります。

確かに各種経済指標は絶好調に近い状態です。但し、指標が1-2カ月遅れであること、また、消費者なり経営者なりがその判断に至る過程は更に最低1-2か月遡るはずです。つまり、今の好調な経済指標の根源たる判断材料はトランプ政権が出来るという期待と不安が入り混じった時代の産物であるといえます。

ならば怖いのはこれから2か月ほどした時の指標でしょう。ISM製造業景気指数など景況感を表す比較的先行的な統計には注意でしょう。

私が注目している指標はアメリカの10年物国債の利回り水準。これが下がるということはトランプ相場を主導した金融株にはボディブローになります。その国債利回り水準は現在が2.39%レベルであり、イエレン議長が先週、利上げを決めた直前の2.6%からまっすぐ下落し続けています。現在のトレンドから見て取れるのは市場は先行きの景気の持続に疑問符を付け始めたということでしょうか。

まずは目先、オバマケアの代替法案が通るか、これが最注目です。それがうまくいけば経済のトランプ大統領の面目は保てます。あるいはどこまで譲歩したものになるか次第で減税案への期待度も斟酌できることになりそうです。

では今日はこのぐらいで。

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日本の不動産、買いか、売りか?4

マンションを買っても手にしたその瞬間から価格の下落が始まり、1年たったら何百万円も下がっていた、という話を時々耳にします。不動産で儲かったという話や最近、不動産価格が復調気味だ、あるいは金利がまだ安いうちにローンは組むべしといった話に乗って一生に一度の買い物をする方も多いでしょう。これから25年間、ローン地獄に陥ることも厭わず、家族のために、老後のためにジャンプするスタイルは今も昔も変わりません。

もちろん、それは意味あることですが、家を買う行為にどういう意義を持たせているのか、今一度よく考えた方がよい時代になったかもしれません。現代社会はかつてのライフのような画一的なものから様々な応用が可能となりましたし、今後、20年、30年の間に社会の価値観も変化してくるでしょう。それこそ天変地異があるかもしれません。

国土交通省より2017年1月1日時点での公示価格が発表になりました。全用途全国平均で0.4%プラスとなり、しっかりした足取りの商業地価格が全体の不動産価格を牽引しながらも住宅用地の価格も水面上に顔を出し、数字としてはまずまずの結果となりました。

しかし、これはあくまでも全国の全用途平均であって皆さんの住む場所がこれと同程度上がったかどうかは個別に調べる必要があります。(ネットで簡単に調べられます。)今回、私が注目したのは「住宅地1万7909地点のうち上昇は34%、下落は43%と、なお下落した地点数が上回っている。通勤や買い物に便利な駅から徒歩圏内の地価が上がり、駅から離れた不便な場所の地価は下がるという二極化が全国的に広がっている」(日経)というくだりであります。

少し前にコンパクトシティについてこのブログで書いたと思います。あれは地方の過疎地などを念頭に書いたのですが、大都市圏でも同じ動きが起きているとも言えるでしょう。

駅から歩いて10分。これが不動産の仕事に従事して30年の私が個人的に思う限界点です。これ以上遠くなると不動産の取引需要は下がり、将来の値上がりも期待しにくくなります。コンパクトシティのコンセプトは実は過疎地よりも都内など大都市圏でもっとセンシティブに進む現象だと考えています。

バス便があるじゃないか、とおっしゃると思いますが、基本的にはバスの利便性は電車ほどではなく、少子高齢化が進む日本において高齢者になればなるほど便利さに価値を見出すようになります。つまり、駅近で商業地があり、安全でアクセスしやすいことであります。そしてその多くの例は便利な場所のマンションへの転居であります。

理由は戸建ての場合には外部からの侵入がしやすい弱点、庭などの手入れ、住宅のメンテを自分で行わねばならないこと、広すぎること、二階建ての場合の階段の上り下りが苦痛になることから多くの高齢者がマンションに引っ越す流れが見て取れます。

20-30年前のリタイア層のライフスタイルはどうだったでしょうか?マンションは若い人向きである程度の年齢になったら戸建てが良い、とされていました。陽当たりのよい住宅で庭いじりをしながら余生を暮らすのは「サザエさん」などマンガの典型的シーンであったはずです。これが実際には今、真逆になっているのです。

私が冒頭、無理してローンしてジャンプして不動産を買ってもよいのですか、と問うたのはそういう意味なのです。20年後の価値観はまだ想定できないのです。

将来の予想としてマンション業者の土地の仕入れ方が将来の不動産価値の動向を握るかもしれません。業者はまず、駅近が土地仕入れの原点です。バス便のマンション新築はリスクが高すぎるとして敬遠されがちです。建物が空高く伸びる分には無限に不動産が生み出されることを考えれば大都市ほど駅周辺への人口集積が進みやすい力がかかるとも言えないでしょうか?

不動産業者とはよく話をしていますが、駅近くの不動産の需要は引き続き高い状況です。これがセブンイレブンもないバス便の住宅地のど真ん中になると今後、空き家住宅のメッカになる可能性があります。

となるとここからは行政の出番です。駅周辺の開発は否が応でも民間主導で進みます。が、middle of nowhereとされる何の特徴もない住宅地周辺をどう色付けし、都市計画に反映させていくか、20年後を見据えたプランを作るべきでしょう。私なら芝生がある憩いの場や車の往来の心配がないジョギングコース、コミュニティセンターなどを作り、魅力づくりを提供しながらバランスを取る方策があろうかと思います。

地元の人たちのためのちょっとしたお店、こじゃれた飲食店も魅力的でしょう。のびのびしたライフスタイルが都内でもできるのだというプランを作り上げることで駅から遠いところでも不動産価値のバランスを保つことが可能かと思います。

日本の不動産は基本的には強気になりにくいのですが、便利さを求める富裕層や高齢者層の一部のエリアへの不動産需要は今後も根強い一方、行政が対策を施さない限り、駅から遠い地域の値下がりのバイアスはかかりやすいとみています。

また、シェアハウスやシニアホーム、高齢者向けサービス付き住宅など用途に応じた様々な選択肢が今後、もっと増えてくるはずで、その時に動きやすい形にしておくことは重要なオプションとなるでしょう。

個人的には若い人たちの所有に対する意識の減退は不動産市場にも大きな影響を及ぼし、20年後には今とはかなり違った構図が見て取れるようになるとみています。

では今日はこのぐらいで。

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役所仕事の生産性4

役所に生産性や効率という思想があるのか、といえばそういう物差しで測るものではないと返答されるかもしれません。しかし、時として仰々しいとしか思えないこともあります。

豊島区にあったときわ荘を再生させ、マンガ聖地をつくろうという構想が進展しています。区長としては2020年のオリンピックまでにときわ荘を再生させ、文化情報の発信を行いたいという趣旨の事業方針を打ち出しています。約45ページにわたる方針書の中身は立派ですが、一読してこのプロジェクトは失敗するだろうと思っています。

理由の一つは整備検討会議と称して30名もの名前が連なる大所帯になったことが最大の欠点であります。関係各位に声をかけるのは役所仕事のABCなのでしょうけれどモノを決めるには何をしたいのか、初めの第一歩を決めなくてはいけません。ところが利害関係者が多くなれば判断は丸くなり、誰にでも受け入れられるようなつまらないものしか出来上がらないのです。

日本で無数の役所仕事が注目を浴びることがないのはここが間違っているからであります。ではどうすればよいのか、といえば役所は黒子に徹することです。プロジェクトを推進させるため、行政側はスムーザーになればよいのです。何かやりたいのならピンポイントでプロジェクトリーダーを民間から据える、そして鵜飼のように操ればよいと思うのです。

日経ビジネスに「すべる経産省」という特集記事があります。編集長がすべるを「統べる」と「滑る」をかけたと述べていますが、記事は「滑る」に力点が置かれています。私は特集のタイトルを見た瞬間、城山三郎氏の「官僚たちの夏」が引き合いなのだろうな、と思いましたが、実際に記事にそれが指摘されていたのには苦笑いでした。

「官僚たちの夏」の背景は1964年に通産省事務次官になった佐橋滋氏をモデルにしたもので50年代の日本の大躍進時代において役所が民間とともに汗をかいた話であります。たしかテレビドラマでも主演の佐藤浩市氏が汗をかきかき仕事をしていたシーンを覚えています。通産省(現経産省)は正に産業の為の潤滑油だったのです。

今の役所は前に出るようになりました。役所の名の下でプロジェクトを進める、という話です。ところが記事にもあるようにコスト的に実現不可能なロシアのガス田開発とか未来自動車産業の推進策として水素自動車を前面に押し出した失敗などが実例として挙がっています。

今の頭脳明晰なエリート官僚に現場の意味は分からないでしょう。数字だけが作り出す架空の世界で天下分け目の戦いをやっているという民間企業や国民意識とのずれが本当の意味での「すべり」のような気がします。

これほど役所と民間の温度差が出てくると民間は役所への依存度が下がってきます。「お代官様!」と言われるのは下界のことも知らずにというひねくれ解釈すら出来上がってくるでしょう。

外地にいると必ず接点となるのが大使館に領事館。ここには外務省のみならず、様々な省庁からの出向者で一つの組織を作っています。寄せ集めであり、この組織をどうバイタリティ溢れるものにするのかが大使や総領事の能力であります。

かつてある経産省出身の領事と酒を飲んでいたところ、憤懣やるせないという気持ちをぶつけられました。着任早々の新総領事から「当地に日本食レストランが何軒あるか市ごとに調べよ」と指示されたと。「私はこんなくだらない仕事をするために夜遅くまで仕事をしたくない」と愚痴るわけです。「で、どうやって調べたのですか?」と聞けば電話帳を片っ端からめくって一つひとつ拾い出したそうです。

ではこの作業が何のために行われたのかといえば政府が推進する日本酒の輸出を推進するための資料に使われる一数字と化けたのであります。こんな仕事を日本から来た優秀なはずの領事にやらせるのが日本の役人なのです。

私はこの頃から領事館との関係が薄くなっていきます。失望させたのです。私はかつて隠れ領事館員とも言われれ、総領事から「俺の傘、どこにあるか知らない?」と電話がかかってくるほどでしたが、今は名前も知られていないでしょう。

民間がそっぽを向けば役所は何の力も持ち合わせなくなります。多くの日系企業も役所とは「おざなりの付き合い」ですが、その意味は要求こそされど頂いた果実はないという不平等関係だからかもしれません。

ギアがしっかりかみ合ってこそ世の中は動きます。行政は主役にならないのだ、ということを肝に銘じてもらいたいものです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

アメリカの保護主義トーンに異議あり4

G20でアメリカのムニューシン財務長官はアメリカの新しいスタンス、保護貿易について強くそのポジションを主張したようです。メディアのトーンによれば議長国のドイツはやや理解を示したが、他国は反発し、「G20の結束に綻び」(日経)とまで書かれてしまいました。

ムニューシン氏の記者会見のコメント、「米国は貿易赤字を長く抱えており、是正することが重要だ」との発言に私は違和感を感じます。貿易赤字を抱えているから保護主義するという短絡的な発想はムニューシン氏ほどの人物をもって真意ある発言しているとは思えません。

アメリカの2016年度の貿易赤字はざっと5000億ドルで10年前の7600億ドルに比べれば減少傾向にはあります。この貿易赤字の体質は昨日今日に始まったわけではありません。もともとは産油国あての赤字が多かったものが80年代にレーガン大統領の高金利政策でドル高が進み、輸出が伸びず、輸入が増える今のスタイルが生まれました。86年に純債務国に転落し、その後、双子の赤字の一翼を担い続けています。今では金利がこれだけ下がっても日欧に比べればまだ金利は高く、ドルの威光はくすぶっていないということでしょう。

では、アメリカが貿易赤字を解消できなくなった理由はなぜか、といえば大きくは二つあろうかと思います。一つはアメリカが先進国家としてモノづくりから引退したこと、もう一つは基軸通貨ドル覇権を維持するためのコストであると考えています。

まず、アメリカがモノづくり、大量生産で世界に名を売ったのは両大戦間の自動車産業ブームが最後だったと思います。その後、90年代にコンピューターの時代が始まりハードとソフトの融合がアメリカでおき、一時的に多くのアメリカの企業は潤いました。代表的企業がマイクロソフトとIBMでありましょう。他にも10社ぐらいはすぐに名が上がります。但し、アメリカにおけるハードの部門の寿命が異様に短ったのも印象的でした。デルやHPは頑張っていますが、ご承知の通り、IBMはパソコン事業を中国の企業にさっさと売却しました。

何故か、といえばロボット化、IT化が進んだとしても労働集約的性格がある製造業においてアメリカの賃金水準は世界基準からすれば異様に高く、付随費用(不動産や許認可、社会保険料や管理費)も含めれば競合できないとしても過言ではないのです。

また、工場勤務が常に上昇志向のアメリカ人にとって魅力的職種ではなく、枠にはめられた仕事しかできず、規則正しいプロセスを要求される作業は不向きなのでしょう。個人的には現代アメリカ人のメンタリティは工場のような作業にはもともと適性がないと考えています。

ムニューシン氏が保護貿易政策を取ることによってこの貿易赤字が解消できると考えるならばそれは世の流れに反した強硬な政策を推し進めることで力づくの貿易赤字改善をしようとしているにすぎず、そんな小手先の政策はすぐに反動が来るとみています。

二番目にアメリカが基軸通貨ドルの提供国である限りにおいて貿易赤字はやむを得ない代償だという点を考えてみます。

アメリカが基軸通貨の地位を手放さない理由はユダヤの富の源泉だから、とも言われます。嘘か本当かはともかく、かつて多くのアメリカ大統領はドル高を支持せざるを得ない状況にありました。そして自由貿易の世界的拡大は決済手段としてのドルの需要がますます増えるため、ドル発行を促します。が、それに反してドル高政策を取り続けなくてはいけないことで貿易収支は悪化しやすくなります。

よって、アメリカが基軸通貨の地位を円なり通貨バスケットなりにバトンタッチした瞬間にドルの価値は暴落するはずです。言い換えれば「神の見えざる手」により(いや「ユダヤの見えざる手により」というほうが正しいかもしれません)ドルの価値は一定水準を維持できるわけでそのおかげで財政赤字が許されるという双子の赤字のもう一翼を補完しているとも言えないでしょうか?

つまり、ドル高は双子の赤字の生命線とも言えるのです。

とすれば、ドル高さえ維持すれば貿易赤字だろうが財政赤字だろうが困らないという強引なストーリーもなくはないのですが、トランプ大統領が保護貿易により貿易赤字解消をねらうとすればドル基軸通貨をあきらめるのか、基軸通貨を維持した上に貿易収支も改善し、双子の一つをどうにかしたという歴史に残る名前が欲しいのか、もともと両立しないものを駄々をこねてムニューシン氏に無理を言っているのか、この辺りは論理的には説明しにくいところであります。

「トランプ氏が最近おとなしい」と先日のこのブログで書きましたが、支持率も底這いしているようです。経済のトランプのはずですが、バズーカ砲が出てこないどころか、問題山積で容易な展開ではないような気がします。国防費を大幅に増額するとしていますが、経済がうまくいかなければ最後は力の勝負を見せるのもアメリカの常套手段。これではトランプ政権の負けを認めるようなものなんですが、さて、まだそこまで言うには早すぎますのでもう少し様子を見ることとしましょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

日本の裏の部分4

歴史が長い日本において教科書的に美しい話ばかりを聞いていると「そんな世界があったのか?」ということを耳にして驚くこともあります。

今では反社会的勢力として社会から完全に一線を敷かれている暴力団。例えば不動産を購入する際にあなたは反社会的勢力との関係がないと言い切らねばなりません。ローンをする時も同様です。警察の力もあり、暴力団の勢力はずいぶん小さくなったものです。

この暴力団はもともとは港湾関係の労働者など荒くれ者が組織づくったもので戦前から戦後にかけて一気に増えました。特に戦後のどさくさ時には日々の生活が苦しい中、チカラによる制圧をかけようとした戦いが繰り広げられ、高度成長期に共に勢力を伸ばし、そのピークはバブルの時代に訪れます。

山口組や稲川会は経済部を持ちます。「ヤクザは天才でもバカでもできない」とされ幹部は「売春、薬、密輸」といった明らかに不正な行為から若干発展的でグレーな「地上げ、土地ころがし、絵画取引」といったビジネスに力を注ぎます。そんなヤクザも例えば稲川会経済部がハマったのが東急電鉄株買い占め事件で大仕手戦になった挙句、稲川が売りぬけ失敗で大損を食らったというオチがあります。

また、バブル当時、盃を交わしていないけれど、その筋に密接につながっている仲介人やディーラー的役割の会社も多数存在しました。この辺りになるとまず一般社会には情報が出てこないかもしれません。例えば戦後最大級の事件となったイトマン事件はその典型でヤクザではないけれどそれとほぼ同類項と言い切ってよいかと思います。

次いでいろいろ言われるのが在日韓国人。これは大戦後に日本に流れてきた、あるいは帰国しなかった在日韓国、朝鮮人であり、今の北朝鮮、及び韓国出身の方々です。何故帰国しなかったといえば本国が余りに貧しく、その後に朝鮮戦争もあったことで日本に新天地を求めたものであります。また、その後、韓国に帰国したらもっとひどい差別にあったという話もあり、行き場をなくした人たちとも言えるのです。

ところが日本の企業は在日朝鮮、韓国人を採用しませんでした。つまり、仕事にあぶれるわけです。そこで彼らは起業家精神を育みます。パチンコ屋、カラオケ、芸能関係、焼肉やそのたぐいの飲み屋といった娯楽系で圧倒的躍進をします。多くの日本人はそこで金を使い、その金が北朝鮮に回ったりしていたわけです。

しかし、在日の人たち誰もが成功したわけではありません。またプロレスの力道山がそうであったように社会との厳しい断絶の中、危険と背中合わせだったとも言えます。そして、その一部は上述のヤクザに合流します。日本のヤクザの主流が在日によって構成されるようになっていく流れはそのあたりに歴史的源流を見出すことができます。

三つ目の闇とは同和であります。いわゆる部落問題ですが、最近の方は言葉そのものを知らないかもしれません。端的に言ってしまえば差別されていた人たちの集まりです。中世の日本では多くの人が天皇に仕えていました。神道ゆえに天皇のもとで働くことで一定の生活ができる仕組みあったわけです。

ところが江戸、徳川の時代になり、幕府は朝廷とは違う政策をとり、士農工商という身分制度を作り上げます。その上、下々の仕事をしている人たちにはその身分すら与えられなかったのです。これが狭義の差別問題の始まりであります。

明治時代になり、士農工商はなくなり、当然、それ以下にカテゴライズされた方々も身分が回復するはずでしたがうまくいかず、その方々は日本各地(特に西日本)でかたまって住むようになりました。これがいわゆる部落です。

部落は部落解放同盟という団体を通じて各方面に圧力をかけます。これが極めて強かったのです。国は差別されていた立場を慮ってあらゆる配慮をします。そして更なる配慮を求めて有力政治家を推すのです。この結託の中心は自民党であり、明らかに対立するのが共産党であります。

一般社会では接点がない限りその世界を知ることはないでしょう。また、部落民と一般民との融和も進み、お互いに背景を知らず結婚するケースも増え、今では表向き全く聞かなくなった話であります。が、その利権たるやとてつもないものであり、「一度味わったおいしさはしゃぶりつくす」し、取り上げたりでもしたら常識では考えられない仕打ちが待っているのであります。

ですが、時代も変わり、あまりにも非合法な活動で暴利をむさぼりつづけると徹底的にやられることもあります。その例がハンナン事件でありました。ここでは長くなりますので興味ある方は検索していただければと思いますが、基本的には牛肉や豚肉の特殊な関税の仕組みを使った詐欺であります。長年、みんな知っていた(私だって知っていました)のに捕まえられなかった行政が重い腰を上げた例でありましょう。

いわゆる部落出身者もその後、ヤクザに転身した者が多いとされます。

こういうのをパンドラの箱というのでしょう。情報開示が当たり前だとし、知る権利を主張するのはいいのですが、興味本位でそのピンポイントだけの情報をもってああだのこうだの議論することはある意味、危険であります。多くの判断には極めて難しく、開示できない部分が隠されているはずです。

いわゆるアンタッチャブルな世界、と申し上げておきます。触らぬ神に祟りなしとも言えます。不都合な事実が開示されると、そのつじつま合わせはなかなか難しいものです。その前にうまく処理する要領のよさが欲しいところです。

では放置してよいのか、とも申し上げません。時代が変わったのだから過去はさておき、今後はスタイルを変えないと国民は納得しないでしょう。役人と自民党の姿勢が変われるのか次第なのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

電話嫌いの若者に対策はあるのか?4

ある程度の年齢の方には信じられないことだと思いますが、今の若者は電話が極めて苦手です。もちろん、友達同士は問題ありません。それ以外の方ときちんとした会話ができないのです。これを受けて日経の3月7日付には「電話は嫌い、非通知出ない 人事も驚く今どきの就活生」と題した記事が出ているほか、春の新入社員入社後の「たまげた話」に必ず出てくるのが「電話が鳴ってもでんわ」であります。

イライラする上司や先輩に対して新入社員はオロオロするばかり。なぜここまで電話で会話が出来なくなったのでしょうか?

この答えはほぼこの一点に収まると思います。スマホが生み出した副作用であります。

かつての家電(イエデン)は家族全員でシェアしています。そこにかかってくるのはお父様の仕事の関係の方もあるでしょう、お母様宛の近所の方からの電話もあるでしょう、家のことやセールスの電話もあり、自分あての電話は何分の一かの確率です。当然ながらその際には構えて電話に出ます。丁寧語も使うでしょう。つまり、自分宛以外の電話に対する訓練がなされています。

ところがスマホになった瞬間、まず、自分あて以外の電話はありません。そしていやなセールスは取らないので、番号非通知は無視、知らない番号も取る人、とらない人、いろいろです。電話番号さえ登録していれば相手が誰だかわかるので電話への緊張のハードルがありません。

これが会社になると新入社員の場合、自分あての電話はまずありません。次に電話の相手が顧客、取引先、納入業者などなど様々で一定の丁寧な対応を要求されます。また、電話をかけてくる方も普通の人ばかりならいいのですが、そうでもないケースは多いものです。焦っている方、怒っている方、上から目線の方、早口で何を言っているか分からない方…いろいろです。

電話の相手がいないと当然、メッセージの依頼を受けることになります。ビジネスベースの電話は社名から残します。私の場合は社名の「ブルーツリーの…」となるのですが、ここが8割の確率で通じません。「社名をもう一度お願いします」「ブルー何ですか?」、酷いのになると「ブルース リーさまですね」で言われたことがあります。先方は真顔なのでしょうか?

しかし、若者が電話を取れないというのは会話そのものが出来ないという意味であります。臨機応変な言葉の使い方、相手に説明したり、理解、納得してもらうことなどできるわけがありません。「テキストならできるのだけど、電話で喋るとなると何と言ってよいかわからない」は人間が人間としての能力の一つである言葉を発するという基本的動作が退化しているともいえるのです。

かつてギリシャではディベートが盛んでそこから弁論術が生まれプラトンやソクラテスの弁証法等につながり、アリストテレスの著書になっていきます。あるいはシンポジウムという言葉の語源は「一緒に酒を飲む」であり、それぐらいフランクに討論を通じてコミュニケーションを図ることを人間の持つ誉れ高き能力と考えていたわけです。

電話嫌いの若者への対策ですが、基本的にしゃべらせる訓練をするしかないと思います。また知らない人に自己紹介をしたりそこに交じって会話に入りこむなど、守られない自分の環境に入り込み、言葉を通じて攻守を覚えていくほかないでしょう。NPO活動や異業種交流会で自分の意見を言うなどが大事だろうと思います。

就活の面接試験もディベート方式を何らかの形で取り入れるべきでしょう。特に官僚になるような方、超一流企業の面接では人の話を聞く力、自分の意見を言う能力が一般知識よりも重要であることは言うまでもなく、またその人の将来の成長も占うことになるでしょう。

就職試験でしゃべることを取り入れれば学生は否が応でもディベートの練習をするようになります。世の中、そのように目標をセットしてやり、軌道修正を図って行かねばならないのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

一連の経済スケジュールがひと段落し、今後の戦略を立てるというのがこの週末でしょうか?

まず、アメリカから見てみますが、イエレン議長率いるFRBが利上げを断行したのに10年物国債は利下げ発表前の2.6%から金曜日の時点で2.5%まで下がっています。また、円相場は112円台に突入しています。

この動きを改めて考えてみたのですが、FRBの主たる目標とは他の中央銀行と同じく、雇用とインフレ率のコントロールであります。そして雇用についてはほぼ完全雇用状態で満足しうる改善が続いています。一方、インフレ率は個人消費支出ベースで1.9%程度まで改善していますが、FRBは今後このインフレはこれ以上急上昇しないと予想している向きがあります。これがFRBが今年の利上げ予想は変えないとした背景であります。

ところが市場ではもっとタカ派的な金利上昇を見込んでいたため、見込み金利が上昇しない中、インフレ率が想定を仮に上回るなら利下げ効果と同じになってしまいます。これがドルが売られ、金が買われ、アメリカの株式市場が今一つ盛り上がらなくなったシナリオの第一幕かもしれません。先日も書きましたが、ドル安は資源高になります。よって、個人的にはアメリカのインフレ率はこの先、もっと上がると見ています。

それとトランプ大統領がおとなしくなった気がします。過激さがなくなったのは「自分の思い描く通りにワークしない」ということを悟り始めたのでしょう。入国管理規制はまたもや否定され、2月9日に「数週間以内に驚くべき新税制を発表する」といったのに5週間たっても何も出てきません。国境税はワークしないと思います。仮にアメリカが導入すれば他国も報復はするでしょう。

この辺りの動きが今後、1-2か月間で要注目になろうと思います。日本では日銀の定例政策会議がありましたがほとんどニュースにもなりませんでした。「黒田」という名前も廃れたのでしょうか?

さて、中国ですが、全国人民代表大会が終わりました。日経に興味深い記事があります。「期間中、習近平国家主席は経済統計の水増しが発覚した遼寧省の分科会に出席し、『こうした気風を断固として止めなければならない』と強調した。」とあります。相も変わらず数字を作り上げていたのでしょう。そんな中、同記事は中国が元建ての統計数字しか発表しなくなった点に注目し、それをドル換算にすると中国への投資額は前年比7.1%減、16年GDPはわずか1.3%しか成長していないと指摘しています。

やはりそんなものだったのです。以前から実態と対外発表の数字は相当乖離していると言われていましたが、化けの皮がはがれてきたということでしょう。韓国いじめでもして秋の大会に向け、人事構想を練り、穏便に過ごしたいというのが習近平氏の心中ではないでしょうか?

さて、国内をみると社会面と週刊誌ネタ、ワイドショーは大忙しでしょう。西の籠池問題と東の豊洲問題、どちらも気になってしようがないという感じです。

籠池問題は以前にも申し上げたように籠池氏よりもワイフにキーがある気がします。ご主人は操られていませんか?実際、メールのやり取りも昭恵夫人と籠池ワイフです。なにかパンドラの箱のようなものがある気がしてなりません。ただ、政治家の醜聞で政治が停滞すること自体が無駄そのものですが政治家は政党ゲームが大好きですから国政そっちのけですね。私が唯一気になったのは安倍首相が「これが事実なら首相も議員も辞める」と発言したこと。気持ちの表れだと思いますが、そんなこと、口が裂けても言ってはなりません。世界標準ではありえないです。

豊洲問題は個人的に百条委員会で何かわかったとしてもインパクトがある結果にならないのではないでしょうか?それより現実問題をどう処理するのか、小池都知事にはその手腕を早く見せてもらいたいと思います。

ずいぶん昔に書きましたが、東京で注目されているのが羽田市場です。朝取りの魚を夕方、スーパーや店先で売る新鮮さがウリです。築地は1日遅れます。ただし、羽田が築地/豊洲を代替するかといえばそれは本質が違いますので無理とされます。が、私は全ての水産事業者とそれを仕入れるスーパーから飲食店までの物流の流れを作り直してしまえば築地も豊洲もなくせる方法を編み出せるのではないかという気がします。

いまやどの業界も中間業者を排除しダイレクトでやり取りする時代です。農林水産事業でそれができないはずはないでしょう。あまり都議会でガタガタするなら業界は市場がない前提の新しい流通を生み出す仕組みを考えるべきではないでしょうか?簡単ではないはずですが、少しずつ流れを変えていけば不可能ではないと思います。役所が決めないなら民間が行動を起こす、こういう姿勢が大事です。

いよいよ3月末を迎え、ほぼ日本法人の海外からの資金の還流、決算対策の株売買が落ち着くところです。本来であればもうそろそろ日経平均20000円を目指す時だと思いますがさてさて。市場に春は来るのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。日本の皆様は素敵な三連休をお楽しみください。

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また明日お会いしましょう。

女性の時代の女性リーダー4

私はずっと思っていたことがあります、が、口にしにくいことであります。それは女性の時代と言いながら女性リーダーシップがうまくいっていない点であります。

発端はブラジルのルセフ元大統領でしょう。不正がらみで国民からそっぽを向かれ、その弾劾のあいだの態度もお世辞にも品が良いとは言えませんでした。同じ、弾劾で失脚した朴槿恵元大統領は「不通の女」として有名でありました。大統領時代も一人で食事をする孤独な女を演じました。飼っていた珍島犬が唯一のご家族であったのでしょうか?

次に挙げたいのがヒラリークリントン氏です。頑張ったのに大統領選に勝利できなかったのは今改めて考えてみると彼女の鉄仮面の裏側の本当の顔が国民とこれまた「不通」だった気がします。一般には彼女に対して好き嫌いがはっきり出るタイプとされます。クリーンかどうか「疑わしき」を取り除くことができなかったのは本人のバリアであってガラスの天井などという話ではなかった気がします。

日本に行きましょう。筆頭は蓮舫氏です。「がなる」というのが私のイメージなんですが、あのしゃべり方には男性が苦手なヒステリックな感情が入っています。私もヒステリックな人とたまに対峙しますが、相手がヒスになった時、基本的に耳にフィルターをかけ、感情部分は一切弾き飛ばすようにしています。そうでないと感情ゲームに引っかかるからです。

ちなみに女性がなぜ、ヒステリックになりやすいかといえば感性をつかさどる右脳と論理性の左脳の間を繋ぐ脳梁が女性の方が太く、相互の情報量の行き来が多いため、感情が出やすいという生理的背景があります。

もっと行きましょう。最近話題の稲田防衛大臣。「自民党のジャンヌダルク」なんて言い過ぎにもほどがあります。安倍首相が惚れこんだとされますが、私から見ると女性首相の器ではありません。先日も籠池氏の裁判に出席したことがあるか、という質問の回答が違っていたことを陳謝していましたが、何の調査もせず、その場の記憶だけをたどった発言そのものもおかしいと思いますが、頭の良い方がそんな記憶がなかったわけがなく、隠せると思ったのでしょうか?

民間部門での筆頭は大塚家具の大塚久美子氏を入れておきます。正直、経営者としては失格です。センスもないし、ビジョンが甘いと思います。父娘バトルしていた時はちょっと美人だからということでマスコミからもちやほやされましたが、ビジネスだけ見ると惨敗です。事実、6月の株主総会で株主からの反発で社長承認を取れない可能性が出てきており、要注目です。

期待を持たれた女性リーダーはなぜ、うまくワークしないのでしょうか?個人的な見解としては自分の信じたことに拘り、他人を受け入れない壁だろうと思います。この壁は一定のポジションまでは有効だと思います。特に向くのが専門職で弁護士、会計士、FP、医者などプロフェッショナルと称する分野で一般企業ならばだいたい部長職までは専門性で押し切れるかもしれません。

ところがそこから上の世界は全く別の次元です。情報力、人との接し方や付き合い方、自分の押し出し方と引き方、阿吽の関係、バンジージャンプするほどの思いっきりの良さ、自分をギリギリまで追い詰める迫力や強い精神力、攻守の使い分け、微細と大所高所の扱い方などが適性を決めるわけで専門職や部長職までのキャリアや経験だけでは乗り切ることは不可能と言っても過言ではないと思います。

ここは気をつけて表現しないと勘違いをされやすいところですが、積み上げてきた社会や組織にたまたま男性のリーダーが多いだけで今後、数多くの女性リーダーが生まれてくるはずです。但し、社会の変質化には時間がかかるのです。

ところが世の中、地球儀ベースで女性の時代となり、日本でも当然、それが叫ばれました。どうなるかといえば無理なベクトルがかかったのだろうと思います。企業の役員や役職者の何%は女性にするとか、閣僚に女性を何人入れるという数字目標が先にありきだったのです。これが間違いでしょう。

もっとナチュラルな引き上げをすべきであって、無理に舞台に担ぎ上げると結局期待を裏切る女性という悪い印象を与えてしまうことになりませんか?

男女平等だと言いますが、それは正しく理解することが大事でしょう。この意味は社会的平等であって、生理的平等ではありません。よって、得手不得手は当然あります。それを何でもかんでも社会の動向で男と女を同じにするという論理は女性に対しても男性に対しても厳しすぎるように思えます。

私の思う女性の時代とは女性が広く全般に底上げすることだと思います。現時点で社長や知事職で女性の方はたくさんいらっしゃいます。世界を見渡せば英独首相をはじめ、素晴らしいリーダーシップを見せている方は多いのです。そういう方は女性の時代と言われる前から活躍しています。男女の別ではないのです。本当の女性の時代とは女性の中間層を厚くし、次世代を担える期待の女性ホープを1人でも多く生み出すことではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

アメリカ利上げの行方4

アメリカのFRBがFOMCで利上げを決めました。これは既定路線で注目されたのは今後の展開でありました。その中で最近とみに注目されてきたのがDot Plots(金利予想分布図)であります。今回、将来の金利予想がより強気になり、年3回が4回になるかが焦点でした。

結論からすれば予想見直しはなく、現状通り今年は今回を含めて3回となりました。

この発表を受けて市場は大きく反応しています。まず、株式市場では買い安心感が広がり、ダウが110ドル余り上げたほか、金(ゴールド)も反発、買いを誘ったのをはじめ、円安バイアスが取り除かれたことで円は113円半ばと1円以上の円高になっています。つまり市場にとっては安ど感が漂っていたとも言えましょう。

株式市場では3月13日にNY市場でヒンデンブルグ オーメンというテクニカル分析で投資家が最も嫌がる警告が点灯していました。これは複数の悪いテクニカル条件が重なった際、8割の確率で5%以上の下落が起きるというもので1985年以降の主な暴落は全てこのヒンデンブルグオーメンが点灯してます。数字の有効期間は1か月であります。とりあえずはこれを打ち消す形になったのはよかったと思います。

しかし、現実をみると利上げなのにドル安円高とはどういうことなのでしょうか?こんな感性的な表現は正しくないのかもしれませんが、一つにはドルの買い疲れ感がありそうです。利上げを受けたアメリカの10年物長期金利は2.508%と前日の2.60%からなんと金利安になっています。いくら利上げしても長期金利がそのまま反応するわけではなく、したがってドル高にも限界があるとしたら良いのでしょうか?

為替の基本の一つに購買力平価がありますがドル円で見た場合、企業物価PPPの指数が100円を割れており、ここから実態の為替レートがどれだけかい離しているかという尺度でみると今の113円レンジは15%ほど上方にかい離しています。消費者物価指数と輸出物価をレンジバンドとすればやや上に位置しすぎており、いずれ企業物価指数に収斂するようにみえます。つまり円高がアナリティカルにはサポートされます。ただし、これは長期であり、今日明日、どうこうなるものではありません。

全体的にはアメリカの景気拡大期が8年近くなってきた中でトランプ政権が打ち出すであろう具体的政策が吉と出るか、凶と出るか読めないというのが正直なところです。圧倒的な財政支出は経済の更なる拡大には有効でしょうが、インフレには留意が必要です。

本日発表されたアメリカ消費者物価指数は年間で2.7%アップと上昇を続けています。特に中身をみると全体に強いインフレ基調があったのですが、唯一それを打ち消したのが3%下落したガソリンなどエネルギー価格の足踏みでありました。これは短期的要因と考えられ、今後、3%越えのインフレ率もあり得る中で長期金利が上がらないのは悪いインフレになっている可能性があります。

これはとりもなおさず、ドル安要因でドルが安くなれば主たる資源価格がドル建てであるために資源価格の高騰となり、想定以上の物価高もありえます。

雇用については先週末の雇用統計で引き続き良好な流れを維持したことが確認でき、失業率は4.8%まで下がっています。FRBの主要メンバーからは完全雇用に近いという表現がちらほら聞こえてきます。では完全雇用とはどこまで行けばそうなるのかですが、労働力の質や労働参加率などで国によりそのベースラインは変わります。たぶん、学者の間でも完全雇用の論理的定義はなされていないはずで案外感性的なものだと認識しています。

例えばひっ迫する労働市場で新たに人を雇おうとした時、なかなか、人が応募しない、あるいは応募してきても箸にも棒にも掛からぬ人材だったということはよくあるでしょう。猫の手も借りたいというのはそこまで労働の質に対する期待値を下げてでも雇用するということです。その結果、生み出されるものは生産性の低下、最終価格の上昇であります。

個人的にはアメリカはすでにその域に入っている可能性があるとみています。日本のように労働の質が比較的均一でマルチタスクをこなせる場合には完全雇用までの懐はより深いとも言えます。

アメリカの利上げは年3回から場合により4回もあり得ると思いますが、為替に対するインパクトは逆向きになる公算を考えておいた方がよさそうです。このあたりは私が年初に描いていたシナリオと若干変わってきたところです。アメリカの株価にはいったんプラスになると思われるのでヒンデンブルグオーメンは乗り越えられると信じたいところです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

東芝を再生させよう4

東芝にまつわる悲痛なニュースの連続に、さてこれはどうしたものか、と最近改めて考えています。過去の経営判断の誤り、組織の体質という本質問題に海外原発事業という余りにも根が深く、底なし沼にもがく現経営陣をみていると悲惨以外の何物でもありません。もはやこの会社を批判している場合ではない気がしています。

大多数の媒体は日々上がってくるニュースを追っていますので事実関係としてはあらかた分かっているのですが、今、この会社を大所高所から見てどうすべきかと考えられる人はほとんどいないのではないでしょうか?それぐらい本件に巻き込まれている関係者が多いのです。

役人側からは東芝のおかげで日米関係の対応に追われるぐらいのボヤキが聞こえてくるでしょうし、麻生大臣からはウエスチングハウスの破産処理を月内に決めるのではないか、という割と他人行儀な発言も聞こえました。銀行は今後の処置について他行との足並みを含め、社内調整で大わらわでしょう。顧客は商品の安定供給に不安を持っているかもしれません。

ことの流れを冷静に受け止めれば上場廃止は確かに視野に入っています。私は2月1日付ブログで東芝の二部降格は確実、上場廃止もありうると述べていますが、その方向に確実に進んでいます。東証は同社株を特設注意市場銘柄から監理銘柄に移す決定を行いました。当然の判断だと思います。特設注意市場から外れるためには十分な改善が行われたと納得できる説明が必要ですが、東芝の場合、もっと悪化したわけですからやむを得ません。

では同社をこのまま放置してよいのか、でありますが、日本経済に多大なる影響を与えることを鑑み、早急なる手当をすべきであろうと考えます。つまり、一企業の問題として麻生大臣の他人事のようなスタンスではなく、経産省と財務省がタッグを組むか、内閣府がダイレクトで支える体制を取るべきでしょう。

同社経営陣は今、ウエスチングハウスの切り離しにすべての精力を傾けており、財務チームは資金調達と銀行説明に追われ、営業は今後の東芝について顧客からやんや言われているさなか、誰がビジョンを描くことが出来ましょうか?それ以上に何も知らされない一般社員はどういう気持ちでしょうか?

私の考えるプランとしては東芝が東芝の責任でウエスチングハウスの切り離しを行い、切り離し完了後、産業革新機構などのフルサポートを付け、東芝の残りの事業を確実に継続させるというコミットメントを政府が今すぐに行うべきだろうと思います。

上場については一旦廃止になってもシャープが短期間で東証一部昇格を目指しているようにうまくいけば数年で市場復帰は可能です。JALも苦渋を飲まされましたがREBORNすればよいのです。いったん、過去のしがらみを全部取り除き、新生東芝としてスタートさせるしかないでしょう。そのためにもよい部分と悪い部分は混ぜてはいけないのであります。よってウエスチングハウス切り離し後、もう一つ残る国内原発事業の処遇を決めなくてはいけないでしょう。

国内原発事業については同社、重工、日立などが主力で既存原発のメンテを行っておりますが、ニュアンスからは何処の会社も原発事業が頭痛の種となりつつあります。個人的にはそれら3社が日本国内の管理業務を行う共同出資会社をつくり、そこに移管するのが理想だと思います。

私が東芝を再生させなくはいけないと強く思ったのは従業員の数、その家族、関連会社の数というダイレクトなインパクトが余りにも大きいばかりか、「東芝よ、お前もか」となることで日本の電機業界への精神的ダメージが大きすぎるからであります。

JALも潰れる前は確かに横柄で上から目線のビジネスをしていたと思います。CAの雰囲気が「私はJALよ!」といういらぬプライドが漂ってくるようでありました。日産だってそうでした。かつてはトヨタは名古屋の田舎会社、東京を制する日産に勝利アリと言っていたぐらいなのです。東芝も全く同じなんです。「誰でも知っているサザエさんのスポンサーのあの会社ね」がとにかくあらゆるものに見境なく手を出していった原因です。日立とのライバル心が丸見えというのもあったでしょう。

しかし、日産もJALも再生しました。(日産については病気が再発した気がしますが。)シャープのドタバタの際には私はスポンサーは鴻海が正解、と主張しました。シャープの社風が産業革新機構のスタイルと全然合わなかったからです。但し、東芝はそのスタイルで行けるはずです。いつまでも外資の世話になるわけにはいきません。国内総力を挙げて東芝を救う体制を整えるべきでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

豊洲問題にみる倫理4

百条委員会が始まった東京都の豊洲問題追及は18-20日にピークを迎えます。問題追及をしようとする都議会の姿勢は何なのか、そもそも論を考えてみたいと思います。

1999年ごろの日本の価値判断基準と18年たった今日のそれとは相当違います。当時は容認されていたことも今では許されないことがいくらでもあります。それは世の中のルール、解釈の基準、人々の認知、感性が変わったからであります。また情報開示が進み、情報の捉え方やマスコミによる「刷り込み」が一般人の判断基準のベースを作ったこともあるでしょう。

例えば今、働き方を変えようと盛んに議論しています。残業時間を規制しようとしています。あるいは「女性の社会進出をどう支えるか」ではそれこそ、保育園の問題から扶養者控除の金額に至るまで既存の枠組みをすっかり変える話をしています。様々な構造的変化がわずか20年足らずの間に当たり前のごとく起きています。

同じことは豊洲の移転でも言えるのでしょう。18-20日の証人喚問を待たねばなりませんが、ほぼストーリーラインは見えてきました。都は当時、築地に変わる新しい市場が欲しかった、だけれども適当な物件がなく、土壌汚染が課題の東京ガスの土地が最有力候補となったわけです。

当時の価値判断基準からすれば汚染土がある土地の所有者、東京ガスは食品を扱う魚市場を建てるには将来発生しうるであろう健康被害の潜在的リスクを考えたはずです。つまり健康被害が生じれば東京ガスが最終的な責任の転嫁を受ける可能性があり、それを嫌っていたはずです。アメリカではそのような法律があり、土壌汚染を生み出した土地オーナーのリスクは非常に高いものになります。(しかしそれを言い出せば東京ガスがその埋め立て地を買った時点で土壌汚染があったかもしれませんが。)

嫌がる東京ガスを「まぁまぁ」と言って説得したのがいわゆる水面下のお約束ではないかとみています。「東京都が汚染土処理は責任をもってやるのでご心配なく」という握りです。この程度のリスクテイクは当時ならばあり得た話だと思います。「この件は墓場まで持っていく」という取引はいくらでもあった時代です。書面に明白に出ていないのはそのあたりのビジネス慣習があったからでしょう。

ところが今日、環境に対するセンシティビティは18年前と全く違います。健康被害に日本人が異様にこだわるようになったのは中国製品で相次いだ食品の健康被害も影響したでしょう。国内の食品偽造の事件もありました。これらが原因で日本人の価値判断基準が大きく動いてしまったのです。当時、豊洲の土地の売買を担当した方々にとってはここが想定外であったのです。

それと都知事が小池さんになって盛り土の件を発端にケチがつき始めたことで更に状況を悪くしました。とすれば百条委員会で当時の人たちの証言や言い訳が今後、もっと聞こえてくると思いますが、それを突き詰めても個人的にはほとんど意味をなさない気がしています。小池さんは責任の追及という言い方をしますが、常識観が変わった中での判断基準の変化を考えれば「ほら、間違っていたではないか」と悪人を見つけ出し、さらし者にし、勝利し、私は原因を突き止めたとする行為そのものが本来やるべきことから目線を避けてさせていると考えています。

今、小池さんや都議会がやらねばならないのは今後どうするか、ということであって、自分たちの保身や選挙対策の為の百条委員会が主役になってはいけないと考えています。

慰安婦や南京事変の問題もそうですが、当時の理解と今日の尾ひれがついた話を比較すること自体に困難があります。現代の価値判断を過去に当てはめるという発想がまかり通れば世の中には英雄は一人もいなくなります。必ずケチがつきます。

最近、私のまわりで「晩節を汚した」という言葉を時々耳にします。「素晴らしい功績を挙げてきたあの人がねぇ、残念だわ」という話です。ほんとうに汚した人もいますが、その時代、時代の判断があったはずです。安倍首相が時々「未来志向」という趣旨で発言されます。そうなんです。我々は過去には戻れないし、それをretroactiveに(遡及して)それを直すこともできません。よって、この先どうするか、この立ち位置にあるべきだと思っています。

百条委員会で犯人を見つけても何の問題解決にもなりません。この点だけは間違えないようにすべきでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

27年ぶり価格改定の衝撃4

ヤマト運輸が27年ぶりに価格の全面改定を目指しています。「27年ぶり」が異様な響きに聞こえるのは私が値上げが普通である北米に住んでいるからであるのは確かです。しかし、逆説的に言えば27年間も価格改定をせずにここまでこれたのは、

1. その間、何ら価値改善(Value Add)もなかった
2. 改善はしたもののそれを顧客への価格に転嫁しなかった
3. 価格改定したかったが売り上げ増に伴う利益増で見えないふりをした

のどれかであります。少なくとも1番の何ら改善もなかったというのは無理がありますので私は2番と3番の組み合わせなのだろうと思います。2番については一般に「企業努力」と評します。

運輸会社は人件費の塊のようなビジネスです。私も現在その業種と仕事上のお付き合いがありますから数字の内情はある程度わかります。人件費偏重型のビジネスはいかに効率的にさっさと運び、時間内に何個捌くか、これにかかっています。ところが不在等に伴う再配達コストは現状、無料。ここが苦しいわけで理想論でいえば

1. 不在配達ステッカーを貼り、近所の集荷場に取りに来て頂くか
2. 荷受人負担の有料で再配達をお願いするか

にすべきなのでしょう。つまり、アマゾンなどEコマースで購入した商品は一度目の配達に限り商品購入時の費用に含まれるが、二度目以降はお客さんの負担にすると言い切る自信があるかどうかであります。そして少なくともヤマト運輸において27年間のうちEコマースが急激に普及したこの5-6年、それを言い出したかったけれどずっと我慢していた、というのがありありとわかります。一時期は佐川との戦いがあったこともあるでしょう。

もちろん、顧客からすれば冗談じゃない、とクレーム殺到かも知れません。しかし、企業側がそのクレームに負けてはいけないのです。今回、佐川も日本郵政も大口法人向けについて同調値上げを検討しています。この三社そろい踏みはEコマースの売り手側であるアマゾンや楽天、ヤフーなどが飲まざるを得ない条件になります。

そしてもっと大事なことは安い賃金で押さえられ、厳しい労働条件を強いられる人たちを救おうという気持ちを消費者に理解してもらうことが大事ではないでしょうか?私も業務用品で日本で配達をしてもらう際に「4階まで階段で」と言っても嫌な顔一つしない人たちに北米流ならチップでも差し上げたいぐらいであります。

私がタイトルに「27年ぶり価格改定の衝撃」としたその意味は企業努力の域を超えているのではないか、という点です。業界最大手の役割とは業界の潜在的問題を取り除き、持続性のある成長を促すリーダーシップであります。多くのライバル企業は市場シェアにこだわり、利益率にこだわり、裏切る会社が続出します。そんな足の引っ張り合いではなく、業界があるべき姿を作り上げなかったという意味で最大手のヤマト運輸の今日に至るまでの「不作為」に衝撃を感じたのです。

この意味は運輸業界だけではなくすべての日本の産業に言えないでしょうか?安いことはよいことだという標語が染みついた社会には矛盾が生じてしまいました。企業は安値競争を行うからコストカットの一環で人件費を削る、すると給与が少ないから給与所得者は消費に回せるお金がない、すると商品は安ければよいのが当たり前のサイクルに入り、抜けられない事態が生じてしまうのでしょう。

勿論値上げの苦悩はあります。マクドナルドもユニクロも価格政策で迷走しました。一方で春闘ではベアを、という組合から政府に至るまで賃金引き上げの後押しがあります。この「あんこ」になるのは企業収益であります。

ブラック企業を問題にするならブラックがなくなるような企業体質にするという意味で価格の正常化は日本経済にとって極めて重要な課題ではないでしょうか?

お前は分かっていない、とご批判を頂くと思いますが、一歩踏み出さないと負のサイクルから抜け出せないことも事実だと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

続けるチカラ4

アンジェラ ダックワース氏の「やり抜く力」という本があります。たぶん、一部の本屋ではまだ平積みになっていると思います。心理学者であるダックワース氏のこの本は心理学が好きでやり抜く力を論理的に習得したい方には読みごたえがあるかもしれません。本の趣旨はやり抜く力がどれほど重要でその人の成功に導くか、という明快なストーリーラインの中で学者としての色付けが施されています。

この本の中にどれだけやり抜いたかというテストについての記述があります。1年以上続いたものだけポイントがゲットできるようになっています。つまり、3日坊主どころか1年やってもそれは評価されないということです。やり抜くというハードルがいかに高いか、お分かりいただけると思います。

さて、皆さんの人生で1年以上続けていることを思い浮かべてみてください。ありそうでないものです。一方、人によってはたくさんあるかもしれません。

私が最も記憶に残るやり抜く力の源泉の一つに中学から高校時代にかけてアメリカの洋楽、ビルボードトップ40のラジオ番組(湯川れいこさんが司会で確か土曜の深夜、3時間ぐらいの長い番組です)を聞きぬき、そのチャートを毎週欠かさず必ずノートに書きだすことを5年ほど続けたことでしょうか?(番組終了で止めました。)曲名と歌手名、チャートと先週との比較を全部手書きでやることで何が起きたか、といえばほとんどの曲を今でも覚えているということでしょうか?

当時の曲のイントロ当てクイズなら負けませんが、それよりも今でもそれらオールディーズの曲がラジオから流れると曲とその時の思い出がマッチングして一定のシーンが思い起こされることに懐かしさを感じます。

ただ、私はそんな、トップ40のチャートの記録を自慢したいわけではありません。粘り強く、どんなに眠い日でもそれをやり続けたという達成感が次の目標を作り出すということを言いたいのです。そして、続けることによって人より頭一つぐらい抜け出せることが実感できるのであります。

例えば私はエアロビクスダンスでカナダチャンピオンシップを目指して7-8年スタジオに通い詰めたこともあるし、ハーフマラソンの国際大会で1時間37分で走ったことも続けたからこそできた達成感なのであります。もちろん、今でも走ることは続けていますが、タイムという目標に届かなくなった今、別の目標をまた立てながら自分が緩まないよう気を引き締めています。

「やり抜く力」でIQと成果は必ずしも一致しないという趣旨のことが書かれています。「俺は才能がないから」とあきらめている人は結構多いものです。苦手意識、できないと端からバリアを作る人、粘りがなくてすぐに投げてしまう人…いろいろだと思います。

何が大成させるのか、といえばコンスタントな努力しかないと私は確信を持っています。頭がいい人は努力せずに達成できることもあるのですが、メリットとデメリットがあります。一方、我々凡人には努力さえすれば成し得るという成功への道が残されているともいえます。

最近、プロのスポーツ選手が成果を残せないケースが散見されます。何故でしょうか?本人の意識が試合に集中していないのだろうと思います。マスコミに追われ、ちやほやされることで今まで培ってきた集中力が切れるのだろうと思います。女子スキージャンプは見事にそのケースで伊藤さんはずっと高梨さんの影だったのに今年はその雪辱を果たしています。フィギュアの宇野さんも同じシナリオでしょう。駅伝の青学4連覇はちやほやされすぎで今のままではまず起きえないでしょう。トップに立つ者ほどよりストイックにやり抜く基本に立ち返らなくてはいけないと思います。

私が日々気を付けていることは思い上がらないことです。何事にも謙虚、真摯に、足元を着実に固めることをすべての基本としています。出家した坊さんのような悟りが必要だと思います。

続けることによって自慢したくなる気持ち、あるいは他人からもてはやされることがあってもそれに踊らない自己精神の強さこそが「続けるチカラ」の根源であろうかと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

韓国は何処に行く?4

2011年9月、韓国の憲法裁判所は歴史的な判断を下しました。「元慰安婦の対日損害賠償請求権問題を解決するために韓国政府が具体的な努力をしないのは元慰安婦ら請求者たちの基本権を侵害するもので憲法違反である」と。時の李明博大統領はこの判決から性格が180度変わったといってもよいでしょう。日本にどうにかしろと迫り、竹島に上陸し、天皇陛下に対する侮辱をしました。

憲法裁判所の判断があたかも天からの声であるがごとくふるまい、その後を引き継いだ朴槿恵氏も日本にこの解決を迫りました。2015年12月の慰安婦問題日韓合意で10億円の拠出金を決定、履行したのはこの流れを受けたものであります。

韓国で次期大統領候補の筆頭である文在寅氏はこの日韓合意を見直すと息巻いています。私は15年12月に日韓合意をした際にこれでよいのではないかとこのブログで賛意を示しました。多くの方は10億円をなんだと思っているのだ、と意見されていましたが、私の意図はボールは韓国に投げ返されたという意であり、慰安婦問題を世界が認識する中で韓国国内問題に封じ込め、憲法裁判所の判断にそった行為を朴槿恵氏が実行した落としどころを評価しました。

つまり、文在寅氏が日韓合意を見直すということは韓国の憲法裁判所の判断に基づく行為が十分ではないという論理になり正に韓国の思想を代表するムービングゴールポストをしようということになります。日本政府は勿論、その投げ返されるかもしれないボールは受け取らない姿勢を持っています。

長々と前置きをしたのは韓国で衝撃的な朴槿恵氏の弾劾を8人全員一致で決めたという事実が何に基づいているのか、であります。韓国の性格を言い表すもう一つの言葉に事大主義というのがあります。一言でいうと「自分の信念をもたず、支配的な勢力や風潮に迎合して自己保身を図ろうとする態度・考え方」(デジタル大辞泉より)であります。

極端な話、仮に弾劾に反対票を入れる裁判官がいれば今の韓国ならその人は非国民扱いにされるのがおちでありましょう。メディアはその裁判官の名前を公表し、徹底的に糾弾するかもしれません。そうなればその人の安全そのものにかかわる話となり、正しい判断ができなくなる背景は大いにあるでしょう。

冒頭にご紹介した2011年の慰安婦問題の憲法裁判所の判断も「慰安婦の基本権を侵害する」でありました。今回の罷免も「大統領の違憲・違法行為は国民の信任に対する裏切りにあたる」(日経)とありますので判断目線が弱者や国民救済的であってその基準はある意味、ポピュリズムを踏襲しているとも言えないでしょうか?

これで韓国の混沌は長期化することが目に見えてしまいました。Wベースボールで韓国が想定外の苦戦でようやく台湾に勝利したのも11対8の乱打戦でした。国民が一つになっていないと野球の成績にも表れてきます。来年の冬のオリンピックもこれでは怪しいもので実際に韓国国内ではほとんど盛り上がりがないと報じられています。

韓国国民が必死になって朴大統領を弾劾に追い込んだのは何のためでしょうか?セウォル号から始まる恨みつらみでしょうか?韓国は怨念の国なのでしょうか?ならば、それが晴らされたとすれば次の標的は誰でしょうか?左巻きの文在寅氏が大統領になったとしても文氏が金正恩氏のように好き勝手に国家を描きなおすことが可能であるわけではありません。国民にどれだけ人気があろうと国家は対外関係の中にあってその地位や経済的戦略が存在します。

一部では左翼政権になっても日本に対して大きな態度は取れないだろうと解されてます。理由は韓国の橋頭堡は何処にあるのか、であります。中国は手ぐすねを引いて飴とムチを用意して待ちかまえます。北朝鮮の恐怖はどうするのでしょうか?トランプ大統領のいるアメリカとTHAADを再考すると打ち出せますか?戦時作戦統帥権に基づく最高司令官はアメリカだということを忘れたのでしょうか?

個人的には韓国は歴史を10年ぐらい逆戻りしたと思っています。進化ではなくは後退しました。人々は北アフリカの春の時と同様、目的を達成した今、路頭に迷い、政権が混迷し、不安定で実力者不在の長期的な闇の時代に向かうのでしょうか?

弾劾裁判の結果はあり得ないものでありました。私の予想は見事に外れましたが外れたから悔し紛れで書いているわけではなく、余りにも恐ろしい道を韓国が選んだことに驚愕の想いがあるということを皆様にお伝えしたかったのです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

今日は一日早いのですが、「今週のつぶやき」をお届けします。金曜日の11時から朴大統領の弾劾裁判の判決が出ますので土曜日はその内容を中心に書かせていただきたいと思います。

さて、まず、市場の話から。ニューヨークは4日連続下落のあと木曜日はかろうじて反発しています。日本も4日連続下落で木曜日反転しました。これだけ聞くとなんだ、市場はもう閑散相場入りか、と思われると思いますが、非常に熱い相場つきになっているのが日本の中小型株市場であります。

まずはジャスダック。これが木曜日まで実に20連騰です。記録から言うと2004年1月に21連騰、1989年10月に22連騰があり、この辺りが最高記録。89年10月といえばバブルが最高潮に達していた時です。それ以外にも東証小型株指数は25年ぶりの高値、東証2部株価指数は史上最高値圏であります。そんな活気は何処にあるのでしょうか?ズバリ、新興企業の活力だろうと思います。

東証第一部の老舗企業は完全なる大企業病。コミュニケーションと組織が硬直化し、日進月歩の時代に対応できなくなっています。東芝、三菱重工などは言うに及ばず、三越伊勢丹も違うテイストのデパートがくっついた「合併症」の病から抜けられません。投資家がそんな会社を見捨てて小型株にシフトしているとすればこれは大地殻変動といっても過言ではないでしょう。

欧州ではECBが新味のない政策会議を経て現状維持を決めました。資産買い取り額の減額も当初の予定通り額です。これをみて欧州経済が若干改善に向っているというにはまだ早いでしょう。ドイツの四面楚歌という新たな話題があります。ポーランド、ハンガリーとの対立、その後ろのロシアのにらみ、ギリシャ、イタリアとの格差問題、英国EU離脱などドイツはもはや大陸の覇者ではないというトーンが生まれつつあります。メルケル首相もそれは認識しているようで、まだまだ嵐はやまない気がします。

次の話題に行きましょう。このところ小康状態だった東芝問題。新たな展開が始まりそうです。東芝はウエスチングハウスの破産処理に向けて数名の破産弁護士、及び事業再生コンサルタントと契約を結びました。多分、破産させて東芝の損失を確定させる方向性を固めたと思われます。

但し、ウエスチングハウスが手掛けるアメリカの原発は2020年までに完成させる前提で発注元の電力会社が税制優遇を受けています。これがうけられなくなると電力会社から東芝に新たに数千億円単位の追加請求、損失が生まれる可能性があります。また、アメリカ政府がウエスチングハウスの融資に83億ドルの債務保証をしているため、破たんすると政府がその支払いをすることになり、アメリカの税金が投入されることになります。これは日本政府としても放置できない事態になる可能性があります。

東芝はどう転がっても今の体を維持するのは無理です。個人的には既存原発メンテをする大赤字会社と利益を生むであろう事業会社に分け、人工呼吸器でつなげるしか生かす道はないように感じます。なぜなら東芝にはLNGや中国の原発などまだまだ出し切っていない膿は残っていますから。

さて、森友学園。日本の政治面、社会面は森友一色で週刊誌はさぞかしお忙しいことと思います。私からすればばかばかしくてこんな問題で時間を割くのはもったいないと思います。さっさと認可取り消し、買い戻し特約のついた土地を国が買い戻すべきです。

私はこの問題を調べるほど時間的余裕はないので憶測でしかものを申し上げられませんが、籠池理事長を顔役とする一連の流れは常軌を逸しています。工事請負契約書が3本あり、籠池氏が7億5600万円が正しいと主張し、工事業者は15億5500万円の契約が最終版でこれが正しいと主張しているようです。契約が何本もあるのはなぜでしょう。普通、請負契約ですから収入印紙を貼ります。5億から10億なら20万円です。それをいくつも作るのですか?普通、請負金額変更契約でしょう。明らかに意図があります。

昨日、大阪府が現地視察をした際、籠池氏の奥さんが府の職員の写真をバシバシとって府が視察を早々に打ち切ったというニュースが出ていますが、これは脅すつもりだったのでしょうか?

森友学園の話はそもそもが普通のディールではないと思われます。何か特殊な力がかかっているとしか思えません。それは一部の人は気が付いていても口に出せないような力ではないかと思います。自民があそこまで籠池氏の証人喚問を拒否しているのは見せられない事情があると考えるべきでしょう。いや、そういう勘繰りをされても仕方がないのですから、さっさと不認可、土地の買戻しで元の木阿弥にしてしまうしかないでしょう。

最近の役人は作業に時間がかかる上に「僕は長靴で役所を辞めました」という愚かな官僚もいます。一人一人の緊張感と責任を持ってもらいたいと思います。

ついでに豊洲問題について一言。石原さんの記者会見はおおむね不評でありました。不評だったのはマスコミにとっての不評であり、記事ネタが少なかったからであります。都民がどう思っているのか、これは別です。少なくとも日本維新の会が「安全は確保されているから速やかな豊洲移転を」と提言しました。石原氏のトーンに近いものがあります。

築地でも有害物質が出ました。築地では魚を床に転がします。つまり、築地の有害物質の方がはるかに健康被害が生じる可能性があるということです。石原さんの掲げた「作為の罪」と「不作為の罪」は私には非常に面白い切り口だと思っています。小池さんが今後、どう展開するか、ある意味楽しみです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

三越伊勢丹の苦悩4

2017年1月の全国百貨店の売り上げは5200億円強で前年同月比マイナス1.2%となり、11カ月連続の下落となりました。また、2016年の売り上げは5兆9780億円と36年ぶりの6兆円割れであります。36年前といえば1980年ですので現在のビジネスモデルがほぼ機能していないことを裏打ちしています。

百貨店売り上げのピークは91年の9兆7130億円ですからそれから業界が必死の努力をしたにもかかわらず、38%も下落し続けたわけです。その間、売り上げの減少は癌が体をむしばむような着実な逓減だったことが逆に業界からすれば努力すればどうにか回復できる希望の光を期待させた可能性もあるでしょう。

そんな中、業界の中でも異端児的な三越伊勢丹の大西洋社長が期の途中で業績の悪化の責任を取って辞任することになりました。実は大西さんは社長になったばかりの頃、このブログをご覧いただいていて、コメントも頂戴したりやり取りしたこともあります。

そんな大西社長はかなりユニークな発想で業界の「前倒しセール」を正しい時期に修正しようとしたり、正月は店を休むという指針を打ち出すなど多岐、多様なアイディアと改革を推し進めながら業界の位置づけを変えようとしました。日本の百貨店の総本山的位置づけである伊勢丹新宿店のドンだったことも大きかったのでしょう。

確かに同店の賑わいは大したものだと思います。しかも百貨店を最高級なファッションビル的戦略を推し進めました。デパートの売り方を変えたと思うし、店員の顧客への対応もなかなか改革的でした。私は買うのに迷ったスキンケアの商品に丁寧に説明をして頂いた挙句、更なる質問があればメールをくださればいつでもお答えします、と名刺の裏に手書きのメアドをくれたのにはちょっとたまげました。百貨店の店員のレベルではありません。

そんな伝統を重んじるスタイルの百貨店に新風を吹き込む挑戦も十分花開くことがなかったということでしょうか?

日経ビジネスにエイチ ツーオー リテイリングの鈴木篤社長の編集長インタビューが掲載されています。同社は阪急百貨店を経営しますが、鈴木社長はドミナント戦略、つまり関西に特化する戦略を打ち出しています。私は一種の囲い込み戦略だと思いますが、どちらも同じことです。

そして低迷する百貨店業界に対して「うめだ本店はどんどんとがっていったらいいと思います。もう、百貨店でとがれるのはうめだ本店と伊勢丹新宿店ぐらいではないでしょうか?顧客に一つ上の夢を売るような百貨店の原点を追求していきたいと思うのです。」とあるのです。

ところが三越伊勢丹の大西社長が今回期の途中で退任するのは組合からの突き上げ、そしてその理由が「(大西社長に)ついていけない」であります。鈴木社長の弁にあるように今、百貨店は「とがらなくてはいけない」のに伊勢丹が新社長に求めるのは「社内融和、早期事態収拾に向けたバランス重視」(日経)であります。

百貨店に今さらバランスなのでしょうか?都心の主要駅に複数あるデパートに足が向く若者はあまりありません。今さらデパートなんです。でもルミネには客が入るんです。何故でしょう?以前も指摘しましたがデパートは広すぎて探すのが億劫なのです。ネットショッピングはなぜ流行るのか、といえば「絞り込みができる」から何です。ルミネは若者に絞り込んでいるのです。それが違いでしょう。

ではスペシャリティショップをやればよいかといえばそういうわけにもいかないでしょう。デパートは顧客を誘導する仕組みを作らなくてはいけないのです。ブランドごとの商品構成ではなく、商品の感性ごとの品ぞろえかもしれないし、多様化する好みごとに取りそろえるのもあるでしょう。金太郎飴のようなデパートを重宝がるのは割引のある「友の会」会員か外商のようなお得意様向けの一般には出さない特別割引と特別ご招待であります。が、この奇妙な差別化が逆に百貨店を自滅に追い込んでいるのかもしれません。

大西社長の退任は第三者から見れば残念です。そしてエイチ ツーオー リテイリングの鈴木篤社長も同じ気持ちじゃないでしょうか?西の阪急、東の伊勢丹の構図は崩れるのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

コンパクトシティは日本で成功するか?4

コンパクトシティをネットの辞書で調べると「生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市、もしくはそれを目指した都市政策」とでます。私もこのブログで時折、少子高齢化が進む日本においてコンパクトシティへ踏み出さねばならないと指摘してきました。

4日の日経のトップ記事は「300自治体 まち集約  人口減、商業地・宅地を中心部に」とあります。コンパクトシティのコンセプトは90年代からあったとされますが、その取り組みが空回りしていたこと(役所だけがやろうと躍起になっていたと思います。)で成功したケースはほぼないと思います。

むしろ、市町村によっては市街化調整区域を調整から外して市街化を進め、道路を作り「薄く広い」人口集積度が低い街づくりをしてしまったケースもあります。するとどうなるか、といえば住宅地域だけがだだっ広くなり、必要な店舗もロードサイド店として生み出されますが、人口密度が下がっているため、潜在顧客が少なく、新規の店舗の収益性が十分でないばかりかもともとあった商業地も客を奪われることでウィンウィンの逆である「ルーズルーズ」の状態が生み出されたところもあります。

なぜ、日本はコンパクトシティが成功しないのか、といえば日本人が農耕民族であり、先祖代々受け継がれた土地を手放すことができないことに根本思想にあります。

先日、NHKで福島の原発事故で移住を余儀なくされた人々が決して幸せなライフを送っていないという趣旨の番組を放映していました。もちろん、原発で差別的扱いを受けているという直接的問題もあるとは思いますが、私が注目しているのは先祖代々の土地を離れ、新天地に住むことに慣れるのが極めて困難である日本の特殊事情であります。たまたま福島の人たちが大挙して移住せざるを得なかったことである意味、ケーススタディとして考えているのです。

東京など都市部は人の出入りが多く、隣に誰が住もうが迷惑さえこうむらなければ関係ありません。ところが田舎はそういうわけにいかないのです。「新参者」という扱いを受ける中、その人がその村なり、地域に溶け込むためにその人が積極的に飛び込んでいき、かつ、その地域の人がその人を受け入れる「精神的相互関係の確立」が必要なのであります。

つまり、日本はおらが村、おらが町内会…と長年そこにいる人たちが一定の空気を支配し、その空気を乱すものは弾き飛ばされるため新参者はどんなことでもローカルルールとして受け入れなくてはいけないという閉鎖性に最大のハードルが存在するのです。

例えば人種のモザイクであるカナダであれば新参者に対して受け入れるキャパがあります。新しく住宅地に引っ越してくればその日のうちにお隣さんが挨拶に来るケースが多いでしょう。何故か、といえばお隣さんとしては自分のとなりに誰が移り住んできたか興味津々であり、どのように共生できるか、探るためであります。

ですが、日本の場合は逆さまで「今度引っ越してきました」と菓子折りを持って丁重に挨拶するのがしきたりです。(マンションではやりませんし最近の若い方はやらないでしょうが。)これは自分が新参者なのでよろしくと下手に出て近隣から自分を受け入れてもらうという儀式であります。

ではコンパクトシティは可能か、といえば、日本人がそこまで割り切れるのか、というハードルが最も高いのだろうと思います。行政は数理的にそのメリットを訴え、それを強行しようとしますが、この日本人が本来持つメンタルの部分をどう解決させるのか、ここが完全に抜け落ちていると思います。

コンパクトシティを成功裏に達成するには福島の移住した人たちに幸せを与えるプログラムと仕組みを生み出すことが先決です。このメンタルヒーリングと移住者を受け入れるローカルルールの組み換えに取り組むことが重要でしょう。

「あのよそ者が」という思想は田舎に行けば行くほどあります。よそ者は決して目立ってはならず、空気を乱してはいけないという特殊な習わしを壊すにはすべての住民を「ガラガラポン」にするぐらいの勢いでないと無理なのでしょう。極端な話、新しい開発地に半ば強制的に移住させ、すべての人が「新参者」にならない限りボズ猿が牛耳る日本の特殊性の罠からは抜けられません。

そういえばどっかのサル山にもボス猿がいましたが、新しいメス猿がボスを追い出してガラガラポンしようとしているのと同じでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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