外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

投資をして新しいことをしよう!4

月並みのタイトルですが、どうしても書きたくなりました。今更ながらふと思ったのですが、投資の足を止めず継続するチカラは「生むものを生む」のです。

私の会社は極小会社ですが、このところ年間平均で円換算で数千万から年によっては億単位を投資したり資本投下したり、投資の入れ替えをします。簿価上は投資残や固定資産が右上がりになっており、基本的に現預金残高は増えません。(言い換えればネットキャッシュフローを全部新たなものに突っ込んでいるということになります。)

何に資金を投じているかと言えば不動産や建築資金はもちろんそうですが、既存事業の設備更新やアップグレードはそれなりに年間予算を計上しており、常になにかの工事なりプロジェクトが動いています。特にマリーナは海が相手ですので通常の設備と違い塩害対策を施した特殊な製品も多く、価格も張ります。レンタカー事業は定期的に車の更新もあります。

日本でよくあるケースは建物を新築したときに豪華絢爛にするのですが、その後のメンテを十分しなかったり、アップグレードをしないために建物や設備がどんどん陳腐化しているケースです。本当に減価償却と同じスピードで建物がボロになるんです。これを逆行させようという発想がないのでしょうか?私の投資の発想はそういうことです。既存の動産、不動産をいかに使いまわすか、その価値を維持するためにどれだけ資金を投じるか、であります。

もちろん、反論があるのも知っています。「世の中、新しいものがどんどん生まれているんだから古いものにかじりついているのはおかしい」と。これは発想の違いなのですが、古くなるのを防ぐのが私の一つの対策、もう一つは私の業種は何が何でも最新型でなければいけない訳ではないということでしょうか?

また株式市場にももちろん、資金を投じています。何故株式市場と付き合うかと言えば投資を通じてさまざまな会社のことや業界のことが自然と情報として入ってくるようになるからでしょう。今まで見過ごしていたことが頭の中で情報整理できるようになります。株式ですから儲かる時もあるし、ちょっと下がってしまうこともあります。しかし銘柄を分散させ、その7割から高い配当を取っていれば仮に塩漬けになっても大丈夫だというあきらめもあります。

私の会社の場合、保有銘柄数は20-30ぐらいでアメリカ4割、カナダ6割で業種も不動産、金鉱山、鉱物資源、医薬品、ファイナンスなどなど幅広く投じています。配当に関しては例えば年率8%の配当がある場合、12年半待てば配当だけで全額回収でき、株価はいくらでもよくなってしまうという計算がバックにあります。(北米は配当性向が高く増配することで高株価を維持し、経営者が高額の報酬を得るという仕組みがあります。また、REITは儲けの大半を配当しないと税額が変わるため、割と多くの会社が予定外の「特別配当」(Special Dividend)を行い、儲かりすぎた分の還元が行われます。これが時として年間配当と同額近くになるほど大きい額のこともあります。)

一方でいつでも現金化できる資金ももちろん、確保しています。それは緊急時対策と同時に面白い案件が飛び込んでくれば速攻で資金が出せるようにするためであり、健全経営の水準を維持する意味合いもあります。ところが先日、ある不動産開発案件の投資団参加のお誘いがあったのですが、案内をもらってから締め切りまでわずか3日。私は「1週間後なら資金調達できるが」と掛け合ったのですが、ダメでした。この投資案件のリターンは年率8.25%でしたので万全を期していたと思ってもまだ脇が甘かったということになります。

日本企業が資金を貯めこんでいるという話はよく聞きます。なぜか、と聞けば「投資先が見つからない」と。それは逆に視野が狭いのかもしれません。私は資金があればいくらでも投資先を見つけ出すことができると思います。

ただし、ベンチャーの場合は資金も出すが、口も出す、というスタンスを持ち続けなくてはいけません。この口の出し方が問題で日本の企業の場合、「自分の色に染めよう」とするケースが往々にして見られます。私は「相手の色をもっと鮮明にしてあげよう」と考えます。

お金は外にばら撒くと必ず戻ってくる、と言われています。大事に金庫の抱え込むのではなく、広い視野でお金を投じてみると別の世界が見えてくると私は確信していますし、それを着実に実行させていただいています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。 

今週のつぶやき4

今週、東京入りしましたが、私は雨男なのでお土産にしっかりと湿り気をお持ちしたようです。もっとも今年の日本の夏はウェットでしたから私のせいではないと思いたいところですが。ブログの方はカラッといきたいところです。

では今週のつぶやきです。

WWFタイトルマッチではない米朝のバトル
ロシアのラブロフ外相が「幼稚園児のけんか」と揶揄したようです。双方の言葉のバトルはまるでリングに上がる前のプロレスラーがパフォーマンスたっぷりに「お前を沈めてやる!」というあの決めゼリフと同じでしょう。あの二人にどちらかと言えばプロレスラーの格好をしてもらった方が似合うのではないか、と不謹慎ながら思ってしまいます。

ただ、言葉のテンションは行動を引き起こすに十分なきっかけを作ります。「史上最高の超強硬対応措置の断行」と文語チックなこの挑発に水爆実験という具体的プランも出てきました。今週末はドイツの総選挙でメルケル首相の再選は間違いないと思いますが、氏が落ち着いたところで必ず仲裁に入る算段を探るとみられます。習近平国家主席が今は動けない以上、メルケル氏の関与でどのぐらい熱さましになるか、というところかと思います。

その中国は北朝鮮圧力に方向転換しているように見えます。一方ロシアは18年3月18日に大統領選挙になりますのでプーチン氏の仲裁関与の力は年末から選挙にかけて薄まるかもしれません。現時点で「こんなこと、やめようよ」と言っているのはプーチン氏とメルケル氏だけですのでブレーキが利かなくなるリスクは頭の片隅に置いておかねばなりません。

衆議院選挙があるならお願いしたいこと
選挙とは国民一人ひとりの代弁者を選ぶことであります。ところがどうしても政党政治ですので個人の資質よりも政党の色合いに引っ張られてしまいます。やむを得ないと思いますが、いまやディスクロージャーの時代なのですからその立候補者のリファレンスはないのか、と思ってしまいます。

立候補者が自分で書くレジメなんて事実関係以上の意味はないわけで一番知りたいのはその人の素性であります。どういう性格でどういう功績を残してきたのかの第三者評、そして他人やコミュニティ、社会に対してどれだけの発信し、影響力を残したか、これが知りたいのです。

それこそ、選挙ごとに全候補者のリストがウェブに載って書き込みが自由な人物評があれば面白いな、と思いませんか?政党政治における候補者選びは人間の中身より知名度。結果としてアホみたいな候補が平然と当選します。あるいは容姿だけで当選する人も相変わらずです。選ぶ側の資質のアップへの工夫も考えなくてはいけないでしょう。

ところで一部で小池百合子氏が新党の共同代表になるのではという憶測記事が出ていました。これも私は調子に乗りすぎ、と申し上げます。都政を全うして少なくともオリンピックをきちんとこなし、よくわからなくなった豊洲問題をきれいにしてからにしてもらいたいと思います。そうでないならば都知事はお辞めになるべきです。

落ちるリンゴに身構える?私は違う市場の見方
「落ちるリンゴに身構える」というのは日経の見出しです。アップルの株価が新ラインアップ発表後下落を続けていることで市場全体の雲行きを懸念するということなのでしょう。これは違うと思います。私が読んだ限りiPhone8はもともと評価されていません。「何が違うのiPhone8」といったところで実はiPhoneXの前座のような製品の位置づけだとみています。それもあってもったいぶって11月まで発売しないのでしょう。(もちろん有機ELのサプライが限られる現実問題はあります。北米でも各リーテールに初回数台ずつの配分になりそうとのことでした。)

事実、アップルは下がってもエヌビディアやアリババは最高値圏にありますし、これでハイテク銘柄の祭りが終わるとは思えません。ただ、ニューヨーク市場だけ見ているとパフォーマンスは下がってきています。利益を取りにくくなっているのです。理由の一つにドルが対外的に下がってきているため、私のようにカナダ側から投資する者にとっては株価で利益が取れても為替でやられてしまうという状態があるからでしょう。そのため、全体のポートフォリオをカナダ側にシフトしているのですが、機関投資家も当然同じことを考えると思います。

まだまだ続く東芝日曜劇場
継続的にお伝えしている本件。どんでん返しのような日米韓グループへの契約一本化を発表しました。臨時株主総会での承認を得るとのことですが、その際に役員構成も変わります。そのキーは東芝メモリ社長を兼ねる成毛副社長の退任。推測ですがWDから覆して日米韓連合になったので武闘派の退任なのでしょうか?

しかし、このドラマ、まだ先行きは全く予断を許せないとみています。WDがだまって「はいそうですか」とは絶対に言わないからです。先方も会社の存亡にかかるほどの意味合いがあるでしょう。それから独禁法のクリアランスはまず間に合わないと思いますので3月末に一時的にデットエクイティスワップなどのテクニックで乗り越える算段も必要でしょう。

ただ、私はこの問題、案外、北朝鮮問題で揺れる朝鮮半島の行方が最も影響しそうな気がします。(WD連合なら気になりませんでした。)それゆえこの連合への売却は思わぬすくい技で足を取られる気がしてなりません。

後記
出身大学の校友会のことをしている関係で昨日は大学におりました。会議と会議のわずかな時間の間に購買部で買ったおにぎりをベンチに座って食べながら行き交う学生たちを見ていて30年以上も前になるあの日が懐かしく思えました。その後、学長自慢の新しい書店に行けば学食と購買部の喧騒とは裏腹に人がいない!という寂しい事実。学長、大変です!、学生は本ではなく、画面でからしかモノは吸収できないようです!

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

日米の金融政策会議にみえたもの4

今週、日米の中央銀行の定例の政策会議が行われました。どこの中央銀行も年に10回程度の会議を行い、金融政策を決議しますが、3、6、9、12月は節目の月で比較的大きな判断がなされる月とされます。特にアメリカの場合、政策会議後に議長の記者会見がある月とない月ではその踏み込み方が変わるとされます。大きく踏み込む判断をする場合、ステートメントだけではなく、記者会見で追加の説明をしなくては市場と十分にコミュニケーションが取れないからであります。

重要決議がありそうなその9月のアメリカの政策会議の主たるテーマは二つ。一つはFRBの保有資産の縮小化プログラムの開始、もう一つは金利動向であります。事前に専門家が予想したのは縮小化プログラムは開始、また、利上げは今回はないでありました。また、実際に発表された内容もその通りでした。よって発表された事実についてはサプライズはありません。

では何に反応したかと言えば12月利上げに含みを持たせたこと、18年から19年にかけての利上げ予想も変わっていないこと、ただし政策金利は2.75%でピークとなりそうだということだったと思います。

これはFRBが現在の経済状況について思ったより強気であるといえますが、市場は12月の利上げについてはまだ5分5分ではないかという見方です。個人的には戦争などの想定外の事態が生じない限り利上げはないとみています。また、カナダのTDバンクの見方は数日すればこのテンションも下がってくるとみており、FRBの期待と経済の実態は必ずしも一致しないだろうと読んでいます。

最大の流動的要素は二つのハリケーンがもたらした経済への影響であります。雇用統計、自動車販売、住宅着工件数、リテール販売など様々な経済統計にそれらの影響が出るのは10月以降に発表される数字になります。

個人的にはハリケーンの被害地域には比較的貧しい人も多く、保険や生活の立て直しなどの算段を持たない人がかなり多いことから利上げできるような環境にないと考えています。イエレン議長も当然、それはわかっているはずなのに今までのトーンを強調したのは来年2月の任期満了が近いことでポリシー変更をしたくないのだろうとみています。

では次期議長は誰になるのか、ですが、まったく混とんとしています。ブルームバーグは6名の候補としています。もともと本命は国家経済会議議長のコーン氏とされていましたが、私はないとみています。コーン氏とトランプ氏が相思相愛になっていません。よって個人的にはイエレン議長の再任が本命、対抗はFRB元理事のケビンウォーシュ氏だろうとみています。ウォーシュ氏は家柄がよくトランプ氏好みのはずです。(特に奥さんの方です。)ただ、イエレン氏の性格からすれば自分がやろうが、他人に引き継ごうがポリシーを持ってきちんとやるという姿勢を持つ正統派のまじめな方ですので今から2月の交代まではFOMCからはなんら面白いネタは出てこないとみています。

次いで日本です。もはや、経済新聞以外はニュースネタにもならなくなった異次元男、黒田総裁ですが、彼も来年4月に任期を迎えます。そして日銀総裁は二期続けてやるのは異例ですし、日銀としては日銀生え抜きから持ってきたいところでしょう。

では安倍首相はどう考えているのか、ですが、これも私の推測ですが、黒田氏に対しては比較的ニュートラルな目線のような気がします。一時期険悪な雰囲気もあったと理解していますが、首相が金融政策でできる限界を認識したのだろうとみています。よって、日銀総裁へマジシャンのような期待をするのはもう無理、と見ていないでしょうか?

但し、外野は黙っていないかもしれません。あれだけ大見得を切った2年2%のインフレはそのタイミングを延ばす一方であり、「できないならあんなに断言するな」と思っている方もいらっしゃるでしょう。その点からすれば専門家は黒田氏続投とみていますが、私は?を感じています。

そのほとんど注目されなくなった日銀の9月の政策会議は緩和維持決定であり、総裁は「必要あらばさらなる緩和を」といういつものフレーズをふるまいました。最大の注目はインフレ傾向ですが、個人的には輸入品の価格上昇に伴うインフレが懸念されますが、スタグフレーションになるような状況にもなく、18年末から19年初頭まではディスインフレが続くとみています。19年春から夏にかけて消費税増税前の駆け込み消費があり、少し盛り上がりそうです。通常、消費税上げ後は大幅に落ち込みますが、オリンピック前で今までほどは落ち込まないで済むとみています。

最近は日米の金融政策より欧州、英国、カナダ、オーストラリアなどの行方の方が為替を含めた影響度は大きいとみています。そういう意味では日本の金融政策は世界からの注目度は下がる一方とみています。

では今日はこのぐらいで。

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上がらない物価、なぜ?4

物価が上がらない、というテーマはもう何年も断片的に話題に挙げてきました。ニュース欄を見ると専門家が「時間がたてば上がる」と言い続けましたが、もはやオオカミ少年と化しています。先日の民進党の党首選の際、枝野氏が「消費不況はまだ続いているから消費税増税反対」と主張してました。消費税増税反対はともかく、「消費不況」って何でしょうか?今は本当に消費不況なのでしょうか?

ここカナダ。消費者物価指数という点ではこの1年で1.2%の上昇と日本と大して変わりません。しかし、個別でみるとその様相はかなり違います。多くの人の注目する不動産市場ではまるで新興国に来たと思わせるほど建築中の物件が並びます。私の事務所の周り2-3ブロック圏内の建物は2-3除いて全部建て替え工事が計画され、平均40階建てが7-8棟が新築されます。ダウンタウンから閑静な住宅地に向かうキャンビー通り沿いの約30ブロックはほぼすべての戸建て住宅が買収され低層集合住宅に変貌しつつあります。これらはほんの一例で、新築住宅の価格は上がり続けています。

先日、2年ぶりぐらいに行ったある著名なステーキハウス。メニューの価格を見てうーんと唸ってしまいました。メインのステーキは一皿70ドル(6200円程度)ぐらいの値段がつきます。明らかに3-4割は高くなっています。それでも満席で白人でごった返す様子に本当に消費者物価指数は1%台の上昇なのか、と疑ってしまいます。

日本もカナダも変わらないのはスーパーマーケットの物価でしょうか?生鮮品以外の価格は何年たっても変わりません。生鮮品は上下しますが、店側も目玉商品を投入するので結局、支払額は昔からさほど変わらない気がします。

多くの経営者は競争激化の中で価格勝負に挑みます。多くの消費者は価格に敏感になり、「価格ドットコム」のような比較サイトで一番安いところを目指します。日経ビジネスには「さくら水産」の500円ランチは一日5000食の人気メニューとあります。その価格を維持するには企業側の努力でどうにか成しえるとありますが、それは言葉の綾で魚卸に大量仕入れをする代わりに値引きさせるプレッシャーを与えるのでしょう。

日本は総需要不足と言われます。平たく言えば、店が多すぎて客が少ないというわけです。様々な理由が思いつきますが、欧米的に考えれば供給側はコストをかけないビジネスに徹しています。耐用期間をはるかに過ぎた店内の備品や設備を買い替えられない中でしょぼくなる一方の店はいくらでもあります。本来なら生き残れない店がゾンビのように残っています。

消費側にしても高齢者主体の人口構成となれば出費はおのずと知れています。子供や孫に御馳走するハレの日消費は年に数えるぐらいでしょうか。

その日本は世界からそれら消費原料、材料を仕入れています。その価格は上昇の一途で商社は顧客が望む金額で望む量を購入出来ない状態がしばしば発生します。世界の物価水準からどんどん引き離される一方、日本の購買力パワーは落ちていきます。この状態が続けばどうなるか、といえば世界からモノが入らなくなり、消費したくても消費できないサイクルに入らないとも限らないのです。

では給与水準を引き上げればよいのか、と言えばそういうわけでもありません。ベアだ、賞与満額回答だ、と景気の良い話の一方で残業時間の厳しい取り締まりで若い社員は残業代がガクッと減っています。その減少幅はベアや賞与の増額分をはるかに上回るでしょう。私もかつては残業手当が給与の4-5割を占めていた時期があります。これが管理職になった途端、残業代22時間分の管理職手当にすり替わり、一気に管理職貧乏になったことがあります。今の方も同様でしょう。

更に企業はIT化を進め、機械でできる仕事は機械にやらせることを推し進めます。ホテルから介護施設までロボットが押し寄せます。

戦前、日本で大不況の風が吹きまくった際、長男以外は出稼ぎに行かされました。そして遠く海外移住を選択させられた人々も多いのは「家族を食わせられない」という切実な状況があったからです。まさか、あの時のようなことが再び起きることはない、と言い切れるのでしょうか?いや、それよりも「海外では結構、裕福な生活をしている人が多い」という噂を耳にして行ってみようか、と思う人もいるかもしれません。

上がらない物価ではなく、上げられない物価が正しいのでしょう。ジレンマの中でもがく日本とも言えるのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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日本の土地の価値は本当に上がっているのか?4

国交省が7月1日時点での基準地価を発表しました。想定通り商業地が上がり、住宅地は下げています。毎年、同じようなコメントを書かせて頂いていますが、基本的な構図は何一つ変わっていないとも言えます。

まず、商業地は前年比0.5%上昇となっていますが、そのほとんどは駅近くの商業不動産です。このからくりは商業不動産と住宅では価値算出の手段が違うことがあります。商業地の場合はその不動産の容積全体から上がるであろう収益を基にリターンを計算し、価値の判断がなされます。

よって時々路線価や基準地価と比べて2倍から時として10倍といった金額で取引されるのは商業不動産が従前の鑑定方法では測りきれない問題点もあるとみています。

次いで商業不動産によく見られるのがデベロッパーが開発した後REITに売却するケースです。デベとREITは繋がっていますからデベが損することはありません。REITはご承知の通り日銀を含め、買い支えが生じていますので商業不動産価格の下支えがそこで行われていると言えます。

次に報道でもあるように地方都市の商業不動産の上昇率が高いという点です。これはREITを含めた不動産投資主体は一定の利回りを得ることを目的としますが、一般に地方都市の方が「見かけ」の利回りは高いものが多いのです。「見かけ」というのは「満室になれば」という条件が付き、このハードルが地方の場合は高いのですが、どうしても多少のリスクを冒してでも数字をよく見せたいという心理はあるものです。

これらが商業不動産の基準地価が下がらない理由で訪日外国人も順当に増えていることからこの動きはいましばらく続くのでしょう。

一方、私の家の価値はどうなの、という声があろうかと思います。住宅地については26年連続で下がっています。ニュースのヘッドラインはこの部分をより小さくしていかにも不動産が活況を呈しているというトーンになっています。

これも繰り返すようですが、住宅地は駅近くでない限り上がりません。一時的に好転しているような感じも見受けられますが、それは振れ幅の範囲内であって今後も上がることはまずないと考えてよろしいかと思います。

理由は言うまでもなく少子高齢化で需要の減退、及びシェアハウスを含めたライフスタイルが多様化していることにあります。また、若い人が便利な地域のマンションに住む傾向は引き続き強く、更に高齢者も戸建ての管理やセキュリティの面からマンションライフへの変更をする人は多いものです。

これも以前から申し上げているように案外、都市部のコンパクトシティ化の方が進んでいるのかもしれません。(もちろん、バス便しかないところから家がなくなるなどということは申し上げませんが、バイアスはそちらの方に向かっています。)地方都市の住宅地の活性化については行政がコンパクトシティを強力に推し進めるべきでしょう。今回の台風でも孤立化した村がありましたが、もっと安全で安心、且つ、コミュニティが生まれるような中規模の居住センターづくりが望まれます。

これにより住宅地のエリアを限定させ、不動産価値のメリハリをつけることで行政主導の不動産価値の下支えができるはずです。

極論すれば不動産価値は都市計画の線引きの仕方でどうにでも調理できる代物です。が、日本は全体的に都市計画にメスを入れるような大それたことをする動きは極めて少ない点が至極残念です。先祖代々の土地、という観念があるのは十分承知していますが、その強い気持ちはどちらかといえば農業従事者であり、サラリーマンが主体となった時代は不動産がもっと流動化してもよいのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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消えゆくガソリンスタンド4

バンクーバーのダウンタウンにはガソリンスタンドが1軒しか残っていません。その最後の1軒も売りに出ており、さほど遠くない時期にその姿を消すはずです。問題はそれだけではありません。バンクーバー地区にある約170の大手スタンド、シェブロンのオペレーターが数年前に変わって以降、ダウンタウンとその周りだけで7-8か所の閉鎖させています。シェブロン以外にエッソなど他のオペレーターも同様の動きを見せています。

理由は至極簡単で儲からないガソリンスタンド経営より不動産開発業者に売却してコンドミニアムにした方がはるかに効率的であるからです。多くのガソリンスタンドは大通りの交差点に位置しています。かつては大通りに面している場所は住宅地としては不適格とされてきました。ところが人々のパーセプション(認知)は大きく変化し、シティライフには都会の喧騒をポジティブにとるようになってきました。

私の事務所の横にあったシェブロンのガソリンスタンドは72ミリオンドル(65億円、坪当たり1430万円)という凄まじい金額で取引されました。この取引金額がガソリンスタンド閉鎖の引き金を引いた可能性もあります。つまりガソリンスタンドを潰してコンドミニアムにしようという動きがガソリンスタンドオーナーの最も効率的な儲け方であり、一種のブームでもあるのです。

この流れは不動産価格が高騰するバンクーバーだけではありません。NYのセントラルパークから南側のマンハッタンには5軒程度しかガソリンスタンドがないそうです。マンハッタンでガソリンスタンドを売却した方が「ガソリンスタンド経営100年分の利益を得た」とコメントしています。NYのあれだけの人口と交通量を考えるとかなり少なく、その数は減る一方です。この流れは北米の主要都市は同じ方向にあるとみています。

ガソリンスタンドがどれぐらい儲からないか、日本のケースで見るとリッター当たりの仕入原価と売値の差は5-10円程度とされていますので乗用車に70リットル入れて500円しか差額利益が出ません。そこから人件費等のコストを差し引けばおのずとお分かりいただけると思います。これは都市部より田舎のガソリンスタンド経営がもっと苦しいともいえるのです。

日経の18日付記事に「消える給油所、EV普及の好機 20年で半減、燃料は自宅で 地方でじわり、税収減も」とあります。8月4日付のこのブログで同様のことを指摘しましたが、80件以上のコメントを頂戴しました。

私の知り合いの親戚が地方都市のまたその地方でガソリンスタンド経営をしてますが、周りのガソリンスタンドがどんどんなくなっていったので、売上が伸びるのかと思いきや、思惑通りにならず、自分もいつ閉鎖するか分からない状態にあるという話を聞きました。

電気自動車のインフラはどんどん増えます。テスラは北米で充電施設というインフラ整備に余念がありません。ところがガソリンスタンドはあるのが当然だと思っているせいか、自動車メーカーとガソリンスタンドが資本関係を持っているとは聞いたことがありません。自動車メーカーは燃費効率のよい車を次々開発し、今や1000キロも給油なしで走ることもできるでしょう。それは自動車のインフラであるガソリンスタンドをどんどん減らすという裏腹の状態にあることが抜け落ちています。

個人的には東京など都市部の一部見られるガソリンスタンドの上に建物を建築できるような仕組みを世界規模で広げるのは一つのアイディアだと思います。また、ガソリンスタンド経営を支える仕組みづくりを自動車メーカーが支援するなどの配慮が必要だと思います

都市部はそれでも10分も走ればガソリンスタンドが見つかるでしょう。田舎ではガソリンスタンドに行くためにガソリンを消費するという事態が生じています。カナダやアメリカの山間部のハイウェイを走っていると「次の給油所まで100キロ」などという看板をよく見かけます。かつてはえらい田舎に来たものだ、と思っていたのですが、そんな不便さの足音は我々の住む都市部にもやってきているのかもしれません。

内燃機関の自動車が突然無くなることはありません。が、ガソリンだけではなく、自動車の整備工が足りないという問題も抱え始めています。若い人はやりたがらないのでしょう。油まみれで決して楽ではないあの仕事はある日突然、整備工になれるというものでもなく、スキルを要するという問題もあります。

自動車の問題は完成車の議論が多い中で実はその周辺ビジネスにもトリックがある点は考慮しなくてはいけないのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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衆議院解散4

各紙、衆議院解散の可能性について言及する記事を出しています。現時点では憶測記事ですが、可能性はかなり高いのではないかと思っています。

その背景についていろいろ取りざたされています。首相も単一の理由ではなく、複数のエレメントを考慮したうえでの決断に至ると思いますが、悪い判断ではないと思います。

まず、一部左派系が指摘する森友・加計問題からの逃避ではないか、という点については個人的には十分議論されてきておりそれには当たらないと考えています。森友については当事者が逮捕されていますし、加計学園については十分な調査と審議をしてきた中で野党側の「思惑」には至りませんでした。また、首相も謝意を示しました。世の中の情勢を考えれば、本件は主題には上がりません。

今回の解散の最大のポイントはやはり北朝鮮問題にあるとみています。国連安保理の決議に対して北朝鮮はミサイルで直ちに「報復」しましたが、次の一手のタイミングは難しいものとなりそうです。このブログで指摘したように中国の共産党大会が10月18日からとなっており、それまでは世の中が大きく動かない可能性があります。またトランプ大統領の日中韓訪問が11月であり、次のラウンドはこの時期からになるような気がします。

すると、日本としてはそれまでに体制をある程度固め、国民のボイスを聞き取っておく意味はあるかと思います。それをさらに深読みすれば今日に至る北朝鮮のミサイル実験の段階からより踏み込んだ状態に陥る可能性を官邸は考慮しているのかもしれません。そのためには首相としてはいったん、身ぎれいにして全身全霊、本件に立ち向かう体制を整えるということかと思います。

野党については自民党がどうのこうの、という以前のレベルで野党の体をなしているのは共産党ぐらいではないでしょうか?民進党は論ずる以前の状況ですし、小池新党と言われている方の動きについては最近逆向きの風が吹き始めて「小池人気」が徐々に剥離しそうな気配を考えれば気には止めても大きな展開が予想されるとは思えません。

問題は外交にかまけて国内政策と経済がやや手薄になっていないか、という点ではないでしょうか?

まず経済については「日本の向かうところ」が不明瞭な気がします。次いで黒田総裁の任期が4月に迫る中、金融政策の方策が気になります。特に欧米が緩和政策から離脱し始める中、日本だけがとり残されるのは金融政策以前の問題が潜んでいると思われ、抜本的な政策対応が必要でしょう。

外から見る日本経済はぬるま湯状態。ずっと入っていられるけれど転換点が作り出せない感じでしょう。またこの時期に解散すれば19年10月の消費税は予定通りすっと行うかと思います。このあたりの駆け引きをどうするつもりなのでしょうか?

社会についても高齢者主体となり、保守というより「保身」で身構える人が増えてきた気がします。もっと気楽な社会だったのに様々な悪い事件が世の中を席巻し、ニュースへの過剰反応もあり、「気持ちのゆとり」がやや減退している気がします。これを今回の解散にどうのこうのというのは無理がありますが、人々がもう少しオープンマインドで楽しいコミュニティを築ける社会づくりを目指してもらいたいものです。

結果がわかっている選挙ゆえに自民党が何を打ち出したいのか、強力なステートメントを打ち出すことで国民の声に反映してくると思います。

では今日はこのぐらいで。

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閑話休題4

最近、ニュースネタの広がりがないのか、何時もこのブログでも掲げている主題を別にすればあまり興味のわかない芸能記事ばかり。そこで今日は生活を通じて最近ふと思ったことを書き綴ってみたいと思います。

僕がカラオケに行かなくなった理由
バンクーバーにもカラオケボックスはあります。ただ、ほとんどが韓国系か中国系でそこに日本の歌もある、という感じです。いまだにカラオケリストの冊子から曲の番号を入れるのですが、手元のマシーンが全部ハングルなので何が何だかさっぱりわからないのと一部屋1時間30ドルぐらいするので(こちらは部屋貸し)やむを得ず、という感じで使っていました。

一方、ひと昔前は大したことなかったYoutubeのカラオケセレクションが画像も含め、急速にクオリティアップしていて、最近はカラオケボックスで妥協せずに家で楽しめるようになりました。パソコンをHDMIでテレビにつなぎ、大画面にします。レシーバーにカラオケミキサーを接続し、そこにマイクをつければほぼ完璧、カラオケルームの完成です。カラオケミキサーは5000円ぐらいで買ったものですし、マイクは40年前に買ったソニーのもの。壊れないんですよね。

便利になったと思うと同時にこれであのカラオケ屋に飲み物やチップで1時間で50ドルも払わずに済むと思うと経済的には「これで消費がまた減るのだろう」ということでしょうか?

ではお前はその代替に何にお金を使っているのだ、と言われると不思議なんですが、必ずどこかにお金は消えているようです。毎月のクレジットカードの支払いの請求を見ると「えっ!」となるのは皆さまとご一緒です。

自動運転が必要なわけ
人材募集すれば人は集まります。ですが、運転できる人、となるとこれが思ったより苦労する時代になってきた気がします。ましてや海外で若手の日本人となれば案外至難の業であります。

まず、警察庁が発表する運転免許統計。誰も注目しないこんな統計ですが、読み解くといろいろ見えてきます。まず、平成28年で8200万人持っている免許証ですが、このところ大体年間20万人程度増えてきたのですが、この2年ほどは年5万人増程度に減少しているのです。もっと驚くことは男性免許保有者は平成21年をピークに漸減しているのです。

実態はもっと困ったことが起きていると私は思っています。「免許は持っているんですが、車、運転したことないです!」という人が結構いるのです。だから誰でも持っている意味のないゴールドの免許証とも言えます。これでは車を買う、買わない以前の話であります。そういえば私が経営するバンクーバーのレンタカー屋。日本人客は若い女性が多いのです。数人で連れ立ってどこかに行くというアクティブさ。男はどうした!と思わず、言いたくなります。そのうち言われるようになりますよ、「おっさん、車庫入れ、うまいっすね」って。

寿司のシャリの大きさ
バンクーバーに寿司屋は星の数ほどありますが、私の判断基準はシャリと海苔。まずうまい酢飯できちんと握ってくれるのかと、海苔があるすしの場合、提供されたときに海苔の香ばしいにおいがふわっとただようか、これが重要です。

ところが最近、シャリの大きさについても語らねばならない事態になってきた気がします。一般に日本人のそれは小さめ、そして非日系が握るそれは大きめ。寿司食べ放題はおにぎりのようなシャリというのが一般的です。が、先日初めて入った日本人の寿司屋のシャリは「ハーフサイズだろう」と思わせるもの。ネタがその分大きければよいのですが、こちらもかなり小ぶり。値段は一人前でした。

シャリの大きさはもともとは一人前を1合にしてそれを8貫と巻物で提供していたのがスタートですが、現代はそれよりかなり多くなっているとされています。但し、明白な基準はないのではないでしょうか?また、一部では炭水化物制限もあってハーフシャリというのもあるし、シャリの大きさを小さくしてネタを増やすというところもあります。

しかし、海外でいきなりハーフサイズでは私でもえっと思うのにローカルの人には厳しいでしょう。
よく日本政府が日本食の海外振興を目指してイベントをしていますが、個人的には日本食料理人の日本食への基礎勉強と情報交換をもう少ししていただきたいと感じます。これではもっとうまい寿司を握るローカル職人が出てきてもおかしくない気がします。

海外生活をしているといろいろな気づきがあるものです。また機会があればこのような閑話休題をご紹介したいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

折角の三連休ですが、九州などは台風の接近でそれどころではなさそうです。この台風がまだ遥か遠いところにあった時、お昼のワイドショーで延々と30分以上もこの台風の話題だけで引っ張った放送局がありました。公共放送の無駄というか、もっとまともな番組が出来ないのでしょうか?そういえば先日、この放送局に加計学園問題で偏向放送だということでデモ隊がシュプレヒコールしたそうですが、偏向修正が更に変な偏向になってしまったようです。

では今週のつぶやきです。

好ましくない耐性が作り出した市場の安ど感
東京株式市場では3連休を前にもともと北朝鮮のミサイル発射の予兆があったことから「金曜日は一旦手じまい」という戦略があった方が多いはずです。ところがものの見事に金曜日早朝にほぼ予定通りのルートにポーンと飛ばしてくれたことで奇妙な安ど感が広がってしまったのが東京株式市場でした。

事実、前日より100円以上安く寄り付いた日経平均はその後、じわじわと回復し、終わってみれば100円以上高い19900円台となっています。これは「3連休の持つリスク」から「3連休に持たないリスク」に心理が180度転換したものであります。なんという割り切り感か、と思われるでしょうが、それが株式市場の独特の解釈であります。

しかし、こんな「耐性」はほしくない訳でまた打ち上げ花火で終わるだろうと思わせるところに怖さが潜んでいます。北朝鮮の実験材料はまだまだあります。更に距離を延ばせる3段式ミサイルもあるし、潜水艦から打ち出すミサイルもあります。一方、国連の機能はそろそろ厳しくなってきたかな、と感じます。

ロシアは北朝鮮に味方する以上に「あまのじゃく」ですので主流と反対側に立つことでロシアの立場を維持するというひねくれ者であります。ここにきてロシアの北朝鮮への庇護が目立ってきています。北朝鮮も正直、内情は相当厳しいはずですが、アメリカも一層やりにくくなるでしょう。しばらく膠着した後、動きが出てくるような気がします。個人的には10月18日からの中国の秋の党大会までは動きづらい気がします。

台数では日産の勝ち、だけど日本人はトヨタが大好き
今場所の大相撲は全く盛り上がりませんが、横綱稀勢の里が出ないことが一番堪えているのでしょう。もちろんやはり欠場した白鴎にもファンが多く、普段なら共に盛り上がるのですが、日本人力士の方に熱い声援がいくようです。

これをトヨタと日産に例えるのは大変不謹慎ではありますが、外国人トップの日産と典型的日本企業のトヨタの経営方針の違いがはっきり出ています。日産はグローバル化をとにかく推し進め、世界の自動車業界のトップに君臨したいという野望があふれています。今回、カルロス ゴーン氏が発表した中期計画では2022年に1400万台販売を打ち出しました。そこに新たな買収計画は入っておらず、EVなどの販売比率を3割と設定しています。

トヨタの豊田社長は自らレースに出るほどのカーキチで自動車が大好きであります。これもこう言うと語弊があるかもしれませんが、クルマ好きには内燃機関が嬉しいのではないでしょうか?

ここに経営スタイルの違いがはっきり出ています。どちらがよいか、どちらが好きか、これは経営トップの好みの問題でありとやかく言うものではありません。日本的経営は「好きこそものの上手なれ」的な発想があり、現場至上主義であります。欧米の経営は机上の論理が主であり、戦略と戦術がすべてであり、経営者は現場にはほとんどいきません。

「数売ればいいってもんじゃないだろー」、そんな声も聞こえてきそうです。ちなみに13日にアップした「どうなる自動車産業…」のブログには56件の真摯なコメントを頂戴しました。皆さん、自動車が本当に好きで熱いものを感じました。感謝!

東芝の敵は日本の銀行団と経産省?
本当にそう思いたくなります。わざと時間稼ぎをしているとしか思えません。18年3月期の決算で債務超過解消をさせないように仕向けているのではないでしょうか?今のこの時期になって社内の声がまとまらない?オファーを精査している?そんなの言い訳に決まっています。私は言い続けていました。東芝メモリなんて売らない方がよくて、上場廃止にしたっていいではないかと。

頑固な現場主義の副社長様以下が盾となっているのでしょう。もちろん、株主代表訴訟は覚悟のうえでの徹底抗戦のはずです。(もしも経営陣が真剣に力を持って債務超過解消のために東芝メモリを第三者に売却するつもりなら抵抗勢力をクビにすればよいでしょう。それをしないのは綱川社長が調整型タイプであるだけではなく、社長の東芝メモリに対する愛がありすぎて売りたくないのだろうと察しています。)

ただ、東芝にはもう一つ考慮しなくてはいけない「東芝メモリ」を売却できない理由があります。それはあまり話題に上らない同社の「液化天然ガス事業」の20年契約。これにより巨額の損失を抱えることはほぼ間違いなく、その額は一部では1兆円ともされています。つまり、東芝メモリの利益がないと東芝が上場維持するというレベルの話ではなく、息の根が止まってしまうのであります。

だからこそ、経営陣は目先の利益を追う銀行や体裁主体の経産省の憎まれ役を買わざるを得ないともいえるのでしょう。私が社長なら、もちろん、売りません。いや、売れません。

後記
iPhoneXが発表されました。正直、「欲しい」です。理由は「高いから」です。それを持つことによる差別化と優越感をくすぐるんでしょう。日本の価格戦略が間違っていると再三再四指摘してきました。このiPhoneXのチェレンジの結果次第で日本のマーケティング思想は大きく変貌する気がします。

では日本の方はよい三連休を。

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また明日お会いしましょう。

アウン サン スー チー氏の苦悩4

ミャンマーのアウン サン スー チー氏が再び世界のメディアに登場していますが、今回は前回のノーベル平和賞受賞の時の得意満面とは「天国と地獄の差」であります。

12日に国連事務総長が「『最も重大な世界の2つの懸念』として、北朝鮮の核・ミサイル開発問題とミャンマーでのロヒンギャ迫害をあげた」(日経)とあります。たぶん、このブログのお読みの方も「ん?」と思うことでしょう。私も聞いてはいましたがそれはちょっと言い過ぎではないか、と驚いています。

北朝鮮問題に並ぶロヒンギャ迫害とは何か、まずは一言で申し上げてしまえばミャンマーの人種問題で国内の7割程度を占めるビルマ族と少数民族のロヒンギャ族との対立であります。ちなみにこの国はかつてビルマという名前でしたが1989年にビルマ政府がミャンマーと呼んでくれ、というので日本政府もそれに従っていますが、ビルマという名前がなくなったわけではありません。

ミャンマーの人口は5200万人程度とされています。(人口統計がきちんとできず、一時は6千万人を超えていたこともあるようです。)そのうち、ロヒンギャ族は80万人ぐらいのようです。ロヒンギャはイスラム教で仏教国である同国では異宗教となります。それもあり、人種問題がもともとあったわけですが、今年8月、ロヒンギャ武装勢力が警察施設を襲撃したことによる治安部隊との激しい攻防に端を発して今回の事態になっています。

政府側の行動にはロヒンギャ族への放火や一般人への殺人など激しい虐待があったとされます。このため、ロヒンギャはバングラディッシュの難民キャンプに難民として避難してしていますが、その数は8月25日以降37万人ともされています。またそこから地中海経由欧州に難民として流れてきています。ミャンマー政府はロヒンギャ族の村が471のうち176が既にもぬけの殻になっていることを認めています。

13日にはカナダのトルドー首相がアウン サン スー チー氏と電話で会談し、トルドー氏はdeep concernを示し、スー チー氏のモラルと政治的リーダーシップが重要であると説いたようです。

スー チー氏は国際世論の批判を恐れてか、来週の国連会議に欠席する一方、本件の火消しに懸命になっています。

実は私はアウン サン スー チー氏の手腕についてはもともと懐疑的でありました。2015年11月15日付の本ブログでは「…正直申し上げると氏は今後、かなり厳しい局面を迎えるとみています」と記しています。同国の大統領選に際して外国人のご主人を持つ同氏が大統領になれないため、傀儡の大統領を立て、自分は実態として国を牛耳り、更に外務大臣となっています。では傀儡政権が彼女の言う本当の民主化なのか、これが当初からの疑問でありました。

ところが同氏は特に日本において京都大学にいたこともあり、受けが良くマスコミ的に評価されてました。(私はそっぽを向いていました。)「民主化運動家」というだけでノーベル平和賞がばら撒かれていた時代への反省とも言えます。むしろ、同国内で対立軸が明白化していた宗教的背景がある人種問題に関してノーベル賞を付保することで仏教徒であるアウン サン スー チー氏側に入らぬ権力を与えてしまったとも言えます。

ならば同国の民主化は起こり得なかったのではないか、と言われるかもしれませんが、似たような国内問題は中国は勿論のこと北朝鮮やタイなど数多く存在しております。それを「アラブの春」の如く、突然ひっくり返ることを良しとする風潮がややあったことは否定できません。

ではそれらアラブ諸国がその後、立ち直ったか、という点に関しては微妙な気がします。民主化とは結局少数民族の声を取り上げ、権利を平等に配分するということにもつながるかと思いますが、それは簡単なことではありません。カナダのように人種のモザイクなのに宗教色が薄い国は珍しいと思います。逆に主流がないからゆえの絶妙な均衡関係なのかもしれません。

民主主義といえば聞こえは良いですが、北朝鮮の国名は「朝鮮民主主義人民共和国」です。この民主主義は支持できるか、といえば誰も答えに詰まるでしょう。この問題は即効薬などないわけでそれこそ、カナダのような民族的バランス国家か日本のようなほぼ単一民族ではない限り大小の差はあれども避けて通れない問題であると言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ビットコイン相場へのポジショントーク4

時々話題に取り上げさせて頂くビットコインを含む仮想通貨ですが、個人的にはばくちだと思っております。今の相場が高いのか、安いのか、ほぼ全くその尺度がないため、「通貨」としての意味合いはまだまだだと思っています。

また、中国政府が最近、仮想通貨に対してかなり厳しい制約を課し始めています。ICO(イニシャル コイン オファリング)の制限だけでなく仮想通貨の国内取引所の取引を禁止する方策としています。続けざまに表明された中国政府の姿勢とは習近平国家主席の腐敗撲滅運動の一環であり、10月の秋の党大会に向けた引き締め対策であると考えてよいでしょう。

更にJPモルガンのジェイミー ダイモンCEOが12日、1636年11月から3か月ほどあったオランダのチューリップバブルよりひどい、とこき下ろしました。チューリップバブルとは世にいう元祖バブルであり、それは尋常ではないバブルであったとされます。ダイモンCEOの表現は言い過ぎだと個人的には思いますが、冒頭申し上げたように私も尺度を持ち合わせないため、断言はできません。

ダイモンCEOはアメリカ金融業界の主要たる人物の一人であり、その生い立ちから今日に至るまでバンカーの名に恥じない経歴を歩んできています。オバマ政権の際の財務長官の主要候補者でもありました。またJPモルガンでもビットコインや仮想通貨の研究調査を進めている中でなぜ、そんなことを発言したのか、突飛な感じはします。

13日付のブルームバーグにバンク オブ アメリカ メリルリンチが調査した結果としてファンドマネージャーが最も注目する金融取引はビットコイン(26%)、ナスダック買い持ち(22%)、ドル売り持ち(21%)とあります。ビットコインは中国等での局地的ブームではなく、アメリカの専門家にもいやがおうにも注目させるほどの勢いがある点をダイモンCEOは軌道修正させたかったのではないかとみています。

それはドル基軸の維持という根本的スタンスに立ち返るものではないかと考えています。言い換えればダイモンCEOは正統派のバンカー、そしてアメリカがドルと共に繁栄した時代を生き抜いてきた人です。ここにきてドル安が顕著になり、利上げ期待は萎みつつあり、アメリカへの世界の注目度が下がってきている中で既存通貨システムの防衛が必要だと考えた節がありそうです。

仮想通貨の最大の問題はマネーロンダリング(資金洗浄)とされますが、個人的にはそれよりも中国などでの資金持ち出し制限をかいくぐる手段、及び、海外送金の煩雑さをクリアする個人資金のフローティング(浮遊)手段のためだとみています。仮想通貨は本人確認は必要になってきていますが、それが税務当局とどこまでタイアップしているかは国次第であります。

これも抜け道の一つであり、中国で次々と仮想通貨が生みだされるのは政府等が防御策を施す前に新しいものをどんどん作り出すことで「やり逃げ」することもあるかもしれません。まさに鼬ごっこでこれを中国政府は「一応」断ち切るとしたわけです。但し、その姿勢は何処まで厳格か、疑問が残るようではあります。

通貨とは基本的に信用を基に価値が創造されています。一般的な通貨は国家がその屏風であるわけです。ビットコインは先日、分裂しましたが、再び分裂の危機にあります。皆さんが使っている通貨がしばしば分裂したら混乱するのと同じで、安心感、安定感が最重要であります。このあたりはデジタルの世界ではなく、案外、アナログに頼らねばならないところでもあるのかもしれません。

デジタル一辺倒になりつつある世の中への警笛とも言えなくはないでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

どうなる自動車産業、EV化の流れにどう立ち向かう?4

今日はご意見やお考えをお伺いしたいと思い、それなりに皆さん、思い入れのあるこの自動車のテーマを掲げてみることにしました。この種のテーマを挙げるとコメント欄に延々と熱い思いを書き綴ってくださる方が多く、大変参考になります。

そんな中、自動車業界に影響がある二つのニュースが飛び出しました。一つはフランクフルトの国際自動車ショーで欧州自動車メーカーがEV化を強く打ち出したこと、そしてもう一つが中国が欧州に続き、ガソリン車の生産販売を止める検討を始めたというニュースです。

VWのミュラーCEOは「業界の変革は止めることができない。当社はその変革を主導する」(ブルームバーグ)とし、300車種全モデルのEV化を図ると述べ、ダイムラーもほぼ同様の発表をしています。

一方の中国は時期こそ明言していないものの環境対策と銘打って検討を始めたとしていますが、技術的に追手となる内燃機関型ではなくEVで先手を打つという方針と考える方が妥当かと思います。

一方の日本はEVに思ったほど踏み込んできません。日産が新型リーフを発売しましたが前モデルが社内販売目標に全く届かなかったこともあり、今回は公表された販売目標値はありません。日本ではEVのインフラ環境は圧倒的に進みましたが、それでもAlternateの選択肢が多いこともあり、日本的戦国時代にあるように思えます。(EV、PHV、ハイブリッド、レンジエクステンダー、水素車、もちろん、ガソリン車も燃費は改善されており、消費者の選択肢が多すぎてばらけてしまっています。)

さて、皆様のコメントを拝見する限り、このブログにボイスとして挙がってくる限りにおいてはEVに抵抗がある方が主流のようです。日本のEV車の売れ行きを見てもその流れなのかもしれません。

ガソリンエンジンとEVの違い、これを私なりに単純な違う表現をすると機械式時計とクォーツのようなものではないかと思います。時を刻む正確性はクォーツが上でしょうが、機械式時計にはテイストと愛着があります。価格についてはクォーツは下落の一途をたどり、今では1000円でもクォーツ時計は買えますが、機械式時計は50万円から上でとんでもない金額まで存在します。

内燃型の車は走りが様々です。低速の力強さや中高速域の伸びなど乗り手のテイストに合わせた商品がたくさんあります。一方、EVですと走りは比較的画一的になりやすいのではないでしょうか?もちろん、EVを発売するポルシェがどういうものになるのか、私は分かりませんが、今のところ、どこまで楽しい走りなのかは不明です。

但し、車をどう乗るのか、という点に関してはこだわる人、実用主義の人、様々だと思います。エンジンで選ぶ人もいるし、サイズや用途、内装、スタイルもあるでしょう。また、商用の場合はどうでしょうか?多くの初期EV車や環境対策車が公官庁に納入されてきたように企業はEVを選ぶ傾向が出るような気がします。ここバンクーバーでも郵便局の配達用バンはEV車が増えてきています。

もう一つは根強い内燃機関のファン層の声に対して自動車メーカーがどういう反応を示すか、であります。日本の自動車メーカーは世界トップ3にトヨタ、日産と2社入るほど影響力がありますが、逆に言えば数を売る必要性があるとも言えます。そんな中で欧州や中国が10年から20年という長い時間があるにせよ、EVシフトを鮮明にしているなかで企業経営としてどのようなバランスを保つのかは大きな課題であるはずです。

個人的には10-20年という長そうで短いタイムスパンをどう捉えるかではないかと思います。「あの時こうしていれば…」という後悔をせず、世界のリーダーとして君臨し続ける選択肢が必要です。

また、EVの弱点はまだたくさんあり、内燃機関の優位性を指摘する声も理解できますが、10-20年の間に技術改良は必ず進みます。今は「これじゃぁね」と言っていても「すごくよくなったね」と変わってくるのが世の常です。

お前はどうなのか、と言われれば案外、日本の自動車メーカーはEVと内燃機関型に分離させるかもしれない気がします。セイコーが高級腕時計ブランド、「グランドセイコー」を今年、独立ブランドにさせましたが、これと同じで内燃型をより研ぎ澄まされた車として開発を続ける一方で軽自動車を含め、量産車の世界戦争にEV開発をせざるを得ない、これが私の想像する10数年後の企業像です。

なぜ、分けるのか、と言えば開発思想が違うでしょうし、そこで働く社員の姿勢が違うと思います。マツダや富士重工はこだわる車を作り続けるのでしょう。しかし、トヨタや日産はそうとばかりにもいかないのです。それゆえ、部門を変えるべきだと思っています。EVは更に徹底した効率化を求められる点において日本は本来、得意分野のはずだと認識しています。

一番重要なのは今の若者が時計をしなくなった意味あいであります。クォーツ時計のようなEVばかりになったら別に所有しなくてもよいわけでシェア化がより一層進む気がします。しかし、機械式時計は貴金属的価値があり、自分の体の一部となっている人も多いでしょう。このあたりのすみわけと価値観の変化が今後の自動車産業を占うのでしょうか?

今日は全く触れていませんが、20年後には自動運転も花盛りだと思います。そちらのエレメントも忘れてはならないのでしょう。皆様のご意見、お待ちしております。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

苦悩する若者たち、その結婚、勉学、就職観4

かつて結婚とは「世に一人前として認められるステップの一つ」と言われていました。家庭を持ち、家族のきずなを保ちながら社会の一員として貢献していくことはごく当たり前の発想であります。

しかし、今の方にこんなこと言うと「うぜぇー」と言われるのが落ちでしょう。もちろん世の結婚観を一括りで述べることはできません。しかし、トレンドというものはあるわけで現代社会の常識が次の世代に受け継がれていく過程において高齢者からは「今の人はよくわからん!」とコメントされることになっていくのでしょう。

明治安田生活福祉研究所が毎年発表している「結婚の意識調査」で今年の統計が発表されました。興味深いのはなぜ、結婚、交際をしないのか、に対して「どのように交際したらよいのかわからない」「出会いがない」がそれぞれの回答に男女とも30%程度反応している点です。

「どのようにしたらわからない」というのは実に奇妙な回答です。学校で習う授業ではないのですから必ずしもこうしなくてはいけないというルールがあるわけではありません。そして「出会いがない」は魅力ある相手がいないとも言えるのでしょう。

これはネットによる若者の価値観の均一化があるように思えてなりません。多くの人は今、ネットに夢中です。そして大抵、年層ごとに読むニュース、情報は似たものとなります。するとインプットされるものが皆、似たようなものになり、個人間の差別化が以前ほど明白に出ない可能性は否定できないでしょう。そうすると本来、全ての人が持ち合わせている個性が埋没してしまい、「ハッとする」相手が見つかりにくくなっているのかもしれません。

勉学はどうでしょうか?日本の塾事業を通じて感じるのは変わろうとしているけれど変われない教育界があります。そして先生はモンスターペアレンツを恐れ、先生自身も没個性化しているように感じます。相変わらず偏差値主義も横行しています。しかし、一部学校では才能ある子女を成績で画一的に判断せず、積極的に採用する動きがあることも事実です。個人的にはこれがもう少し広がってくれればと思っています。

一方で子供たちにやらされ感を感じます。子供の個性は子供同士の交流から生まれるものだと考えています。双方が刺激し合っていろいろなものに挑戦し、その中で本当に好きなものを見つけるというプロセスがあったはずです。それこそ、昔は川に魚を取りに行き、神社にセミを取りに行き、校庭では暗くなるまで遊んでいました。あるいは怪我をし、知らない大人に怒られ、喧嘩し、迷子になることで学ぶものも多かったのですが、最近は事故や誘拐などに親や学校がより敏感となり、そのような遊びはめっきり減ってしまい、子供たちの自律的行動が制御され、大人により束縛されているところがやらされ感に見えるのかもしれません。

ニュースを見ていると新学期になり、自殺する中高生が続出していると報じられています。夏休みから学校生活へのスイッチの切り替えができない精神的に追い詰められた若者が多いということかと思います。

これが社会人になるとなるともっと微妙でしょう。学生時代の緩み切った生活から社会人へのギャップはメンタル的にあまりにも世界が飛びすぎています。上下関係、仕事への没頭、敬語、電話や直接の応対、着慣れないスーツに規則正しい生活…。これらを突然強要されても仕事をする前に自分がアジャストできないという前提の問題があります。

就職後、悩み、新卒の社会人が1年で3割が辞めていく実態、ノイローゼになって自殺する若者も後を絶ちません。世の中ではブラック企業という名のもと企業側にすべての責任を押し付けているようですが、私は違うと思っています。

企業とそこに勤める人間関係は昔ははるかに過酷でした。それこそ、「この会社は『あゝ野麦峠』か!」と言わせたほど仕事漬けで社内では罵声が飛び、灰皿が飛び、電話の音と議論の声で社内に静寂というものはありませんでした。(勿論一部の会社でしょうけど。)徹夜で段ボール箱に寝た人は結構いるはずです。それでも誰一人めげることなく残業し、目標達成したら大いに飲んで寝過ごして終着駅まで行く人もずいぶんいました。でも私の知る限り、誰も死にませんしノイローゼにもなりませんでした。

前述の「結婚の意識調査」で女性が共働きすることに対する男性の容認度は8割で、結婚後も働くとした女性も9割に上っています。共働きが社会で一般化すると最大の問題は少子化傾向がさらに進む点であります。それを割り切ってでも共働きするのは個人的にはユニセックス化が進んでいる証だとみています。つまり、家父長制度から個の時代になり、家族間でもそれぞれ個の世界を作る傾向なのだろうと思います。「私は私、あなたはあなた」であります。

似たようなケースは韓国、台湾、中国都市部でみられる共通現象で北米や欧州、イスラム圏では私の知る限り、これほどではありません。宗教観も背景にあるでしょう。

若い人たちと様々な機会に話をさせていただきますが、こちらから若者の価値観にすり寄っていかないと彼らの話は全く理解できなくなりそうで怖くなる時もあります。自分の年齢を感じさせます。

では今日はこのぐらいで。

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IT化が進む社会に求められる「教養」4

大学に入学すると「教養課程」が初めにあり、その後、「専門課程」が主流を占めるようになります。大学に入って専門知識を学びたいと思った方には邪魔な存在だと感じる方もいらっしゃるでしょう。大教室の講義ならば授業をさぼり、代返してもらい、試験前に出席者のノートを借りるのは今でも変わらないのでしょう。そういう時に役立つのが一番前の方で真面目そうに講義を聞き、ノートを取っている普段は光の当たらない学生さんであったりします。

私は教養課程が面白くて心理学とか社会学などにハマっていたのですが、あとあと考えてみればそんな知識が非常に役立ってきました。仕事をする中で出くわす様々なシーンにおいてその判断をする際の材料がそれら教養課程で学んだことから導き出されることがしばしばあったのです。

例えばモノを売る時、需要と供給から求めた適正価格を論理的に導き出せば売れるのか、と言えばまずそんなことはありません。欲しいと思わせる心理を作り出せばもっと高く売れるし、社会的反感を買えばどれだけ安くても売れません。

最近、日経ビジネスにリベラルアーツの重要性を説く記事が2件出ています。「次世代を創る屁をこくレゴ」と中谷巌氏の「日本企業のグローバル化、欠かせぬリベラルアーツ、世界との対話力を磨け」という寄稿であります。前者はアメリカの著名IT経営者は実はリベラルアーツを勉強してきたとする内容でフェイスブックのザッカーバーグ氏は心理学、画像共有のピンタレストの創業者は政治学、ペイパルの創業者は哲学と法学といった具合です。

また中谷氏は戦後教育がリベラルアーツを徹底的に軽視してきたとし、「教養がなくては相手のいわんとしていること、やろうとしていることの本質を理解できないのは当然」と述べています。

日本ではコンピューター化が進んだ80-90年代、理系学生が異様にもてはやされました。多くの証券会社ではそれまで見向きもされなかった「数学」「物理」といった堅い学問を専門で学んだ人を積極的に採用し、コンピューター売買プログラムの開発にいそしみました。80年代後半、野村證券の田淵節也会長(当時)に「どうやったら株で儲けられるようになるのでしょうか?」と単刀直入、直球の質問をぶつけたところ「わしもわからん。今の株はコンピューターが売買するからな」と仰られました。

が、案外、株の売買は市場参加者の行動心理学の塊で市場支配者の動向を掴むことではないか、と気がつくようになりました。大学の教養課程で心理学を勉強するきっかけを与えてもらい、時々心理学関係の本を手に取るようになったことが役立ったのは言うまでもありません。

いわゆる専門家にも様々あり、専門バカと称される方には視野が極端に狭く、ある限られた分野においては世界でも有数の知識や能力をお持ちでも、それを水平展開できない方がずいぶんいらっしゃることは事実です。特に大企業で歯車の歯車の作業を長年されている方に多い気がします。トヨタの技術部に勤めていたある方はエンジンのごく特定の分野の専門。よってそれ以外の車の知識はゼロに等しく、その専門知識が完成車にどのように反映されるかも十分認識されていなかったのは驚愕でありました。

以前、携帯電話では世界をリードしていた日本がアメリカで生まれたiPhoneに市場を席捲されたのはなぜか、ということを書きました。一言でいえば日本には創造力がなかったから、であります。技術力に胡坐をかいていたとも言えます。

私は書などを通じて常に勉強しています。が、その多くは私の本業である不動産や投資とは別の世界のものです。歴史や科学であったり、司馬遼太郎、シェイクスピアから原田マハ、星野源まで広く視野を保つことで世の中の動きやニーズを仕事に落とし込んだり、次の一手を打ち出していけます。

ITは利用するものであり、ITに振り回されたのでは意味がありません。利用するには教養をもつことでその価値はより高まるでしょう。カナダには市民教養講座がいたるところで開講されています。アダルトエデュケーションと称されるこの仕組みこそ教養の底上げであり、現代の寺小屋なのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

貫き通すチカラ4

少し前の日経にRIZAPの瀬戸健社長へのインタビュー記事が掲載されていました。何かと話題が多いこの会社ですが、インタビューを読む限り「結果へのコミットメント」と宣伝通りの極めてシンプルな目標設定がキーポイントであるように感じます。

昔の彼女を70キロ台から50キロ台まで3か月で減量させたその自信が今日のビジネスの繋がっています。案外、彼女話が縁で有名になった人はいるもので、かつてエベレストの単独無酸素登頂に何度か挑んだ栗城史多氏も元彼女が山登りで頑張っているのを見て、彼女を超えてやるという自己への挑戦でありました。

RIZAPの瀬戸社長の場合、明白な数字の目標設定が双方にわかりやすくさせると同時にめげさせないようにさせる仕組みがビジネスモデルに組み込まれています。最近は痩せることだけでなく、ゴルフのスコアを90にする、というはっきりした設定がある派生ビジネスもされています。また、数々の企業を買収してわかりやすい目標設定をさせている点においては企業のダイエットと筋肉質への変化を促しているといってもよいでしょう。

そこまで考えると瀬戸社長は特に変わったことをやっているわけではなく、そこに至るマインドの変化を促すことをしているだけ、とも言えます。

人間の意志は弱いものです。「三日坊主」という言葉があるように続けるのがいかに難しいか、多くの人が実感していると思います。痩せる、タバコをやめる、無駄遣いを止める、酒を減らす…どれも続かないのはプログラムに無理があるか、その目標に達成した時の意味合いを考えていないからだと思います。健康なまま90歳まで生きるためにタバコを止める、とより具体性を持たせると変わります。

私もかつてタバコを吸っていた時代があるのですが、マラソンで走るようになってもっと早く、タイムアップを図ると決めた瞬間、タバコをすっとやめることができたのです。つまり、数字の目標設定だけではなく、その数字に意味を持たせるようにすることで達成感を味わえるようにしています。

例えば本を読むという目標は私は年間50冊、うち二度目読みを最低その1割入れる、という設定にしています。50冊は量的には週一冊ですのでそれほど過酷ではありません。そしてその冊数をこの数年、増やしたこともありません。理由は読む量が増えることよりもきちんと読みこなすことに意味があると思っているからです。どれだけその著書や著者の言わんとしていることを身に着けるか、であります。

会社の事業目標もやみくもに儲かればいいと考えていません。弱い部門はなぜ弱いのか、それを強化するチャンスを何年与えるのか、といった中で目標を設定していきます。また、時代と共にビジネスモデルがあっという間に180度転換する現代社会において一つのビジネススタイルを流行に任せて拡大するのはリスクテイクであると考えています。「次の次」を考え、そこに資金を投じ、花を咲かせることが経営者としてのだいご味ではないでしょうか?

リタイアすると目標設定が難しくなります。その理由は「何歳まで生きるかわからない」からであります。しかし、自分は〇歳まで健康体でうまいものを食べ、頭がさえわたり、街中を闊歩するのだ、と明白な気持ちを持てば案外、その通りになるものです。私は人間の一般的限界と言われる120歳を目標にしていますのでまだ半分にも到達していないと考えています。

リタイアするとお金も続かないじゃないか、と言われるでしょう。それは逆発想なのですが、年金があるからなんです。年金が世の中に存在しないとすれば否が応でも働くか、知恵を出して儲けることを考えるでしょう。若い人たちは仕事を辞めれば明日の食にも困ります。リタイアするとは何か、といえばまだ続けられるのに「もう〇歳だから」という社会的一般常識に基いているだけなんです。

考え方をちょっと変えるだけで世の中の色はすっかり変わります。そして目標には意味を持たせることで貫き通すチカラが生まれると私は考えています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

何か自然界の歯車が狂ってきているかのようです。アメリカには巨大なハリケーン「イルマ」が週末に向け迫ってきています。当地の新聞には壊滅状態になったカリブの島々の写真が数多く掲載されています。一方、メキシコと秋田では地震。ここバンクーバーは記憶にないほど暖かく、9月に入ってもまだ冷房がいる状態です。トロントはすっかり涼しくなり、空気も比較的乾燥しているそうでバンクーバーと入れ替わったようです。

さて、今週のつぶやきです。

身構える9月9日
このブログが配信される頃は何か起きているかもしれません。一方、何も起きないという見方もあります。一つは太陽で大規模なフレアと称する爆発が起き、電気を帯びた粒子が地球に届き始めており、これによって電子機器に異常が発生しやすくなるというもの。もう一つはアメリカの北朝鮮情勢専門サイトが「北朝鮮のミサイル発射は北朝鮮の記念日に紐づけるのではなく、海外の主要イベントに合わせている」という分析結果を指摘している点です。

とすれば、私は9月9日ではなく、国連安全保障理事会で更なる制裁決議が下るかもしれない11日の方が理にかなっている気がします。それに911の日です。

確実に言えることは金正恩の脅しが確実にいろいろな方面に影響を及ぼしていることでしょうか?彼はほくそ笑んでいます。そういえば警察が7月にパチンコの出玉規制を強化し、今までの3分の2としています。ご承知の通りパチンコマネーは北朝鮮への重要な資金源とされていますが、いっそのこと、半分以下に締め上げてしまってもいいのではないでしょうか?パチンコ人口も減っており、レジャーのあり方は大きく変わってきています。経済効果、あると思いますけれど。

仮想通貨マネーこそ本当のバブル
イニシャル コイン オファリング(ICO)などという言葉は半年前は誰も知らなかったはずです。IPO(新規上場株式)になぞられたこの新語はマネーの匂いに敏感な中国人にバカ受けしているようでIPOならぬICOで一儲けしようとする輩が続出したことで中国政府の規制がかかってしまいました。

ビットコインは狂乱状態でその価格は乱高下し、誰も妥当な価値を見いだせず、ロシアンルーレット状態にあるとしても過言ではありません。そのビットコインは11月にも再分裂の危機があるとされますが、中国の博打家達は今回も儲けることができるのでしょうか?

驚いたのは「新しいICOの仕組みなんて10分でできる」(日経)と述べた専門家の一言です。もともと価値がないものにあたかも価値があるように見せかけるわけです。それならまだベルマークのほうがましな気がします。もっとまともな仮想通貨の出番が待たれます。(それを中央銀行が発行したら爆笑ものですが。)

あぁ、山尾志桜里さま…
この報道があった日、産経新聞電子版の読まれた記事トップ10のうち山尾氏関連が7割ぐらい占め、金正恩氏が見たら「俺も不倫しようかな」という気にさせたのではないでしょうか?いやはや、この手のニュースは多すぎてもう、コメントしようがありません。そういえば神戸の橋本元市議も今井絵理子氏との交際で「出る杭」となり、叩かれました。(しかし、仲良く手をつないで乗車していた新幹線の費用も詐取した政務活動費だったのでしょうか?)

山尾さんも議員としてはきれいな方ですのでそもそも論でターゲットになりやすいタイプだったのでしょう。今回も文春がこのネタをずっと抱きしめていて時が来るのをずっと待ち構えていたわけで、それはもう、恐るべき取材能力とも言えましょう。

それにしてもツキがないのは前原誠司代表。彼は政権交代して国交大臣になった矢先に八ッ場ダムの事業中止問題でミソをつけたのをはじめ、出だしのつまづきが多い人で彼ほど運がない男も珍しいなぁ、と思っていました。今回は生まれ変わった「新・前原誠司」のはずでしたが、ダメでしたねぇ。

それにしても、あちらこちらから不倫問題が生じるということはこれはもう日本の文化と言ってよいでしょう。そりゃそうです。NHKの大河ドラマで「側室」はあらゆるシーンで出てくるし、さも当たり前のように演じられていれば誰が見ても倫理観は無くなります。いくら「今の時代はダメですよ」といっても天下のNHK様が堂々と放送し続けているわけです。一応有料放送ですが。ならばR指定にしたらどうです?

では次のターゲットは誰でしょうか?文春さま、お願いです。東京新聞の望月某を是非とも追いかけてくださいませ。

後記
決められない東芝劇場が続いています。社員の流出も目立っているようです。私が見る限り社内が分裂するほどの内部バトルで売却どころではない気がします。うがった見方をすれば「時間切れ」を意図的に狙う確信犯。だとすれば演技うますぎですね。こちらも目が離せません。

ではよい週末をお過ごしください。

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また明日お会いしましょう。

消えた「有事のドル買い」4

金融市場の動きは後付けの講釈がよくあります。歴史や過去の流れを踏まえたうえでのコメントがさも当然の如く並びます。その中で今回全く出てこない言葉が「有事のドル買い」であります。過去、国際間の危機が起きた時、買われるものはドルと円と金(ゴールド)という三点セットだったのですが、今回、アメリカから地政学的にはるかに遠い北朝鮮の問題にもかかわらず、「有事のドル買い」という言葉は何処を探しても一つも出てきません。

これは過去の流れを踏襲する人からすれば一大変化なのですがそれを取り上げる記事もありません。本来であれば金融緩和政策からいち早く脱却し、利上げもゆっくりとながら進みだし、世界の主要国の中では最も安定したパフォーマンスを誇ってきたアメリカの通貨、ドルが何故、輝きを失ったのか、ここにはAI(人工知能)では判断できないゲームチェンジがあるのかもしれません。

私がしばしば引き合いに出すドルインデックス。現在91.5ポイント程度で2015年1月初頭以来の水準となっています。以前申し上げたようにチャート的には節目を切ってきているため、当面は「ドルインデックス安」が続くとみて間違いないと思います。

それをサポートするのが昨日のカナダ中銀の利上げ決定でした。7月の会合に続き、9月の会合で2回続けて利上げをしたのはカナダの各種経済指標が良好であるからです。市場では年度内にもう一度利上げする可能性も5割程度とあるとされています。極めて強気の姿勢にあります。

また、注目されていた欧州中央銀行の政策会議。ドラギ総裁が金融緩和政策からの離脱をどう表明するのか視線が集まっておりましたが、来年以降の離脱方針を明白にするとともにどのようなプログラムでそれを進めるのか、10月以降の政策会議で決めていくとしました。

もともとユーロ高ドル安のトレンドだったところにドラギ総裁の金融緩和離脱方策の明示化でユーロはさらに買われ遂に1.20台をつけ、こちらも2014年12月以来のユーロ高となっています。

ではなぜ、ドルの魅力が失せているのでしょう。最大の理由は通貨のバランスがドル対他通貨という非常にアンバランスな構図になっている点があると思います。ドルが基軸通貨として君臨したのは概ね両大戦間に英国スターリングポンドからバトンを受けてからということになります。つまり大体100年たったということです。ドルがポンドからシフトされた理由は様々ありますが、国家規模、経済規模、影響力、統率力等が圧倒していたうえに国土が戦場にならなかったことで疲弊していなかったこともあるでしょう。

そのうえでユダヤ人が英国でなしえなかった世界をアメリカで具現化し、金融を支配するというネットワークがその勝利を引き出したわけです。

ところがドルは万全ではなく、途中何度も躓きかけましたが、多くの歴代大統領は「ドル高政策」を訴え、基軸通貨として何処でも通用する紙幣にしてしまったのです。それこそ、私が82年ごろにソ連や東欧にいた時でも高額のドル建ての入国手続き料(強制両替制度)を払い、モノは「ドルショップ」で購入させられました。その後、高インフレのブラジルに行けば自国通貨は紙切れでドルを求めて泥棒までドル以外はいらないという馬鹿げた状態にありました。イデオロギーで敵対していてもあの緑色の紙幣には世界中の人があこがれたとも言えます。

この4-5年、中国は自国通貨、元を国際化させるためにあらゆる画策を進めてきました。IMFの特別引き出し権に元を構成通貨としてさせてみたり、AIIBも元の国際化の一環だったとも言えます。これに対して中国元の国際化はない、とみる専門家が主流なのも事実です。興味深いのは本日のブルームバーグにアメリカのあるヘッジファンドが中国元安を賭けて7年間相場と戦ったものの中国元は安くなるどころか強くなってきて250億円を失い、「眠れなくなり、顧客を失い、正気も失いかけ」ついに白旗を上げたと報じています。

一方、中国人が中国政府と元を信じていないのも誰も言わない当たり前の話で仮想通貨に走ったのはご承知の通り。ところが一昨日のニュースで中国がICO(イニシャル コイン オファリング)を禁止しました。こうなると資金の逃避先は金しかなくなってきます。それもあってか、金の12月先物は本日、1350ドルを超える上昇ぶりとなっており、世界を駆け巡るマネーがどこにその落ち着きどころを求めるのか皆躍起になっていると言ってもよい状態にあります。

1ドル札には「全知全能の目」が描かれていますが、ドルを発行する連邦準備銀行を管理するFRB議長以下のプロ集団が全知全能者ではありません。地球儀ベースでのパワーバランスの中で生まれた圧倒性がドルをサポートし続けたわけです。

勿論、今回のドル安は単なる循環の一連である、と反論されればそれまでです。が、世界の環境、アメリカの環境はこれまでと大きく変わってきたのは事実です。マネーの達人たちがその長期的ビジョンについてさまよい始めたとすれば別次元の金融の不安定時代があってもおかしくないのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

引くに引けなくなった金正恩氏4

注目される9日の北朝鮮建国記念日前後に金正恩氏は再び日本上空を飛び越えるICBMを発射するのではないかと噂されています。韓国情報部発の報道ではICBMが北朝鮮西海岸に移動されたとしています。また、今回もロフテッド方式(発射角度を上方にして高く打ち上げる実験)ではなく通常角度ではないかと分析されているようです。

日本上空を飛び越えてどこに向けて飛ばすのか、単に距離だけなのか、ターゲットを持っているのか、わかりにくい状況になってきています。今回の計画は違うと思いますが、北朝鮮はグアムの標的案を明示しています。(グアム標的ならICBMは東海岸に持ってくるでしょう。)個人的には最終的にはもっと影響力のある本土を目指すのだと思っています。また、その中間案としてハワイはアメリカの直接の州ですから話題には上がりませんが、そこでもあり得るわけです。但し、島は命中度が下がるのかもしれません。このあたりが金正恩氏のゲーム感覚なのだろうと思います。

さて、ウラジオストックでプーチン大統領が石油禁輸に否定的見解を見せました。私はこのコメントに注目しています。まず、ロシアにとって北朝鮮は産みの親であり、そもそもソ連(当時)の傀儡国家のようなものであり、アメリカ資本主義との橋頭保であります。ソ連こそなくなったもののアメリカとロシアの関係はあいも変わらずであり、ロシアにとって北朝鮮を抱き込んでおくことは太平洋側に出る重要戦略地としても意味があります。(日露戦争を想起してもよいでしょう。)

その意味で国際世論を逆手に取り、過激化するトランプ大統領に「もっと平和裏に解決しよう」と民意を煽るのでしょう。中国もしかりです。つまり、アメリカが先手攻撃を仕掛ければ必ずロシアと中国が猛反発するというしっぺ返しが確実に予想される中でアメリカの先手必勝の作戦が取れないのが北朝鮮をめぐる動きということかと思います。

ではトランプ大統領がいうレッドラインは何かであります。大統領は明示していません。一方、韓国の文大統領はICBMに核弾頭を乗せることと示してます。私はちょっと違う気もします。個人的にはレッドラインを超えるのは北朝鮮が相手国に軍部も含めた物的ないし人的被害をもたらしたときだと思います。

北朝鮮の核は完成が間近とされます。一方、北朝鮮がこの緊張感をどこまで保てるかといえばせいぜい数か月から1年ではないでしょうか?金正恩氏や幹部の話ではなく、北朝鮮国民の士気であります。想像するに一連の経済制裁で国民生活は疲弊しつつあるかと思います。テレビなどで流れる北朝鮮市民は陽気に踊り、一定水準の生活を楽しんでいるように見せていますが、あれは表の顔で実態はかなり厳しいはずです。

とすれば、金正恩氏が次々打ち上げる弾道ミサイルはアメリカなどへの挑発もあるのですが、それ以上に国民への士気を高めるカンフル剤ではないかとみています。ここまでお読みいただいて気がつかれたと思いますが、私がイメージしているのはまさに日本が戦争に突き進んでいたときであります。

私は最新鋭機の話題ばかりが注目されてますが、本当に怖いのは北朝鮮の地上軍ではないかと察します。ICBMは撃ち落とされる可能性はありますが、地上軍が38度線を突破した場合、勝負は少なくとも一時的には北朝鮮有利に展開するとみています。理由は北朝鮮軍の数(前線70万、予備軍450万という一説)は韓国軍を凌駕するのみならず、その高い士気もありますし、韓国は地理的に一般国民が逃げる道がないのであります。

いみじくもプーチン大統領が「問題を(北朝鮮への)制裁と圧力だけで解決するのは不可能だ」「感情にまかせて北朝鮮を追い詰めてはいけない」(日経)と述べているのは制御不能な金正恩氏の暴発をいかに抑えるか、という指摘だと思っています。では金正恩氏という「信管」を抜けるのか、これはCIAにもKGBにもMI6にも相当タフな作業だろうと思います。が、信管さえ抜けばあの国2500万人の民は割と素直になる激変をすると見ています。それは日本の終戦時、中国の文化大革命などで見たアジアの独特のマインド変化と考えています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

日本株にみる北朝鮮問題の影響4

水爆実験を行ったあとの東京株式市場は弱気のサインが点灯しました。特に中小型株市場の東証第2部、ジャスダック、マザーズの惨状は目も当てられない状況になっており、追証がそろそろ発生してくる可能性もあります。

5日の東京市場ではジャスダックが約2%下げ、25日平均移動線に面合わせとなりました。東証第2部やマザーズにおいては25日線を明白に切ってしまい、チャート的には崩れており、目先、下値が見えない状況となっています。NYも今日は234ドルほど下げ、世界中で株安が進みます。

ジャクソンホールの会議まで安泰だけど、夏の終わりから秋にかけて相場は変わるかもしれないと指摘していましたが当たってほしくないそのような形になっています。東京市場はもともと、北朝鮮問題が勃発しなくても相場つきから個人投資家がはやす銘柄にやや過熱感がありました。そこに明けても暮れても北朝鮮に振り回される事態になり、歯車が狂い始めているということかと思います。

一方の円はこれを書いている5日NY終値ベースで108円70銭台に突入し、「有事の円買い」が進んでいます。これもシナリオ通りです。ただ、今回に関しては為替と株式は一緒に語れないと思っています。

まず、ドルの先行き感については専門家も基本的に弱気でユーロをはじめとした主要国の通貨が強含みに展開しています。これは20兆円にも及ぶハリケーンの被害、債務上限問題、経済指標の強弱感の対立(基本的には弱含んでいます。)そしてトランプ政権の遂行能力など明るい材料が少ないことが理由で北朝鮮問題が理由ではありません。ただ、このトレンドは目先収まる気配はなく、ドル資金の逃避が起きる可能性があります。

最悪シナリオは北朝鮮問題を契機に米中の激しい制裁応酬の中で中国の持つアメリカ国債売却の可能性でしょう。中国は10月の党大会で強固な習近平体制が生まれると思われ、そこからは外交に強気で出る可能性は否定できません。その場合、アメリカは日本に買わせるのが関の山ですが、日本もドラえもんのポケットではないのですからカバーできる限界があるでしょう。

個人的に思っていることは一般社会で懸念される北朝鮮の行動、それに対抗するアメリカや韓国との直接対決もさることながら、この微妙な空気が国際世論を通じて国家間のグループ化を進める公算があり、世界経済に多大なる影響を与える可能性があるという点です。

更にテンションが高まり、その期間が長くなればなるほど首を突っ込み、自己主張を打ち出すグループと傍観してほくそ笑んでいるグループに分かれるかもしれません。「アジアの小国の悪あがき」に対してその対応の仕方で世界が分断するというシナリオでしょうか?

ここで東京市場を振り返ると保守的な高齢者の個人投資家が主導する一方通行感、特に中小株の試練が見て取れます。「逃げるが勝ち」的な雰囲気が漂っているのが事実であります。ただ、今日まで中小株が大型株に比べてより買われたのは日本経済の新陳代謝の一環で面白いビジネスをしている宝の山である点は見落とすべきではないでしょう。株価が不当に買い叩かれればどこからともなく飛んでくるトンビやハゲタカの方がよっぽど怖いのです。それそこ、日銀に買い支えをしてもらいたいぐらいであります。

これはひとえに個人株主が主導する日本の中小株式市場の体質的弱さとも言えましょう。私が手掛けるNY市場とトロント市場では市場参加者のセグメントが多いことで東京市場のように売りたたかれる状況にはなっていません。このあたりが日本の市場の国際化が求められる点なのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

日本人の給与が安いのはなぜ?4

少し前の日経に「役員給与、アジア勢が上 中国4000万円・日本2700万円 人材獲得で競り負けも」とありました。記事の冒頭には「中国やシンガポールでは部長の給料は平均2300万〜2400万円、日本は2千万円に届かず、取締役はベトナムにも抜かれる」とあります。日経のこの記事に限らず、海外では全般的に役職者の給与は日本の水準とは雲泥のレベルに上がってきているのが現状です。

なぜそういう状態がおきているのか、ですが、記事の中でコンサルタントの意見として「『海外は役割の大きさに応じ惜しみなく給与を配分する』と指摘する。日本は同じ部長職なら主力部門から間接部門まで給与水準をそろえる傾向があるが『海外は稼ぐ花形事業の責任者により多く払う』」とあります。

このコンサルタント氏の指摘は教科書的には正しいのですが、その一歩先を考えてみたいと思います。

私が25年海外で仕事をしていて感じる理由は「適材の不足」に尽きます。

先日、元取引先の当地の大手ゼネコンの社長と立ち話していたところ、「現場数が多すぎて監督(所長)があと10人は欲しい。大手は一定の給与額の設定があり、それ以上出せないのだが、中小の建設会社がルール違反でとんでもない金額で技術者を抜いていく」と嘆いていました。

これが何を意味するかと言えば人材の需要と供給で一定の能力、資格を持った人材が極端に不足しているため、給与が青天井で上がっていく状況が如実に映し出されています。では、それら上昇した人件費はどうやって吸収しているかと言えばエンドプライスを引き上げるのであり、最終消費者が「高い!」と文句を言いながらもちゃんと売れていくというのが実態であります。

では日本はどうなのか、と言えば一定水準の人材はまだまだ集まりやすいということなのだろうと思います。

一つには教育水準が押しなべて高く、大学卒業者も多くいます。就職すれば会社は高額の費用をかけて様々な教育、訓練を施します。つまりどんな人材でも一定水準を保っているのです。80年代にマクドナルド出身者を探せ、という飲食業界の声があったと記憶しています。同社が施したOJTや各種訓練の汎用性が極めて高く、飲食業界では同社を辞めて転職する人たちの奪い合いがあったのです。

また、日本の人事政策は30歳過ぎまではいろいろな部門を回らせ、ゼネラリストとしての基礎を作り、そこから専門性を高めていくというローテーションを行っています。つまり、課長や部長職になれる基礎力を持った人材を分け隔てなく作り上げてきたとも言えます。

そうするとどうなるか、と言えば部長候補が複数いて、選べるほど人材がいるのです。しかも社内選抜が主流ですから外部招へいに伴うスカウト代や上乗せ料はありません。外資系の場合でも募集すればまぁ、集まります。(使えるかどうかは別です。)ここが給与設定額が上がらない最大の理由だと思います。

では、比較的高額でオファーされる外資の幹部職はどうなのか、といえば「切り捨て御免」ですから何年残れるか、という話で、逆に外資がどうしても抱えたいという人材は給与水準はとてつもなく高いはずです。役員クラスなら年収4-5千万円は普通でしょう。私の知っているある方は成績連動型で月収が5000万円だった方もいます。たまに社長より高い給与をとる社員がいる会社があります。多くはその世界では誰でも知っている超一流の技量を持った方でむしろ「よくそんな人材、確保できたね」という怨嗟の声すら上がることすらあるのです。

言い換えれば海外には人材がそうふんだんにいないから幹部職の給与が高い一方で日本は同じ仕事をできる人間が多いから需要と供給の関係で低廉になっているともいえるのではないでしょうか?問題は日系企業が海外展開する際にその道のプロを海外で雇う場合、とんでもない人件費で予算と合わないということがしばしば生じていることが海外人事政策の最大のネックとも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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