外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

外相会議にみる中国の苦悩4

一時は開催すら危ぶまれた日中韓外相会議が東京で行われました。テーマが多い中で北朝鮮はまた一発、日本海にミサイルを撃ち込むというスタンドプレーを行う波乱もありましたが、私なりに読み解くと今回の外相会議、やはり、中国の苦悩が見え隠れしています。

尖閣問題。岸田外相と王毅外相の個別会談の内容を拝見するかぎり、王外相が「現在の事態は、すでに基本的に正常に戻った」と述べ、過去形の表現で終わった話のように聞こえます。では、あの騒ぎは何だったのだろうか、と考えると今、本気で尖閣問題を日本と争う気は毛頭なく、中国の国内事情ではなかったのかと察します。

8月上旬に開催された中国の非公式ながらも駆け引き上、極めて重要な北戴河会議が開催されました。習近平国家主席は自己の権力を誇示するためには共青団の批判をかわす必要がありました。特に南シナ海での人工島についてオランダの仲裁裁判所で中国の行為を完全に否定され、外交上の威信失墜の危機にあったわけです。そのためには中国軍部を実体的に掌握した習国家主席は「実力行使」でパフォーマンスに臨む必要がありました。

中国は尖閣にジャブを入れるだけで端から本気で何かをしようと企てていたとは思えず、いつもの挑発を繰り返し、「もしもなにかの手違いで日本がちょっかいを出して来たらそれに乗じて一気に外交力で日本を圧倒して島を奪取する」つもりであったのでしょう。日中戦争のあのきっかけと同じです。

王外相の発言からは習近平国家主席の国内権力争いのゲームは終わり、尖閣問題もこれでいったん片付く気がします。

ただ、これで平穏な状態に戻ったとは思えません。一つはさっぱりコントロールが効かない北朝鮮の行動であります。金正恩最高指導者はいったいどこを向いて何をしたいのかわかりにくいところに悩みがあるのでしょう。北朝鮮の暴発や国内の崩壊は国境を接している韓国と中国に多大なる影響が出てきます。特に朝鮮北部は高句麗の時代から中国北部との関係が深く、いざというときは中国の地域経済にも深刻な状況が生じます。

かといって中国は北朝鮮を袖にするわけにもいかない微妙なその外交ゲームとは韓国が装備するミサイル迎撃システムTHAADに反対する以上、敵の敵は味方になるその論理でありましょうか?

ところでジョージソロス氏が現在は2008年の危機の到来を思わせると発言してることに注目しております。彼の場合、ポジショントークである可能性も否定しませんが、世界の動きに不信感が漂っていることは確実でしょう。その具体的心配内容もいくつかパッと思いつきますが、実は中国の不安感が最大の懸念ではないでしょうか?

理由は欧州や英国の問題も大変だと思いますが、その実態、そして解決に向けたプロセスは比較的透明であり、ディスクローズされます。ところが中国は実態がわからず、国家がどのような不良債権を抱え、経済成長率はどうなのか、実にわかりにくくなっています。

例えば最近特に鉄鋼の生産地などに於いては地域経済はマイナス成長に陥っているとされ、6%半ばの国家全体の成長率とはかなりかけ離れたものになっているようです。中国国内の経済の温度差は思った以上に厳しいものが想定され、ゾンビ企業の扱いにも注目が集まります。影響力が大きすぎてつぶせない企業も多く、支払が6回滞った企業がまだ、生き残っているという記事もありました。

習国家主席の最大の懸念は国内のストライキだとされ、民衆のパワーがある日突然違うベクトルに向かうリスクを心配しているようです。これはとりもなおさず、習国家主席の気持ちに余裕がないと断じてもよいかと思います。

日中韓外相会議に於ける岸田外相は頼もしく映りました。日本がこれから注力しなくてははいけないのは外交力、交渉力と共にNOと言える強さでしょう。それには政権の安定感が最大のキーではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

購買力平価の実感4

夏休みシーズンも終盤になってきました。バンクーバーはまだ観光客でごった返しており、ホテルはない、レストランは一杯とビジネスをする人には書き入れ時となっています。その溢れんばかりの観光客の中に日本人の姿は少ない気がいたします。その一つにバンクーバーの物価高が日本人観光客の足が遠のく理由が隠されているかもしれません。

バンクーバーダウンタウンの高級クラスのホテルの今夏のピーク時の宿泊レートは大体一泊1000ドルから500ドル程度。実際に泊まればインターネット接続代、朝食代、駐車場代…と更に支出は増えます。唯一、日本との違いはこちらは一室いくらですので一人でも二人でも宿泊代は同じという点でしょうか?いや、それにしても高いです。先日レンタカーを借りに来たチリからのお客さん。そのボヤキとはすでにホテル代を1万ドルぐらい使った、と。80万円程度でしょうか?尋常なレベルではありません。

購買力平価をネットで調べると「ある国である価格で買える商品が他国ならいくらで買えるかを示す交換レート」と出ます。かつてビックマック指数などというものももてはやされました。世界各地にあるビックマックの価格をベースに購買力平価を測るというものであります。今ならスターバックスのコーヒーでもよいかもしれません。

この購買力平価が大きくずれ始めているかもしれない一つの原因は金融緩和によるマネーのいびつな動きが考えられます。マネーはどこに吸い寄せられるか、といえば為替や国情が安全、安心で一定のリターンが得られる地域であります。

ニュースにニュージーランドの不動産が高騰しているとあります。移民が増えているうえに投機的売買が増えたことでこの1年で14%も上がっているというのです。その買い手は移民や中国人だと日経は解説していますが、外国人の買い手は全体の3%に留まっています。カナダでも全く同じ状況に陥っており、「外国人投資家悪人説」がはびこっていますが、そんなわけがなく、実際には売買の大半を占めるローカルの買い手が不動産価格をあおっています。

先日、あるコンドミニアムの一般公開前内覧会に行ってきました。40平米、海の眺め無し、内装の品質は中程度、間取りはお世辞にも使いやすいと思えない物件が60万ドルであります。この価格帯は東京都心の新築マンションと同じぐらいになってきたのですが、バンクーバーと東京の経済価値は10倍ぐらい差がある中でこの価格はあり得ません。知り合いの建築家がその場にいたので「どう思う?」と聞いたところ、こき下ろしていました。それでも物件が売れるであろう理由は不動産を金庫代わりにするという強い信頼感であろうと思います。

これは本来あるべき購買力を超えて人々がもっと価値があると信じているために起こる歪みかと思います。その歪みは国全体で測るとわからなくなりますが、例えばバンクーバーの海が見えるダウンタウンのコンドミニアムに絞り込めば相場を無視した異様な価格で取引されるともいえましょう。つまり、購買力平価はある国で見る場合とある地域で見る場合では全く違う色合いになるともいえ、新たなる現象が起きているといえましょう。

では日本。不動産価格が高騰しているとされる東京を一歩離れると不動産相場は一変します。以前から日本に別荘を持つならば伊豆が良いと思っていたのですが、伊東から伊豆半島一帯のマンション相場はわずか数百万円。それでも買い手はいないでしょう。地震が来るといわれる一帯ですし、東京からは熱海を超えると新幹線から乗り換えなくてはいけません。

日本の地方に行けば経済は悲惨なところが多いのも事実です。7月にある日本有数の漁港に行った際、地元の方から漁港で給与の未払いが発生しているから誰もまじめに働かなくなったと。夜、漁港の地元のすし屋に入ろうとしたら「御飯があと2合しかない」と言われ、断られました。バスに乗ったらわずか1-2キロの距離なのに周回バスだから一日券のみで500円払え、と言われ、そんなのはどこにも書いていないとクレームしたら「内緒で」と200円にしてくれました。もう、むちゃくちゃな話ばかりでした。

日本の地方の購買力平価は非常に下がっている気がします。東京一極集中とはそこにマネーを置いておけば多少は安全だろうという思惑があるのでしょう。つまり、日本国内の購買力平価は一般的な統計でみる以上に差が出ているともいえます。

多くの日本国内観光客はネットでしっかり調べ、グッドディールできるところを探し当てます。ネットで引っかからない民宿や何の特徴もない旅館は除外されます。食べ放題や飲み放題、立派な風呂に駅まで無料送迎など資本のチカラがあるところだけが勝ち抜ける仕組みが出来上がっています。

国内も海外も購買力平価がいびつになっているとすればそれは緩和されたマネーが政府の意図する形に広がらなかったことと急速な時代変化についていけない地方の悩みという組み合わせかもしれません。

個人的には金融緩和が招いた弊害は思った以上に格差を作り上げていると感じています。この収拾を間違えるとバブル崩壊の時と同じ失敗となる可能性も秘めていて、極めて困難な状況になるような気がいたします。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

スポーツだけが金メダルではない2020年五輪4

安倍首相が遠路はるばるブラジルまで赴き、マリオに扮してアピールした2020年東京五輪は首相にとっても金メダルが欲しい4年間の道のりになりそうです。ブラジルへの道中、機内で新たにしたその決意とはバトンを繋ぐよりも独走態勢を望んでいるようにも見えます。首相はマリオのように強くしたたかに走り抜けることができるでしょうか?

安倍首相が今後4年間で独走の金メダルを取るにはハードルは多いものの全体的な風向きは悪くない気がしています。ざっと思い当たるハードルとして

国内経済再生とアベノミクスの成果
東アジア外交、特に対中国の関係。またアメリカ大統領選の行方次第では対米外交も課題
憲法改正問題、併せて天皇陛下の生前退位への対応
少子高齢化対策を含む国家のリバイタリゼーション

があろうかと思います。また、首相がオリンピックまで首相でいるには自民党党則改正が必要ですが、これは身内のルール。首相は明言していませんが、過去の戦略を見ているとどのようなオプションにも対応できるような形にしておき、最後、ベストの対応を取る策略は変わっていません。

例えば都知事になった小池百合子氏との関係は選挙までは「悪い」とされていたのに当選後の会談で「一本取られた」と冗談が出るほどの調子の合わせ方で丸川珠代五輪相は刺客ではなく、小池氏と二人三脚の意味合いがより強い感があります。

安倍首相を取り巻くメンバーは強みを増しており、菅義偉官房長官をうまく抑え、政策で大きな失敗がなければさほど困難ではないと思っています。

外交面で見ると安倍首相が世界の主要国で非常に重要な位置づけになりつつあります。G7のトップのメンツを見ても既に変わった英国、じきに変わるアメリカをはじめ、フランス、ドイツが2017年に選挙です。イタリアのレンツィ首相も秋の国民投票次第では辞任すると表明しています。カナダのトルドー氏はいかんせん若すぎるため、G7を牛耳るにはまだまだでしょう。となると安倍首相は世界の中でも安定した国家の安定した首相として地位が確固たるものになり発言力も増しやすくなります。

プーチン大統領も習近平国家主席も日本には「アベがいる」という意識を持っていますから外交面ではそれなりににらみは効いているはずです。

では国内に目を向けてみましょう。

最大の課題は経済でしょう。2013年にアベノミクスと日銀の異次元緩和というダブル効果で湧き上がった経済も賞味期限は2年程度でした。今や物価は再びレッドゾーンとなり、日銀政策には異論百出であります。黒田総裁の任期は18年4月。それまで全うするのか(あるいはさせるのか)このあたりも注目点になります。

個人的には小池百合子氏とうまく両輪を回すべきだろうと思います。安倍首相は日本のトップですが、小池氏率いる東京は経済の大車輪であり、4年後の主役です。考え方次第では日銀総裁より重要なポジションとなってくるでしょう。

安倍首相が一番苦労するのが憲法改正問題、そして突如持ち上がった天皇の生前退位のご意向であります。これをどのように取り扱うか、慎重な検討が進められていますが、憲法の改正が必要かもしれないという意見が出たことで今後、日本中が大きく盛り上がることになりそうです。

憲法改正の是非は国民一人ひとりが思うところが大きく、賛成派、反対派ともそのボイスは自己主張の声の張り上げ合いになりかねません。もちろん、反対派の理由はこれをきっかけに9条改正につながりかねないという危惧でありましょう。これが国内であまりにもつれると処置の仕方次第では首相の立場が脅かされかねません。ましてやご意向を示された天皇陛下との間に挟まる「あんこ」の状態になってしまいます。ここは非常に慎重に事の成り行きをまず第三者組織に委託しながら揉んでいくことになるのではないでしょうか?

短い任期の首相が続いた日本に於いて珍しく海外のメディアも「ABE」が日本政治の代名詞として理解されるようになりました。この海外向け営業努力は他の首相には誰も成し得なかったことであり、高い評価をしています。

あとは優秀な取り巻きをうまく活用しながら日本が真の金メダルを取れるよう「監督」として力量をみせるところではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランアップに繋がります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

ではまた明日。

緩い連携、これが日本型スタイルのキーワード4

バンクーバーの日系社会。在留邦人数では33000人規模で世界では9位レベル。また戦前、日本からの移住者が多かった当地ではカナダ国籍者となった日系人も多く複雑な日系社会を構成しています。そのため、日系の団体も百数十ありますし、今でもどんどん増えているはずです。若くない私が来週、「バンクーバー若手放談会」を主宰し、ドラキュラのごとく、若いエキスを吸い取る予定ですが、このような個別の集まりも相当多いはずです。

その中で経済団体はざっくり10団体あり、それを束ねる協議会なるものがこの数年、全体のレイヤー作りをし始めています。過去、何度も「団体が多すぎる。合体すべきである」と意見が出ては消え、画策しては没となってきました。なぜか、といえばどんな歴史ある団体でもその創始者のポリシーが生きており、そのポリシーを今の理事や役員が勝手に変えてはいけないという不文律があるからです。他団体と合体出来ないそのフレキシビリティの無さはNPOだからこそなのです。利益団体であれば「利益のため」という名目でお金に色はつかないという発想があります。が、宗教団体が合併しないのと同様、NPOもそれは創始者のポリシーがそこに生きているともいえるのです。

日経ビジネスの特集、「新グループ経営論、縛らず統治せよ、LINE、日立に見る成長のカギ」とあります。この雑誌を手にして、表紙の特集のタイトルを目にした時、「日経ビジネスさん、あなたもついにこれに気がついたのね」と思わず、にやりとしてしまいました。

ひと月ぐらい前、このブログで日本の不思議なシステムに稟議制度があると指摘しました。みんなで回覧し、同意し、担当は質問攻めにあうその理由は「上司への説明のため」であります。挙句の果てにその稟議内容が失敗した場合、だれが責任を取るのか、といえば起案者なのですが、同意したほかの部署の責任はどうなのといつも宙ぶらりんになってしまうのが日本の管理社会であります。

本社とは子会社と支店を「鵜飼」のごとく紐で操りながら絶対に親元から離れないように束縛しています。伝家の決まり文句、「子会社の身分だから」あるいは「連結対象の会社なんだから」お前らの自由にはさせない、これが日本の典型的管理スタイルでありました。

ところが日経ビジネスではそのスタイルは明らかに変わりつつあるとしています。ようやく陽が上るのでしょうか?かつて、子会社には「飛ばされる」と表現しました。「どうしても子会社のこのプロジェクトをやらせろ」という威勢の良い人は案外少ないものですが、なんとファナックの稲葉清右衛門氏は富士通から独立ののろしを上げたそうです。ファナックは押しも押されぬ工作機械(NC)の世界ナンバーワンのメーカーで今は親もとの富士通と比べて時価総額は4倍になっています。

日本の企業人事政策は子会社、関連会社を人材の吐き出し口としてのポジショニングとしてきました。ある程度の年齢になれば肩書が必要、本社の席も少ない、そうなると子会社、関連会社に出向することでその社員の雇用を守るという独特のスタイルをとってきました。これでは人事のベクトルが本社に向かってしまい、子会社の独自の成長に弊害が生じてしまいます。

お宅の子会社の社長さん、年中、親会社にご挨拶と称して情報収集に来ていませんか?そんなことより子会社の成長のために1分でも余計に時間を使うべきなのです。これは人事が「行きたくない人間を子会社に行かせた」ことで本社に足を向けて寝られない関係が生じています。

子会社には優秀でパッションを持った人間を出せ、これが緩い関係のもと、発展できるキーワードではないでしょうか?「キリンビール高知支店の奇跡」はビジネス本としては大きな話題になりましたが、私が思う一つの理由は高知という本社とあまりにも遠いところでは本社の顔色など見ている場合ではなく、そこで踏ん張るしかないというギリギリに追い詰められたものが背景にあったのだろうと思います。私はこれも緩い関係が生み出した成功だと思います。

アメリカ型経営はM&Aです。さしずめ、弱肉強食、狩猟型人間の典型的なスタイルです。これを取り入れた日本は必ずしもすっきりしているとは言い難い気がします。銀行なんていつになったらその出身母体の力関係からサヨナラできるのでしょうか?日本には日本型のまとまり方があります。それが緩い連携ではないでしょうか?

農耕型の日本人が他人の田んぼに対して「ここはうちのところを通る水を引いた田んぼだからお前は俺の配下に入れ」というようなものです。そんなことしたら段々畑の上の人が偉くなってしまうけれどそんなことは日本の歴史ではないはずです。

日本はアメリカの影響を受け続けました。それでずいぶん勉強もしたし、発展もしましたがそろそろ、日本の土壌にあうやり方を見出すべきではないでしょうか?日本の経営改革、まだまだその改善の余地は相当残されているようです。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

2020年代のライフスタイル4

8月18日日経の「春秋」は興味深い内容でした。短いので全文、転写します。まずはご覧ください。

1974年、首相である田中角栄氏の肝煎りで発足したのが国土庁(現国土交通省)だ。時の内閣のメーンテーマを扱う場とあって、さまざまな役所が優秀な官僚を送り込んだという。その代表格であり、後に事務次官までのぼりつめた下河辺淳氏が、先日亡くなった。

▼国土開発の計画づくりに長く携わり「開発行政のドン」と呼ばれた。高速交通網の整備や工場の分散に熱心で、日本列島改造論に影響を与えたとされる。しかし後年にはこうも語った。「大都市、科学技術、自然への挑戦という20世紀型文明は行き詰まった。21世紀は小都市、文化、精神、自然との共生が議論されていい」

▼15年ほど前のインタビューでは、地方の未来についてこう提言している。新幹線より豪華寝台列車でゆっくり旅をしてもらってはどうか。豪華なホテルよりお坊さんの話を聴けるお寺が人気になる。売れ残った工業団地は地方移住の場に提供すればいい。10年後には、道路行政で優先すべき主役は車ではなく人になる――。

▼「開発のドン」というイメージとはいささか違う。鋭敏な感性と柔軟な発想で、時代の転換を読み取っていたのかもしれない。21世紀の国土政策は「人」が軸になるとの言葉も残る。震災復興、防災、地方創生、高速鉄道建設と、今また国土の未来に関心が集まる。下河辺氏の思索の軌跡を、もう一度たどり直してみたい。(転載以上)

役人は時として三歩ぐらい先を読むことも多いものです。1986年のシルバーコロンビア計画はNASAの宇宙ロケットプロジェクトのような名前ですが、実は通産省(当時)が老後は物価の安い海外でのんびり暮らす移住のススメをしたプロジェクトであり、スペインやポルトガルがその対象でありました。

私が勤めていたゼネコンでもポルトガルのリスボン近く、シントラという実に美しい街にそれら富裕層向け住宅を造りましたが確か、元外交官の方がシルバーコロンビア計画を忠実に実行し、ご購入いただいた記憶があります。逆立ちしても日本の普通の老後を過ごすには住環境があまりにも違いすぎ、外交官氏のような半ば文化人的思想を持っていないとあれを快適とは言うのは無理があるでしょう。しかし、その思想は今ならばまた違った感性で受け止められるかもしれません。先読みしすぎたのでしょうね。

実は上述の下川辺氏がかつて新幹線より豪華寝台列車の旅行と発言した記事は覚えています。なかなか、面白いことを言うな、と思っていましたが、日本では現在、豪華寝台列車の旅の予約は取れないほどの人気です。

今、日本ではリニア新幹線の工事が始まっており、政府は大阪延伸を加速するため、安倍首相が援助の手を差し伸べるとしています。何年か前、私はこのブログで日本に本当にリニアが必要なのか、と書いたところ、技術を追求するにも新たな挑戦をするにも必要である、とコメントされていたと思います。

個人的には2027年の世界において人が40分で名古屋に着く価値観があるかは疑問視しています。新幹線はビジネスマンに欠かせない移動の手段であり、タイムイズマネーの世界でリゲインを飲み続けて頑張るバリバリのファイトマンには嬉しい話ですが、それまでにはIT化の進歩でビジネスシーンにおいて人間が移動する必要性はもっと減っていくと思っています。

但し、リニアを輸出産業用の技術の基礎育成と実践として進めるのはもちろん結構です。また、震災が多い日本において大動脈のバックアップも必要です。

香川県高松市はかつて市街化調整区域だったエリアを調整地から外し、道路と住宅開発を進めました。この都市計画には愕然としました。本四架橋ができたことで本州へ人口流出が起き、ただでさえ四国の玄関口としての機能が弱まっていた中で市街化の開発を進めたことで都市が薄く広く拡散してしまいました。理想的な都市育成は一定の人口密度とそれに伴って生まれるコミュニティが作り出す人間関係であります。が、高松市は田んぼを潰し、道路を作ったのです。街の中心にあった日本有数のアーケード商店街はこれで完全に息の根を止められました。実に残念な施策だったと思います。

日本はそれでも1億2000万人の人口を擁していますが、今後、コミュニティ化が進むとみています。つまり、フェイスブックのような繋がりの中で小さいな世界があちらこちらで生まれ、それが細胞結合のように連結する世界です。ビジネスもマクロを狙う大企業に対して地域密着型の新型ビジネスがもっと勃興するとみています。つまり、1000人とか1万人といった狭い商圏にITと人間チックな密接感が融合したスタイルです。

人々は金儲けから働く喜び、所属する喜び、助け合う世界をもっと求めていく世界をより好む方向に進んでいます。日本人ほど金に執着しない人種も少ないのですが、その行きつくところは「仏門に入る」ではないですが、利他の心になると思っています。

鈍行列車の窓開けて冷凍ミカンにワンカップを飲むシーンがふと頭をよぎるのは人がそういう「良き日の思ひ出」をやっぱり求めているのではないでしょうか。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

今週ほどニュースの選択肢が少なかったこともそうそうないでしょう。概ねオリンピックとSMAPで8割以上のニュースを占めていたのではないでしょうか?北米からもニュースらしきものは聞こえてきませんし、バンクーバーで購読しているローカル紙はビジネスセクションがほとんどない状態が続きます。

オリンピックについては嫌というほどニュースがありますのであえて私から何か意見するほどでもないと思いますが、個人的な感覚としては前評判が高かった人とチーム競技は苦戦したかな、という気がします。サッカー、バレーボールは正直、もう少し上に行けるかという期待感もありました。柔道とレスリングのメダルラッシュですが個人競技ながらチームジャパンとしての結束感、そして監督のリーダーシップを称えたいと思います。

オリンピックに限らず水準の高い選手を抱えるチーム競技に残された能力開発はベクトルをいかに一点に集中させるか、これにかかっています。これがぶれなければ「ロス率」が減少しますので高い成果を残せるのではないでしょうか?例えば蚊帳の外となったプロ野球ですが、日本ハムはそのベクトルの焦点が見事な状態にあると思います。あれで大谷がピッチャーに復帰したら恐ろしいことになります。セリーグでは黒田が戻った広島もそうですが、ベテランと若手のギアがカチンとはまっているとワークするのでしょう。そういう意味では女子レスリングはベテランと若手の見事なコンビネーションだったといえます。

さて、まずは凪が続く株式市場を見てみましょう。日本株は日経平均のチャート上、三角保ち合いが続いています。保ち合いは上か下にブレイクすることが多く、かなり煮詰まっているチャートがさほど遠くない時期に動く可能性があります。下値は日銀のETF買いが入りやすく大型株を中心に底堅い展開が予想されます。一方、上に行くにも為替が微妙なところにある中、動きずらいというのが正直なところです。市場エネルギーはかなり萎んでおり、外国人投資家が動かないところに最大のネックがあります。

外国のファンドマネージャーは夏休みからいよいよ戻ってきますので一つのキーは26日予定されているジャクソンホールでのイエレン議長のコメントとなります。但し、最近の議長コメントもパタン化し、市場反応も限定されています。日銀の9月の定例政策会議は最近の日銀政策の検証結果を踏まえたものになるため注目ですが、まだひと月も先の話です。まずは秋にかけていろいろ飛び出してくる材料に敏感に反応することになろうかと思います。

トーンとしては秋にかけて不安感が台頭しかねません。特にアメリカの大統領選挙に絡み、どちらがなったとしてもグローバル化へはネガティブなポジションです。北米についてはトランプ氏がNAFTAを見直すといっていますがクリントン氏ももともと94年のNAFTA発効の際、強力に抵抗した人です。彼女は大統領になった際には一部条件を見直すとしており、TPPの陰に隠れてあまり聞こえてこない話ですが、基本的にアメリカ発の反グローバル化が展開されそうな気がします。

イタリアは憲法改正絡みの国民投票が10月に控えていますが、仮に否決となればレンツィ首相は辞任すると表明しています。問題はイタリアの金融機関が抱えている不良債権の処理が後手になる可能性でしょう。オーストリアの大統領選の再投票も10月であります。

今週、数少ないニュースの中で面白い取り組みだと思ったのが「ふるさとワーキングホリディ制度」。これは都市に居住する若者が1週間から1か月程度、地方で働きながら過ごすプログラムであります。ご存知、ワーキングホリディは若者が特定の海外で年単位で働きながら海外生活体験ができるというプログラムですが、今回はこれの国内版ということになります。もともと自治体がバラバラでやってきたプログラムを総括的にする発想ですが、この記事で注目すべきは「初年度の事業費は国費を当てたい」であります。具体的にどう支出するのでしょうか?

このプログラムの最大の難関は利用者が一定時期に集中する点ではないでしょうか?例えば農家が必要とする春や秋の繁忙期は学生も働く若者も休みが取りにくいタイミングになります。ただ、転職を考えている人などには新しい切り口が提供される意味でプラスです。それ以上に地方の人に都会の若者の存在がどう刺激されるのか、このあたりにも注目しています。

最後にSMAPですが、私は発展的解消だと思っています。一番ショックなのはファンとSMAP関連ビジネスが消滅することだと思いますがジャニーズも新陳代謝が必要です。木村君もマッチのようになるのでしょうかね?

では今日はこのぐらいで。夏休みも終わり週明けから仕事に戻る方も多いのではないでしょうか。この週末は休み疲れをしっかりとってください。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

企業の仁義なき戦い4

任侠の中でもヤクザの世界をみるとその仁義の重んじ方は独特であります。いったん契りを交わせば肉親以上の関係になり、その縁は簡単に切ることはできません。日本はこのような任侠が「男気」として美談化される傾向があり、企業間においても一種の「契り」として株式の持ち合いがありました。

今だからこんなことを言い放つこともできますがかつては日本の銀行は取引先と株式を持ち合い、お互いの仁義を交わしていました。「君には雨の日にも傘を差しだすから」という血判書ですから持ち合いすることで兄弟愛を感じあっていました。

ところがそんな悠長なことを言っている余裕がなくなったのが近年の株式持ち合いで「ドライな関係」に戻りつつあるわけです。それゆえに池井戸潤氏の小説がバカ受けし、「雨の日には銀行の傘は濡れないようにしまっておく」という話がまことしやかに一般社会に浸透していきます。ですが、もとを辿れば本当は銀行が傘を回収したのではなく企業が「傘はいらん」としたのが正解です。そういう意味では池井戸潤氏の小説は銀行を悪者扱いにし過ぎているきらいがあります。

80年代に企業に於いて社債という資金調達方法が普及しました。無担保転換社債や低利の社債などがバンバン発行されたのです。企業は(当時はまだ金利が高かった)銀行借り入れよりコストが安い社債による資金調達を好みました。つまり双方の関係解消のきっかけであります。ところであの時期、企業の資本金は転社の株式転換が進んだことで急速に膨れあがる事態も併発しました。ROEは当然下がります。

次いで2001年に銀行の株式所有を制限する「銀行等の株式の保有の制限に関する法律」なるものが出来て銀行は本格的に持ち合い解消に動き出すのです。持ち合いとは護送船団方式だったとも言え、企業との関係が事業ベースというよりお付き合いの深さで推し量っていたとも言えるのでしょう。

銀行との関係に距離が出た企業はどう防衛したかといえば、稼いだ金をせっせと借金返済に回し、銀行との関係を自ら薄く、軽くしていくわけです。実質借金ゼロとは多少銀行借り入れもあるけれど現預金がそれを上回っている場合をさし、今や企業側が銀行に対して「お宅、金利をもう少し優遇しないなら借金は全額返済して関係解消ですな」と立場逆転すら起きているわけです。

このドライな企業関係は銀行との関係のみならず企業間の持ち合い解消も加速させました。日経によると2016年3月期の1年間で持ち合い解消はさらに1兆円規模に上るとされています。中には三菱グループ内の持ち合い一部解消が進むなど「企業舎弟」すら薄まる状況にあるようです。

昔はビジネスを安定化させるため、垂直型の企業連合のような形で「みんなで助け合えば怖くない」的な発想もあったものと思われます。かつて発注側企業は下請けの会社(協力業者)に株式を持たせたりしたのです。ところが、現在は財務体質が改善した上に、コンプライアンスにガバナンス、声が大きくなった社外取締役の監視の目もあり、無意味な持ち合いはバッサリ切られ、「我が社は我が社の道を歩むのみ」ということなのでしょう。

株式市場ではこの膨大な持ち合い解消に伴う売り圧力が株価を抑え込む原因の一つとされてきました。とはいえ、既に持ち合い解消が本格的に始まって20年もたつわけですからこの売り圧力の影響は軽微になってきていると思われます。

ここから更なる仁義なき戦いがあるとすれば財務力と規模を持つ企業が水平型で市場を制覇しようとする動きでしょうか。例えば住宅業界で飯田グループホールディングスという会社があります。パワービルダーの走りですが、もともとは6つの上場住宅販売会社を2013年に1社に束ねて規模を追求したものです。売上は1兆2000億もありますから大和、積水、住友林業あたりと勝負できる程であります。この業界は資材の購買力と人材活用がキーですので飯田グループの戦略は当たったということになります。

最近では興味深い記事としてゼネコンの鹿島が建設工事会社を自社で設立するというのがあります。ゼネコンは技術を売り、下請けを束ねるのを業としていました。が、その鹿島は自社でそれを抱え込むことで人材確保、技術力の安定、発注価格の安定感などを目論んでいると思われます。これなどは全く新しい囲い込みであるとも言えます。

時代は変わります。その中で企業活動も大きく変化する中で株式持ち合いといった古い体質のしがらみが取れて企業が独自の成長の動きを進めることは日本経済にとって大きなプラスのチカラとなるかと思います。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?

クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

過剰競争の末路4

香港の航空会社キャセイパシフィックの半期決算は利益が82%減となったそうです。東南アジアは航空会社が国の数が多い分だけ競合関係になりやすい状況になります。その上、LCCも各国で花盛りとなり、かつては高いサービスで鳴らしたキャセイの台所事情も厳しいのでしょう。

当地でもバンクーバー発東京行の一部航空券が往復5万円を切る破格の金額(545CAD)で発売されています。これも過剰競争の結果なのですが、航空業界は需要さえあれば基本的にどこにでも飛ばせるので過剰競争が起きやすい業種であります。例えばバンクーバー東京線はインド人の里帰り路線としても利用客が多かったのですが、10月からついにバンクーバーインド直行路線が就航するため、この需要が剥がれ落ちてしまう可能性が高くなります。

これらはグローバル化による過剰競争の典型的な例であります。企業はより業績を拡大させるために外に出ていこうとします。しかし、需要は限りがあるし、一時的なブームやライバル出現もあるでしょう。例えば海外に進出するラーメン店。これはもはや尋常の域ではないのですが、理由は進出しやすい手軽さが背景にあります。それは寿司のような鮮度と熟練技術を求められず、メニューも少なくキッチンはラーメンを作る仕様だけで済みます。このお手軽感覚でどんどん増え続けるラーメン店の供給に対して需要がどこまでついてくるのか、はなはだ疑問です。私もあるラーメン店進出に関して出資の話があったのですが、ラーメン店一軒に1億円かけるその意味合いはどこにあるのでしょうか?

民泊ブームはどうでしょうか?新しいビジネス発想は政府まで動かし、ああでもない、こうでもないといっていたのですが、今後はコアなファンを別としてシュリンクしていくとみています。この類のビジネスは長期安定しにくく、部屋を提供する側も管理をやればとても面倒な仕事だと気が付くはずです。客からすればサービスのばらつきも気になるでしょう。クレームが多い宿泊先はチェックしているとされますが、運営者の言うとおりになるほど簡単にコントロールできません。つまり、本気の経営者しか生き残れないのであります。

中国が苦しんでいます。日経の記事には特に鉄鋼業界の惨状が詳しく記載されていますが、鉄鋼に限らず、あらゆる業界が人員削減に取り組んでいます。職を失った人材は何処に行くのでしょうか?記事に「首を切られず、前より少なくても給与をもらえれば良しとしなければならない」という発言が出ていますが、このコメントはかつて日本でも聞こえたあのリストラの嵐の時代とおなじでしょう。

リーマンショック後に決めた中国の60兆円に上る景気対策で過剰生産設備や過剰住宅供給を行ったことでその反動の清算が追いつきません。2009年頃はリーマンショックで苦しんでいる先進国からは中国の景気対策で一息ついたとその英断をたたえる声が続出していました。

中国は長年の傾向としてもうけ話に人がわっと飛びつきやすく、過剰競争が生み出される素地があります。これが地方都市の不動産バブルであり、造船ブームであり、鉄鋼産業であります。身近なところでは自動車製造メーカーはいくつあるのか知れず、スマホの業界リーダーはころころ変わる状態であります。

カナダは過剰競争が起きにくい国であります。理由は世界第2位の国土に対して人口3500万人では人口密度が十分ではありません。国土の北部の多くは未開の山で主要都市はアメリカ国境沿いにずらっと並びます。その結果、輸送は横横ラインしかなく、アメリカのような四角い形の国でハイウェイが縦横無尽に走っているところとその基礎力が全然違うのであります。

その結果、何が起きるかといえば業界は複占や寡占といった競争の少ない状態に淘汰され適正利潤を確保しやすい企業体質が生み出されました。これは消費側は高い金額を否が応でも受け入れるしかない社会であるとも言えます。ではそんなに価格が高ければ消費者はお金を使わないのか、といえば「払わなければサービスは得られないのよ」と言い、「これが物価だから」と受け入れるわけです。

むしろより付加価値の高いものにシフトしていく傾向すらあります。私はボディソープは一本1500円ぐらいのものを、乾燥肌対策のクリームは2000円ぐらいのものを使いますが、購入の動機は価格で判断したのではなくそれらの価値を見て「相応」だから出費するのであります。つまり効能が先、価格はそれを納得させるかどうか、ということです。

アジアは製造業の拠点でありますが、マスプロダクトから人々の目はよりシビアになってきているそのパラダイムシフトに気が付かないと戦略ミスを犯す気がします。

では今日はこのぐらいで

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

元気のない景気に対策はないのか?4

為替は円高に振れ、国内株式は日銀によるETF買い入れを除けば元気がありません。背景には為替が再び100円を割り込む動きを見せるなど円高傾向が止まらないことで企業業績の先行きに不安感が台頭し始めたからであろうと思われます。

マーケットが閑散な時に為替が動くのは最近では定石で今回もお盆休みで市場参加者が少ない時期に大きく動きました。わずか12時間ほどで1円70銭近く動いた今回の円高劇も目新しい理由があるわけではありません。アメリカの金利が今年上がるかどうかその予想が右へ左へ揺れる度に円は1円近く振れることがしばしばです。実際、今日も円が一時99円50銭台を付けた後、ニューヨーク連銀が今年中の利上げに前向きと発言したとたんに1円ほど円安に振り戻されました。つまり、腰が座らない相場つきであるといえます。

但し、長期のチャートを見ると昨年8月をピークに明らかに円安トレンドは終了し、着実に円高に向かっています。大雑把ですが次の抵抗ラインは95円あたりでこれを抜けてしまうと下抜けで円高はかなり進んでしまう可能性があります。100円の攻防は一時的なもので間もなく100円を超える円高が当たり前になる日も間近に迫っているようにみえます。

さてこの円高傾向で輸出企業の業績がイマイチだというのは理解できます。が、私が注目しているのは不動産業界の不振であります。ついこの間までタワマン、億ションが売れて売れてという声だったと思ったのですが、市場の天気は変わりやすく7月の首都圏のマンション販売数に至っては前年同月比3割減と愕然とするほど落ち込んでしまいました。また、業界の好不調のバロメーターである月間契約率も7割のボーダーラインを下回る63%であり、新築マンションの売り出し平均価格も下げ基調にあります。

理由ですが一部解説に「買い手がマイナス金利の深堀を期待して買い控えている」とありましたがこれは見当違いでしょう。金利は目先にお得感がぶら下がっているものではありません。逆にマイナス金利の深堀を期待する買い控えというならばマンション価格が高騰しすぎたのでもっと安いのを待っているといった方が正解です。

それよりもタワマン億ション購入者が税務署の格好の標的となったわけで、業界が作ったセールストークが税務署を奮い立たせてしまったようなものです。もう一つは中国など諸外国からの買いの手が引っ込んでしまったことがあげられます。中国人の不動産保有の姿勢は所有期間、誰にも貸さず、じっと持ち続けて値上がりを待つスタイルをとるケースも多いものです。つまり、日本の不動産市場が長期的に成長市場だと思えば中国人を含む外国マネーは不動産市場に入り込みます。ところが昨年あたりの海外からの投資マネーは明らかに為替をみたマネーの流入であり、今売れば為替差益がたっぷりとれるため、逆に今後、売り圧力が強まるサイクルに入ってしまっています。逆立ちしても今から外国勢の個人マネーが日本の不動産を積極的に購入する理由は見当たりません。

一般企業はどうでしょうか?爆発的ヒットがあまりないように思えます。例えばオリンピック前はテレビの需要が増えるのがかつての定石でしたが今やテレビ自体に劇的進化があるわけではありません。6月の薄型テレビ販売台数は前年同月比マイナス21%で、前月と比較してもマイナスです。4Kテレビといっても4K放送ではない限り明白な違いはなく、ここから先、8Kに進化させてもごく一部の需要層を刺激するだけで市場全体を揺らすような商品にはならないでしょう。

期待される自動車業界はどうでしょうか?日産が高速道路で同一車線に於ける自動運転対応車を発売します。自動運転車は今後進化のステップを重ねるでしょうが、完全自動化はまだまだ時間がかかりそうです。この改善ステップは心理的にもっと良いものが近く発売されるという買い控え現象を起こしかねない可能性がないとは言い切れないでしょう。

何がこの苦境から脱出できる良策なのか、実に難しい課題ですが、個人的には個人消費を伸ばす対策を考えるよりも、企業業績を伸ばす施策が要になるとみています。企業が儲かれば設備投資や新規事業への投資もするし、給与も上がるし、各種税収も伸びます。

日本の問題は中小企業の大半が税金を払っていないというばかげた事態に陥っていることが大きな課題でしょう。私はここに何か経済の落とし穴があるような気がしてなりません。とんでもない発想ですが赤字企業にペナルティ的課税をして退場を促すという脅しでも効果がある気がします。マイナンバー制度の結果、何か改善が見られるのでしょうか?このあたりも興味深いところではあります。

夏休みが終わり秋に入ると英国EU離脱問題にアメリカ大統領選などで為替は円高に振れやすい要素が出てきます。秋は経済問題が噴出しやすい時期でもあります。シートベルトはしっかり締めた方がよさそうですね。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

新版 会社は誰のもの?4

会社は誰のもの、という質問は多くの働く人にとっての共通の話題でしょう。株主のもの、従業員のもの、経営者のもの、この三つが従来言われてきた選択肢です。一般的には株主のものとされますが、日本では従業員のものという発想も強いのが特徴です。経営者は会社という組織のドライバーであり、従業員という資産をいかにうまく使うか、その技術、能力を売るスペシャリストとみるとナチュラルな気がします。

株主のものとする発想は個人的には完全同意できません。株主は資金を提供する存在ではありますが、株主は経営にコミットできませんし、無能であることも多々あります。金を出す人間が頂点に君臨する仕組みは現在のように金融緩和が進み、格差が拡大する中にあって拝金主義を増長させることになります。

キリスト教のもともとのスタートは労働とは罰であり、嫌な事でありました。一般的な労働のイメージは肉体を提供し、労働への一定時間のコミットを行い、やらされるという受動的な感じがいたします。その点、現在のアメリカは緩和マネーが潤う人間をより潤す仕組みにおいて「1%の人たち」にとって労働の概念を変えてしまったともいえましょう。

会社は誰のものという議論はこんな具合にいろいろな見方ができますし、異論も相当あろうかと思います。こんな中でこの永久不滅の議論に新たなる切り口が現れました。「会社は日銀のもの」であります。

まずはブルームバーグの以下の記事の一部をご覧ください。

「ブルームバーグの集計によると、8月初旬時点で日経平均株価を構成する225銘柄のうち、75%で日銀が大株主上位10位以内に入っており、楽器・音響のヤマハに至っては既に事実上の筆頭株主状態にある。日銀が今回、ETF購入枠を従来の約2倍へ拡大したことで、年内にはセコムやカシオ計算機でも筆頭株主化し、2017年末には55銘柄まで増加する見通しだ。」

7月29日に日銀はETFを3兆3000億円から6兆円まで買い増すと発表しました。当時、日銀としては最善、かつ最も悪影響がでない選択肢であると考えられていました。選択肢の一つ、マイナス金利の深堀は金融機関の経営に響くことが指摘されており、事実、金融庁が具体的数字をもって影響度を発表した経緯があります。

国債についてはすでに市場は日銀に荒らされ尽くされていますが、市場の最大の懸念は国債リスクであります。特に生保や地銀のように国債の保有残高がいまだ高いところは国債価格が下落(利回りが上昇)した際には自己資本比率にダイレクトに響くため、戦々恐々としているというのが正直なところでありましょう。

そこでETFが選ばれたわけです。ETFとはExchange Traded Fundの略で上場投資信託と訳されます。投資信託ですので個別の銘柄を買うわけではなく、組み合わせを買うのですが、その組み合わせも日銀のように莫大な金額を投じるとブルームバーグの調査のような結果になるということです。

具体的な銘柄も指摘されています。

すでに筆頭株主 ヤマハ
年内に筆頭株主 セコム、カシオ
17年3月までに筆頭株主 エーザイ、電通、安川電機、ニチレイなど
17年末までに筆頭株主 ファナック、京セラ、テルモ、ダイキン工業、TDK、住友不動産、オリンパス、アドバンテスト、三越伊勢丹ホールディングス
この傾向は18年以降もどんどん続きます。また、ファーストリテイリングの浮動株比率25%のうち、すでに日銀は半分を確保し年末までに63%となるそうです。(以上ブルームバーグより)

もちろん、先々の話は予想でありますが、今更日銀が方針をひっこめるとも思えませんのでこのブルームバーグの調査は注目すべき内容だといえそうです。

日銀を含む中央銀行の従前の金融政策においては景気へのカンフル剤および調整弁として高い期待のもと一定の効果が生み出されてきました。しかし、最近の政策は副作用がありすぎないでしょうか?先の国債市場、マイナス金利、そして今回のETFもこのままでは株式市場を歪めることになります。

一般的に金利が健全なプラス圏内にあった時代においては金利の上げ下げで景気循環の波を乗り越えることができたのですが、それを超えた緩和策は異次元の世界であり、その影響力については完全に検証されていません。それこそ原発を作ったけれどその終末処理の仕方がまだ決まっていない話とそっくりになってしまいます。

日銀がETFへ資金を突っ込むのは日本を代表する会社群であるから個別銘柄にふらつきがあっても全体論からすれば長期的に安定するというのが前提であるはずです。ですが、ETFを通じた会社の実質筆頭株主が日銀となると経営側は微妙な立場になるでしょう。それは会話ができない筆頭株主であるからです。

日銀の目的はそのウェブサイトからも明白なように物価の安定と金融システムの安定であります。よって個別一般企業への介入はその目的論からしてないと考えられます。ところが日銀の目的を遂行するために投じた資金が意図せずして一部の企業の筆頭株主、ないし大株主になってしまうことは放置できるのか、という素朴な疑問は生まれます。

会社はだれのもの、株主のものというQ&Aがある程度正しいとすればこれら日本を代表する企業は日銀のものになってしまいます。しかも経営にはタッチしないとすればこれは株式市場の健全性に大きな疑問を投げかけざるを得ないのではないでしょうか?

中央銀行はその政策がよりエキストリームになってきています。ところが市場はその刺激に対して鈍感になってきています。麻薬と同じようにその刺激を当然と感じるようになるといざ刺激を無くそうとすれば副作用はより厳しいものになりやすいでしょう。こうみるとたった一つの日銀政策であるものの、日本経済の長期的健全性にどうしても疑問符をつけないわけにはいきません。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

日本が変わった日4

長い日本の歴史の中で世の中が大きく変わったことは何回あったでしょうか?日本が明白に統一されて以降では徳川政権発足の時、開国の時、江戸幕府が終焉し明治時代になった時、そして終戦の時ではないかと思います。我々が経験している時代の中ではバブル崩壊の1990年が極めつけだったと思います。

それらの時とは地殻変動のような大きな外的変化により国民が持ち続けていた常識観を崩壊させるということでしょうか?徳川政権の時は「これで戦国時代が終わった」という安堵感があったでしょうか?開国は島国ニッポンが目覚めたとき、明治はまさに近代国家の走りでちょんまげも侍姿もなくなり、洋服を着る時代が始まります。これもある意味、前向きの刺激だったと思います。つまり、ここまでは日本はプラス作用の地殻変動だったとも言えます。

が、終戦は明らかに違います。日清戦争、日露戦争と勝ち進み、開国して50年程度の日本は世界の中でとんでもない国という評価を受けます。そして国際連盟において日本は常任理事国として世界の一流国であるという自意識を持ち始めます。一方、国内では軍の存在感が飛躍的に増大します。その陸軍では226事件を通じて皇道派と統制派の亀裂が明白となります。内閣はそれまでの政党政治が軍による支配となり、明らかな軍国主義と化していきます。そして勝てると信じていた戦争は大本営が退路を自ら絶つことで聖戦としたものの8月15日の玉音押送でその精神的支えは崩壊しました。

日本が走った明治から昭和の時代は専門家の意見も表現も百出だと思いますが、個人的にはこのように考えています。

日本が勘違いをしてしまったきっかけと思えるのは日露戦争の賠償交渉だったと思います。それこそ想定外の善戦で日本はあのロシアを打ち負かします。(日本は想定外になったことがもう一度あります。それはモンゴル帝国が攻めてきた元寇⦅文永の役、弘安の役⦆で、正にカミカゼ日本でした)しかし、ポーツマス賠償交渉では全権、小村寿太郎の判断を国民が良しとしませんでした。これが国家を挙げての盛り上がりの契機となったと考えています。

マスコミがこれに加担したこともあります。思想を支配する動きも出てきましたし、政府による言論統制もありました。国民は嘘か本当かわからない情報をうのみにさせられ、国民意識の高揚化が図られます。国際連盟で脱退宣言した松岡洋右への国民的喝采、短命政権が続く中で真打登場となった近衛文麿首相に日本は狂喜乱舞し、近衛コールは尋常ではない国家の盛り上がりを見せたのであります。

8月15日、日本は覚醒します。政府や軍、大本営をその戦争責任とする見方もありますが、日本全体がそのようなムードの中にあったことも否定できないでしょう。もちろん、事実を知らされていなかったという一種のマインドコントロールがその背景でありますが。

こう考えると戦後の日本の新たなる繁栄とは民主化とともにまともな情報が行きわたることで国民一人一人の意識が変わったことがあります。元来、生真面目で努力家の性格である日本人は銃を捨て汗をかくようになりました。これがバブルまでの日本を作り上げた原動力であります。どれだけ汗をかくか、これが会社などの組織の中で新たなる共同体意識を作り上げていきます。が、ここでまた、同じような間違いを起こしてしまいます。それは日本は世界の中で経済的に最も優れた国である、という勘違いであります。世界の不動産を買い漁り、株価は永遠に上がると信じてしまいます。

こう見ると8月15日は悲惨な日であると共に明日へ繋がる未来が残されていたとも言えます。だからこそ早い復興だったのではないでしょうか?確かに朝鮮戦争特需などもありましたがそれがなくても日本は確実に高度成長を遂げたと思います。

では1990年のバルブ崩壊後、なぜ、日本は変化できないのでしょうか?日本の長い歴史の中で日本が激変する事実が生じてからこんなに長く不振に陥ることはありませんでした。いやいや、もしかしたら私たちは間違っているかもしれません。経済成長が正で経済不振は許されないというのが回答ではなく、「真の豊かさ」を日本は求めているのかもしれません。

80年代まではコンプライアンスなどありません。あらゆるハラスメントが存在しました。暴力団が闊歩し、大手企業との癒着もあり反社会的勢力が世の中の一部に歴然と存在していました。株主総会を仕切る輩もいました。が、その殲滅は進みました。業界にはびこった談合は厳しく処罰され、組合が経営を牛耳った国鉄、日産、日本航空は解体的出直しとなりました。

ディスクロージャーの時代はあらゆるものを「見える化」しました。子供が学校でどういう教育を受けているのか、会社の中であってはならないことが起きていないか監視する体制も進みました。もちろん、IT化や監視カメラが増えたこともあります。しかし、それ以上に国民が知る権利を持ち、高い関心で物事に意見をするようになりました。

日本が変わる度に我々は一歩ずつ階段を上り、意識は変化しました。豊かな日本を演じた日本はまだまだその心の豊かさは十分ではありません。今、物欲から意識欲への変化の過渡期にあるとみています。この質の向上は日本独特の進化を遂げていると思っています。それゆえにノーベル賞も増え、世界最高水準のスポーツ選手も数多く輩出しています。

我々は恵まれた時代にいます。が、子供たち、孫たちのライフをもっと進化させるための努力は惜しんではならないと思います。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

夢はありますか?4

SMAPが解散するそうです。40代ぐらいの女性には衝撃的事実なのかもしれません。考えてみればかつてピンクレディやキャンディーズの解散も大きな話題となりました。何故解散するのか、それは各々の成長のベクトルが違う上に向かっている目標がグループ活動をしながら少しずつ軌道修正されていくからではないでしょうか?音楽から司会やドラマなどで活躍しメンバーの個性はそれぞれの適性を生み出します。だからこそ、世界で一つだけの花を咲かせたともいえます。言い換えれば解散するに至ったのはSMAPのメンバーの成長そのものでしょう。私もカラオケで彼らの歌をかつてはよく歌わせてもらい、親しみ一杯です。ですが、この解散は彼らにとって第二の人生を送る花道でもあると信じています。

私が幼少のころ、何になりたいのか、とよく聞かれた記憶があります。親のみならず、親せき、友人、学校の先生、近所の人などいろいろな人から尋ねられ、その度に答えが変化していったように思えます。電車の運転手、パイロットあたりからはじまって天文学者とかロケット飛行士なんていうのもありました。高校ぐらいになると一時、競輪選手になりたいと思ったこともあります。その後、海外で活躍したいと思い、大学に入って外交官になりたいと真剣にチャレンジもしました。

こう考えてみれば人の夢なんて全然一定していないのですがその理由は周りからの刺激だったと思います。あの頃はすべてにおいて可能性があり、自分がどんな道にでも進めるチャンスはありました。つまり自分がどれだけ様々なものに出会い、見聞きをし、影響を受けるかがキーだったと思います。

その後、会社に入社した時のオリエンテーションで人事部が新入社員を全員集めて会社でどんな仕事とどのポジションまで行きたいか、と各々に発表させた際、私は社長と答えたのですが、百数十人の新入社員で社長と答えたのはたしか私を含め3人ぐらいしかいなかったと思います。

この頃から社会が夢と現実の挟間を感じさせるようになってきた気がします。多くの同期は偉くなる意味がない、責任を取りたくない、自分の時間や家庭とのバランスをその理由にするようになってきました。それはそれで一つの価値観です。しかしその価値観が残りの人生ずっと変わらず、というのは腑に落ちません。

私は自分の人生を双六に例えています。サイコロ振って6が出れば一気に進むけれどそこには落とし穴があり、10歩後退なんていうこともあるでしょう。三歩前進二歩後退の人生の中で双六のゴールを目指しています。但し、ポイントは双六ゲームは一度にあらず、であります。私はすでに2巡も3巡もしたと思っています。でもまた新たに挑戦して次の双六をやっています。SMAPのメンバーも双六二巡目をこれから楽しむのでしょう。

人生の夢はいくつになってもあります。そして達成できたらどんどん新しい夢に変わっていきます。私がバンクーバーで熱意をもってあたってきたのが一人でも多くの日本人の若者を国際人に育てたい、でありました。これはもう15年近くやっていると思います。最近は老いゆく日系社会の新陳代謝を考えています。これもどうにかしなくてはいけません。

実はビジネスとして最もやりたいのが日本の商店街の再生。これは何十年来の夢であります。なぜ商店街かといえば近所づきあいを通じたコミュニケーション、それが人の交流を作り上げるインフラになりうるからです。こう見ると私の夢の視点が変わってきていることに気がつきます。昔はMEが主眼の夢でした。それが会社という組織をまとめたい、その次に自分の周りの社会をもっとよくしたいという夢に変わってきています。

年齢を増すと自分の世界に籠る方が多いと思います。人生頑張ってきたんだからゆっくりしよう、というわけです。例えばそば打ちを始める男性は多いのですが、なぜそば打ちなのか、自分でうまいそばを食べたいからなのか、友人にうまいそばを食わせてあげたいからなのか、この目的の違いは大事だと思います。

北米と日本での人生は私の場合大体半分半分。日本はまだまだMEの視線が強い気がします。北米で私は違う夢の色をずいぶん勉強させてもらったと思います。感謝、感謝です。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

山の日が新たな祝日として加わった日本は暑さもあって仕事モードではないのだろうと思います。海外もすっかり夏休み状態で観光客目当てのビジネスは稼ぎ時なのでしょう。私のところのレンタカー部門も7月が過去最高でしたが、8月も同ペースを維持しております。

さて、今週はまず、月曜日の天皇陛下のビデオメッセージがありました。ある記事に天皇陛下は完全主義者との記載がありましたが、私の勝手な想像は責任感が非常にお強い方ではないかと思っております。それゆえ「象徴としてのお務め」をきちんとこなすことを最優先し、且つ、手抜きはしないというスタンスのようにお見受けします。摂政もお気に召されないとのことですが個人的には英語で言うアサインメントでは究極的な責務は自分に残ることになるのでそれが嫌なのだろうと理解いたしました。

ある識者のコメントとして仮にこのご意見を受けて政府が何らかの行動を起こせばそれは「政治的発言」になるのではないか、とありました。それを言ってしまえば天皇陛下の全ての行動は大なり小なり間接的に政治的一定温度が存在すると解釈することが可能になってしまいます。会食でもご訪問でもどなたと会ったか次第でどうにでも解釈可能となります。

ただ、今回の件については陛下のご意見を国民が受け止め、国民が政治に働きかけたとすれば解釈問題は回避できると思います。ここは素直に早急なる検討、対策を打ち出すべきだと思います。

次の話題ですが慰安婦問題支援で日本政府は10億円拠出を正式に決めました。少女像問題の行方が何も決まらないまま資金提供だけ先行するその政治的判断は尊重しますが、このままでは少女像はずっと残るような気がいたします。今回は日本政府が急いだ気がします。タイミング的に8月15日前であること、また北朝鮮問題に対して日韓米の連携を強めることがその背景かと思います。

慰安婦問題を声高に訴えるのは一部の人とその取り巻き人権団体が主導するものであって、国を挙げての問題とは言えなくなってきています。ただ、この問題を韓国人に振れば苦々しく思うに決まっているわけで日本を許すなどとはまず言いません。朝鮮半島の思想は死んでも恨み続けるその執拗さに特徴があります。今回の10億円は今の政府が当座の様々な問題を円満に抑え込むことが主眼でこのクスリの効能が10年、20年後に切れた時、また同じようなことを繰り返さないとも限らない気がいたします。

経済の話題をいくつか。

金融庁が日銀のマイナス金利政策について懸念を表明しました。大きなニュースになっていませんが、これは異例のことであり、今後の日銀政策に影響が出ると思われます。金融庁はマイナス金利により金融機関の業績に極めて大きな影響が出て健全性が失われつつあることや国債運用をする生保で自己資本比率が半分に落ちた会社もある等深刻な状態が生じている調査結果を踏まえたものであります。

アメリカはマイナス金利には慎重、英国も中銀総裁が緩和はすれどマイナス金利は考えていないとするなど日欧のチャレンジを傍で見て必ずしも前向きに取り組める施策ではないと判断している節があります。独立性を訴える日銀政策に金融庁の懸念がどう響くのか、表面的には何もなさそうでも水面下では相当のバトルがあるとみています。黒田総裁も心穏やかではない夏休みになるのではないでしょうか?

TPP。やはり消え去るのでしょうか?クリントン氏がこの時点で反対を明言したとすればオバマ大統領は大統領選が終了した11月から新大統領就任の1月までの間隙をぬって法案通過を目指すという目論見は犬の遠吠えにも聞こえます。グローバル化が急激に逆回転をし始めたのがこの1-2年の世界の動向です。この元をただせばなぜなのか、私は中国が世界の工場化し、WTOがそれを推し進めたその反動が今になって出てきたように思えます。

つまりTPPそのものというよりアメリカは中国の製品に押しやられ、そのアメリカは中国で市場シェアを確保できないアンバランスさにアンチグローバリズムの芽を育んではいないでしょうか?個人的には二国間で締結するEPAはまだ推進の余地があると思いますが、地球規模では当面そのような盛り上がりにならないと考えています。

最後にオリンピック。当初私は大丈夫かね、というコメントをさせて頂いたのですが、その初っ端のつまづきが良い刺激になったのでしょうか?順調にメダルの数を増やしています。アメリカ、中国のメダルの数が多いのは人口が日本よりはるかに多いメリットがあるでしょう。それを勘案すれば日本のメダル数は大善戦と言えそうです。

とにかく明るい話題が今の日本には必要です。朝起きてネットを見たらメダルがまた増えていたという気持ちのよい日々を迎えられることが前向きにさせてくれそうですね。ぜひとも目標の金14個、勝ち得てもらいたいと思います。

では今日はこのぐらいで。皆さまよい夏休みをお過ごしください。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

地方再生なのに一極集中が続くわけ4

かつて地方の人からすると東京は「恐ろしいところ」と言われました。東京出身の者としては聞き捨てならないわけですが、理由は(人間が)冷たそう、(人々の動きの)スピードが速そう、複雑すぎて難しそうでついていく自信がない、というわけです。

最近、この言葉を聞かなくなったのは若い人を中心に情報が行きわたったことがあるかと思います。東京がどんなところか詳しく見えるようになり、マイナスイメージよりも「面白そう」「おいしそう」で僕も私も東京へ、ということなのかもしれません。むしろ、地方の疲弊ぶりは深刻で駅前のかつての繁華街にはコンビニと食堂が寂しげに営業し、人が集まるのはパチンコ屋だったりするわけです。これでは若者を地方に括り付けておく方が難しいというものでしょう。

月曜日の日経トップは「企業の首都圏転入最多」となっています。サブタイトルが「昨年13%増、働き手確保狙う」で「一極集中歯止めかからず」とあります。企業業績はおおむね良好で攻める経営が重視されています。攻めるならば顧客、取引先、さらには情報が集中する東京はうってつけでありましょう。また、名刺に記載される本社の住所が「東京都港区…」ならば格好いい上に凄そう、儲かっていそう、信頼できそう…となるわけです。

新聞記事にある転入転出のグラフが日本経済の歩みを見せているかのようです。80年代初頭から03年ぐらいまでは地方の時代でありました。つまり、企業が首都圏の外に本社を動かす流れです。その後、今日に至るまで東日本大震災の直後を除き一極集中が続きます。80年代は不動産の高騰という問題がありました。多くの企業は高すぎる東京本社の維持費に悲鳴を上げ、地方に向かいました。また、当時はまだまだ日本は若く、地方でも活力がありました。

その後、政治機能を首都から移転するという議論もありました。かなり本格的な議論が進み、日本は本気でブラジルが意図的に作り上げた政治機能都市、ブラジリアのような街を作るのかと思いきや、地方移転したくない政治家や官僚がせっかくの盛り上がりをあっさり潰してしまいました。

地方勤務をするサラリーマンの方が思うことは「いつかは本社に」ではないでしょうか?同様に会社が首都に移転するその意味は人が首都を目指しているとも言えます。それに対して地方は「都落ち」であって日本の歴史背景が反映されているかもしれません。

アメリカの都市を考えてみるとNY、ワシントン、ボストン、アトランタ、シカゴ、ロス、サンフランシスコ、シアトルなど巨大都市があちらこちらで成長し、かつ、それぞれの都市に特徴が見られます。金融であり政治であり、ITであり、製造業であったりするわけです。あるいは教育というのもあるかもしれません。お国自慢ではないですが、それぞれの都市に地域特性を持たせています。

カナダでも経済のトロント、フレンチカナディアンのモントリオール、アジアゲートウェイのバンクーバー、資源のカルガリー、政治のオタワなどそれぞれ性格が全く違う都市であります。では日本をそのカテゴリーで分類できるかといえばとにかく巨大な東京、製造業の名古屋、商人の大阪、アジア大陸との接点の博多となるのでしょうか。しかし、札幌、仙台、高松といった都市はその特徴を書き出しにくいでしょう。その地域の中心ではありますが、それ以上のものもない気がいたします。

何故、地方に色が出ないのか、といえば役人も企業も東京中心主義であり、地方を理解し特徴を持たせた都市づくり、地域経済づくりを進めなかったことはあろうかと思います。例えば一時話題になった徳島。IT普及率が高く、関連の起業者も多かったのですが、その後、話題になりません。それはせっかくのチャンスを魅力ある政策等でさらに引き付け、面白い街づくりを進めなかったからでしょう。極端な話、徳島と東京を結ぶLLCをはじめ、特定産業誘致の優遇税制、不動産のあっせんや人材確保、さらに遊びを充実させたり夜の徳島を魅力的にするということも必要でした。またこれらは官民合同で進めるべきでした。

官民と申し上げたのは官の仕事は原理原則に従い、骨格を作るのが得意ですが、そこに魅力はありません。民間はその骨格にボディという形を上乗せすることで一般人がわかりやすい内容に仕立てあげることができます。

日本はどうしてもお役所主導でことが進みます。そして業界団体などとの軋轢の中でギリギリの調整が進むというのがいつものパタン。それゆえ例えば民泊のルール作りもいつまでたってもはっきりしないわけです。こんなことしていればせっかく盛り上がった民泊ブームも消えかねません。(いや、たぶん、あと1年ぐらいでブームは終わると思っています。)

地方再生は官が主導するというより官民一体化で投資を呼び込む仕掛けが必要だと思います。やみくもに地方の時代を作ろうとしても何も生まれません。その場所だからその産業が必要だ、と思わせる論理性も必要でしょう。

早く地方再生を進めないと疲弊は思った以上に加速度を増して進んでいるような気がいたします。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

大手と中小企業の違い4

ビジネスもののドラマにでてくる立派なオフィスビル、広くてにぎやかな社食、最新のセキュリティシステム完備といった設備はいかにも儲かっていそうな大会社のイメージそのものです。そこで会議となれば役員や部長がふんぞり返って部下の報告を頭ごなしにコケにするシーンにしばしば遭遇します。多分、事実もさほど変わらないのでしょう。

有名企業の役付の人はそんなに偉いのかといつも不思議に思うのですが、年功序列、肩書重視の日本社会に於いて上の言うことは絶対服従であるわけで折角若い社員がよいアイディアを持っていても無視されるか「お前が言うのは100年早い」と叩かれるのが関の山でしょうか?

ところが外部の人間からすると大手企業の社員は担当範囲が狭いため、こちらの質問に答えられないことも多いものです。「その件は別の部署でやっているので調べてから返事します」などというのは日常茶飯事であります。

某日本自動車メーカーの技術者だった人に「今度発売される例の車だけど」と聞けば「すみません、私はエンジンのごく一部のことしかやっていなかったので販売される車の件は全然わかりません」と。ではエンジンに詳しいのかと思い、「このエンジン音なんだけど異音だろうか?」と聞けば「そういうのは分かりません」と返されました。いったい、何ならわかるのだろうと疑問がわくと同時に大手企業に勤めている人材は何が優秀なのだろうかとずっと考えさせられています。

個人的には大手企業に務める社員は潜在的レベルは高いのだろうと思います。厳しい入社試験を乗り越えたその意味は履歴書がそれなりに美しく、受け答えもしっかりしていたからこそ入社できたとも言えます。

次いで日本でも海外でも大手企業の特徴は社員教育に異様に力を入れるということでしょうか?私が某上場会社に入社した際には驚くなかれ3か月間英語学校に突っ込まれたのです。百数十名の新入社員全員です。朝9時から午後5時まで英語学校で英語の勉強だけなのにちゃんと給与は満額貰えましたし、6月の初めてのボーナスは寸志のような50000円を貰ったのが強烈な印象でした。大企業だからこそできる余裕だと思います。

当時、その会社で優秀な人材はアメリカのMBAに社費で毎年1-2名送り込まれていました。太っ腹だなと思ったのですが、これはある時パタッとなりました。理由はMBAを取って帰国した人材はその後誰一人会社に残らず、退社していったからです。

さて、中小企業の社員は何が違うかと言えばマルチプレーヤーが多いこと、社員を皆知っていること、何処で何が起きているのかある程度は把握している点でしょうか?全体を把握したうえで自分がその中でどんな位置づけの仕事をしているのか理解することは意味が深いものです。大手企業の場合は「会社が決めたことだから」という説明にならない上司からの指示が飛ぶことが多いのですが、中小はそれなりになぜに対する答えは出されることが多いのではないでしょうか?

東大ベンチャーなるものが話題になり優秀な人材が企業に務めず自分のビジネスを立ち上げる流れが注目されています。私が大学生の頃に学生ベンチャーが流行ったことがあり、孫正義、重田康光、折口雅博の三氏がその走りだったと記憶しています。一番目立ったジュリアナの折口さんは最近どうしたのか耳にしませんが、重田さんは株式市場でかつて20日連続ストップ安の珍記録を作った光通信でしっかり足場を築いています。

私は大手社員の才能はもっと引き延ばせるのではないかと思っています。大手の組織はとがったものを丸くする役割を果たしています。巨大な共同体ほど皆が同じ方向を向くきれいな形になりやすいのは上司の査定が気になるからでしょうか。しかし、これは実にもったいない気がします。

最近はジャスダックなどから面白い企業が生まれてきています。一方大手は挑戦に対する失敗を必要以上に恐れているように感じます。これは上司が踏み出すことで責任を取ることを恐れているようにみえます。ジャスダック企業のように組織がまだ巨大化していない会社は創業者が全体を見渡しリスクテイクを判断できるところに強みがあるとも言えます。

大手も信賞必罰をもっと明確にしていかないと何もしないことに意義があるといわれ続けてしまいかねません。むしろきらりと光る中小に優秀な人材が流れかねないとも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

尖閣に集まる船は習近平氏の焦りそのもの4

外交も夏休みであるこの時期、尖閣周辺に漁船と公船らしき船が突如集まりだしています。日本政府は中国側に連日の抗議をしていますが、いったい中国に何が起きているのでしょうか?

中国から一時の勢いを感じさせる話題が聞こえなくなった気がします。今からちょうど1年前、中国の株価が暴落、そして今年1月に二度目の試練がありました。それから約半年強、中国の株式市場は政府の必死の市場介入で指数を維持し、不安感を鎮静させることに努めました。

ところが臭いものにいくら蓋をしても歪んだ蓋はきちんと閉まらず匂いは漏れます。不都合なことに鉄道部門でも問題は起きてしまいます。中国が威信をかけた高速鉄道輸出計画はメキシコやアメリカでの白紙撤回、そして、唯一受注しているインドネシアでも工事はほとんど進んでおらず、インドネシアと中国側でその責任の擦り付け合いをしています。

もともと日本への発注で10中8,9決まっていたもののインドネシアのジョコ大統領の慢心でひっくり返ったような経緯があります。ジョコ大統領は今になって日本に再びすり寄る姿勢を見せているともされています。いずれにせよ、中国の鉄道輸出が失敗したことは世界における周知の事実となっています。

そこに更なる打撃となったのが6月、英国が国民投票の結果、EUからの離脱を選択したことであります。これは中国政府にとっても想定外の結果でありました。中国は対欧州経済政策について英国との関係を強化し、英国を通じてEUへの食い込みを図るプランでありました。

事実、習近平国家主席が英国に訪問した際、女王をはじめ熱烈な歓待を受け、習国家主席としては自身の力を内外に示す真骨頂そのものでありました。

英国の不都合はEUの離脱選択だけではありませんでした。親中派のキャメロン氏があっさり首相の席を降り、メイ首相に変わった途端、お約束だった中国による英国の原発事業を見直すと発表したのです。つまり、中国にとって完全にメンツを潰された形となりました。

問題は経済関係に留まりません。南シナ海に人工島を作り、飛行場まで建設した中国に対して仲裁裁判所の裁定で完全なるクロの判断が下されました。中国側はもちろん一歩も引かない態度でありますが、国際会議の席ではその件について言及せず、各国個別にやり取りするという外交的ディフェンスの姿勢に転じています。

更にアメリカは韓国に高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備することを決定しました。これは表向き、北朝鮮との対立軸となっていますが、当然ながら中国への脅威ともなります。中国はこの事実に大きく反発していますが、今のところ、これが覆る可能性は低そうです。

では今さらの尖閣の船団は何か、といえば中国の力を示す数少ない方法の一つともいえるのではないでしょうか?そしてこの作戦が中国全体の和をもって行われているとは思えず、習近平国家主席の苦しさそのものを表しているともいえましょう。

現在、中国では北戴河会議なるものが開催されています。これは共産党長老と現役指導部が現状を様々な見地から討議する年次の重要会議でありますが、長老には当然ながら反習近平派もあり、これらの施策の失敗を糾弾している可能性は否定できないでしょう。今年は2017年党大会に向けた人事問題が主題とされますが、当然、そこには激しい派閥争いが繰り広げられます。

個人的見地とすれば尖閣への船団は習国家主席とその派閥の北戴河会議向けパフォーマンスではないかという気がしてなりません。この会議があくまでも国内の力関係を見せつけるものである以上、習氏としてはコトがうまくいっていると見せつけなくてはいけません。

が、全体像としては反習近平派が攻め入る余地はかなりあるように思え、今後、共産党内の軋みが生じる可能性は否定できないと思います。中国数千年の歴史で皆丸く収まって仲良しが長く続いたことはなく、現代のように利害関係が複雑になればその力関係はより接戦となることでしょう。

日本が中国国内事情で振り回されるのは全くありがたくないことであり、岸田外相の怒り心頭はこのあたりからくるのではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

イチローとオリンピック日本選手団4

イチロー選手のMLB通算3000本安打にまずはご苦労様と申し上げたいと思います。歴史あるアメリカという敵地でアメリカ人のプレーヤーですら30人しかなしえなかった記録達成は海外に居住する私からすればいかにそのハードルが高いかよくわかりますし、同じ海外で仕事をする人間として憧憬すら感じます。

今から10数年前に私はある日本の重鎮の方にこんなことを言われたことがあります。「君の仕事は日本のレベルなら当たり前だけど海外で達成しているから立派である」と。つまり私は多くの皆様と比べて大したことをしていないのですが、ただその舞台が海外であるが故にハードルが高くなかなか達成でき得ないそうです。

かつて日本のプロゴルファーは日本で勝っても世界で勝てないといわれました。メンタルなスポーツ、そして4日間という長丁場故にその独特の雰囲気に飲まれるのでしょうか?ゴルフでは言葉による妨害は少ないかもしれませんが、それがない故のプレッシャーは相当あるでしょう。

ヤンキーズに在籍していた松井秀喜選手は確か、その独特な雰囲気に苦労したと述べていた記憶があります。野球の場合には観客の期待通りにならなければ翌朝の新聞どころか、その場で観客からのヤジで罵倒されることもあるでしょう。ブーイングというのもあります。意志をはっきり表示するアメリカならではの重圧がそこにあるといえます。

それをはねのけるにはある意味、自分の世界を作り上げ、だれが何と言おうとも動じないぐらいのどんと構えた精神力が重要であります。イチロー選手にはそれがあります。私も24年も海外で仕事をしているので雰囲気に飲まれたりせず、海外でのやり方を客観的に判断し、正しいと思うことを貫き通しています。この意志の強さが海外という舞台で結果を残す大きな秘訣であると思います。

リオのオリンピック、序盤の流れはイマイチでしたが少しずつエンジンがかかってきたようです。一部にはメダルラッシュという報道もありますが、私にしてみればメダルの色がまだ違うと思っています。柔道は銅の山にようやく金が出ました。それでもまだメダルに手が届けばよい方でサッカー、バレーボール、体操の内村選手、卓球の石川選手、フェンシングの大田選手らはむしろチームジャパンを引っ張っていくべき存在でありますが、序盤は期待した成績を残せない状況にありました。

ソチオリンピックの際、高梨沙羅選手は金メダル確実と言われながらその期待に応えることができませんでした。浅田真央選手も大舞台で苦戦を続けてきました。実力を持った選手がオリンピックになると力を発揮できないのはなぜなのでしょうか?

私は選手が国際モードに入らないまま大会に臨み、場の雰囲気に飲まれやすくなるのではないかと思います。日本選手にはメディアやSNSを通じて応援と期待の声がこれでもか、というぐらい入ってきます。現地入りしてもコーチや選手団は日本語で日本人とべったり過ごすことが多いかと思います。

その間、自分のムードを高め、試合に望みますが、勝負のステージに立ったその瞬間、海外の大舞台での独特の緊張感に飲まれやすくなってはいないでしょうか?日本選手の特徴はうまくいけばムードがプラスに回転し120%のチカラを発揮できるのですが、飲まれると8割のチカラも出せなくなってしまう傾向が以前からありました。

今回はまだあまりよいムードになっていません。本来であれば東京オリンピックに繋げるために過去最高レベルの結果を残して4年間の鍛錬のムードを作り上げたいところであります。

私が一つ思うことは選手からスマホを取り上げてみたらどうでしょうか?外部とのやり取りを遮断し、自己を見つめ、オリンピックのステージに精神集中し磨きをかけるアイディアです。子供じゃないのだからスマホを取り上げる発想はばかばかしいと思うかもしれませんが、その依存症こそが常に他人との比較論に繋がりやすい気がします。

イチロー選手は自己との戦いであそこまで上り詰めました。自分のコンディションを知り、試合の際に自分の能力を100%の形にすることを心がけてきました。だからこそ自分のスタイルを崩さないことで力を発揮できるわけです。ポケモンGOで50万請求されて精神の乱れが結果につながったと書かれた内村選手には雑念があったのでしょうか?選手団長はもっと士気を高める努力をし、目標の金14個はぜひとも達成してもらいたいと願っております。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

出光創業者への違和感4

昭和シェル石油と経営統合を企てている出光興産が創業者の反対で動きが取れなくなっています。創業者や創業家の反乱の話題はつきません。大塚家具、クックパッド、大戸屋などにみられる創業者や創業家の問題は経営権を巡る争いでよくあるパタンでありますが、出光興産の創業家の場合は経営方針への反乱という点で注目されます。同時に、もはや意地になっている創業家の態度に週刊誌ネタ的な様相と化してきました。

出光は石油卸販売業として日本では大手の一角を占めてきましたが、業界では厳しい経営環境の中、経営統合が次々と進みました。出光の場合は創業家が独特の社風を維持したまま、長く非上場会社として君臨し、半ば、宗教じみた信念のもとで経営が行われていたといってもよいでしょう。

2006年の上場まで出光の七不思議と言われていたものがあります。
定年無し、首切りなし、出勤簿無し、労働組合無し、給与公示がない、社員が残業手当を受け取らない、給与は労働の対価ではない

ぱっと聞いて皆さんはどんな想像をされるでしょうか?パラダイスでしょうか?究極の共産主義でしょうか?近未来の新しい働き方でしょうか?私は出光教だと思います。たった一人の創業者がすべての権力を握り、すべての経営判断を下すということは社員全員を去勢させたのも同然であります。つまり、本来人間が持ち合わせている能力開発を一切せず、共同体の枠組みの中で幸せ感を作り上げる組織体であります。これはこの共同体の中に独特の社会観念と思想を作り上げますのでこの社会にいる限りの於いて社員は幸せを感じるかもしれませんが、一般社会との隔離、断絶感が強く、組織を偏狭なポジションに追いやることになります。

上場に伴いこれらの七不思議は多少改善されたそうですが、それでも社風として残っているものはあるわけでそこが出光の最大の特徴ともいえましょう。

さて、銀行以外のお金は受け入れてはいけないというカリスマ、出光昭介氏が同社の経営の悪化とともに上場を受け入れ、経営改善を行うことでついに折れました。それを機に出光創業家は経営の第一線から降り、大株主として君臨します。上場するという意味は会社はパブリック、つまりその株主には誰でもなれるわけであり、会社運営は一般的に言われる経営というガバナンスのもと、利益の追求にいそしむことになります。

石油製品販売業界の長期的ビジョンは厳しいものがあり、あのサウジアラビアですら太陽光発電に投資し、あのアラムコですら上場準備をするのは石油業界が変わっていかねばならないことを如実に表しています。その中で出光の現経営陣がとった施策は昭和シェルとの経営統合であります。上場会社である以上、社会的存在意義のもと、利潤を上げ、株主に一定の配当を行う一方、従業員を雇い、その家族の生活を守るという重要な役目を負っています。

ところが創業家はここで口出しをします。「昭和シェルとは経営体質が合わない」「弊社はイランの石油、昭和シェルはサウジの石油、だから不都合」というわけです。創業家の理念や信念を大株主という武器を使い、振り回しているともいえましょう。

残念ながら大株主の発言権は当然大きく、仕組みとして無視できないものがあります。が、創業家は2006年の上場を機に経営の第一線から手を引いたのですから現経営陣にその運営は任せるべきでしょう。まして旧態の出光商店の理念を振り回すのは現代会社経営の流れから反しています。

もしも出光創業家がそこまで本経営統合に反対するのなら創業家が買収して非上場にすべきです。そのうえで出光に所属するすべての社員とその家族をきちんと面倒を見ることが求められます。私から見ると出光創業家は自分たちの影響力が軽微になることへの抵抗にしか見えません。今回の反対の主導をしている出光昭介氏は89歳。氏の影響力がいつまでも及ぶわけではありません。そして創業家に昭介氏以外、カリスマ性を持った人が残っているのかを考えると今回の反乱は全くもって長期的ビジョンが欠如した我儘な株主にしか映りません。

会社経営は時代とともに変わりました。そして社員とその家族を取り巻く環境も変わっていることにこの創業家は気が付くべきでしょう。社員をもっと強く、そして物事を判断できる人材に育て上げることが今の経営にはとても重要だということを。

今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

事業継承問題の思案4

事業継承は日本国内のみならず一部の海外の日系社会でも同じ問題を抱えています。特に古くから移民が日系社会を形成した南北アメリカ大陸ではその傾向が強いかと思います。ここバンクーバーでも日本でも身近な問題になった事業継承についてどのように考えたらよいのか、思案してみましょう。

バンクーバーのケースで見ると御子息がいる場合には家族内継承をしている、あるいはするつもりのところが主流であります。中には親の仕事を継ぎたくないといって全く違う分野に進んで親を困らせたり、子供が日本語が全然できず日本向けの仕事が任せられないというケースも確かにあります。しかしながら一般的には、カナダのように起業者に有利な税制に加えて大手企業が少ない中、業績次第で首切りも頻発するわけですから親の基盤を引き継ぎ、自分の会社でやりくりするのは長期的な安全策の一つではあります。

一方、日本国内も戦後直後は個人事業がその再生の発端でありました。あのトヨタですらドジョウの養殖から鍋、釜製造、あるいは住宅など個人事業に近いこともやりながらの再スタートを切っています。ところが高度成長期になるとより大きな企業が有利になり多くのサラリーマンを生みました。最近では投資余力を持ち最新の技術やマーケティング、経営ノウハウを取り入れた会社が生き残りをかけたエリート集団を形成しているようにも見受けられます。以前にも書きましたが、日本の個人経営事業をぶっ潰したのは大規模小売店舗法を巡るスーパーや百貨店の進出が第一弾だとすればコンビニの爆発的増加がその第二弾であると考えています。

商店街側にも問題はあります。個人商店を束ねた商店街や商工会などが一枚岩になれず、発想の転換もできませんでした。個人商店の子息はダサい親父の店舗を継がず、スーツが着られる一流会社のサラリーマンになったわけです。それこそ昔を知っている人ならば「あの人は勤め人」という別世界イメージもあったはずです。結果として商店街は歯抜けになり、衰退の一途をたどっていきます。

世の中、変わりつつあるのかな、と思うのがバブル崩壊後、終身雇用は当たり前ではなくなり、転職や非正規雇用が普通になりました。我々の時代には男30代半ばまでが転職の最後のチャンスと言われましたが、今では社長を公募するところもあるわけです。(うまくいっていないようですが。)一流企業の名刺と福利厚生、それに安定だけが欲しかった多くの従業員に「会社に何かあったら自分は何ができるのか?」という自問自答を求めたのではないでしょうか?(だからこそ公務員が人気の就職口なのですが。)

この流れからすれば起業の土壌は再び出来つつあるのですが、メディアや最新の情報に翻弄されるのか、多くの人は「こんなビジネス、俺にはできない」と二の足を踏んでしまいます。個人的には最先端の技術やマーケティングは必ずしも必要ではないと考えています。自分に合ったやり方を貫けばよいのではないでしょうか?

私の会社にはウェブを使った事業戦略、マーケティングの勧誘が良く来るのですが、断る言葉はたった一言、「私のビジネスは半径500メートル範囲なので地球全体をカバーするウェブマーケティングは必要ありません」と。アップルのiPhoneは当時日本で最先端だった第三世代携帯に対して第二世代の携帯技術をベースに生まれました。何も最新、最先端だけが良いわけではないのです。

以前、自動車販売会社の社長と話をしていた際、長年売っているいわゆるベストセラーと最新のモデルの違いについて「安定感、故障率で考えるか、見た目で見るか、消費者の好みの問題」とおっしゃっていました。なるほど、そこから発展させれば高齢者はよりコンサバになるわけですから携帯もスマホではなくガラケーでよいわけです。

事業継承というテーマを考えるにあたり多くの若くして事業を継承する側は「俺に何ができるのか」と考え、必死に最先端のことを勉強しようとしていないでしょうか?もしも上場会社を目指し、日本全国に支店や店を構える規模なら別です。たった一店舗あるいは数店舗ならば最新の何かより客の期待レベルを考えるべきです。案外、昭和40年代のやり方がワークすることもあるかもしれません。

事業継承は個人的に非常に興味がある分野です。私が仮に継承する立場であればまず、敷かれたレールは本線か支線か見ることです。支線はすぐそこに必ず行き止まりがあります。その場合、諦めるのではなく、そこから線路を更に伸延する方策を立てることです。

資金手当ては大きな難問でしょう。今の銀行は個人の新規事業に融資審査できる能力はありません。そんな銀行は融資の姿勢を変えるべきです。例えばネットで小口出資金を仰ぎ、必要資金の5割集まったら銀行が残りを融資するとか、信用金庫は事業計画立案の作り方講座を開くなど啓蒙し顧客を取り組む姿勢を見せるべきではないでしょうか?

原則論で言えば世の中には安いコストのお金があふれています。大手企業がマニュアルとリスク管理に基づいた商品ばかりを投入するためニッチマーケットだらけになっています。モノはたくさんあるようですが、案外見落としているものは多いものです。

個人的には事業継承には非常に面白い環境が整ってきたと思っています。私もプランを練っています。ぜひとも大企業にはできない面白いことをやってみたいと思いませんか?

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

今週はいつもにも増して話題が多かった気がします。政治面では内閣改造、小池都政のスタートと石原氏や内田氏の自民党都議連からの辞意がありました。スポーツではなかなか勝てないゴルフの松山英樹とテニスの錦織圭はまだ許せるとしても昨日のオリンピックサッカーの予選の負け方は酷すぎました。話題にもしたくないところです。

そんな中で一応、経済関係を中心に今週のつぶやきをお送りしたいと思います。

まず英国が7年ぶりの利下げに大幅な金融緩和を決定しました。私はひょっとしたらこの決定を先送りする可能性もあると思っていたのですが、カーニー総裁は市場の期待通り、そして規模は市場の予想以上の緩和を実施しました。

次いでアメリカ7月度雇用統計は事前予想の18万人増を大きく上回る25.5万人増。また、過去2カ月分も上方修正されています。平均賃金は前月比0.3%増で統計としては文句なしの着地です。これを受けてNYの株式市場は大幅高、ドルも強含んでいます。

いつもの通り雇用統計が良好だと早期利上げの噂が出てきますが、最近言われているのは雇用統計はいいのになぜ、経済指標はイマイチなのか、という点であります。雇用が良好なのは日本も同じ。経済指標が改善しないのも日欧米皆同じです。いろいろこの理由を考えているのですが、仮に物質が満たされることを追求した今までの欲望から人々が幸せの追求の仕方を変えてきたとしたら金利政策はさほど有効ではなくなります。

金利を下げても下げても景気が活性化しない日欧について「経済の成熟化」という言葉以上になにか意味合いがあるように思えます。私はマズローの要求段階説をもう一度見直しています。SNSを通じて人々がコミュニティを形成し、その中で自己満足の尺度を求め、自己の行動を正当化し幸福の再定義を行っているように感じます。そして新しい幸福の尺度は物欲を凌駕していないでしょうか?

決算の話題を一つ。トヨタは17年3月期の決算見込みを下方修正し、営業利益は前年比44%減になると発表しました。ところがこれを受けた金曜日の株式市場ではトヨタの株が買われました。その理由は為替見通しを7月以降100円とし、同業他社の105円の設定より厳しくしたことを好感したものであります。本業の利益率は高水準を維持し、為替が全てと言わんばかりの決算内容であります。

ここまで安定感を見せつけられると目先は大丈夫そうですが、アメリカ カリフォルニアでは2018年にプリウスがエコカー基準を満たさなくなり、排ガス規制のペナルティを払わねばならなくなるなど必ずしも順風満帆ではありません。また、ウーバーなどシェアライドも様々な形で一般社会に普及してきており、自動車メーカー各社もその対応を検討しています。

東京ではタクシー初乗り410円の実験が始まりましたが、これもウーバーなどに刺激を受けた政府と業界の姿勢の変化とも言えます。そのウーバー、中国ではシェアライドで過激な競争を展開していた滴滴出行がウーバーの中国事業を買収するなど今後の展開がより注目される半面、日本やカナダでは規制でその将来像が見えてきません。

ところで電気自動車がバンクーバーで全くポピュラーにならない事情ですが、電気の小売りが禁止されていることが挙げられます。つまり街中に充電器を設置するのはOKですが、課金できないという根本的なハードルが残されています。一部の駐車場ではEV専用の駐車スペースだけ他の駐車スペースより高い駐車料金を設置するという苦肉の策も見られますが、自動車業界も技術と各国の規制のはざまで今までにない苦労を感じているのではないでしょうか?

最後の外交問題を一つ。北朝鮮が凝りもせずに再びミサイルを発射し、一発が秋田沖に落ちました。今回は発射位置を北朝鮮の西側に設置し北朝鮮国内を飛び越える形となっています。金正恩氏の挑発には日米韓が何もしないだろうという勝手な読みがあるように思えます。国際社会は口では厳しい非難声明を行なっても実際には手を出してこないという安心感が好き放題やる姿勢につながっているのではないでしょうか?ガツンと抑えなくてはいけない状況になってきたと思いますが、いざとなると関係各国は二の足を踏み、中国の顔色を窺う形になっています。

状況が悪化し、被害などが出る前に何らかの力づくの措置も講じる時期になったように思えます。

では今日はこのぐらいで。良い週末をお過ごしください。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカ(海外生活・情報) ブログランキングへ

また明日お会いしましょう。
アクセスカウンター

QRコード
QRコード
Archives
記事検索
Recent Comments
  • ライブドアブログ