外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

武蔵小杉にみられるようなタワマン問題の本質4

武蔵小杉の名前は聞いたことがあってもそのタワマン街に行ったことがある人は案外少ないかもしれません。90年代から始まった同地の超高層マンション開発は2005年ごろから加速し、現在十数棟がたち、あと4棟ほどが近年中に完成します。2010年には横須賀線が停車し、成田エキスプレスも止まる駅となったことで利便性は大幅アップ。2018年の住みたい街では関東地区では6位に食い込んでいます。

何故武蔵小杉なのか、といえば品川まで10分だし東京、新宿、渋谷、池袋、横浜を含め、乗り換えなしで行けるアクセスの良さが最大のポイントでしょう。川崎市のこの地にはもともと工場が集積していたところでした。が、再開発で街が変貌しました。私は一時期、武蔵小杉のすぐ近くに間借りしていたことがあり、周辺はそれなりに理解しています。

そこには現在、住みたい街とは裏腹の様々な問題が発生しているようです。例えば通勤時間の駅の混雑ぶりは半端なく、寝坊して走って電車に飛び乗るという朝の通勤通学風景のそれとは異にします。人が溢れて身動き取れない、であります。昼間はタワマン住民の奥様とお子様が溢れます。もちろん、各種施設の不足は言うまでもありません。

が、私が懸念する最大の問題はもともと住む地元の人との温度差ではないでしょうか?その昔は何の変哲もない街でどちらかというと横浜市でもなく、東京都でもない川崎というイメージを象徴するような下町風の店と工場街と気さくな住民でした。事実、東急東横線でもっとも庶民的な街といえば新丸子と元住吉という武蔵小杉を挟んだ両駅でしょう。行かれたことがある人は分かると思いますが、私に言わせれば赤羽とか埼京線の十条商店街のようなところであります。

そこにパワーカップルと称するタワマンの住民が押し寄せるんです。町内会はタワマン管理組合が町内会費を払わないということでメンタルな距離感が生まれているとも報じられています。

何が問題なのでしょうか?私から見ると川崎市の都市計画の甘さだったと思います。すでに文化がある街に違うブラッドの人間が大挙して押し寄せた時、どういう問題が生じるか、予想できたはずです。また、デベロッパーから開発負担金の徴収が少なかったと思います。私がカナダでデベをやっていた時の基準は「利益の2割相当を開発負担金として拠出させる」というものでした。

今般、武蔵小杉駅は横須賀線のホームを一本増やします。費用はJRと川崎市が負担するそうですが、カナダ基準であれば川崎市は訴えらえるかもしれません。そういう事態になることは想定できたし、不動産デベロッパーは十分な利益をとっているのになぜ、そこに負担させなかったのか、と。

日本にタワマンが本当に必要なのか、と私はほぼ10年一度も自説を曲げたことはなかったと思います。日本の街並みは北米と違い、道が碁盤のようではなく、曲がりくねり、行き止まりがあったりします。桜並木があり、川のせせらぎがあったりします。これは街並みの美だと思うのです。日本の街は本来非常に文化的で色彩豊かで伝統がある街づくりが形成されてきたのです。その良さを捨て去り、駅の近くのマンションというライフスタイルを支えたのはデベロッパーとそれを擁護した監督官庁であります。

東京湾沿いのウォーターフロントのようなところはもともと誰も住んでいない地域でしたのでいくら開発してもらっても構いません。しかし、武蔵小杉のようなもともとあった街に爆発的、かつ、暴力的ともいえる都市開発の推進に同業として一種の情けなさを感じます。もっと美しい開発意識はなかったのでしょうか?実に残念です。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

文大統領の苦しい国家運営と支持率の関係4

安倍首相の訪欧と時を同じくして文大統領も訪欧し、同時期に違う主張を聞かされる欧州首脳がどういう反応をするのか、メディアはあまり報じないのですが、なかなか興味深いものがありました。

結論からすると安倍首相の勝ちです。双方の圧倒的相違点は北朝鮮問題で、文大統領の今回の目的の一つに北朝鮮との融和を韓国が主導し、演じることで北朝鮮への制裁緩和を求めるというものでした。ところが欧州の首脳はCVID(完全かつ検証可能で不可逆的)方式にこだわりました。特に国連安全保障理事会の常任理事国である英国とフランスに韓国式非核化プロセスと対北朝鮮支援策に理解を求めようとしたようですが、同意を得ることはできませんでした。

むしろ、フランスのマクロン大統領においてはそのあと会った安倍首相にCVIDだよね、と双方の確認をしています。

文大統領は金正恩委員長と直接対話をしており、「もっとも北朝鮮を知る男」として「ぜひ、私にやらせてほしい」と訴えたかったのだろうと察します。ところが欧州諸国は連れない返事で青瓦台(韓国大統領府)は今回の訪欧は70点ぐらい、と評しています。70点とはスコアでCです。つまり、ほとんど及第ギリギリだったわけでめぼしい成果はなかったとみるべきでしょう。

その中で韓国側が唯一、自慢するのがローマ法王の北朝鮮訪問への道筋ができたと主張する点です。これは金正恩委員長からのローマ法王の北朝鮮招待を口頭で述べたのに対しての返事とされます。青瓦台は「ローマ法王が文大統領が要請した訪朝に対し予想を超えるほど積極的な返答をした。法王庁の動きも国際社会の世論形成に大いに役立つだろう」(中央日報)とありますが、これはいくつかの英語圏をチェックする限りそんなに進展があった話ではなく、社交辞令の域を超えていないように見えます。

そんな文大統領、韓国国内では引き続き人気があり、世論調査では波があるものの65%程度を維持しています。なぜだろう、と思う方も多いでしょう。私の考えは国内経済がさっぱりでどうしても左派政権にすがる、ということではないかと思います。

不思議なもので国内の景気が悪くなると国民はその責任を現政権に押し付けます。そして往々にして右派系与党の政策がうまくいかなくなり左派系に政権交代する、という流れをとることが多いのです。日本でも自民党から民主党に政権交代した時は日本がドツボにはまっていた頃です。幸いにして日本はすぐに政権担当能力がない、と左派を切り捨てることができたのですが、韓国はその前に右派そのものを潰してしまい、国民に選択肢を与えようがなくなってしまった、というのが私の見方です。

韓国の中央銀行が発表した18年経済成長率の見直し版は0.2%ポイント下方修正の2.7%で、潜在成長率を維持できない状態になっています。若年層(15-29歳)の失業率は10%を超えます。さらにサムスンが破竹の勢いで伸ばしてきたメモリー部門、モバイル部門、ディスプレー部門全部に黄色信号がついています。

国民にとって経済が不振となればそのストレスを発散する何かが必要であり、その切り札が北朝鮮との終戦を含む関係強化であったはずです。しかし、東西ドイツが合体した時、西側ドイツがどれだけ苦しんだかは歴史が物語っています。つまり、ドイツほどの国家ですら、経済格差がある国との統合は容易ではないことは明らかです。

文大統領が今やらなくてはいけないのは自国経済の立て直しでありますが、左派の彼には厳しいものがあると思います。そして右派をつぶしてしまった今、朝鮮半島の軋みが聞こえてきそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

前向きに評価したい就活、ルールなき戦い4

欧米には新卒の一括就職という仕組みはほとんどありません。一部では確かにありますが、企業は採用のモチベーションにその人の経験と能力を厳しく問う姿勢を貫いています。私は日本企業の生産性が何年たっても先進国で最低水準にあるその理由の一つに就職の仕組みがあると考えています。

何ができるか、あるいは何を経験したか、その時、何を感じたか、これが就職インタビューのキーです。なぜなら企業と従業員の関係は仕事と報酬という極めてドライな関係にあるからです。もちろん、企業の経営効率を上げるために福利厚生、従業員間のコミュニケーションや参加型プログラムで会社と一体化できるような仕組みは多々ありますが、究極的には雇用者と被雇用者の関係以上の何物でもありません。ストックオプションでも提供しているなら「いや、違う」ともいえるのでしょうが、日本ではそんな会社はわずかでしょう。

以前から何度も指摘していますが、日本における就活はブランド競争以外の何物でもありません。学生にとってコマーシャルなどを通じた認知力でBtoCの企業が人気化しますが、BtoBや海外売り上げが多い会社などはなかなか陽の目をみません。なぜなら学生自身が何をやりたいのか、ほとんど意識できるような経験を踏んでいないのですから無理もないことです。

そんな学生が企業に勤めると「こんなはずじゃなかった」と大量退職となり、3年もすれば3割減るという業種もあります。また大企業では出向で違う会社に出されるのが当たり前の時代です。言い換えれば学生も企業も真の意味での就職に対するアマチュアであります。人事部は経営方針に基づく目標人数を採用するために必死の努力でどうにかこうにか、優秀と思われる学生の頭数をそろえてようやく首がつながるぐらいの感じでしょう。

就活ルールがなくなるという今回の経団連の爆弾発言は会長の中西宏明氏の事前シナリオになかった話でその発表を聞いて事務方が大慌てになったという逸話があります。中西氏といえば日立製作所時代、リーマンショックで傷ついた同社に子会社から舞い戻り、V字回復をさせた立役者の一人であります。その中西氏の思うところは「経団連の時代ではない」ということかと思います。

実際に通年採用をする会社は増殖しています。ファーストリテイリング、楽天、ソフトバンク、ヤフー、DeNA、リクルート、ネスレ、メルカリ…といった人気企業や秋採用や秋冬採用などを取り入れる有名企業はごく普通にあります。

つまり、大学4年3月で卒業して就職しなくてはいけないというシナリオは不必要とも言えます。かつて東大が海外に合わせて秋入学の検討をしたことがありましたが、卒業後の半年のブランクの問題があり断念した経緯があります。

就活のルールなき戦いに対して青田刈りのリスクが出てきていますが、これは学生が自分自身をよく見据えて安売りせず、じっくり勉学するぐらいの気持ちの切り替えをしてもらいたいところです。大学の4年間に一番大事なのは何をどれだけ経験したか、であります。バイトして、酒飲んで、クラブ活動に没頭というパタン化したライフではなく、自分だけのきらりと光る世界を見出してもらいたいのです。

ルールがない、ということは学生は卒業してからでも就活できるわけでなぜそんなに急いで自分の将来を固めるのだ、という疑問が当然わいてくるでしょう。青田刈りなんて企業にも学生にも百害あって一利なしなのです。

個人的には中西氏の英断は5年後の日本の就職と企業のポジションを大きく変える本当に意味での爆弾だったと思います。もちろん、良い意味で、ということです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

沢田研二さんのコンサートドタキャン問題はお昼のワイドショーの格好の獲物となっています。9000人入るはずが7000人で「スカスカ」だから俺は嫌だ、というそのスタンスに不思議と賛否両論あるようです。アーティストのプライドへの評価もあるようです。今回のツアーは大箱と呼ばれる大型の会場も多かったとされます。ビジネス風に言えば「事業計画の読みが甘かっただけじゃないのか?」と思いますが。あまり言うとファンの方に絡まれそうなので…。

では今週のつぶやきです。

やっぱり気になる市場の動き
先週、市場は不整脈と申し上げました。だいぶ落ち着いてきたと思います。ただ、世界を駆け巡る資金がどこに向かっているか、読みにくくなっています。機関投資家も一旦様子見かもしれません。

目先の材料はアメリカ中間選挙、英国離脱、サウジ問題、中国株価でしょうか?サウジに関しては昨日取り上げました。英国離脱「10月の陣」は不調となり、「11月の陣」ないし「12月の陣」と言われています。そんなに待てるのでしょうか?メイ首相はめぼしい新提案を出せなったとされます。特に北アイルランド国境問題ですが、さて、腹の中には「最後の一枚」が隠されているのでしょうか?

アメリカ中間選挙、個人的にはねじれると予想してます。トランプ大統領のFRBへの「口撃」は株価の安定化対策でこちらももうしばらくは拮抗した動きとなるかもしれません。

そうすると残るカードは中国。私が見る中国株価は日本のバブル崩壊の時の株価形成が凝縮版でやってきた、という気がします。中国の上場企業は資金調達の担保に自社株を差し入れていることが多いのですが、年初来高値から30%下げ、時価総額はフランスの株式市場時価総額を上回る336兆円消えているんです。担保不足から破綻する企業もあり、ここからが正念場となるはずです。習近平さんが出てこないのは独裁化したとたんにボロボロで、全然格好良くないからでしょうか。

またか、改ざん天国ニッポン
KYB、この会社の名前を知っている人は少なかったでしょう。「K空気 Y読めない Bバカもの」なんて読んじゃダメです。数年前までカヤバ工業(KaYaBa=KYB)といって基本は自動車の部品メーカーです。が、いつの間にか免震製品もビジネスの多様化の一環でやっていたようです。免震、制震装置は同社の1割程度しかないのですが、今回の問題で本体事業には影響を最小限にする「免震」はできるのでしょうか?

同社の装置が関与した建物は900件以上あるようで、すべての装置を入れ替える、としています。ただし、免震装置のように比較的簡単に変えられるものもありますが、制震装置のように壁に埋まっているものもあります。同社では20年9月までに完了する、と発表していますが、逆立ちしてもあり得ない工程だと思います。個人的は5年は最低でもかかる作業になるとみています。

この数年、ニッポン発の「へぇー」という話があまり出なくなりました。日経ビジネスを読んでいても昔のようにワクワク、ドキドキしなくなり、つまらなくなりました。嬉しい記事が少なくて、悲しいものばかり。今の70歳台ぐらいの方からは「何してんだ!」怒号が飛びそうですが、外から見る日本はそれぐらいゆっくり沈んでいるのであります。沢田研二さんにカツを入れてもらいましょうか?

大麻合法化のカナダ
カナダで17日から医療用だけでなく、個人の享楽も含め、合法化された大麻。先進国では初です。ただ、大麻ショップで許可を受けたところはまだ少なく、BC州ではカムループスというバンクーバーから400キロも離れた街が第一号となりました。ニュースによれば長蛇の列で1時間待ちで品薄とも。

水曜日にそんなカムループスの町から遠いバンクーバーの街中を歩いていると大麻のにおいがプンプンします。許可を取得していない販売店舗がある為で近いうちに許可店舗にとって代わるものと思います。

飛行場につくとその国のにおいがする、と言います。日本は醤油で韓国はキムチといった具合ですが、カナダはなぜか洗濯石鹸のにおいと言われてきました。今後は堂々と大麻のにおい、と胸を張って言えるのでしょう。

大丈夫なのか、と言われれば法制化されたことで取り締まりの強化につながるため、案外うまくコントロールできる気がします。(今まではユルユルでした。)考えてみればタバコも酒も許可されているのになぜ大麻はダメかと論理的かつ説得性のある説明がしにくいのでしょう。(ほかのドラッグは許可されていませんので念のため。大麻は飲酒と同じ扱いで車の運転も飲酒運転と同じ扱いです。)許可は自由とは違います。一定の規制の中で許されるということです。多分、日本とは根本的思想の相違なのだろうと思います。100年経っても日本ではOKは出ないでしょう。

後記
こちらの自動車の広告は電気自動車を圧倒的に押し出している感があります。欧州メーカーがこぞって打ち出しており、ポルシェ、アウディ、ジャガーの電気自動車を見ていると連中の本気度を感じます。当地で日本車の電気自動車の存在感はゼロ。ハイブリッドという引継ぎ期間も終わってきたように感じます。金持ちの心をくすぐる欧州の戦略にして日本の自動車業界は大丈夫かな、とちょっと心配です。

では今週はこのぐらいで。良い週末をお過ごしください。

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また明日お会いしましょう。

対中東政策、トランプ大統領の心中やいかに?4

ジャマル カショギ氏の実質的に殺人事件とも言ってよい失踪は事件そのものよりも国際関係に様々な影と微妙なかじ取りにその興味の中心は移ってきています。本日もムニューシン財務長官が予定していたサウジでの経済フォーラムに出席しないと発言し、株価が下がる局面がありました。

トランプ大統領は中間選挙がカウントダウンに入りつつある中、あらゆる「自己防衛」を行っています。その中でカショギ氏事件については、サウジアラビアの実質トップであるムハンマド皇太子の関与が限りなく黒に近いグレーとなれば、私はずばり、トランプ大統領は二枚舌政策を行うとみています。

つまり、ツィッターなどでは厳しい批判をし、大衆に対して「自分は皆と同じ考えだ。民主化とは程遠い。厳罰で対処しなくてはいけない」ぐらいは平気で言う反面、外交面ではかなり緩い対策で済ませる可能性はあります。

アメリカにとってサウジアラビアとは何でしょうか?言ってしまえば中東問題をコントロールするアメリカの出先機関のようなものでしょう。サウジのおかげでイランとの緊張関係も築けるし、シリア問題にも突っ込めます。イスラエルと中東の緊迫した関係もサウジが間にあってこそバランスさせる外交能力を持っています。エルサレムにアメリカ大使館を移設できたのも背景にサウジがあったことは無視できないと思います。

いや、それだけではありません。アメリカの最新型の武器や戦闘機をどんどん買ってくれる上得意であり、世界の石油の蛇口の調整係を通じてアメリカと資源を通じた商品価格のバランス政策を取ることも可能です。こんなに便利な国はアメリカの同盟国多しといえどもそうそうないでしょう。日本や英国、イスラエルとは全く違った実利がある関係なのであります。(私は911の事件だって疑っています。なぜサウジの人が絡んでいたのでしょうか?)

ここまで切れぬ関係があるとすれば、反感を買う言い方かもしれませんが、政府の方針に歯向かう人間が一人消えたぐらいならどうにかする、ぐらいの感覚があってもおかしくはないとみています。ロシア、中国、北朝鮮などではトップの政策や方針に対抗する者があっさり消されることはしばしばあります。ではアメリカがそれらに過去、いちいち介入してきたかといえば批判的コメントは発するものの内政不干渉を理由に外交的懲罰は与えてきてないはずです。

サウジは開かれた民主主義の国とは程遠い国です。ムハンマド皇太子がようやく女性の自動車運転を認める、と発表したことでサウジへの好感度が増した、というレベルの自由度であります。その国に対してアメリカをはじめとする開かれた民主主義の先進国と同じ目線と尺度と期待感を照らし合わせてもそれは筋違いなのでしょう。

世の中、過度の情報共有化が進み、「悪いものは悪い」という勧善懲悪をSNSを通じて拡散する社会となっています。つまり正義論を振りかざす声の大きさがメディアを制し、世論を支配するのです。政府が人を殺してよいのか、という質問に100人ともダメ、と答えざるを得ません。一方で今回の事件はジャーナリストが主役の事件ということでマスコミが異様にフォーカスしやすく、それを大衆がフォローしやすくなっている点がことを大きくしている点は否めないでしょう。

ある意味、現代社会で一番かじ取りが難しい問題とも言えそうです。トランプ大統領はどう火消しをするのでしょうか?見ものです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

私が経験した地面師詐欺4

積水ハウスが五反田の土地に絡む地面師被害にあった件で犯人グループの一部が逮捕されました。その取り調べ等を受けて今回の地面師の仕業の様子がよく見えてきました。

声かけ役、なりすまし役など役割分担がよくできている組織犯罪ですが、積水ハウスの落ち度も相当あるように感じます。つまり、仮登記手続きの後、本当の所有者が内容証明4通を積水側に送り付けているものの「嘘だろう」と取り合わなかった上、代金支払い後、社員が物件に入ろうとしたら警察に任意同行を求められても妨害工作と信じなかった点であります。最後に積水側が騙されていると気が付いたのは法務局から登記申請を却下する書類が来た時、であります。

また積水の社内処理も至急稟議で途中の役員決裁をとらず社長決裁を先に取ってしまったところに心理を見事に突かれた詐欺だったということになります。

実はこの顛末を食い入るように読んだのは私も似たような事件に巻き込まれたことがあるからです。もう時効だと思いますが、名前を伏せてお話ししましょう。

時は1988年だったと思います。私はゼネコンの本社の不動産開発事業部で本社直轄開発事業案件を担当する特命係のような仕事をしていました。いわゆる特殊案件の担当です。そんな時、ある物件が取引先の紹介で持ち込まれました。某宗教法人が持つ都心の一等地のホテルを近々売却するらしい、と。その理由はその宗教法人が内部抗争で分裂し、財産の扱いに問題が生じており、オンブズマンと称する男が宗教法人資産整理のためそのホテルを売却するための権限を委譲されているという話でした。

88年といえばバブル絶頂期で不動産業界ではある程度まとまった土地は喉から手が出るほど欲しい時でした。当時、ゼネコンは第三者の不動産会社に地上げをさせ、その土地買収資金の信用保証をゼネコンが行うというスキームを多用したと思います。金融機関も銀行本体ではなく、子会社のリース会社経由というのも特徴です。ゼネコンは地上げした土地に建物を建てる形で開発事業が進んでいたのです。

本件は直属の部長と私、および補佐で次長級の人がつくという極小人数のプロジェクトがスタートします。まず、全体スキームは持ち込んできた不動産会社、金融機関とあらかた出来たのですが、いかんせん、話がよく見えません。オンブズマンと称するその男とは一度、挨拶と物件概要の説明を受けたもののその後、アポを入れても直前に回避されるなどイライラする展開となります。

ところが、ある日、熱海の温泉旅館で夕方会う、という知らせが来ます。不動産会社社長、当方の部長、次長、私、それに社に出入りしている司法書士を連れ、会いに行きます。が、そこで目にしたのは温泉芸者を10人ぐらいはべらせ、おだを上げているオンブズマンの姿であります。衝撃でしびれました。彼は「今日は宴を取り持つ」といって聞きません。仕事の話はそのあと、というわけです。我々はそれでは困る、酒も飲めぬ、と詰め寄り、話を聞きだします。

相手は巧みだったと思います。核心の部分はぼやかし、証拠も見せないのにホテル売却は可能、と主張します。我々は帰りの新幹線の中でスキームを考えます。怪しい、だが、本物だとしたらリスクヘッジしながらどうやってこの物件を取り込む方法か、と。

いかにも胡散臭いこの取引に関して部長はオーナー社長と直談判します。理由は当初話を持ち込んだ相手は社長が断れない相手だったからであります。社長はうまく進めろ、と指示を出し、稟議は上からの決裁となり、それを下に持ち回り私が説明します。嫌な役でした。肝心なところは説明できないのですから。しかし、トップの決裁印は印籠のようなもの。ほかの幹部も次々同意印を押し取締役会での決議も経ます。

物件の取り込み方は不動産会社への「抵当権設定の仮予約の登記留保」に基づき、ゼネコンが保証し、リース会社から資金を不動産会社に流す、だったと記憶しています。小難しいことを書いていますが、要は不動産の保全の意味をまったくなさないとんでもない方法にもかかわらず金融機関から融資を受け、資金が動くのです。

私がトップの秘書になってから詐欺と判明しました。金融機関はゼネコンである我々から保証を受けているので損はありません。金額はいえませんが、積水より大きいものです。

たしか私がバンクーバーにきてから犯人が逮捕されたという週刊誌の記事がファックスで送られてきました。稀有の詐欺師で有名な男の単独犯でした。

地面師は欲に目がくらんだ相手にすっと入り込むものです。そして、一度はまったら、分かっていても騙される、というバカな話であります。高い授業料でした。積水も私も同じ穴の狢、であります。

では今日はこのぐらいで。

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消費税10%がやってくる4

安倍首相は19年10月の10%への消費税引き上げ方針を固め、併せてその対策を講じるよう関係者に指示しました。今回の消費税引き上げに関しては今のところ、前回までのような極端な反対のボイスが少ないように感じます。引き上げ幅が前回より少ない2%ポイントであること、引き上げ延期したこともあり、ある程度の理解が進んでいること、更には日本全体の景気が上向きでオリンピック前の上げムードの中で心理的なショックアブゾーバー効果があるのかもしれません。

平成30年の一般会計歳入をみると所得税19.5%、消費税18.0%、法人税12.5%でちょうど50%となります。残りは相続税や揮発油税などの各種税が全部合わせて10.6%、その他収入が5.1%で残りの不足は公債となっています。これで9771億円です。

財務省はパンフレットなどを通じて消費税歳入の重要性を訴えており、日本の財政のプライマリーバランス化の実現のためにも欠かせない収入源、と考えています。

歳入だけを見れば法人税収入がもっと伸びるべきと思いますし、中小企業からの法人税税収が極めて少ない現実に何か解せないものを感じています。また相続税やほとんど暴利ぶったくりの印紙税など全体の比率からすると小さいもの(それぞれ2.3%と1.1%)に税務当局が力を入れるのは取れるところから確保する、という姿勢に見えます。

ところで日本で消費税に対する抵抗が強いのは何故でしょうか?個人的には貧困率の高さがあるとみています。消費税は国民が均等に消費活動に伴って支払う税負担であり、論理的には理想とされます。北欧などでは極めて高い消費税を課しているのは社会全体が高福祉社会によりフラットな構造になっているからで消費税の引き上げに対する不平等感が出にくいのであります。

ところが日本は貧困率が世界でも高い方にあります。2015年の統計で世界12番目。日本より上位にあるのは中国、ブラジル、インド、アメリカといった国でその貧困率は15%を越えます。ちなみに貧困層となる年収はざっくり120万円程度の可処分所得しかない世帯であります。

となれば消費税をどうしてもスムーズに上げたいのならこの対策の方が効果的かもしれません。ニュースで報じられている中小店舗でのクレジットカード使用時のポイント付保、幼児教育無償化などは反対運動の抑制対策のように感じられ、根幹の対策に触れていない気がします。

個人的には消費税という税システムは日本の風土になじみにくいものだと感じています。足りないなら例えば社会保障費が結果として削減できるような仕組みづくりとか事業の許認可に対する企業側の負担金の増額など対策案はまだまだあると思います。単純な歳入増、歳出減という切り口から目線を変えて考えてみるのも一手ではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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国税庁の海外資産税逃れ調査は効果的か?4

月曜日の日経一面に「国税庁、海外の隠し資産調査 40万件の口座情報を入手」とあります。これは世界102か国/地域の税務当局が自国の金融機関の非居住者口座を開示させ、それを国家間で情報交換するものです。今回、この情報交換を通じて50か国の日本人非居住者口座40万件を入手したとあります。ちなみにこの情報交換システム、CRS(Common Reporting Standard=共通報告基準)にアメリカは加入していませんが、代わりにFATCAというシステムがあります。

さて、40万件の情報を入手した国税はこれから国内の税務申告書とのすり合わせをしたうえで疑義のある人への個別調査を行うことになるかと思います。多分ですが、一定の成果はあるはずです。しかし、この制度、大きな落とし穴があるように見えます。それは「非居住者口座」である点です。

自国以外の金融機関に口座を開設する場合、居住者としてのステータスがない場合、非居住者口座を開設することになります。ごく一般的には香港やシンガポールに口座を開設し、そこに日本から資金を移動させ、運用し、稼ぐ場合、その利息やキャピタルゲインなどの「稼ぎ」に対しては日本の国税にも課税権が生じます。よってその口座の持ち主である日本人は日本の確定申告においてそれを申告しないと脱税となります。

では非居住者ではなかったら、どうなのか、ここが真の意味での一番おいしいところですが、ほぼ抜け落ちているように見えます。

海外駐在員は就労ビザをもらい正規の形で相手国に居住者としてのステータスを持ちます。銀行口座の開設も当然ながら居住者としての口座になります。あるいは国際結婚して海外に移住した場合、その人ももちろん居住者として銀行口座を開設できます。居住者としての銀行口座とビザはリンクしていないのでその駐在員が数年後に日本に帰国しても銀行口座だけを残しているという人は案外多いのです。

また、駐在員のように一時的な海外居住の場合、日本の住民票を抜かないケースも多く見受けられます。(健康保険がなくなるので一時帰国時に日本の病院に行けなくなる為です。)国際結婚派には離婚も多く、二重国籍ならぬ「二重居住者」のステータスの人は相当多いはずです。

この場合、多分ですが、上記の情報交換システムには引っかかってこないはずで案外大きな取りこぼしがあるとみています。

その次に日経にもあるようにアメリカがCRSに加盟していない点にも欠陥がありそうです。ニューヨークでビザ関係の仕事をされている方と話をしていたところ、日本人のアメリカとの二重国籍取得者はごく普通、と言っていました。つまり、日本では禁じられている二重国籍者が当たり前のようにいる、というのです。

この場合、日本の当局が課税権を主張するのは難しいでしょう。事実、日本政府が二重国籍者の防止に力を注いだ時期もあったのですが、私の感覚的には5-10年ぐらい前に比べて「鎮静化」しているような気がします。つまり積極的に取り締まっていない気がします。

理由は二重国籍の日本人が活躍するケースが垣間見られるからです。ノーベル賞受賞者からスポーツ選手まで日本として取り込みたい人が海外に多く在住していることが挙げられます。となれば、国税が一人あがいてもどうにもならない分厚い壁がそこにある、ということになります。

永住権取得者や国籍取得者の場合、当該国に課税優先権があります。よって仮に日本にも課税権があるような方の場合でも当該国で一旦納税したのち、日本の税務申告において海外での収入の申告を行い、併せて外国税控除を申請します。その国で〇〇ドルの税金を払ったと申請し、日本の課税額から控除するのです。

この仕組みの盲点は相手国の課税率が高いと日本の税務当局の取り分はほとんどないことになります。よって、日本の税務当局の目は当然ながらタックスヘイブン地や香港、シンガポールといった国に目線が行きやすくなるのでしょう。

日本の国際税務に精通している方から聞いた話ですと、今は日本の住民票のあるなしで日本の課税権の識別をしていますが、将来的に国籍ベースにする、という流れのようです。それでも実務としては日本の国税が思ったように課税できるかどうかは相手国の課税権も含め、道のりは険しい気がします。

では今日はこのぐらいで。

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フェイスブック情報流出事件の懸念4

自動運転の自動車からEコマースまでビックデータに頼ることがごく普通になってきました。日経には日立製作所の東原敏昭社長インタビューで「購買にまつわるあらゆるデータは消費者が欲するものと欲しないものの線引きを明確にし、そこにメーカーもサービス事業者も集中する。メーカーとそれ以外の垣根が崩れる」と述べており、データが作り出す新しいビジネス像について熱く語っていらっしゃいます。

一般社会ではいつの間にかデータに基づく「嗜好判断」が「指向判断」、挙句に「思考判断」にまで広がりつつあるように感じます。恐ろしい話ですが、人間から「思考」部分を取り除いてくれるわけですから楽ちんであると思える半面、人間が人間らしさを無くすリスクも当然抱えます。

株式や為替の世界ではプログラム売買が主流となり、勝手に売買が成立していきます。そこにはあらゆるデータと共に人間の心理も読み取り「人間より賢い」判断をしてくれるようです。それでも先日のようにクラックが生じて大きな株価変動が起きるということはプログラムそのものが十分にその異変の予知が出来なかったとも言えます。

自動車もそのうち、自動運転になるのでしょう。業界では必死にデータを集めています。同時に人間から運転能力という才能を除去させるのでしょうか?となればいざというとき、マニュアル(つまり人間が運転する)モードに変えた時、運転能力をそもそも持っていなかったり、技能が落ちてしまっている人の場合はどうするのか、という対策がまだ十分議論されていない気がします。

自動車の専門家の一部では「自動運転に対する技術的問題はクリアしつつあるが、各国の法整備等の問題がクリアにならない」とされています。自動車に乗ることを電車やバスに乗るのと同様、運転に全くかかわらないというスタンスに常識を変えるのはなかなか時間がかかりそうです。

さて、表題の「フェイスブック情報流出事件への懸念」でありますが、同社がサイバー攻撃を受け、被害者が2900万人に被害が及んでいると発表しています。また、グーグルもソフトの不具合から最大50万人の情報流出の可能性を発表しています。

フェイスブックほどの企業となれば相当のサイバー対策はしていると想像します。その会社に対してでも、銀行の金庫破りと同義のサイバーアタックができるのであります。技術の進化と共に必ず悪いやつも一緒に成長していることを裏付けており、アタッカーからすればおいしそうなところ、敵対心を引き起こすところ、社会的影響を及ぼしやすいところなどを対象に責めの手を緩めないとも言えます。

数年後に量子コンピューターが普及した場合、既存のセキュリティは簡単に打ち破ることが可能になるとみています。つまり、例えばIoTにしろ、自動運転のデータにしろ、消費者向けビックデータにしろ悪意を持った第三者は悪事を働くことが理論上容易になる、とも言えます。

先日読み物をしていた中に自動運転のプログラムにハッキングすれば事故を引き起こすことは技術的に可能と記されていました。これは恐ろしい話で高度に発達した社会に代替手段がなくなるというリスクが生じるのかもしれません。

我々は今、マニュアル操作の選択肢が無くなりつつあります。先日の北海道の地震では電源が無くなったことでコンビニなどでの客の決済が出来なくなる問題が発生したようです。クレジットカードはマニュアル決済が可能なのですが、そんなことを知っているスタッフがいないでしょう。

高度に進化した現代社会において代替手段を持たないと全く機能しなくなる社会がやってくる、ともいえるのでしょう。自動車でも運転できる技術が必要、お金も確かに電子マネーだけではダメそうな気がします。問題は自分だけその対応をしても相手方がそれを受け入れなければ意味がない、ということです。道路に運転できない車が立ち往生するかもしれないし、現金を受け付けない店舗もあります。お釣りもありません。つまり、緊急時の対応に社会構造がキャッチアップしていないとまるで役立たず、ということになります。

フェイスブックの情報流出事件は今の段階では被害が甚大なものとはなっていませんが、10年後の世界には驚くべき事件が発生する余地があるのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

難しくなった起業で成功するには?4

バンクーバーのダウンタウンはすっかりつまらなくなりました。面白い店やドキドキさせる店がないからです。目抜き通りのロブソン通りはFor Leaseの看板が並び、日本ならさしずめ、シャッター街の2,3歩手前という感じがしないでもありません。なぜかといえば賃料が高すぎるため、意欲あるニュービジネスを立ち上げる人がダウンタウンに入ってこられないことが大きいように感じます。

原宿や表参道あたりはメインストリートよりも一本小道に入ったところに面白い店が多いと思います。それは成熟した街、銀座、新宿でも同じで曲がりくねったその奥にこんな店があったという発見をすることもあるでしょう。

起業する人にとって資金とノウハウは極めて重要です。初めから成功する人などまれだと思ってもいいでしょう。「串カツ田中」の貫啓二社長はサラリーマンを辞めた後、バー、デザイナーズレストラン、高級京料理店を経営したもののリーマンショックで倒産寸前まで追いやられ、わずかな残り資金で住宅街の居ぬきに350万円の資金を投じて始めたのが「串カツ田中」であると紹介されています。(日経ビジネスより)今や200店舗を誇る上場企業です。

断片的に見れば「『串カツ田中』って350万円で始めたったんだって」ということばかりが強調され、前段の3度の失敗に目を止める人は少ないでしょう。しかし、俺だってそれぐらいの貯金はある、やってみよう、というのとはわけが違うのです。

この10年で起業は特にハードルが上がったと思います。一つはどんな小さな店でも大手の店舗と同様の管理とマーケティングが必要だからです。かつては小さい店にはウェブサイトなどありませんでした。今ではウェブにフェイスブック、ツィッターとあらゆるマーケティング手段を用意しなくてはいけません。

人の採用も難しくなりました。人材不足ということ以上に人事管理が大変になったと思います。仕事に向かう姿勢に「やらされ感」が出て本当にやる気があるスタッフが確保しにくい上に、扱いにくいスタッフも必ずいるものです。会社の車を運転させれば雑な運転で挙句の果てに事故を起こして怒りのやり場に困った社長さんも知っています。

会社経営に於いてコアのビジネス以外に資金繰りから管理業務まで多くの時間を事務所仕事に割かねばならない社長さんは相当多いかと思います。

社長が社長の器であるかどうかを測る手段として「人脈の太さ」があります。困ったことがあれば名刺入れをみて誰々と相談すればどうにかなる、という人脈を維持するのも大きな仕事です。私は数々の名刺交換を通じて名刺にいろいろ書き込みをさせて頂き、何かあればこれは、という方を見つけ出しやすくし、コミュニケーションラインを維持するようにしています。

もう一点、今の時代、何でも自分でやるのはあきらめた方がいいと思います。業務のコアなところに専念したいのなら残りの部分はとりあえずは誰かに任せるべきでしょう。社長さんがどれだけ優秀でユニークなビジネスアイディアをお持ちだとしても経理や労務管理に長けているわけではありません。ウェブサイトを自分で作れ、と言われてしょうがないものを作っても逆効果です。

誰に任せるか、ですが、社内の右腕は「番頭さん」と思わせるような絶対的信頼がおける人間を確保し、外部の人を雇うなら協業できるような相手を選ぶとよいと思います。あまりしっかりしている会社を外注先にするとその分野について社長さんがいつまでたっても学べなくなります。社長はいつかは全知全能になるよう努力すべきであり、経理ができないと10年も言い続けるのではなく、専門家と少しずつ勉強させてもらうとよいかと思います。

ちなみに私が仕事を外注する人たちは身近な人が多くいます。大学の同期、元従業員、所属しているNPOのメンバーなどで気さくな関係の中でよい仕事をして頂いています。

起業をされる方には二通りのタイプがいらっしゃると思います。一店舗ないし一業種をじっくりしっかりやりこなすタイプと多店舗展開や他業種展開ができるタイプです。両者の性格は全く違いますし仕事のやり方も違います。どちらがいいかはその方の性格を見ればあらかた判断できると思います。性格だけは変えられないのでそこを間違えないようにすればまだまだ面白いビジネスチャンスは転がっていると思います。

日本の起業率は先進国でも相当低いとされています。「目覚めよ、日本、甦れ、あの時のハングリー精神」だと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

天皇の退位と皇太子さまの即位の日が決まったことで来年のゴールデンウィークがプラチナに輝く10連休になりそうだ、と報じられています。「子供が不安」という言葉をヘッドラインに乗せる内向きメディアがある一方、海外旅行の予約が好調と報じるものもあります。日本国民にとって天皇の退位と即位は特別の二日間ですから通常の祝日とは意味合いが違うと私は思うのですがこんなことを書くと当たり前なのに「やれ、右だ」と言われる異質な怖さがあります、

では今週のつぶやきです。

市場の激震は「不整脈」
「不和だらけの世の中、株式市場の行方は」を10日に書かせていただいた翌日から株式市場に激震が走りました。私も市場を見続けていましたが、正直トリガー(引き金)がなく、プログラム売買が勝手に進んだといった感じでした。木曜日のNY市場は午前中は比較的落ち着いていたものの午後に入り荒れ狂ってしまい、ボードをじっと見ているとダウの指数が一瞬で20も30も飛ぶのです。金曜日もNYは落ち着きどころがないようです。

一方でカネ余りなのでそのお金は必ずどこかに動くと10日のブログで指摘しましたが、向かったのが金とETF(上場投資信託)であります。また、日経平均も木曜日に1000円単位の動きをしましたが、金曜日の回復ぶりは「奇妙な安心感」と書かせて頂いた通りになっています。

もうしばらくは余震が続くと思いますが、いったんは収縮に向かうと思います。次のキーは英国の行方を占う17日からのEU首脳会議ですが実務ベースでは合意形成が80-85%まで達成できており、合意が不可能ではないとされています。本当かいな、と思いますが、「合意なき離脱」の不安が除去されるのか注目です。

日本では報道されないサウジをめぐる怪事件
ジャマル カショギ氏がトルコにあるサウジアラビアの領事館から忽然と姿を消した、というニュースを聞いたことがある方はいらっしゃいますか?日本ではほとんど報じられていませんが、西欧では大きなニュースになっています。

カショギ氏はサウジの人でサウジ王室を批判するジャーナリストですが、書類申請のため、トルコの領事館を訪れたところ、フィアンセを外に残して出てこなかったというものです。それに前後するようにサウジからプライベートジェットで政府関係者が十数人ほどトルコに乗り付け、その日には飛び立っています。ニュースではカショギ氏が領事館で殺害されたか、連れ去られたかのどちらか、とされます。ただし、ジェット機で来た関係者は2台のバンを領事館前に横付けしており、連れ去る画像はありません。

サウジ王室が一枚噛んでいるのでは、という噂でリヤドで再来週から始まる経済フォーラムに対してアメリカ企業を中心に参加取りやめが相次いでいます。トランプ大統領も真相解明をする、と声明を出していますが、アメリカ諜報部は事前にこの事件計画を掌握していた模様です。

真相次第ではアメリカは経済制裁も辞さないと強硬ですが、サウジといえばソフトバンクの孫正義氏。今のところコメントはないようですが、氏にも「不整脈」かもしれません。

「豊洲」はブランドになるのか?
懸案の豊洲移転、ついに実現しました。小池都知事もある意味、ほっとしているのでしょう。引っ越しのシーンがワイドショーで延々と報じられたのですが、さて、その豊洲、築地のようなブランドに育つのでしょうか?

2-3年前に私はやや疑念を呈していました。理由は魚の流通が変わる予感がしていたからです。魚の市場は東京周辺にはいくつかあります。大田、足立、築地魚河岸、横浜、船橋の各市場であります。もちろん、規模や扱う魚の種類が違いますので一概には言えませんが、例えば太田は羽田空港と直結しているため、日本各地の朝取りの魚が羽田に入り、そのまま、夕方にはスーパーの魚売り場や魚料理を出す店に提供されます。極めて鮮度が高く豊洲に真似できない技がそこにあるのです。

それに対して移転した豊洲はトラック輸送が主体ですから一日余計にかかります。つまり、市場のすみわけが進む可能性が高いのであります。実際に築地の取扱額は10年で10%ほどダウンしています。よって豊洲がブランドになるにはそのマーケティングを推し進めないとあっという間に市場をとられてしまう可能性があるのです。

極端な話、わざわざ、東京に持ってこなくても流通革命で日本各地の漁港から直接取引する手法が編み出されることもありうるわけで「市場」という仲介、中間業者型ビジネスは基本的に衰退に向かうと考えています。豊洲市場のここからの奮起に期待しましょう。

後記
韓国での国際観艦式。日本の海上自衛隊は旭日旗の件もあり、参加を自粛したもののふたを開けてみれば「参観艦式に参加した全ての各国海軍が韓国の通知を守らず、軍艦旗を掲揚して海上パレードに臨んだ」(産経)どころか韓国においては「抗日の象徴として英雄視される李氏朝鮮の李舜臣(イスンシン)将軍の旗を掲揚」とあります。ふざけるな、と言いたいところです。韓国の自己都合の解釈、論理展開にはもはや近づきたくもないのですが、日本は真っ向から論破しなくてはいけないと改めて感じさせられました。

ではよい週末を。

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スルガ問題が引き金となるか、投資用不動産の逆回転4

日本人には基本的に不動産神話がある気がします。歴史的に見る地主と小作の関係であります。海外では資本家と労働者という関係が好対照ですが、それをもっと小ぶりながらも具現化したのが土地持ちとそうではない人の位置づけだろうと思います。

日本人のDNAとも言える不動産所有欲求は高度成長時代に持ち家促進を普及させ、80年代バブルで一旦天井を打ちます。その後、新世代の駅近のマンション、湾岸地帯のマンションそして、タワーマンションブームとバトンタッチしながらも確実に不動産への高い興味を維持してきました。

一方で自宅のみならず、投資用不動産にも昔から根強い需要があったのですが、今世紀に入り、自己資金が少なくても不動産を買うという手法が一部で人気になりました。低金利政策のおかげであります。資金の借り手である不動産投資家からすれば金利は安いし、銀行は貸出先に飢えているわけですから何棟もマンションを買い占める「棟買い」の不動産爆食時代を迎えていました。ニュースにはあまり出ていませんでしたが、不動産事業をしている方ならば誰でも知っている事実であります。

そんな爆食の人の話を聞いていると賃料収入の大半を元利払い充て、残った部分が自分の懐に入るというシナリオです。計算上、元手が少ないのに資産が計上され、お小遣い程度の収入があるのですから、投下資本に対する利回りが極端に高くなる数字のマジックで大半の人は目がくらむわけです。そうなるともっと投資を増やせば大金持ちになれるという悪魔のささやきに「もう一つ買い!」という勢いがついてきます。

問題はそんな鼻息の荒い話を傍で聞かされた人たちです。「ならば、俺もやるぞ!」。しかし、元手がなければいくら何でも銀行も躊躇します。そこで生まれたのが「何とかしましょう」という不動産屋の悪魔の手引きであります。

今回はスルガやTATERUなどが表ざたになっていますが、まだ相当あると思います。言い換えればこれは氷山の一角であったと考えています。この一件で引き締めに入った投資用不動産への融資の意味とは金融機関が金融庁に目を付けられないよう、また表ざたにならないよう、必死の防戦をしている、と申し上げたほうがいいのでしょう。

しかし、賃貸不動産への需要は場所を間違えなければ高水準が続きます。私のところも100%部屋は埋まっています。理由は不動産購入できる余裕ある若者は狭められていることと外国人の需要であります。私も「もっと欲しい」とは思いますが、厳選したものしか手を出しませんので不動産屋泣かせかもしれません。

若干、融資をしてもらっている某大手銀行の支店長氏曰く「シェアハウスで融資している案件は全店でも極めて少ない」と。だから次があっても融資できるか保証がないというわけです。資金繰りぐらいはどうにでもなるので「どうぞお気遣いなく」と申し上げていますが、私としては「しめしめ」なんです。なぜかといえば需要に対して供給が細るので事業はしやすくなるのであります。

投資用不動産への投資家の需要が低迷すれば価格の下落→担保不足→銀行からの無理難題→担保処分…という悪循環に対して海外投資家と大手不動産会社が拾い上げるというシナリオはありうるのかもしれません。ただし、個人投資家は再生価値のないボロ不動産もかなり吸い上げましたのでそういう物件は要注意かと思います。

不動産価格は基本的に上昇傾向でありますが、投資用不動産への融資引き締めがこの傾向に一旦水を差すのか、気になるところです。

では今日はこのぐらいで。

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シアーズ倒産瀬戸際に思うこと4

アメリカの景気は絶好調といわれているのにこんな老舗デパートが大型倒産の瀬戸際に立っていることには感慨深いものがあります。同社は今週末にも破産法を申請する可能性があると報じられています。

シアーズは私にとって繁栄するアメリカを想起する代表的企業であります。初めてアメリカに渡った81年、シアーズローバック(これが当時の正式名称)はアメリカでもっともブイブイ言わせていた企業の一つで、ショッピングモールにはシアーズ、当時世界で最も高いシカゴのシアーズタワーに本社を置く全米の代表的企業でありました。私ですら、なつかしさを感じるのですから多くの中年以上のアメリカ人はノスタルジックな気分になっているのではないでしょうか。

しかし、現実を見るとその経営は真綿で首を絞めたような状態にありました。ここバンクーバーにもシアーズが鎮座していましたが、経営不振で撤退しました。その頃のシアーズの店内はがらんとしていて欲しいものを探すのに苦労した、という印象しか残っていません。年中バーゲンをしているため、今日の価格がいくらか、レジでチェックしないと分からないような状態であります。(これはカナダのほかのデパートでも同様です。何ともひどい価格戦略です。)

老舗デパートの倒産は消費行動の変化そのものであります。多くの人は必要なものがある程度そろってしまい、それらの使い勝手が悪いわけでもないとすればわざわざデパートでウィンドウショッピングにもなりません。つまり、ショーウィンドウを覗く下見に行くことすらなくなるほど先進国の国民生活は豊かになったということなのでしょう。

「シアーズ倒産の瀬戸際」は海の向こうの話と割り切るわけにはいきません。日本でも厳しい競争が日々繰り広げられています。最新のニュースではドン・キホーテが総合スーパーのユニーをファミマグループから買い取ることになりました。ドンキはユニーの店舗を活用しながらドンキ色に染めていくはずです。それはドンキが買収した長崎屋でも起きています。確かにスーパーの2階にある閑散とした衣料品売り場よりドンキの持つ魔性のような商品構成は思わず、立ち入りたくなるような興味深さがあります。

日本で長らく頭痛の種と言われている小売業種はデパートと総合スーパーであります。両業種とも閉店やリストラが全国規模で行われています。今後、最大の山場を迎えるのがコンビニと見ています。それはドラッグストアが快進撃をしており、コンビニ包囲網が出来つつあるからです。

「弁当はドラッグストアで買う」という常識はつい最近までなかったはずです。ところがイオンがオリジン弁当を買収、ドラッグストア業界NO1でイオングループのウエルシアがオリジンの弁当を格安で提供することでコンビニ=弁当の方程式を切り崩します。ちなみにオリジン弁当買収劇では最後まで戦ったのがイオンとドンキであり、弁当を制する者は小売業界を制することを見せつけたともいえるでしょう。

小売業界は時代とともに大きくその立ち位置を変えていくとも言えます。TSUTAYAはレンタルから立ち位置の変化に工夫をしています。一方、伊勢丹は高級食材スーパー、クィーンズを売却しました。業界内がくっついたり離れたりしながら大戦国時代を迎えているとも言えます。

シアーズは巨大化しすぎたがゆえに身動きが取れなくなったクジラのような気がします。かつてアメリカで一世を風靡したブロックバスタービデオというレンタルビデオ屋も業種転換できず倒産しました。ウォールマートはネットショッピングに力を入れ、アマゾンとの対抗心をむき出しにしています。

時代の風を読み、老体に鞭を打たなければ老舗もかつての栄光もすべて消え去るという厳しい時代を感じさせます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

不和だらけの世の中、株式市場の行方は?4

世界を見渡すとろくな話はないのですが、嫌な話は「見ないふり」をして、堅調なダウ指数だけで世を語るのも恐ろしいところです。日本株は連休明けも300円以上下げ、4連敗となっていますが、そのあたりのことも含め、考えてみましょう。

まず、アメリカの株式市場ですが、資金のシフトが見られます。それは金利の上昇とともに高PERのハイテク関連から手堅い銘柄への移動であります。例えば、アマゾンは2050ドルの高値から現在は1800ドル台半ば、グーグルは1270ドル台から1100ドル台前半に下げるなど高値追いをしていたつい先頃と勢いが明らかに違います。

アメリカの10年物国債が3.20%を超える水準となると機関投資家などのポジションが変化するのは当然で無理なリスクを取るよりも手堅い投資手段になるのは定石であります。私も株式市場と手堅い運用の組み合わせを行いますが、カナダで60日程度のGICで2%以上の金利水準となれば無配株の処分、GIC(カナダ独特の元利保証型定期預金)への運用シフトが視野に入るのはやむをえません。

では、世界を見渡してみましょう。まず、中国の代表的株式市場である上海総合ですが、厳しいところにあります。株価は6カ月ぐらい先の状況を見込む景気先行指標とされますがアメリカとの頑なな関係でデッドロックに乗り上げたような感があります。こうなると中国の代表的銘柄であるアリババも下落が止まらず、NY市場では年初来安値を付けています。

欧州では中央銀行の金融緩和が終わるところですが、英国にしてもイタリアにしても体制が盤石とは言えません。英国のFTSEやイタリアのMIBと言った代表的株式指標も5月の高値から下落トレンドが止まっていません。トルコでは1月から2割強下落、今回毎度のIMF支援を要請したパキスタンも4月から2割ほど下げています。

こう見ると世界の主要市場で株価が堅調なのはアメリカと日本ぐらいであります。アメリカが堅調なのは金利高もあり資金が新興市場からアメリカへ戻っていることが挙げられます。しかし、アメリカの国内では資金がだぶついているものの、投資先が厳選されているように見受けられます。

では日本ですが、奇妙な安心感が現在の株価水準に表れているとみています。例えば間もなく7-9月の四半期決算が発表になりますが、為替水準からすれば上方修正が相次ぐ可能性は高く、また、日本企業は世界経済がどこに向かおうが、せっせと稼ぐというイメージが強く、日銀が金融緩和政策を維持するならまだいけるということなのだろうと思います。

目先下げていますが、私は調整が進み、切り返してくるとみています。

長い間の金融緩和がもたらしたものとは持てる者は相当稼いだということであります。その資金をどこで運用するか、まさに地球上をうろつく状態にあるといってよいかと思います。ビットコインなど仮想通貨が思った以上に手堅い動きをしているのもしっかり稼いだ仮想通貨信者たちの作り出す市場があるのかもしれません。

1929年株式大暴落にしろ、日本のバブル崩壊ににしろ、当時は市場と投資家のコミュニケーションラインは限定されていました。今はコンピューターにAIでストップロスがかかる上に機関投資家の損失防止策もあり、投資したお金が泡のごとく消え去るということにはならないでしょう。

言い換えれば地球儀を見渡してここ、というところがあれば必ず投資資金は入るし、潮の満ち引きのように引くときはさっと引く、ということをイメージしたらよいかと思います。

個人的にはアメリカでの投資分については高配当銘柄は維持しますが、それ以外は高配当銘柄へのシフトを進めるか、GICにするなど先行きに流動性を持たせるつもりです。カナダ投資分も同様ですが、一部の資源銘柄は超低価格になっており、様子をうかがっているところであります。日本については決算良好とお見受けしますのでさほど懸念していません。

投資はあくまでも個人も判断ですが、目先にとらわれず、グローバルな目線で見ていくことが大事かと思います。

では今日はこのぐらいで。

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中国は国家運営の厳しさ露呈か?4

ポンペオ国務長官と中国外務大臣、王毅氏との会談は米中外交をめぐる舌戦になったようですが、最近の中国の様々な発言に虚勢を張ったようなスタンスが見られるのは何故でしょうか?

先週、このブログでもご紹介したようにフィナンシャルタイムズ紙の香港駐在の幹部記者の就労ビザの延長が拒否されました。この点についても中国外務省報道官がわざわざビザ拒否の正当性を主張する会見を開いていますが、もともとこの記者が香港民主化活動の支援者と見做されたことがビザ拒否の理由であったことは明白であります。中国は体制を受け入れる者とそうではない者を明白に区別する姿勢を強化しています。

10月8日、上海市場は株価の大幅安に見舞われました。この原因を探ると香港経由で外国人投資家が大量の売りを浴びせたことが直接の引き金となっています。その規模、1600億円となっています。上海市場は個人投資家が主体で市場構成バランスが脆弱な体質となっているため、ボラ(変動率)が高くなり、一週間の連休明けを待ち構えていた外国人の強烈なパンチを食らったということなります。

なぜ、外国人は中国投資から一歩、引いたのでしょうか?もともと中国を支援していたのはドイツなど欧州勢。ところがEUが盤石の体制かといえば英国離脱問題にイタリアもがたがたし始めた中でメルケル首相の求心力の賞味期限もあります。そこにアメリカが貿易戦争を仕掛け、アジアでは親中国派を見直すの政権が次々と樹立され思った以上の防戦を強いられているというのが正直なところでしょう。このところ、中国による日本への政治的圧力が少ないのは日本を敵に回している余裕がないためであります。

今、注目を集めているのがICPO(インターポール、国際刑事警察機構)の孟宏偉総裁の処遇であります。孟氏は中国当局に拘束された後、ICPOを即座に辞任していますが、理由が何であれ、粛清される公算があります。これは習近平体制に反する人間は全て捕まえる、ないし、国外追放するという恐怖政治そのものであり、時代錯誤甚だしいものがあります。アメリカがこんな体制を放置することはなく、私が貿易戦争は更に深度を増すだろうと申し上げたのは最終的に民主主義との戦いに挑んでいるように見えるからです。

孟氏や女優の脱税事件で思ったのは韓国がそっくりの体制である点です。先週、韓国では李明博元大統領に有罪判決が下り、収監されました。朴槿恵元大統領同様、現政権が反対勢力潰しを徹底して行う点で勧善懲悪を模した弾圧そのものを国民が拍手喝さいで受け入れる点は似ています。これはかつて中国の文化大革命で紅衛兵という形で思想コントロールを受けたのとほぼ同じ構図が現代でも続いているといってよいのではないでしょうか?

気をつけなくてはいけないのは日本も影響を受け、その傾向がこの数年強まっており、メディアが毒されはじめ、左翼論法を堂々展開していることでしょうか?朝のニュースチャンネルでも某民法の解説者の左寄りのコメントに「そうですよねー」とほとんど何も考えていないアシスタントの同意は恐ろしいほどのマインドセットを生み出します。アシスタントの頷きは無意味極まりないと思います。

私はオリンピック10年後の激変ということを何度も申し上げてきました。日本、韓国、ソ連、ギリシャなど歴史が裏付けています。その中国、今年が北京五輪から10年目に当たります。個人的には今はまだ、序章でこれから大きな激震が待ち構えているように感じます。

では今日はこのぐらいで。

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起きるか、飲食店の大変革4

北米のレストランは本当に価格が高くなりました。メインディッシュが3-4千円するのが当たり前になると一人当たりの支払額は飲む量によりますが、チップや税金を含めると一人1万円相当になってしまいます。レストランは非日常を楽しむものだ、という北米的発想(日本は違います。)からすればこじゃれた店のインテリアに素晴らしいサービスであとは美しく盛り付けされたフードが提供されれば味はともかく、案外受け入れられているようです。

先日行ったバンクーバー初のとんかつ専門店。韓国人が経営していると聞いていますが、こざっぱりした店でプレゼンも上手で美味しそうな分厚い肉のとんかつを提供してくれます。では、その感想はどうなのか、といえば「家で作れないレベルではない」という気がしましたがまぁ、よくやっている方でしょう。問題は価格でチップ込みで1800円ほど。カナダの豚肉は安くて質はよいですから(日本にも相当輸出しています。)もう少し、安くてもいいのかな、という気がしますが、その価格設定には人件費が重いように感じました。

ウーバーイーツなどレストランからのデリバリーサービスが最近はやっていますが、レストランにとっては都合の良い価格設定だと思います。それはサーバーの人件費がかからないのに料金はその金額か数割増しの価格を設定していると同時に配達料も客からとるからです。

レストランのビジネスは席が満席になるとそれ以上客を入れらないいわゆる「売り上げの頭打ち」があります。そこで持ち帰りなどを増やせば売り上げは理論上無限に増やせるわけでウーバーイーツなどデリバリーサービスはレストランにとっては好都合の援護射撃のはずです。よって個人的にはウーバー向け価格設定は間違っていて配達料を少しはカバーできるぐらいのディスカウントがあるべきでしょう。

飲食店の大改革とは言うまでもなく、人手不足に飲食店がどう対応するのか、という点であります。例えば通常のレストランの場合、サーバーさんはメニューを渡し、水を提供し、注文を聞き、フードを運び、(北米では途中で「おいしいか」と聞き、)空いた皿を片付け、精算をし、テーブルをきれいにし、次の客のためのテーブルセットをするというプロセスを踏みます。

正直、これ、大変なんです。手が抜けないこの仕事をやりたがる人が少なくなってきているのはやったことがある人ではないと分からない激務だからであります。(私も学生の頃、レストランの厨房で働いていましたが、人手不足の時はサーバーもしていましたのでフードを4皿、ライスを2-3皿を一気に持ってサーブするという芸当すらしていましたが、かなりしんどかったです。)

例えばレストランの現金お断りが増えてきた理由はレジ締めが面倒な作業でそれをするかしないかで人件費が一日当たり1-2時間分増えるからであります。(一日1時間でも一店舗当たり年間30万円にもなります。)北米では現金で払おうとすると驚かれることも増えてきているのです。

ファーストフード系の場合、フードコートのようにほとんどセルフにしてしまった方がよい気がします。社食や学食にはサービスがないのが当たり前ですが誰も文句を言いません。ならば日本の飲食店は完全に差別化すればよいと思います。食べるだけでよいのか、テーブルでゆっくりおしゃべりをするのかでセルフ式とサーバー式に分けてしまうというアイディアです。吉野家が実験的にやっていたと思います。讃岐うどん屋が安いのはほとんどセルフだという点を見逃してはいけないのです。ホテルの食事にビュッフェスタイルが増えたのもサービスが大変だからです。

結局、落としどころは人手をいかに少なくして飲食店を経営するか、これにかかっていると思います。これをもう少し究極的に進めるとメニューの絞り込みになると思います。街の食堂では昔のデパート上層階の「お好み食堂」ならぬラーメンからハンバーグ、かつ丼まで出す店がありますが経営的には非効率の極みになります。最近、東京で入った居酒屋もメニューのアイテムが少ないのにびっくりしました。先述のとんかつ屋では数種類しか選択肢がないので皆、同じものを食べているように見えましたし、ラーメン店も基本的にトッピングとスープの違いぐらいでしょう。

効率化と人件費との戦い、これが飲食店経営の最大のキーワードであります。ここを乗り越えられないと店側は値上げせざるを得ず、外食ランチが出来なくて弁当を持っていく人が増えてくるかもしれません。一方で店側は値上げに対する消費者の拒絶反応に戦々恐々としていますが、消えたお客はどこに行ったのか、ある意味、不思議な気もします。

では今日はこのぐらいで。

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移動時間の経済学4

不動産の売れ筋エリアが変わってきています。かつて世田谷区は高級住宅街のイメージが強かったのですが、最近は世田谷の利便性は悪くはないもののオフィス、新幹線、空港アクセスに便利かと言えばピカイチとは言えません。それゆえ、社長さんなど経営者は港区や渋谷区などより都心により近いタワーマンションを求める傾向が強まっています。

これは人の行動の変化が不動産のし好を変えているとも言えます。ネットが普及し、便利になると同時に情報過多でより忙しくなっている方が圧倒的に多いと思います。電車の中でネットをしている方も多いですが、それで仕事をしている方は少ないでしょう。つまり、経営者にとって移動時間は最小限であることが最大の時間価値向上の方策であります。

少し前の日経に首都圏でドーナツ現象が起きていると指摘されています。ドーナツ状の環状エリアで高齢化が進み、所得水準が下がっている、という記事です。取手、久喜、飯能、青梅が具体的に名が挙がっていますが、それ以外にも多摩ニュータウン、JR横浜線沿線、大船より以遠の湘南方面も同様だと思います。

それらの地域はかつて多くのサラリーマンにとってベットタウンとして戸建て住宅をゲットできたエリアですが、駅から歩けるならまだしもバス便となれば遅い時間にバスはなく、タクシー乗り場は長蛇の列という不便な思いをした方も多かったでしょう。それを子供たちは見続け、何時かはもっと都心に移りたい、という強い願望を持ちます。それが都心や武蔵小杉のタワマンブームに繋がっているとも考えられます。

移動時間をいかに短縮するか、日本はあらゆる工夫を重ねてきました。高速道路網はだいぶ完備し、都心の道路も拡幅が進みます。鉄道網はもはや外国人のみならず、地方から来た人にとっても複雑怪奇なパズルとしか思えない仕組みとなりましたが、知っている人にとってはこれほど便利なものはありません。(例えば新幹線乗り換えは東京駅より品川の方が圧倒的に楽であるとか。)新宿のバスタも使い勝手はいいと思います。

ここ最近、これまでの発想を完全に刷新する手段が生まれようとしています。「空飛ぶタクシー」であります。まだ、どこでも実施はされていませんが、あと5-10年のうちにどこかで始まると思います。ウーバー社はそれを強力に推進する会社ですが、日本はその候補地の一つだそうです。そうすると新宿と横浜が10分で結ばれるそうです。

ところで移動時間が短くなれば人の効率化は改善するのか、という疑問があります。身近な例を出します。タワマンの40階にお住いの方と5階にお住まいの方ではどちらが行動的でしょうか?これは明白に5階という結果が出ます。エレベーターに乗れば数十秒の違いなのですが、人間の心理とは距離に比例して疲労感や行動への抵抗感が生じます。よって高齢者と子供にはタワマンの上層階に住まわせるのはよくないとされます。移動距離に比例する疲労感をビジネスに当てはめると、日本全国どこでも日帰り圏となりつつありますが、作業効率は意外と落ちるのであります。

「移動時間の経済学」を利用者便益の観点で捉えた場合、通勤時間や日中の出先への移動といった日々の行動範囲での時間短縮化は作業効率の改善に大いに効果がありますが、遠隔地への日帰り出張などは出張目的はこなせるものの一日の作業量は案外増えないとも言えそうです。

鉄道ではリニア、飛行機もマッハで飛ぶものの開発競争が熾烈となってきています。バンクーバーと東京の移動時間9時間が半分になれば確かに嬉しいのですが、節約できた4時間半をどう有効に使うかと言えば案外、何の生産性もないまま終わってしまったりしそうな気がします。私がリニア新幹線にさほど魅力を感じていないのはそのあたりなのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

本庶祐京都大学特別教授のノーベル賞受賞で好スタートを切った今週でしたが、多くの方の期待は「複数」のノーベル賞受賞だったと思います。報道には反映されていませんが、「がっかり」しているのではないでしょうか?基礎研究をされている先生は多いので当面はまだ、ノーベル賞受賞のチャンスはありますが、将来のチャンスは低下してきているという警告は教育の弱体化の表れとして真摯に受け止めた方がよいでしょう。

では今週のつぶやきです。

景気はいいのに…
週末にかけて日本もアメリカも含め、全般的に株価が下げ基調となっています。アメリカは金曜日に9月度雇用統計の発表があり、13万4千人の純増と事前予想の18万5千人を大幅に下回り、失望感を誘ったこともあるでしょう。失業率は3.7%と1969年来の水準まで改善していますが、経済の原則論からすると労働の質が下がり、賃金の急上昇が起こるはずです。その賃金は前月比0.3%増でこの直近3カ月の上昇率は年換算3.4%で明らかに危険度が増しています。

一方でトランプ政権が国内経済活性化のためのカンフル剤を打ちまくっているため、無理やり踊らされている企業と国民のようにも見えます。株式市場はそのあたりは冷静に見ています。USMCAを発表して安ど感が漂うカナダの株価指数も発表の翌日からは連日の下げとなっており、お祭りムードは一日だけでした。

ところであまりニュースにならなかったですが、GEの役員会は1年前に就任したフラナリー会長をクビにしました。理由はリストラのスピード感がないから、であります。GEは歴代、就任年数が長い会長ばかりだったのに「GE、お前もか」という短期成果志向の決定でありました。アメリカのエグゼクティブが日本人以上に必死に働くのはこんな天国と地獄を見ているからでしょう。

スパイチップ事件、真実は何処に?
ブルームバーグがスーパーマイクロ社製のマザーボードに米粒大のマイクロチップを中国人民解放軍の工作員らが埋め込んでいた、とすっぱ抜き報道をし、大騒ぎになっています。現時点で関連のあるアップルやアマゾンはハッキング攻撃を否定していますが、チップが埋め込まれていた事実はアメリカ国防省やCIA等にとって驚愕の事実となるはずです。

問題はそれらのスパイウェアがどれぐらいに広まっているのか、さっぱり分からない点であります。トランプ大統領は貿易戦争から安全保障を含めた中国への「全面対決」姿勢を打ち出しています。不思議なことに習近平国家主席からの声が最近聞こえてこなくなっているのは何故なのか、この点も気になっています。習氏がトップである人民解放軍に習氏のコントロールが効かなくなっている可能性も否定はできません。

また、中国大物女優失踪事件後の脱税発覚事件に次いでインターポール(国際刑事警察機構)総裁で中国人の孟宏偉氏が中国に到着後行方不明になっているようです。いわゆる「重大なる規律違反」の可能性が高いとされています。更には香港でフィナンシャルタイムズ紙の幹部記者のビザの更新が拒絶されたという報道もあります。中国政府の締め付けはより強固になっているように感じます。

旭日旗、自衛隊の無念
海上自衛隊が参加する予定だった韓国での国際観艦式に関し、自衛隊の旭日旗を巡り論争が巻き起こり、海上自衛隊がその参加を取りやめることを決めました。これをお読みの方々からはふざけるんじゃない、という大バッシングが聞こえてきそうです。

旭日旗は1870年、つまり、明治維新直後から使われ始めており、日本軍がずっと使い続けたというイメージもありますが、意匠がハレの日をイメージして作られたものであることから、祝い事など様々な形で使われてきた、というのが歴史であります。大漁旗もその一環でありましょう。

ところが韓国ではこの旗に生理的拒否反応を示します。もともとは2011年のサッカー、アジア杯の日韓戦が起源だったと記憶しています。それまでは旭日旗にさほど強い反応はなかったはずです。韓国側に言わせればあの旗が持つイメージが「植民地時代への怨嗟」ということなのでしょうか?

日本を取り巻く歴史認識問題が収まらないのはなぜでしょうか?いくつもの理由の中の一つにドイツは敗戦とともに国家が一度消えて、今のドイツが再建されたという「国家のリセット」があったのに対し、日本は天皇制が維持され、国家崩壊を逃れたことで戦前、戦中、戦後が繋がっていることがあるとされます。ある意味、歴史の断絶を求めるのが左翼と東アジアからのボイスなのでしょう。

私も歴史問題では矢面に立っています。今週、当地、BC州議会で香港出身議員が南京事件記念日制定の法案制定を目論む、と発言、我々は大慌ての対策に走っています。中国側の組織だった活動の一環であります。北米ではとにかく声を出していかねばなりません。そういえばサンフランシスコの慰安婦像問題では大阪市が姉妹都市解消をしました。戦略的には大阪の負けです。関係があるからこそ、相手が聞く耳を持つという政治力があったはずです。残念です。

後記
巨人、高橋監督が辞任表明しました。確か、去年のシーズン中にこのブログで監督は辞めるんじゃないか、と記したことがあります。あまりスポーツ系のコメントはしないのですが、彼は監督不向きな性格なんです。金満巨人は現役時代の活躍と監督を結び付けようとし過ぎていますが、彼は単なるボンボン。広島の緒方監督は現役時代の苦労も含め、根性が座っています。ところで巨人が強くないと景気が盛り上がらないというジンクスもあります。来年はリベンジしてもらいたいものです。

では今日はこのぐらいで。

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トヨタが欲しかったもの4

日本企業で時価総額1位のトヨタと2位のソフトバンクが手を結ぶニュースは意外感も含め、話題になっています。なぜこうなったのか、少し考えてみたいと思います。

豊田章男社長は自動車業界激変への危機感をずいぶん前から声にしていました。今までの自動車業界はより性能の良いもの、燃費効率がいいもの、パワフルで、乗り心地が良く、安全性が高く、消費者の心をくすぐるデザイン性のある車を追求してきました。これは1920年代のT型フォードとGMのライバル関係の時代から基本的に変わらず、自動車というハード面の改革に努めてきたと言ってよいでしょう。

業界が変わりつつあるな、と思い始めたのはこの20年ぐらいだと思います。北米の新聞広告には他社の装備品と比較の表を広告に載せ、この車はこんなにお得です、という売り込み方をしていました。その装備品差別化広告時代が終わり、「従業員価格セール」など大幅なディスカウントによる市場シェアの維持の時代がありました。これは今でも変わらずで、19年モデルに変わるこの時期、北米の自動車広告は18年モデル在庫一掃の大バーゲンの文字が躍ります。

が、消費者である私から見ると10年ぐらい前から「どうしても欲しい」車が少なくなったのも事実です。それは価格帯による差別化が少なくなり、かつての小型車がどんどん「成長」し、巨大化していくことも理由の一つであります。トヨタならばRAV4はデビューした94年時に北米のハイウェイを走っていると「ちっちゃな日本車」でしたが、19年型のフルモデルチェンジ車は4595mmx1855mmx1700mmでデカくてゴツイ車になってしまいました。同社のハリアーとどう差別化するんでしょうか?北米日産なんてもっとひどくてラインアップはSUVしかないのか、と思わせる状況であります。

車のハードの部分は今後も成長するでしょうが、主役はソフトに依存する新しい価値感を見せなくてはいけなくなったと思います。例えばバンクーバーにもあるカーシェアリング会社のCar2go。これはベンツがやっているのですが、かつては二人乗りのSmartが主流でしたが今ではGLAとCLAも投入し、普通に誰でもベンツが乗れる時代になっているのです。

今回、ソフトバンクと提携を結んだ理由をメディアにいろいろ書かれています。それはそれで面白いのですが、究極的にトヨタが欲しかったのはソフトバンクが持つビックデータの何物でもないと思います。私は断言してよいと思っています。

自動車業界で出来そうでできない自動運転の理由、これはデータが足りないから、とされます。あらゆるケースを想定したデータをコンピューターに読み込ませ、AIで判断させるその基幹情報が欠如しています。アメリカで起きたウーバーの死亡事故は明白にデータ不足が引き起こしています。(テスラの事件は人為的事件です。)自動車各社としてはより完璧を期したいわけですから要求されるデータは膨大なものになります。その点、ソフトバンクは「乗車回数で見た世界シェアは9割を超える」(日経)ですから規模の圧倒性が有りそうです。

孫社長は「豊田社長が来て驚いた」とコメントしているようですが、そんなのは孫さんにしてみれば計算のうちでいつ来るのか、ずっと待っていたといってもよいでしょう。こう見ると孫さんがウーバーなどに積極的攻勢したのはデータを目的としていたということは明白でしょう。

ビックデータを持つ企業ほど将来のビジネスを左右します。アマゾン、グーグル、フェイスブック、アリババといった巨大企業は圧倒的有利な立場となり、彼らは自動車会社にしろ、一般消費財にしろ、彼らの傘下に全部収めることができる時代がやってきたともいえるのでしょう。ZOZOも同様でした。ネットで服を買うという行為を通じてデータを蓄積し、多くのアパレルメーカーがZOZOに参加しなくてはいけない状況を作り出すわけです。楽天が携帯電話事業に参入するのもデータとみてよいと思います。

これは企業の力関係を根本的に覆す地殻変動と言ってもよいでしょう。ではモノづくりニッポンはどうなるか、と言えばもちろん、より良い製品を生み出すという根本思想は何ら変わりありません。ただ、売り方が変わり、データを支配し、ソフトをいかに活用するかが企業の生き残りをかけた戦いになるとも言えましょう。その点、トヨタがソフトバンクという世界有数のデータバンクを押さえたという点は他の自動車メーカーには衝撃的事実となることは確実だと思います。

80年代に「近未来には日本の自動車メーカーは3社しか残らない」と言われました。不思議と今日まで1社もつぶれずにやってきたわけですが、いよいよ3社に絞り込む動きが出てくるかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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英国の末路4

英国のEU離脱にむけた状況を見ると目を覆いたくなります。メイ首相の心中やいかに、と慮りたくなりますが、本人の強気発言は英国人のプライドの高さを示しているのか、単に頑固で前にしか進めないウサギのようなリーダーなのでしょうか?

ご承知の通り、19年3月で英国はEUから離脱します。その移行期間をスムーズにし、双方がどのような作業、協定締結を行うのかを含めた交渉期間は約2年ありました。そのタイムリミットは10月とされており、すでに実質タイムアップといってよい状況にあります。にもかかわらず、ほとんど何も合意できておらず、終わりの始まりが近づいているようです。

報道では11月と12月に開催されるEU首脳会議が本当の最終期限とされますが、12月はクリスマス時期に入るため、機能しないでしょう。よって11月中旬に設定されている首脳会談が全てになると思います。

現在の状況は最悪といってよく、合意なき離脱が現実味を帯びています。もしも政府に代替案があるならそれを示さないと国全体で噂が噂を呼び、大混乱に陥る可能性はあります。

ではなぜ、こんな状況になってしまったのか、ですが、個人的にはEU離脱を問う国民投票そのものが間違いだったのではないか、と考えています。近年の選挙は選挙民をいかに引き付け、魅力的なオファーをし、投票してもらうか、あらゆるテクニックを駆使します。その結果、案件に対して360度見渡し、長所短所を理解したうえで判断しているのか、といえば多分それは少数派ではないかと思います。

国民の大半は自分で直接的に目で見える生活エリアのことしかわかりません。政治家や専門家が何をどれだけ主張し、説明しても上の空であり、頭に入ってくることはありません。それよりも自分に降りかかってくるかもしれない目先の損得に目を奪われ、それをより刺激するメディアや主張にだけ耳を傾け、明白な結論だけを先に作ってしまいます。そうなると相手の言い分など聞く耳持たずになるのです。(典型的な今の選挙戦スタイルです。)

EUからの離脱判断は国家の経済、社会システムの大根幹の決定であるのに国民投票が正しい判断手法だったとは思えません。それは恐るべき素人集団が群集心理と声の大きさに惑わされ、洗脳され、扇動されてしまうからであります。そうではなく、市民と状況をコミュニケートできる専門家を全国各地から1000人なり1万人なり選出する選挙(Special Purpose Electionとでも言いましょうか?私の造語です。)を行い、十分なる知識を持った人たちが討論をもって与えられた特定案件のみを決議できる被選挙人を設定すべきだったのかもしれません。もちろん、今言っても遅いですが。

英国に基盤を持つ企業、特に国際企業はここにきて大慌てで代案の具体化を進めています。このところ、トヨタやBMWといった自動車業界からいろいろな声が聞こえてきたのは10月2日にパリ国際自動車ショーで自動車メーカーの首脳らがたまたま集まったためにそんなニュースが数多く流れました。

日経によればドーバートンネルを行き来するトラックは1日5000台。この動きがなんらかの形で遅滞すればそれだけでとてつもない経済停滞を引き起こすとされます。先の自動車業界の場合、部品のストックはトヨタで4時間、ホンダで半日分しか持たない究極のジャストインタイム方式ですから、これがあだになる可能性が出ているわけです。

では国境に入国審査場ができ、カスタム(税関)ができるとすればその施設はどう作るのでしょうか、人はどう採用し、どういうルールを設定するのでしょうか?こういう実務一つとっても何も決まっていないとすれば英国は3月29日午後11時に無法地帯と変わるのかもしれません。

もちろん、メイ政権が無策であるとは思っていません。発表こそしていないくともいざという準備はしているでしょう。しかし、日本のように何かあった時、一気呵成に達成できるような国家の基礎はありません。EU離脱に伴う実務作業だけで気が遠くなるようなプロセスが待ち構えています。

個人的には合意なき離脱が生じれば数年間は混沌とした国家になる可能性は否定できません。が、もともと持ち合わせている能力、資産、政治力はあります。どこかで回復してくるとは思いますが、いばらの道が待ち受ける公算は相当高まってきたと言わざるを得ない気がします。

では今日はこのぐらいで。

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