外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

スルガ問題が引き金となるか、投資用不動産の逆回転4

日本人には基本的に不動産神話がある気がします。歴史的に見る地主と小作の関係であります。海外では資本家と労働者という関係が好対照ですが、それをもっと小ぶりながらも具現化したのが土地持ちとそうではない人の位置づけだろうと思います。

日本人のDNAとも言える不動産所有欲求は高度成長時代に持ち家促進を普及させ、80年代バブルで一旦天井を打ちます。その後、新世代の駅近のマンション、湾岸地帯のマンションそして、タワーマンションブームとバトンタッチしながらも確実に不動産への高い興味を維持してきました。

一方で自宅のみならず、投資用不動産にも昔から根強い需要があったのですが、今世紀に入り、自己資金が少なくても不動産を買うという手法が一部で人気になりました。低金利政策のおかげであります。資金の借り手である不動産投資家からすれば金利は安いし、銀行は貸出先に飢えているわけですから何棟もマンションを買い占める「棟買い」の不動産爆食時代を迎えていました。ニュースにはあまり出ていませんでしたが、不動産事業をしている方ならば誰でも知っている事実であります。

そんな爆食の人の話を聞いていると賃料収入の大半を元利払い充て、残った部分が自分の懐に入るというシナリオです。計算上、元手が少ないのに資産が計上され、お小遣い程度の収入があるのですから、投下資本に対する利回りが極端に高くなる数字のマジックで大半の人は目がくらむわけです。そうなるともっと投資を増やせば大金持ちになれるという悪魔のささやきに「もう一つ買い!」という勢いがついてきます。

問題はそんな鼻息の荒い話を傍で聞かされた人たちです。「ならば、俺もやるぞ!」。しかし、元手がなければいくら何でも銀行も躊躇します。そこで生まれたのが「何とかしましょう」という不動産屋の悪魔の手引きであります。

今回はスルガやTATERUなどが表ざたになっていますが、まだ相当あると思います。言い換えればこれは氷山の一角であったと考えています。この一件で引き締めに入った投資用不動産への融資の意味とは金融機関が金融庁に目を付けられないよう、また表ざたにならないよう、必死の防戦をしている、と申し上げたほうがいいのでしょう。

しかし、賃貸不動産への需要は場所を間違えなければ高水準が続きます。私のところも100%部屋は埋まっています。理由は不動産購入できる余裕ある若者は狭められていることと外国人の需要であります。私も「もっと欲しい」とは思いますが、厳選したものしか手を出しませんので不動産屋泣かせかもしれません。

若干、融資をしてもらっている某大手銀行の支店長氏曰く「シェアハウスで融資している案件は全店でも極めて少ない」と。だから次があっても融資できるか保証がないというわけです。資金繰りぐらいはどうにでもなるので「どうぞお気遣いなく」と申し上げていますが、私としては「しめしめ」なんです。なぜかといえば需要に対して供給が細るので事業はしやすくなるのであります。

投資用不動産への投資家の需要が低迷すれば価格の下落→担保不足→銀行からの無理難題→担保処分…という悪循環に対して海外投資家と大手不動産会社が拾い上げるというシナリオはありうるのかもしれません。ただし、個人投資家は再生価値のないボロ不動産もかなり吸い上げましたのでそういう物件は要注意かと思います。

不動産価格は基本的に上昇傾向でありますが、投資用不動産への融資引き締めがこの傾向に一旦水を差すのか、気になるところです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

シアーズ倒産瀬戸際に思うこと4

アメリカの景気は絶好調といわれているのにこんな老舗デパートが大型倒産の瀬戸際に立っていることには感慨深いものがあります。同社は今週末にも破産法を申請する可能性があると報じられています。

シアーズは私にとって繁栄するアメリカを想起する代表的企業であります。初めてアメリカに渡った81年、シアーズローバック(これが当時の正式名称)はアメリカでもっともブイブイ言わせていた企業の一つで、ショッピングモールにはシアーズ、当時世界で最も高いシカゴのシアーズタワーに本社を置く全米の代表的企業でありました。私ですら、なつかしさを感じるのですから多くの中年以上のアメリカ人はノスタルジックな気分になっているのではないでしょうか。

しかし、現実を見るとその経営は真綿で首を絞めたような状態にありました。ここバンクーバーにもシアーズが鎮座していましたが、経営不振で撤退しました。その頃のシアーズの店内はがらんとしていて欲しいものを探すのに苦労した、という印象しか残っていません。年中バーゲンをしているため、今日の価格がいくらか、レジでチェックしないと分からないような状態であります。(これはカナダのほかのデパートでも同様です。何ともひどい価格戦略です。)

老舗デパートの倒産は消費行動の変化そのものであります。多くの人は必要なものがある程度そろってしまい、それらの使い勝手が悪いわけでもないとすればわざわざデパートでウィンドウショッピングにもなりません。つまり、ショーウィンドウを覗く下見に行くことすらなくなるほど先進国の国民生活は豊かになったということなのでしょう。

「シアーズ倒産の瀬戸際」は海の向こうの話と割り切るわけにはいきません。日本でも厳しい競争が日々繰り広げられています。最新のニュースではドン・キホーテが総合スーパーのユニーをファミマグループから買い取ることになりました。ドンキはユニーの店舗を活用しながらドンキ色に染めていくはずです。それはドンキが買収した長崎屋でも起きています。確かにスーパーの2階にある閑散とした衣料品売り場よりドンキの持つ魔性のような商品構成は思わず、立ち入りたくなるような興味深さがあります。

日本で長らく頭痛の種と言われている小売業種はデパートと総合スーパーであります。両業種とも閉店やリストラが全国規模で行われています。今後、最大の山場を迎えるのがコンビニと見ています。それはドラッグストアが快進撃をしており、コンビニ包囲網が出来つつあるからです。

「弁当はドラッグストアで買う」という常識はつい最近までなかったはずです。ところがイオンがオリジン弁当を買収、ドラッグストア業界NO1でイオングループのウエルシアがオリジンの弁当を格安で提供することでコンビニ=弁当の方程式を切り崩します。ちなみにオリジン弁当買収劇では最後まで戦ったのがイオンとドンキであり、弁当を制する者は小売業界を制することを見せつけたともいえるでしょう。

小売業界は時代とともに大きくその立ち位置を変えていくとも言えます。TSUTAYAはレンタルから立ち位置の変化に工夫をしています。一方、伊勢丹は高級食材スーパー、クィーンズを売却しました。業界内がくっついたり離れたりしながら大戦国時代を迎えているとも言えます。

シアーズは巨大化しすぎたがゆえに身動きが取れなくなったクジラのような気がします。かつてアメリカで一世を風靡したブロックバスタービデオというレンタルビデオ屋も業種転換できず倒産しました。ウォールマートはネットショッピングに力を入れ、アマゾンとの対抗心をむき出しにしています。

時代の風を読み、老体に鞭を打たなければ老舗もかつての栄光もすべて消え去るという厳しい時代を感じさせます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

不和だらけの世の中、株式市場の行方は?4

世界を見渡すとろくな話はないのですが、嫌な話は「見ないふり」をして、堅調なダウ指数だけで世を語るのも恐ろしいところです。日本株は連休明けも300円以上下げ、4連敗となっていますが、そのあたりのことも含め、考えてみましょう。

まず、アメリカの株式市場ですが、資金のシフトが見られます。それは金利の上昇とともに高PERのハイテク関連から手堅い銘柄への移動であります。例えば、アマゾンは2050ドルの高値から現在は1800ドル台半ば、グーグルは1270ドル台から1100ドル台前半に下げるなど高値追いをしていたつい先頃と勢いが明らかに違います。

アメリカの10年物国債が3.20%を超える水準となると機関投資家などのポジションが変化するのは当然で無理なリスクを取るよりも手堅い投資手段になるのは定石であります。私も株式市場と手堅い運用の組み合わせを行いますが、カナダで60日程度のGICで2%以上の金利水準となれば無配株の処分、GIC(カナダ独特の元利保証型定期預金)への運用シフトが視野に入るのはやむをえません。

では、世界を見渡してみましょう。まず、中国の代表的株式市場である上海総合ですが、厳しいところにあります。株価は6カ月ぐらい先の状況を見込む景気先行指標とされますがアメリカとの頑なな関係でデッドロックに乗り上げたような感があります。こうなると中国の代表的銘柄であるアリババも下落が止まらず、NY市場では年初来安値を付けています。

欧州では中央銀行の金融緩和が終わるところですが、英国にしてもイタリアにしても体制が盤石とは言えません。英国のFTSEやイタリアのMIBと言った代表的株式指標も5月の高値から下落トレンドが止まっていません。トルコでは1月から2割強下落、今回毎度のIMF支援を要請したパキスタンも4月から2割ほど下げています。

こう見ると世界の主要市場で株価が堅調なのはアメリカと日本ぐらいであります。アメリカが堅調なのは金利高もあり資金が新興市場からアメリカへ戻っていることが挙げられます。しかし、アメリカの国内では資金がだぶついているものの、投資先が厳選されているように見受けられます。

では日本ですが、奇妙な安心感が現在の株価水準に表れているとみています。例えば間もなく7-9月の四半期決算が発表になりますが、為替水準からすれば上方修正が相次ぐ可能性は高く、また、日本企業は世界経済がどこに向かおうが、せっせと稼ぐというイメージが強く、日銀が金融緩和政策を維持するならまだいけるということなのだろうと思います。

目先下げていますが、私は調整が進み、切り返してくるとみています。

長い間の金融緩和がもたらしたものとは持てる者は相当稼いだということであります。その資金をどこで運用するか、まさに地球上をうろつく状態にあるといってよいかと思います。ビットコインなど仮想通貨が思った以上に手堅い動きをしているのもしっかり稼いだ仮想通貨信者たちの作り出す市場があるのかもしれません。

1929年株式大暴落にしろ、日本のバブル崩壊ににしろ、当時は市場と投資家のコミュニケーションラインは限定されていました。今はコンピューターにAIでストップロスがかかる上に機関投資家の損失防止策もあり、投資したお金が泡のごとく消え去るということにはならないでしょう。

言い換えれば地球儀を見渡してここ、というところがあれば必ず投資資金は入るし、潮の満ち引きのように引くときはさっと引く、ということをイメージしたらよいかと思います。

個人的にはアメリカでの投資分については高配当銘柄は維持しますが、それ以外は高配当銘柄へのシフトを進めるか、GICにするなど先行きに流動性を持たせるつもりです。カナダ投資分も同様ですが、一部の資源銘柄は超低価格になっており、様子をうかがっているところであります。日本については決算良好とお見受けしますのでさほど懸念していません。

投資はあくまでも個人も判断ですが、目先にとらわれず、グローバルな目線で見ていくことが大事かと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

中国は国家運営の厳しさ露呈か?4

ポンペオ国務長官と中国外務大臣、王毅氏との会談は米中外交をめぐる舌戦になったようですが、最近の中国の様々な発言に虚勢を張ったようなスタンスが見られるのは何故でしょうか?

先週、このブログでもご紹介したようにフィナンシャルタイムズ紙の香港駐在の幹部記者の就労ビザの延長が拒否されました。この点についても中国外務省報道官がわざわざビザ拒否の正当性を主張する会見を開いていますが、もともとこの記者が香港民主化活動の支援者と見做されたことがビザ拒否の理由であったことは明白であります。中国は体制を受け入れる者とそうではない者を明白に区別する姿勢を強化しています。

10月8日、上海市場は株価の大幅安に見舞われました。この原因を探ると香港経由で外国人投資家が大量の売りを浴びせたことが直接の引き金となっています。その規模、1600億円となっています。上海市場は個人投資家が主体で市場構成バランスが脆弱な体質となっているため、ボラ(変動率)が高くなり、一週間の連休明けを待ち構えていた外国人の強烈なパンチを食らったということなります。

なぜ、外国人は中国投資から一歩、引いたのでしょうか?もともと中国を支援していたのはドイツなど欧州勢。ところがEUが盤石の体制かといえば英国離脱問題にイタリアもがたがたし始めた中でメルケル首相の求心力の賞味期限もあります。そこにアメリカが貿易戦争を仕掛け、アジアでは親中国派を見直すの政権が次々と樹立され思った以上の防戦を強いられているというのが正直なところでしょう。このところ、中国による日本への政治的圧力が少ないのは日本を敵に回している余裕がないためであります。

今、注目を集めているのがICPO(インターポール、国際刑事警察機構)の孟宏偉総裁の処遇であります。孟氏は中国当局に拘束された後、ICPOを即座に辞任していますが、理由が何であれ、粛清される公算があります。これは習近平体制に反する人間は全て捕まえる、ないし、国外追放するという恐怖政治そのものであり、時代錯誤甚だしいものがあります。アメリカがこんな体制を放置することはなく、私が貿易戦争は更に深度を増すだろうと申し上げたのは最終的に民主主義との戦いに挑んでいるように見えるからです。

孟氏や女優の脱税事件で思ったのは韓国がそっくりの体制である点です。先週、韓国では李明博元大統領に有罪判決が下り、収監されました。朴槿恵元大統領同様、現政権が反対勢力潰しを徹底して行う点で勧善懲悪を模した弾圧そのものを国民が拍手喝さいで受け入れる点は似ています。これはかつて中国の文化大革命で紅衛兵という形で思想コントロールを受けたのとほぼ同じ構図が現代でも続いているといってよいのではないでしょうか?

気をつけなくてはいけないのは日本も影響を受け、その傾向がこの数年強まっており、メディアが毒されはじめ、左翼論法を堂々展開していることでしょうか?朝のニュースチャンネルでも某民法の解説者の左寄りのコメントに「そうですよねー」とほとんど何も考えていないアシスタントの同意は恐ろしいほどのマインドセットを生み出します。アシスタントの頷きは無意味極まりないと思います。

私はオリンピック10年後の激変ということを何度も申し上げてきました。日本、韓国、ソ連、ギリシャなど歴史が裏付けています。その中国、今年が北京五輪から10年目に当たります。個人的には今はまだ、序章でこれから大きな激震が待ち構えているように感じます。

では今日はこのぐらいで。

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起きるか、飲食店の大変革4

北米のレストランは本当に価格が高くなりました。メインディッシュが3-4千円するのが当たり前になると一人当たりの支払額は飲む量によりますが、チップや税金を含めると一人1万円相当になってしまいます。レストランは非日常を楽しむものだ、という北米的発想(日本は違います。)からすればこじゃれた店のインテリアに素晴らしいサービスであとは美しく盛り付けされたフードが提供されれば味はともかく、案外受け入れられているようです。

先日行ったバンクーバー初のとんかつ専門店。韓国人が経営していると聞いていますが、こざっぱりした店でプレゼンも上手で美味しそうな分厚い肉のとんかつを提供してくれます。では、その感想はどうなのか、といえば「家で作れないレベルではない」という気がしましたがまぁ、よくやっている方でしょう。問題は価格でチップ込みで1800円ほど。カナダの豚肉は安くて質はよいですから(日本にも相当輸出しています。)もう少し、安くてもいいのかな、という気がしますが、その価格設定には人件費が重いように感じました。

ウーバーイーツなどレストランからのデリバリーサービスが最近はやっていますが、レストランにとっては都合の良い価格設定だと思います。それはサーバーの人件費がかからないのに料金はその金額か数割増しの価格を設定していると同時に配達料も客からとるからです。

レストランのビジネスは席が満席になるとそれ以上客を入れらないいわゆる「売り上げの頭打ち」があります。そこで持ち帰りなどを増やせば売り上げは理論上無限に増やせるわけでウーバーイーツなどデリバリーサービスはレストランにとっては好都合の援護射撃のはずです。よって個人的にはウーバー向け価格設定は間違っていて配達料を少しはカバーできるぐらいのディスカウントがあるべきでしょう。

飲食店の大改革とは言うまでもなく、人手不足に飲食店がどう対応するのか、という点であります。例えば通常のレストランの場合、サーバーさんはメニューを渡し、水を提供し、注文を聞き、フードを運び、(北米では途中で「おいしいか」と聞き、)空いた皿を片付け、精算をし、テーブルをきれいにし、次の客のためのテーブルセットをするというプロセスを踏みます。

正直、これ、大変なんです。手が抜けないこの仕事をやりたがる人が少なくなってきているのはやったことがある人ではないと分からない激務だからであります。(私も学生の頃、レストランの厨房で働いていましたが、人手不足の時はサーバーもしていましたのでフードを4皿、ライスを2-3皿を一気に持ってサーブするという芸当すらしていましたが、かなりしんどかったです。)

例えばレストランの現金お断りが増えてきた理由はレジ締めが面倒な作業でそれをするかしないかで人件費が一日当たり1-2時間分増えるからであります。(一日1時間でも一店舗当たり年間30万円にもなります。)北米では現金で払おうとすると驚かれることも増えてきているのです。

ファーストフード系の場合、フードコートのようにほとんどセルフにしてしまった方がよい気がします。社食や学食にはサービスがないのが当たり前ですが誰も文句を言いません。ならば日本の飲食店は完全に差別化すればよいと思います。食べるだけでよいのか、テーブルでゆっくりおしゃべりをするのかでセルフ式とサーバー式に分けてしまうというアイディアです。吉野家が実験的にやっていたと思います。讃岐うどん屋が安いのはほとんどセルフだという点を見逃してはいけないのです。ホテルの食事にビュッフェスタイルが増えたのもサービスが大変だからです。

結局、落としどころは人手をいかに少なくして飲食店を経営するか、これにかかっていると思います。これをもう少し究極的に進めるとメニューの絞り込みになると思います。街の食堂では昔のデパート上層階の「お好み食堂」ならぬラーメンからハンバーグ、かつ丼まで出す店がありますが経営的には非効率の極みになります。最近、東京で入った居酒屋もメニューのアイテムが少ないのにびっくりしました。先述のとんかつ屋では数種類しか選択肢がないので皆、同じものを食べているように見えましたし、ラーメン店も基本的にトッピングとスープの違いぐらいでしょう。

効率化と人件費との戦い、これが飲食店経営の最大のキーワードであります。ここを乗り越えられないと店側は値上げせざるを得ず、外食ランチが出来なくて弁当を持っていく人が増えてくるかもしれません。一方で店側は値上げに対する消費者の拒絶反応に戦々恐々としていますが、消えたお客はどこに行ったのか、ある意味、不思議な気もします。

では今日はこのぐらいで。

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移動時間の経済学4

不動産の売れ筋エリアが変わってきています。かつて世田谷区は高級住宅街のイメージが強かったのですが、最近は世田谷の利便性は悪くはないもののオフィス、新幹線、空港アクセスに便利かと言えばピカイチとは言えません。それゆえ、社長さんなど経営者は港区や渋谷区などより都心により近いタワーマンションを求める傾向が強まっています。

これは人の行動の変化が不動産のし好を変えているとも言えます。ネットが普及し、便利になると同時に情報過多でより忙しくなっている方が圧倒的に多いと思います。電車の中でネットをしている方も多いですが、それで仕事をしている方は少ないでしょう。つまり、経営者にとって移動時間は最小限であることが最大の時間価値向上の方策であります。

少し前の日経に首都圏でドーナツ現象が起きていると指摘されています。ドーナツ状の環状エリアで高齢化が進み、所得水準が下がっている、という記事です。取手、久喜、飯能、青梅が具体的に名が挙がっていますが、それ以外にも多摩ニュータウン、JR横浜線沿線、大船より以遠の湘南方面も同様だと思います。

それらの地域はかつて多くのサラリーマンにとってベットタウンとして戸建て住宅をゲットできたエリアですが、駅から歩けるならまだしもバス便となれば遅い時間にバスはなく、タクシー乗り場は長蛇の列という不便な思いをした方も多かったでしょう。それを子供たちは見続け、何時かはもっと都心に移りたい、という強い願望を持ちます。それが都心や武蔵小杉のタワマンブームに繋がっているとも考えられます。

移動時間をいかに短縮するか、日本はあらゆる工夫を重ねてきました。高速道路網はだいぶ完備し、都心の道路も拡幅が進みます。鉄道網はもはや外国人のみならず、地方から来た人にとっても複雑怪奇なパズルとしか思えない仕組みとなりましたが、知っている人にとってはこれほど便利なものはありません。(例えば新幹線乗り換えは東京駅より品川の方が圧倒的に楽であるとか。)新宿のバスタも使い勝手はいいと思います。

ここ最近、これまでの発想を完全に刷新する手段が生まれようとしています。「空飛ぶタクシー」であります。まだ、どこでも実施はされていませんが、あと5-10年のうちにどこかで始まると思います。ウーバー社はそれを強力に推進する会社ですが、日本はその候補地の一つだそうです。そうすると新宿と横浜が10分で結ばれるそうです。

ところで移動時間が短くなれば人の効率化は改善するのか、という疑問があります。身近な例を出します。タワマンの40階にお住いの方と5階にお住まいの方ではどちらが行動的でしょうか?これは明白に5階という結果が出ます。エレベーターに乗れば数十秒の違いなのですが、人間の心理とは距離に比例して疲労感や行動への抵抗感が生じます。よって高齢者と子供にはタワマンの上層階に住まわせるのはよくないとされます。移動距離に比例する疲労感をビジネスに当てはめると、日本全国どこでも日帰り圏となりつつありますが、作業効率は意外と落ちるのであります。

「移動時間の経済学」を利用者便益の観点で捉えた場合、通勤時間や日中の出先への移動といった日々の行動範囲での時間短縮化は作業効率の改善に大いに効果がありますが、遠隔地への日帰り出張などは出張目的はこなせるものの一日の作業量は案外増えないとも言えそうです。

鉄道ではリニア、飛行機もマッハで飛ぶものの開発競争が熾烈となってきています。バンクーバーと東京の移動時間9時間が半分になれば確かに嬉しいのですが、節約できた4時間半をどう有効に使うかと言えば案外、何の生産性もないまま終わってしまったりしそうな気がします。私がリニア新幹線にさほど魅力を感じていないのはそのあたりなのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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今週のつぶやき4

本庶祐京都大学特別教授のノーベル賞受賞で好スタートを切った今週でしたが、多くの方の期待は「複数」のノーベル賞受賞だったと思います。報道には反映されていませんが、「がっかり」しているのではないでしょうか?基礎研究をされている先生は多いので当面はまだ、ノーベル賞受賞のチャンスはありますが、将来のチャンスは低下してきているという警告は教育の弱体化の表れとして真摯に受け止めた方がよいでしょう。

では今週のつぶやきです。

景気はいいのに…
週末にかけて日本もアメリカも含め、全般的に株価が下げ基調となっています。アメリカは金曜日に9月度雇用統計の発表があり、13万4千人の純増と事前予想の18万5千人を大幅に下回り、失望感を誘ったこともあるでしょう。失業率は3.7%と1969年来の水準まで改善していますが、経済の原則論からすると労働の質が下がり、賃金の急上昇が起こるはずです。その賃金は前月比0.3%増でこの直近3カ月の上昇率は年換算3.4%で明らかに危険度が増しています。

一方でトランプ政権が国内経済活性化のためのカンフル剤を打ちまくっているため、無理やり踊らされている企業と国民のようにも見えます。株式市場はそのあたりは冷静に見ています。USMCAを発表して安ど感が漂うカナダの株価指数も発表の翌日からは連日の下げとなっており、お祭りムードは一日だけでした。

ところであまりニュースにならなかったですが、GEの役員会は1年前に就任したフラナリー会長をクビにしました。理由はリストラのスピード感がないから、であります。GEは歴代、就任年数が長い会長ばかりだったのに「GE、お前もか」という短期成果志向の決定でありました。アメリカのエグゼクティブが日本人以上に必死に働くのはこんな天国と地獄を見ているからでしょう。

スパイチップ事件、真実は何処に?
ブルームバーグがスーパーマイクロ社製のマザーボードに米粒大のマイクロチップを中国人民解放軍の工作員らが埋め込んでいた、とすっぱ抜き報道をし、大騒ぎになっています。現時点で関連のあるアップルやアマゾンはハッキング攻撃を否定していますが、チップが埋め込まれていた事実はアメリカ国防省やCIA等にとって驚愕の事実となるはずです。

問題はそれらのスパイウェアがどれぐらいに広まっているのか、さっぱり分からない点であります。トランプ大統領は貿易戦争から安全保障を含めた中国への「全面対決」姿勢を打ち出しています。不思議なことに習近平国家主席からの声が最近聞こえてこなくなっているのは何故なのか、この点も気になっています。習氏がトップである人民解放軍に習氏のコントロールが効かなくなっている可能性も否定はできません。

また、中国大物女優失踪事件後の脱税発覚事件に次いでインターポール(国際刑事警察機構)総裁で中国人の孟宏偉氏が中国に到着後行方不明になっているようです。いわゆる「重大なる規律違反」の可能性が高いとされています。更には香港でフィナンシャルタイムズ紙の幹部記者のビザの更新が拒絶されたという報道もあります。中国政府の締め付けはより強固になっているように感じます。

旭日旗、自衛隊の無念
海上自衛隊が参加する予定だった韓国での国際観艦式に関し、自衛隊の旭日旗を巡り論争が巻き起こり、海上自衛隊がその参加を取りやめることを決めました。これをお読みの方々からはふざけるんじゃない、という大バッシングが聞こえてきそうです。

旭日旗は1870年、つまり、明治維新直後から使われ始めており、日本軍がずっと使い続けたというイメージもありますが、意匠がハレの日をイメージして作られたものであることから、祝い事など様々な形で使われてきた、というのが歴史であります。大漁旗もその一環でありましょう。

ところが韓国ではこの旗に生理的拒否反応を示します。もともとは2011年のサッカー、アジア杯の日韓戦が起源だったと記憶しています。それまでは旭日旗にさほど強い反応はなかったはずです。韓国側に言わせればあの旗が持つイメージが「植民地時代への怨嗟」ということなのでしょうか?

日本を取り巻く歴史認識問題が収まらないのはなぜでしょうか?いくつもの理由の中の一つにドイツは敗戦とともに国家が一度消えて、今のドイツが再建されたという「国家のリセット」があったのに対し、日本は天皇制が維持され、国家崩壊を逃れたことで戦前、戦中、戦後が繋がっていることがあるとされます。ある意味、歴史の断絶を求めるのが左翼と東アジアからのボイスなのでしょう。

私も歴史問題では矢面に立っています。今週、当地、BC州議会で香港出身議員が南京事件記念日制定の法案制定を目論む、と発言、我々は大慌ての対策に走っています。中国側の組織だった活動の一環であります。北米ではとにかく声を出していかねばなりません。そういえばサンフランシスコの慰安婦像問題では大阪市が姉妹都市解消をしました。戦略的には大阪の負けです。関係があるからこそ、相手が聞く耳を持つという政治力があったはずです。残念です。

後記
巨人、高橋監督が辞任表明しました。確か、去年のシーズン中にこのブログで監督は辞めるんじゃないか、と記したことがあります。あまりスポーツ系のコメントはしないのですが、彼は監督不向きな性格なんです。金満巨人は現役時代の活躍と監督を結び付けようとし過ぎていますが、彼は単なるボンボン。広島の緒方監督は現役時代の苦労も含め、根性が座っています。ところで巨人が強くないと景気が盛り上がらないというジンクスもあります。来年はリベンジしてもらいたいものです。

では今日はこのぐらいで。

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トヨタが欲しかったもの4

日本企業で時価総額1位のトヨタと2位のソフトバンクが手を結ぶニュースは意外感も含め、話題になっています。なぜこうなったのか、少し考えてみたいと思います。

豊田章男社長は自動車業界激変への危機感をずいぶん前から声にしていました。今までの自動車業界はより性能の良いもの、燃費効率がいいもの、パワフルで、乗り心地が良く、安全性が高く、消費者の心をくすぐるデザイン性のある車を追求してきました。これは1920年代のT型フォードとGMのライバル関係の時代から基本的に変わらず、自動車というハード面の改革に努めてきたと言ってよいでしょう。

業界が変わりつつあるな、と思い始めたのはこの20年ぐらいだと思います。北米の新聞広告には他社の装備品と比較の表を広告に載せ、この車はこんなにお得です、という売り込み方をしていました。その装備品差別化広告時代が終わり、「従業員価格セール」など大幅なディスカウントによる市場シェアの維持の時代がありました。これは今でも変わらずで、19年モデルに変わるこの時期、北米の自動車広告は18年モデル在庫一掃の大バーゲンの文字が躍ります。

が、消費者である私から見ると10年ぐらい前から「どうしても欲しい」車が少なくなったのも事実です。それは価格帯による差別化が少なくなり、かつての小型車がどんどん「成長」し、巨大化していくことも理由の一つであります。トヨタならばRAV4はデビューした94年時に北米のハイウェイを走っていると「ちっちゃな日本車」でしたが、19年型のフルモデルチェンジ車は4595mmx1855mmx1700mmでデカくてゴツイ車になってしまいました。同社のハリアーとどう差別化するんでしょうか?北米日産なんてもっとひどくてラインアップはSUVしかないのか、と思わせる状況であります。

車のハードの部分は今後も成長するでしょうが、主役はソフトに依存する新しい価値感を見せなくてはいけなくなったと思います。例えばバンクーバーにもあるカーシェアリング会社のCar2go。これはベンツがやっているのですが、かつては二人乗りのSmartが主流でしたが今ではGLAとCLAも投入し、普通に誰でもベンツが乗れる時代になっているのです。

今回、ソフトバンクと提携を結んだ理由をメディアにいろいろ書かれています。それはそれで面白いのですが、究極的にトヨタが欲しかったのはソフトバンクが持つビックデータの何物でもないと思います。私は断言してよいと思っています。

自動車業界で出来そうでできない自動運転の理由、これはデータが足りないから、とされます。あらゆるケースを想定したデータをコンピューターに読み込ませ、AIで判断させるその基幹情報が欠如しています。アメリカで起きたウーバーの死亡事故は明白にデータ不足が引き起こしています。(テスラの事件は人為的事件です。)自動車各社としてはより完璧を期したいわけですから要求されるデータは膨大なものになります。その点、ソフトバンクは「乗車回数で見た世界シェアは9割を超える」(日経)ですから規模の圧倒性が有りそうです。

孫社長は「豊田社長が来て驚いた」とコメントしているようですが、そんなのは孫さんにしてみれば計算のうちでいつ来るのか、ずっと待っていたといってもよいでしょう。こう見ると孫さんがウーバーなどに積極的攻勢したのはデータを目的としていたということは明白でしょう。

ビックデータを持つ企業ほど将来のビジネスを左右します。アマゾン、グーグル、フェイスブック、アリババといった巨大企業は圧倒的有利な立場となり、彼らは自動車会社にしろ、一般消費財にしろ、彼らの傘下に全部収めることができる時代がやってきたともいえるのでしょう。ZOZOも同様でした。ネットで服を買うという行為を通じてデータを蓄積し、多くのアパレルメーカーがZOZOに参加しなくてはいけない状況を作り出すわけです。楽天が携帯電話事業に参入するのもデータとみてよいと思います。

これは企業の力関係を根本的に覆す地殻変動と言ってもよいでしょう。ではモノづくりニッポンはどうなるか、と言えばもちろん、より良い製品を生み出すという根本思想は何ら変わりありません。ただ、売り方が変わり、データを支配し、ソフトをいかに活用するかが企業の生き残りをかけた戦いになるとも言えましょう。その点、トヨタがソフトバンクという世界有数のデータバンクを押さえたという点は他の自動車メーカーには衝撃的事実となることは確実だと思います。

80年代に「近未来には日本の自動車メーカーは3社しか残らない」と言われました。不思議と今日まで1社もつぶれずにやってきたわけですが、いよいよ3社に絞り込む動きが出てくるかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

英国の末路4

英国のEU離脱にむけた状況を見ると目を覆いたくなります。メイ首相の心中やいかに、と慮りたくなりますが、本人の強気発言は英国人のプライドの高さを示しているのか、単に頑固で前にしか進めないウサギのようなリーダーなのでしょうか?

ご承知の通り、19年3月で英国はEUから離脱します。その移行期間をスムーズにし、双方がどのような作業、協定締結を行うのかを含めた交渉期間は約2年ありました。そのタイムリミットは10月とされており、すでに実質タイムアップといってよい状況にあります。にもかかわらず、ほとんど何も合意できておらず、終わりの始まりが近づいているようです。

報道では11月と12月に開催されるEU首脳会議が本当の最終期限とされますが、12月はクリスマス時期に入るため、機能しないでしょう。よって11月中旬に設定されている首脳会談が全てになると思います。

現在の状況は最悪といってよく、合意なき離脱が現実味を帯びています。もしも政府に代替案があるならそれを示さないと国全体で噂が噂を呼び、大混乱に陥る可能性はあります。

ではなぜ、こんな状況になってしまったのか、ですが、個人的にはEU離脱を問う国民投票そのものが間違いだったのではないか、と考えています。近年の選挙は選挙民をいかに引き付け、魅力的なオファーをし、投票してもらうか、あらゆるテクニックを駆使します。その結果、案件に対して360度見渡し、長所短所を理解したうえで判断しているのか、といえば多分それは少数派ではないかと思います。

国民の大半は自分で直接的に目で見える生活エリアのことしかわかりません。政治家や専門家が何をどれだけ主張し、説明しても上の空であり、頭に入ってくることはありません。それよりも自分に降りかかってくるかもしれない目先の損得に目を奪われ、それをより刺激するメディアや主張にだけ耳を傾け、明白な結論だけを先に作ってしまいます。そうなると相手の言い分など聞く耳持たずになるのです。(典型的な今の選挙戦スタイルです。)

EUからの離脱判断は国家の経済、社会システムの大根幹の決定であるのに国民投票が正しい判断手法だったとは思えません。それは恐るべき素人集団が群集心理と声の大きさに惑わされ、洗脳され、扇動されてしまうからであります。そうではなく、市民と状況をコミュニケートできる専門家を全国各地から1000人なり1万人なり選出する選挙(Special Purpose Electionとでも言いましょうか?私の造語です。)を行い、十分なる知識を持った人たちが討論をもって与えられた特定案件のみを決議できる被選挙人を設定すべきだったのかもしれません。もちろん、今言っても遅いですが。

英国に基盤を持つ企業、特に国際企業はここにきて大慌てで代案の具体化を進めています。このところ、トヨタやBMWといった自動車業界からいろいろな声が聞こえてきたのは10月2日にパリ国際自動車ショーで自動車メーカーの首脳らがたまたま集まったためにそんなニュースが数多く流れました。

日経によればドーバートンネルを行き来するトラックは1日5000台。この動きがなんらかの形で遅滞すればそれだけでとてつもない経済停滞を引き起こすとされます。先の自動車業界の場合、部品のストックはトヨタで4時間、ホンダで半日分しか持たない究極のジャストインタイム方式ですから、これがあだになる可能性が出ているわけです。

では国境に入国審査場ができ、カスタム(税関)ができるとすればその施設はどう作るのでしょうか、人はどう採用し、どういうルールを設定するのでしょうか?こういう実務一つとっても何も決まっていないとすれば英国は3月29日午後11時に無法地帯と変わるのかもしれません。

もちろん、メイ政権が無策であるとは思っていません。発表こそしていないくともいざという準備はしているでしょう。しかし、日本のように何かあった時、一気呵成に達成できるような国家の基礎はありません。EU離脱に伴う実務作業だけで気が遠くなるようなプロセスが待ち構えています。

個人的には合意なき離脱が生じれば数年間は混沌とした国家になる可能性は否定できません。が、もともと持ち合わせている能力、資産、政治力はあります。どこかで回復してくるとは思いますが、いばらの道が待ち受ける公算は相当高まってきたと言わざるを得ない気がします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

「全員野球」で第四次安倍改造内閣はAクラス維持を4

安倍内閣は総じて安定している方だと思っています。もちろん、様々な理由で辞任した方々はいます。しかし過去の失敗を経て、緊張感を維持し、不祥事で躓かない政権運営をする姿勢は12年12月の政権発足時から改善されてきた感があります。(異論があるのは百も承知ですが、昔に比べればずいぶんよくなったものです。)仮に辞任した閣僚がいてもすぐに補充が効くという人事層の厚さも安定与党としてより強固なものにしてきたと思います。

今回、「全員野球内閣」と首相は命名しているようです。初の入閣組が多く、手腕は未知数でありますが、ツボを押さえた人事になっていますし、外野が何と言おうと手堅い組閣なのかな、と思っています。女性の入閣は片山さつき氏のみになっているところが寂しいのですが、こちらは層が厚い自民でさえも女性活躍の時代を十分に支える人材がまだ育っていないということなのでしょうか?

全員野球内閣のキーワードは少子高齢化対策、全世代型社会保障、生涯現役社会、消費税、改憲などが上がります。一方、やや寂しいのが「経済の安倍」と言われながらオリンピック後の日本を成長加速させるためのプランが今一つ見えないのが気になります。外交は北朝鮮、中国、ロシア、アメリカが要になりそうです。

いくつか、コメントしてみたいと思います。

少子化対策についてはこのブログでも触れたように婚活したり生活水準の安定、向上があれば結婚、出産が増えるという単純ストーリーではなくなっています。若者の価値観そのものが我々の世代とまったく相違していて欧米の宗教観に近い「家族」という思想が欠落し、物欲から自己欲求の実現に変わってしまっています。

変わらないトレンドなら少子化を受け入れ、減少する労働力人口に対し、経済力をどう補うのか、ここに焦点を当てるべきだと思います。保育園が足りないのは分かりますが、保育園という器をいくら作ってもそこで働く人がいなければ何の意味もない点は認識すべきだと思います。

経済成長ですが、モノづくり日本は基礎研究は長けているのですが、最終製品の開発能力については失速しています。一つは海外での地産地消が進むこと、もう一つはジャパンメイドを海外に押し付ける時代ではないことがあります。日本が次にステップアップするのは新たなサービス産業の創造であり、金融資本と絡ませ他国がまねができないディファクトスタンダードを作り上げることだろうと思います。

それにはガラパゴス日本をあまり強調せず、世界の潮流を見極め、その数歩先を常に歩み続けるセンスだと考えています。そのために個人的には海外企業向け経済特区の創設はありかと思っています。また、新興企業と一流企業のコラボはもっと進めるべきでしょう。AI/ビックデータの新興企業、ALBERTという会社はトヨタに続き、昨日は東京海上日動と手を結んだと発表しました。こういう刺激が大事です。

国内創成については以前から主張しているように災害に強く、地方の効率運営のためのコンパクトシティの推進は全国区で進められます。都心についていえば個人的には羽田の南、つまり、川崎の臨海工業地帯の再開発が視野に上がってきてもよいかと思います。東京や品川、新宿エリアから羽田への利便性を競っていますが、正直、多摩川を渡った川崎側は一番近いのに手付かずなのです。それと蒲田の再開発は次の目玉になりうると思います。

憲法改正論議は進めるべきでしょう。野党はぐずぐず言っていますが、一点だけ指摘しておきます。1946年、共産党の野坂参三(のちの議長)は「(9条2項は)我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある。それゆえに我が党は民族独立のため、この憲法に反対しなければならない」と述べています。つまり、野党の慎重論とは「あぁ言えばこう言う…」的な面が否めないことは認識しておくべきでしょう。

医療費ですが、健康で精神的にも充足し幸せな高齢者があふれる社会を生み出してもらうことが大事だと思います。個人的にはお金よりも、声をかけてくれる人々との触れ合いが大事かと思います。長く働くというのは人との接点ができることで健康維持につながるのだと思います。最近の高齢者はアクティブです。高齢者の引きこもりを無くす、これが間接的には医療費削減につながると考えています。

日本が抱える問題は多く、広範囲にわたります。この改造内閣が総力を挙げて日本を支えると共に国民の一体感が醸成されればよいと考えております。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

カナダ、アメリカに安ど感、貿易協定合意4

アメリカ、カナダ、メキシコのNAFTA自由貿易協定を嫌うトランプ大統領が協定のリセットを主張、メキシコとはニエト大統領と早々に二国間合意しました。ニエト大統領は任期が迫り、12月1日からは左派の大統領が就任するにあたり、実務時間を計算すると9月30日が協定合意の最終期限となっていました。これにカナダが乗れるのか、大きな注目となっていました。

今朝、北米のメディアではYMCA(日本では西城秀樹の「ヤングマン」)の曲が流れまくっていましたが、新しい交渉が成立し、その協定の名前がUSMCAになったからでしょう。

私はもう少しすんなりいく、と見ていましたが、協議時間切れギリギリまで交渉はもつれました。個人的感想としてはもつれたというより「もつれさせた」という感じがしないでもありません。落としどころは初めからわかっていて、それが争点ではなく、カナダがメンツを重視した可能性があったような気がしています。

カナダとアメリカに感情的しこりができたのは先のカナダでのサミットでした。トルドー首相の議長講話に対し、金正恩氏との会談のため中座し、シンガポールに向かう飛行機の中でそれを聞いたトランプ大統領との行き違いが引き金でした。トルドー氏には首相就任前から政権執行能力に疑問符がついており、就任後も対応失敗が目立ち、G7の議長役も重いだろうな、と思っていましたが、その通りとなりました。そういう意味では焦りがあるのですが、トランプ大統領にやり込められたくないという強い反骨心もあります。

「9月30日の期限はメキシコとの合意を果たさねばならないアメリカの都合。カナダは別にそんな時間制約はない」と突っぱねるわけです。表向きは、ですが。

カナダとアメリカの貿易量は双方最重要の関係にあります。アメリカから見る輸出最大国はカナダ、輸入は中国に次いで2番目です。カナダから見ると輸出入ともアメリカが突出しています。つまり、トルドー首相とトランプ大統領にどれだけ感情的な問題があろうともこの貿易関係だけは絶対に潰してはいけないものでありました。その意味では議員や政府関係者が一番はらはらしていたのかもしれません。

ポイントは5つ。
・名前は前述の通りNAFTAからUSMCA(US Mexico Canada Agreement)に名称が代わります。
・自動車の無関税輸出に枠がはめられました。ただし、カナダの自動車生産台数は180万台でアメリカへの枠は260万台で、かつ人気あるライトトラックは除外ですので当面の影響はありません。
・カナダが死守した乳製品は譲歩していますが、もともと幻のTPPで合意形成があったラインですからカナダが特別譲歩したという感はありません。
・メキシコへの影響が大きいのは自動車製造にかかる30%以上の労賃は時給16ドル以上(23年からは40%)を払うことが義務付けられ、メキシコの小型車製造戦略は大幅に見直しになりそうです。
・サンセット条項がついて6年ごとに見直し、合意できない場合は失効します。

こうみるとわざとギリギリまで引き延ばした演出効果はあったと思わせる内容であります。アメリカのライトハイザー通商代表とカナダのフリーランド外相のポイントは大幅アップなのでしょう。

今後、このディールの影響は大きく、中国にはより大きな精神的負担となるほか、日本がアメリカと進める日米通商交渉(TAG)も自動車を守るなら農業開放を迫る構図が明白になってくるとみています。アメリカには交渉の勢いがでてくるとみています。

少なくとも今日は各方面お祭りムードが漂っています。まずはひと段落です。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

終わりなき闘争の沖縄4

安倍首相の3選後初となる地方選挙は最も注目された沖縄の知事選でした。自民党党首選より沖縄知事選の行方に気がとられそうな気配すらありました。しかしながら、結果はご承知の通り、玉城デニー氏が自民推薦の佐喜真淳氏を破り翁長ラインが継続されることになりました。

沖縄はある意味、不幸であります。常に県民のボイスは割れ、一枚岩になれず、政府とも距離感があり、将来への模索が続きます。また、この亀裂を利用し、県外、はたまた、海外から運動家が集結し、ことあるごとに外の人間が様々な声を上げています。今回の選挙でカナダからもサヨクが複数人、沖縄入りしていました。(名前もわかっています。)

新知事の誕生は辺野古をめぐり国側と法廷などを通じたバトルが新たに開始されることを意味します。「安全な普天間」は先送りされることになってしまいます。サヨクの言い分は「なぜ沖縄ばかりなのか。なぜ、いやなことを押し付けるのか、米軍は県外でもいいではないか」というものだと思います。しかし、米軍は本土にも何か所もあります。また米軍はどこでも設置できればいいというものでもありません。残念ながら沖縄は戦略的に極めて重要であり、太平洋の防衛ラインとして死守すべきところであります。グアムと沖縄の意味合いは別でしょう。最近、トランプ大統領が台湾の肩を持つことが多いのもその一環ですし、フィリピンのドゥテルテ大統領と近いのもその流れです。

国はその見返りをずいぶん提供してきました。沖縄振興予算で今年も3000億円を上回る水準となっております。これが多すぎるのではないか、という声に対して沖縄県のホームページの説明は「人口一人当たりで比較すると、国庫支出金と地方交付税の合計額は全国5位で、復帰後一度も全国1位にはなったことはありません」とあり1位になっていないから多くないという論理展開をしています。ずいぶん上から目線です。

では経済はどうなのか、といえば地元の努力と国の長年の継続的支援の両輪が功を奏し、かなり良化しているといってよいと思います。有効求人倍率は本土復帰後の最高水準を維持していますし、失業率は4%程度と2000年当時と比べ半分以下になっています。観光地としての沖縄は近隣国の経済力向上に伴い、潤っているというのが現状でしょう。長期にわたり政府が沖縄の経済復興に注力をしてきたその背景は無視できないはずです。

その点からすれば沖縄と日本政府がウィンウィンの関係を築けるようなファンダメンタルズはそろってきていました。では、なぜ、このような選挙結果になったのでしょうか?

弔い合戦とか、佐喜真氏のネームバリューなど複合要因であることは間違いないのですが、その中の一つの理由に沖縄をサヨクが死守する活動拠点化しているように感じるのです。それも県外、海外の人間が大挙して声を出し、沖縄県民に様々な植え付けをし続けているように感じるのです。ある意味、思想活動家に利用されている闘争のメッカとなっていないでしょうか?

ではなぜ、沖縄が利用されてしまったのか、ですが、これもいろいろ理由はあります。が、一点、ご紹介したいのは国連が沖縄を先住民/少数民族として日本政府に認定を迫っていることであります。あまり報道されていないかもしれませんが、2008年以降何度か勧告され、今年も国連人種差別撤廃委員会の対日審査会合で協議されています。いわゆる沖縄分断工作でここに運動家の巣窟となる根本原因が生み出されるのです。私も先日、歴史学者の研究会に参加させて頂いた際、本件の最新の報告を聞いてまいりました。

人権問題はサヨクがもっとも絡みつきやすい問題で公平な判断ができない国連が一枚かんでいると申し上げざるを得ないのです。実に残念であります。

運動家に利用される沖縄は至極残念です。経済が潤い、政府との協調関係が生まれることを切に望みます。

では今日はこのぐらいで。

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カナダの日系ビジネスは強化できる4

カナダの日系のビジネスが地盤沈下して久しいものがあります。バンクーバーに限って言えばホテルは7-8つを所有/運営していましたし、不動産開発事業者もずいぶんいろいろ建てて競いあったものでした。ところがこの20数年ですっかりそのイメージは消え去った上に、街中に溢れるほどいた日本人のワーキングホリディに学生、ツーリストもひっそりとしてしまいました。

ワーホリの人が見えなくなったのは数が減ったというよりダウンタウンのアパートが高くて住めないという理由が大きいようです。レンタカーを借りに来る若者もはるか彼方から電車やバスに揺られてやってきます。ツーリストからは「物価が高い」と嘆きの声が聞こえてきます。ある意味、日本のガラパゴス化とは物価水準でも異次元となっているのかもしれません。

さて、北米における日系ビジネスは一部の飲食業を除いて衰退の一途をたどっています。先日もロスアンジェルスで豆腐を北米に広めたあの方(NHKで8月に彼の特集番組がありました)とご一緒していた際、「新規進出はラーメン屋ばかり」と嘆いていました。

ずばり、北米における日系ビジネスの弱点はBtoBや規模の大きなBtoCが少ないのです。日本に親会社をもつ企業が当地でビジネスするのを別枠とすれば現地に根を張って法人相手のサービスをする日系の会社は少ないと申し上げてよいと思います。

私はVendor(取引業者)はなるべく日系を優先しているのですが、ある程度の規模の電気やプラミング(水回り)を扱う業者は一つもありません。結局、韓国系に頼んだりするのは価格が安くて割としっかりした仕事をしてくれる業者がいくつもあるからなのです。

先日、日本の某大手製薬会社から日用雑貨をカナダに卸したいが、ルートを探しているという相談メールを頂きました。私はよろず屋ではないのですが、困っている方にはできる範囲でお手伝いするようにしています。

その方に回答を書きながら思ったのは当地には日系のスーパーは規模が小さいものが一つしかないのです。では現地の日本人はどこで買い物をするか、といえばそこよりも大型の韓国系スーパーか、もともと台湾系だったスーパー(現在はカナダ最大資本のスーパーに買収されています)で購入するかのどちらかでしょう。

その意味は一定規模の資本を投入した日系のローカルビジネスがないということに尽きるのです。

日本でも人手不足の折、何を言っているのだ、とおしかりを受けるかもしれません。しかし、草の根で育て上げた商売というものは強みがあるものです。何十年と継続する力は大きいものです。階段を一歩ずつ登れば20年で20段上るのです。それでよいのです。

ところがバブルの崩壊は資本のみならず、人の引き上げも伴いました。そのため、現地企業の芽を日本は摘んでしまい、いわゆる世代間断絶を経てしまい、資本投入を伴うビジネスのきっかけを失ったといってよいでしょう。韓国人は逆に97年危機で韓国ではだめだ、という人たちが当地でビジネスを立ち上げ、今では立派に育っています。

当地に住む日本人は夢が小さい方が多いように見受けられます。平和でストレスが少ない気楽なライフがしたい、と。同じ北米でもアメリカには日系のビジネスで売り上げが何十億円規模以上のものがゴロゴロあります。アメリカで成功している日系の方はまず一つに根付き、英語を駆使し、コミュニケーションを絶やさず、そしてアメリカンな大きな目標を持っている感じがします。

バンクーバーの日系では英語をほぼしゃべらずに生活できます。それはモザイク文化が薄い壁となっているために乗り越えない限り、侵入してこないという独立性を保てるカナダ独特の社会構造がそうさせるのでしょう。

カナダにおいてBtoBはニッチだらけです。その気があり、一定の資本を投じればほぼ無限に仕事は生み出すことができます。あまり変わったことをしようと思わなくて結構。それより着実に歩を進める方がこちらでは成功します。日本の最先端のものを持ってきて逆に論理的説明ができず、苦労しているケースは散見されます。ジャンプしすぎないアイディアの方が受ける、そしてそれ以上に信用第一というのが私が26年ここで根を張ってきた限りの印象です。

次世代につなげるために、若者や熱い人、もっと集まってくださーい!と声を大にしたいです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

台風が再びやってきます。沖縄は知事選の真っただ中ですが、それどころではないのでしょうか?29日は両陣営とも街頭演説を止めるそうです。心なしか沖縄知事選の報道も少なかった気がします。沖縄の台風一過はどんな政治の天気が待っているのでしょうか?

では今週のつぶやきです。

天まで上がれ! なぜこれほど高い日本の株価?
それにしても強い動きを示しているのが日本の株式市場。木曜日の下落で一部専門家からは「これまでよ」と悲観する声が出たのに翌金曜日はその下落をすっかり帳消しにし、場中には27年ぶり高値を付けています。

チャートを見ると先々週、この項で指摘させていただいたように23000円台前半から上に向かう形となり、先週は24000円が見えてくるところまで来ました。先週のこの項では「近日中の高値奪取は確実」と指摘しましたがその通りとなっています。チャートを信じる人、信じない人がいるのは知っていますが、読みなれてくると他の情報と抱き合わせることで先が読みやすくなります。

ではこの先ですが、来週前半に今年1月の高値を明白に抜いてくればチャートがブレークしますので上になります。一部からは25000円の声が出始めているのですが、それを見越しているのかもしれません。

ではこのチャートをサポートするニュースとは何か、といえば安倍首相がトランプ大統領との厳しい通商交渉をとりあえずは乗り切ったことでしょう。メディアはいろいろ書きたてていると思いますが、概観すれば日欧はうまく立ち振る舞い、中国との敵対関係だけが強調される結果となっています。

それとアメリカが利上げを決定し、まだまだこの先も利上げを続けるというパウエルFRB議長の声に対して円安となり、また、日本の低金利政策が続くとなれば投資資金をファンダメンタルズの強い日本株を物色する動きをサポートする形になるとみています。

個性の強い二人は何処へ 貴乃花とイーロンマスク
バラエティ番組では貴乃花の動向について「専門家」が熱弁をふるっていましたが、結局、お辞めになるのでしょう。協会も小うるさいこと言わず、さっさと退職届なり引退届なりを受理し、ご苦労様でした、と労をねぎらうぐらいのふるまいでいいのではないでしょうか?双方が水と油の状態になっているのはよくわかります。が、もう辞めるといっているのなら、ここは協会側が大人になるべきだと思います。個人的には協会の態度にはくだらなさを感じますが、ファン層からすれば様々な声があるのでしょうね。私は本件、深入りしません。

一方、テスラのイーロン マスク氏にも「辞めろ」通告が出ました。出したのは泣く子も黙るアメリカ証券取引委員会。いい加減にしろ、と言いたいのでしょう。直接の引き金はマスク氏が根拠もないのにMBOをして上場廃止にする、資金手当てもついている、と発言したことが投資家を欺いた、という理由であります。それとは別に大麻のようなものを吸いながらラジオのインタビューに出演したことが「経営者としてふさわしくない」と糾弾されています。更にMBOの際には420ドルで買収する、と述べるその「420」が大麻のスラングだそうで、このあたりで「ふざけるな!」とブチ切れて投資家を代表して提訴に踏み切ったということでしょう。

私は確か、1年ぐらい前にマスク氏は想像力には長けているが、事業を標準化するには向かないから誰かそれに向く実務家を招き、任せるべきである、と指摘したと思います。本人は自分がやらねば、と会社に寝泊まりし一日16時間働いているとされます。緊張感を作るだけの「空回り」だと思います。彼には部下がついていかない、そんな気がします。身の振り方を真剣に考えるべきでしょう。会社の存続の可否がかかっています。金曜日の同社株は14%下落です。

日本にいて実感したこと
今週まで東京に滞在中していてふと感じたことがあります。今さらかもしれませんが、「外国人労働者とどう向き合うか」であります。何度かファーストフードに近い飲食店に行ったのですが、日本人のスタッフが不足しているどころか、外国人スタッフすらいない、という切迫感でしょうか?

ランチに15分しかなかったので入ったある牛丼チェーン。正午ちょっと前で働く人は東南アジア系の女性がたった一人。店には次々と客が来店。オーダーは10人分ぐらいたまっています。私は幸いにしてまだ客が押し寄せる直前でしたのですぐ提供されましたが、あとから来た人は「こりゃ、無理だろう」状態でした。たまたまなのだろうとは思いますが。

では日本人のバイトはどこに行った、であります。思うに飲食店は多店舗展開に励んできました。コンビニも頭打ちとはいえ、過去最高水準にあります。一方、少子化で学生アルバイトは減少の一途。どうやってもこのつじつまはあわせられないのでしょう。

それにしても思うのは日本は外食店が異様に多い気がします。いや、外食店がないとビルのテナントが埋まらないのでしょう。例えば焼き鳥屋の「鳥貴族」が入りやすい路面店にないのは賃料が高いから、だそうです。一度行ってみたくて探してしまいました。辺鄙なビルの4階にありました。それでも商売になるのですね。日本のビジネスは実に独特です。

後記
アメリカの最高裁判事候補のカバノー氏がセクハラ疑惑で公聴会にてその訴えている女性の大学教授と大バトルを演じました。日本ではほとんど報道されないと思いますが、北米では話題になっています。その訴えたセクハラとは36年前の高校生の時のパーティーでの話です。

「2人の大きな笑い声と、私を犠牲にして楽しむ様子は、脳裏に焼き付いている」(CNN)と訴えている心理学の教授に伺いたいです。それほどならばなぜ、36年も我慢したのでしょう?民主党の策略とされるのはもう「時効」ともいえるべき話をシリアスに持ち出す茶番でしかありません。「そこまで言ったらおしまいよ」だと思います。

では今日はこのぐらいで。良い週末をお過ごしください。

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また明日お会いしましょう。

トヨタ販売戦略の大改革はいかに?4

トヨタ自動車が思い切った販売戦略変更に打って出るようです。系列販売の壁を取り去り、どこの販売店でもすべてのトヨタの車が購入できるようにすると同時に販売車種を現在の約半分の30車種に絞り込んでいくというものです。

一般紙には出てこないあまり目立たない日経の記事ですが、これはずいぶん思い切った舵取りだと感じています。

街中にある自動車販売店。訪れたことがある人はどれぐらいいるでしょうか?「車を買う予定がないから行ったことがない」「行ってみたいけれどセールスマンがうるさそうだから行きたくない」といったコメントが出てきそうです。私もカナダで時折、自動車販売店を訪れ、「見学」させていただきますが、セールスの人が蠅のようにブンブン付きまとい、名刺を無理やり渡されたりします。一方で見境なく安い車から高級車まで見ていると買わない客だと思われ、相手すらされないこともあります。つまり、入りにくく「敷居が高い」のであります。

日本ではどうか知りませんが、当地ではその自動車販売へのハードルを下げる努力が見られます。例えばコストコの入り口にはよくフォードの車を展示しています。あるいはショッピングモールの中に自動車販売店が入居し、気軽に車に接触できる戦略に出ているところもあります。ホテルで新型発表会を開催し、顧客を呼ぶようなイベントもしばしば行われます。

自動車が好きな人は別として普通の方だと選ぶのが面倒くさい領域に入ってきていると感じています。違いが分かりにくいうえにブランドごとに売っている店がばらばらなので比較検討するのも大変なのです。私の周り(カナダの話です。)では同じ車を新型が出るたびにずっと乗り継いでいる人もいますし、ベンツしか乗らないというポリシーの人もいます。

そうみると、日本の系列販売は系列販売方式やしつこいセールスなど今の時代に合わないスタイル、ということなのでしょうか。個人的には自動車メーカーの販売促進費の使い方ももっと工夫した方がいいと思っています。あの手この手でセールスや販売会社を「よいしょ」し、成績優秀者を褒賞旅行に連れて行き、旨いものを食わせるあのやり方は違うと思います。

もう一つはメーカーに縛られないサブディーラーと称する自動車販売会社(修理工場を兼ねていることが多いと思います。)や農協を介した販売促進があり得るのではないか、という気がします。自動車を買う人は十分検討し、ある程度決め打ちで「この車」となっていることもあるでしょう。私もレンタカー用の車を仕入れるにあたり、メーカー系列の販売店では購入しません。いわゆる何でも扱う販売会社は情報量が多く、価格、値引き、評判などを総合的に教えてくれる点で大変便利なのです。

最終的には自動車のネット販売方法を開拓し、受取店を自由選択できるぐらいの販売改革があってもよいでしょう。そうすれば小うるさいセールもいりません。オートローンやリース契約もネットでできたら便利ですね。当然ながら多額の販促費を販売価格の割引に転嫁できるのではないでしょうか?

ちなみに車は販売よりもその後のメンテで儲けるとも言われます。系列ディーラーで車を販売し、定期点検をそのディーラーで行うことでたっぷりお金を落としてもらうという戦略なのですが、まだ使える部品も交換されたり、高額の請求を突き付けられ、ディーラーでのメンテは一切やらないことにしています。取引先の独立系修理工場は車の本当の状態を教えてくれるので助かります。

まずはトヨタの大改革の第一歩に他社がどう反応するのか、自動車販売革命が起きるのか、気になるところであります。

では今日はこのぐらいで。

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LGBTとの同居時代4

杉田水脈議員の話題の論文騒動から「新潮45」が休刊に追い込まれました。若杉良作編集長へのボイスは表立って出なかった中、社長がさっさとダメ出しをした点があまりにも印象的でした。休刊までの判断も非常に早かったのは新潮社として早く火消しをしなければいけなかった焦りもあったとみています。(編集長への批判の声が出なかったのは明日は我が身というマスコミの気遣いだったのでしょうか?)

社長談話が出た時点で休刊だろうな、という予想はありました。「新潮45」が長く細々とやっている雑誌ではあるもののどうしても維持しなくてはいけない雑誌でもなかった、ということなのでしょう。編集長はその「長く細々」を打破したく、記事のバランスを変え、強烈な刺激で話題をさらおうとしたのかもしれません。

さて、その主題であるLGBTは過去、何度か話題になり、徐々にではありますが、その名前と意味合いが浸透しつつあります。レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの略ですが、世の中はどちらかといえば初めの三つよりも最後のトランスジェンダーを慮る傾向があるように見えます。

トランスジェンダーと性同一性障害は似ているのですが、若干違います。前者が心と体の不一致を受け入れるのに対し、後者はそれを容認しないであります。よって英語の表現も後者はGender Identity Disorder(GID)となり、一種の疾患名のような名前がつきます。

私の周りにはバイセクシャルの人はあまりいません。(いや、知らないだけかもしれません。)その中で印象的だったのはずいぶん前の話ですが、バンクーバーで名が売れていた不動産販売会社の社長のケースです。当時はバンクーバーでさえもバイセクシャルがまだ世の中で浸透していなかったため、ビジネスをうまくするために日本人と結婚して子供もいた、という話があります。その後、本人がバイセクシャルとカミングアウトして離婚したというニュースがあったのを覚えています。

レズビアンとゲイについてはバンクーバーはサンフランシスコと並び、北米のメッカです。私が26年前にこちらに来た時からごく自然で、それが当たり前でしたので今更違和感など持ちようがないというのが正直なところです。かつては家の隣人もゲイカップルでしたし、私が住宅開発をしていた際はゲイのインテリアデザイナーを多く採用してきたのは男の力強さと女の繊細さの両方の表現ができたからでした。

当地では毎年8月にはゲイとレスビアンの大きなパレードがあり、今年もトルドー首相が参加しましたし、パレードには誰でも知っている企業がこぞって参加しています。

そういう時代の中、杉田論文、つまりLGBTに生産性がないというのは思考センスがずれているというより一種の原理主義に近いものを感じます。例えばキリスト教ではアダムとイブからスタートし、戒律の厳しいカトリックとより自由を求めたプロテスタントがあります。カトリックでは中絶は殺人とみなしダメですが、後者は大丈夫です。同じキリスト教でもその宗派により様々な考えがあり、それを究極的に厳密にしていくと原理主義になります。

つまり、初めに男と女がありきであり、それ以外の組み合わせは絶対に許されないとするのは本人の主義主張であってもそれが汎論化することはないのであります。原理主義を強要されても現代社会では「異質扱い」されるのと同じで、世界がリベラリズムの社会にあって狭い教義を是とするのは世の中の流れに反することになってしまう、というのが私の見解であります。

勿論、意見ですから何を言っても構わないし、寄稿しても許されます。但し、世の中は正義感溢れる声が支配する時代になっている中、あまりの暴論を掲げることは書いた本人のみならず、掲載した出版社まで想像以上の破壊力をもたらす点は重々承知しなければなりません。

LGBTに対して社会がどこまで寛容になるのか、まだ時間がかかる話だとは思いますが、世界でその傾向が広まってきていることは確かです。LGBTとの同居の時代に我々は寛大なる心が必要なのだと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

アメリカの餌食になるとどうなるか?4

米中貿易戦争の行方が気になります。アメリカでは中国製品の価格の値上がりを気にしだす動きが出ています。今後、中国製ではないものも便乗値上げが起こりうると思います。一方の中国は苦しめられている割には国内のボイスの統制は取れているようで市民から反発の声は聞こえてきません。尖閣の時にはあれだけ中国国内でジャパンバッシングがあったのに比べ、雲泥の差であります。

今日はアメリカ側に着目し、アメリカの本質、そしてこの米中戦争の行方について考えてみたいと思います。

アメリカの歴史は策略の歴史でもありました。国民を扇動し、所定の目的を到達する、という点では真実が見えにくく、政権トップといったごく一部の暗躍は過去を振り返ってもいくらでも存在すると申し上げて過言ではないでしょう。

真珠湾攻撃。アメリカは宣戦布告がないこの奇襲を卑劣なだまし討ちとし、いまだにそれを指摘する人もいます。表面上はワシントンの日本大使館の不備により宣戦布告と奇襲の間に時間差が生じています。しかし、私はルーズベルトが大嫌いな日本を罠にはめたと考えています。アメリカ国民の誰も知らないハルノートという日本が絶対に受け入れられない外交機密文書を提示することで日本がアメリカに戦争を挑むことは十分推測できましたし、日本軍の通信もほとんど傍受し、解読していたにもかかわらず、ルーズベルトは握りつぶし、ハワイを犠牲者に仕立て上げたのであります。

911。2001年に起きたあの衝撃的事件はイスラム過激派、アルカイダの犯行と結論付けています。ただし現状、絶対的確信はありません。不思議なのは実行犯の多くはサウジアラビア人であったのですが、そのサウジとアメリカは断交どころか中東をめぐって近い関係にあります。アメリカがイスラム過激派を標的にするために工作したのではないか、と噂されるその根拠の一つはブッシュの支持率にあったのではないか、と考えています。50%前後に低迷したもののあの事件でその支持率は92%に飛び跳ねるのです。

イラク侵攻。湾岸戦争でフセインの評価は地に落ちましたが、追い打ちのようにフセインは大量破壊兵器を隠していると断定します。911以降、下火となるブッシュ人気を回復するためイラクに侵攻します。実際にはブッシュが望むイラクの石油権益ではなかったのかと指摘されています。

ニューヨークのメトロポリタン美術館別館で「陰謀論」という特別博覧会がちょうど始まったのですが、上述の不可解な事件をはじめ、ケネディ暗殺の不思議にも迫っているようです。ぜひ見たいのですが、NYまではなかなかいけません。

アメリカの外交、国際関係の築き方は独特であり、相手を「はめ込む」というのがぴったりくる手法を使います。唖然とする事件が生じたならば必ずそれには裏がある、と考えてよいでしょう。

ではトランプ大統領の中国いじめはどこまで本気か、ですが、個人的には徹底的につるし上げるつもりではないかと思います。言い換えればトランプ大統領が大統領としての支持を得るための好材料であり、米中が握手でもしようならばトランプ人気はそこまで、となります。(ブッシュが92%の支持率を取った後はイラク戦争の際に20%ポイントほど上がったのを除き、ほぼ一貫して下げ、最後は20%台となる史上最低男となっていました。)

今後、貿易戦争を貿易に留めなくする可能性があり、アメリカは中国を罠にかけようとしているのでしょうか?今は報復の出し合いですが、中国が日本の真珠湾の罠のように引っかかれば一気呵成に責め立てるはずです。例えば産経新聞には「ロシアからの兵器購入を口実に、人民解放軍の資金運用の元締めである共産党中央軍事委員会装備発展部と李尚福部長を制裁の対象に指定し、米金融機関へのアクセスを禁止した」とあります。人民解放軍は中国の米国運用資金の1/3を牛耳っているとされます。

つまり貿易から通貨、金融へと締め付けを厳しくし、中国が禁則を犯す瞬間を待ち構えています。単純に言ってしまえばネズミ捕りのようなものでしょう。冒頭、中国市民は平静を保っていると書いたのは中国の言論統制が効いている証拠であります。

米中のばかし合いはアメリカのしたたかな戦略のもと、着実に進行しているように思えます。そのためにもアメリカは景気の腰を折るわけにはいかず、ドロドロした「真実」がどこかにあるように感じます。今更ですが、恐ろしい国であります。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

銀行のすみわけ4

そこそこの規模の公共工事は大手ゼネコンと地域の建設会社の共同企業体を組みことが多くなっています。この共同企業体のことを最近では「地域維持型建設共同企業体」と舌を噛みそうな名前の形態に変えたようですが、結局は地元建設会社の経験と体力養成と考えられています。逆にゼネコンは技術力や資金力、資材調達力はあるものの協力業者を集めるとなるとすべての県にあらゆる業種の建設業者とアクセスがあるわけではありません。つまり、ある程度はウィンウィンの関係が築けるわけです。(私がゼネコンにいた時はそんな理想的発想ではなかったですが。)

銀行でも地方に行けば聞いたことがない地銀、第二地銀、信金、信用組合などが幅を利かせています。一方、若い人は全国どこでも使えるキャッシュカードが欲しいのでメガバンクに口座を持つ方も多いでしょう。これも使い分けです。

今、地方銀行の在り方にスポットライトが当たっています。今更、とも思いますが、不祥事が何度か続いたこともあり、この先どうするのか、ということが真剣に取りざたされ始めたのでしょう。

日経によると、銀行が国境をまたいだ融資をしている規模について米銀が2.8兆ドル、ドイツの銀行勢が2.2兆ドルに減りつつあるのに対して邦銀は3.7兆ドルと成長し続けています。この場合の邦銀とはメガバンクが主体で国内銀行ともシンジケーションを組んでいるものもあると思いますが、日本のメガバンクが世界の金融市場で圧倒的な存在感を見せているとも言えます。

一方、3メガバンクは行員を中長期的に減らす方針を示しており、三菱UFJ(カナダでも呼称がMUFGに変わりましたが、センスがない4文字英語なので覚えられません!Fを抜いてMUG(マグ)にすればよかったのに、と思います)においては駅前の銀行所有不動産を三菱地所と提携して開発することにしました。この提案は私がこのブログで何年も前から指摘してきたのですが、ようやく実現のようです。まさに大手銀行業務のスローネスとも言えますが、まぁ、いいでしょう。

私が見立てているのはゼネコンとローカル建設会社との関係のようにメガバンクと地銀の連携関係を結んだらどうか、と思うのです。例えば銀行の勘定系システム開発には莫大な資金がかかるので地銀や信用金庫ではもう無理でしょう。ならば、メガバンクでもっているシステムに同居させてもらったらどうでしょうか?あるいは融資の審査については能力がまばらな地銀にやらせずにメガバンクのシステムを共有させてもらうという発想もあります。

更には人材交流もあるでしょう。地銀の人がメガバンクに出向したり、メガバンクが日本全国の第二地銀以下の金融機関とグループ化し、業務のすみわけを行うのであります。

銀行の役目は何か、といえば私は商社と同様、情報がすべてだと思うのです。その集まった情報をビックデータとして蓄積し、ビジネスに役立てていくという方策は今後重要になるはずです。もちろん、地銀の発祥が「地元の銀行家」としての創業者意識が強いところも多いので資本提携まで進むかはどうか分かりませんが、業務提携までは進めるのではないかと思います。

地銀をなくすわけにはいかない、でもこのままほっておくわけにもいかない、という関係を考えると私のこの案はバラ色のウィンウィンを言われそうですが、まんざらでもないご提案です。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

学校教育の英語が使えない理由4

長年バンクーバーで日本の若者の英語を端で見ているのですが、日本人の英語がどうにも下手であります。(そういう私もうまいとは言いませんが。)最近、若い中国人の英語能力は上がってきているな、という感じがしますし、韓国の若者もうまくなってきています。何がいけないのでしょうか?

先日、日本の大学である会議に出席していて「日本人の国際化」について議論が及びました。大学側は学生を海外に送り出す努力をしていますが、海外留学できる学生など1%にも満たない学生数です。日本の最高学府で大半の学生にとって英語の授業は単位を取るだけの「消化試合」になっているのです。

英語を学ぼうとする特別の意思を持たない限り高校生までに学んだ英語など大学4年間でほぼきれいに「忘却の彼方」となってしまいます。私も最近でこそ少なくなりましたが、かつては日本に1-2週間いて、バンクーバーに戻ると英語が通常状態になるのに1-2日かかってました。

日本では文法を中心として日本人の先生が教科書に沿って英語を教えています。複数のS、不定冠詞、時制、前置詞…などは誰もが習った記憶はあるでしょう。しかし、その文法をマスターしたとしても英語をしゃべることはかなり難しいはずです。

もちろん、どのレベルの英語を必要としているか次第です。ハワイのホテルとレストランで困らなければいいというのか、最近増えた訪日客の相手をするのに結構まともな英語を必要とするのかでまったく要求されるレベルは違います。

私は地方だから、という方もいます。先日、ある放映を見ていたらニセコのラーメン屋は英語だらけ。店員さんも英語で対応を余儀なくされていると見受けられました。20年前にだれがニセコで英語を必要と考えたでしょうか?

日本人の英語が伸びない大きな理由は二つあると思います。一つは英語は手段であり、それだけ学んでも要求レベルの英語は出来ても交渉レベルにはならない、であります。コミュニケーションは双方の文化や着想、会話の展開の仕方など様々な相違点を踏まえなくてはいけません。

つまり、日本人の先生が英語を教えても上達しないのは外国人が聞いてくることが日本人にとって「えっ」と驚くような展開だったりして詰まってしまうのです。ましてやその外国人と十分な説明、説得、交渉、合意に至るのは至難の業なのであります。

二つ目は英語に限らず、コミュニケーションの能力そのものが落ちている点であります。スマホ世代でやり取りはLINEにフェイスブックですから短文による書くことによるやり取りになっています。最近はちょっと面倒な話になると「悪いけど、メール、送っておいてくれる?」になります。

今回、日本の住宅事業でフランス人の方がご入居頂くことになったのですが、説明や交渉で約1時間、その間、7割は私がしゃべりました。フランス人にとってわからない国で住宅を探すのですから容易ではありません。あらゆる説明を施し、交渉成立です。ちなみに日本の住宅事業で私が直接会って交渉した外国人に限って言えば過去4年間、100%口説き落としています。

なぜでしょうか?それは外国人を心地よくさせる術があるからなのです。これは外国でビジネスを通じて磨き上げないとなかなかできません。しかし、それぐらい英語を駆使するのは難しいのであります。

最近は翻訳も通訳も機械で簡単に処理できます。しかし、これらは要求英語なのです。議論し、双方が分かち合うには実際にコミュニケーションをしないと満足する結果は得られないことに気が付いてもらいたいと切に感じています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

日本はガチンコ外交に備えよ4

トランプ大統領と習近平国家主席の貿易戦争、英国離脱を巡るEUと英国の綱渡りの交渉、カナダとアメリカのNAFTA交渉、更には北朝鮮と韓国の南北和平に向けた交渉など今、世界各地でガチンコ外交やガチンコ通商交渉が行われています。

これらの交渉は国家の将来に大きな影響を及ぼす重大な決定事項であり、その交渉の一つひとつの過程で完璧なステップを踏んでいかないと勝利には結びつかないものです。また、各国の情報部が様々な侵入調査を行い、相手の手の内を探りながら弱点を突いていく、というのも常套手段です。

日本の外交交渉はどうでしょうか?

先週行われた国際捕鯨委員会総会では日本が求めていた商業捕鯨一部再開等の提案が否決されました。直後の報道には国際捕鯨委員会の脱退もありうるというトーンの記事が散見できました。

あるいは国連のユネスコ関連においては世界記憶遺産を巡り南京事件の資料の登録で嫌な思いをしたばかりなのに昨年末に「慰安婦関連資料」の登録の動きがあり、報道ではそんなことになればユネスコ脱退もやむなし、と大きく論じられていました。

「脱退」という表現は私にはあまり芳しくない響きがあります。大戦中、日本は国際連盟脱退を国家として苦渋の決定しました。それを受けて、国連会議で日本代表の松岡洋祐が1時間近い大独演を行うもののの他の国から賛同を得られず、その会議を中座して脱退した「事件」がトラウマのように頭をよぎるからです。

トラウマというのは普通自分がやった行為に対するものだと思います。私がこの「事件」を大学生の時に学び、その後、松岡洋祐研究をし、戦前外交史を学び、海外に住み、日本の外交を比較的間近に感じることが多かった中で「脱退」というカードは切り方を間違えると「終わり」になる、ということをまざまざと見せつけられたことが大きかったのであります。

日本語の「脱退」とは縁を切るという意味であり、将来の没交渉を意味します。他国も脱退はよくあります。アメリカやイスラエルはユネスコを脱退していますし、ノルウェーやアイスランドは国際捕鯨委員会に入っておらず、正々堂々と捕鯨をしています。日本は一方で、調査捕鯨と称してその調査後の鯨肉を市販しているという「狡い」やり方をしています。

言い換えればひどい敵を作らないよう最善の努力を施しながら丸く収めるやり方とも言えるでしょう。アメリカ、イスラエル、ノルウェーは脱退していることを逆手に利用し、相手方からの再交渉を引き出す土壌を作っており、いつまでも好き勝手にするという意味ではないのです。

日本の外交や通商交渉はなぜ、ガチンコ勝負ができないのでしょうか?個人的には交渉官の腹づもりではないかと思います。外交官にしろ、通商交渉団にしろほぼ全員役人です。彼ら役員は首にもならないし、キャリアに傷もつきにくいシステムになっています。言い換えれば「乗り切れば」良いわけです。この「乗り切る」というのは流れに沿ってうまく講じるという意味であり、主義主張を何が何でも通す、というスタンスにはなりません。

また、日本のキャリア役人は数年で転勤するという仕組みがあります。つまり、専門官はいてもその指揮者は毎度変わるわけでそのたびに作戦と攻め方は変わってしまいます。

私はそうではなくて大型交渉は信賞必罰のチーム制にすべきではないかと考えています。もちろん、そのトップである担当大臣の首を含めて、という意味であります。これぐらいの迫力あるチーム編成にしないと外交などやっていられません。

「脱退やむなし」と叫ぶのは喧嘩する相手に「訴訟するぞ」という言っているようなものです。相手は「ご自由に」というはずです。そんなことは相手にとって痛くもかゆくもないからであります。つまり、喧嘩における訴訟も国際交渉における脱退もそれを言った時点で「負け」であります。

その国際感覚を日本人はもう少し磨いてもらいたいと思いますし、交渉官は気構えを持つべきだろうと思います。特に私が耳にするのは「次から次へと案件があるのにこの案件まで手が回らない」というボヤキであります。日本政府が真剣勝負をするような案件なら担当チームは通常業務から引き抜くぐらいの覚悟とスタッフの体制の強化をすべきでしょう。

かつて、「日本には役人が多い、少ない」という議論がありました。国際水準からすると絶対人数はるかに少ないのですが、できる人間もはるかに少ないと思います。役人がプロ意識をもって交渉にあたる心構えが必要だと切に感じています。

では今日はこのぐらいで。

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