外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2008年01月

マクドナルドの管理職裁判に思うこと。3

数日前、日本マクドナルドの店長の高野さんが自分は管理職としての職責、職権はないのに管理職扱いを受けたことで不当に安い賃金となったという裁判の判決がありました。
僕はこの裁判の日、実はわくわくしながら結果を待っていました。
テレビに映ったそのシーンは高野さんの笑顔でした。

彼は一日に2度出勤するなど、月の残業が実質100時間を越えているがいわゆる管理職の職権を有しておらず、結果として十分な見合いの報酬がなく、マクドナルドは不当であるというものでした。

僕は法律については専門家ではありませんが、今回の件は外国に住むものから見て高野さんの勝利を確証しておりました。そして、彼は日本の労働基準に風穴を開けたかもしれないとぐらい思っているのです。

日本の産業界は90年代以降、本業復帰と称し、国内での専門分野に総力を入れて取り組みました。その結果、完全競争が起き、一部の会社は負け組みとなり、また、一部の会社は買収などをされながら進化を遂げてきたわけです。それは経済の原則論からすると非常に正しい進み方ですが、日本の場合、販売価格を下げるという行為に走ったわけです。
まず第一弾が経費を削減する。
第二に仕入れコストを徹底的に削減する。
そして第三に人件費を削減したわけです。
人件費に関しては管理職を次から次へと作り出し、残業手当をリーガル上払わなくても良くするわけです。しかし、僕はこれが日本の小手先商売だと思うのです。世界で通用しないもっともチープな経営だと思うのです。

日本の会社は人件費を労働者から搾取することで利益を生む体質を昔から抱えています。しかし、それは西欧の社会では一切、通用しません。本来払うべきものを払っていない、ダンピングなのです。
僕は高野さんは単に仕事になれたベテランスタッフであり、管理ラインとは違うと思うのです。マクドナルドに店長が1700人いてその人たちが一様に管理職として会社の経営者側の立場に立った経営をしていたか?まさかだろうと思います。アルバイトを雇う権利を与えていたというのを盾にする経営側の論理は欧米ではお笑いに近いものだと思います。

でももっと困ったと思うのはマクドナルドは控訴したのです。そりゃ、金銭的なものを考えると彼が755万円ですから、1700人に同様の条件で支払いがあると128億円にもなります。が、マクドナルドはこれから、従業員と経営側でギクシャクした関係を持たなくてはいけないのです。完全競争下でそんな余裕があるのでしょうか?
僕がマックの社長ならここはあっさり引き下がり、日本の将来の先鞭をつけ、これを糧としてマックがよりスマートな会社であるというイメージを作りますけどね。

原田さん、一考すべしですよ。





株 その24

僕は株のアナリストではないのですが、こういうときはこのテーマが一番です。

今日、1月21日(日本では22日)はマーケット関係者にとり、非常に読みづらい日です。日本の21日から下げ始めた株はアジア、ヨーロッパを巻き込み、カナダでも大幅安でした。ところが、当のアメリカが祭日のために休場という状況では事の本質が読めない形になってしまったのです。

僕は東京市場が開く前、どれくらい下げるかが見ものと考えていました。というのは昨日の東京は下げがほかの市場に比べて少なかったため、再び、500円幅はあるような気がしていました。最大は1000円幅です。市場関係者はここまで下げたから買えるだろうとみたいところですが、アメリカが閉まっていることで下値の目処がつけられないのです。よって、買いの手は限られるか、新興市場などの一部に限られてしまうのです。

僕の予想していた日経平均12500円は目先になってしまいました。が、正直、このラインもあっさり切ってしまう可能性が出てきました。次の目処は11000円です。チャートでは読める環境にありませんが、今の市場の下向きのエネルギーからするともう一押しあるかなぁという気がしています。

さて、ここで重要な点をひとつ。予言していたとおり、日本株は急速に買われる可能性が強まってきました。これは非常にテクニカルな理由です。
ご存知のとおり、昨今の円安はキャリートレードによる影響が多大でした。キャリートレードは金利差を利用することでうまく運用できたのですが、日銀は金利の上げる条件は欠如してしまったものの、下げるところまでは行かないと思うのです。一方、カナダは明日、アメリカは来週、利下げをします。問題はその幅ですが、この惨状ならばアメリカの0.75%の利下げは大いにあると見るべきです。
と大変なことが起きます。キャリートレードが思いっきり逆回転を起こすのです。
円は一気に100円を目指すでしょう。それとともに海外運用資産の解約が進み、国内株式への投資マネーの還流が起きると見ています。また、海外からの投資マネーも呼び込みます。理由はひとつ、日本は唯一のリンクはずれの国だからです。不人気の国ということです。だから、経済が国内だけで自立できる。これが消去法の結論です。

見ていてください。 これが当たれば僕は日本一のアナリストでしょう。夏までには巻き返しといいましたが、この状況ではもっと早いかもしれません。

ということで今週はエキサイトですよ。

ずばり、株!4

かなりひどい惨状ですね。専門家の見方はことごとく裏切られているようです。
僕は別のところで1月3日ごろに日経平均の下は12500円ぐらいと書きました。その当時は日経平均は15000円ぐらいであらゆる指標がボトムを示している状況でした。
多分、おとといあたりが陰の極と言われており、案の定、昨日、木曜日は上げたのですが、金曜日はそれをすっかり打ち消す感じですね。

さて、僕の大胆な分析です。
ひとつ目はこういうときにはチャートは読めません。というより、チャートは言うことを聞きません。ですので世の中の動きで判断するべきです。チャートはあくまでも平静時の動きを拾うには優れていますが、こういう荒波のときはほとんど役に立ちません。

二つ目に僕のブログで書いているように日本の株式には二つの問題があります。ひとつは世界景気が低迷し、輸出頼みの日本の景気がいよいよ腰折れしそうだということ。
もうひとつは政治不信を含め、あらゆる「偽」に振り回されていることと新興市場での企業業績の悪いほうの意味でのサプライズです。特に新興市場企業は得意分野が特定域にありますのでそれが否定されたり、不振になるととことん歯止めがかからなくなる傾向があります。
これを踏まえ、市場の雰囲気は
ヽ飴颪どんどん引いていること
個人投資家も国内株式に相当のアレルギーを持ち始めたこと
ということで、市場を買い支える十分な買い方が不足していることが基本パタンです。

ですから、海外の悪いニュースには倍のベクトルがかかるのですが、良いニュースには半分のベクトルしかかからなくなるので上がりようがない市場となっています。

さて、この市場ですが、ドイツ証券の武者副会長はあるところでボトムを打つと日本株の割安感が強調され、一気に買いの手が伸びると解説していました。僕の年内の予想はハイが18000円です。基本的な考えは武者さんと同じですが、僕の場合は消去法で日本の株が変われる結果となり、一気に上げると見ています。ただ、時期は年の後半でしょう。

何度も指摘しているとおり、アメリカの景気後退局面が明白なるまでは株は下げます。現在はまだ、サブプライムの影響を懸念している入り口段階ですから実体経済まで波及していません。GMの会長は業界がリセッションに入ったと表明しましたが、これからそれが表面化してきます。ただし、株式は景気後退が明白になった時点で景気後退を織り込みますから、株はボトムを打ちます。つまり、第二四半期のGDPが出る8−9月ごろがボトムです。まさしく、中国のバブルが崩壊するときでもあります。この辺から日本の実力が買われます。これは逆説的な論理ですが、世界で買うものがないので一人ぼっちの日本が強く見えるというストーリーです。大変ひねくれていますが、消去法による推察の結果が僕にはこう見えるのです。

さてどうなることやら。
では。

インドの自動車産業に告ぐ、環境対策を忘れるべからず。4

インドのタタ自動車が28万円の自動車を発売するそうですね。タタ自動車といえばランドローバーを買収する予定ですよね。
インドといえばラクシュミ ミタル氏が世界の鉄鋼王として君臨しています。
両方に言えること、両者とも金の力だけで現場力がまだ伴っていない。ミタル氏についてはテレビでもインタビュー番組などありましたので印象にありますが、彼は交渉力に長けている。が、ミタル氏はミタル氏でしかないのであり、彼の会社の組織力は非常に弱い。それと彼のところでは高級鋼板は作る能力に劣る。だから、新日鉄がほしい。が、新日鉄はきわめて広範な提携関係を築くことで買収されにくくしたと同時に現場力の新日鉄を作り上げています。
インドのタタ自動車のことはまだ良く知りませんが、今回の車、「ナノ」はスズキ自動車がインドで世界最安値で売っている車の半額程度の金額になるらしいですね。スズキは二世代前の車を現地で生産することで開発費を絞り込み、シェアを拡大しました。インドには今後、中国同様、世界の自動車メーカーとインド国内メーカーが入り乱れた生産競争をすることになると思います。
あの国もいわゆる中流社会ができ始めましたので今後の大幅な成長が期待できるのでしょう。

ところで今日、タタ自動車のことを書くのは別の理由です。中国とインドでは廉価な車がどんどん作られています。大衆の手に自動車が簡単に入ることになります。が、それと同時に公害がすさまじい勢いで進んでいくのです。

僕は両国政府が自動車の開発者とともに国内インフラを整備する義務を課すべきではないかと思います。それと同時に環境配慮が絶対に必要です。安いのだからみんな買う、買うから乗る、だから事故も増えるし、環境も破壊される。両国政府は自動車の発売には高率の消費税ををかけその資金でもってインフラや公共交通機関の整備に当てるべきだと思います。

インフラというのは何十年もかけて整備しますが、今の自動車業界の開発スピードはそのインフラ整備のスピード以上なのです。だからこそ、政府は無理してでもインフラを整えないといけないのです。
こういう記事はあまり出ていないのですが、こういうことが先進国から途上国へのメッセージだと思いませんか?

時代は廻る、金融の中心は?4

正直言って今年に入って約10日間のこの経済の動きは経済が分かる人にとっては大変な事態に陥っていることに気がついていると思います。

先日、テレビでミスター円で有名な榊原元財務官が資本主義の限界という言葉を使ったのは特別の感じを持ちました。なぜなら、僕は数年前、ある人に資本主義のシステムに限界が来ているような気がするとメールを打ったことがあるのです。彼はそんなことはないと一蹴しましたが、僕はなぜか、引っかかるものがありました。
今回、榊原さんのような人が資本主義の限界を唱えたというのはやはり、システムとしてワークしなくなってきているのかもしれません。

「2008年を占う」の項で想定していたとおり、アメリカの景気はいよいよダイブしそうな気配です。実体経済としては冷え込みは始まっている感じがしますのでアメリカの金利は早晩、0.5%下げ。が、これをすると日本のバブル復興期と同じ道をたどることになるのです。つまり、とどめのない利下げです。どなたかものすごく賢いドライバーがいない限りアメリカの金利はびっくりするぐらい下がるかもしれません。そして、日本と同じようにあげることができなくなる。榊原さんはそこを見抜いたかもしれない。が、僕はもっと前に見抜いた。

日本が先行したバブル崩壊の復興経済ドライブは世界の主流とはまったく異なり、結果として失われた10年とか15年という結果を生んだ。これは、日本が経済学でいう完全競争を実現した結果としてここにたどり着いたのである。よって、アメリカが自由社会であることを考えれば、同じ道筋をたどることは明確。唯一違うのは日本はいまだケインズ経済を前提に世の中が回っている古典的国家。一方、アメリカはマネタリズムで新しい学派がどんどん成長している。ここが違う。

ところで、世界金融の中心は歴史的にはロンドンのシティであったことは知っているか?
ウォール街は確かに1900年代に入り、めきめきと力をつけたが、1900年初頭まではバンクオブイングランド制するロンドンのシティが金融のメッカであった。
現在、金融商品を作り上げるプロ中のプロはアメリカにはいない。みな、シティにいる。
つまり、イギリス復権の兆しがある。これは、「温度」として感じ取っておくといい。
日本はアメリカの国債を買うことからイギリスで国債を発行できるか、その変更を迫られる時期が来る。日本では戦前、戦債発行のため、大蔵大臣はみな、ロンドンに行ったのだよ。

時代はまわる、か。

Dine Out Vancouver4

Dine Out Vancouver ってご存知ですか?
バンクーバーでは、毎年、1月から2月にかけてのビジネスがスローシーズンにバンクーバーの主要なレストランがレストランにより$15か$25か$35のコース料理を提供し、普段行けないようなレストランにも気軽に着てもらおうという趣旨のイベントを行います。今年は1月16日から2月3日のようですね。
ウェブサイトで大々的に宣伝しているだけでなく、予約やその状況の調査もそのウェブを通じてすぐにできるというつわものです。

はっきり言ってこのイベントは非常に良くできていると思います。

まず、リストされているレストランが素晴らしい。バンクーバーで名の通っているレストランがズラッとあります。僕も毎年、一、二回はいきますがいいレストランは早めに取らないとすぐにいっぱいですよね。大体、一日2回転式で予約時間が決まっています。
たとえば35ドルのコースだと、前菜、メイン、デザートがついてきます。普段より数十パーセント割引だと思いますがそれよりもどのレストランもかなり力を入れてメニューを考えておりますのでそういう意味での品評会的なところでもあります。
今年はルミエールがやはり注目でしょう。フェニーがいなくなったルミエールの後に若手のシェフはロンドンからでしたか? どんな料理を創作するのかいろいろな意味での将来のルミエールを占うでしょう。
僕はベルギー料理のチャンバースにちょっと行ってみたいな。あそこは何度か行っているけど、オールドヨーロピアンなテイスト、トラッドなフレンチみたいですきなんですよ。創作系というより昔そのものという感じかな。あと、オデュールもニューシェフになってから行っていないので行かなきゃね。シェフの評判がかなりいいという話は聞いています。

僕はバンクーバーというのはそこそこ図体が大きくなってきた都市だけど、まとまるところはすごくチームワークがいいところが好きですね。なんか、みんなでやろうというとワッとやる。日本は必ず、ああでもない、こうでもないといちゃもんから入るけどここは、やりながらもっとうまくできるように考える。前向きの発想だよね。

すごくいいことだと思います。

ということで、皆さんもぜひ試してみてください。

では。

豊かな日本の行方4

正月早々、都内の商店街で高校生が刃物を持って通行人に切りつけたという事件がありましたね。これを含め、子供の誘拐から始まって子供の親殺しなどの大きく報道される問題から学校内や家庭内の小さな問題まで日本の子女は病んでいる気がします。

僕は小さい頃は一種のかぎっ子でしたから学校が終わると大好きな電車を見にJRの線路の高架に行ったり立ち入り禁止の敷地で友達と遊んだり、果ては昔の防空壕に入ったりとかなりやんちゃでした。だけど、一線は越えない。夜になれば両親の経営する店に行き家族そろって家に帰ったりしていた。

でも、悪い奴はいたよね。モノ壊したり、人のもの、盗んだり...中学、高校に行くとそういう奴のスケールが少しずつ大きくなったりしたけど、せいぜい、「突っ張り」程度で今、社会が抱える問題とは本質的に違う。突っ張りは単なる反抗期の事象。でも、包丁もって走るのは精神的に完全に壊れている。(実際、この高校生は精神科に通っていたらしい。)

僕は発育のバランスに問題があるのではないかと思う。情操教育とか、親の資質とか、あらゆる面を見て子供が育つから親が世の中の流れの中で本来あるべき流れからずれてしまっているのかもしれない。そのアイテムとして、
豊富なモノ
携帯
ゲーム
ある程度の豊かさ(含む金銭)

かなと思う。ほしいものがあり(物欲)、やりたいものがあり(ゲーム)、連絡取りたい奴にいつでもメールできて(携帯)、食べたいものが与えられ続けているとちょっとした制約に我慢できなくなってきます。忍耐力がないというか。
僕が大学のとき、合宿で1枚のパンツを8日間はいた奴がいた。裏表、前後を二日ずつはくというのだ。このたとえが説得力あるかどうか知らないけど、これも一種の我慢。

もうひとつは考え方が短絡的になった。すぐに結論を求める。そうではない、過程を考えなくてはいけないのだが。この考え方が短絡的になりやすくなるのは携帯メールとゲームに他ならない。一行メールをやり続けると思考回路の入り口までしか行くことがなくなるので知能に衰えが生じることはすでに学術的に証明されている。テレビゲームもそうだ。「この場面ではこうする。」という短絡な判断だよね。

世の中が便利になりすぎたということかな。僕はこうやってバンクーバーに住んでいてあまりにも発達した東京の文明社会からは距離感があるのでまだ、考える余力がある。いい空気吸って、人と議論して、熱くなって、そして冷静になる。こういう空間と時間がある。

東京の人はだんだん、人間じゃなくなってきたよ。顔が機械のようだ。新製品を求め、うまいものを求め、新しい娯楽を探し出すことがすべてになってきている。僕はバンクーバーにいて、うまいものもそんなにないけど、自分で作る喜びを発見したし、新製品はないけど、いい音楽を堪能することができる。新しい娯楽施設はないけど、きれいな湖の周りを散歩するにもさほど遠くない距離だ。僕は人間らしい生活が継続できてよかったと思う。

5年後の日本がすごく、怖くなることを感じるのは僕だけなのかな?



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