外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2011年08月

野田佳彦新首相への期待4

昨年の6月にこのブログで菅政権の第一印象なるものを書かせていただきました。同政権の終焉を目の前にして今それを読み直してみると当たっているとも当たっていないともいえませんが大きくはずしてはいなかったと思っています。

その一節で「菅政権が『幕間つなぎ』という見方もありますが、僕は案外長くなる気がします」と書かせていただきました。これは1年3ヶ月の政権を期間としては短いもののその間にあった数々のハードルとバトルを考えれば良くここまで引き延ばしたものだという点で長かったと思っています。

野田佳彦新首相は党首に選ばれた直後の挨拶から自分の在任ターゲットを2年と設定している、と理解しました。つまり、次の選挙までは解散をせずに自分の色の絵を描くつもりで首相在任期間の工程を作成しているように聞こえました。

その間に彼が直面する最大の問題は消費税上げを具体化し、財政問題にどう切り込んでいくのか、その手腕が問われることでしょう。財務大臣としてのイメージが強く、彼の政治的手腕も経済、財政を中心に展開していく可能性はあり、その場合、外務大臣に誰を据えるか、自分の分身としてある意味、もっとも重要な組閣の一人になると思っています。更に財務大臣の起用も興味あるところです。

ニュースを見渡したところ、全体的に彼の手腕への判断に苦しむ、というニュアンスが多い気がします。特に海外においては彼のアピアランスがあまり無かったせいかもしれませんが、ほとんどコメントなしですのである意味、新首相は肩の力を抜いて仕事に取り掛かれるでしょう。

最近、世界の国家元首は「変わりっぱな」の支持率が最も高く、そのあと凋落傾向になりやすいようです。イギリス、フランス、アメリカ、韓国などほとんどでその流れです。その点、野田新首相のポピュラリティに関して勝手に予想すると案外低いだろうとみています。なぜなら、増税をはっきり打ち出しており、国民から支持されにくいことは目に見えているからです。

が、裏返して言うと新首相は日本の財政がいかに痛んでいるか、そして、このまま放置するとどうなるかということを財務大臣を通じてはっきりと理解し、それを首相という立場から手術しようとしていると考えれば新首相の向かうべき方向としては正しい気がしています。

たとえは悪いのですが、日本という初老の先進国はガンにかかっているものの放置し続けたがようやく少なくとも手術台に上げて腹を開くところまでやってくれる人が現れた、ということでしょうか?問題はそのオペの腕前でここはわかりませんが(笑)。

また、増税は僕は結果としての対応であって、財政再建を図る極めて有効な手段が見つかるようなら回避することは大いにありえると見ています。

それ以上に僕は新首相の喋りの「うまさ」を感じました。上手です。応援していた人には申し訳ないですが、前原氏のスピーチはかなり劣っていました。奥行きのある喋りが出来る人は人間の深さを感じます。その点、一部のメディアが新首相を否定のトーンから紹介していますが、僕はそれはメディアの懲りない自虐的記事としか読めません。

日本の選ばれた首相なのですから民主党であれ誰であれまずは盛り立ててあげることが大事です。一歩も歩く前から足を引っ張るのは正義に反すると思います。

まずは彼の手腕に期待したいと思います。なぜなら、日本の未来を託すのはまずは首相しかいないのですから。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

ソニーへの期待4

ソニーといえば日本に於ける横綱級の企業規模とブランドネームを持ちますが、業績に関していうといまひとつパッとしません。

主力であるテレビ事業は8期連続赤字で、黒字転換の目処すら立たないことに外部よりもむしろ内部にその苛立ちがあるように見えます。平井副社長は8月に「それでもテレビからは撤退しない」と強く発言しましたがソニーのビジネスモデルはどこに向かっているのでしょうか?

僕の結論から先に言うと、ソニーは正しい方向に向いています。ただ、もてる事業を利益に転換できないだけだと思います。

以前、このブログで企業合併のあり方について書いたことがあります。その際、昔は同一業界内でのシェア争いを有利に運ぶ為の同業他社買収が多かったが、最近は自社のノウハウを水平展開させ、自社のノウハウが生かせたり、相乗効果が得られる違う業種の企業を買収することが多くなった、と書きました。

ソニーはその点、その王道を突き進んでいます。ソニーの戦略は「ハードとソフトの融合」でありますが、この論理から行けばソニー製のプレイステーションでソニーが展開するゲームソフトで遊ぶとか、ソニーのオーディオ製品を購入してソニーの経営する音楽会社の音楽をダウンロードする、というのが端的なビジネスモデルです。

その思想を激しく追撃しているのがサムスン。が、そのサムスンにとって先日、思いがけない痛手がありました。それはグーグルによるモトローラの携帯事業買収。サムスンはグーグル級の会社と強い提携関係を結ぶことでスマホ事業を圧倒的なものにするつもりでした。それはある意味、訴訟合戦の激しさが増すアップル社との戦いのバックアッププランのようにも見えました。

そういう意味からするとソニーの事業は極めて広範であり、全包囲網体制になっています。が、何故、伸び悩んでいるのでしょう。僕からみると核である製造事業とソフト事業の連携と相乗効果が十分に発揮できていないことにあるのではないかと思います。

例えば、ソニーには携帯電話事業があります。ソニーエリクソンです。が、今、いわれてあぁそうだった、と思う人が結構いらっしゃるでしょう。本来であれば次世代の事業はスマホを武器に如何にソフト戦略するか、となるはずです。ところがソニーの平井副社長は次世代のプレイステーションビータを携帯型ゲーム機としてゲーム事業の範疇で捉えようとされています。

本来であれば、ソニーエリクソンでスマホを作り、そこで携帯型ゲームを楽しむほうが今の時代にはマッチしているような気がします。が、多分、思うにソニーの事業部門間で激しい採算意識があり、事業間の協調がいまひとつなのではないかという気がしております。とすれば、ソニーに足りないのは全包囲網体制の事業が常に製造部門のソニーを中心に回る仕組みがあるから故に空回りを起こしている可能性は否定できないのではないでしょうか?

ならばどうするか?

もちろん、事業部門同士が直接的な対話を通じて相互理解と協力関係を強める等の努力は必要ですが、僕はソニーそのものを持ち株会社にして各事業が同じ立ち位置になるようにしてみるのは手ではないかと思います。

ソニーが持てるブランド力を十分発揮できれば事業から得られる潜在利益は今の何十倍もあると思っています。それが出来ないのは独立採算など出来ない理由があるからで僕は思った以上に硬直化しているのではないかと懸念しております。

日本を代表する企業であり、時代の先をみてソフトとハードの融合は果たしたのなら、それを経営結果に結びつけるのが今のソニーの最大の課題である、とみています。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

起業のマインド4

日本で脱サラで起業を目指そうとしている方が「週休二日、夏休み、冬休みありで一日8時間労働で年収800万って可能でしょうか」、と質問、手厳しい回答が続出していました。回答者の主たる流れは一日14-16時間労働、365日働いても成功率は低い、と。

「脱サラは難しい」と入り口のところでハードルを上げられてしまいましたのでこの方は「あぁ、ヤッパリ無理だ」と諦めることになるでしょう。

ところで本当にそんな楽な計画はダメなのでしょうか?

実は僕は脱サラして起業した頃は一日8時間労働で週2回休んで年収はサラリーマン時代以上を維持していました。今は事業が5つと多いのでそういうわけにはいきませんが一つや二つの事業なら僕なら8時間労働、週休2日は出来ると思います。

起業する人にとって何が大切かというとビジネスセンスなのです。センスと要領が悪ければ14時間働いても追いつきません。東大に合格する人の中に一日3-4時間しか勉強しなかったのに合格する人もいれば徹夜続きの勉強をしても落ちる人は落ちます。何処が違うかというと徹夜をする人は徹夜をすることで勉強したと勘違いするのではないでしょうか?

実は僕は起業してからのほうが作業効率が上がり、結果として仕事の時間が短くなっています。理由は簡単です。本社や上司等への不必要な説明、説得、交渉、会議が全部なくなったからです。自分で決めるのですから3秒で決まります。但し、決定のプロセスは案件により1日の場合もあるし3日の場合もあるし1ヶ月の場合もあります。結果として自分がオーナーなのですからその決定が正しく、後々後悔しないものであることだけに留意しています。

僕の知っている日本でも大変著名なあるビジネスマンは一年のうち半分はリゾート地で優雅に暮らしています。仕事は午前中だけとか、午後あと数時間程度と8時間には満ちていません。うらやましい限りです。

起業のポジションの取り方は二通りあり、一つは自分がオペレーターであり、そのすべてを実行し、知っている人になること、もう一つは人を使うことで自分は全体の動きを管理するポジションになることかと思います。

僕の場合は後者であります。多分大半の方はそんな資金ない、と仰るでしょう。でも逆説的ですが、起業は自分の時間を如何に余裕を持たせるか、そのノリシロの広さが成否を決める、といっても良いのではないでしょうか?

床屋さんを考えてみましょう。あなたが朝から晩まではさみを持ち続け、お客様の髪を切り続けたとしても何人こなせますか?10人ぐらいですか?どれだけ行列する床屋でもあなた自身がやり続ける以上、一人2500円で10人=25000円しか稼げないのです。そしてあなたがお休みをすれば所得はゼロです。でもあなたが理容室の理容椅子を誰かに貸し、貸し賃として売り上げの20%を貰う契約にしたらどうでしょう。あなたは髪をカットしなくても椅子貸しの数X売り上げの20%をもらえるのです。そしてあなたが休んでいても旅行をしていても収入はあります。

起業をするには一日16時間労働を覚悟しなくてはいけない、と言われます。確かに16時間働く日もあるでしょう。が、そんな超長時間労働のビジネスモデルそのものが間違えなのです。だから成功しないのです。はじめから8時間労働というわけにはいかないでしょうけど8時間労働をするための効率化を図ればよいのです。そして自分で全部やるのではなく、仕事をばら撒くのです。

起業が苦しいものだと思ってはいけないのです。楽しい未来があるという前提でプランを描くべきだと思います。毎日同じテンションで働くより、休みを取り、自分の勉強をし、外の空気を吸い、友達と会い、情報を得ることで新しい活力が生まれるのです。

起業をしようと思っている方はどうか、そこの点を勘違いしないで欲しいと思います。
賢くやりくりすれば楽しい脱サラも大いにありえると思っています。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

問題先送りのアメリカ、とりあえず期待の日本4

金曜日のバーナンキ議長の講演からは市場の期待した新たなる材料は見出せませんでした。唯一、9月の定例会議を一日延長しじっくり討議すること、あわせて、議長が「まだいろいろ手はある」と発言したことで期待を残したと理解され、金曜日の株式市場は引けにかけて買われました。

一方、2日半で200ドルほど売り込まれた金。こちらも100ドル程度戻す形となり、まずまずの形となりました。

市場の代弁をするならば「結局、何も変わっていない。だからやっぱり、安全資産の金に行く」と聞こえたのは僕だけでしょうか?

実際、アメリカの金融政策でパンチの効いたものは限られています。それ以上に金融政策が金融市場の刺激という小手先の対応になりつつあり、市民生活や経済の根本を立て直すものではないということです。
オバマ大統領が何らかの対策を打ち出すとみられている点のほうが期待となるかもしれません。

一方、日本。非常に短い間の民主党党首選。そして昨日の日本記者クラブの共同記者会見。質問者が小沢氏との問題、消費税、増税などほとんどが党内部問題と国内問題に集中、僕は質問者があまりにマスコミの大衆迎合的質問に集中しているので途中でテレビを止めさせてもらいました。

が、5候補のどなたがなったとしても大きなサプライズもない一方で菅総理からの解放という点でまずは気持ちよい9月を迎えることが出来るのではないでしょうか?海外では日本の総理が変わるという報道は少なく、また、誰が当選しても日本は日本という見方ではないでしょうか?

菅総理は震災とその復興に100%の時間を割いてきました。というより他の案件はまったく相手にされなかった、といったほうがよいのでしょうか、新総理決定後は復興と日本が本来進めなくてはいけない重要案件は同レベルの重要度を持って進めていかなくてはいけません。その点からは投票する者は世界を俯瞰し、日本が歩むべき本質を見極めながら山積する内政、外交につき、手分けして作業を行い、今までの2倍、3倍のスピードで問題処理に励む人を推すことが重要です。新総理にふさわしい人は司令塔に徹し、高い人望でチームを作り上げる能力を持った人を選ぶべきです。

少なくともこの辺の候補者の資質についてはメディアの記事からは判断しにくく、日本のマスコミのレベルアップが求められるところであります。

2012年は主要国での首相、大統領の選挙が続々と予定されています。当然ながら世界レベルでの大きな方向転換が起きる可能性があるわけです。それを踏まえ、日本が先行して首相が変わるわけですから、再び1年程度で首相が変わる可能性を別にすれば、先行者としてのポジション固めをするべきかと思います。その点でも日本は有利にことを運ぶことが出来る、というポジティブな見方が可能なのです。

日本の政策は行き詰るアメリカ、構造問題のユーロ、そしてドイツ頼みのヨーロッパ経済、更には輸出型から内需主導型に転換を図る中国、距離が出来たロシアなどとどう取り組んでいくのか、極めて重要であります。

財政問題に関しては国の財産や資産を徹底的に売却し、債務の健全化を図り、また民間の力による運営効率化を取り込むことは一つのアイディアだと思います。極端な話、役所の機能の一部も民間委託するぐらいの大胆さを考えてもらいたいと思います。

他国の首脳は今、自国の事で精一杯です。今は誰も日本を助けてくれません。この認識をもって日本に明るい未来を届けてもらいたいと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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BC州HST否決!裏目に出た民主主義4

カナダBC州では2010年7月1日より導入した新型消費税HSTに関し、州民から強い反発が生じ、結果として導入を決めた州首相は退陣し、あわせて州民投票にてその是非を問うこととしました。

そして、今日、その結果が出ました。結果は55:45で新型消費税導入を却下するというものでした。この投票に基づき、18ヶ月以内の2013年3月末までに旧型の消費税、GSTとPSTに戻ることになります。

ご存じない方のためにさらっと説明差し上げますとカナダBC州では2010年7月までは連邦消費税(GST)5%と州消費税(PST)7%の合計12%が一般消費税として賦課されていました。但し、生活必需食料品には税金はなく、また、レストランや床屋などは連邦消費税のみの賦課でした。一方、事業者への消費税還付については連邦消費税のみ還付のシステムがあり、州消費税は還付されません。つまり、州消費税は製造から最終消費のどの段階でも賦課される「重複課税システム」であります。

また、連邦はオタワ政府、州はビクトリアの州政府の管轄ですので事務工数は二倍になります。

このため、「前近代的な税システム」(ゴードンキャンベル前州首相)を新しいものにするために連邦政府から16億ドルものHST設立資金を受領して新税制システムを作り上げたはずでした。

ちなみに新しい税制システムになって一般消費者への恒常的、直接的な影響はレストランや理容室で7%余計に税金がかかるようになった程度で限定的な影響だと思っております。(アルコール税は下がっています。)一方、企業側は今までの連邦消費税のみならず、州消費税相当も還付請求できるようなったため、実質的にコストが7%下がり、それが消費者への還元に繋がると考えられていました。

更に州民投票において、HSTを維持した場合、現在の12%のHSTは3年を目処に10%に下げることになっていました。

ではなぜこのHSTは覆されたのでしょうか?

民主主義の声

これがまず聞こえてきています。では地域別投票の結果を見ると都市部ではHSTは賛成なのですが、地方は一部を除き、全部反対派でした。バンクーバーで見ても高収入のところは賛成、所得層が低いところは反対となっています。

これは何を意味するのでしょうか?

僕はHSTに対する十分な理解が浸透しなかった、そして、大衆の「反対」というボイスに押し流された、ということではなかったかと思っています。更に「反対」派の大掛かりなキャンペーンに対してHSTを維持する側のボイスはほとんど聞こえてきませんでした。

皆さん、選挙をする際、どういう基準で投票するでしょうか?案外、インスピレーションや思い込みで投票してませんか?新たにじっくり勉強して投票する人はどれくらいいますか?よく考えたとしてもそれは大衆の意見になびいたということもありませんか。

人の考えはそのときの大衆の動向により決まりやすいと思います。一度、レイヤーが固まるとそれは動かすことが非常に難しくなります。HSTという税システムは間違えなく優れているし、維持すべき税制でした。ビジネスセクターでは今回の結果に非常に失望しているのみならず、政治経済的にBC州が遅れた地であるイメージを植えつけることになり、投資促進には非常に不利に働きます。

極端な話、あなたの住宅の価値が下がる可能性すら秘めてしまうのです。或いは失業率が潜在的に高止まりしてしまうこともあるのです。

BC州は大変高いコストを負担することになります。そしてこの州にとって歴史的な決定は長期的に禍根を残すことになるかもしれません。

民主主義のポイントは「すべての民がほぼ共通の事実認識に基づき一定水準以上の考察をもって判断するか」ということです。近年の世界のあちらこちらで起きている「民主化運動」は現在は正しいという認識で捉えられていますが、僕は「ある一定の条件を満たす限りにおいて」という条件をつけない限り、民主主義という言葉が独り歩きする危険性を備えていると考えざるを得ません。

ご意見賜ります。

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ではまた明日。

責任の取り方4

最近の日本人が責任を取ることに不得手な感じがするのは僕だけでしょうか?

会社で議論に熱を帯びてきたとき、「俺はそんな責任は取れない」という発言はたびたびあるのではないでしょうか?この責任も議論の内容によって違いますが、「他人の穴は拭けない」場合と「自分にそんな責任を取るキャパシティはない」の二通りがあるのだろうと思います。

大きな会社でモノを決める場合、その社員さんの責任の取れる範囲など知れています。会社からみればその人の判断の間違えの結果、会社に損失を与えたとしてもその人からいくら賠償されるかというとほぼゼロなのです。多分、その社員さんが左遷させられるのがせいぜい関の山です。

僕が以前勤めていた会社はその点、多少ユニークだったかもしれません。カリスマ性のある人がトップだったこともあり、社員が判断をためらっていました。事実を報告し、トップに判断を仰ぐのです。カリスマトップは嘆いていました。「俺がモノを決めないとこの会社は前に進まない」。だから、秘書だった僕は多少間違っても判断をする勇気を与えてもらいました。結果として僕はやんちゃをしてずいぶん失敗をし続けたにもかかわらず、左遷されずに済みました。

責任が取れなくなった一つには今の地位に固執しているとみても良いと思います。今、ワイルドなことをして、会社に目を付けられたら今の生活はない、という恐怖が気持ちの中に居座り続けています。

時代劇を見ていると昔の侍は本当に良く切腹をしていました。明治に入っても切腹、自害の類は減らず、終戦頃には日本の幹部は次々と自殺を試みました。近衛文麿は自殺、東条英機は自殺しそこないました。戦地においてはもっとたくさんの人々が命を自ら絶っていきました。そこには日本国への忠誠心とそれが報われなかったギャップに対して体を張って責任を取るという極めて強い信念があったように思えます。

企業戦士という言葉が昔ありました。ビジネスを通じて世界を制し、企業を繁栄させ、ひいては日本国の民族の発展を祈ることかと思います。商社マンにはその点、もっとも逞しい姿を見せてもらってきた気がします。

僕は小さな会社の経営者として経営責任を背負っています。20名足らずの従業員を引っ張り、僕の会社の存在が地元で嬉しく受け入れられるものであり続け、カナダに経済的ベネフィットを提供し続けることを使命としています。そして今日に至るまで僕は責任が取れないという発想をしたことは一度もありません。

僕が今やらなくてはいけないことは何か、常に考え、実行し、結果を信じて前を向き続けることあるのみなのです。やらないことで後悔するよりそれをやることでそれ以上悪くならないと思って前進し続けるだけなのです。

今の日本を見ていると「躊躇」という表現が一番しっくり来る気がします。震災からもうすぐ半年、本来であればV字回復が見込まれていたのに、燃え尽き症候群なのか、円高の理由なのか、はたまた、目標を見失ったのか、政治が日本をキリキリ舞にしたのか、いづれにせよ、明らかに日本のリーダー達の霧は晴れません。

そこには責任が取れないという言葉に身を隠したい何かが潜んでいる気がします。僕にはまだ良く見えてきません。

皆さんのご意見賜ります。

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ではまた明日。

経済収縮?4

最近送られてきた経済関係のテクニカルレポートを読んでいてふと気がついたのですが、contractionという単語を使っているのです。これは経済用語で「収縮」といわれるものでrecessionのように一時的な景気後退とは違い、長期的な調整波動に入っている場合に使います。

リセッションは通常、四半期GDPが二期連続してマイナスを計上した場合に良く使い、景気後退局面に入ったとみなされます。最近の経済学の主流からすると金融的措置によりリセッションからの離脱を図ることが多く、金融緩和はその最大の施策であります。

一方、コントラクションについて経済的に厳密な定義はないように思えます。もっと大きな波動の経済収縮という局面入りとなればこれはリセッションとは違う代物ですから、ケースバイケースで施策を考慮しなくてはいけないでしょう。

アメリカ経済の場合、専門家の間でリセッション入りする可能性について予想が40%前後に上がってきています。想定としては7月から9月の第3四半期と10-12月の第4四半期でのマイナスを見込んでいるのかもしれません。僕のところに来ているレポートも40%です。

その上で、8月26日(金曜日)のバーナンキ議長の講演の際に何か、おいしいアナウンスがあるのではないかと期待する向きがあります。いわゆる金融緩和第三弾かそれに近い何か、ということを市場は期待しているようです。

アメリカは明らかに構造的な問題に入り込み始めました。それは住宅市場における際限なくでてくる競売物件。既に40週間にも及ぶ高止まりした失業率。最後に財政問題。これら3つをStructural Problemと称しており、取り方によっては小手先の金融政策ではどうにもならないとも取れるのです。

では金融緩和第三弾は期待してよいのでしょうか?予想に悩むのは、アメリカは2年間に渡り超低金利を維持すると発表したオバマ大統領に対して連銀の中では歩調が揃っていないことが上げられます。その中で、特に指摘されているのがアメリカはインフレなのか、デフレなのか、という議論であります。確かに7月消費者物価指数は0.5%と6月の0.2%から大きく上昇しました。

しかし、僕のブログで指摘している通り、これはガソリン価格が大きく影響しているものの8月には必ず下がりますので一時的な状況だと見ています。更に、ガソリンに関していえば、リビア問題が一応の解決に繋がりましたので今後、リビア石油が市場に復活してきます。これに伴い、心理的要因もあり、ガソリン価格は弱含みと見るべきなのでしょう。

むしろ、僕にはアメリカは流動性の罠に引っかかったか、引っかかりつつあるのではないかとみています。少なくとも今後2年間、金利を上げない状態が続けばその罠にトラップされる公算は相当高まってしまいます。更に、基軸通貨のドルの長期低金利状態は他国、他通貨への影響も尋常ではなく、今までの想定をすべて覆す可能性すらあるのです。

例えば、カナダの金利は本年は上がらない、と再三、指摘しておりますが、一部アナリストは2013年までアメリカの歩調に合わせ、利上げはないかもしれないという意見すら出てきているのです。

一方でヨーロッパの議論はユーロのシステマティックな問題に突入した感が強く、構造的見直しをしなければ経済をサステイン出来ないという僕の想定は専門家の指摘とさほど大きく相違していない気がしております。

これらを総合してコントラクション=経済収縮とみることは可能かもしれません。ハーバード大学のケネスロゴフ教授はいわゆるgreat contractionを強く主張していらっしゃるようです。

僕のこれら一連の流れに対するコメントは一言、

「欧米も失われた20年を経験することになる」

ということであります。過去の経済収縮では欧米において我慢できずに戦争をした、ということであります。今、戦争をして鬱憤を晴らす、というのは余りにも非常識、非現実的な見方ですので欧米は日本と同様、じっと我慢の耐乏生活ということになるのでしょうか?そうなれば表面化してくるのは格差問題であり、先日のイギリスの暴動のような問題があちらこちらで現実化することとなるのでしょう。

まずは金曜日のバーナンキ発言に注目し、それが失望的なものであれば、いよいよ、対策の手段は限定されてくるような気がします。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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