外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2011年10月

権利?4

テレビで面白い番組を見ました。電車の優先席を全車両優先席とした横浜の地下鉄とそれをまねながらもやめた阪急電車です。横浜の地下鉄の全車両優先席に対して乗客は「大した経営判断」と評判上々。一方の阪急はせっかく導入したものの不人気で取りやめになった理由は席を譲ってくれる人がいないというお年寄りからのクレーム、そして、譲ることを求められる側の主張は「俺には座る権利はないのか?」

座っている比較的若い人々にとって「俺は毎日残業で疲れている」「二日酔いでたまらない」「寝不足なんだ」から俺にも座る権利があるだろう、という主張でしょうか?

会社に勤める人にも同じ事がいえるかもしれません。会社に入る前、そして入った後に必ず先に目が行くのが従業員の権利、そして往々にして福利厚生のチェック。「与えられた権利だから使わなきゃ損」と考える人は何時の時代も多いものです。

僕は会社は何しに来るかというと一緒に目標に向かって汗を流す、ということだったと思っています。が、多くの人は給与を貰いに来る手段となっているのかもしれません。逆に言うと権利を主張する余裕が出来る日本になったということでしょうか?

先日、カナダからアメリカに車で渡る国境でのアメリカ側入国審査場で思ったこと。入国審査を待つ人、ざっと40人。審査をしているオフィサーは3人です。しかし、歩いて国境を渡る人が優先的に審査されます。つまり、車で国境を渡る人の審査をするのはせいぜい一人。だから行列は一向に進みません。ですが、事務所奥にはたくさんのオフィサーがたむろしています。

それでも国境では誰も喧嘩は売りません。クレームもしません。なぜなら、彼らは権利という凶器を持っているからです。並ぶのが嫌いでもオフィサーに喧嘩を売れば入国させてもらえないので静かにしている、こんな馬鹿げた話はありません。

仕事において雇用主やボスは一定の成果を期待します。そして、その成果をあげる過程において一定のルールとなるのが社内規定や雇用規定でありますが、これはあくまでも一定の成果があることが前提になっています。ところが上述の入国審査場の場合、一定時間勤務することが義務であり、その義務の中に成果目標があるかといえば微妙でしょう。

一時間に何人の入国者を処理する、もしもグレーの人がいればそれは別室で別の係官が担当し、一般の入国審査は事務工数の効率化を高め、その結果としてオフィサーの数も減らす、と考えるのが民間の発想です。 一方、今まで以上に仕事をさせられ、疲れるにもかかわらず、結果として人まで減らされるのは割に合わないと考えたらこれは組合の発想か役所の発想です。

つまり、義務よりも権利が先にきてしまうのです。
権利ばかりを主張し効率が極端に落ち込み、結果として崩壊したのがソ連の共産システムです。例えば僕がモスクワにいた頃はスーパーマーケットのレジ係は一人の客を処理したらレジを「クローズド」にしてお茶を飲み、一息してまた一人客を捌き、また、休憩、という実に馬鹿なことをしていたのです。だから当時のソ連ではパンと肉と野菜を買うのに朝から晩までかかっていたのです。

冒頭の電車での席を譲る話の場合、全席優先席であれば誰か一人ぐらい「元気な人」はいるはずです。仕事で疲れている人は多いでしょうけど、全員が疲れているわけではありませんよね。譲る義務より座る権利が先にきていると考えても良いかもしれません。

それだけ世の中、ぎずぎすしているということなのでしょうか?

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ではまた明日。

TPP4

TPPについてはこのブログでも時々コメントさせていただいておりました。今、世の中がこの話題で盛り上がりつつありますのでトピとして改めて取り上げてみたいと思います。

まず、今、何故TPPがこれほど盛り上がっているか、多分、僕には二つの理由があると思います。

一つは韓国がアメリカと自由貿易協定を結んだことによる焦り。特に韓国は既にEUとも結んでおりますので韓国の貿易に占めるFTA率は36%にもなり、アメリカに肩を並べる水準となっています。一方、日本は17%程度です。

円の対ドル、ユーロに対して歴史的水準の中、日本の輸出産業は特に対ドルに対しては企業もそれなりの対策を取り、東芝、ソニーなどでは既にドル抵抗力を十分つけています。しかし、中小企業を含め、まだドル抵抗力は十分ではなく、それ以上にユーロに対してはまったく弱い状態です。

例えば、シャープの主要業種の一つである太陽光パネルはこの為替でまったくの輸出競争力をなくし、来年のイタリア工場立ち上がりを待つしかありません。

このような輸出産業界からのTPP参加へのボイスはかつてないほど高まっております。このままでは韓国に負ける、と。

もう一つの理由はアメリカからのプレッシャー。何か決め事をする時にいつも必ず暗躍するのがアメリカ。そして、今回も強力な日本へのTPP参加後押し。アメリカの目的は自由貿易拡大が表向きですが、実際にはもっと政治的に複雑な構想があると思います。一つは対中国。アメリカの中国に対する経済貿易問題は日増しに熱くなってきています。その中でTPPを通じた囲い込みはアメリカの一つの重要な戦略であることは疑う余地はありません。

もう一つはロシア。プーチン首相が来年、大統領に返り咲くことはほぼ確定しています。その中で彼がロシア国益を強化する為に旧ソ連の国々とEUのような自由貿易圏を作る構想が既に立ち上がりつつあります。ロシア圏、EU圏という貿易圏が出来ていくなかで環太平洋の自由貿易圏は絶対的に必要であり、その中で要の日本がこれに参加しないわけには行かないというがロジックだと思います。

では、日本がTPP参加によるメリットはあるか、という議論に関しては私見としては短期的な直接インパクトとしてはプラスマイナスゼロかもしれないと思っています。それに対して賛成反対双方の議論は尽きないと思いますので結局は政治的な判断をするしかないでしょう。では、政治的判断はどうあるべきか?地球の中の日本で考えればTPP参加は世の流れかもしれません。それ以上にカナダのようにNOというだけの政治的、経済パワーが日本にはありません。

特にアジアの時代を迎える中で日本が強いリーダーシップを求められる一方、日本の政治的、社会的ポジションは世界の中でどんどん小さくなり、日本の世界におけるボイスや経済大国としてのパワーはあまりにも寂しいものになっています。日本が国家としてどう生きてくのか、どう成長し、どう世界の国々と強調し、共に手をつなぐのかという大所高所の目線からはTPPへは好き嫌いにかかわらず参加せざるを得ません。

農業に関しては自民党時代から民主党も含め、議員を通じて今まであまりにも過保護な扱いとなっていたことに異論はないでしょう。日経新聞のコラムに尊皇攘夷ならぬ尊農攘夷と皮肉られていましたが、なかなかうまいこというものです。

僕はTPPへの参加は中立的立場を取ってきました。しかし、どちらかに決めよ、と言われればこれは参加するしかありません。但し、日本に臨まれるのはTPPを利用できるか、TPPに利用されるのか、という事であります。今の日本側のステートメントからはTPPに消極的参加となる公算があります。いざ、参加を決めるならTPPを通じて日本が再び、アジアのリーダーとして発言力を高め、passing, nothingといわれないよう参加の意義を十分に考えるべきでしょう。

ご意見賜ります。

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ではまた明日。

企業の存亡をかける4

好き嫌いが分かれるのが北尾吉孝、総合金融のSBIホールティングスCEOでしょう。自己の信念の強さと直球勝負の男というのが一言で表す彼の評価。迎合をまったくしないことから政治家には絶対になれないだろうといわれ、敵の多さも天下一品といわれています。

さて、その北尾氏、攻めの一手で野村證券時代も一目も二目もおかれていたのですが、最近の寄稿のある一行にはたと目に留まりました。
「企業にとって重要なのは、如何に利益を上げるかではなく、如何に存続するかである。」

この言葉はある意味、衝撃的であります。一昔前なら「何を弱気な事を言って」と軽く一蹴されていたでしょう。しかし、攻めまくっていた男からディフェンスに廻れ、という重要なヒントを頂いたのです。これには一定の意味があるはずでしょう。

地球儀ベースで見ていきましょう。アメリカの金融にはもはや一時の勢いはまったくなくゴールドマンサックスが赤字となり、ウォール街の金融関係者は今後1万人が職を失うといわれています。バンクオブアメリカも激しく売り込まれ、ゴールドマンと共にウォーレンバフェット氏に助けてもらっているような状況です。

欧州の金融はどうでしょう。フランス・ベルギーのデクシアは既に解体の道。ギリシャの国債の損失はその損失を21%から50%に増やさなくてはいけません。ギリシャの銀行はもとよりフランスBNBパリバなどフランス、ドイツなどの銀行も大きな損失を計上することになるでしょう。まさに生き残りです。

日本の家電メーカー。5%にも満たない利益率で液晶テレビに沸いた昨年までと違い盛り上がりにいまひとつ欠けています。

それ以外にもリーテルでも量販店でもデパートでもコンビニでも弁当屋でも酒屋でもとにかく必死、というのが現状ではないでしょうか?

ところで日本のビジネスはある特徴があります。それは見栄。

大分昔に「やまとなでしこ」という連ドラがありましたが主人公の女性は洋服などは見栄えの良いモノばかりで育ちの良さそうなお嬢さんに見えます。ある日、男性から君の家まで車で送っていくよ、といわれ、自分のアパートの近くの品の良さそうなエリアで「ここで下ろして。ここからすぐなので先は歩くから。」でも住んでいるところは古い6畳アパートという設定。

長年外から日本のビジネスをみているとビジネスシーンでもこの見栄が出てきます。そのために多くのコストかけるものの実際の中身がついてこない、ということが間々あります。

値段が一流の東京のレストラン。僕の評価はワインを頼んだ際のサーバーのワイン捌きであらかた気分が決まります。テースティング、誰からさせるのか、OKなら誰から注ぐか、ボトルをくるっとひねって注ぐなどちょっとした点などがスムーズでないとあぁ、形だけのレストランかな、と思ってしまい、そのレストランの評価は20点マイナスになります。

北尾氏は本当の会社だけが生き残る、と考えています。いや、僕はそう理解しています。表面だけつくろっているような中身のない会社は淘汰される、だから、中身が十分か、早く検証せよ、そういう風に聞こえます。

世の中、ある意味で本当の戦国時代に突入したと考えるべきでしょう。

今日はこのぐらいにしておきましょうか?
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笑顔の欧米、渋い日本4

今日、10月27日は欧米にとってまずはご苦労さん、といいたくなるようなハッピーな一日だったでしょう。先行きのことは薄氷とか、一時しのぎといわれていますが、夜を徹して行われたEU首脳会議で会議が終わった際のメルケル首相とサルコジ大統領の嬉しそうな顔を見てあぁ、この人たちの努力がとりあえず、報われたかな、と思いながら思わず良かったですね、とささやいてしまいました。

実際、欧州の安定には程遠いかもしれませんが、少なくとも両首脳の体を張ったEUを守るという姿勢とさまざまな困難を乗り越えてここまで到達させたその実行力は今、世界の中で誰もその右に出る者はいないでしょう。

オマケはアメリカの第3四半期GDPの内容、特に個人消費が大幅に伸びていたことがアメリカの市場参加者のお祭り気分を盛り上げたのか、ニューヨークダウも一日堅調でした。案外、目立ちませんでしたが資源の価格がこのところするするとあげていることも株式市場にはプラスに働いています。ニューヨーク市場の原油は93ドル台半ばですし、ニューヨーク金もいつの間にか1700ドル台半ばまで戻しています。

もともと株式市場はは10月から春にかけて上がりやすい傾向にあることも事実でとりあえずは今までのストレスを発散した感じがします。

一方の日本。日経新聞電子版のタイトルだけ眺めても、「円、3日連続最高値 75円67銭」「世界経済不確実性高まる、日銀総裁会見ー円高進行に危機感、日米金利差を意識」「TPP,国内議論に偏り 農業、医療に集中」「任天堂、初の最終赤字」「オリンパス、買収経緯説明、株主との溝は埋まらず」などなど。

昨日のブログで為替のことは書きましたが僕は昨日の東京市場の動きは少々拍子抜けしました。日銀の追加金融政策の内容は当初予想されていたもの。更に「いい加減にありそうだ」と思われていた円介入はまたも狼。このところの円高は今までの一気に最高値をつけるパタンから柔道の寝技のようにじりじりと攻め込んでくるなかで安住大臣の「介入は難しい」という呟きは「投機」筋に格好の隙を見せて「有効」をとられたといったところでしょうか?

任天堂の苦悩は僕はこのブログで大分前に「そうなる」と書かせて頂いたのですがその方向に動いております。要はプラットフォームが違うわけで「ひかり号」と「のぞみ」を比べるような感じなのであります。一方、オリンパスはやはり、一週間ぐらい前のブログに喧嘩両成敗、本業は傷ついていないので早めにリフレッシュすべし、と書かせていただきました。社長が早速変わり、菊川剛氏は平取に下がり、昨日の詳細な説明がまずは防波堤になると見ています。もちろん、取引内容は不思議ですが、まず大きな新たなる一歩を踏み出した、という感じがします。

ただ、欧米の動きと日本の動きを比べて思えることは欧米はシャカリキに努力した、対話した、時として激しくぶつかった、そして、説き伏せた、という熱い攻防の連続でした。一方、日本はよく分からないです。TPPも誰が賛成していて誰が反対しているのか、与野党議員が激しく絡み、メディアは不安感を煽り、その答えは「まずは参加前提で会議で詳細を詰めないとわからない」。一番わかっていないのは国民だと思いますが。

今日は実に温度差を感じる政治経済のニュースが満載だった気がします。そして、今の日本の苦悩振りがその記事の端々に良く出ていたよいサンプルがとれたと思っています。

今日はこのぐらいにしましょうか?

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ではまた明日。

円高と投機4

安住財務大臣が昨今の円高に対して「投機的」と繰り返しコメントしています。

毎朝来るローカル銀行からの為替情報。ちょっと前までは日本円の動きに対して政府の強い介入姿勢に警戒感、といったことも書かれていたのですが、最近はno news developedとあっさりと無視。

口先介入だけでは狼少年と思われているかもしれません。ただ、今日10月27日は日銀の金融政策決定会合があり、追加緩和策がでてくるかもしれません。ですのでひょっとするとあわせて狼が吼えるかもしれませんが。

もっともアメリカもQE3が再び議論され始め、欧州ではギリシャの計画的デフォルトとなればセーフヘブンの円と金は目先輝けるものになるのかもしれません。その点から考えれば安住大臣が「投機」という言葉を繰り返していますが、海外の投資家から見ればspeculationではなく、安全な金庫を探しているのだ、と反発されるかもしれません。

ケインズは投機を「予測し難い将来価格の変動を、他人に先駆けて見通すことにより、利益を得ようとする行為」と定めているようですが、それは投資でも同じことであって言い当てているようで言い当てているとは思えません。一般的には投機と投資を資金回収期間で計測するという説明をする場合もありますが、厳密に定義されているわけでもありません。

安住大臣の「投機」の意味を僕が創作説明するなら「一国の為替を利用し、本質的でない為替の歪をつくったりそれを運用しながら、結果として一国の経済成長に何ら寄与しない資金の流れを通して儲けること」でしょうか?

話は違いますが、80年代の土地バブルの際、不動産業者から悪名高き改正国土法(昭和62年)が発効され、短期売買の不動産を取り締まることになりました。これが日本のバブル崩壊のトリガーの大きな原因となりました。なるほど、監視区域内の売買を事前に一件ごとチェックすることで投機と投資を区別することは出来ました。そして投機は機能しなくなったのです。あの頃は僕も不動産部門で働いていましたので「あぁ、これは国土法が通らない」とよく嘆いていましたが、ある意味、土地を転がして儲けるのは日本の経済発展になんら寄与していない、という極めて正しい目線のお咎めであったかもしれません。

とすれば、為替に関しても投機から投資にシフトされまっとうな意味で海外からの円買いがその日本円でもって株式市場など本当の投資に廻ってくれるのが一番ありがたいのですが、昨今の日本の株式市場の売買代金の細り具合を見てもどうもそういう気配は感じられません。この辺の工夫があればいいのですが。

欧米の投資家、事業家、機関投資家等からみて彼らの巨額の資金運用は地球儀レベルで顧客の資産を守る為の最大の業務であります。その中で短期的に見てそのお金をどこに持っていくのが良いのかを決定するのは運用者の判断にゆだねられるわけです。その結果として円が望ましいと思われ、日本からすれば望ましくない円高になったとしたらそれは日本の政策によるところであり、投機という言葉で片付けにくい性質のものかもしれません。

一国の貨幣の価値が高いほうと低いほう、どちらがいいかといえば一般的には高いほうが良いはずです。但し投資なり、投機なりに一定の力学と妥当性があるとすればあるべき為替レンジが存在し、その範囲を大幅に超える状況になるようでしたらそもそもそれ以上にその通貨が取引されることがおかしいはずです。

となれば、日本円はデフレもあり、輸出業者が苦しいといいながらもいまだ妥当レンジにあるという見方も出来るのかもしれません。少なくとも海外の運用者は日本の国債発行水準などのネガティブなところはとりあえず見えないフリという感じも無きにしも非ずでしょうか。

少なくとも為替の急激な変化だけは勘弁いただきたい、というのは万国共通の認識だろうと思います。

今日はこのぐらいで。

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ではまた明日。

カナダアップデート4

カナダ中銀は10月25日、政策金利を予想通り1%に据え置くと同時に将来の金利上昇に関するステートメントが消えました。朝のラジオではトップニュースとして本年のカナダ経済成長率を2.8%から2.1%に、来年も2.6%から1.9%へ下方修正し、先行き金利はフラットと放送しています。

為替はカナダドルが米ドルや円に対して売られています。

カナダはご承知の通り、資源国家でありながらも通貨はオーストラリアや南アフリカのような動きとも違い、経済的にアメリカと東西に長い国境を通じて極めて密接に繋がっていることに大きな影響を受けています。

カナダの金融政策はカナダドルの為替相場、特に最大貿易相手国であるアメリカとの兼ね合いを考え、米ドルとの動きが常に注目されています。銀行のアナリストによるカナダドルの対米ドルに対する見方はバラツキがありますが、TDバンクは2012年度第4四半期に1.05ドル程度になると見ています。2012年後半から2013年にかけてカナダドルは対米ドルで相対的に高くなると想定されています。

但し、あくまでもこれらの想定は世界経済にサプライズがないという前提であり、ヨーロッパの現状からすれば来年の話をすれば鬼が笑う、と言われるかもしれません。

他方、資源国家としてのカナダにおいてまずは原油価格が強気であれば経済体質はブルになります。例えば、アメリカが輸入している原油の最大の相手国は中東やベネズエラではなくカナダです。アルバータ州からパイプラインが直接アメリカ各地に繋がっておりますが、これはカナダが政治的に極めて安定していることから石油の安定供給を受けられるという期待からであります。

また、鉱物資源のみならず、ウランなどの金属資源も豊富であり、アメリカ経済のみならず、中国など新興国の経済状況に強く影響を受けることになります。一部の資源価格はこのところ軟調なものも見受けられますがジムロジャーズ氏が指摘しているように資源の需要は今後とも高い状態が続くことが予想され一時的な相場の上下はあるにしてもアジアなどからの強い需要が長期的にはカナダの経済的ファンダメンタルズをサポートする
と考えられています。例えばウランは日本の震災以降、相場が急落、低迷していますが、商品相場の中でも今後数年間でもっとも高騰する可能性のあるものの一つとされています。

一方、住宅価格は特に西部カナダにおいて尋常ではなく、バンクーバーにおいては住宅価格が年収の10倍程度となっており、カナダで最高価格を長期にわたって継続しています。但し、バンクーバーの住宅が高いのは複合要因、つまり、地勢的アドバンテージ(アジアとのゲートウェイ)、地形的土地限界(海と山と国境に囲まれている)及び、地方政府の政策の結果(高速道路が市内に入らないなど)の結果、高度密集型都市が形成されたのであって単純にトロント等の他都市との比較は出来ないでしょう。

カナダは基本的に政治が安定し、財政もG7ではもっとも健全、資源豊富で世界第二の国土とくれば基本的には今後、長期にわたって安定的な発展を遂げることが出来る世界有数の国家であり、目先、アメリカや世界経済に影響を受けたとしてももっとも恵まれた国の一つであることは間違えないでしょう。

ということで今日はこのぐらいにしておきましょう。

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世の中から影響を受けない世界4

先日NHKの番組で自給自足に近い生活に挑戦する人が増えているという趣旨の番組がありました。テレビに出ていた方のインタビューを聞いていてちょっとびっくりしたのは「(いろいろなことが起きる)世の中にもう振り回されない生活をしたい。」

数年前、僕の知り合いの日本人家族はそれまでの仕事を辞めてバンクーバー近くのある島に自給自足ライフをするため家族ともども引っ越していきました。引っ越す直前に彼と会った際「何故」と聞いたところ、「自然にかえり、子供の教育のことも考えたい」と。しかし、この島、南国の島ではないし、教育などのオプションも知れています。「自給自足って聞こえはいいかもしれないけれどそんなに簡単なものではないと思うよ。」と伝えたものの
ネットなども無いせいか、残念ながらこの家族の音信は聞こえてきません。

ちなみにNHKの番組にでていたお母様も結局のところ、「現金」無しでは暮らせない、ということでどこかに働きに出ているようですが。

NHKの番組の趣旨は本当は違うのかもしれませんが、結果として混沌たる世の中から距離をおく行動にでる人が少なからず増えているというメッセージに聞こえました。

学校を卒業し頑張った人には大学、良い就職口、そして潰れないであろう立派なその会社で定年まで勤め上げるのが20年前までの規定路線でした。団塊の世代以降の親は右上がりの社会の中をまい進し、その子供たちは「俺も、私もエスカレーターで右上がり」を期待したのかもしれません。

しかしどうなのでしょう?団塊の世代からブーマーぐらいまでの方々はものすごい努力をしませんでしたか?勉強にしろ先輩にしごかれるにしろ、礼儀やマナー等も出来なければ雷が落ちるのは当たり前でした。その結果として右上がりのエスカレーターに一緒に乗ることができました。

林真理子氏の「下流の宴」ではお母さんが自分の息子は自分達夫婦が作り上げたプライドある家庭のもと、「家の名」に恥じない子孫を育てることを「当たり前のように」期待していたものの息子はフリーターとなり、「変な女」と同棲してしまうのです。

今の若い世代の人をあえてを言うなら「要領よく生きている」人が増えた気がします。それは社会が進歩した結果でもありますし、悪いとは言いませんが、現実直視型の日本の世相を反映したとも考えられませんか?

昔の勉強は資料を探すために図書館に朝から晩までこもることは当たり前。それだけ苦労しても手戻りの作業は当たり前、という環境でした。今の時代はそれに比べればはるかに楽に勉学も仕事も生活も出来るようになっています。ですから、本来なら昔の10倍の効率で物事が捗ってもいいぐらいです。しかし、しがみつくようにがむしゃらになる人は少なくなったのではないでしょうか?

逆境に弱くなると逃避したくなります。精神力という言葉がありますがこれは精神の筋肉であります。つまり、普段からトレーニングしていないと精神力はつきません。2011年の日本は本当に苦労の連続だったと思います。天災は続き、景気は悪く、社会から不安感を取り去ることは出来ませんでした。それゆえに精神力が弱くなっていた人たちは苦境に陥ったことでしょう。

日本人は元来、我慢強く、精神力は強く、雨嵐が過ぎるのをじっと待つことが出来るはずです。前向きな意味での自給自足社会は良いのですが、今の社会から影響を受けない自分の世界のための自給自足は僕には余りにも後ろ向きでやるせないものを感じます。むしろ、僕のほうが不安を感じてしまいます。

今日はこのぐらいにしておきましょうか?

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