外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2012年03月

変われる者、変われない者4

出る杭は打たれる、という日本独特の慣習は日本経済を論じるのに展開しやすい例えであることは皆さんはすぐに理解できると思います。

その典型例で息の根を止められたのが堀江貴文、村上世彰、大島健伸、木村剛氏らだったと思います。急速に力をつけ、政財界に一定の影響力を持った点で似ていると思います。それまでに君臨していた人々はそれを苦々しく思い、自分のところに影響が出るようなリスクを感じ始めると既存勢力がそれら新興勢力を潰しにかかります。

もっとも息の根を止められた上述の人々はそれなりに罪状があるわけですからそれを擁護するつもりはありません。しかし、目立たないでじっとしているという姿は日本の歴史そのものでもあります。最近読んでいた戦国時代の本にも著名な武将の名前の陰に隠れ、民は如何に目立たないようにするかを考えていた、とあります。

日経ビジネスに久々に三木谷浩史氏の特集。久々というのはなぜか、彼の名前がメディアで昔ほど見かけなくなっていたからでしょうか、何か懐かしい響きすらあったのです。ご承知の通り、同氏の最近の二つの動きが賛否両論となっています。ひとつが社内公用語を英語としたこと、もうひとつが経団連からの脱会であります。

楽天のビジネスはこのところ3歩前進2歩後退的な印象がありますが、着実に海外戦略を試行錯誤を繰り返しながら進めています。記事によるとターゲットはアマゾン。そのためには地球規模の戦略が必要であり、結果として社内公用語を英語としたわけです。

では日本人同士でも英語でやり取りしなくてはいけないのか、という議論に関しては私はそれは「楽天のポリシーであって楽天の自由である」と考えています。つまり外部の者がとやかく言うべきではないのです。三木谷社長は英語公用語の効果は高く、社員の英語能力は「凄まじい進歩」と述べています。

楽天の事業戦略が地球規模であり、アマゾンをターゲットにしている、だから英語を公用語にするのだ、というのは星の数ほどある会社の一つのポリシーであり、それが好きな人もいれば嫌いな人もいるのは当たり前でそれを批判の材料にしてはいけません。

では、経団連の脱会。三木谷氏は古いその体質に楽天が会員として名を連ねる理由がない、という判断をしただけです。日経ビジネスには「日本企業が抱えるしがらみを絶ち、退路も断った」と表現していますが、これは大げさです。海外に行けばこんな判断は当たり前です。私の会社でもマグニチュードははるかに違うもののこのような判断はずっと続けています。

日本が生き延びる為にはぬるま湯につかっている場合ではなく、世の中の変化の先取りを考えていく為にはイスに座っている暇はないはずです。

出る杭が打たれるとしたら海外で仕事をすれば良いだけの話です。海外では「出ない杭に先は無い」という発想です。真逆であるということを我々は理解しなくてはいけないと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランキングアップにつながります。

地域情報(北アメリカ) ブログランキングへ

ではまた明日。

政治ショーに割く時間はない4

紆余曲折している消費増税関連法案は今日30日に閣議決定し、今国会に提出することになりました。しかし、ここに至って日本の政治はバラバラ状態になりつつあります。民主党は分裂の危機、国民新党も亀井静香代表が孤立化しつつあります。自民党も本消費税関連法案に関して一枚岩ではなく、三枚も四枚もあって端で見ている国民からすれば何がなんだか分からなくなってきています。

一方、数日前のソウルで開かれた核安全サミット。米中韓露のトップが集まり北朝鮮の長距離弾道ミサイルと考えられる衛星打ち上げ予告への対応を協議している中、野田総理が韓国入りしたのは26日夜。そして、僅か18時間の滞在でサミット閉会を待たず、帰国。その理由は「内政が重要」。

野田首相は実務派として一定の信頼があります。少なくともここ数代の首相とは一線を画しています。しかし、消費税問題がここまで大きな山であるとは当の本人の想定をも超えているかもしれません。それぐらい本件に足を引っ張られています。

日本が今、決めなくてはいけないことは山積しています。優先度の問題はあるとはいえ、消費税一点だけでここまでエネルギーを費やし、結果として他の重要な問題の対応が遅れていることに問題がないはずありません。

他の主要国、特に欧州では消費税増税はすんなり決まっています。昨年来の欧州危機の際にも主要国は対策として消費税増税に動きました。それはギリシャ問題で欧州首脳が連日、夜を徹して協議している間に各国の対策として処理されてきました。その間、国内で大きな政治問題になったとは聞こえてきません。

消費税をめぐりこれだけ意見がまとまらないのは根本的に何かがずれているのでしょう。それは与野党という枠組みにその解があるかもしれません。自民党が政権をとっていた際、消費税10%を主張していました。いま、野党に下り与党の民主党にいちゃもんをつけるその姿勢は「対立することに政党政治の意義がある」という奇妙な意地である気がします。

民主党内の分裂に関しても小沢派の強烈な消費税増税反対ボイスを通じて小沢派の存在をアピールし、派閥の結束力と生命力維持を目標としているように思えます。

全ての政治家に政党や派閥という看板を背負わない状態で日本の財政をどうしたら立て直せるのか、という質疑を突き進めて行ったとき、どういう結論が出るのでしょうか?私は案外、答えは収斂してくるのだろうと思います。同じことは原発再稼動もあるでしょう。

日本の政治がダメだと何十年経っても言われ続ける所以の一つはほぼ単一民族の性かもしれません。それはお互いが妥協を許さないというフレキシビリティの欠如ともいえます。日本の特徴として組織は必ず分裂する傾向があるということ。分かりやすい例えとして女性5人集まれば2人と3人に分かれやすくなります。決して1人と4人ではなく全員が同じ方向でもないのです。企業が団結力、チームワークと称しているのはビジネスを通じて方向性の串刺しをしている為であり、串が抜けたらばらばらになりやすくなります。いまの政治はこの串が抜けた状態でしょうか?

今回の消費税増税問題を通じて日本の政治が政党、派閥を含めがらがらポンになるのであればそれもありでしょう。細胞がアメーバーのように変質していくのが日本の政治の特徴であり、今後も変わることはないと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

地域情報(北アメリカ) ブログランキングへ

ではまた明日。

シャープの賭け4

シャープが台湾の鴻海精密工業と資本業務提携すると発表しました。鴻海がシャープの10%程度の株式を取得し、更にシャープの子会社である堺工場のシャープディスプレイプロダクトの株式の46%を鴻海の郭台銘董事長(社長)が個人で出資するようです。

このニュースに私としては非常に複雑な思いであります。

まず、シャープの経営スタイルに関して私はかなり以前から危機感を持っており、このブログでも折に触れてそのことを書いてきました。特に家電御三家と称されたソニー、パナソニック、シャープにおいて今回大赤字、社長交代という共通点があるもののシャープだけは抜本対策に欠けるということも書かせていただいておりました。

株式市場はこの資本提携ニュースを好感し、株価はストップ高までつけていますが、これはシャープのこのところの本業不振に対して資本不足が懸念されていたこともあり、あくまでも資金の目処がついたという意味での買い上げだと思います。その点についてはプラスなのでしょう。

しかし、鴻海グループとの密接な関係を結ぶという点で家電御三家からは離脱する事になった、とも考えるべきでしょう。それが長期的にメリットがあるのかどうか、これからじっくり考える必要があります。

鴻海グループは世界最大のEMS(電子機器受諾製造サービス)企業です。いまや家電は自社で作らず、プロダクトのマーケティングと設計を決め、後はEMSと称する会社に製造組み立てを依頼するスタイルになっています。アップルの商品もほとんどがこの仕組みで作られています。鴻海グループは台湾の会社ながら中国本土に主要工場を持ち、従業員100万人、売上げ約10兆円と桁が二つぐらい違う会社なのです。

この鴻海グループと資本提携した時点でいくつかの事が思い浮かびます。

まず、シャープの経営が鴻海に引っ張られることになるだろうということ。それは企業規模が違いすぎるということで主従関係が出来てしまうでしょう。

次に堺工場をなぜ、郭台銘董事長(社長)が個人でお金を出すのでしょう。鴻海で出せない理由がそこに存在するはずです。これはポジともネガともとれる非常に重要なポイントです。今後のニュースに注目すべきでしょう。

三番目にシャープは何を目指すのか、ということです。垂直型経営=製造から販売までの一環体制、にこだわった会社がその仕組みがワークしなくなったことが今回の大赤字の原因でした。そして、私はそこに、この会社の問題がある、と以前から指摘してきました。ですが、記事を見る限り、垂直経営を水平展開に変えるとの発言は見当たりません。ここが私の疑問です。

いづれにせよ、多すぎた日本の家電メーカーの再編が更に続くことになるでしょう。これは結構な事です。しかし、家電メーカーがサムスンを意識しすぎている気もします。確かに巨人サムスンは日本の家電メーカーをあっという間に抜き去り、いまやガリバー的存在ですが、日本のメーカーがそれを追いかけても意味がない気がしております。日本は単に製品を売るのではなく、総合的なサービスを提供する会社になるべきだと思います。

顧客は何に困っているのか、そこが完全に落ちている気がするのです。メーカーの目からみた製品の押し付けだとしたらどうでしょう?家電業界の生きる道はIBMがパソコン事業をレノボに売却してもなぜ、IBMは更に成長するのか、その辺に答えがある気がします。

少なくともシャープは完全に違う道を選ぶことを決めました。今後、御三家とは呼ばれなくなるでしょう。ですが、それが経営陣としての賭けであればそれはリスペクトするべきです。今後の活躍に期待したいと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

ブログの応援もお願いできますでしょうか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

地域情報(北アメリカ) ブログランキングへ

ではまた明日。

海外日系社会は維持できるのか?4

先日、機会があり、私が所属するNPOの企友会が主催するイベントで海外日系社会についてのパネルディスカッションのモデレーターをさせていただきました。モデレーターですから意見を差し込まずパネリストからの話を引き出すのが仕事なのですが、いやいや、皆さん、それなりに熱い思いがあるようで収拾させるのに苦労いたしました。

最大のテーマは「海外の日系社会は持続するのだろうか」ということなのですが、同じ海外日系社会でも歴史の深さが都市毎に違いますのでひと括りにするのは難しいでしょう。ここバンクーバーの場合、1877年に移民した永野万蔵氏が第一号とされておりますが、それから苦い思い出の戦争時代を経て、戦後、移民層が大幅に変質しており、いわゆる世代間ギャップが大きく生じてきているのが事実です。

また受け入れるカナダ側もそのシステムが変化し、特に1967年のカナダ新移民法によるポイントシステムで日本人の技術移民の道が大きく開かれました。その間、日本では86年にシルバーコロンビア計画が生まれ、国が海外居住を支援する構想が出来ました。結局、これは構想倒れだったのですが、高齢者層の海外移民をポピュラーにしたことは間違いありません。

同じ86年にはワーキングホリディ制度が始まり、「地球の歩き方ブーム」も伴い、若年層の海外経験が爆発的ブームになりました。その上、時は日本のバブル経済。日本からは観光客がわんさと押し寄せ、日本人観光客向けビジネスがいたるところに出現いたしました。

更に90年代は国際結婚ブームで特に日本人女性がカナダ人と国際結婚する人が急増したときでもあります。

つまり、永野万蔵氏の移民一号から僅か135年しか経っていないのに実に深みのある日本人社会が形成されたのです。特に67年以降の新移民と称する人たちは年齢、バックグラウンド、移民意図等に共通項が少なく、結果として日本人コミュニティが細分化された原因に繋がっていると考えています。

この日系社会において細分化されたコミュニティをもっと纏めていこうと試みた人は過去に数々いらっしゃいますが、ほとんど失敗に終わっています。私もそれを真剣に考えたことがありますが、7−8年ぐらい前に出した結論は「くっつかないものはくっつかない。だからくっつけない。だけど、点と線で結ぶことで何か一緒にやるときは連携を取れる関係を作るのが一番よい」と考えました。この考えは今でも変わっていません。

なぜ日系コミュニティが連携すべきか、その目的はいろいろあります。例えば、
政府などへのボイスや働きかけ
外国社会の中でのアピアランスとリスペクト
ビジネスや新移民のためのアシスト
海外日系社会の永続的発展
が代表的でありましょうか?

また、個人的にはさほど遠くない未来に日本から海外移民ブームが再び訪れると思っております。それは二極化する日本、不信感の日本、さまざまな不安感が残る日本が故の一時的退避かもしれません。そのときに新しい(移民の)仲間を受け入れる体制があるのとないのでは大いに違うでしょう。

ただ、一部には日本人同士の人間関係に疲れたという人や日本の独特の社会、風習、慣習、文化、制度から開放されたいという人もいます。日本人と一切関係を持たない日本人は相当いるように思えます。しかしそういう人は何処の国にもいるでしょう。我々としては80%の日系人が何らかの線で繋がり、情報をシェアし、立ち上がるときは共に行動できるような姿勢を作ることが大切なのだろうと思います。

パネルディスカッション後、さまざまな意見を頂戴しました。その中で最も印象に残っているのは「こういう議論や討論をすることに意義がある」という意見でした。1時間の討議で結論が出せるような内容ではありません。しかし、参加した方々がそれぞれに持ち帰り、風化させない程度にまた、どこかでその話題を出し続ける、これが大事なのではないかというのが私の意見です。モデレーターですので意見は控えておりましたが、日にちも経ってきましたので我慢していた気持ちを書かせていただきました。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップに繋がります。

地域情報(北アメリカ) ブログランキングへ
ではまた明日。

ソーシャルゲーム産業の芽は摘むべきではない4

グリー、DeNAといったソーシャルゲーム産業がこの1年ぐらいでは日本の中では最も元気のある業界の一つに育ってきました。実際、このところの株式市場の取引売買代金でみればグリーは日本のトップクラスであります。日本の産業が常に新陳代謝を繰り返しているとすれば明らかにソーシャルゲーム業界は今、一番旬であります。

ところが、規制という暗雲がこの業界に漂ってきています。課金アイテムを購入する為の「使いすぎ」、これが各方面から青少年の育成上、良くないという声が上がり、昨日においてはパチンコ業界並みの規制導入が議論されたようです。

グリーはこの辺に関して監督官庁と調整を進めながらうまくやっているという印象があります。特に青少年の使いすぎ問題に関しては先週、一定年齢までは一定金額に課金アイテムの購入を規制するという自社ルールを発表したところです。

グリーの田中社長は私が見ている限り、非常にうまい立ち回りをしてきていると思っています。彼の野心はソーシャルゲームを通じて世界で10億人規模にすること。DeNAも同様で両者は傍目には訴訟を含む泥仕合をしているように見えますが、私には良きライバルであり共に野心があり思わず応援したくなります。

日本は何か問題があるとすぐにお国が上から押さえつけるという策に出ます。この結果、伸び盛りの業種の成長が鈍化したり、業種によっては崩壊を招くこともあるのです。規制が崩壊を招いた好例としては消費者金融業界が典型だったと思います。

海外から見ているとここがとても不思議であります。日本の規制は型にはめてそれ以上増やせない、伸ばせないようにする仕組みですが、本来、監督官庁は良きを伸ばし悪しきを押さえ込むという両面をバランスさせなくてはいけません。ところが日本の規制は「規制すれば役人は文句を言われない」という姿勢にしか見えません。

これはお役人が思考を止めて、「国民から言われたことを分かりました、では、制限をします」といっているようなものなのです。例えばケアプロという簡易検診をしている会社があります。この簡易検診に於いて採血するのに現行の医療法では医師が指示しなければ採血できません。ワンコイン検診をモットーにしているこの会社は合法的に受診者が自分で指から採血する方法を編み出しました。ところが保健所はその検査キットを売っているメーカーを締め上げ、ケアプロがキットを仕入れられないようするのです。役所の発想とは思えません。

日本は韓国に先を越された業種がたくさんあります。中国はその国内市場を利用し、日本を追い上げます。日本企業は円高に喘ぎながらさまざまなアイディアを出し、市場に投入しますが、役所がブレーキを踏みその芽を摘んでいきます。

80年代に日本の自動車がアメリカで売れすぎて業界が自主規制なるものを行いました。自分達でここまでしか売らない、という枠をはめるわけで奇妙な響きですが、政府が絡まなかった分、うまく乗り越えられたともいえるのです。

日本が世界の中で霞んできたとしたらそれはお役所の何かあれば規制という姿勢に大いに理由があるように思えます。規制ではなく、どうやったら使いすぎを防ぎながら業界が活性化するかそれが思いつかないなら役所の存在義はないと思います。

今日はこのぐらいにしましょうか?

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。


地域情報(北アメリカ) ブログランキングへ

ではまた明日。

日本から見るカナダ4

私が日本に着いたら早速ニュースで日本とカナダがEPA(経済連携協定)の協議に入るというニュースが流れました。両国の首相同士の会談を踏まえた声明という事のようです。私としては嬉しいことであります。

さて、海外から日本を見るのも良いのですが、日本から海外を見るのも面白いものです。実際に日本からこのブログを書いていると視線が違うことに気がつきます。

皆さん、世界地図を思い浮かべて欲しいのですが、日本で買う世界地図は真ん中に日本、左に中国やインド、その向こうには中東や欧州、アフリカが描かれています。右側はアメリカ大陸(the Americas)となっています。

一方、北米で買う世界地図は北米が真ん中で日本は普通、地図の右の一番端にかすかに引っかかっているという表現だと思います。(地図の左側は海で終わっているはずです。)

それから思うことは北米から見れば日本は中国を越え、韓国より遠い国だというイメージなのかもしれません。カナダに長年いて思うことは日本からカナダへは観光、資源、最近では若者の英語学習のメッカとして常に高い関心をもって位置づけられているものの、カナダから日本へはいまひとつで遠い感じがしないでもありません。

事実、私がカナダ人に「日本に来たことはある?」と聞くと「行ってみたいけど…」という返事に留まる人ばかり。たまに「良く知っているよ」という人に出会っても最後に行ったのは20年前」といった感じです。

ある意味、私が20年間思い描いた日本とカナダの関係はずっと「片思い」であったと思います。

日本では中国のレアメタル事件、震災を経て資源への思いをより強くしたと思います。そして、天然ガス、石油の宝庫、世界第三位の資源国であるカナダへの猛烈なアプローチが始まった気がします。この半年だけでもカナダへの資源関係の投資は目を見張るものがあります。そして、大手商社の資源争奪戦は今しばらく止まらない可能性すらあります。

カナダはアメリカと違い、「特殊な政治的圧力」がかかりにくいですからビジネスディールはまとまりやすいと思います。そういう意味での日本側から見たビジネスのやりやすさはアメリカよりも有利かと思います。一方、カナダ側からすれば資源だけでなく、農作物も買ってよ、ということはあるでしょう。

ここが今回のEPA交渉の最も高いハードルではないかといわれています。ですが私はさほど高くないかもしれない、と思っています。カナダと日本は気候と土壌が違います。よって得意な農作物には違いが出てきます。農作物はひとくくりには出来ないわけで日本が不得手なものの扉を広げてあげればよいだけだと思います。

企業買収の際、双方の会社が同じものを得手としていると広がりはありませんが、通常は双方が持つ得意分野を引き伸ばすことで「相乗効果」を狙うものです。日本とカナダはまさにこのウィンーウィンの関係が強く出る関係にあります。

例えばトヨタのオンタリオ州の工場を通じてレクサスのSUV、RXシリーズが製造、発売されています。正直、このRXシリーズはバンクーバー辺りではハイエンドのSUVとして最もポピュラーな車だと思います。これぞ日本とカナダの合作という気がしております。そこで聞く言葉は「メードインカナダのレクサス」。これはカナダ人には重い意味があるのです。そしてそれがレクサスブランドだからこそより成功しているといえましょう。

仮に日本とカナダのEPAが発効すれば日本はアメリカとの距離感も変わってくるはずです。なぜなら、カナダ経由でアメリカ、メキシコへのNAFTAを利用したフリートレードのアクセスが確保できるからです。とすれば、日本からカナダへの直接投資を含む大幅な戦略変更がありえます。

政治的に中立的で、先進国でも最も健全な財政、更に資源国、アメリカとの長い国境を経た密接なる関係を考えれば日本がカナダと手を結ばない手はないはずです。

EPA交渉が順調に展開することを期待します。

今日はこのぐらいにしましょうか?
ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。


地域情報(北アメリカ) ブログランキングへ

ではまた明日。

混迷を深める消費税の行方4

消費税をめぐる民主党内での調整が難航しているようです。特に私が「これは」と思っているのが景気条項。消費税を上げるのに経済状況を好転させることを条件とし、本稿を書いている現在ではそこに数字をうたいこむかどうか、調整を続けているようです。

数字を入れるなら名目3%、実質2%といった案が出ているようです。

さて、この条項をクリアするだけの景気回復は可能なのでしょうか?

過去20年間、景気が低迷し、デフレ経済下において政治家は「景気が回復したら」という交渉ツールを多用してきました。そして、その「回復」と思われるような状況にならなかったことがずっと続いたのではないでしょうか?とすれば、今回、数字が織り込まれようが、なかろうが景気がこのままの状況であれば消費税は上げられない公算も出てきます。

消費税の上げの是非はともかく、私が思いつく唯一の目先の景気回復方法は日銀が金融緩和を更に推し進めることしかない気がいたします。「日銀のバレンタインプレゼント」と称された追加の10兆円緩和は予想外ということもあり、規模の割には効果があった気がします。

欧州が短期間に100兆円規模の緩和を行ったマグニチュードから考えれば欧米との対比という点でも日銀が追加の緩和をする余地は大いにあります。多分、あと20−30兆円規模はいけるというのが私の感じです。

緩和すると何がよいかといえば基本的には円が安くなります。そして、輸出関連株や金融株を中心に株式市場が活況になります。株が上がりだすと果てしない経済効果を生み出します。

まず、個人投資家は懐が暖かくなりやすくなると同時に塩漬け株を持っている特に高齢者の方の投資資金のキャッシュ化が可能になり、消費が進みやすくなります。

法人においては保有株下落の際の「50%ルール」でもがく中、決算状況が一転し、結果として市場に更なる投資資金が流入しやすくなります。年金などの運用も当然ながら改善し、生保などの運用成績も上昇するでしょう。

これらは全てポジティブのサイクルになり、一旦転がり始めると一定の勢いがつき、更に回転が効きやすくなります。例えるならエンジンが止まった車を押して動かすとき、始めの一転がりするまでは大変大きな力が要りますが一旦動き出すと割とすっとタイヤが廻り始めますよね。あれと同じです。ましてや日本の場合はデフレでしたから、坂道を転がり落ちているところを持ち上げるほどの大胆でパワフルな策が求められていたわけです。

こう考えていくと今、民主党が喧々諤々の大論争を行っている解決のキーはまさに日銀が握っているということになります。一方、日銀としては金融緩和をそう簡単に出来ない事情もあります。それはインフレ懸念。特にエネルギー関連が非常に心配されています。

原発がほとんど稼動していない日本において今夏の電力には昨年以上の懸念があります。ところが昨年の夏を乗り切り、この冬も乗り切ったことから妙な自信というか、安心感があるのも事実です。実際、メディアの電力不足に対する取り上げ方は激減しています。ところが、一部の専門家からは今夏はかなり厳しいのではないかという意見はかなり出ています。

その中でイラン問題が今年の初夏辺りから出てくる公算があります。理由はイランの選挙結果が出揃い、国内の政治体制が整うからです。そこで仮に問題勃発となれば原油価格は跳ね上がるでしょう。ここで日銀が金融緩和をすれば原油コストは円安を伴い大きく跳ね上がる可能性があるのです。(為替予約があるでしょうから為替相場と連動しているわけではありませんが。)こうなれば日本が悪いインフレに陥る懸念があると考えている節があります。

一方で中国の景気が踊り場の状態が鮮明になってきています。とすればこれはブレーキ役。よって、これらたくさんの因子をどう捉え、分析し、判断するかが日銀の当面の課題となるのでしょう。

個人的には10兆円規模をあと2回ぐらい行ったほうがデフレからの脱却には効果があると思います。日銀は過去、インフレを恐れるあまり、大胆な策が取れませんでした。いわゆる虻蜂取らず、です。その結果、日本経済は世界と比べ突出して低迷しているのです。もともと、日銀は舵取りで失敗することが間々ありました。バブル崩壊の理由の一つとして当時の日銀総裁、三重野康氏の判断の誤りに起因するとするところもあります。

日銀の判断が日本経済のみならず、政治家が政争で使う「景気回復」のマジックカードにまで使われているという状況は十分に受け止めていただかなくてはならないでしょう。

今日はこのぐらいにしましょう。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップに繋がります。

地域情報(北アメリカ) ブログランキングへ

ではまた明日。
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
Archives
記事検索
Recent Comments
  • ライブドアブログ