外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2012年07月

尖閣は誰が所有すべきか4

産経新聞は尖閣諸島の3島を所有する埼玉県の地権者に政府が20億円でオファーを入れたが断られたと報道されています。また、朝日、毎日も同様の報道を7月20,21日頃に行っています。ことの真相は定かではありませんが、報道では断言調ですので産経はある事実をつかんでの話かと思います。

この話はもともと石原都知事が地権者と話をつけた際、「国には売りたくないが石原さんになら」というストーリーだったはずです。一方、国は、東京都が購入することを表明した後、東京都には寄付金が14億円近く集まっている状態で尖閣を守るという姿勢がメディア等で報道される中、「やはり国が持ったほうがよい」と後出しじゃんけん的な形でその所有の意志を強く打ち出してきました。

その後、水面下で地権者を含め、それなりの交渉が行われたのだろうと思います。産経、朝日、毎日新聞の報道が正しければその結果としてNoを突きつけられたということです。

来年三月までは尖閣は地権者が国に島を年間約2450万円程度で賃貸借契約で貸しています。この契約切れを契機に東京都が地権者から当該島を買い受ける方向で交渉が進み、先週には東京都がウォールストリートジャーナルに意見広告を載せ、その行動に賛同を得る動きに出ています。

ここで国が突然、やはり国が国防上のことも含め、所有すべきだ、としゃしゃり出てきたところに若干奇妙な感じがしないでもありません。

なぜなら、国が所有すべきだと心底思っているならば地権者といえども自分の土地に容易にアクセスできないほどの制約を付しているわけですから収用でもするぐらいの勢いがあってよかったはずです。しかし、実態としては総務省との賃貸借契約となって言葉は悪いですが「だましだまし」時間を稼いでいたという風にみえます。

一方、東京都は既に東京都が買うという前提で寄付も募っているわけですからものの道理からすれば東京都が買わないほうがおかしいと思います。では、東京都が買ったあとどうするかですが、私なら国に有償長期リースという形をとり、管理を含めた使用権を国に提供するのが相応しい気がします。

これにより東京都が買った実績は出来ること、つまり、地権者と石原知事の間の「契り」は果たすことになります。次に国防上の問題は国が引き続き実権を握ることが出来ますし、東京都にはしかるべき賃料収入をえることで「投資」扱いという考え方で処理することが出来ます。

更に、外交的には民間から国に所有権が移るより東京都というLower Tier (国に比べて一段格下)のオーソリティが現地権者との関係から取得したとするほうが説明しやすいはずです。むしろ、国が所有すべきだと大々的な動きをすることが外交的な余計な刺激を各方面に与えることになる気がいたします。

ところで政府が提示している20億円ですが、東京とは10−15億円で提示するのではないかと見られています。そうだとすれば5億円以上のプレミアムをつけるという意味に対して国民が黙っているのもおかしいですね。海外では一定のディスクロージャーがありますし、税の使い方について知る権利はあると思います。ちなみに国が払っている賃料から計算する島の経済的価値はせいぜい5億円程度のはずであとはプレミアムをどれだけ乗せるかという話かと思います。

まだまだ本件はひと悶着ありそうです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

もてるオリンパスは誰と共に歩むのか?4

不思議なものであれだけ大騒ぎしたオリンパス事件も僅か、8ヶ月程度で争奪戦へと変貌するものかと思ったりします。考えてみれば昨年11月に問題が発覚した際、それまでゴールドマンなどは買い推奨していた株価は崩落、上場維持が問われる中で投資家は悪夢を見ました。

しかし、私は早い時期からこの会社の上場廃止はない、と見ていました。当局に「そのつもり」がもともとなかったような気配がありました。事実、本業とは関係ないレベルの一部の経営幹部が行った不始末という形で処理され、法人という人格は温存されたわけです。それはオリンパスが持つ高い医療機器の技術力と内視鏡の世界市場でのシェアを考えれば潰すわけにはいかないと思ったのでしょう。

面白いことに堀江貴文氏が獄中手記で「ライブドアとどう違うのか」と問題を提起させながらもライブドアが上場廃止になったことによる新興市場の壊滅的打撃を考えれば証券当局は簡単にオリンパスを上場廃止に持っていけない理由が存在したはずだ、としています。確かに当時、外国人投資家から上場廃止にする理由はないと強いボイスがあったし、本件自身がイギリスやアメリカから背中を押さされた形での調査、審査となったことが保守的判断を下す結果になった気がします。

さて、そのオリンパス、上場維持が決まり、経営陣が刷新され、次に4.6%という低い自己資本比率を改善するための大きな決断をするところにあります。

私は以前、オリンパスは他のブラッドを受け入れたくないのではないか、ということを書きました。つまり、時間こそかかるけれど自主再建の道もあるかもしれないと考えました。理由は同社の閉鎖的社風にあると見ています。

しかし、これだけ話題になった会社であるだけに社内の我侭ばかりが通るわけでもありません。事実、提携したいとラブコールを送っている会社は4-5社あるわけでその中でもソニーは最も積極的であり、ベストポジションにあるとされています。ご承知のおとり、ソニーも窮地に陥っているわけで医療産業に踏み込みたい同社とカメラ部門で強みを持つソニーの力を借りたいオリンパスとは確かに補完関係にあるかもしれません。

が、7月26日に日経トップですっぱ抜かれたテルモによる経営統合案はオリンパス側の意向とはまったく関係なく発表された新案でこれがオリンパス経営陣の判断にどう影響するか、実に見ものであります。

こういうケースはそうそうあるわけではないので私は自分がオリンパスの社長ならどう判断するかと考えめぐらせてみました。

少ない情報の中で考える限り、私はテルモとの経営統合が本筋論からすれば当たっているような気がします。

まず、オリンパスは医療機器メーカーであること。デジカメは派生ビジネスで赤字であること。テルモはもともと株主であり、それなりの関係はあったこと。テルモとの統合で世界ランクはオリンパス16位、テルモ20位から10位以内に躍進できる可能性があること。

一方、ソニーの出資を受け入れるメリットはオリンパスが医療分野で自分の領域を荒らされないこと、赤字のデジカメの対策を打てることぐらいでしょう。

今、巷でソニーが有利とされる最大の理由は私の見立てではオリンパスの社内には荒波が立たないということかと思います。だとすればそれが選択間違いであることは自明の理なのですが、残念ながら私は株主ではないのでこれ以上意見することはできません。

ソニーはオリンパスをお客様扱い。テルモは兄弟扱いします。グローバリゼーションが進む経済、そして、医薬品メーカーは淘汰がどんどん進んでいる中で医療機器メーカーがのんびりしていては競争に負けてしまうような気がします。

テルモは面白い案を提示したと思います。今後の展開が実に楽しみです。

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ではまた明日。

やはり投資は儲からない?4

金融資産が一定額以上ある人だけが入会できる倶楽部、「ゆかし」と関連が深いアブラハムプライベートバンクらが調査した日本の投資家の成績について興味深い結果が出ています。

それによると累計投資金額300万円以上の個人投資家1000名を対象に調査したところ、投資家の72.4%が損失を出し、その累計損失は525万円とでました。平均投資額1775万円に対して時価が1249万円で投資額に対して28.7%の損失とのことです。

興味深いのは投資キャリアは関係がないということです。投資歴1年目も17年以上の人もほとんどその損失率は変わらないこと。つまり、経験が長くなれば損は減るという「妄想」はなかったということです。

また商品別で見ると投資信託がマイナス30%で最悪、株式はマイナス29%、外貨預金もマイナス20%とぼろぼろなのに対して不動産だけはプラス7.5%と健全性を保ったという点が非常に注目に値すると思います。

ちなみに株式の損失が30%近いというのはさほど驚く数字ではないと思います。松井証券が発表している信用取引の買い持ちの側の損失は20%台が定着していますし、いわゆる個人投資家好みの銘柄に極端な値動きをするものが多く見られることから想定の範囲だったともいえます。

もっとも、これを見て投資は素人がやっても儲からない、と諦めてしまうべきかどうかは断言しませんが投資環境が厳しいのは事実だと思います。大手銀行が国債の売買で僅か1%の利ざや抜きに精力を注ぎ込んでいるのは逆にそれ以上まともでリスクが小さい投資先がない、とも言えるのです。

私も最近、ジャズダックのある銘柄でつまらない結果を出し、それを知り合いに呟いたところ、「ギャンブルをしたのか」と逆に責められました。ではソニーやシャープ、グリーを買っていたら良かったのでしょうか?わずか半年で高値から半値ぐらいまで下げました。つまり、どれも「買い」から入ったらほとんど勝てなかったということです。

また、ほとんどの人は株価ボードの前に一日座っているわけではないので仕事の後、家やスマホで株価ボードをチェックしたら青ざめたということではないかと思います。

ただ株価は溶けてなくなるものではありません。投資先企業が健全なビジネスをし、一定の利益を上げているならば理論的な株価は存在するものです。乖離率などを見ながら判断すればよい時期は必ずあるかと思います。

一方、不動産がプラスの数字だったことには勇気づけられます。報道でも日本の不動産は底入れというニュアンスのものが散見されるようになってきており、私もこのブログでそろそろ底うち、ということは指摘させていただいていたと思います。消費税導入も控え、これから半年から1年は不動産は堅調に推移するはずです。

また、REITの利回りが5%程度とかなり良いですから、そういうところに改めて目をつけるというのもありではないかとは個人的には考えています。

投資を投機と混同せず、高値掴みをしないことを徹底するという気持ちを常に意識して投資を続けていくつもりです。ニッポン株式会社はまだ見捨てるわけにはいきません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

効果のある広告4

地元の新聞をめくっていたらあるバンクーバーダウンタウンの高級コンドミニアムの一ページ全面のカラー広告。写真は内部造作を一切していないスッカラカンのコンドの部屋。価格は4億円から。

これ、売れるでしょうか?

私が不動産開発事業を行っていた時、巨額の広告宣伝予算をどう効率的に使うか苦労しましたが、同時に広告を通して訴えるものが何かによって反応はまったく違うということも感じていました。

このスッカラカンのコンドの写真を載せた趣旨は「あなただけの部屋を作ってください」というメッセージがこめられているのだと思いますが、逆効果のはずです。なぜなら、15年前に別のデベロッパーが同じスタイルの広告を出したのですが、まったく反応なく売れませんでした。理由は簡単で客はイマジネーションが出来ない、ということです。

無から有を想像するのは意外と難しいのですが、ある程度できていればああでもない、こうでもないといえます。
無地のキャンバスに絵を描くのと枠取りしたところを塗り絵するのとは簡単さが違うのと同じです。

アメリカで家を建てるのに設計士にゼロから図面を起させる人はよほどの金持ちかこだわりを持つ人です。普通、スペックホームといって分厚い雑誌のようなカタログから基本設計を選び、あと、細部を指示していきます。

日本の大手建築メーカーも大体そんなところです。家を買いに行くと分厚いエクステリア、インテリアから細部にわたるカタログを山ほど渡され、「選んでください」といわれます。今時営業マンですらiPadでカタログ見せる時代なのに大手建築メーカーは客に重厚感あふれる本当に「重い」カタログをプレゼントしてくれます。(笑)

さて、広告のキャッチもいろいろあります。が、大体、価格、機能、斬新性を競合的に見せているケースが主流だと思います。こちらの新聞では自動車の広告はとにかく価格、標準装備の比較が前面に出ます。ですが、案外そういう広告は目に入らないものです。

日経ビジネスに元電通の「伝説の男」、のちにシンガタ社を設立した佐々木宏氏の特集。同氏のキャッチは日本で知らない人がいないと思います。(海外に住んでいる私でも知っています。)全日空の「ニューヨークへ、行こう」、トヨタのCMでビートタケシが秀吉に扮してバカヤローとさけぶシーン、ソフトバンクの白戸家の犬、サントリーの矢沢永吉がサラリーマンをしたBOSSのCM,JR東海の「そうだ、京都、行こう」などなど。(日経ビジネスより抜粋)

これらの広告は明らかに人の裏をかいています。ただ、何でも人と違ったことをやればよいかといえばそうではなくて大半の人が腑に落ちていないけど皆がこうするから、というものに対して鋭く「いや、こうだ!」と強く切返して背中を押していると思います。

通常の広告は商品そのものにスポットを当てるのですが、佐々木氏はマインドそのものを変えていく力を持っています。商品そのものならば商品を手に取ったとき「ヤッパリやめようか」と思う可能性もありますが、マインドを変えてしまうとそれを買うことを動機づけます。ここが広告のポイントなのではないかと思います。

バンクーバーで、車でいつも信号待ちをする交差点の横に巨大なマクドナルドの宣伝があります。言葉はほとんどなく、手に取りたくなるようなハンバーガーが実にうまそうにでんと映っているのです。あれを見るたびに「あぁ、ハンバーガー、食べたい!」と思ってしまいます。広告は考えさせるより、インスピレーションに訴えたほうがよい気がします。

私もそれを真似てカフェの広告でハムエッグマフィンの大き目のポスターを作ったりしました。いや、それなりに効果はあるものです。

こんなことをしていると本当にビジネスって楽しくて止められなくなります。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

さぁどうなるフェイスブック4

フェイスブックが上場後初の四半期決算である4−6月の決算を発表しましたが1億5700万ドル(約120億円)の赤字となりました。売り上げは32%伸びており、アナリストの予想である一株利益12セントと同じところで着地しています。

ただ、この決算が今日の引け後の発表であり時間外では日本時間朝9時で10.7%ほど下げて23ドル台に突入しています。投資家が売り浴びせている理由は成長性への疑問ということになるかと思います。私は上場当初からその点は指摘していたと思います。

フェイスブックが今後スマホなどからの広告収入の手法を確立したとしても私は長期的な成長戦略という意味では重きを置いていません。理由はフェイスブックが一過性のブームを呼び込んでしまったという悲劇にあると思います。こういう言い方はある意味、かなり時代に逆流しているとは思いますが、過去、ブームとなったものは必ず廃れる運命を辿っています。なぜならブームは本当に好きではない人も「しょうがなくて」参加するケースがほとんどであるからです。

日本で何十年か前にボーリングブームがありました。テレビではボーリングがゴールデンタイムで放映されたし、街中にはボーリング場が雨後の竹の子のように出来ました。しかし、そのブームの去るのはもっと速かったというのはそれをしっている人たちは納得できるでしょう。

では、ゴルフ。バブルの頃、流行りました。しかし、私はこれは絶対に長続きしないと確信していました。理由はサラリーマンがそんな高いお金を払い続けるレジャーをし続けるわけがないと見ていたからです。事実、そのとおりになり、今でもゴルフしている人たちはそのときに本当に面白いと思って続けている人たちであり、いわゆるちょうちんをつけてゴルフを始めた人たちのゴルフクラブは物置の一番奥にほこりをかぶって眠っているはずです。

フェイスブックもそのきらいはあります。その前段としてツィッターがそうだと思います。ツィッターが日本で話題になったとき、大臣もツィッターで会議に遅れる、というのがニュースになるほどでした。今、コアな人たちはもちろん続けているでしょうけれど呟いている人は着実に減っています。

フェイスブックに対する逃げ足が何故速くなるか、これは、個人情報そのものだと思います。事実、興味本位でアカウントを作ったけど私の履歴を抹消したいという話が聞こえてきませんか?あるいは、フェイスブックのアカウントを持っていても本当に参加している人は案外少なかったりしています。私の周りも「ただ見ているだけ」と積極参加している人たちは案外限られたりします。

ウォーレンバフェット氏は私の主張していることに賛同すると思います。それはSNSを否定しているわけではなく、フェイスブックは今後も一定の存在感を維持するはずですがビジネスモデルとして絶対的なポジションは取れないだろうという点で成長性や将来性には面白みに欠けるということかと思います。

ブームは廃るようになっています。但し、消えてなくなるわけではないので今後、SNSがどう再編され、人間生活によりアクセスしやすいものが作られ、且、ビジネス的に面白いものが出来るのか、次のステップを考える時期に来ていると思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

シートベルトをしっかり締める時4

人間にバイオリズムがあるように景気にもサイクルがあります。そのサイクルは経済学的には大、中、小の三つぐらいのサイクルが絡まりあうようになっているとされています。サイクルですから当然、よいとき半分、悪いとき半分ぐらいの感覚ということになります。

日本は90年代から下向きの大きなサイクルに入っていて時々小さいサイクルが上向きを示したりしていました。いまだに下向きですが、私は打たれ強くなったと思っています。今後悪くなっても知れていると思います。

欧州は長らくよい時期が続きましたがリーマン・ショック以降、ユーロシステムの問題が明白になり、ギリシャ問題を始め、昨今のスペインの問題は相当厳しいところまで来ている感がいたします。更に格付け機関ムーディーズがドイツ、オランダ、ルクセンブルグの見通しをネガティブに変更しました。ユーロ安がドイツの輸出産業にはフォローの風だとしても稼いだ資金が南欧諸国の救済に吸い取られるとしたら確かに微妙な感じはいたします。

その上、ユーロ圏からの資金流出というニュースも伝わり始め、まさに混沌とした状況に陥ったといえそうです。

一方アジアに目を向ければインドではスズキの工場での暴動を始め、インド経済の加速度的成長に疑問符がつき始めています。中国は私のブログで先日指摘した「怪しい統計」がその後、さまざまなメディアで取り上げられ、何が本当なのか、全くわからない状況にあるような感じがしてまいりました。中国に進出している日系企業は本当に儲かっているのでしょうか?私には疑問があります。

ずいぶん前ですが、カナダに進出している日系企業は儲かっているのかという質問に、某日系銀行の方がこっそりと「8割は赤字」と教えてくれたことがあります。カナダは世界でも特にビジネスが難しい国の一つとされ「ここで利益を出せれば世界何処でも儲かる」と言われたことがあります。理由は人口密度が希薄、住宅ローンが重く、ローン後の可処分所得が低い、イギリス式の消費に対するコンサバさなど。確かにアメリカ人の金離れのよさはカナダでは余り見られません。

一方で日本の問題は企業の数が多すぎるということだと思います。過度な自由競争が引き起こした悲劇に近いものがあります。携帯電話のキャリアーは現在主要3社ですが、程よい寡占で各社利益を確保しながら価格崩れを起さない程度に価格競争をしています。では自動車。何故、いまだにあれだけの数の自動車会社が必要なのかわかりません。国内は半分程度の3−4社ぐらいで十分なはずです。つまり淘汰されたほうが結果として日本経済全体にプラスになります。

日経ビジネスの経済教室でコマツの坂根正弘会長が国内で建機を作り国内で販売するのが一番儲からないと指摘しています。競合と過剰サービスコストだと思います。

日本が儲からない理由がその日本独特の商習慣とシステム、過剰競争にあるとすれば改善の余地が大いにありますから世界経済が更に下を向いてもまだまだ生き延びることが出来る、と私は逆説的に考えています。但し、日本企業の海外進出についてはしばらくは足場固めの時期にありますから私は商機拡大より守りに入っておくべきかと思います。景気の波は何時までも下を向くわけではありませんから回復を確認してから攻めの姿勢に入っても十分間に合うと思います。

世界を俯瞰する限り、正直、目先は厳しいという言葉が一番適切ではないかと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

現金は嫌われ者?4

一昨日のブログで欧米の銀行は口座管理料をかけるのが普通なのに日本ではなかなかそこに踏み込めない、ということを書かせていただきました。十分には説明しませんでしたが、これには現金に対する意識が違うということをもう少し説明したほうがよいと思います。

私は時としてカナダの銀行で日本円で数十万円程度を現金で引き出すことがあるのですが、カナダドルで4ー5000ドルの現金が銀行の支店にない事がままあります。日本の方には信じられないことだと思いますが、事実です。嘘だと思ったらやってみてください。「すみません、当行には本日は十分な現金がありません。」「ではいつならありますか?」「2営業日ほど後に来ていただければ確保しますが。」

内心ふざけるんじゃない、と思いながら顔で笑い、「では本店に聞いてもらえませんか?」と催促すると「本店の明日の朝、開店直後なら大丈夫です。」といわれます。この会話はカナダで最も大きな銀行のバンクーバーダウンタウンの支店での会話です。

欧米ではこれぐらい現金需要がないのです。例えば、私のところのカフェ部門。一日の売上げに対して現金とデビットカードの比率は大体6:4です。コーヒー買う小銭も持っていない人が多いのです。しかもデビットカードの比率は年々上がっています。ちなみにカフェでのクレジットカード払いは最近激減しています。

一方の駐車場部門。こちらの支払いは6割がクレジットカード。2割が現金で2割がデビットカードです。一体カナダ人は現金、デビット、クレジットの線引きをどうやっているのかと思ってしまいますが、感覚的にはデビットは既にお財布感覚でクレジットはちょっと高いと思われる20ドル程度を超える金額に使うような感じです。

この流れで行くと現金の肩身はより狭くなっていくわけですが、今年の秋には更にビックリすることになります。それはカナダは今年の秋から1セントコインを鋳造しなくなるのです。つまり、いつも財布の中で一番数が多いあのコインが少しずつなくなっていくのです。理由は利用価値が少ないことと鋳造コストに見合わないということです。

では実務ではどうするかというとコインがなくなったのちに商品を買うとレジで代金と消費税(HST)を含めた総額が例えば8ドル53セントだとします。この場合は店は8ドル55セントにして計算します。仮に8ドル52セントなら店は8ドル50セントにして計算します。これにより店側も消費者側も統計的に考えればどちらも損をしない事になります。

ちなみにこれは現金払いの場合だけであり、小切手やデビット、クレジットカード払いなどは適用がなく、従来どおり、セント単位まできちっと計算することになります。

発想としては現金が嫌いな欧米らしいものだと思います。日本ではまずその案すら浮かばないと思います。ですが、コインがなくなれば私は嬉しいです。なぜならあのペニー(1セント)をバッチ締め(レジ閉め)で数えたり銀行に両替に行かなくて済むからです。現金商売をする場合このコインの勘定は面倒くさいもので、それゆえに駐車場部門は税込みの1ドル単位の料金体系に変えてしまい、25セント以下のコインが出ないようにしています。これで会計の間違いも減りますし、工数もぐっと楽になるのです。

発想の転換といえばそうなりますが、この辺は日本にはないユニークさで面白いと思います。
今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。
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