外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2013年02月

日本人はなぜ、土地を手放さないか?4

日本と外国で不動産という世界を見ていると面白いことに気がつきます。それは、日本人は不動産を死ぬまで手放さない傾向が強いのであります。外国の場合には相続の仕組みによって違いは出てきますが、土地にそこまで愛着はなく、売る時はさっさと売る、というのが私の認識であります。

ではなぜ、日本人は土地にそこまで愛着を持っているのかといえば日本は歴史的に小作農が土地を所有できたということが大きいのかもしれません。欧米では資本家と労働者階級に分かれるのですが、資本家は通常、土地を持ち、その土地で農民を働かせるいわゆる農奴を通じて搾取をするというのが大まかな歴史の流れであります。つまり、小作農が自分の土地を持つというスタイルはなく、あくまでも大資本家のもとで働かせてもらうという流れでありました。

ところが日本の場合には歴史的に小作農でも自分の土地を持っています。町民も自分の土地を持っています。では領主はどうだったかといえば案外、町民から借りていたりしていたりもします。領主は農民から米という年貢を徴収する権利(課税権)は持っているものの土地はさほど所有していないのであります。考えてみれば戦国時代などは領主が次々と入れ替わったりしたわけですから土地の所有者もそのたびに変わっていたら農民もやっていられないでしょう。

面白いのは年貢は米であって野菜ではだめだったということです。長男は家を継ぎ、米を作るが、次男以下は長男と一緒に仕事をしない限り外に出て行く、そして、野菜を作ったりするわけですが、領主からはその場合、評価されないということのようでした。

さて、日本人の場合、小作用の土地を所有するといってもむしろ、それは天から与えられた仕事をまっとうするための仕事場であって所有権を強く主張するような意味合いではなかったと思われます。結果として、農家の場合、土地は預かりもの的発想が強く、結果として先祖代々の土地は売れないという考えに繋がっていくのかと思います。

これが農家だけではなく一般住宅に対する土地認識にも発展したとすれば住宅は一生のもの、仮にウサギ小屋のような土地でも自分の土地なれば愛着を持って死ぬまで手放さないということになっても確かにおかしくはないのかもしれません。

北米にいて思うのは会社でも土地でも売却に踏み切る決断は論理的であるような気がします。その結果、M&Aや土地の新陳代謝が起きやすく、結果として経営の効率化が進んだり、都市開発がスムーズに進んだりするのでしょうか?よく言われるように北米は土地がたくさんあるから日本とはその価値観が違うという点も確かにあるでしょう。ですが、土地所有に対する割り切り感については日本とは比べ物にならないような気がします。

今日はこのぐらいにしておきましょうか?

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ではまた明日。

北米に見るインフレ2%への道のり4

アメリカの1月のインフレ率が先週発表になり、年率換算で1.6%となりました。また、コアインフレは1.9%となり落ち着いた数字を見せています。アメリカのインフレ率が比較的落ち着いているのはエネルギー価格が落ち着いていることによりますが、その主因はやはりシェールガス革命による天然ガス価格がリードしていると思われます。

ではアメリカのインフレ率を過去20年分、平均してみると2.48%であります。更にリーマン・ショック後の2009年から2012年まで見ると1.61%にまで低迷します。

同じことをカナダのケースで過去20年分見てみましょう。するとわずか1.87%にしかなりません。2009年以降で見ると1.69%です。

日本は過去20年の平均が0.3%で2009年からの平均はマイナス0.58%であります。

確かに日本はアメリカ、カナダに比べてインフレ率は2%ベーシスほど低いようです。しかしながら、先進国のアメリカ、カナダでもインフレ率2%が高いハードルとなってきているトレンドは見て取れるかと思います。なぜ、インフレ率が低下傾向にあるかといえば先進国特有の消費の成熟化が生じているためであり、例えばアメリカとカナダを比べれば出生率が高いアメリカはインフレ率が高く出ますが、理由は消費を支える人口増が一定割合で期待できるからではないかと考えられます。

更に住宅バブル後の低インフレ率は住宅購入のみならず、家具などの付帯消費、更にはリノベーションなどの消費が落ち込むことが要因のひとつとして考えられ、日本は20年前にその経験をしてしまったということであります。先週アメリカではFOMCの議事録から金融緩和からの離脱が近いのではないかという見方が広がりましたがバーナンキ議長は明白に打ち消しています。つまり、枠からはみ出るインフレになる芽は今のところありません。同じことはカナダでも言えます。

カナダの場合も少子高齢化が進んでいますが、その対策として移民政策が強く押し出されており、年間20万人前後の経済移民がカナダに流入しています。しかし、新移民は二極化しており、富裕層の移民と新天地を求めてきた移民において、主流である新たなる職を求めてきた移民層は就職難もあり消費が強く押し出されないと考えています。よって、インフレ率もアメリカに比べてやや低めということかと思います。また、国民性による消費性向というのもありますのでインフレ率は国家間では単純比較するのは極めて難しい前提条件があるとは思います。

そうであったとしても2%のインフレがいかに遠いものであるか、というのは感覚的にお分かりいただけると思います。特にカナダもアメリカも過去20年の間にドットコムバブルと不動産バブルを経験しての話ですのでインフレ率をあげるのがいかに難しいものであるかお分かりいただけると思います。

日本の場合、多分ですが、インフレ率は春から夏にかけて上昇するはずです。理由は現在の為替レートが継続すれば輸入品物価が着実に上がるからです。なぜ、数ヶ月から半年ぐらいのタイムラグがあるかといえば企業は為替予約をしているため、目先の為替には影響を受けませんが、中期的にその影響がじわっと出るようになっています。

その場合、日本国内の景気が回復していなければ明らかにスタグフレーションに近いインフレであります。わかりやすくいえば善玉と悪玉のコレステロールでいう悪玉のほうであります。これは例えば2%のインフレが悪い形で出るわけで今の状態でいけば消費の低迷を含むGDPの悪化が懸念されます。つまり、インフレになっても経済成長率が下がるということが起きうるのです。

内閣は日銀に2%のインフレを求めていますが、GDP、つまり経済成長率については具体的に言及していません。これでは片手落ちというか、ほとんど意味のない2%であります。この点については政府はどう考えているのでしょうか?私は「成長の矢」に関する具体的な目標をきちんとあげ、インフレとGDPの関係は明白にすべきだと考えています。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

日銀総裁候補の側面的考察4

黒田東彦アジア開発銀行総裁、68歳。日銀総裁候補者であります。

この数ヶ月間、次の日銀総裁ポストに誰が座るのか、さまざまな名前が取りざたされ、挙句の果てにウォールストリートジャーナルまで同紙の考える5人の候補などと、海を渡ったところまで日本の中央銀行総裁の名前が取りざたされるというのは実に異例のことだったと思います。

絞り方のポイントはいくつかあったと思います。

政府寄りの考えかどうか。
日銀プロパーかそうでないか。
財務省出身かそうでないか。
学者か実務派か。
国際派かそうではないか。
リフレ派かそうではないか。

このYES,NOゲームを進めていくと確かに黒田氏に行き着く可能性は高かったのだろうと思います。特に学者か否か、という点において多くの予想の中で学者の名前が有力候補として挙がっていましたが、個人的には学者がトップに立つのは不思議な感じがいたしました。黒田氏の場合、財務省出身、国際派、バリバリのリフレ派でインフレターゲット論者、更にはアジア共通通貨構想もお持ちでした。もうひとつは長く外国での活躍でしたから日本での批評が少ないという点があるかもしれません。

黒田氏ですが最終的に総裁の椅子に座るか、といわれれば座る、と断言してもよいと思っています。衆議院はともかく、参議院で承諾を得られるか、という心配については民主党はOKするだろうと見ています。なぜなら、民主党に今、反対する力がないのです。今、反対の声を上げたら夏の参議院選にマイナス効果になることは確実であります。

では黒田氏が日銀総裁として辣腕を振るい始めた場合、どうなるかという点ですが、これは想像以上にかき回すかもしれません。黒田氏は日銀キラーでしたからその日銀のトップになるということは既存の体制を打破する姿勢を強く打ち出すはずです。日銀の支店長が目を丸くするようなことが次々と起きるような気がします。

組織において新たな上司が来た場合、基本的には前任者の否定をするものです。これは世の常、と考えてもよいかと思います。特に黒田氏の場合、色濃い方ですから名前からしても白川色の白っぽい色から黒田色の濃い黒色に変えていきます。つまり、日銀の常識が変わる可能性は大いにあるかと思います。

実を言うと白川氏が就任した際、ある財務省の方から非常に優秀なので期待できる、とコメントされたのですが、私は彼の手腕はエリートサラリーマン的枠から出ないお坊ちゃま政策だと思っておりました。つまり、失敗もしないけれど成功もしないというタイプであります。一定の荒波はこなせるが、それ以上になると沈没するタイプであり、安倍台風で撃沈されたわけであります。

黒田氏は多分強い性格ですからあとは日銀、財務省、政府、国民、世界の中銀や財務省をいかに自分の見方にしながら日本の金融政策を進めていけるかが注目点となるでしょう。私はこの人事は面白いと思っています。安倍丸が求めるカラーであることは間違いないでしょう。

もうひとつ、黒田氏が総裁を務めるアジア開発銀行ですが、これは日本がその総裁の椅子の継続を死守しなくてはいけません。いつも総裁は日本という批判は出るはずですが、それは世銀でもIMFでも同じことが起きています。日本は出資比率はアメリカと並び一番なのですからどんな批判があろうともその椅子だけは守ることを安倍首相が自分の好きなカードを引いたお返しとしてしてあげるべきでしょう。

今日はこのぐらいにしておきましょうか。

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ではまた明日。

TPP参加交渉を考える4

安倍首相とオバマ大統領の会談の様子をテレビで拝見し、TPP参加交渉への道が開けた嬉しさが安倍首相の顔から感じ取れました。無条件ではなく、品目により撤廃条件をつけることもありうるという言質を得た点において安倍首相の勝利という感じでした。ここまで乗りに乗っている首相は近年見たことがありません。こうなればこの勢いにのって日本が今まで殻を破れなかったことについてどんどん進めていただくしかなさそうです。

さて、TPP、国内ではさまざまな意見があります。このブログをお読みになっている方にも賛成、反対いろいろな意見があろうかと思います。そのポイントはいくつかに集約できるかと思います。

農業問題
これは農協などが中心となって反対を唱えており、農林水産省内部でもその勢力は大きいものと思われます。一方で民間のアンケート調査を見る限り、TPPに反対を唱えている農家は兼業農家に比較的多く、専業農家は割と柔軟な姿勢を示しているほか、高級食材は海外に輸出の道が開けるとして積極的な農家も多いのです。農業はTPPが実施されるとなれば急速にその経営姿勢が変化するはずです。また、TPPの実施はまだまだ先になりますから十分な準備期間もあります。よって私は基本的には心配しておりません。以前書いたと思いますが、私の親戚は専業農家で非常に高級な新種のアスパラガスを生産しており、仮に輸出できるとなれば圧倒的強みを示せると思っています。

産業の空洞化
私はこちらの方が心配です。TPPにより水は高いところから低いところに流れ、多国間において平準化されると考えれば製造業などは確実に外に出て行くタイプの産業になります。よって国内の空洞化は今後も継続するはずで国内は知識集約型産業が中心となるはずです。その時一番頭を悩ますのは失業問題になると見ています。つまり、今のスペインやイタリアのように若年失業者が大幅に増える公算は高いとみた方がよいと思います。だからこそ、私は日本人個々が自分に磨きをかけなければいけないと常々、指摘しているのであります。

グローバリゼーション
今やグローバリゼーションが良いか、悪いかと問うのはナンセンスなのかもしれません。ただ、あえて言うなら地球が数極に分断される可能性はあるかもしれません。つまり、欧州とアフリカ連合、南北アメリカ連合、そしてアジアとオセアニア連合であります。一昔前の経済の教科書ではこれを悪としました。私は今の地球儀ベースのグローバル化において必ずしも悪ではなく、むしろ、それの方が良い部分も大きいのではないかと感じています。それは先進国と新興国、途上国がお互いの役割を分担しあうという流れがこのそれぞれの極において可能であるからです。完全なるグローバル化は勝ち負けが明白になりすぎます。ところが数極体制をとることでそのシェアをうまく分割することが可能になるのです。スポーツでリーグ制にするのと同じ考えですね。

TPPの参加交渉はいづれ始まることになるでしょう。それはもはや引き返せない道でありますからどうやったらこれを日本にとって前向きでかつ有利に出来るか、そして、その間に日本の体質をどう改善するか、そういう努力に力を注ぐべきだと思っています。仮に参加交渉の結果、日本が参加辞退ということになればそれは日本が世界の「アルバニア」になると思ったらよいでしょう。安倍首相の判断は日本の運命の道の選択だったということだと思っています。

ここから新生日本のために皆さんと一歩踏み出してみようではありませんか。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

枠から踏み出してみよう4

最近目にしたあること。それは仕事はなるべく楽に、そしてやらなくてはいけないことだけをやりそれ以外は一切手をつけない、触らない、見ない、聞かないという姿勢であります。明らかにおかしいと思うのですが、いわれないことをやるとマニュアルと違うことを勝手にやった、とむしろ上司から怒られるというのが関の山なのでしょうか。

日本の多くの人は自分の与えられた極狭い範囲の仕事の領域でもがいています。更に、何か新たなことをやるにも会議というコストのかかるプロセスを通じて折衷案を作り出し、そのルールを延々時間をかけて討議します。このやり方に慣れると恐ろしく人間が受動的になるのでありますが、一方で人間は受動の方が楽でありますのでそれを心地よく、我慢できる範囲においてそれを受け入れるようになります。

外国で日本人とローカルや他の国の人と比べて仕事のやり方について日本人は往々にして100%カバーされたルールと枠組みを求めます。たとえばこういう場合はどうするというありとあらゆるマニュアルが取り揃えてあり、従業員はマニュアルの内容を思い出すだけで基本的には処理できるようになっています。もともとはアメリカでの発想でしたがそれは教育レベルが違い、さまざまな出身国や教育レベル、宗教などの人が同じところで働くことを前提にどんな常識感を持った人でも同じ作業が出来るように仕立て上げたものです。

他方、日本は江戸時代から庶民にいたるまで世界最高水準の教育レベルを保持し、なおかつ、ほぼ単一民族という実に画一的な民族構成を持った国であるにもかかわらず、マニュアル文化で括りをしなくてはいけないというのは論理的には奇妙な気がしてなりません。

ただ、日本人はよく言えば世界一目利き、悪く言えば「ピッキー」ですのでサービスや態度、製品の一定感が少しでも違えばクレーマーが噛み付くような社会構造でもあるのです。

ただ、世界レベルで見た場合、日本人は自主性に欠けるところが大きく、もっと一歩踏み出してみたらよいのに、と思うことはしばしばです。外国の人の場合、手綱をしっかり持っていないとどこに走るかわからないというぐらいであまりにも両極端なこともしばしばなのですが、日本人の「よい子ちゃん」では弱肉強食の海外では生きていくのは厳しいと常々思っています。

ではなぜ一歩踏み出さないか、といえばそれはどう踏み出してよいかわからないということと規制やルール、監視などでがんじがらめにしているところもあるような気がします。私は大学時代、就職活動をするに当たりゼミの教授から「大手に行って歯車になるのか、中小に行って歯車を回すのがよいのか、考えたまえ」と言われたのを今でもよく覚えています。以前、このブログでフェイスブック社の幹部流出が多い理由はザッカーバーグ氏の成功体験を共に経験し、自分もその経験が出来るよう一歩でも二歩でも近づくために新たなる生きる道を探すのだ、という趣旨のことを書きました。

日本で中途採用が普及し始めて十数年経ちました。それまでは会社を途中で辞める奴は根性なし、という一方的な烙印を押されていたのですが、バブル崩壊で大手の会社が多数潰れたりリストラしたことで中途採用市場が育成されて、今では普通になりました。むしろ大手企業の名の傘にぶら下がり、一生安泰に定年まで勤め上げたという言葉は賞賛されない時代になりつつあるのかもしれません。

世界と戦う日本は今後もっと現実的になって来るでしょう。その時に勝ち抜けるかどうかは個々人がどれだけ自分の殻を破り挑戦し、磨きをかけ、戦いに挑むかにかかっているのです。勝つか負けるかは親でも先生でも上司もいない、自分だけの孤独の戦いだということに気がついてもらえたらと思います。

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中国の苦悩は続くのか?4

このところ中国関連のニュースで気になるものが見受けられます。

一つ目は中国のアメリカへのサイバー攻撃。これはカナダの新聞でも大きく取り上げられています。二つ目はiPhoneの生産を担っている鴻海のiPhone関係の受注が極端に落ち込み、生産拡大を凍結したニュース。
三番目は日本企業の中国での生産拠点を徐々に東南アジア諸国に移していること。更にはここにきて安倍首相の訪米前の発言に強烈なジャブを入れています。

これらのニュースは一見関係なさそうに見えますが、ある意味、ストーリーラインをもって捉えることが出来そうです。

中国は世界の工場として年率10%という驚異的な成長を維持してきました。更に2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博という二大イベントを通じて中国を世界に紹介し、成長のピークを迎えました。その側面を支えたのが日本企業の中国進出、および、台湾の鴻海グループの中国での受託生産工場の展開、特にアップル社向け製品の引き受けに伴い、従業員100万人規模で中国GDPにも大きく貢献してきました。

一方で世界の工場の原動力となったのが安い労賃と13億の民という裾野の広さでありました。しかし、安い労賃で過酷な労働を強いた鴻海グループでは相次ぐ自殺やストライキでしばしばトラブルに巻き込まれました。一方、日系企業は中国人幹部を育てず、日本人が管理部門を抑えるという長年の慣行が中国社会で問題となり、中国人は日系企業に対して「技術やノウハウを盗む」という姿勢を強めました。

結果として日系企業でも13億の民という消費者をビジネスとするBtoBグループと中国を生産拠点としてとらえるBtoCグループに分けて考えれば生産拠点としてのBtoC企業グループは人件費の高騰、ストライキや政情の不安感により新たなプランを探す動きに繋がりました。いわゆる「プラスワン」であり、実際にはプラスワンへナチュラルな移行を進めるという発想となってきているような気配すらあります。もちろん、中国で生産し、中国国内で消費してもらうという一貫体制を求める企業は中国での継続した安定的なビジネスを望んでいるところであるとは思いますが、ここからは日系企業にとっても本気度によって残るか、移るかという判断をする正念場にかかっているような気がいたします。

さて、そんな中、最近改めて注目されているのが中国共産党、ないし、軍部によるものと思われるサイバーテロ、そして、その標的はアメリカの中枢部。これに対してアメリカは敢然たる態度で臨んでいます。それが本当だとしたら、なぜ、中国がサイバーテロを企てるのでしょうか?根本的には体制の違いと最近の中国国内のストレス、軋轢が原因ではないかという気がします。

中国がもしも10%近い高度成長を継続すればアメリカの経済規模も抜き、世界のトップになると予想した経済記事は相当数ありました。しかし、あれから数年たち、今、そのような記事は案外見かけなくなりました。いや、むしろ、少子化、労働力低下、東南アジアが力をつけてきたこと、中国の孤立化などさまざまな問題点が浮き彫りになりアメリカを抜くのはそう簡単ではないという見方も目立ってきています。

中国では完全なる習近平体制がスタートする3月以降、大きなチャレンジが待ち構えています。それは明らかに国内問題であり、今までさまざまなフラストレーションや抑圧を国外問題に転嫁することで泳ぎきってきましたが、もはやそのギミック(手品)は通じないところまで来たように思えます。

私が恐れているのは中国は膨張主義がありますので最終的に武力でもってそのストレス発散をする可能性は否定できないということかと思います。どこにその矛先が向けるかはわかりません。また、いわゆる従来型の武力攻撃なのか、サイバーテロのようなものなのか、その想像すらつきません。しかし、中国の新指導部が相当、国内問題解決に力を入れ、格差問題を是正し、共産党員の賄賂を撲滅し、13億の民のベクトルが同じ方向に向かうよう努力しなければ中国の歴史は再び繰り返すことになるかもしれません。

私は新指導部が動き出す今がその対策を打つ最大のチャンスであり、これを間違った形で展開しないことを強く望みます。

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北方領土問題は動く!4

期待された森元首相とプーチン大統領との会談。これを日露の新たな関係構築と新時代への幕開けの第一歩と捉えたいと思っています。

なぜ、私がこれほど森元首相に期待をしているかといえば長年解決の糸口を見出せない北方領土問題の最大の問題のひとつが日露双方に同時に役者がそろいにくかったことと解決しにくい時代背景ではなかったかと思います。今回、役者と時代背景は共に良好なサインが出ています。

まず、役者ですが、森元首相とロシアの関係は父の茂喜氏が当時の日ソ間の取り持ちをした努力の成果の下地があります。その上、森元首相もプーチン大統領と度重なる重要会談を経て、双方の信頼関係を築きあげた日本の政治家として鈴木宗男氏と並ぶロシアとのパイプ役であります。一方のプーチン大統領は歴代ソ連、ロシアのトップの中では柔道家、或いは奥様が日本のファンであるというバックグラウンドもあり、着任時から日本に耳を傾けてくれる親日家でありました。

プーチン氏が一回目の大統領となった時は新生ロシアがオイルやガスで潤い、経済的な確立、特にBRICsの一角として高度成長すると共に、プーチン氏の地盤固め、更には旧ソ連の一角での紛争解決という意味で常にロシア西側に焦点が向けられていました。

その後、メドベージェフ氏が大統領になり、日露関係はいったん膠着状態になりましたが再びプーチン氏が大統領になったとたん、北方領土問題に向き合う姿勢を見せ、「引き分け」という表現を使い、その解釈をめぐりさまざまな意見が飛び交いました。

今回の森元首相の訪ロはそういう点からは役者がそろっていること、プーチン大統領がシベリアなど東部ロシアに焦点を移していることを言及していることからまさに日露間の根本的な問題である北方領土問題を解決し、新たなる外交関係を結ぶ絶好の機会であるわけです。

ちなみにロシア側は日本からの経済的支援取り付け、日本は北方領土問題の解決への目処がポイントだと思われますが経済的支援についてはたとえば21日の日経の夕刊にあるとおり、ロシア国営石油と日本企業5社オホーツク海の大陸棚開発へ協議を開始するといったような新たなる経済協力が始まるところであります。事実、外交レベルでは両国間の要人の会談が進んでいることから平和条約締結への下地作りが進んでいると思われます。

現在の感じですと5月ごろに安倍首相とプーチン大統領が会談し、何らかの成果をもたらすものと期待されています。当然ながら成果品を出すのであれば今から3ヶ月の間に事務レベルで相当揉まないと平和条約への道は遠いと思われます。

私の読みはプーチン大統領の引き分けとは北方領土に関しては二島が引き分けライン。日本側は経済協力と北方領土4島返還の引き分けではないかと思います。交渉の出だしのステップとしてはそれでかまわないと思いますが、4島返還が素直に行われることは厳しいと思いますので外務省は打ち消しているものの森元首相の3島返還論という腹案は交渉当事者が解決するための意味あるアプローチだと考えています。

いずれにせよ、今年北方領土が動かなければまた何十年と膠着する可能性があります。今、解決する意味はきわめて大きいはずです。それは竹島や尖閣という問題も抱えている中での日本の外交の方向性を出す意味でもあります。まさに歴史に残るステップが踏み出される時だと考えてもよいかと思います。

期待しております。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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