外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2013年05月

北米住宅市場の明暗4

28日に発表になったアメリカのケースシラー住宅価格指数は前年同月比で10%以上上昇、事前の予想を上回り好感されました。アメリカの住宅価格は2006年半ばにピークを打った後、下落傾向に入り、リーマン・ショックで崩壊しました。長期に渡る住宅市況の低迷の理由は何度も言われていますが、住宅市場が回復期にある今、再び考え直すにはちょうど良いかもしれません。

当時、本来であれば住宅が購入できるクオリフィケーションがない人も金余りと不動産価格の上昇で金融機関が積極的にリスクテイクをし、融資を実行し、多くの人に夢を与えました。しかし、リーマン・ショック後、不動産価格が逆向きに爆走し始めたことからリスクテイクの部分が剥がれ落ちた、というのが一言でいうアメリカの住宅問題でした。これは銀行のリスクテイクという意味で日本のバブル崩壊とほぼ同じシナリオです。

この余波は長く続きました。一つにはあまりにも多い管財物件に市場の需給バランスが壊れてしまったこと、また、住宅ローン破綻した人の回復力は経済が低迷し、失業率も高止まりしていた中で遅々として進まなかったことが原因でした。

私はその市場を見ながら、2012年初めにはアメリカ住宅市況は年内に底打ち、と見立てていました。それは銀行の投売りに一定の目処がつきそうだったこと、自動車販売台数が回復に向かっていたことから消費への自信が戻り始め、我慢していた住宅取得への初動が見られたこと、アメリカ国内の経済回復が金融政策というより、オバマ政権の政策として効果を見せ始めていたことが挙げられると思います。

少なくとも現在のアメリカの住宅市況は回復の一途を辿っていると断言して問題ないと思います。今後、アメリカではライフスタイルの変化が更なるブームを起こす可能性があるかと思います。それは都市圏におけるコンドミニアムライフの普及であります。そうなればアメリカの住宅産業は低層の木造からダウンタウンの高層集合住宅によりシフトするでしょう。理由は都市部におけるより活動的で便利な生活がアメリカの若い世代に当たり前のように受け入れられつつあるからです。

いまや、ベッドルームが5つも6つもあってプールがあるような巨大な住宅はフィッツジェラルドが描く1920年代の華麗なるギャツビーの世界ではないのですから流行らなくなるトレンドにあるのではないでしょうか?

さて、好調のアメリカに対してカナダの一部都市では不動産市況に黄色信号がともっています。特にバンクーバーは厳しさを増す、というのが私のずっと変わらない予想です。特に新規供給の数は尋常ではなく、確実に売れ残りが多数出ますのでデベロッパーの体力勝負、ひいては一部の値崩れは覚悟せねばならないでしょう。以前から繰り返していますが、デベロッパーの倒産もありえると見ています。なぜ、これほどの新規供給が出ているかといえばリーマン・ショックの際、バンクーバーの住宅市況は更に強含み、デベロッパーが強気になり、結果として土地を仕込んでしまったというのが理由でしょう。

2009年ごろに土地を仕込めば開発準備、許認可で2011年頃に着工、2013年完工という流れになりますので今年から来年がデベロッパーの勝負どころになります。

バンクーバーはもともと不動産市況を中国などの富裕層の移民が支えていたわけですが、現在は中国からの富裕層移民がそれほど入って来ている状況になく、不動産の下支えには十分ではありません。カナダ、特にバンクーバーエリアは資源関係の業種が多いのですが、商品価格の低迷で一時の景気の良い声もすっかり消沈しており、国内景気はまさに「地味」な状況にあります。

カナダ中央銀行は昨年まではG8の国では利上げを一番に行えるといっていたものがいまや、利下げを検討しなくてはいけない状況にあり、一部大手銀行エコノミストからもそのような声が出始めています。

そんな北米の明暗の将来を案じるかのように為替の見込みはこの先1年程度でカナダドルは対米ドルで7%程度安くなると見られています。数ヶ月前まではカナダドルと米ドルがパリティ(同価値)だったわけですが、アメリカの10分の一の人口しかおらず資源に頼るカナダが米ドルと肩を並べるというのはやはり出来すぎた話なのかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

国家戦略特区への期待4

世界で一番ビジネスをしやすい街づくりを目指し、特定エリアに設定し、さまざまな規制緩和などを盛り込み、外国企業の誘致を始めとして新しいスタイルの日本を作り出すというのは皆さんにはどう写るでしょうか?これが安倍首相主導の産業競争力会議の傘下の部会で協議が始まっている国家戦略特区構想です。

その規制緩和の具体的なアイディアはさまざまなものが出ているようです。公立学校、有料道路の民間運営委託、外国人医師の解禁、成田や羽田の離着陸割り当て緩和、特区内の不動産容積率緩和、保険外併用医療の拡大、カジノ解禁、法人税引き下げなどのようです。

もともとは竹中平蔵氏のアイディアでこれを安倍首相が引き継いだものであります。

この特区アイディアの最大の面白みは日本全国での適用が難しいような規制緩和を地域限定とすることで同意を得やすくすることにあり、結果としてそれが国民に受け入れられるアイディアであれば特区以外にも適用できる応用性を持つことかと思います。

たとえば特区内に外国人専用の住宅を建てるというのも面白いかもしれません。日本で働こうとする外国人は日本の不動産慣習と大家の外国人入居者への理解という二つのハードルを乗り越えなくてはいけませんが、仮に特区にそのハードルを引き下げた不動産賃貸物件が登場すればこれは前向きの意味での外国人への門戸開放となることでしょう。

カジノは先日の私のブログでも書かせていただいたようにギャンブルという部分に焦点を当て、パチンコ業界や警察など利害関係が非常に複雑に絡んでいることが調整を難しくしているようです。仮に特区内での限定許可ということになればある意味「治外法権」ですから議論も進めやすいのでしょう。個人的にはカジノを含むリゾート施設に日本人だけでなく外国人も楽しめる日本の古典芸能や歌舞伎から現代の演劇までをわかりやすいプログラムとリーズナブルな価格で提供できるような施設が欲しいと思います。(今の東京は分野ごとに劇場が違い、外国人旅行者にはチケットも簡単に取れず、手軽さがない気がします。)

本質論からすれば、この戦略特区の裏側には外国人の技能職の呼び込みがあるわけで成長戦略の中で外国人労働者の永住権申請資格の緩和を含めた移民政策も出てくることでしょう。まさか昔のソ連のように外国人が行くことの出来る専用地域を設けるわけにもいかないでしょうからこのあたりはまだまだ相当の議論を進めていかねばならないと思います。

私は個人的には外国人や外国企業を呼び込むための国家戦略特区という位置づけではなく、日本を変えるための実験的特区という構想の方が受け入れやすいと思います。なぜなら、法人税引き下げも外国企業にだけ当てる特権という発想が仮に伴うとなればそれは一般企業が黙っていないでしょう。

その辺りのバランス感覚を含めた部会の構想の具現化に努めてもらいたいと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

日本でもいつでもどこでも無料ネット接続を。4

2年ぐらい前までは私がカナダで経営するカフェの近くにある某一流チェーンホテルでは一泊あたり20ドルのネット接続料を徴収していました。これに対して多くの顧客は接続無料の私のカフェにネット目的もあり、朝食を食べに来てくれました。残念ながら最近ではホテルロビーエリアだけはネット無料化時代に対応したようです。

その頃までは私がシアトルあたりのホテルに泊まっても一泊あたり10ドルから20ドル程度の料金は確かに取られていました。かろうじてロビーはWiFi無料です、と謳っていてわざわざロビーでネットをやった記憶があります。しかし、無料範囲はどんどん増え、最近ではレストランでもカフェでもホテルでも無料でWiFiが出来るところが増えたので助かります。(というより私のように市場と向かい合っている人間にとってはWiFiに常時つなげてリアルタイムで株価や為替を追うことがとても重要ですのでむしろ、ビールを飲むにしろ、食事をするにしろそういう環境が整っている店を選ぶ傾向があることは確かです。)

私のカフェでも明らかにネット目的で来る顧客はずいぶん多く、我々の生活にネット接続がいかに重要か身近に感じます。また、音楽もいまや、ダウンロード型からクラウド型に代わりつつあります。ならばネットに繋がらなければ音楽も聴けないということになり、カフェやホテルなどリラックスすることが最前提の施設ではネットに繋がらないことは致命的な問題ということになります。

さて私のように海外に拠点を持つ人間にとって日本に行くと実に不便を感じます。ネット無料のところは少なく、WiFiスポットに行っても有料登録せねばなりません。しかもどこでも同じというわけでもないところが日本の最大の不便さであります。場所ごとに登録しなくてはいけないのは日本をベースにしている人と海外から来た人では雲泥の差の不自由さなのであります。また、無料ネット電話が普及した今、スマホとWiFiさえあれば海外にいても不安がなくなりましたがWiFiにおいては日本はまだまだ遅れているのであります。

ネット大国の日本において公共のエリアで無料スポットをなぜ増やそうとしないのでしょうか?

日経ビジネスにも同様の記事で、「訪日外国人に冷たいブロードバンド先進国」という記事がありましたが読みながら思わずうなずいてしまいました。日本で契約したスマホをもっていればネットにはつなげることが出来るでしょう。しかし、外国人観光客を増やしたい日本においてあまりにも外国人の目線を忘れているような気がします。

WiFi無線ルーターという手もありますが、出来るなら今さらそんなめんどうなモノを持って歩きたくないというのが本音でしょう。それ以上に手軽さという点で時代の流れに逆らっている気がします。

日本では一部ではネット接続をいまだ儲け代にしようと考えているのかもしれません。しかし、私は今や、インフラやサービスの一環であると考えています。レストランやデパートにはきれいなお手洗いがあり、北米のホテルでローカル電話が無料なのはインフラがサービス化したものです。ならばネット接続もそうなるべきでしょうし、顧客はそれに大いなる価値を見出すと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょうか?

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海外から微妙な変化を感じる安倍首相評4

安倍首相のデビューは鮮烈でありました。前政権の否定と自己二度目の登板、更に首相経験者の麻生氏を副首相にすえるなど万全の閣僚人事で強気一辺倒の政策を打ち出してきました。日本はまさに覚醒したような変化を見せ始めました。その一つ目のピークが日銀総裁人事であったと思います。そして黒田総裁の采配は想定を超える内容であったことに市場は更なる評価を加えました。

一方海外勢は年中行事のように変わる日本の首相への評価には未知のものがありました。「また新しい首相、そして今度は駒が足りなくなったのか、出戻り首相に首相経験者が副首相」という見方もなかったわけではありません。しかし、次々打ち出す新政策、そしてそれが閣僚と官僚のハーモニーのもと、前へ、前へ進む中で「おや、これはいつもと違うぞ」と思ったのも事実でしょう。

が、ここにきて若干、足踏みしているような気もします。それは突っ走る安倍特急に対して海外の理解がようやくキャッチアップしてきたとも言えるかもしれません。あわせて打ち出すすべての球が直球のストライクであったものがやや疲れが見えてきたともいえるかもしれません。

そのひとつが憲法改正の議論だったかもしれません。今まではすべて力ずくのKO勝ちだったのですが憲法問題は参議院選挙までの15ラウンドで微妙な判定結果を待つ公算があるのではないでしょうか。しかもそれは国内での議論だけでなく、海外からの熱い視線、というより、牽制がその行方の予想をより難しくさせます。

次にアメリカですが、日本に抱く期待と不安が入り混じっている感がありそうです。それは首相がどこまで突っ走るのか分からず、これ以上直球で攻め続ければ必ず打ち返されることを読んでいるのかもしれません。この場合、キャッチャーであるアメリカに対してバッターは中国と韓国が続きます。。アメリカは必死でピッチャー安倍にサインを送りますが、強気一辺倒に「あまり無理をするな」とマウンドに声を掛けているような状況でしょうか?

ところが守備で芳しくない動きが出ました。猪瀬東京都知事のオリンピック発言はバッターがトルコという設定ならば猪瀬野手の悪送球エラーでしょうか?橋下市長発言は外野フライをポトリと落とし、キャッチャーのアメリカに悪い返球をしたともいえます。

人々の評価とは必ず分かれるものです。そして最近になり、海外発のネガティブな報道も時として目につくようになりました。それはピッチャー安倍の個人プレーに黄色信号を出しているのかもしれません。海外はチームジャパンを引っ張る監督安倍を期待しているのかもしれません。それは日本の中にいてはわかりにくいかもしれませんが、地球を俯瞰するならば日本が突然センターステージで暴れだして近隣とのバランスが悪くなってきたとみている可能性はあります。

世界が安心する日本とはチームが一丸となって着実で安定した成長かもしれません。突然の大変化は世界が理解不能になり結果として不利な結果を生みかねないという警告なのかもしれませんね。

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カジノ合法の本当の効果4

カジノを合法化するかどうかの議論は超党派のカジノ議員連盟を含め、折に触れて話題に上がっています。しかしながら、地元や世論の強い反対の声もあり、なかなか実現していないのが現状だと思います。ではカジノ合法化は夢と消えるのでしょうか?

皆さんの中でラスベガスに行ったことがある人はどれぐらいいるでしょうか?そして、そのイメージはどんなものでしょうか?

日本人ならすぐにルーレットやスロットマシーンを思い浮かべると思います。しかしながら、ラスベガスに行く人でギャンブルをする人の割合は72%(2012年)にとどまっています。これは2008年が85%であったことを考えれば大きな流れの変化を見て取れます。また、一人当たりのギャンブルに費やすお金は480ドル程度でこれもトレンドとしては低下傾向が見られます。

ではラスベガスに何をしに行くのでしょうか?確かにその目的は観光やレジャーが主でありますが、一方でコンベンションも実に盛んなのです。2012年には21000以上のイベントが開催され約500万人が参加しているのです。つまり、全米からラスベガスにビジネス目的でやってくる、ということなのです。

さて、ラスベガスでビジネス以外に何をするか、といえばアメリカ人は日本人が一般的に持ち合わせているギャンブルのイメージばかりではないと思います。確かにギャンブルはコアなファンが支えているものの実態としてはショーやコンサートなどを見ながらアダルトエンタテイメントを楽しんだり、グループ旅行で大いに盛り上がるという中でギャンブルが補助的にその雰囲気を盛り上げているということではないでしょうか?なんといってもラスベガスはまさに大人のディズニーランドですから。

全米で最大級のホテルが立ち並ぶその姿はアメリカの中でも異質な存在ではないでしょうか?ひとつ一つのホテルが巨大なエンタテイメント施設となっており、そのようなホテルが林立しているその眺めは明らかに人工的でアメリカンエンタテイメントを楽しませるための要素が多分に含まれています。

日本でカジノ解禁論はカジノそのものがあまりにも注目され、本来あるべきリゾート論や総合エンタテイメント施設という発想が十分に反映されていない気がいたします。考えてみれば日本で最も手軽なギャンブルであるパチンコも行く人は行きますが、興味ない人は近寄りもしないでしょう。そのパチンコも熱心なファンも多いでしょうけど時間つぶしといった消極的理由での顧客も多いのではないでしょうか?ならば、カジノをそれなりに楽しめるエリアとして開発することで多くの楽しみの中から選択肢の一つとしてのカジノとなれば発想は大いに変わってくると思います。

カジノには確かにお金が落ちるといわれていますが、多くは巨大なショッピングセンターを併設していたりして老若男女が楽しめる場であることは間違いありません。また、運営は世界で5-6社がそのシェアを牛耳っているわけですから青少年への影響を含めた厳しい管理は可能だと見ています。(逆に日本には運営費が入ってこないので儲からないということになるのかもしれませんが。)

カジノ解禁論、もう少し裾野を広げた議論をしても面白いのではないかと思います。

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日本に根付くか、多文化共生4

広島県安芸高田市で多文化共生を推し進めることが話題になっています。少子高齢化が進む中、市町村が一定の地位を維持するためには人口増が欠かせない課題となります。即効性ある対策としては外国人居住者の積極的受け入れだと思いますが、今般、安芸高田市では外国人とうまくやっていくという政策を推進するようです。

人口わずか3万人の同市にとって将来の人口減が明白に予想されている中、いち早く対策に打って出たことについては大いなる評価が出来るかと思います。

外国人受け入れについては民主党政権の初期、小沢一郎氏や鳩山一郎氏が外国人参政権に言及し議論を巻き起こしました。事実、民主党は2011年までは外国人でも党員になれるものとしておりましたが、世論をにぎわした結果、サポーターのみ外国人も可能と変更いたしました。この時、なぜ、議論を巻き起こしたかといえば外国人の党員の影響が国政に影響を与えるためであり、それが当時の与党であった民主党において行われていたことが問題視されたものだったと認識しています。

一方で日本国内の少子高齢化にともなう人口減は明白であり、経済を一定水準に維持するためには出生率を上げたり、欧米では移民を受け入れることは常套手段となっています。ところが日本や韓国のように極めて厳しい移民政策を取っている国においては外国人の参政権以前の問題であって、極論すれば、外国人が住む町を所長村民が容認するか、というレベルの話ではないでしょうか?

まさに市町村レベル、近隣レベルでの「開国」「尊皇攘夷」という議論なのだろうと思います。

東京など大都市では確かに居住する外国人は駐在員など日本人の一般庶民よりはるかに豪勢な暮らしをしている人も多く見受けられるかもしれませんが、地方都市の工場などで働く外国人労働者を雇用するエリアに行けばそれなりに悩ましい問題を抱えているところもあるのでしょう。むしろ外国人の行動規範が日本人のそれとかけ離れているため、それを受け入れる素地がない、といった方がよいのかもしれません。

私の元同僚がポルトガル人と結婚し、会社の家族寮に住んでいたのですが、窓からごみを捨てたことが寮内にとどまらず、会社にまで響き渡りちょっとした話題になったことがあります。確かにポルトガルの一部では窓からごみを捨てる習慣はあったらしく、当人はなんの躊躇もなくそれをしたのだろうと思いますが、社宅の奥様方からすれば当然受け入れられる話ではないということだったと思います。同僚はかなり悩み、結局家族寮生活をあきらめたのですが、こういう話が「やっぱり外国人は…」というイメージになっていくのかと思います。

ほぼ単一民族の日本人にとっては大衆と違う行動をとるのは禁則的な発想が根強いと思いますが、海外ではまったく逆で自己主張が強いのが特徴かと思います。まさに水と油的であり、更に困ったことにコミュニケーションもスムーズに出来ないとなれば確かにお手上げだろうとは思います。

しかし、発想を変えればだからゆえに海外とうまくやり取りできないという見方も出来るのかもしれません。皆さんの周りに中国や韓国人の友人や知り合いがいれば会話を通じて思わぬ発見があるはずです。価値観が違うのは当たり前でどちらが正解という択一問題に挑戦しているわけではなく、お互いの考え方を共有するという発想がコミュニティにおける共生の第一歩だと思います。

そういう点で市町村レベルでそれをサポートするという安芸高田市の試みは大いに評価できると思います。また、これを気に他の市町村でもそのような動きが出てくれば対話を通じた新たなる認識が出来ることでしょう。

双方の認識には忍耐強さも当然必要になります。いやなことばかりを考えずに広い心で外国人を受け入れるのは成熟国日本にとって新たなるチャレンジとして重要な課題になるのではないでしょうか?

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

アップルにみる課税問題とは?4

アップルがアメリカ議会で攻められています。同社が本来であればもっとアメリカで税金を払うべきだったにもかかわらずアイルランドの子会社を通じて合法的に節税したことに議員から非難の声が上がっているものです。

それに対してクックCEOはアメリカの法人税が高いことに問題があると指摘しています。その法人税率は35%ですから、日本はある意味、この議会のやり取りについてもう少し興味を示すべきかもしれません。

企業の節税対策はふつう、目立たない話ですが、極めて重要な戦略であります。特にクロスボーダーの事業がある企業にとっては節税対策をとらないところはないと言っても過言ではありません。一方、企業ごとにその節税対策は違うため、あまりニュースになったりすることもありません。また、大手会計事務所は企業向け対策があまり他言されることは好みません。理由は様々でしょうが、当局から目をつけられたくないということもあるかもしれません。

私も長く、会社の節税プランについては担当してきましたし、実行もしてきました。企業人としては当然の行為です。課税とは国が定める法律に基づく徴収行為でありますが、その枠の中でいかに節税するかは合法的な回避手段であり、それが財務経理マンの腕の見せ所でもあります。

アップル社がなぜ、上院小委員会に呼ばれたか、ひとつにはアイルランドに登録する米国会社が3兆円の収益を上げていながらアメリカで課税ができていなかったことにあるのかと思います。もうひとつはアメリカは著名企業に懲罰的罰則をすることを時として行います。マクドナルドやトヨタがよい例だったと思います。アップルも似たようなお仕置きを受けた、ということかもしれません。なぜならはこのような節税スキームはどの会社でもやっているはずでアップルだけが責められる問題ではないからです。

節税して問題になった話として、最近ではスターバックスのイギリス子会社でもあり、その際にはスターバックス社が自発的にイギリスに税金を払うという奇妙な解決策で乗り切りました。これはイギリスにおいてスターバックスが課税逃れというレッテルを張られ、消費者からの突き上げもあり、イメージ悪化という危惧があったものです。

では、アップル社は同様の自発的納税をするかといえばそれはないとみています。なぜならば、それが「横行」するならば節税という観念そのものが揺るぎ、国際間の税制に大きな影響を与えてしまうからです。

私はむしろ、日本で同じような問題が生じるリスクを指摘しておきたいと思います。それはアメリカ同様、先進国で最も高い法人税率を誇る日本において節税というのは切実な問題であり、その結果として日本に落ちる税金が少なくなっているという可能性は大いにあるということです。

日本がアジア諸国と比べ法人税が高いのは海外企業の誘致に不利に働くばかりでなく、国内企業の節税対策により、国内企業も当然ながらさまざまな手段を使って国税当局を悩ましているのです。少なくともこれに対応するには日本が法人税を下げるなど何らかのプランを打ち出さねばならないでしょう。

安倍首相の成長戦略の第二弾において法人税減税に言及されなかったことは失望されました。

考えてみれば我々がものを消費するにあたり、なるべく安いところで購入するように税金もなるべく安く済むよう対策するものです。とすればほとんどの先進国においてアメリカと日本以外は安い法人税であるならばそちらに回避する算段をするのはやむをえません。結果として税収減を招いているという可能性は大いにあるでしょう。必ずしもデフレ、不景気が税収減の理由ではない、という点に気がつく必要があるかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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