外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2014年05月

老後への備え4

先日、著名な税理士先生を交えてお食事をする機会がありました。その席で出た話題が老後の自己管理。
元気なうちは全く関係ない話だとしても病気や怪我、衰えはある日突然やってくるものです。そしてその下り坂は正に加速度がついて転げ落ちることすらあるのです。だからこそ、元気なうちに一定の準備をしておくことは重要なのであります。税理士先生が指摘されていたのは成年後見人の需要が増えているとのことで今後、この需要は更に伸びていくとみられています。

成年後見人とは判断能力が欠けてきたときにその人に変わって財産管理を家庭裁判所の許可のもと、行う人であります。通常、夫婦であればどちらかが病気になってもどちらかが残り、次いで、残された人は子供たちに面倒を見てもらうという一連の流れがありました。「ありました」という過去形になっているのは今や、その流れは必ずしも当てはまらないからであります。

まず、少子化で子供が減っていることがあります。次に子供も転勤や嫁ぎ先などの事情で親のそばにいないことはごく普通の状態になっています。一方、上野千鶴子氏の説ではありませんが「息子夫婦に『同居しましょうか』と言われることほど苦痛はない。なぜなら、嫁と姑の関係が逆転するからだ」(嫁が親の住む場所にやってくるなら自分の城で采配を振るえるが、姑が嫁の家に行くと肩身が狭いの意)となり、結局、おひとり様が最も心地よい老後のライフスタイルということのようであります。

しかし、ひとり身になってどんな元気な人でもいつかは終末を迎えるわけでその過程において頼る人がいないということが発生します。そこに成年後見人の制度があり、その需要が急増しているということなのです。

私も独り者の叔母に財産信託を何年か前に勧めました。人の財産は決して容易い流れではなくあちらこちらに預貯金、有価証券、財産や債務までもが散らばっているものです。銀行口座やクレジットカードが財布の中にたくさん入っている人も多いと思いますが、人間しがらみの中で生きていますから本人しか分からない世界が必ず存在するのです。そして場合により複雑怪奇な迷路のようなその財産のポケットは頭がはっきりしているうちに何らかの形で開示しておかないと永久に開けられないパンドラの箱になってしまうのかもしれません。

バンクーバーである身寄りのない日本人のお年寄りが亡くなり残された財産が1億あったそうです。その行方はカナダの国庫だとすればそれはちょっと寂しい話ではないでしょうか?また、歳をとると突然現れる「親戚と名乗る会ったこともない人」。明らかなお目当てを想像するに、実に見たくない世界だと言えましょう。

一方で成年後見人といえどもどこまで信用できるのか、という不安も付きまといます。お金は人の心を狂わせるというのは世の常です。更に逆のケースも存在します。実質後見人を長年してきたある私の知る「ご近所さん」はその方が亡くなる際に投資用アパートを一軒プレゼントされました。結果として何が起きたかと言えば純粋な好意だったのにご近所からやっかみの嫌なうわさを立てられて引っ越しをせざるを得なくなったという不幸な話もあります。

多くの人は「後見人を立てるほど持つものはないから」とおっしゃる方も多いでしょう。しかし、それは謙遜というもので高額資産を持っているのはほとんどが高齢者です。そして、死ぬ時までにすっからかんに使い切れる器用な人はまずおらず、必ずなにがしかの資産は残るものなのです。その上、わずかな残った資産をめぐって家族親戚で大バトルが繰り広げられるとすれば財産を適当に残して死んでいく人に恨みの一つも言いたくなってしまいます。

結局は自分の始末は自分でするという世界に突入したということでしょう。老後の備えとはそういうことです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

維新「分党」の当たり前4

日本維新の会が分党することになったニュースについて驚きと喜び、更には当然、必然、残念と様々な声が聞こえてきています。私はその中では「当然」という見方をしています。

石原慎太郎、橋下徹両者はカリスマ性をもった色濃い人物であります。また関西と関東を地盤としているところも相反しています。しかしそれ以上に私が当然と思っているのは「合併」はうまくいかないという日本の構造的問題であります。

企業合併の難しさを物語る代表例は日本の銀行であります。チカラ加減が違う合併の場合は強引にくっつけることができますが、対等合併や対等の認識を持ったたすき掛けは最悪の結果をもたらします。その顕著な例がみずほ銀行でしょう。旧興銀、勧銀、富士の合併はどの銀行も一歩も譲らないという強い自負を持っていました。結果としてたすきがけの上に責任感がない経営が続きます。システムトラブルとった問題が生じたのも内部のコミュニケーションと信頼関係が構築できていない理由であります。

経営陣は「たすき」や旧出身行にこだわらずに、ということを言っておりますが、この旧三社が抱えていた子会社は今でもその領域を脈々と守り続け、同業の子会社間の合併や経営効率の改善は出来ていません。つまり、興銀、勧銀、富士のブラッドは脈々と存在し続けているのです。「メルトポットの中でガラガラポン」は日本の文化ではあり得ないと断言してよいかと思います。

では日本人は何をそれほどこだわるのか、といえば家父長制度の名残は無視できないと思います。結果としてそこに存在するのはサル山の大将ともいえるのです。自分が育ててきた家族、部下、チームの意向や意志を最大限尊重するその意味は自分をサル山の頂上に支えてくれた支援者への義理人情である言ってもおかしくありません。

そのサル山は銀行の合併の時のように巨大な閉鎖的社会を作り上げる場合もあります。今、日本にあるのは無数の自己防衛機能が強い壁と壁のぶつかり合いということでしょうか?私は23年も海外に出ていて最近、日本の社会に様々な形で関与していくようになり今まで気がつかなかったこの独特の社会にやや閉口しております。例えば岩盤規制などと称されるものや省庁の縦割り社会もこの括りに入るわけで別に政治や政府だけが悪いわけではなく、どこにでもそのような依怙地なツッパリは存在しているのであります。

そして外国企業が日本で大成しない理由はこの社会構造、日本の独特な文化に太刀打ちできないとも言えるのです。

維新の分党はその流れに沿った通りであり、何も驚くものではありません。分党して橋下氏側は結いの党やら民主党と手を組んで与党への対抗勢力を考えるということのようですが、政治の世界でこのような野党再編を繰り返しながら与党になった例はほとんどありません。

なぜなら、そこには主権者である国民の意思がどこかに飛んでき、政治家が政党のヤマを見ながら自分の将来の再選に繋がるもっとも確かな道を選んでいるという別の野望も見え隠れするからであります。野党議員であるからこそ、再選が最重要課題であることは日本の社会構造からすれば驚く事実ではありません。

今回の分党は日本が難しい国だ、と言われるゆえんの典型的事例ともいえるでしょう。

ではこれが治ることを期待できるか言えば残念ながら私は全くあり得ないだろうとコメントしておきます。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

君は仕事派、ライフスタイル重視派?4

政府は産業競争力会議で専門職を中心とした週40時間の労働時間規制枠を外す方針決定をしました。今後、具体的なルール作りの策定に入ることになりますが、様々な意見が飛び交っております。以前、この話題が出た際には年収1000万円以上のような高度専門職の人を対象にするという趣旨でありました。

今回の決定の実態は、厚労省の年収基準を設けた「高度な」能力者に限定するというのに対して民間側は「課長補佐、チームリーダー」まで含めた導入を求めているところに大きな格差が生じています。最終的にどちらの主張が通るのか、見ものでありますが、仮に民間案が取り込まれることになれば日本の労働市場は大きく変わることになるかもしれません。

私は27歳の時に秘書室に異動したのですが、それまでの月々3000円程度の組合費が徴収されなくなりました。理由は秘書は組合員から外れる、だが、組合を通じて妥結した案はそのまま享受できるというものでした。ある意味、年間36000円の増収のようなもので得した気分でした。

次いで29歳の時、異動に伴い残業手当がつかなくなりました。海外転勤です。海外に赴任直後、海外関連会社の役員に就任しました。管理職ということでしょうか?本社の身分も課長扱い。つまり管理職です。その時点で残業代で計算すれば約22時間程度の管理職手当を貰い、出勤簿から解放されました。ところがここから仕事地獄が始まります。

西海岸の場合、日中の通常勤務後、夕方に東京が朝9時を迎えるため、駐在員となれば、本社とのやり取りが欠かせませんでした。東京側も朝は会議だ、席をはずしているだ、で担当者と連絡がつくのは東京の午前遅くとか、下手したら昼過ぎになることもしばしばです。当然ながら会社で待機せざるを得ず、毎日12時間以上の勤務になってしまうのです。下手すれば、家に帰ってからも電話攻勢を受けたり、休暇中でも滞在先のホテルに電話をもらったこともたびたび経験しました。

私にとっては北米に着任して新たなるライフスタイルを見出していた時で夕方にはプライベートタイムやエクササイズする時間が欲しいと思い続けていましたが、当時の上司に「お前は仕事をしに来たんだ」と一蹴されます。結果として自由時間は就業時間前に限定され、朝6時にフィットネスクラブに通う毎日で毎朝5時過ぎに起きる「濃厚な」ライフスタイルに変わっていったのをよく覚えています。

多分ですが、あんな仕事ライフは好きでなければ絶対にやっていけないでしょう。「好き」とは将来社長になりたいとか、独立したい、金持ちになりたいという事業欲が強くないと難しく、趣味や家庭、自分自身のこだわりを捨てたくない人には厳しい選択となりうるのです。

今回の産業競争力会議で決定した労働時間規制緩和はその既定の除外事項である管理職規定をさらに緩和したいという民間側と骨抜きにする厚労省の戦いになっています。厚労省の主張する年収1000万円ものプロフェッショナルのみ適用というのは実質的に骨抜きでそれに該当する人はかなり絞られてしまいます。また、年収1000万円以上もらっている人が残業手当云々というのも奇妙な響きであります。

とすれば実態は民間側が求めているハードルの引き下げがより現実的なのかもしれません。仮にそうなれば多くの20代の人がその選択を求められる時代がやってくるのかもしれません。私が懸念しているのはその選択をする際にライフスタイル重視派が労働時間規制緩和=仕事人間を選ばない人が案外多いのではないかと想像しています。

欧州では一つの仕事を延々と続けながら人生を楽しんでいる人が多いと思います。仕事は収入を得る手段でしかなく、収入を通じたライフスタイルを最大の価値あるものとしています。成熟国家ならではと思いますが、日本も決して上昇志向が高いわけではなく、この労働時間規制緩和がどういう社会的影響を与えるのか、労働価値観はどう変わるのか、実に興味深いものがあると言えそうです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

厳しさを増すソニーを取り巻く環境4

5月22日に発表したソニーの経営方針説明会。前期も今期も赤字だけど来年(16年3月期)は4000億円儲かる、という平井社長の発表に疑心暗鬼の声が出ています。27日の日経の一目均衡では「ソニーはどこへ行くのか」と題して同社の説明会における言葉を信用できるか、という極めて厳しい基調の編集委員の声が掲載されています。

この7年で6回赤字というのは企業としてもはや、体を成していないと言われても仕方がないでしょう。壊れてしまったと言ってもよいのかもしれません。ただ、壊れたのがかつてその名を世界にとどろかせたエレキ(電機)部門であってエンターテイメントと金融は稼ぎまくっています。つまり、この会社が会社として一定評価されているのは稼げる部門がまだあるからであります。

ソニーはしばしばパナソニックとその対比対象にになるのですが、家電沈没からパナソニックは住宅やBtoB事業を推進し、不採算部門をバッサリ切り、回復力を見せつけました。ソニーもテレビを分社化し、パソコンからの撤退など確かに不採算部門のリストラを進めています。パナソニックは旧松下電工、旧三洋電機を含めた幅広いビジネス基盤の中でBtoBという法人向けや住宅関連などを通じて電機メーカーとしての形を残せたが故の復活シナリオでした。つまり、従来のビジネスに固執していません。

ではソニーがなかなか復活できない理由ですが、これは同社がトランジスタ、ウォークマンなど非常に狭い事業エリアの過去の栄光にしがみついているためともいえるのです。ソニーがエレキ事業を止めてエンタメと金融事業だけやればリストラは確かに完成します。数字上は見事な復活劇を演じるはずです。

が、細くなった本流を捨てて太くなった支流に乗り換えるだけならマインドを売ったという別の意味での厳しい評価が待ち構えているかもしれません。だからこそ、底なし沼のエレキ事業で沼の底を探る平井社長の苦境はよく理解できます。テレビの分社化をするも、それでも止めないのはテレビがないソニーはソニーではないという内部の圧力であることは容易に想像できます。

北米にいる者として今、テレビを買うとすればどこで買うか、と考えた時、私なら「コストコ」というかもしれません。以前なら絶対に考えつかない発想です。が、今ならそこに行けば売れ筋のラインアップがあってメーカーの差異は極めて少ないのだから最後は価格で買う、という意味であります。

私はスーパーマーケットで衣料品を買うことは論外であります。衣料品はブランドやおしゃれという物欲以上の「そそるもの」がより強いと思うのです。今でも「コストコ」で衣料品を買うことはまずありません。見向きもしないし、存在すら忘れていると思います。ですが、テレビなら買ってもよいと思わせるこの違いは何かといえば、差別化するのが難しく、コモディティーと化しているのです。コストコに食料品を買いに行けば入口のところにテレビがデンと並んでいて否が応でも目に入るそのマーケティングに家電量販店にいくのも面倒くさい、と思わせてしまううまさがあるのです。

テレビのように成熟商品の場合、技術革新の度に振り落とされる消費者がいる、という法則に気がつくべきです。市場がゼロの場合、そこに白黒テレビを投入すれば全員が買います。次にカラーテレビを白黒テレビより2倍の金額で市場投入した場合、8割の人が購入するかもしれません。次に液晶がでれば5割…といった具合に進化するごとに支払う金額と満足度の効用に応じて需要が細くなっていくものです。テレビがなぜ儲からないか、この論理からすれば簡単で高水準、高価格の市場はより小さくなっているのに多くのメーカーが参入してさらに素晴らしいものを作ろうとするからであります。有機ELのテレビがほぼなくなったのはもはや間尺に合わないということでしょう。

ソニーがエレキ部門で回復する方法は一つだけです。市場に存在しない全く新しい革命的製品で市場を生み出すこと。これができないならエレキ部門は形だけ残すという手段を取る以外に残された方法はほとんど見つけられないのかもしれません。

再生できるか、残された時間はそう長くないような気がします。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

世界の中のニッポン、目線の合わせ方4

5月23日の読売新聞の一面は「タイ軍クーデター」「ウルムチ爆発死者31人」「北、韓国側を砲撃」というアジア外交の記事が紙面を占拠しています。たまたまそういうニュースが重なったとしても今の日本はグローバル化の中で世界情勢と強いかかわりを持ち続けています。

安倍首相は外国人労働者への門戸緩和、外国人移民の検討、外国人旅行者をオリンピックまでに3000万人へなど外国人が来る日本をイメージしています。それは旅行のみならず日本の生活を通じて日本人との融合が前提になっていきます。

東京神田。金曜日の夕方、人々が街に繰り出す時間、立ち飲み屋に群がるのは外国人サラリーマン達。明らかに近辺で勤めていると思われる白人男性数名が立ち飲み屋で談義している姿をみて全く違和感を感じないのは外国ではパーティーなどが立ち飲みだからでしょう。以前行った新宿の外国人でごった返すビアバーでもいす席があるものの立ち飲みで人が溢れていました。

一方、人手不足に悩む日本の飲食業界は究極の機械化。居酒屋ではメニューは全部手元の端末から自分で注文。原則、店員は注文を聞きに回ってこないからこの端末で注文しない限りいつまでたってもビールにありつくことは出来ません。多分ですが、これは外国人にとって理解しがたいことです。なぜならばレストランとは食事の品質、店の雰囲気、サービスの三拍子がそろってこそワークします。だからどれだけうまいものを食べさせるとしても例えばサーバーがワインの種類さえ分からなければお店は失格になるのです。先日入った居酒屋で「日本酒はどんなのがありますか?」と聞いたところ思い出すように言った銘柄は全部焼酎。学生アルバイトさんにとって日本酒や焼酎の銘柄は分からなくてもサワーとかハイボールならわかるということでしょうか?

冒頭のアジアのニュースについても一般的な日本人ならば見出しだけ見て内容を読まず、そんなことがあるのか、と遠い外国の縁のない話と思っている人が大半でしょう。それよりもスポーツの結果とか奇妙な殺人事件や社会問題満載の社会面の記事に精通して語ってしまうということでしょうか。

確かに日本から一歩も出ず、海外旅行はパッケージのみ、となれば外国人と話をする必要もなくまるでバスでサファリパークに行ってガラス窓越しに動物を見ることと同じになってしまいます。その人たちにクーデターとかテロ、国境を接した隣国と打ち合いなどは全く想定する必要のない事件なのでしょう。

ですが、10年後には都会や観光地を中心に日本が外国人で溢れかえるとすればどうでしょうか?お隣さんは外国人という時代がもうすぐやってきます。国家戦略特区では外国人へのアパートの短期貸しが可能になります。週末になるとパーティーで大騒ぎ、あるいはゴミは窓からポイする習慣がある外国人も目にすることになります。それに対してどうアプローチするのでしょうか?まさか、警察に通報することになれば警官は外国語をマスターしなくてはいけません。それとも黙って泣き寝入りで「やっぱり外国人は嫌だ」と言いふらすことになるのでしょうか?

しかし、私のように外国に住んでいてもとてつもない常識外れの人には時々お目にかかります。その時どうするかといえば直接、間接的にその人に諭し続けるのです。普通、1,2回言われれば分かるものです。諭し方もあります。それでもだめなら警察に通報するでも訴えるでもとにかく、論理的にそれを止めさせる手段がいくつかステップとして備わっています。外国人は言われれば分かるのですが、日本人は言う、理解してもらう、討論する、諭すという手段を持ち合わせていません。日本人同士でもいきなり怒鳴り込まれるようなところですから外国人にはさっぱり訳が分からない状態になるのでしょう。

日本は否が応でも外国と付き合っていかねばなりません。それは外国語をしゃべることではなく、きちんと向かい合って説明する、抗議するというプロセスが必要です。突然、「おいこら!」「バカヤロー」では意味をなさないということを日本人は学んでいかねばなりません。

そのためには外国で今なぜ、そのような紛争や問題が生じているのか、その背景を考えてた上で居場所の違いを日本人がまず理解するが大事です。外国人がそれをすればよい、という意見はあるでしょう。しかし、外国人が100%日本を理解してやってくることはまずありません。ましてや日本も地方ごとに独特の文化、風習はあります。まずは外国人と向き合うことが大切です。そしてそのためには外国で何が起きているのか、せめてニュースを読む癖から入るのはとっつきやすい入門編であると言えましょう。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

すっきりしない世界経済4

世の中の動きを見ていてなにかスカッとする気持ちになれないと感じる方は私だけではないでしょう。踊り狂うような好景気ではないのにアメリカでは株価が史上最高値をつけ続けるのは明らかに金融緩和を通じたマネーの偏在と実体経済との遊離のような気がします。

日本でもブタ積みと称する市中銀行の法定準備金以上の余ったお金が日銀に預けられている状態で使う目途がない資金ともいえるのです。

中国でバブルが大きく膨れ上がったのはいつからか、といえば2008年のリーマン・ショック後の中国政府の56兆円に上る大金融緩和政策がきっかけだったと言っても過言ではないでしょう。中国の場合、その資金は見事に箱ものと鉄道などのインフラに回り、民間の不動産ブームにも火をつけました。そして一時期下火になったその火勢をまた煽り続け現在の不動産バブル形成につながります。

中国のバブルはいつ崩壊してもおかしくないとか、野村證券に至っては「既に始まっており、その深度がどこまで進むか問題だ」(意訳)としています。その中国はウルムチでのテロ事件が相次ぎ、民族闘争を力で抑えこもうとする習近平国家主席のメンツ問題となっています。同様に太平洋側でも各種報道の通り様々な軋轢を起こしているのであります。とすれば中国には実体はかなり悪化してとてつもない次元の問題が生じないとも言えないのが現状だと思います。

個人的には世界経済を順風満帆にするならば中国経済はソフトランディングすべきだと思っています。それは既に忘れかかっているかもしれませんが、ギリシャ問題を必死で抑え込もうとしたユーロ圏のあの努力をもう一度振り返るべきであります。あの頃、統一通貨ユーロの弱点が強く指摘され、ユーロの崩壊がまともに取りざたされていました。しかし、英知で乗り越えた今、PIGGSの株価は回復の基調を取っているもののそれに対して誰もあの時の大騒動を「我慢してよかった」と評価する声はありません。

しかし、ソフトランディングするにはあまりにも難しい条件が重なり、習近平国家主席がいくら高い能力を備えていたとしても権力闘争を行いリコノミクスがもはやどこかに行ってしまった中国において思わず、うーんと唸ってしまいたくなるような状況であるのです。多分ですが、これが今、世界の投資家がもっとも頭を悩ましているところではないかと思います。

お金は潤沢にある、だけどどこに持って行って良いかわからない。とりあえずアメリカの株式市場は活況だからそこで短期の勝負をしている、というように見えるのです。そのもう一つの理由にアメリカの長期国債の利回りが下がっていることには要注目かと思います。

バーナンキ前FRB議長が金融の量的緩和からの脱却を示唆した13年5月から長期金利は1.6%から9月にはほぼ3.0%近辺まで上昇してます。ところが今年の初め以降、明らかに長期金利は下落基調をたどっています。これは株高にもかかわらず債券相場が堅調であるという意味でリスクオフのモードがそこに存在しているのであります。では投資家は何を恐れているのか?

私の想像ですが、中国経済の軋みが及ぼす世界経済への影響ではないかと思います。そして経済のみならず、ロシアとの接近を演じてみたり、太平洋をめぐるアメリカとの微妙な関係を含め、地球儀ベースで「嫌な」気がするのです。それが今日明日ではないけれどさほど遠くない時期に起こりうるということでしょうか?

不安を煽るようですが、世界は数年おきに必ず大きな問題を起こしてきています。嵐は必ずやってくると考えるならば日本が今しておくこと、準備しておくことはいろいろ思い浮かぶのではないかと思います。日本が吹き飛ばされないよう、しっかりシートベルトを締めておいた方がよいのでしょうか?

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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厳しさを増す個人節税をめぐる戦い4

ニフコという東証一部上場企業の会長が10億円の申告漏れで1億数千万円の追徴をされていたことが分かりました。この記事は主要紙でも取り上げているところが少ないのですが、読売だけは社会面トップでかなり詳しく掲載しています。こんな興味深い事件をなぜ日経が記事にしなかったか、これは不思議であります。

さて、この会長さんの税回避とは香港に2008年に移住し、住所も移したことでご本人は課税の主権は香港にあると認識していました。その後、日本での事業に本格復帰したものの香港の住所のままで「日本の滞在日数が香港を大きく上回っていた」ことや「ニフコの経営の実権を握っていた」ことからこの会長さんの生活の本拠は日本であり、日本で納税すべきであったと認定されています。

このニュースのポイントは富裕層が海外に永住権などを取得し、その国に納税することで日本国内の課税を免れるというスキームに困難性があるということを示しています。私も以前にも書きましたし、読売新聞の解説にも記載されているのですが、日本の国税局はいわゆる「武富士事件」と称される同社創業者の長男への贈与課税をめぐる1600億円の裁判で国税が敗訴、国は納付済みの同額プラス利息付保400億円を返還する大失態を演じたことから海外税逃れに極めて厳しい姿勢を貫いています。

今年から始まった海外資産を5000万円以上持っている人の開示義務も富裕層のキャピタルフライトを難しくすることになりそうです。

富裕層の節税や税逃れは日本に限ったことではなく、世界中で起きている問題であります。主要国は「とりっぱぐれ」をなくすため、あらゆる手段を駆使しております。いわゆるタックスヘイブンと称するスキームはおおざっぱにいえば税率の差額を利用して節税、脱税をするわけで一昔前はそれがうまくワークしていたのであります。ところが当局が目を光らせ始め、公認会計士会社のコンサル部門はこれを回避する裏技を見つけ出すいたちごっこで結果としてコンサル会社の懐を温めて来たのであります。

今回のニフコの会長さんの事件の場合、詳細は調査が必要ですが、日本での居住の事実をどう捉えるかが決め手になっているようにみえます。その文面からは注目すべき点は183日ルール(一年の半分以上を居住しているかで課税を決めるとするもの)から実質的な活動拠点の発想に変わってきているように思えます。それはパーマネントトラベラー(PT)と称する海外に3つ以上の居住地を設けることで一か所の滞在が年間183日に達せず、結果として課税主体の国が無くなる状態を作っているケースがあるということです。

二点目にニフコの経営を実質的にしていたという点に着目すべきです。実質とは「実務」と考えてよくその場に定常的に滞在し、業務を推進しているという意味です。これをわかりやすい例えにするとアメリカに業務出張で行く場合日本人はビザ免除規定がありますが、これは実務を含まない前提になっています。つまり、出張期間にアメリカでラインの仕事(従業員を使い、実質的な業務をすること)はダメなのです。

一言でまとめると日本で流行の富裕者キャピタルフライトはキャピタルだけフライトだけでなく自分もフライトしなくてはいけないということであります。棄民とまでは言いませんが、お金とカラダは一体であり、税金を逃れるのなら日本から引き払い、且つ節税したお金を子孫に引き継がせるには家族ともどもフライトしなくてはいけないということです。これができる人はほとんどいないはずで、日本の場合最終的に相続税で捕捉され、逃げることは不可能と言われるのはそのことなのであります。

ただ、税金を逃れてたいと思う気持ちは世の常。富裕層となればなお一層です。怪しげなコンサルなるものが耳元でささやくそのビジネスはきっと絶えないのだろうと思います。私もこんな世界をのぞき見してきていますが意外なあっと驚くスキームがまだありますからこのバトル、まだまだ続きそうです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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