外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2014年07月

格差の中の平等4

B級グルメという言葉がはじめて世に登場したのは1985年、雑誌に連載された「東京グルメ通信 B級グルメの逆襲」だとされています。多分、その当時はバブル経済に突入するころで世はグルメに突っ走っていました。老いも若きもうまいものを求める文化に加速度がついた頃です。ですので当時は「B級」という響きが必ずしも市民権を得るまでには至らなかったと思いますが、経済が低迷し、デフレが蔓延していた2006年にB1グランプリなるものが開催され、B級グルメに対する社会の見方は大きく変化してきたと思います。

時を同じくして2007年に発刊されたミシュランガイド東京版。これはまさにグルメ大国ニッポンにおいて権威ある評定と信じられている一つの指標であり、高い水準を目指す飲食関係者を大いに啓蒙しました。今現在、関東地区のミシュラン星レストランは266軒、関西地区は243軒で世界の主要都市のミシュラン星印と比べ極端な話、一桁多い数のレストランが選ばれているのです。

未だにカナダ人から「日本の物価は高いのだろう」と聞かれるのですが、決まって返す返事は「二極化しているから節約するならカナダより安く過ごせるし、使いたければいくらでも使えるのが日本」と言っています。私が幼少のころ、「天皇陛下もさんまを食べる」というのを聞いてびっくりし、小学校で皆に言いふらしたことがあります。それぐらい不思議な気がしたのですが、そこには食に対する平等感が蔓延していたということでしょう。戦後、日本では食料自給率100%という時代(=食べるものが何もなかった)を通じて食べることへの執着はすべての日本国民の共通の気持ちだったと思います。その後、高度発展期を経て、世の中が豊かになりグルメが現れ、庶民には手が届かないようなレストランや食材が話題となり始めていました。いわゆる二極化です。

今、日本でミシュラン三ツ星もB1グランプリも同じように受け入れられるその背景は何だろうか、と考えた時、日本には二極化しても上の極に負けず劣らずの努力をする下の極があるということかと思います。

そんなこと、当たり前だろうと言われそうですが、外国ではそれはあり得ません。私が19歳の時、イギリスのホームスティ先のお父様は印刷工の方でした。その時イギリスでは見えない階級意識が存在し、親が高卒なら子も高卒、だからブルーカラーから変わることはないと教えられました。今では少しは変わったかもしれませんが、ここバンクーバーでもいわゆる見えない階級をジャンプする努力をする人は少ない気がします。そこにはメンタル面において二極化があきらめの境地を作り上げているともいえるのです。

ところが日本は経済格差ができたと言えども一部の土地持ちや起業家を別とすれば大企業の社長さんでも1億円の報酬をもらう人はまだまだ知れています。トヨタの報酬体系は日本的発想の典型であると思います。

それは下の極の者が「俺たちにもできる」という気にさせるほど心地よい格差なのかもしれません。

江戸時代、武士は藩校に通わされていました。つまり、国を護る者たるものは貧しけれど教育だけはふんだんに施されなくてはいけないという発想であります。ところが町民や一部農民もそれに負けじと勉強することになった施設が寺小屋であります。これが識字率世界一で今の日本のバックグラウンドを築き上げた原型であるともいえるのです。

これこそ「格差の中の平等」であり日本の統治システムが盤石であり、世界に圧倒的な差をつけるベースとなったのではないでしょうか?日本は世界でも最も進んだ社会主義国と言われています。が、「日本型社会主義」とはソ連等に見られたように政府がそれを国民に押し付けるわけではなく、国民が進んでそのシステムをあらゆるところに取り込んだところに特殊性があります。それゆえ日本には農奴は存在せず、資本家と労働階級という搾取もあまりありません。多分、奈良時代の墾田が原点のような気がします。

町工場オヤジから大企業の社長まで同じ汗をかき、同じ釜の飯を食う日本の伝統は世界が混沌とすればするほどその良さはより一層明白なものになってくるでしょう。この文化を守り、継承することがわれわれ日本人に課せられた義務であるとも言えそうです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

金融国家シンガポールに惹かれる日本人4

シンガポールに移住する日本人富裕層は相変わらず多いようです。その魅力の一つに株式からの収益(キャピタルゲイン)課税がゼロだということでしょうか?所得税も最大20%ですので確かに富裕層とその取り巻きビジネス(=富裕層相手のサービス業)には最適かもしれません。

同国は国土が東京23区程度で人口は540万人にとどまります。人口密度が高いとはいえ、国家の成長に製造業などは不向きであると言えます。香港も同様なのですが、結果として小国の場合、魅力的な税制を打ち出し、金融大国となり富裕者層を増やす戦略をとることが多いようです。ヨーロッパでも例えばルクセンブルクは名だたる金融大国です。ちなみに同国の一人当たりGDPは世界一としても有名であります。つまり、小国で魅力的な税制で金融業などを推進する場合、富裕層が集まりやすいという特性があるともいえるのです。

今やネットと電話があればどこでもできると言われる代表的ビジネスが投資事業でそのようなビジネスをしている日本の富裕層が海外脱出していると言われています。一部の富裕層の方はシンガポールに相続を目的として脱出していますがこれは個人的にはハードルが高いと思っています。

では、日本がシンガポール程とは言わないまでも魅力的な税制になった場合、変化は起きるのでしょうか?

基本的に税金が安いことのメリットは外国企業や富裕層の誘致がしやすいことだと思います。イギリスは法人税率の引き下げでイギリス企業の回帰も含め、先進国では圧倒的な経済回復力となり、利上げ候補ナンバーワンであります。

ただイギリスのように圧倒的水準ならともかくも低い法人税で国内空洞化を防げるかどうかは別問題だと思います。理由は製造業の位置づけが大きく変わってきたからです。一言でいえば地産池消と称する現地に合わせたマーケティングと現地部品調達率の引き上げで製造業者の製造拠点の選択はもはや消費者や顧客の都合が主導するからであります。

ところで日本が何のために法人税を引き下げるのか、この目的論が最近不明瞭になってきた気がします。消費税を上げるから、あるいは相続税を上げ、その引き換えに法人税を下げるという税金を取り巻くディールの話をしているのでしょうか、それとも他国と比較して高すぎる法人税を改善して日本に魅力的な投資環境を備えた国家としたいのでしょうか?

もしも外国企業や富裕層を取り込みたいなら株式や不動産を通じたキャピタルゲイン課税を大幅に減じればよいでしょう。例えば不動産の譲渡利益に対する課税を減らせば外国からの不動産投資は圧倒的に増えます。ですが外国人が所有する不動産が増えることに国家として喜ばしいことと思うのかどうかそこは検討課題として残ります。

では金融の場合はどうでしょうか?私は富裕層は来るかもしれないし、そこで住む限り一定の消費をしますが、最大の問題点は投資家は多くの雇用を生まないデメリットがあるとみています。先ほども申し上げましたようにネットと電話があればビジネスができる、つまりスマホを雇用しているようなものなのです。(もっとも今は雇用よりも総需要引上げかもしれませんが。)

また、日本はインフラ整備が非常に進んでいるのですが、今後、これらのインフラを維持するための修繕、建替えなどに再び膨大な資金を要する中、社会保障費を含め税収不足は慢性的に起きる可能性が高いとみています。私は税制をいじくるのではない全く違う方法が存在すると考えています。考えがまとまったらご紹介します。

最後に、富裕層はなぜ節税のために海外移住するのでしょうか?一財を築いた人にとって家も車もあれば後はそれほど使えるものではありません。そこまでするのは「国家(=国税)に取られたくない」という財を築いた人なりの抵抗ではないでしょうか?そして財を築くのと同様、節税に於ける勝者になりたいと考えているようにみえます。もう一つ、金持ちは金持ちの世界が好き。そこには努力したものだけが報われるという別の世界が存在します。私の知る限り彼らのセレブライフの充足感が結果としてシンガポール移住を引き立たせるのではないかと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

「短期」な投資家たち4

アマゾンの4-6月期の決算が散々なものとなったことを受け、投資家やファンドマネージャーからバッシングの声が上がっています。「この会社は投資ばかりして株主に還元することを忘れている!」と。それに対してCEOのジェフベゾスは「もっと長期的に見てほしい」と訴えているそうです。

金融緩和の恩恵を受けてお金にお金を稼がせる傾向が強まったのは洋の東西を問いません。そこはイージーマネーに群がる貪欲な人々が溢れています。

日本の株式市場。私も指摘させていただいたように東証の10銭刻み変更が個人投資家のポジションを大きく変えようとしています。7月28日月曜日のミクシー株。株価は13%以上も上昇し、新高値を付けました。特に買い材料があったわけではなく「何気なく暴騰してしまった」というのが正直な印象でしょうか?この会社、どう考えても現在の株価の半分以下の株価価値しかないはずですが、ネットを駆使する個人投資家たちは値動きの荒いこのような銘柄に熱い注目をし続けています。同社株はもはや歴史に残る大相場としても過言ではないのですが、それを支えるのが熱烈なサポーターである「短期」な個人投資家なのです。そして同社の人気ゲームは株価も人気ゲームのごとく短期間に10倍に駆け上りました。

今日の日経電子版には二つの注目記事があります。

一つは「値動き 債券並み 個人が去った『みずほFG株』」。もう一つが「円ドル取引半減、19年ぶり低水準 東京市場の上期 」というものです。みずほFG株についてはこのブログですでに指摘させていただいていました。一方の為替取引の低迷については非常に興味深い記事であります。1-6月の円/米ドルの直物取引が46%減となり、7月もこのままで行けば1995年以来の水準。また、個人を主体とするFXについても3割減の水準であるというのです。

理由は値動きが少ないことで魅力がなくなり、新興企業の株取引にシフトしているというのです。

為替については値動きは安定している方がよい、というのが一般ビジネス社会での考えですので常識的にはこの凪のような円ドル相場はポジティブなはずですが、お金にお金を稼がせる短期筋はこれでは稼げないというわけなのです。ミセスワタナベの動きはもはやトレーダー達のレーダーからは外れてしまう存在となってしまうのでしょうか。

機関投資家、金融機関の自己売買部門、それにここにきて改めて注目されているHFT(High-frequency trading)は東証の出来高の半分以上を占めていると言われています。HFTはアルゴリズムを使ったプログラム売買と超高速トレードにより売買板の枚数勝負といってもよいでしょう。だからこそ、10銭刻みのみずほ銀行株はHFTにとっては絶好のチャンスであるわけです。欧米ではこのHFTに対して規制の声も上がる中、東証はそんなモンスターを三顧の礼でお迎えしたわけです。

首相官邸は株価対策に躍起になっているとも言われていますが、それは政権の成績であるとともに自民党が安定政権を維持するための一種の札束のバラマキと言われても致し方ありません。その一方で日本でいわれ続けているのは「本当の投資家を育てよう」ではなかったのでしょうか?NISAの拡充計画もその一環であると私は認識しています。現実の世界は短期筋が市場をかく乱し、本来あるべき投資家を育てる環境がなかなかできないのは東証の決定がトリガー(引き金)だったと思いますが、もともとは世界に蔓延する金融緩和が招いた「短期」な人々たちの驕り以外の何物でもない気がいたします。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

首相の苦悩4

読売新聞に小さな、しかし無視できない記事が掲載されています。

【ワシントン=今井隆】佐々江賢一郎駐米大使は25日の記者会見で、秋に予定されるロシアのプーチン大統領訪日について、「ウクライナを巡る情勢が影響しないということはない」と述べ、ウクライナ情勢次第では、プーチン氏の訪日見送りの可能性があることを示唆した。

この記事はまず、ワシントン発である点に注目しています。プーチン大統領の訪日をアメリカが歓迎しないということを外務省アメリカスクールが明白な形で発信しています。つまり、アメリカ当局からの意向を駐米大使が代弁したと考えて良いでしょう。

では、いくら駐米大使とはいえ、本省を飛び越えて発言してしまうのはやや違和感を感じないわけにもいきません。

ここは想像ですが、本省側でボイスアウトすることに憚れる何かがあったような気がします。安倍首相はプーチン大統領との今秋の会談を一つの目玉に据えていたはずです。それを本省側からアメリカはそれに反対していると発すれば足元のふらつきを指摘されるでしょう。だから遥か遠いワシントンの駐米大使発の談話とした可能性はあります。

私はプーチン大統領との北方領土交渉はアメリカと外務省アメリカスクールが邪魔をするということを再三指摘してきました。そして直近ではウクライナ問題を通じてまたしても米ロの温度差が出てしまい、世界の国々もその対処に振り回されています。欧州はその際たるものでガスパイプラインを始め、貿易、投資、金融で非常に緊密な関係を持つドイツ、イギリスにとってそのバランス維持はもっとも難しい問題の一つでありましょう。ドイツなどはアメリカの言いなりになっているとは思えません。それはメルケル首相の盗聴問題を含め、若干の不信感はあるのかもしれません。

では安倍首相の外交。今年9月のバングラディシュ、スリランカ訪問で49か国目となり小泉元首相を抜いて歴代トップになる見込みです。この目的の一つが日本の非常任国入りを目指すための集票活動(毎日新聞)とされています。

集票活動はともかくも外交の本筋から考えると近隣国である中国、韓国、北朝鮮に行けない中での49か国にはやや疑問符が付きます。対話すらできないというのは欧米のスタンダードからすれば奇異そのものなのです。結果として安倍外交はアメリカとの緊密性をさらに深める政策であることは疑う余地がありません。集団的自衛権はその最たるものでしょう。アメリカとの長年の関係を維持することは外交上、当然重要でありますが、地球の中の日本の政策的位置づけを考えた場合、日本がアジアのリーダーとしてどうやったらその存在感を増せるのか、そこがポイントであったはずです。

読売新聞にあるようにプーチン訪日にアメリカが反対のボイスが上がっているのであれば予想通りではありますが、日本が外交上、アメリカからのフリーダムを持ち切れていないともいえないでしょうか?

プーチン大統領の訪日に関しては時期も今秋と限定せずに水面下の調整をしながら11月4日のアメリカ中間選挙の動向を受けて判断するしかないと思います。仮にオバマ大統領と民主党が大敗を喫するようならばプーチン訪日を決定すればよいでしょう。ウクライナの問題を含め、様々な流動的ファクターが山積する中でのポジショントークとも思われるこの駐米大使のジャブは安倍政権は盤石ではないという裏返しともいえるのではないでしょうか?

日経では内閣支持率が初めて50%を割ったと大々的に報道されています。安倍首相としては政権が踊り場に差し掛かっているかと思います。個人的には今は新しいことよりも既に手を付けた内外のあまりにも多くの案件をもっと果実あるものに実行させていく努力の方に期待したいところです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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今度は本物?日本にカジノ!4

日経新聞によると2020年までに日本にカジノを3か所ほどオープンさせる検討に入っているそうです。以前にも指摘しましたが今年の春の国会では法案可決を試みた超党派はまたしても失敗したわけですが、周辺環境は明らかに熟し始め、同紙27日の社説によると今秋にも可決する可能性を示唆しています。既に主な候補地だけで8か所上がっているようであり、その中で東京、大阪、沖縄という当初から言われていた場所が第一候補となっているようです。

また、シンガポールと同様、国内の人には入場料を課すことで敷居を上げる一方、外国人は入場無料として、外からのマネーを稼ぐ仕組みを作り出すようです。まさに日本のスロットマシーンとはこの課金システムにあると言ってよく、日本で初めてのカジノとしては良い取り組みかもしれません。

さて、この話が出てくれば当然、カジノに関わる企業群の名前が取りざたされ、再び、株価に刺激を与えることになるのでしょう。その関連銘柄をネットで検索して出てくる名前は確かに皆さんが知っている企業も含めなるほどと思えるのですがある一つが欠けています。それはカジノのオペレーターの会社は一つもないということです。

日本のカジノ関連企業は例えばスロットマシーンを作る会社であったり、両替機やセキュリティシステムやらというのが連想されますが、それを全て束ねて運営する会社は日本には当然ながらありません。想像ですが、日本でカジノができた場合、ほぼ確実に運営はいわゆるプロのオペレーターに任せることになると思います。主だった名前としてはサンズ、MGM、シーザース、ウィン、ゲンティン、メルコクラウンと言った名前が挙がっていますが、基本はラスベガスで経験を積み、世界中でその運営実績を広げている会社ということでしょうか?マカオのSJM,つまり、もともとスタンレーホー氏が独占していた運営会社もありますが、同氏の評判は「特殊」なので日本社会では受け入れられないはずです。

カジノの利権はオペレーターにあると言っても過言ではありません。つまり、政府や地方自治体が税金という仕組みで資金を吸い上げる一方、運営を通じた果実はオペレーターがほとんど持って行く仕組みになっています。よって、日本でカジノができたとしても儲かるのは「官」とアメリカ資本ということになります。スロットマシーンやセキュリティシステムを納入する会社は下請けであり、またしても「パーツ仕事」を日本が請け負うことになります。また、機械の入れ替えが仮に頻繁にあったとしても3か所しかない話ですから全体のボリュームは推して知るべしなのであります。

では日本でカジノオペレーターは育たないのでしょうか?個人的には難しいと思っています。一部商社がオペレーターと提携する動きも見せていますが、あの業務は世の中の裏側にも精通し、運営に反映させなくてはいけない「特殊な能力」を持つ必要があり、日本社会の清廉潔白をよしとする中ではやっていけないでしょう。ましてや商社という信用をベースに仕事をしている企業がカジノに手を出すのはリスクが高すぎると思います。

実は私が勤めていた会社では当時、マカオにカジノ付ホテルをオープンするにあたりとんでもない問題に直面したことがあります。ほとんど知られていない事実でとても書ける内容ではありませんが、その「お手付き」の代償があまりにも高かったというだけは申し上げておきます。また、日本の裏社会の力量は世界では赤子の手をひねるぐらいのものであります。

だいたい歌舞伎町あたりではとっくの昔に日本のやくざが弱体化し他国の勢力下となっています。先日、赤坂のある店のオーナーが「みかじめ料(用心棒代)は中国の系統の方に払っています」というのを聞いてたまげてしまいました。日本やくざの弱体化は功を奏したものの外国勢力に対しては警察はコントロールしきれていないという事実はあとで禍根を残すことになるかもしれません。

日本のカジノ、まだまだ紆余曲折するとは思いますが、トレンドとしてはカジノはリゾート施設の「おまけ」ですから日本の強みはホテルや商業施設、エンタテイメントを含めた総合力で本当の力量を見せてもらいたいものです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

創業者の不信感4

IDC大塚家具。新宿ビックロの裏に構える巨大なショールームは一歩足を踏み入れると営業マンが待ち構えていたかのようにすり寄り店を出るまで一人にさせません。「今日はどのような家具をお探しでしょう?」と言われ気軽に「ソファ」とでも言おうならば「革張りですと…」と言いながら見せられるのは50万円では安物の部類になるのではないかと思われるほど高級品がずらり。「当店では一切値引きをしません」というそのポリシーにデパートでも時として値引きさせる私としては内心「駆け引きできないのではつまらぬ」という気持ちが先立ってしまいました。(笑)

その大塚家具は創業者の長女が5年前から社長として采配を振るっていたようですが、正直、業績は振るっていません。社長就任の2009年という年はリーマンショックからの立ち直りで2013年は日本全体が「夢よもう一度」と盛り上がっていたはずですが、売り上げは回復できていません。更に直近では既存店売り上げでみると4月は101%程度で消費税引き上げの影響はなかったとみてもよい状況だったのですが、5月は89%、6月に至っては83%と激しく下落、先行きの回復の目途が立たなかったのかもしれません。これを受けて創業者の父親が社長解任を行い、社長に復活しました。

家具については語るほど知識を持ち合わせていませんが、商品の二極化は激しく進んでいます。ニトリやイケヤに代表される価格追求型の家具と欧州家具と称する7ケタの値札が当たり前の青山あたりにショールームがある高級家具に分類できるのでしょう。ただ、家具というのはマークアップ(利幅)が非常に大きい商品の一方でショールームは広大な場所を必要とするため賃料やそれこそ大塚家具のようにあきれるほど多い店員の人件費で食われてしまうのです。

今から7-8年前、バンクーバーで世界中の家具屋から直接購入できるシステムの会員になっていたことがあります。そこそこお世話になったのですがこれは本当に安いです。いわゆるショールーム価格の三分の一ぐらい。仮に日本で家具が欲しければ海外の家具店から直接買って輸入した方が安くつくと思います。ただ、傷などがついていた時の処理は面倒ですが。

また家具屋の商品陳列はイケヤに代表されるようにその家具がその部屋でどう生きるかイメージさせ、抱き合わせでほかの商品も売るぐらいの逞しさがないとだめでしょう。そのあたりが私の見る同社の改善点ですが。

今日は大塚家具の話をするつもりではなく、創業者のイライラについて触れてみたいと思います。伊勢の赤福の社長解任事件も今年、ニュースになっていましたが私は創業者のイライラの頂点といえばユニクロの柳井正社長をおいてほかにないと思っています。

柳井社長は2005年に玉塚元一氏を解任し、社長に復帰。当時の記者会見ははっきり覚えていますが、玉塚氏に辟易としている柳井氏の態度にかなりびっくりしました。その玉塚氏、その後、苦労しながらも立派に経営者街道を走り、今やローソンの社長となっています。多分ですが、柳井氏は誰が社長になっても満足できないタイプだと思っています。それこそ死ぬまで実権を握り続けるでしょう。

同じことはセブン&アイの鈴木敏文会長や自動車のスズキの鈴木修社長もそうかもしれません。

なぜでしょうか?一つに自分が築いた城と御家人の世界は盤石な情報網が敷かれているということであります。これらカリスマ創業者が一線を退いても御家人から「会長、実は…」という耳打ちは日常茶飯事。その度に血圧が上がるというのがだいたいのあらすじでしょう。結果としてそれは「内紛」という言葉でニュースとなって表面化するのがオチなのです。だからそれらカリスマは死ぬまで実権を握るか、傀儡の社長を立てるということなのです。

ではなぜそれらカリスマ創業者はいくつになってもこれだけうねり、複雑化した社会の中でも第一線として活躍できるのでしょうか?それは優秀な取り巻き、つまり、御家人達が作り上げる組織力だと思います。悪く言えば北朝鮮の金家と一緒で会社の実権が極めて集中し、否定も批判も反論もない世界なのであります。

ところが運悪く、経営者寿命がせいぜい80-85歳を最長老レベルだとすればどうやってこれからこの御家人たちが権力闘争せず、一つのベクトルを作り出せるのか想像を絶します。それがあと10年ぐらいのうちに次々と起きるということでしょう。まさに戦国時代が近づいてきたというのが日本型経営の弱い部分の一つであります。

ちなみに大塚家具の創業者は72歳、柳井正65歳、鈴木敏文81歳、鈴木修氏に至っては84歳であります。そういえばスズキはフォルックスワーゲン社との持ち株バトルも解決していませんが、私にはVWが高齢となった鈴木社長のことを計算に入れていることは間違いないとみています。

政治家ですら若返っているのに案外経営者は権限移譲が進まないということでしょうか?日本の社会はやはり難しいようですね。

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なるか、地方創生!4

安倍首相が今秋の国会の主要テーマにすると言い切っているのがこの「地方創生」であります。アベノミクスの一環と考えて良いのでしょう。大臣ポストまで用意するようですからその本気度がうかがえます。地方創生は少子高齢化で疲弊の進む地方都市対策としては欠かせないものであります。どう展開していくのか、興味をそそられるところであります。私の今の考えを述べてみたいと思います。

カナダ バンクーバーから東へ車で300キロほど行ったところにケローナという中規模の都市があります。人口わずか12万人足らずのこの町はワインの町、温暖な町としてその規模以上に著名であります。その上、ここには多くの老人が集まってくるとされ、町の平均年齢もBC州のそれより1歳以上上回っています。町を歩けば魅力など程遠く、夜の7時にはレストラン以外はすべて閉まり誰も歩いていない閑散とした風景となります。ここでビジネスをしている人からすると「人はいてもお金を落としてくれない」と嘆き、観光業以外には新しいビジネスはなかなか育たないというのが現状のようです。

日本でも地方都市の最大の問題は高齢化と共に消費性向が下がるところに難しさがあります。日銀は日本の総需要が6年ぶりにプラスになったとして、日本の消費意欲が回復してきたことを主張していますが、それは大都市主導であって地方都市にはなかなか実感が伴わないものではないかと思います。

そんな中、先日、日本のテレビでふるさと納税の特集をやっており、地方の特産品を詰め込むのに忙しそうにしているシーンが映し出されていました。地元産品の需要が高まるだけでなく、箱詰め、発送といった作業にかかる雇用も創出しているとし、役人の嬉しそうな表情が印象的でした。ふるさと納税に関しては平成20年から23年の間に金額、件数ともほぼ倍増していることからそのポテンシャルは高いものと想定されますが、自治体により納税額が増えたところ、減ったところがほぼ拮抗している点において役所がマーケティングをしているのかどうかによって大きな差が出てきていると言えるかもしれません。

安倍首相の地方創生がどんなピクチャーになるのか現時点でははっきりしませんが、地方ベンチャー企業の支援策というのも計画されているようです。それこそ、ふるさと納税を機に地方特産が注目され、それに呼応するように地元で新たなるビジネスを生み出そうというのでしょうか?

香川県丸亀市といえばうちわの全国生産量の90%を占める町として有名でさらに讃岐うどんでも知られています。その丸亀市は今、骨付き鳥を町おこしの一環として推進し、今や、から揚げの丸亀との異名が通用するぐらいに成長しつつあります。このような取り組みは富士宮の焼きそばや宇都宮の餃子にも見られますが、基本的にB級グルメによるマーケティングであります。これは確かに手っ取り早い手法でありますし、多くのファンを作りやすい仕組みでありましょう。また、富士山観光とカニ食べ放題を組み合わせた河口湖のホテルは中国人を中心に外国人観光客から圧倒的な支持を得てほかのホテルにも波及する効果を見せています。

カナダのケローナのケースでも遠方からわざわざそこまで人が来るようになったのは数あるワイナリーの試飲から発展し大手ワイナリーで始めたレストラン事業ではないかと思います。ハッとするような美しいブドウ畑と山や湖の景色、そこでそこで作られたワインと美味しい食事に魅せられてわざわざその地まで行く人もずいぶん増えてきました。

地方創生にはまず、その地方に人が行くこと、つまり、人口減であっても外部から人が来て、そこでお金を落とす仕組みを作り上げることが第一になるかと思います。 それが河口湖の例のように外国人であれば無限の広がりが期待され、なおさら良いわけです。それは観光客がどきどきするような仕掛けが必要です。富士宮市では焼きそばマップなるものがあり、協賛店が様々な形で協力し合う姿勢が印象的です。

食べることばかりが地方創生ではありません。不動産の面からしても知恵はあると思います。農地の集約化を進め、人の居住地と農地の区分を進めることも対策の一つではないかと思います。それにより商業の活性化を進め、インフラの有効活用などが考えられると思います。それを後押しするのが農業の第六次産業化。これが安倍首相の進める地方創生のカギではないかと私は考えています。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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