外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2015年08月

女性が輝く社会4

29日の首相動静を見ていたところ、思わぬ人の名前を見つけてしまいました。「10時30分 グランドプリンスホテル高輪でシェリー・ブレア元英首相夫人。続いてブラジルの企業家の青木智栄子さんらと写真撮影」。 この後、開催された「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」にはIMFのラガルドさんを始め、世界から著名な女性リーダーが集まった中で安倍首相もスピーチされ、女性の社会躍進の後押しをされていますがそれに関連しているのでしょう。

さて、この青木智栄子さんは私が秘書時代に仕えた会長(当時)の奥様であり、また、ホテル部門の社長として指揮を執っていた方であります。ゼネコンの複雑怪奇な世界でビジネスを推進する会長に対して奥様が進めるホスピタリティ部門はある意味、水と油のようなものであります。出張だらけの当時、会長の出張には奥さまが同行されることが多く、秘書共々ある意味、家族のようなおつきあいでありました。夫人は高杉良氏の小説「ザ ゼネコン」のモデルの一人でもあります。

思い出すのは長期出張で思いがけず、正月をブラジルのサンパウロで過ごすことになり、大晦日にご夫妻とブラジル式パーティで盛り上がり、翌正月に三人でおせち料理を食べたことでしょうか?その会長も数年前にお亡くなりになり、持つものも持たず、日本に飛んだ際、会長のご自宅で夫人に久しぶりに再会しましたが、小さい体なのに昔のバイタリティいっぱいであり嬉しく思いました。

智栄子さんはブラジルではブルーツリーの名でホテルマネージメントを行っており、同国では代表的女性経営者として常に名が挙がってきます。気遣いについては格別の印象があります。その昔、ロスに出張に行った際、お休みの日曜日に会長から「うちのワイフと一日付き合ってやってくれ」と言われ、朝っぱらから二人でお出かけすることに。「あなたの好きなところに行くわ」と言われ、どぎまぎしながらサンタモニカでランチ。昼食後、「今度は私に付き合って」と言われ、ヤオハンで巨大なカート二杯分の雑貨をご購入され、正にマンガに出てくるような荷物持ちの男と化しておりました。「どうされるのですか、こんなに?」と聞けば「ブラジルにはこんな安くて良いものはないのよ。」とせっせとホテルの調度品らしきものを揃えていらっしゃったのです。

Aeraの14年7月14日号、「現代の肖像」に智栄子氏の5ページに渡る特集が出ており、その後、記事のライターである田崎健太氏にお会いしました。彼も智栄子さんの生きざまに深く感じるところがあり、何やら次のプロジェクトをお考えになっているところがあるようです。それぐらいテイストがある方です。

北米にいると女性が普通に社会生活の中で男性と同等になっているのが当たり前ですので、今さら「女性が輝く」という冠のついたシンポジウムには違和感すらあるのですが、これは国によってその「開放度」はまるで違います。日本はまだまだなのでしょうね。

そういえば今年の2月、経団連で女性初の役員選出が話題になりました。BTジャパンの吉田晴乃さんです。彼女も実は私は知っているのですが、カナダ バンクーバーの通信会社でものすごい活躍をしていた方です。ずいぶん時間を経て、しっかりした地位を築かれているのをみて嬉しく思うのは青木智栄子さんにしろ、吉田晴乃さんにしろ、決して足を止めなかったという点が共通しています。パッションが24時間365日続いているような方です。そしてぶれないのです。だから一つの世界をきっちり極めていらっしゃるように感じます。

女性は時として輝きを衣服や装飾品に代替させようとします。でも中身がなければその輝きも鈍ります。逆に中身が輝いている人は何を着ても素敵に見えるものです。私から見る女性の輝きとはそういうものです。そして男性はそのあたりをしっかり見ているものです。

社会が女性の活躍を後押しする風潮に甘えるのではなく、女性が自分への厳しさを認識し、鍛えぬくことも忘れてはいけないのでしょう。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

エキストリームな事件が多いのはなぜだろうか?4

世の東西を問わず、想定外の事件が多くなってきたような気がします。寝屋川の中学生殺人事件もそうですし、アメリカで起きたレポーターとカメラマンを生放送中に拳銃で撃ち殺す、はたまた、JRのケーブルが燃える事件もどうやら放火の可能性が高いと報じられています。

以前、最近、奇妙な殺人事件が多いということを書いたところ、統計的にはずっと減っていると指摘いただきました。事実その通りで1955年が2119人で最多、その後、グラフで見ても確実に減っており、2014年で357件であります。特段、傾向で大きな特徴的変化があったわけでもありません。敢えて言うなら平成16年を境に身内に対する怨恨絡みの事件が第三者の面識者よりも増えたぐらいでしょうか。統計をどう見ても明白な傾向は見出せません。

多分、我々に強い印象を与えるのはその事件の特異性にあるのかもしれません。寝屋川の事件にしても容疑者は犯行がばれないようなかなり周到な準備をしています。警察はわずかな手掛かりと近代捜査の手法でいつかは決定的な証拠を見つけるのでしょう。犯人の心理も必ず変化するものです。

そういえばマウントゴックスのマルク カルプレイスCEOを逮捕したのも警察の威信をかけたものでした。相当苦労してその証拠を掴んだ実績は大いに評価されるのですがあれはアメリカからプレッシャーがあって警視庁としては絶対に抑えなくてはいけない事件でした。

世の中に推理小説が氾濫し、手口が近代化していく中で事件犯の行動がよりエキストリームになっていることが一つあるのでしょう。パソコン遠隔操作事件もほぼ完ぺきな手口でしたが犯人の不必要なピンクの首輪をつけた猫が決め手となりました。

また、非常に短絡的な事件が増えてきている点も特徴的ではないでしょうか?昔の恨みつらみといった長いストーリーが背後にあるわけではなく、単に殺した、殺してみたかった、という事件も増えています。これでは小説のネタにもなりません。

短絡性については私は世の中の仕組みがそうさせている気がします。深く考えずに物事が全て進んでいく中で人間の本来持ち合わせている思考、道徳心、良心、善悪といった部分が抜け落ちてきている気がします。我慢も出来ず、欲しいから、そうしたいから、という幼児心理に近いものに逆行しているのではないでしょうか?今後、AI(人工知能)が我々の社会に登場すれば人間の退化は一層進むのかもしれません。となれば、ある意味、人間社会の悲劇で、もはや、文学など生まれなくなりそうです。

そういえば山口組が分裂したとのこと。これも昔ならあまりなかった気がします。一種のヒエラルキーの世界を具現化したのが暴力団であります。日本の暴力団は海外のマフィアと違い、仁義のベースに成り立っていました。それが変化したのは警察の取り締まりの強化と共に海外の悪者が跋扈してきた点が挙げられます。新宿あたりの地回りさんは外国人という話も聞いたことがあります。

結局、暴力団の組織が弱体化したためにヒエラルキーが崩れ、抗争が生まれる素地を作ったのかもしれません。もっとも弱体化したもう一つの理由はマイナンバー制度にあり、などという声も聞こえてきます。ヤクザも非日本人が主流となっており、時代を映し出したものと言えそうです。

世の中の変化が激しく、便利になる一方で目に見えないひずみが生じていると考えています。答えがすぐに出る、その短絡性が人の行動そのものを変えてきているのかもしれません。ある意味、恐ろしい世の中になりつつあるのでしょうね。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

今週のつぶやき4

メディアが世界の金融市場の動きをこれほど追いかけるのもリーマンショック以来かもしれません。実は中国発のこの騒動もユダヤの7年サイクル説でみると見事に当たるのです。

ユダヤは7が一つのサイクルと考えています。これは天地創造の期間が7日だったことが由来で、一週間が7日であることも一つあります。その発想には安息日も含まれており、最後の1つは休まなくてないけない、ということになっています。農業の耕作も7年目は休耕です。つまり相場については最後の1年はお休みということであります。そしてユダヤ歴2014年(2014年9月25日から始まり2015年9月13日まで)は安息年となっています。

ちなみにこの7年周期説を振り返ると
2015年 中国株式暴落
2008年 リーマンショック
2001年 ITバブル崩壊 (911もありました。)
1994年 メキシコの通貨危機
1987年 ブラックマンデー

もう少し詳しく見るとそれら大きな事件はみな9月に起きているのです。何故9月かというとユダヤ暦の一年が9月ごろから始まり(年により違います)、エルルの29日(=大晦日)にかけて事件が起きるということになっているのです。

こういうものを知ってしまうとどうしてもそれが頭から離れないのですが、バイオリズムや12年、13年の周期説など一定のサイクルというのは割とあるものであり、一応、頭には入れておきたいことであります。

その中国。国の威信をかけて、株式市場を支えるとされています。その準備された投入予定資金は48兆円規模。ではどこから出てきた資金なのか、でありますが、少なくとも一部はアメリカ国債を売却したものであるようです。既に直接売却とベルギーなどに置いた匿名口座両方で売却を進め、未確認情報としてこの2週間程度で10数兆円規模となっているようです。この資金は為替操作のため(元切り下げ)が主とされますが、その使途はある程度流動的ではないでしょうか?

株式市場については9月3日の抗戦勝利記念行事にむけ、市場を安定化させるとしています。仮にそうであるとすれば1週間程度は市場は安泰になる可能性があり、その間に中国のみならず、アメリカの利上げの可能性の見込みも含め、新展開が予想されます。ですが、仮にユダヤの占いを信じるなら9月4日から13日がキーとなるのでしょうか?ちなみに2001年も2008年もエルルの29日にNY株式市場はそれぞれ684ドル、777ドルの大暴落を演じています。ただ、もはやここまでくると違う世界の話になるので止めます。

目を転じましょう。日本生命が三井生命を買収することになりました。損害保険業界のアメリカを中心とする買収攻勢もすごいと思いましたが、生命保険業界も熾烈なトップ争い、シェア争いが見て取れます。生保も株式市場が回復し、前向きで責めの経営が出来るようになったということなのでしょう。ですが、人口減が見込まれ、高齢化社会となる日本に於いて生命保険業界は当然ながら先が萎んでいく衰退業種となります。それを考えればもう少し業界再編があってもよいと思います。せいぜい数社程度ではないでしょうか?アメリカからの格安保険の攻勢もすごいですから生保業界は必死にならねばならないでしょう。

同じことは石油にも言えそうです。出光と昭和シェルの統合は苦境の石油元売り業界の再編でもあります。こちらもJXと出光/昭和シェルの二強に対して残る東燃ゼネラルとコスモがどう切り出すのか、ここにかかっています。こう見ると日本の業界もあちらこちらで寡占がじわっと進んできていることが言えるでしょう。(ちなみに統合発表の時の出光の月岡社長の顔の冴えないこと、シェルに主導権を取られて悔しかったのでしょう。)

戦後、お互いが譲らずのサル山の大将だったビジネスモデルは確実に競争力という名の下で連合体を作り上げてきました。ましてや人口が影響する業界、国内から出にくい業界は特にその傾向が強まるということでしょう。次のターゲットは間違いなく地銀のはずです。新聞業界もそろそろ再編があってもよいかもしれません。その場合は高級紙とすべくナショナルペーパーが一つか二つ、巨大なローカル新聞が数紙、それに経済専門紙の区分ではないでしょうか?中日/東京新聞(合わせて350万部)は知られざる世界に名だたるローカルペーパーだと思います。

最後にアメリカ経済を一言だけ。4-6月のGDP改訂値は3.7%増と速報値の2.3%から大幅増となりました。アメリカ経済の足取りはしっかりしていることを裏付けています。9月の利上げ決定をするFOMCは9月16-17日です。そしてそれはエルルの29日である9月13日を過ぎた後の決定となります。

個人的には奇妙なぐらい興味をそそる9月上旬となりそうです。一応、何があっても驚かない心構えだけはしておくつもりです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

ドナルド トランプ氏 放言の影響度4

ドナルド トランプ氏が金正恩氏を「彼は『頭がおかしい』か、そうでなければ『天才』だ」と述べたそうですが、同じ言葉はトランプ氏にも返したいと思う人もいるでしょう。多分、トランプ氏は天才の可能性が高いのですが。

これだけ好き放題、言いたい放題の著名人も久しぶりなのですが、そのトランプ氏にアメリカの視線がこれほどまでに集まるのは彼の次の発言にどんな爆弾があるのか、聞いてみたいという単なるゴールデンアワーのお茶の間劇場か、言い続けることによってアメリカ人のマインドに少しずつ影響を及ぼす悪い薬なのか、ここが最大の焦点であります。

今の時点で彼が大統領になることはないと誰もが信じています。しかし、ジェブ ブッシュはつまんない、という声があちらこちらから聞こえてくるのも確かですし、ヒラリー クリントンもメール事件から始まり、共和党の最大の攻撃武器であるベンガジ領事館事件(ヒラリーが国務長官時代の2012年にベンガジでアメリカの大使他4名が殺された事件の責任問題)まで叩けばホコリの山ですので今の時点で誰が本命かさっぱりわからないのであります。

今後もトランプ氏は吠え続けるのでしょうが、そのポイントは過激ながらもアメリカ人がそれなりに気にしていたことばかりであります。例えば韓国を守る米軍の意味はない、と斬っていますが、その理由が見返りがない、であります。韓国側はもちろん反発していますが、ビジネスマンが大所高所に立ってみればそのように見えるのでしょう。同様のことは日本に対しても発言しています。

トランプ氏の気持を勝手に推測するならば「今や、共産主義なんて拡大の余地はなく、既に終わった思想なのにそんなものの為に多数のアメリカ兵をなぜ投入しなければならないだ、仮に今、共産主義が再び跋扈してきてもそんなもの、俺様のビジネスディールでイチコロにしてやる」ぐらいのものなのでしょう。

オバマ大統領の肝いり政策であるオバマケアも「俺が大統領になったらすぐ止める」とし、「俺にはもっとすごい案がある」と言っています。具体的にはその内容は明かしていませんし、本当に案があるのか知りませんが、全米の保険制度という仕組みそのものをなくしてしまう発想の大転換はあり得ると思います。

トランプ氏に皆、釘づけなのは彼の着想があまりにも斬新であり、アメリカのストレス発散以外の何ものでもないのであります。

80年代前半、フォード社長から瀕死のクライスラー社長となったリー アイアコッカ氏は当時のレーガン大統領からの要請もあり、大統領選出馬のうわさがありました。国民から圧倒的な期待を集めたその理由は国民が誰を信じて良いか不信に陥っている中、アイアコッカ氏が語り掛け、信じさせ、実行したからである(「アイアコッカ」より)とされます。(彼は出馬しませんでした。)それを現代に当てはめればトランプ氏の人気を作ったのは民主、共和の政治そのものであると言えるのです。

私としてはこのユニークなキャラクターは生かしたまま、氏が第三極として出馬したらよいと思っています。大統領になると共和党だろうが民主党だろうが議員を辞めて大統領に就任します。オバマ大統領も民主党議員ではありません。ですからトランプ氏が第三極として大統領になる可能性は全く持って何の不都合もありません。

但し、困るのは民主党も共和党もそっぽを向くかもしれない点であります。そうなれば大統領就任早々レームダックが4年続くようなもので国民は議会を選ぶのか、国民が支持した大統領を選ぶのか、で大きな議論を巻き起こすでしょう。しかし、今のアメリカにはそれぐらいのショック療法が必要かもしれません。

長年見続けてきたアメリカは明らかに老化現象が見られます。それはかつてのよき時代のアメリカを知り過ぎ、浸り過ぎ、懐古しすぎているからです。今やその時代ではないということをすべてのアメリカ人が悟るには衝撃的な国家を二分するぐらいの大論争を繰り広げるべきなのです。

ところで私はアメリカを舞台にこの話を展開していますが、同じことは日本にも言えます。有権者の多数を占める高齢者を守るばかりの変れない政策を続けず、東大卒の官僚が幅を利かせるばかりではなく、論争が出来ず事前の想定問答集通りの国会答弁ではない新しい国家を築く刺激が必要なのです。

そういう点からは私はドナルド トランプ氏の放言はもう少し聞いてみたいと思っています。そして、アメリカ国民がこれをベースにどんな刺激を受け、共和党がどういう対策を取るか見たいと思っています。仮に「常識外れの論外な男」として葬り去る姿勢ならばむしろ、共和党が葬り去られなくてはいけないでしょう。それこそ二大政党時代の終焉であります。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

市場心理のぐらつき4

人の心理はいつも現状より先を反映しやすいものかもしれません。調子が良い時(ブル)はこのままいけば俺は億万長者だ、事業は大成功だ、欲しかった家も車も買えるというかなり先のロードマップを想像します。宝くじを買うときも当たった時のことを想像して買う人が多いでしょう。同じことです。

一方、弱気(ベア)になると更にその先の悪いことを考えてしまいます。このままでは赤字だ、倒産だ、クビになる…であります。これを株式市場に当てはめると損した、信用の決済ができない、追証だ、強制売買だという形になります。しかも追証は2営業日しか時間を与えてもらえません。その間に現金を含む担保差し入れをしないと強制終了になります。

信用を膨らませている人にはこれが一番怖いのであります。今回の株式暴落で恐ろしい思いをしたのは一般投資家でしょう。日経平均の日足チャートの目盛りが10円単位ではなく100円単位で乱高下するそのシーンは長年株式市場とお付き合いさせている私もあまり記憶がありません。証券会社には追証の問い合わせが殺到したとのことです。中国からは損失の金額が大きくなるほど飛び降りる建物の高さが上がるといった嘘か本当か分からない話も聞こえてきます。

その中国、ついには「僕だけが悪いんじゃないもん、アメリカが利上げするといったからじゃん」と完全開き直り態度を取りました。挙句の果てに「アメリカも欧州も日本も努力足りないんじゃないの」と責任転嫁状態であります。正に中国の素顔そのものであります。逆に万策尽きたともいえます。

利下げしても株価は下がる、こんなことは今までは普通ではありませんでした。しかし、心理とは正に地の底まで悪くなると思ってしまうところに問題があります。中国の一般投資家は株価がマイナスになるとでも思っているのでしょうか?株は所詮、有限責任です。損も有限です。レバレッジを含めた投資総額以上の損はありません。勿論、命は取りません。

私が見る中国の失速には二つのキーがあると思います。一つは13億の人口を成長の糧に転換できていないこと、もう一つは習近平国家主席の厳しい腐敗取り締まりであります。

まず人口ですが都市居住者と農村居住者はざっくり半々です。ところが戸籍で見ると依然農民工が3分の2を占めます。つまり中国は経済のエンジンとしての人口についてその潜在能力を十分に生かし切れていません。

二点目の腐敗取り締まりですが、中国には共産党委員が約8700万人います。その人たちが何らかの袖の下で蓄財、散財していたものを止めたわけです。もちろん、正しい政策ではあるのですが、経済には当然厳しい影響が出るのは分かり切っています。まさに需給ギャップの問題だと思いますが、外資もこぞって中国という夢を追ったのはかつてのカリフォルニアのゴールドラッシュと同じようなものなのかもしれません。

そこまで考えれば中国がどこまで悪いのか、というより中国は調整に時間を要し当面、回復しないから諦めて他の成長エンジンを探すというポジティブ思考に転換するしかないと思います。中国とは縁もゆかりも全くない企業の株までとことん売りたたかれる理由は基本的にはなく、単にお付き合いをさせられている、という割り切り感を投資家は持つべきでしょう。

驚いたのはアメリカでQE4の声が出てきたことです。甘い汁を一度吸うと忘れられない、とはこのことでしょう。私はもう20年近くずっと言い続けていることがあります。「金利は下げたら上げにくい」と。それは緩い下り坂を走り続けているとちょっとした上り坂も息絶え絶えになるのと同じです。ですが、これ以上下げてはいけません。下げると体力低下を意味するともいえるのです。高い金利を払ってでも事業を推進出来る成長性がないということです。経済の老化の一種であるともいえましょう。

今回の乱高下は一旦は収まってくるとは思います。いや、そうでないと困ります。先進国でも対策を打ち出す可能性があります。少なくとも中国への過剰期待に対して大いなる反省とすべきでしょうか。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

苦境ロシアの行方4

中国の話題に目を奪われてロシアの話題は目立たなくなってしまいました。メドベージェフ首相が北方領土に二度目の訪問をした際にも「厳重なる抗議をした」というごくありきたりの記事で終わっています。今だ、安倍首相はプーチン大統領との会談、そして、北方領土問題を含む平和条約締結に向けての議論のチャンスを探っていますが、そのタイミングは微妙な舵取りを求められそうです。

挙句の果てにロゴジン副首相の「ハラキリしておとなしくしていろ」に対して菅官房長官が「コメントする気もない」と大人の態度を取っていますが、こんなのは明白な態度を示さないとダメでしょう。大使の一時引き上げぐらいの強気な姿勢を見せないといけません。

ロシアの経済状況は悪化の一途でGDPは第2四半期がマイナス4.6%で2四半期連続のマイナスですので景気後退期に入っています。資源の需要減、価格の下落が続いていることから第3四半期も全く期待できず、苦しい経済運営が続きます。そんな中、ロシア産原油だけは増産に次ぐ増産で現在1日当たり1000万バーレルを超え、ロシア時代になってからは最高水準、また、アメリカの産出量も凌ぎ、世界1位となっています。

原油価格が下がってもルーブルも下がっているので吸収できる余地があるのと今や原油を売らないと同国の経済が支えられないということでもあるのでしょう。

そのロシア、欧米からの経済制裁で自由度が効かない中、経済の西方政策、東方政策がうまく進んでいません。

まず、西側ですが、これはガスパイプライン敷設問題であります。現在、全てのガスパイプラインはドイツに繋がっています。経由地はウクライナなどいろいろありますが、全てのガスはドイツに通じる、という点はあまり指摘されていない点です。それほどドイツとロシアの関係は緊密であるともいえます。

逆にそれゆえに発生したのがウクライナの問題であります。ロシアは以前よりドイツの影響を軽微にするべく、サウスストリームという黒海からブルガリア経由で南欧に供給するガスパイプラインを計画していました。ところがこれはコストや欧州との調整問題で昨年末頓挫。代わりにトルコ経由でトルコルートの開拓をしているのですが、これもなかなか進みません。

では東側政策。中国との長期的なガス供給契約を結んだものの工事が進みません。そして常に政治に踊らされるのがガスプロムというロシアの世界最大のガス会社。メドベージェフ首相も元々はガスプロムの取締役会議長であったことからも推測できるようにロシア政府とは一心同体の会社であります。そのメドベージェフ首相はクリミアから択捉へと飛びまわり国内経済問題の立て直しに躍起になっています。

プーチン大統領としては現在の経済情勢、世界情勢から下手な動きはしない方がよいと考えている節があり、動向が読みにくい状態にあります。

読み方の一つとして中国とロシアの関係は安定、且つ、成長的なものになるのかどうか、であります。両国間関係の歴史を紐解くと決して蜜月ではなく、むしろ厳しい関係を経てきたという印象があります。特に1960年から80年にかけては最悪とされ、69年にはダマンスキー島の武力衝突も起きています。

中国は58-60年に大躍進政策ををとり、その後の文化大革命に続くいわゆる毛沢東時代でありました。今の習近平国家主席が毛沢東政策に似ている部分があるとされるならばロシアとしてはやりにくさはあるはずでプーチン大統領は習国家主席に胸襟を開いているとは思えません。つまり、両国間はひょんなことでその関係が右にも左にも変わる可能性を示しています。

特に中華思想とロシア帝国主義思想が合致するはずはなく、ロシアは東方政策に於いては「敵の敵は味方」の発想から日本を無視できない筈なのです。が、いまのロシアは外交的に敵だらけであまりにも形勢不利、だからこそ、今、ロシア国内の体制固めを行い、仮に世界で不和が起きたらそれに乗じるというチャンスを狙っているように見えます。

安倍首相が狙うプーチン大統領との会談は今急いでやっても実が少ないでしょう。但し、ウクライナ問題が勃発するまであれだけ両者は会談を重ね、関係を作り上げているだけに社交としてつきあうぐらいの肩の力を抜いたものにした方がよいと思います。プーチン大統領とのつなぎ役は今までエリツィンとの関係からロシア外交のリーダーである森元首相がやってきたのですが、森さんから安倍さんに「世代交代」でバトンタッチしながらも政治家同士の関係強化はプラスだと思います。

北方領土問題議論は今ではない気がします。ロシアが本当に日本に助けを求めなくてはいけない時がいつかは来るでしょう。その時まで待つべきです。但し、残念ながら地球が逆立ちしても4島返還はまずなく、あっても2島までです。勿論、日本は主張し続けるべきですが。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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北朝鮮は孤立無援と化すのか?4

金正恩氏は韓国側の拡声機放送へ異常な反応を示しました。思えば昨年暮れにソニーピクチャーズのコメディ「ザ インタビュー」が公開されるにあたり、金氏はやはり、過剰反応を示しました。もちろん、個人を嘲笑するような話はプライドが許さないのは当然であり、若い金氏にとっては耐え難い屈辱なのだろうと思います。

拡声機放送は2004年6月に南北の合意のもと、中断していましたが非武装地帯の地雷で韓国側で二人の負傷者が出たことで韓国側が一方的に報復の如く、再開したものであります。この放送設備は2004年当時と比べ移動型になっているうえ、デジタル方式等性能が向上しており、音は国境付近から20キロ前後は届くとされ、一部北朝鮮の住民にも影響を与えることになります。

金氏が同国の統治に於いて外からの情報をコントロールすることでその地位を保っている以上、外からの情報が入りやすくなることはそれこそ、ソニーの映画のように金氏を誹謗中傷するようなメッセージを送ることも可能となり、影響力の行使の点に於いて絶対に許せない事態であったのでしょう。

但し、数日前のブログで書きましたようにそれが起因で南北間の戦争勃発となるならばそれはあまりにも短絡的であり、世間一般には到底理解できない事態となるところでした。

板門店では両国の代表者が延40時間以上を費やして交渉し、ようやく6項目の合意となったようで最悪の状態からは脱した感があります。この代表者交渉は朴大統領と金正恩最高指導者同士の「間接的な直接交渉」でありましたが、地雷爆発については北朝鮮が「遺憾」、拡声機放送については韓国が「中断」という妥協で折り合いがつきました。

では、北朝鮮は最悪の場合、本気で戦争を仕掛けるつもりだったのでしょうか?私は金氏は首根っこを掴まれて出来ない状態にあったとみています。それは中国側の動きであります。中国は北朝鮮の国境近くに22,23日頃、対戦車自走砲などを終結させていたとされ、北朝鮮は完全包囲状態となっていた可能性があります。

金正恩氏は中国の軍事パレードに欠席するとされています。習近平国家主席との折角の初会合のチャンスを逃すのみならず、中国との和解すら出来ない状態となり、習近平氏の怒りを買っているのではないかと感じます。朴大統領は軍事パレードには出席の意向(軍のデモンストレーション参加はまだ未定)とされており、韓半島の現時点での対中国関係をみれば韓国の方が有利な展開となっています。

では、ここまで追いつめられた金正恩氏はもういい加減に降参しないのか、といえばもっと追い詰められても無理な気がします。それは国際社会が金正恩氏に極めて厳しい判断を下すのが目に見えているから、とも言えその結果、独裁者がその席を降りることとは死を意味するからではないでしょうか?北アフリカの春やイラクで何が起きたか、金氏は当然分かっているはずです。

織田信長の本能寺の変には様々なストーリーがありますが、首が見つからないのは信長にとって最大のプライドではないでしょうか?つまり、独裁者は祭り上げられることを最も恐れているものであり、高い頂点に立てばたつほどその恐怖心と紙一重なのであります。

今ごろ、金正恩氏は独自の解釈をもとに美酒に浸っているはずです。

しかし、北朝鮮を取り巻く環境は金第三世代になって大きく変わろうとしています。国際世論は金氏を全く理解できなくなり、大事な中国という隣人とも疎遠になり、コミュニケーションよりロケットを好む奇人として評されています。

そのボイスに耳を傾けることもない彼の独裁政策はある意味、中国の現在の政策とも似ているともいえますが、若い彼が一人で振り回すほどそう簡単に国家は支配できないということにそろそろ気がついてもらいたいものであります。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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