外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2015年11月

勝負のステージを上げよ4

私の知り合いに「非常に成功した」方があちらこちらにいらっしゃるのですが、その成功者にも二通りあり、一回の成功で満足して息を抜いてしまうタイプと継続してチャレンジをするタイプの方がいらっしゃいます。どちらが良いとは実は一言では言えません。なぜなら次のステージにチャレンジしたら前回の成功分を全部失くしてしまった方もいらっしゃるからです。しかし、勝負のステージは「上に上がってなんぼの世界」で洋の東西を問わないと思います。

野球選手やサッカー選手が欧米のチームに参加するのはなぜでしょうか?国内リーグで一定の評価や達成が出来た時、もっと挑戦したいという気持ちがあるからでしょう。その点、国際派の選手がなかなか育たなかったのがゴルフだと思います。ゴルフブームは80年代半ばから顕著になりました。その間、ゴルフの賞金がどんどん上がり、国内選手はその獲得賞金の大きさで称賛され話題になりました。その中でも特に有名だったジャンボ尾崎は国内では連戦連勝でしたが海外ではダメでした。実力の問題はともかく、彼は身内でやっていた不動産事業が傾き、その借金返済に尾崎氏の賞金が担保の様になっていたためとされます。こんな話はスポーツだけに限らず芸能界でもよく聞く話で「歌い続けないと借金が返済できない」某演歌歌手もいました。素養があるのに別の理由でステージを変えられないのです。

では、一般の方が起業するのはどうでしょうか?サラリーマンが独立して起業できない最大の理由は「毎月貰う決まった金額のお給与」があるからです。特にご結婚された方が急に独立などというと奥様から罵声を浴びせられるのがオチでしょう。女性は安定感とブランドが大好きですから今の会社の名刺や肩書を失くして独立してどこの馬の骨か分からなくなるよりずっと幸せなのでしょう。

編集長が代わってすっかり内容が変わった日経ビジネス。(東芝への徹底追及の姿勢は週刊文春なみの迫力があると思います。)その記事でへぇ、と思わせたのが「(イーロン)マスクが認めた若き改革者」というものです。マスクとは電気自動車のテスラの創業者ですが、そのマスク氏が新入りで弱冠26歳の日系アメリカ人、上田北斗君を新工場のローンチマネージャーに指名し、4か月でそれを完成させるよう指示したというのです。新入り故の怖いもの知らずで様々なハードルを乗り越えて達成したという美談です。彼はその功績で同社の工場の立ち上げを次々任され「マスクの右腕」となるそうですが、在任5年の今年、惜しまれて退職します。

理由はもっとやりたいことが出来たから、というものでドライブモードというベンチャーを仲間と立ち上げ、テスラ以上のインパクトあるものをやると意気込んでいるそうです。この小説の題材にもなりそうな若者はテスラの創業者から圧倒的信頼を得、社内でも一目置かれる存在であったのでしょう。しかし、それに甘えることなく、自分の次のステージを目指し、パシッとその気持ちの切り替えができたのが素晴らしいことだと思います。

挑戦は誰でも出来るのですが、その一歩が踏み出せない理由は組織の中に埋没してしまうからでしょう。特に「ダメ」のレッテルを貼られると浮き上がるどころか逆に追い出されてしまいます。人は迎合しやすく、一旦ある部分に注目すると他の部分が見えなくり、一方的な評価を下しやすくなります。ですが、人間、どんな人も必ず特技や人より秀でた何かを持っています。そこを見出し、磨きをかければ逆境の人生に光が差すことも大いにあり得ます。

日本がなぜ、最近競合に負けるのか、という話がありますが、私はハングリーさの欠如なのだろうと思います。多くの新興国の人たちは本当に夢のようなことに真剣に取り組んでいます。そのパッションは中途半端に成熟した日本ではもはやなかなか見られないかもしれません。こんなことではダメだと思う日本人がもっと増え、挑戦する意気込みを見せないと人生、つまらないと思います。「波乱万丈」って本当に聞かなくなった言葉の一つのような気がします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ハンバーガーの市場と嗜好の変化4

北米ではハンバーガーはなくてはならないフードアイテムの一つです。チェーンレストランやバーはもとよりフレンチビストロでさえもランチタイムとなればハンバーガーのメニューは欠かせません。どんな専門店にも必ず「それがダメ」という客が来ます。例えばシーフードレストランにシーフードが食べられない人、ステーキハウスでビーフが嫌な人などであります。それはフードアレルギーもあるでしょうし、好き嫌いもあるでしょう。ベジタリアンもいろいろなレベルがあると言われています。そんな中でハンバーガーのアイテムは万人向けであると共に、メニューにぴんと来なかった時のお助けアイテムであり、どのレストランもかなり力を入れているメニューであります。

北米のレストランなら価格は大体円建てで千数百円プラス税とチップでしょうか?先日行ったレストランではほぼ2000円ぐらいの値段がついていました。これら価格の高いハンバーガーをグルメバーガーとも称したりしてマクドナルドなどの価格勝負の一般ハンバーガーとは明白な差別化を図っています。

日本でアメリカのハンバーガーのチェーン、シェイクシャックがオープンして話題になっていましたが、あのようなハンバーガーレストランは北米にはいくらでもあり、個別のレストランまで考えればハンバーガーのチョイスは星の数ほどある、ということになります。

それらグルメバーガーの特徴はまず、肉へのこだわり、焼き方のこだわり、ハンバーガーソースへのこだわり、バンズへのこだわり、見栄えやボリューム感などなかなか工夫を凝らしています。たかがハンバーガー、されどハンバーガーとも言えます。実は私はバーでビールを飲みながらこだわりハンバーガーを食べるのがかなり好きであちらこちらで食べ歩いております。そのため、いわゆる街角の一般のチェーンハンバーガー店には全く入る気が起きないのです。burger

高いから当たり前だろう、と言われればそうなのですが、ペラペラのウォーマーで温めたようなハンバーガーのパテやどこで作ったかわからないようなエッグマフィンをみると隔世の感すらするのです。それらは80年代のファーストフードから進歩がないのであります。

日経MJに「新興バーガー、王者の隙突く」と題して北米初の新しいハンバーガースタイルが人気になっていることを伝えています。個人的にはモスバーガーを更に進化させたもの、と考えてよいかと思います。北米ではこのグルメバーガーはもう何十年もごく普通にあったのですが、日本がデフレ時代を経験したためにブームになるのが遅れていたとみてよいのではないでしょうか?

実は私は食が変わるかもしれないもう一つのエリアはセントラルキッチンにある気がします。チェーン店などは規模の追求と品質の安定感を求めて積極的に取り入れてきたコンセプトだと思いますが、廃れそうな感じがします。理由は顧客の品質に対する上昇志向やオープンキッチン化の流れに対応できないからであります。

その店で一生懸命ゼロから作ったものが好まれる時代は何時の時代でもあります。うどんやそばはそこで打っているからおいしそうに見えます。天ぷらはそこで揚げたてを食べるのがおいしいのです。こう考えるとセントラルキッチンから持ってくる店でメニューだけがたいそう立派だけどよく見れば組み合わせだけの問題という店は今後、厳しくなる気がします。

ラーメン店でもどこでスープを作っているか、これがプロの目利きだと聞きました。寸胴使っていてもどこかから持ってきたスープを温めているだけなのかそこで作っているのか、このあたりの厳しい目が日本の食を変えるかもしれません。

時代の趨勢というのは恐ろしいものでそれまでの常識が突然非常識になったりします。ビジネスの怖さはこのあたりにもあると言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

液晶の次は液晶ではなかった?4

「液晶の次も液晶」とは経済語録集になりそうな響きですが、記憶が正しければシャープの経営が苦境に陥り始めたころ、液晶への一本足打法にこだわる同社が液晶事業への経営資源の継続投下姿勢を経営トップが述べたものだったと理解しています。

当時、世論では有機ELが液晶の次と騒がれ、事実、ソニーなどが小型の有機ELを開発して販売したものの技術が十分成熟せず、商用展開も目途が立たず、日本勢は半ば葬り去っていた技術であります。日経ですら、2013年2月には液晶技術の更なる深化で「液晶の次も液晶」という記事が出ています。当時、有機ELを本気で頑張っていたのは韓国のLGで同社だけが大型のテレビまで商用化にこぎつけています。先日、日本の大手家電販売店に行った際、湾曲した大型画面の有機ELの同社製テレビが鎮座しておりました。

確かに有機ELはまだまだ開発段階でいくつかの弱点があるとされています。寿命が短い(現在は数年とされます)はその一つのようで、事実、大型家電販売店で販売していた有機ELのテレビは画像が美しいと称されるのにスイッチがついていませんでした。画質が痛むから惜しんだのか、良すぎて液晶と差が出過ぎてしまうのか勝手な推測をしてしまいそうです。

ところが世の中にはある風が吹くと突然その方向が変わることがあります。

今週、アップル社がiPhoneに有機ELを搭載したスマホを開発すると発表したことで多分、この業界では大騒ぎになっていることかと思います。アップル社の意図はスマホのデザインにカーブを付けるなどの斬新さを打ち出せることがあったからだと思います。また、生産数は十分に確保できないため、韓国のLGも追加投資で大型工場を建設することを今週急きょ決めました。アップルの戦略はその生産量が少ない故にライバルのサムスンをはじめとするスマホメーカーに有機ELの供給が実質出来ない状態にしてアップル社がデザインの独占をすることではないかと考えています。

これに慌てているのが日本側であります。ジャパンディスプレーは研究は継続していたようですので2018年頃を目途に商用化とアップル社への販売を目論むと報道されています。「液晶の次も液晶」のシャープも対応を迫られているようです。

この一連の流れをみていると市場を決めるのは最終財を販売する企業であり、その企業がデファクトスタンダードを形成すれば圧倒的強みを利用してゲームチェンジャーになるということでしょう。仮に日本側が数年のうちに有機ELの商用化と妥当な価格での販売が実現できるようになったとすればこの5年ぐらいの足踏みは何だったのか、ということになります。

言い換えれば研究する側からすれば液晶の深堀に市場はある、と判断し、究極の選択をしたもののアップル社というとてつもなく大きな影響を与える会社のたった一つの決定が世の動きをひっくり返した、ともいえます。

これをもう少し大所高所的に見ればジャパンスタンダード、要はガラパゴスはリスクと背中合わせとも言えましょう。個人的には日本の技術の突き詰めるスタンスは非常に重要で今後も継続せねばならないと信じておりますが、マーケティングが弱いことを如実に表しているような気がします。技術者に何を開発してもらわねばならないのか、その目標が不明瞭で各社が五月雨式に次々と新しい技術を発表し、結果として多くの優れた技術がお蔵入りしている点ではないでしょうか?

先日、日経ビジネスに長く売れる商品の特集があったのですが、多くの企業は年間に何百という商品を世に送り出し、その大半は短命で終わっているという事実に接した時、もう少し効率的な開発方法はないものかと改めて考えさせられました。まるでやみくもに売りまくり、そのうち何%でも当たればOK,ぐらいの感覚にすら感じてしまいます。

日本の研究開発とマーケティングのあり方について一考を投じた有機ELの話題でありました。

では、今日はこのぐらいで。

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また明日、お会いしましょう。

韓国に民主主義はなくなったのだろうか?4

一般的な民主義国家では一つのことを皆で議論したり討論するなかでそれぞれの意見や考え方はある程度尊重するし、ましてや捕まることはありません。残念ながら韓国には民主主義という発想が薄らいでいるようです。答えは常に一つでそれは正しかろうが、間違っていようが、異論があろうが一切関係なく、決められたこと以外は許されないのでしょうか?

韓国の世宗大学教授の朴裕河教授が出版し、アジア太平洋賞と石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞した「帝国の慰安婦」が日本軍と従軍慰安婦を「同志」という扱いで記しているため、その内容は虚偽にあたるとして在宅起訴されました。

このニュースを受けて54名の著名人が抗議声明を発しているのですが、そのメンバーが実にユニークであります。村山富市、河野洋平、大江健三郎、上野千鶴子氏らであり、いわゆる従軍慰安婦問題については反対側の立場の方々であります。抗議声明は「公権力が特定の歴史観をもとに学問や言論の自由を封圧する挙に出た」とするとともに「予断と誤解に基づいて下された」としているのです。この方々から予断と誤解という言葉が出てくること自体が滑稽でありますが、韓国に於ける言論弾圧についてこのようなボイスが日本から出てくることは切り口を新たにするという意味で歓迎であります。

韓国では10月に朴大統領が教科書の国定化を発表しました。日本の教科書は検定化で誰でも作れるが、検定でその内容を調整する方式ですが、国定化は国が定めた一つの答えだけを強制的に議論なく飲み込ませる、ということであります。わかりやすく言えばそれ以外は真実がないともいえ、一種のバイブル化であります。国定教科書は北朝鮮などごく一部の国でしか採用されておらず、韓国では1974年に国定化されたものの民主化を推進するため、2011年までに解除されていました。つまりこの4年で非民主化に逆戻りする道を大統領は選んだわけです。

これを受けてあの左巻きのNew York Timesも11月19日付の記事でこれを紹介しています。特に記事では国定教科書問題と財閥系企業の解雇緩和問題、「カカオトーク」の表現の自由問題を取り上げ、backtracking on the democratic freedoms(民主的自由化からの逆行)と指摘しています。

産経新聞の加藤元支局長に対する過剰反応も同様でしょう。記事を読んだ者として言わせてもらえればあの程度のタブロイド的内容でかつ、憶測記事であるにもかかわらず検察は裁判沙汰にし、国際世論から痛烈な批判を浴びてもなおその姿勢を改めない韓国当局の姿勢は柔軟性と思考や表現の選択を排除した思想洗礼国家と言われても仕方ないでしょう。

慰安婦問題でも韓国国内にはいろいろな考え方はあるはずです。ところが政府が統制したある方向以外の発言は国家反逆罪に処する勢いであるならば国民の自由発想は芽生えず、創造力を生まず、まさに失われた時代に突入しようとしているようにすら見えます。

朴大統領が思想統制をしたいその主たるポイントは日本の植民地支配への見解、1945年直後の国内の反政府運動の分析、朴正熙氏の評価の三つとされています。とりもなおさず、これに対する一定の政府統一見解を出さなければ国内が割れ、政治、経済の安定基盤がそがれ、ひいては朴政権に打撃を与える、という流れでしょう。保身とも言えそうです。

これは古朝鮮を含め長い朝鮮半島の歴史が喧嘩と争い、そしてその際に味方を誘い込む手法に終始してきた民族を表層的に支配するための消極的な政府対応のようにみえます。これではまるで歴史本で動乱の中をさまよう話の途中であって、韓国は一体どこに向かっていくのか、ミステリーと化してしまう気がします。

では、今日はこのぐらいで。

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規模の追求だけが企業のあり方なのだろうか?4

アメリカの製薬大手ファイザーがアイルランドの同業大手アラガンと事実上の買収による合併をするそうです。驚くべき話はその買収金額。実に19兆7000億円であります。これにより世界最大の製薬会社が誕生するということです。ちなみに2014年の日本企業の全体のM&Aは国内外合わせても13.9兆円です。このファイザーの買収がいかに巨額かお分かり頂けると思います。

ちなみに今年はこれ以外にビールのアンハイザー・ブッシュ・インベブがイギリスのSABミラーを13兆2000億円で買収しており、もはや、10兆円台の買収はびっくりしない時代になってきたのでしょうか?

いくら株式交換方式による買収とはいえ、買収に伴い様々な付随コストは当然あるわけで買収金額が高ければ高いほどそのコストも飛躍的なものなります。それらのコスト負担を可能にしたのはやはり低金利が長く続き、資金調達をしやすい環境にあったから、とも言えるのでしょう。

ところでこのファイザーの買収の一つの理由に本社をアメリカからアイルランドに移すことで節税対策を施す、とあります。アメリカ政府がそうたやすくそれを認めていればアメリカから企業が無くなってしまい、税収が入らなくなります。この買収劇はその戦いの舞台を政府や税務当局などの承認との戦いに移すことになりそうです。

ちなみにアイルランドの法人税は12.5%、対するアメリカは35%でその差は明白。この為、アイルランドを目指すアメリカ企業が後を絶ずアメリカ国内で一部、社会問題化している中でのファイザーの挑戦状でした。これでファイザー対アメリカ政府の対立構図が明白となり、しばし大きな話題を提供してくれそうです。

さて、規模の追求は資本主義の中で確かに理にかなっています。よって、同業を買収し、市場シェアを押さえるとともに自社製品をディファクトスタンダード化させ、その支配権を握ることで圧倒的な力を発揮することが出来ます。それは価格から開発能力に至るまで可能であります。

アメリカは特に熾烈な買収合戦にエネルギーを費やしてきました。ITの世界でも自分で開発するより出来上がったものを買った方が安い、という発想がしみ込んでいます。それ故、開発する側もある程度商売が立ち上がったら愛着なく売却することがごく普通に起きており、そこで巨額の資金を得た創業者はまた新たな事業を起こす、という流れが繰り返されています。

日本でも業界再編と称して合併は数多く見られます。石油販売の会社は合併を繰り返し、もはや大手3つ、そのうち、2強(JXと出光/シェル)と1弱(コスモ)の関係まで絞り込まれています。銀行は大蔵省の時代から長い時間をかけて合併を繰り返し、都市銀行はメガバンクを中心に収まり、現在は地銀再編が進みます。コンビニ業界や小売業界でもこのような勢力地図の書き換えは年中起きており、自由競争から寡占化に伴う企業側の利益の確保が強く押し出されてきています。

その中で案外再編されないのが建設業界と自動車業界であります。ともに重層構造、雇用の受け皿といった共通点はあります。建設業になぜこれだけ多くの会社が跋扈しているかといえば買収してもその効果は知れているからであります。資本のチカラより技術力や営業力であってM&Aが魅力的な手法ではないとされます。個人的にはこの業界がかなり人間臭く、JVなどで他社との協業も日常茶飯事であることなども影響していると思います。

一方、自動車業界は大は大なりに、小は小なりに特徴を持たせて頑張っていてそれなりの販売台数と利益を生み出しているということでしょうか?多分、多くのファンがマツダとトヨタが一緒になってほしくないとか、富士重工は今のとんがった車を出し続けてほしいと思っていることでしょう。正に「小は小なり」なのだろうと思います。

規模を追求すると確かに市場制圧に伴うメリットは大きいのですが、小回りが利かないというデメリットも出てきます。マクドナルドが苦境にあえいでいるのは巨艦は簡単に方向転換から、とも言えそうです。

製薬業界では日本でもきら星のような会社もあります。例えば大阪の小野薬品工業が昨年秋から発売したオプジーボ。これはがん治療薬としては画期的なもので今までの抗がん剤の発想を180度転換したものです。現在は確か皮膚がん向けのクスリのみの発売となっていますが、今後各種がん向けのクスリ20種類程度が数年のうちに順次発売される予定です。正に我が道を行く、の好例だと思います。

日本の製薬最大手、武田薬品は世界の大手を目指して買収を進め、会社の役員構成も世界市場で戦える人材登用をしました。しかし、人の出入りもあるようで思ったように進んでいない気がします。

企業が本当にあるべき姿とは顧客にとって期待され、あってほしい姿であります。お客を無視した規模の追求は良い結果を生まないでしょう。世界の趨勢にあまり惑わされて間違った買収をして会社の屋台骨が揺らぐようなことにならなければよいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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中東情勢を混沌化させるトルコによるロシア機爆撃4

1937年7月7日、満州の盧溝橋で日本軍は夜間軍事演習をしていました。この演習は中国の国民党側に通告済みだったにもかかわらず、その演習中に中国側から銃弾が発せられました。これを重大視した日本側は国民党側に同所からの撤退を要求したもののそれに従わず、8日には国民党は日本軍に追撃をした、という事件があります。世にいう盧溝橋事件であり、日中戦争の引き金となった事件であります。(のちの国家主席の劉少奇が中国共産党として罠を仕掛けたという話もありますが真実は闇です。)

この事件のポイントは双方の言い分が食い違っており、そのために小さな争いが始まり、結果としてとてつもない争いに発展したことでしょう。

トルコ軍がシリアに向かうロシア軍の戦闘機を撃墜しました。トルコ側はロシア軍がトルコの領空を侵犯し、何度も警告も発しているというのに対してロシア側は領空侵犯はしていないと強く主張しています。盧溝橋の時と違い、今回は撃墜の様子が広く放映されており、墜落したのがシリア領内でパラシュートで脱出したパイロット2名のうち1名が狙撃され死亡しています。領空侵犯したのかどうか判別可能な気もしますが、危険な事態に発展する可能性があり外交ルートを通じて解決努力をすべきでしょう。

トルコはNATO(北大西洋条約機構)に所属しており、トルコが緊急の会議を要求しています。そのNATOも本件を重大な問題と認識しているようです。NATOは発足当時、その仮想敵国をソ連としていたもののソ連崩壊でその意義を一旦失いかけます。ところがプーチン体制のロシアが強面でウクライナ問題などを引き起こしたことから再びその矛先がロシアに向かいかけている状況でした。プーチン大統領はNATOをむき出しで敵対視している為、トルコがNATOの傘の下に身を任せることになった時、プーチン大統領がどう出るか、注目されます。

プーチン大統領の発言で一番気になるのはトルコに不正取引に基づく原油が横流しされている、という点であります。もともとロシアがISせん滅に参加したのはISが憎いというより下落する原油価格に対策が欲しかったことは案外注目されていません。

下げ続ける原油価格に対してどうにか歯止めをかけ、外資獲得の重要な手段を維持することはロシアにとっての悲願であります。その為に安値にもかかわらず、供給量を増やし、市場シェア獲得競争に走っていました。そんな中、ISは原油を不正に売却し、その代金で武器を買うという流れが明白となり、プーチン大統領としては原油価格維持のためには絶対に許されないことでありました。それゆえのIS攻撃でもあります。

ところが横流しする原油は売り手がいれば買い手がいるわけでそのやり玉に挙がったのがトルコであります。

この事実関係は調査する必要があると思いますが、プーチン大統領の発言とあらば一定の調べは済んでいるのでしょう。このロジックは「盗品を盗品と知って買った者は罰せられる」ということでしょう。日本では盗品等関与罪とも称され、刑法で規定されています。

中東やウクライナ情勢で注目しなくてはいけないのは誤認による撃墜が後を絶たないということです。既に民間機もその犠牲になっていますし、先日はアメリカ軍がアフガニスタンで「国境なき医師団」を誤爆し、多数の死傷者を出しました。今回は戦闘機です。ロシアとしては屈辱的なことでしょう。

これらの例を見る限り、戦闘機やレーダーなどの技術は極めて向上したものの最終的にその標的を判断するのは人間の目である点に於いて誤りが目立ってきたということでしょうか?

私が懸念するのは国際紛争は中東やウクライナだけではないということです。世界中のあちらこちらで煙が上がっている中で民間の飛行機や船、施設が敵味方、入り混じった状態になっております。特に日本に関していえば東シナ海での紛争には当事者として関与し、中国海軍は日本を刺激するような行動をし続けています。これでは第二の盧溝橋事件が起きないとは限らないのです。

ましてや南沙諸島問題は多数の国家がその領有権を主張し、いつ何が起きてもおかしくない状態であります。21世紀は20世紀型の戦争は起きない、と言われています。確かに地上戦を含む泥沼の戦いは今のところ起きていません。一方で、民間人が何の防御もない時に悲劇に巻き込まれている事件が多発していることは新たなる争いのスタイルであり、問題を混沌化させかねません。

大いに懸念すべきで、トルコとロシアのケースも二国間で早急なる火消しを行うべきかと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日、お会いしましょう。

世界不和が生み出す不況の足音4

ロシアが占拠したクリミアで何者かが同地への電力供給線を破壊したニュースが流れていました。記事では、これで再びロシアとウクライナに緊張感が出るだろうと解説されていました。私は、確かにウクライナの嫌がらせと考えやすいものの、ロシアはイスラム国、ISも敵に回しており、ISがそれを行ってもおかしくはないだろう、と考えればまだその犯人とその目的を絞り込むのは早そうな気がします。

西アフリカのマリの首都、バマコで起きた外資系高級ホテル、ラディソン ブルでの襲撃事件。死者は19名に及ぶとされ、解放されるかどうかはコーランを暗記していたかどうかだったと一部の報道がありました。それが本当なら敬虔なるイスラム教徒でなければ殺されるという話です。これを新たなる宗教戦争と言わず何と言いましょうか?

911以降、イスラムの原理主義者や過激派の行動は普通のイスラム教徒とは隔離され別物である、という認識が生まれつつありました。事実、私もここ、カナダでイスラム教徒の方とはビジネスなどで接しているほか、住んでいるコンドミニアムにもたくさんいらっしゃるし、ごく普通の良い方ばかりであります。よって、宗教戦争などとは思ってはいけないのですが、思想犯は顔や普段の態度から想像つかないことが起きるということ見せつけてしまいました。

昔、日本で学生運動が高じて過激派が日本全体を震撼させました。よど号ハイジャック事件、あさま山荘事件、ダッカ日航機ハイジャック事件などその数はメジャーなものだけでも十数件はあるでしょう。その過激派の発生を辿ると日本共産党、企業の組合組織、学生などが一体となり、大きく国に影響力を与えたものの60年安保が終わってから学生運動は急速に分裂、解体し、企業は学生運動との連携を避けるようになりました。残された学生は思想的頓挫、更には組織的分裂に見舞われた後、原理思想に基づく、自己都合の論理を振りかざしました。

これが時間と共にそれなりに収まっていった理由は日本政府が必死の努力をしたこと、大半の日本人が批判的態度を取ったこと、支持層の学生が少なくなり、組織としての成長を遂げることが出来なかったことが挙げられましょう。

ISと日本の過激派を同じ舞台に上げるのはどうかとは思いますが、同じ原理主義という点であえて比較してみます。今回のISにしろイスラムの過激派の行動にしろ、解決させようと努力しているイスラム圏の動きが見られません。多くはキリスト圏の国家が頭から押さえつける形でその更なる拡大を制御しようとしています。が、これでは根本的に収拾できないと考えるべきでしょう。なぜなら他宗教の人間が「武器には武器を」の発想で戦いを挑んでいるからであります。

本来であればイスラム教徒が過激派の行動を恥だと考え、それを批判し、論破すべきであります。いや、それは行われているがゆえに結局、派閥が出来てしまったともいえます。だとすれば今のイスラム過激派の行動は本来であればイスラム教徒内での宗教戦争であり、かつてフランスがキリスト教徒同士の宗教戦争に巻き込まれ長い年月、革命と戦い続けたのと同様のことを繰り返すというのでしょうか?更に不都合なことにイスラム過激派は今回のパリの事件のように非イスラム教徒に対して無差別攻撃することを当然のこととしています。まさにカルトの世界だと言って良いでしょう。

観光立国フランスが抱え込んだこの問題はとてつもない損失となる気がします。フランスのサービス業対象のPMI(購買担当者指数)は10月の52.7から11月に51.3に下げています。最近、私の周りで話しているだけでも誰もパリには行きたくないと言います。フランス料理は東京でも美味しいところがいくらでもあるし、凱旋門はいつ行ってもあるから今じゃなくてよい、と思われてしまえば経済はシュリンクします。

事件は起きていませんが、ベルギーはイスラム系過激派組織が以前から多く、拠点があるとされてきました。今回も同様です。同国の二重社会性、つまりフランス語圏とオランダ語圏という目に見えない裂け目はそういう組織が入り込みやすくさせるのでしょうか。それを考えればスイスもここ、カナダも危ないことになります。事実、アメリカでのテロ犯罪者がカナダから入国するという話は何度となく起きています。

これが世界のあちらこちらでこうも頻繁に起きるようになれば人は動きにくくなります。企業はその投資を控えるでしょう。よりブロック化された経済を作りかねません。意図しなくてもそうなりかねない、そんな傾向が出ないとも限りません。特にアジアはTPP発効も控え、域内経済圏を意識するでしょう。その時、域外との差が広がらないとはいえないでしょう。

実に頭が痛い話だと思います。日本人の旅行意識は「近くて安い」から「近くて安全な」国内旅行にとって代わられるのでしょうか?

では、今日はこのあたりで。

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