外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2015年12月

2015年を振り返って4

皆さんにとって2015年はどのような年だったでしょうか?私はおかげさまで今年も暇にさせてもらえず、あわただしく活動し、あっという間の1年でありました。常にチャレンジや新しいことをやってみる「勇気の一歩」を心がけていたことがキーだったと思います。来年も同様ですし、既に大きなチャレンジが待ち構えております。頑張っていきたいと思います。

経営の世界で見ると大企業の苦悩と新興企業の元気の良さが目についた1年でした。シャープ、東芝、三井不動産、旭化成といった大企業に大きな試練があり、スカイマークの破たんもありました。マクドナルドの業績が回復しないというニュースもほぼ一年を通じて語られました。三菱飛行機は初飛行に成功したものの主翼の強度不足で引き渡しが更に1年延びる事態になってしまいました。こう見ると株式会社ニッポンは円安もあり企業業績は概ね好調に推移したものの将来に繋げる夢を抱けるほどスカッとする展開とは思えません。

私は日本の大企業の動脈硬化が大きな問題になってきている気がします。組織が大きすぎ、社員が社内ライバル意識を持ち過ぎ、足を引っ張り合い、役所と同様、縦社会が強化され、横のコミュニケーションが弱まったのではないでしょうか?また、ネットを通じた犯罪防止もあり従業員への管理強化がさらに進み、コンプライアンスという名のもと、手も足も縛られ、良い発想もできなくなっていないでしょうか?つまり、大企業なのに大企業のチカラをだせなかった、とも言えます。

シャープは経営側と社員の会話が出来ない、東芝はトップが利益史上主義、売上至上主義でした。杭打ち問題は重層の発注関係から責任を押し付ける姿勢丸出しでした。マックは顧客との対話が出来ず、三菱飛行機の親会社の三菱重工もその縦割り組織に問題があると指摘されています。

一方、新興企業は目的意識が明白で扱い品目も限定され、社員のマインドをしっかり保つことが出来たため、業績にストレートに反映したのではないでしょうか?直近ではフィンテックなどがブームになっていますが、IoTやAI、自動運転の自動車、セキュリティ、ロボット、医療など日本ならではのきら星の技術を作り出す能力には長けていると思います。問題はそれら小さな技術を大きくまとめ、世界に売り出すことが出来るマーケティング能力が欠如していたと思います。本来ならば大企業がその部分をカバーすべきでしょう。

経済政策ではアメリカの注意深い利上げが今のところうまくいっているようにみえます。金融の混乱はなさそうですが、これはイエレン議長の根回しと対話能力によるところが大きかったと思います。グリーンスパン元議長の様にその難解な発言に市場は解釈の仕方で振り回されたのとは大違いです。一方の黒田総裁はいろいろ言われ続けてきましたが、結局は成果がまだ出ていない点に集約されるでしょう。但し、これは新春の2016年展望のブログで触れると思いますが、2016年は資源価格は巻き返すとみていますから黒田総裁には援護材料になると思います。

中国経済は一時期相当不安視されましたがハンマーで叩くようなショックはとりあえず、過ぎ去ったのではないでしょうか?なんといっても新中流となる人たちが日本の人口の2倍以上も生まれたわけですからそこから発生する消費、サービス支出は無視できないと思います。

安倍政権はどうでしょうか?岩盤のようなものを良く動かしてきたと思います。個別の評価はともかく、議論になっていた案件、安全保障であったり、慰安婦問題、テロに立ち向かう姿勢、更には沖縄基地問題でも国としての明白な姿勢を打ち出し、その行動力には大いに拍手を差し上げたいと思います。アメリカ議会の演説も戦後70年の談話もよくできていたと思います。世界で日本の首相の名前を久々に覚えてもらえ、一目置かれたことは大いなる評価であります。勿論、政治家ですから常に反対派はいます。プーチン大統領の様に異様なまでの支持率があること自体がおかしいわけで近年の政治家としては十分な仕事ぶりだと考えています。

安倍首相は近隣外交もうまく進めたと思います。中国と韓国との関係は一時はどうなるかと思いましたが、最近は安倍外交で落ち着きました。これは安倍首相がイエレン議長と同様、よく対話するタイプだからではないかと思います。

経済については国民から不満が多いようですが、客観的に見れば失業率はあれだけ改善し、賃上げも少しずつ浸透しています。2015年の税収は伸び、16年の税収は57兆円と15年比3兆円増を見込みます。これは経済が好調である何よりの証拠でしょう。そう考えると世論のそこまで厳しい評価というのもどうなのかな、と思います。

概括すると2015年は日本は比較的うまくやってきたと思います。年始にはIS問題に直接的に巻き込まれたりしましたが、着実に歩を進めたのではないでしょうか?

ブログのお読みの皆様、今年も一年、ご愛読、ありがとうございました。皆様の無数のコメントにほとんどご返事できず、申し訳ないと思っております。目は通しており、勉強させて頂いております。来年もより一層、研ぎ澄ました切り口で迫れるよう頑張って書いていきたいと考えております。

素晴らしい大晦日をお迎えください。新春は2016年展望として世界編と国内編を二回に渡りお送りする予定です。

では今日はこのぐらいで。

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明日、お正月にまたお会いしょう。

サービスは人間が施すもの4

北米に長いせいか日本のサービスがそこまで良いと思わない時もしばしば遭遇します。勿論北米のサービスが特別良いかといえば、そうでもないことも多く、案外嫌な思いをした人もいらっしゃるのではないかと思います。
今日は年末の繁忙期を迎えたこの時期だからこそ、サービスについてもう一度考えてみたいと思います。

先日、シアトルの25年来の友人で飲食系のコンサルタントをされている方がシアトルの著名地に新たにレストランを立ち上げてたという話を聞きました。その中で印象的だったのは「サーバーはプロの方にお願いしました」という一言であります。かつて、レストランのサーバーは若い人がアルバイト的にやる「お運びさん」的発想が強かったと思います。しかし、きちんとしたレストランに行くとサーバーはプロの方の場合が多く、2時間なりの時間を心地よく過ごす空気を作ってくれます。

プロのサーバーはお客がサーバーとのコミュニケーションを通じてお客の好みや希望を聞き出したり、そのレストランに来た目的、つまりビジネスかデートか、再会か、家族かなどをさっと判断し、最適なサービスを提供することができるのです。

日本である著名なチェーンの和食レストランにランチタイムに入った時、70席ぐらいある店にサーバーは2人。一人はレジと案内でてんてこ舞い。もう一人が配膳に片づけ、注文取りですが、全然追いつきません。その時、サーバーさんの顔は引きつっていたのですが、これではせっかく立派なメニューにおいしそうな食事も台無しになってしまいます。立ち食い的なファーストフードレストランではなく、座ってそれなりにサービスを受ける店に来る人は昼休みなりの貴重なひと時をリラックスしたいはずです。それなのに忙しいオーラ丸出しで走り回っているサーバーさんを見るとこちらも落ち着かなくなって早く帰ろう、という気になってしまうのです。

人の顔はその時の状態を表すと言います。忙しくてストレスを溜めこんだ顔は正直醜いものです。女性の方ならばどれだけ化粧をしても表情、目線、口元、モンギリ調の口調などで美しさは消え去ってしまいます。

サービス業とは何でしょうか?お客様に心地よい思いをしてもらうことです。ところが日本は慢性的な人不足で機械化を導入しています。駐車場からホテルの支払いまで皆機械で代行します。スーパーのセルフレジもそうですが、近々コンビニのセルフレジも登場する時代となりました。北米でもセルフレジは今やごく普通なのですが、理由はレジ係の人に何らサービスなど期待していないからでしょう。

しかし、長期的に見てサービスを機械に代行させる傾向が続けばそれこそ、ロボットがホテルカウンターでいらしゃいませ、という姿がごく当たり前になるのでしょうか?私は何かおかしい気がします。

アメリカや日本など先進国に於いて第三次産業であるサービス業が中心となっている時代に於いてそのサービスをスピードと正確性で優位な機械やロボットに置き換えた場合、人間は次に何の仕事をするのでしょうか?地球上の人口はまだまだ増えています。日本も少子高齢化社会と言いながら1億2000万の人がいます。日本では人不足が顕著になっていますが、一体人は何処に消えてたのでしょうか?想像ですが、一部では人間が機械に使われる、つまり、機械の下請けになりつつある気もします。

私は人間が人間らしいサービスをする本来の姿を取り戻すことは必要だと思います。冒頭のシアトルのレストランはオープン早々素晴らしい成功だと伺っています。それはそのレストランにサービスという付加価値をつけ、人々が悦び、機械(コンピューター)の評価にグレート!と評することで口コミの人気に繋がっているのでしょう。この場合、寿司を握る職人、プロのサービスを施すサーバーという人間臭いビジネスが機械を通じて成功を導いたという流れはあえてよく考えてみる必要がありそうです。

機械が流れを作るのではなく、人間のサービスが機械の助けを得ながら流れを作る、という違いです。似たように見えますが、私には異なるものに見えます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日、お会いしましょう。

前向き評価できる慰安婦問題合意4

欧米は休みでニュースが少ない中、ある意味、世界中がこの会談の行方に注目していたと思います。私は当初、合意出来ないのではないか、という懸念もあったのですが、合意に至ったのは結構なことだと思います。

多分、多くの日韓の国民はこの合意を素直に受け止められないと思います。なぜなら本件は事実よりも感情論が先走ってしまい、双方の国民にやり場のない怒りを作り上げてしまったからです。つまり、感情だけの話をすれば解決などはあり得ないのです。

私は今年の1月からカナダの慰安婦像建立問題で振り回されました。以前からそれなりに書物などで知識は積み上げていたのですが、いざ実践でその問題に対峙すると様々な困難にぶち当たりました。その一つは日韓双方で問題に対する感情の深さが違うことでした。カナダで慰安婦問題の交渉相手となるべく韓国市民グループ側はその「感情の深さのもつれ」から我々日系との交渉のテーブルにつく人さえはっきり出せませんでした。

一方で日本側にも同様の温度差があり、様々な意見が寄せられました。が、私は「本件はもともと政府間の問題であって、国交回復50周年という年にあたり、安倍首相のアメリカ議会でのスピーチ、戦後70年談話、そして、秋から漏れ聞こえていた日韓政府レベルでの決着交渉の行方を見守るべき」と主張してきました。それでもカナダでの慰安婦像問題について政府間交渉と当地の民間レベルでの慰安婦建立問題は別次元と強く主張する声もあり、それを抑えるのは容易ではありませんでした。

韓国がこの問題に異様に熱くなったのは2011年の憲法裁判で慰安婦の個人的請求権はある、と判断されたことです。これが時の李明博大統領に火をつけ、それを引き継がざるを得なかった朴槿恵大統領が厳しい姿勢を貫いたのであります。今回の日本政府による10億円規模のファンドの創設は資金の出所が日本政府であり、判決にある個人的請求権に基づく支払いが出来ることが担保できたわけです。韓国政府としては憲法裁判所の判決に基づき、政治的解決が出来ました。

これは非常に大きな成果なのですが、ほとんどのメディアの記事はこの論理的落としどころを指摘していないようです。

政府レベルでの合意は韓国政府が市民団体に一定の抑止力を持たせるということになります。つまり、「違法で迷惑な」慰安婦像が市民団体により勝手にあちらこちらに建立されることを強権で撤去する手段を作り出しました。勿論、急にそんなことすれば熱い韓国人、特に韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は反発します。よって多少時間をかけながら説得工作に入るものと思われます。ちなみにこの挺対協の英語名はThe Korean Council for the Women Drafted for Military Sexual Slavery by Japan であって正に「慰安婦問題の為の韓国協議会」であります。政府レベルで合意に達したことで市民は感情的な思い出は別として新たに事を起こすことは困難にならざるを得なくなります。

これは世界の各地で建立されてきた慰安婦像の更なる拡散を抑止する力も働くはずです。例えばアメリカはこの合意が歴史的なものであり、高く称賛しています。もちろん、アメリカの腹は対北朝鮮外交において韓国と日本が同調するための外交戦略と言えますが、日本からすれば次々と建立されようとしていたアメリカ国内での慰安婦像計画を進みにくくさせるとも言えます。サンフランシスコも市議会は建立への同意はしたもののまだ建っていないはずですし、シカゴも動きが止まっているかと思います。トロントは私有地への建立に留まり、まさに慰安婦像の無秩序な拡大もその方向転換されたような気がしています。

但し、挺対協より怖いのはカリフォルニアの世界抗日戦争史実維護連合会(抗日連合会)やそのカナダ支部である第二次世界大戦アジア史保存カナダ連合(カナダALPHA=Association of Learning and Preserving the History of WWII in Asia)であります。こちらはマイクホンダ議員など政治家を絡ませながらの極論を振りかざすグループであり、こちらの対策を今後重点的に行う必要があると思います。

世界でニュースが少ない時の合意話は世界がこの問題に気を止め、一定の考慮をするというフォローの風も吹くでしょう。ムービングポストゴールと言われる韓国でここまで世間の注目を浴び、朴槿恵大統領の笑顔の意味するものは歴史的合意との評価につながり、ゴールポストが動かせなくなる気がします。

勿論、不満を持つ人も双方多いと思います。が、慰安婦問題の政府レベルでの明白なる決着は絶対的に必要でした。歴史家や専門家の事実関係の学術的調査は今後も進めていけばよいでしょう。海外から見ると「こんな問題」という視点や解決できない理由がわからないという意見はあり、当然ながらにして日本に不利な状況だったことは否めません。ですので私は感情論を抜きにしてまずはひと段落してよかったと思っています。

私個人も慰安婦に始まり、慰安婦に終わった一年、そんな気がします。

では今日はこのあたりで。

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また明日、お会いしましょう。

シャープ、決断の時4

シャープの株価が50年ぶりの安値となっています。日経の「冬を越せるのか?」は「年を越せるのか?」と読み替えたくなるほどでありますが、最悪のシナリオとなるとは思っていません。私になりにいろいろ考えてみました。

まず、シャープの経営、特に再建プランが思惑通りに進まないのはひとえに液晶部門のブレであります。想定通りにいかない、という会社側の説明は何度もありました。いや、今年に限らず、この数年、ずっと同じコメントが繰り返されていました。それゆえの液晶部門売却計画であります。

その液晶技術に群がるのは台湾の鴻海精密工業と日本の産業革新機構、及びその傘下のジャパンディスプレイの三社であります。他にもサムスン電子などの名前が上がりますが、これは宛て馬だと考えれば、案は絞られていると思います。

私は長く北米発のビジネスの展開のやり方を見てきました。また、今回、銀行の後ろ向きの経営支援も感じております。官邸主導でいやいやながら追加融資に応じた主力二行はその融資が不良化しない最善策をとる方法しかありません。

では、誰がシャープの液晶部門に一番大枚をはたくかといえば鴻海であります。郭台銘会長はシャープにずっと恋をし続けてきました。一旦、ダメになったものの再び、そのチャンスが巡ってきていよいよ液晶と結婚できる可能性まで掴みました。相手のことを知り尽くした上での求婚です。ならば結婚指輪はより高価なものになりやすくなります。主力銀行が惚れているのはこの点でしょう。

一方の産業革新機構はシャープの液晶部門の価値を1000億円程度と考えています。その上、本体に出資するなら銀行が借金を棒引きせよとまで言い放ちました。これは当然、無理な話。そこで産業革新機構は今、資金を生み出すための持てる資産の切り売りをしようとされています。それでも鴻海が考えている価値を大幅に上回ることは出来ないでしょう。なぜならこちらも政府の息のかかった組織であるからです。

産業革新機構がシャープを抱き込もうとする理由はジャパンディスプレイのシェア、ひいては価値を守るためであります。シャープの技術を生かして成長させることとは主眼が違います。政治的であって経営的ではありません。

シャープの液晶を鴻海に売る場合と産業革新機構ないし、ジャパンディスプレイに売却する場合にメリット、デメリットがあります。鴻海の場合、最も高く売れる一方で技術の海外流出が起きるとされます。産業革新機構ならば場合によりシャープの再建そのものを面倒見られる、ジャパンディスプレイに合体させればシェアは世界一になる、とも言われます。が、独禁法以前にジャパンディスプレイとシャープの相性が違う気がします。つまり、組織上の合体効果が得られないように見受けられます。

私の考えは鴻海への最大金額での売却であります。産業革新機構のプロポーズをテコに鴻海の支度金を上乗させ、とにかく高く売却することで決着させ、シャープのその後の事業展開を一日も早く策定することです。これは報道されている流れに反していると思いますし、政治力がかかるのですから正論でことが運ぶわけではないでしょう。私は予想屋ではなく、あるべき姿を考えた上での意見です。

まず、シャープの技術、特にIGZOの技術ですが、そこまで凄いなら市場に左右されることなく、もっと売れるでしょう。既にアップルは一部を有機ELにするとしています。ならば、「技術者の言う凄い」と「市場の思う凄い」には違いあるように思えます。大前研一氏も同様のお考えのようです。

シャープは液晶を売却し、債務を軽減したうえで東芝の白物の一部を引き取り、そちらで勝負すべきかと思います。事実、シャープの高橋社長は液晶以外は安定した利益が出ている、と述べています。ならば、第二創業なのですからそれぐらいの心構えでよいでしょう。今の状況では「二兎追うものは一兎も得ず」でシャープも東芝も窮地に陥ってしまいます。官邸の関与とは安倍政権による経済再生が順調だという意味合いから「大型倒産させない」に限定されていると思います。ならば、この組み合わせが私にベストに思えます。

以前、ガラパゴスニッポンで技術だけが独り歩きして消費者が置いてきぼりになっていることは何度も指摘したと思います。日本で売れている4Kテレビ、あるいは将来の8Kテレビ、果たして世界制覇できるのでしょうか?世界でテレビ視聴はドンドン下がっています。それは見たい放送だけ見る、それもかつては録画して番組をみるでしたが今や、その中のエッセンスだけ見る、です。多くの人はネットで1-2分の画像を見て終わりかもしれません。羽生君や五郎丸君が話題になってもテレビにくぎ付けになるほど現代人はもはや暇ではないのです。

私のテレビ視聴は日本の一部の放送をインターネットの酷い画像を通じて見る以外ほぼゼロ。あとは現地のケーブルテレビに組み込まれている音楽番組をバックグラウンドで流すだけです。画像を見るのはスポーツバーで背景として放送している各種スポーツ番組かDVDで見たいドラマだけを買ってきて見ます。そこに画質へこだわる余裕はありません。今この瞬間を逃せば(忙しいから)あとで見るチャンスは巡ってこないからです。

もう一つ、郭台銘会長が大枚はたいて購入してくれる意味は彼ならその技術をうまく使って売り込むことが出来るということです。シャープの技術者にとってそれが世間で注目され、評価され、売れる方がよいに決まっています。台湾に技術を売り渡したというならまた何か違うものを作ればよいでしょう。世界のビジネスをリードし続けているアメリカという国はずっとそうやって成長してきました。技術はドンドン売却して更に上を目指すのです。

モノは考え方で技術者の素晴らしい努力で高く売却できてシャープを救うとしたらどうでしょう。日本の技術が一つの企業を救うことになるのです。シャープペンシルに電卓、液晶と変身してきました。次もまたあります。さぁ、高橋社長、あなたの決断の時ではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

価格が安いだけでは振り向かない今の消費4

カナダでは12月26日はボクシングディと称される祝日です。通常、この日から北米ではクリスマス明けのビジネスが始まりますが、小売店は年末にかけて最大のセール期間に入ります。ただ、このセールは在庫処分市とも囁かれ、売り手側の都合という見方もあります。

そのボクシングディに向けて新聞には6割7割引きの目を引く広告がずらっと並びますが、このところの異変はそれまでの常連だった家電量販店が一切ないことでしょうか?特に今年の広告は見るも無残で家具店のバーゲンが目につく程度でした。5年ぐらい前までは家電量販店が26日午前0時とか遅くとも午前6時ぐらいには店を開け、Door Crusherと称する目玉商品をずらっと並べていました。ニュースでは前の晩から一番乗りで寝袋に包まる若者をインタビューするのが風物詩でテレビやゲーム、パソコンなどを嬉しそうに抱えていっていました。

私も以前iPadがアメリカで先行発売された際に友人とシアトルまで午前3時に家を出て数店を回り買いだめし、その友人は日本で2倍ぐらいの金額でネットで売却して小遣い稼ぎをしていたのを覚えています。何が楽しかったかといえばお祭り的なワクワク感でしょうか?

ところが最近、消費は変わったと思います。まず、バンクーバーで2社しかない家電量販チェーン店の一方が潰れました。もはや1社しかないのですからdoor crusherも6割引きもあったものではありません。

次にバンクーバー空港のそばにアウトレットモールが出来ました。夏ごろオープンしたのですが、徐々に店が充実してきており、来年から第二期拡張工事に入ります。そのモールには12月23日に行ったのですが、既にボクシングウィークセールが始まっていました。行ったのが夜7時頃だったこともあり、閑散としておりゆっくり買い物が出来ました。これで国境を越えてアメリカまで為替を気にし、帰りにカナダ国境で入国審査官の小うるさい質問も気にしなくてよいかと思うとホッとします。

3番目に、これも世界共通ですが、ネットショップで欲しいものがいつでもすぐに手に入る時代になったことでしょうか?家でコンピューターの画面を通じてのショッピングがかなり充実しているのは明らかな時代の変化です。

日本でも北米でもバーゲンに人が集まるのはなぜだったのでしょうか?それは欲しいけれど手が出ない、それが破格の値段でゲットできるからではなかったでしょうか?あるいは掘り出し物があるかもしれないというドキドキ感かもしれません。

ところが最近の消費者動向は若い人を中心に変わってきています。まず、欲しいものがピンポイントで決まっていることでしょうか?○○ブランドの△△という具合です。それ以外には見向きもしないのはネットでかなり下調べをしてその商品を研究し、他のものと比較検討済だからでしょう。

次に今の50代から上の方のような大量消費はしません。ものはなるべく少なく、というトレンドが出来つつあります。趣味のもの必要最小限のもの以外は所有すらしない人もいます。例えば音楽を聞くにも昔はデンと構えるオーディオセットに大きければ大きいほど良いスピーカーが所狭しと並べられていました。(私もその口です。)ところがだんだんAV機器は小さくなり、ついにはスマホでハイレゾを聞く時代で、家電量販店には高級ヘッドセットが所狭しと並んでいます。

ビックカメラで福袋の予約が殺到して販売中止にしたそうです。想像ですが、福袋にワクワク感を感じるのも中高年以上の方だと思います。私はかつて一度だけ福袋なるものを買ったことがありますが、馬鹿馬鹿しくてそれ以降二度と購入する気にはなりませんでした。多分、私もピンポイント派なのかもしれません。

蛇足ですが、今年のクリスマスは外でディナーするより親しい友達の家に集まってワイワイする傾向がより強まったようです。レストランのお仕着せよりも家でゆっくり話しながら食べたり飲んだりする方がどれだけ楽しいことか。先週、親しかった人の送別会をお世話するのにホテルのキッチン付きリビングルームを借りて十数名集まってやりました。持ち込んだ食べ物や飲み物は大したことなくても雰囲気とプライベート感覚が素晴らしく良く、大変好評でした。

消費者はドンドン賢くなります。売り手はドンドン難しくなる、これが世の中の流れのような気がします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

食べ物の価値観4

海外旅行をして何が楽しいかといえばその国の食べ物に出会うことでしょうか?その風土や歴史に裏打ちされた食事は思わず「へぇー」とか「すごい」と言葉を発してしまうこともあります。

そんな各国料理も最近は人の移動が増え、何処の街にも○○料理という看板を掲げた店が急増しています。ここカナダは移民の国ですから当然にして様々な味を楽しむことが出来ます。その各国料理は北米風にアレンジしているものもありますが、その国のやり方を踏襲しているところも多く、バンクーバーにいながらにして海外旅行をしている気分にさせてもらえます。

そんな中で当地でもラーメン店が次々とオープンし日本食とはラーメンのことか、と思わせるほどであります。流行っていますが、ピークアウトした感があります。アメリカでもラーメン店は激戦で淘汰されているところも多いと聞きます。何故でしょうか?

北米にはラーメン(湯麺)を食べる習慣はつい最近まで全くありませんでした。勿論、北米在住の日本人やアジア人は食べていますが、ローカルには浸透していませんでした。それが一種のブームとなり、急速な勢いで店が増えたのは一般的な日本食料理店と違い、技術、メニューの品数、フードインベントリーの管理が圧倒的に楽だからであります。一方、客側からすればお手軽値段(それでも千数百円しますが)で面白いものが食べられるという楽しさがあるからでしょう。

ところがブームはかならず剥落するようになっています。8割が「知っている」「食べたことがある」けれど「日常的にはいかない」のです。同じことはシュークリームでもいえました。カロリーを気にする人が増え、デザートは少なくする傾向が多い中でシュークリーム(PUFF)がニューヨーク経由で突然ブームとなるものの、2年ももたず、そのブームは崩壊しました。

海外で珍しいものは一時的に注目されることがありますが、それが長続きするケースは極めて少ないのであります。何故でしょうか?それは日常口にしているものとの相違感ではないかと思います。

ステーキ。北米ではごく普通の日常の食べ物であります。数日おきに食べる人も多いでしょう。何故だかわかりませんが、日曜日の夜はステーキという人も多い気がします。昔、シアトルの郊外のゴルフ場内の重厚な造りと素晴らしいワインリストを持つレストランを経営していた際も日曜のスペシャルディナーはステーキでした。

このステーキはいくらでも食べられる理由があります。それは脂分が少なく、噛みしめた時に肉の味がするからでしょう。とくに一定年齢になると更に脂身の少ないテンダーロインのような部位を好むようになります。

私は日本で神戸ビーフに代表されるご当地牛はまず食べません。というより食べられません。さしと称する脂が多すぎて3口目には気持ち悪くなるのです。多くの北米の人もそう思っているはずです。しかし、日本の人は口の中に入れた瞬間にとろけるような肉を「旨い」というわけです。それは日本人の食生活の中でビーフが日常とは言えないからかもしれません。一年に1,2回食べるなら良いのです。が、それを週1,2回となれば日本人でも無理だと思う人は多いはずです。

先日日本のテレビを見ていて思わず膝を叩いてしまいました。日本で最も売れる魚はサーモンなのですが、日本で取れるサーモンはなぜ、毎日食べても飽きないのか、その答えは脂分が少ないからとのことでした。北米のサーモンとは品種が違うことがその理由のようです。ここカナダはサーモンのメッカで、私もいつも一本買ってきて切り身にして冷凍しておくのですが、決して毎日食べるアイテムにはなりません。せいぜい数週間に一度です。理由は味がヘビーなんです。日本人ならばBBQで油を落としながら焼かねば日常の食卓には上がらない気がします。逆に日本の100円寿司では北米産のサーモンは脂がのっているのですごく売れると聞きます。なるほど、寿司も毎日のアイテムではないからかもしれません。

こうみると食べ物を世界に広げ、それを安定的なアイテムにするのは実に難しいものだと思います。TPPで海外の安い食品が日本に入ることで日本の農産物は壊滅的打撃を受けると指摘する人は多いのですが、私は果たして本当だろうか、と疑問視しています。

例えば日本人のコメに対するこだわりは尋常ではなく、同じコシヒカリでもどこの産地かが決め手になります。私がレストランや食堂で気にするのは米なんです。どれだけ安くてもコメがまずい店にはいきません。それぐらい日本人の舌は感覚が研ぎ澄まされているともいえます。

山形のサクランボがなぜ復活したのか、といえばあのみずみずしく、赤ピンクの初々しさが季節の色としての美しさを引き出すからではないでしょうか?あの毒々しい色のアメリカンチェリーは甘いかもしれませんが、それだけではないと感じるのが日本人のセンスでしょう。

食文化とはそう簡単に変わるものではないですし、他から容易く侵攻されるものでもないのでしょう。日本は唯一、戦後、食糧不足の後、欧米の食が日本人の嗜好を変えたという特殊事情があることを忘れてはいけません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

欲しいものは金貨のコイン、新しいおねだりの仕方4

maple coinクリスマスでプレゼントをもらった方も多いでしょう。女性はファッション系のものを貰うのが嬉しいものです。また、この時期、特に欧米では腕時計が一年で最も売れます。特に高級なスイス時計を扱っている店にとって今は書き入れ時。実は私も一つ欲しい時計があって悩んでいます。世界に先駆けて日本先行発売なんですが、それだけ日本人のマーケットでは価値をきちんと評価できる市場調査的な意味もあるのでしょう。

日本のテレビ番組のいわゆるお宝鑑定団をこのところ何度か見ていて思ったのは普通の家からとんでもない価値のものが出てくることでしょうか?思わず見入ってしまいました。たかが切手のコレクションで100万円とか金色の大判が450万円とかはたまた子供の頃のおもちゃが10万円など信じられないお宝グッズ満載でありました。

数年前、金の価格が高騰した時、金製品の買い取り業者が街の中をうろついていました。「オタクに埋もれている使わない金の宝飾品ありませんか」と主婦から次々と買い取り、莫大な利益を得ていたのです。売る側の女性はどうせ使わないものだから二束三文でもいいぐらいの気持ちなので買う側も市場価格を知りながらかなり安く買い取るわけです。正にウィンウィンの関係でありましょう。

最近老後の心配が老若男女問わず、常に上位を占める「気になる点」であります。定年退職時には億単位のお金が必要ですよ、という煽りで多くの殿方は「俺は死ねというのか?」と思っているでしょう。一方ご婦人は案外、しっかりしていてその対策をどうするか、若い時から真剣に考えていたりします。昔からへそくりをごっそり貯めこんでいるのも女性だったりするわけで娘が大きくなった時、「実はね、お母さん、○○があるからね、いざという時は覚えておいてね」なんて言う会話になるわけです。

そこまでくると今の女性に最も喜ばれるギフトは何か、といえば私は金貨が面白い選択肢ではないかと思っています。例えば金の取り扱いでは日本で有数の田中貴金属店のウェブに行くと何種類かのコインがあり、サイズごとに価格が出てきます。カナダのメープルリーフ金貨の場合、1オンス(28.3495グラム)から1/10オンスまであり、直近の相場ではそれぞれ153000円程度と16500円程度となっています。小さい方が割高になっています。

金は金利がつきませんがインフレには強い商品であります。また、工業用でも使われますが、地球上にはあと50メートルプール1.5杯分程度しか存在しないと言われ、また、採掘可能なエリアもだんだん深く、より難しいところになってきています。20年30年後のことは誰も分かりませんが、金の希少性に対する価値観は欧米では高く正当性があるのですが、日本では全く鈍感であります。(日本では金利がつかないものは意味がないとする傾向があるのですが、では無配の株式を持ったりほとんどゼロに近い金利の定期預金を持つ意味と比べてどう違うのかと反論できるでしょう。)

私がまだ二十代の時、金のファンドを購入していた時があります。あの頃、何が楽しかったかといえば毎月積み立てで金が数グラムずつ増えていき、何年後かにキロ単位になっていました。「これであの金色の延べ棒になるな」と思った時、普通の貯金とは違う楽しみがあったのをよく覚えています。

女性はプレゼントを大事にするもので、できれば生涯持ち続けたいと思ったりします。長く持つのならば私は金貨がとても良い価値を生み出すと思います。そういえばスイスの高級腕時計は男性ものと女性もので一つ、大きな違いがあります。男性ものは時計としての貴金属ですが、女性ものは周りにダイアモンドをちりばめているためその数で価格が変わります。ダイヤがなければ50万、ダイヤ入りは150万円という具合です。貴金属ですからバッグや衣料と違い、何年でも持てますし、価値が上がっていくのがポイントです。今、50万円の時計でも10年後は60万、70万円の価格がついているものだと思ってよいかと思います。

クリスマスギフトはもう終わりなので年末年始のショッピングリストのご参考になればと思います。

では今日はこのぐらいで。

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