外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2016年06月

金利を上げられなくなったアメリカ4

イエレン議長はこの一週間をどういう気持ちで過ごしているのでしょうか?氏の描いていた金融政策はシナリオが狂い、通常事態に戻るのに数年かかるかもしれません。イエレン議長のゆっくりとした金利の引き上げはたった一度の利上げで終わる可能性が現実のものとなる気配すらみえてきました。

議長にはもともと逆風が吹いていました。それはドナルド トランプ氏がイエレン議長をサポートしておらず、自分が大統領になったら更迭すると発言していることにあります。イエレン議長はアメリカ経済の回復状況を見ながら徐々に金利を引き上げることを提示していますが、利上げはドル高を招きやすく、アメリカの輸出産業には不利であります。トランプ氏はそこをけん制しています。

もう一つは大統領選が近づくと金融政策で「変化」が生じることを好まないとされます。7月のFOMCで利上げをしないとすれば次の政策会議は9月となってしまいます。そうなると11月の大統領選挙戦の真っ只中となり、利上げは政治要因でやりにくいとされています。

その7月の利上げの可能性は英国のEU離脱派の勝利が決まる前でさえも低いとみられていたのですが、この一週間で金融市場は再び土砂降りに見舞われてしまいました。特にドル資金が不足しがちな状態の中、利上げなどしたらバランスが崩れ、世界の金融市場はガタガタになる可能性があります。これで7月の利上げの可能性はほぼ消え去ったと言ってもよいでしょう。

かつてカナダは高金利国でありました。80年代は当たり前の二ケタ金利だったのに90年代半ばに銀行預入金利が5%ぐらいまで下がり、多くの人を惑わせました。専門家も「いつかはまたあの時が来る」と信じて疑うことはありませんでした。私は90年代後半にカナダの金利はもうかつてのようにはならないと専門家とやり合い続けたのですが、ほとんど聞く耳を持ってもらえませんでした。今になってそれを実感しているでしょう。

金利の上げ下げによる金融政策は国家の経済が活性化し成長期にあるときには極めて有効だと思います。しかし。経済の沈滞期にはいわゆる経済循環の法則に基づき、金利の調整機能によって再び経済が活性化する場合と構造的問題で金利の上げ下げだけでは効力を十分に発揮できなくなる場合があると考えています。

今の世界の不確実性はまさに後者の方で、金利をマイナスにしてまでも調整しなくてはいけないのは金融政策の限界を超えているのではないでしょうか?当然、「余波」はマネロン、タックスヘイブン、安全な国の不動産購入を通じてヘッジさせるという歪んだマーケットを生み出します。

今後英国を含む欧州が向かうのは「ガラガラポン」。つまり国家再建だろうと思います。その際、弱体化した自国経済、及び近隣諸国経済の健全なる立て直しは一旦ドアを細くする政策をとらざるを得ない気がします。自国産業の再生のために海外の安い物品を一時的に輸入制限するなど産業再構築策が取られてもおかしくはないでしょう。移民も厳しくなる、これが私の見立てる3年後の欧州です。

当然、世界貿易は低迷するでしょう。基軸通貨発行国アメリカもその流れを変えることは難しいかもしれません。利上げで世界からドルをアメリカ国内に還流させることは再び病気入院した欧州諸国に鞭を打つようなものです。

世界の低金利は今後もずっと続く、そんな絵面がぼんやりなりとも見えてきた気がします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

首都高速道路が生み出す都市景観4

私が政治家で箱モノに資金を投じることができるなら都心の首都高速道路を地下に移します。不動産の仕事を長年やっていて都市景観や不動産価値などを考えるとあれほど理不尽なものは世の中にない、と言いたくなります。

多くの人が知っている六本木交差点。その交差点を分断するようにそびえるのが首都高速道路。多くの通行人はそれがそこにあるから、としか思っていません。が、その首都高があるだけでいくつもの問題点が考えられます。

一つは首都高の下は汚く、暗いイメージです。煤けたコンクリートの無機質な橋脚が延々と続きます。

二つ目は建物からの眺望です。アマンドでもどこでもよいのですが、建物の3-4階から見えるのは首都高速道路であります。何が楽しくてこんな鉄とコンクリの塊が見たいのでしょう。おまけに窓を開ければ車の排気ガスにトラックが巻き上げるほこりと騒音です。

しかし、私は首都高速道路の最大の問題は街を分断するという弱点ではないかと思います。あの構造物があることで六本木のヒルズ側とミッドタウン側が分断されてしまうのです。六本木通りの反対側からヒルズを見たことがある人はいますか?実は首都高が邪魔して何も見えません。そして人もそちら側は歩かないのです。

同じことは渋谷でも言えます。国道246号上を走る首都高の高架を境に渋谷駅から246号の向こう側(恵比寿寄り)は別世界になってしまいます。あれではセルリアンタワー(東急系の高級ホテル)の存在感は半減してしまうのです。私は学校と会社を通じてずっと渋谷でしたのでそこには日常があった街ですが、あの高速の向こう側にはまず行くことはないのです。それは心理的バリアともいえるのです。

比較すると面白いのが首都高中央環状線が下を走る山の手通り。その多くのエリアでは高速が地下を通るようになったため、山手通りは工事で拡幅され、首都高の完成後、余裕ある道路幅、広い歩道と自転車道が生まれ、実に快適なものとなっています。ところが、その山手通りを板橋方面に向かうと途中から高架が始まります。ここに来ると山手通りが完全に分断されているイメージが再現されてしまうのです。板橋区役所あたりは本来であればもっと発達してもよい気がするのですが、高速を挟んで反対側に延びなくなってしまっています。

私が住むバンクーバーはかつて都市計画を練る際、アメリカの主要都市を丹念に精査し、ロスやシアトルを反面教師とする結論に至りました。両都市とも大規模なハイウェイが街のど真ん中を分断するように走っています。シアトルでもハイウェイの向こうは都市の発展具合が違う状態になっているのです。

バンクーバーにはそのため、ハイウェイが街の中にありません。カナダを横断する一号線は街を遠巻きにするように山の斜面を通り抜けていきますし、メキシコまで続く99号線(アメリカのI5)もバンクーバー市に入った途端、高速から通常の街中の道になり、さらにダウンタウンの手前で道がなくなってしまうのです。

思い返してみればニューヨークのマンハッタン島も高速道路で街を分断するエリアはほとんどなかったと記憶しています。

東京が目指す都市計画とは美しいビル群と自然の調和であろうかと思います。近代の匂いの中に人間が働く空間としての安らぎや賑わい、活気でありましょう。日本橋のエリアを通る首都高速道路については高架から地下にするための都市計画決定の準備を進めているようです。その費用5000億円だそうで様々な意見があるようです。

私は首都高は老朽化に伴い多額の補修費用をかけなくてはいけない構造体なのですから新たな都市計画のもと、順次地下化を進めていくべきであろうと思っています。また、可能かどうか分かりませんが、地下化を進めるにあたり、車の安全性を双方向のやり取りでより高める工夫は出来ないでしょうか?

現在の最新の車には自動ブレーキや衝突防止機能が付き始め、近い将来には自動運転も行われることでしょう。一方、長い地下の高速運転は錯覚現象が起きやすく、事故に繋がらないとも限りません。自動運転や安全運転は自動車だけが発するシグナルではなく、そのトンネルに埋め込まれた信号をキャッチする双方向システムにより追突や前方の渋滞を事前に認識できる仕組みが作れるのではないでしょうか?

技術の革新と価値の創造はまだまだ可能です。今日は首都高について書いてみましたが、電柱の地中埋設化は実は細い住宅街にこそメリットがあるということもそのうち書かせて頂きます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

事業家と投資家4

「僕は投資家としてではなく、あくまでも事業家として大成したい」by 孫正義。(日経スタイルより)

何気に読んでいた記事にハッとさせられたきらりと光る一言です。事業とは汗を流し、苦労し、困難に立ち向かいながらも従業員とともに同じ釜の飯を食して歯を食いしばる、と言ったらかなり古臭いかもしれません。

昔は経営者と従業員の距離感は遠かった気がします。社長はカリスマがあればあるほど格好良かった時代でもあります。

社長には広く豪勢な社長室を与えられ、そこには高級革張りのソファと高価な絵画が飾られています。秘書が来客に膝まづいてコーヒーを提供し、部屋の大きさで客を圧倒します。その割に社長の机の上には書類らしきものがあまりなかったりするのはドラマの見すぎでしょうか?

いやいや、それでも私はカリスマ会長の秘書を2年半もお勤めしました。会長応接室のソファーの前には巨大なコーヒーテーブルがあり、その下に秘書室直通のブザーが隠されています。私はそのブザーが鳴るたびに「失礼します」と恭しい態度で御用聞きに入ります。「君、例の書類持ってきてくれるか?」「はい、かしこまりました」と引き下がるのは良いけれど「例の書類ってなんだ?」と思わず、秘書課長に相談すると今の客は○○サンだからこの案件かな、いや、これかもしれないと数件の書類を持たされ部屋に再突入。「お待たせいたしました、こちらでございますか」と囁くと「これじゃない」と眉間にしわ。が、手元に候補の書類をいくつか抱えているので「こちらでした」とさっとすり替え「そうだ、これだ」でことを収めたことは数知れず。

経済雑誌などを読んでいると最近の社長は各フロアを回って社員の様子を見に行ったり、終業後、社内バーで従業員と懇親会をするなどたゆまぬ一体化に向けた努力をする企業も多くなってきたようです。「トップの声がわからない」「トップは年に一度創立記念日の社員向けスピーチをビデオ越しに見るだけ」という時代は過ぎたようです。

孫正義氏も自分で育ててきた数々の事業への愛着は深いものがあるでしょう。また、アメリカの通信事業は立て直しにまだまだ時間がかかるものの確実な手ごたえは得ているようです。これは孫正義氏のパッションが従業員にダイレクトに響いているからこその攻勢開始ののろしとも言えます。

投資家とは安く買い、高く売り、その利ザヤを稼ぐことであります。つまり、目的は利益というマネーだけであり、その会社の成長も従業員も取引先も関係ありません。最近のホテルやオフィスビルの多くはファンドや機関投資家、世界の公的資金など様々な「投資家」が所有しています。なぜそうなったかといえば企業が買い取れないほど建物の規模が大きくなり、価格が高騰したからでしょう。それら多くの投資家達は家賃収入やホテルのオキュパンシー(占有率)や売り上げに目が行き、立派な建物の会議室であらゆる数字の分析をした書類を片手に「このぐらいの利益を出してくれ」と運営会社に指示をします。が、投資家は所有する建物に来ることはまずなくその興味も持ちません。

不動産事業だけではなく事業会社でも同じです。インキュベーション(事業孵化)中の成長見込みある企業に資金を投じ、経営者に札束でもっと派手にデカく展開しろ、とはっぱをかけます。経営者は資金を元手に従業員を増やし、事業投資をし、設備を買い、積極攻勢をします。よい例が韓国のネイバーが持つLINEでしょう。数日前サムスン電子にいた韓国人の友人が「おれ、サムスンを辞める時、ネイバーの立ち上げメンバーに誘われていたんだよな、あの時ネイバーに行っていれば俺の人生、変わったよ。」と嘆いていました。本人には言いませんでしたが、LINEを大きく展開したのは日本のスタッフであり、元社長の森川亮クンでしょう。韓国ネイバーにとってはそれこそ棚からぼた餅であったと思います。

アメリカのエンジェル投資家は素晴らしいアイディアを持っている若者に夢を与えるという点でうまくできた仕組みであります。が、エンジェル投資家が世界に蔓延し、マネーを持っているだけで偉そうにしている人や会社が急増しました。これも溢れるマネーが生み出した社会現象なのでしょうか?

が、仕事とはやはり現場から始まります。そこではこの瞬間も何かが起きています。現場で野獣ごとくビジネスの匂いをかぎ取り、正しい経営判断を下し続けることが本来あるべき企業のスタイルではないでしょうか?奇しくもソフトバンクの社外取締役にはユニクロの柳井正氏と日本電産の永守重信氏がいます。この三人に共通するのは現場第一主義。それは創業者としてゼロスタートを切ったあの時から血の出る思いをして築いた組織をすべて知り尽くしている共通点があります。この三人は代表的経営者として歴史に残るはずですが、その人たちが現役で今も残し続けるその言葉の数々は多くの教訓をもたらしてくれるとも言えます。

一会社経営者として学ぶべきことはまだまだ延々と続きます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

小さくなる世界4

英国がEU離脱を決めた際、友人からSNSで「どうなるのだろう?」と投げかけられました。私の答えは「小さくなる」の一言です。たったこれだけの言葉ですが、たぶん、これからの世界を一番うまく言い表している気がします。

英国国内で独立運動が活発になっているようです。北アイルランド、スコットランド、リバプール、ケンブリッジ、ロンドンとすでに5か所でそののろしが上がっています。年齢による残留派と離脱派の相違も指摘されています。若年層は残留に、高齢者層は離脱の声が強く、家族の中でも親と子供が別々の意見に分かれるというケースもあったようです。挙句の果てに選挙やり直しの署名が320万人とは驚いたものです。

独立派の多くは再びEUに加盟してEUとのビジネスを続けるというものであります。私はその発想に一つだけ大きなリスクがあることを指摘しておきます。それはEUの体制そのものが今までのようにはもう存続できる保証がどこにもない、ということです。スコットランドなどが独立してEUに加盟しても経済規模が小さく、単体国家としては旨みに欠けるでしょう。

欧州には小国が実にたくさん存在します。アイスランド、アイルランド、オランダなどはまだ大きい方で、バチカン、モナコ、サンマリノ、リヒテンシュタインなど本当に小さな国家の割拠状態にあるといえます。欧州で14番目に大きな英国が分裂すればそれら新しくできる国は小国の仲間入りすることになります。それは民族問題と共に閉鎖的で他と相いれない根本思想が復活してきたともいえないでしょうか?

同じことは今、総選挙を行っているスペインでも言え、カタルーニャ地方の独立機運は高まるかもしれません。将来的にベルギーの分裂もあるかもしれません。最近ではチェコスロバキアが1993年に分離しています。旧ソ連からも多くの国が独立しました。つまり欧州では分離独立は別に珍しいわけでもなく、我々が大騒ぎするほどの事態ではなく、今回、たまたま英国という日本人にも親しみがある先進国でそれが展開されていることで驚いているだけでしょう。

では今後の対策です。私も何がベストなのかいろいろ考えを巡らせているのですが、ロンドンだけを独立させ、シティの特権を維持し、タックスヘイブンとしての特殊地位を維持したほうがよいかと思います。そして仮称「ロンドン国」がEUに再加盟します。残った英国は連邦制にし、各地域の独立統治性をある程度認めたうえでロンドン国と地域の特性に合わせた提携を結んでいく方式が面白いかもしれません。つまり、ロンドン国を通じてEUの特権を間接的に得られる権利を確保できる合意をEUと今後2年かけて交渉する案です。

私は「緩い関係」の時代がやってきたと再三再四このブログで申し上げています。EUの最大の弱点は「きつく縛った関係」であることなのです。TPPもしかり。今はフレキシビリティを持たせてもっと都合の良い時だけ都合に合わせてくっついたり離れたりできる関係のほうが良いと思います。高齢者の方から「何を言っているんだ」とお叱りを受けると思いますが、時代は明らかに軽いつながりに向かっています。

日本と中国、韓国の関係でもそうでしょう。時代に合わせて近づいたり遠ざかったりいろいろです。そこにポリシーがあるのか、といえば一部の政治家や感情論をも振りかざす活動家は声を張り上げるでしょうが、大多数はその時の都合で動くものなのです。尖閣の時にあれだけ荒れた日中関係が爆買い、韓流ブームが嫌韓、そして今、グーッと収まり韓国からの日本への観光客も大幅に増えました。

この緩い関係はだれが作り出すのかといえば案外、国民のボイスであり、民間の力のほうが大きかったりするのです。政府の努力はそれを後押しするに過ぎないことが往々にしてあります。なぜこうなったか、といえば人々が世界を旅行し、世界の情報が繋がり、民間ベースで宗教も人種も乗り越えた付き合いが急速に発展しているからでしょう。

企業は国境を超え、様々な国の人を雇い入れ、一つの目標である企業の成長に邁進します。これは国への所属意識とともに企業への所属意識も当然生まれ育まれることになり、これが人々のマインドを変え、あたらなる刺激を与えているのではないでしょうか?たまたま、英国ではそれが約半数の人にとってネガティブなイメージと移り、国を閉じることを求めたということでしょう。

「小さくなる世界」は欧州に限りません。アメリカはもうすでに何年もかけて小さくなりかけています。オバマ大統領の「アメリカはもはや世界の警官ではない」というのはアメリカがアメリカ自国のメリットをもっとフォーカスしていることにほかなりません。これは見方を変えればドナルド トランプ氏のメキシコに壁を、ムスリムを排除せよ、と同じことでとてもナチュラルなベクトルの上を走っているだけではないでしょうか?

参議院選挙で野党はアベノミクスの糾弾で声を張り上げますが、多くの野党は「内需拡大」「消費拡大」「TPP大反対」を訴えています。これは実はすごく内向きの政策で貿易より国内でちっちゃくまとまって生きようという以外の何物でもありません。これも世界が小さくなる傾向の一つです。

そういえば最近のテレビ番組で流行っているのは地域情報や「あなたの街訪問」など非常に狭いエリアの特集。私の大好きなドラマ「孤独のグルメ」も地元の人しか行かないこんな店、あんな店の紹介です。それはより小さい狭いエリアに人々の目が移ってきているとも言えます。

このトレンド変化はグローバル化と真っ向からぶつかり合う関係にあります。もちろん、私にもその行方は想像できません。ただ、一つ思うことはグローバル化に人々がキャッチアップできていないことが最大のポイントではないでしょうか?世の中は今、あまりにも急激に進化し、一般大衆はそれに疲れた、これが本当のボイスだと感じます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ハードルが上がったスタートアップ4

ふた昔前位は起業するなら気力と体力があれば後はどうにかなる、というぐらいのものでした。開業資金は親せき、友人から掻き集め、あとは家族総出で頑張るといった感じだったでしょうか?もちろん、私が描くそのピクチャーは商店街の店であったり、街角にある飲食店であります。

ところが近年、情報化、物流の改善、資本主義的経営の拡大が進み、事業はより複雑に、より高度に、より資金力を要するものになってきました。かつて大規模店舗が商店街を壊したとされますが、個人的にはそれ以外にもコンビニの普及で専門を深堀する個人商店が立ち行かなくなったこともあると思っています。飲食店は品質の競合が高まり、口コミ、SNSでその店の評判は瞬く間に広がります。飲食店のクオリティに近いものも家庭で簡単に作れるよう食材の改善も進みました。

ふた昔前はスタートアップのプロフェッショナル レベルは極端な話、30点ぐらいでもどうにかビジネスを立ち上げることができたのです。ところが周りのレベルが上がった今、それこそ70点や80点でも厳しい気がします。95点取ってようやく、という感じでしょうか?しかし、スタートアップで95点取るのはほぼ不可能です。事実、起業して成功する人はかつて違う業種で起業したことがある「起業経験者」であることも多いのです。「俺の」シリーズの坂本孝氏やアメリカで注目されるテスラの創業者、イーロンマスク氏は「起業専門家」とも言えます。

ある知り合いの日本の上場会社の会長さん。彼も二度目の起業で二度とも上場させた経験があります。そのビジネスモデルのヒントは追随を許さない資金投入額、と教えてくれました。圧倒的な差別化で事業をすべて囲い込むそのスタイルが実現可能だったのは一度目の起業で得た資金力、人間関係、信用をうまく二度目に使ってレバレッジを利かせたことがポイントかと思います。

日経ビジネスに長く連載されている「フロントランナー」という企画ページがあります。サブタイトルは「小なれど新」、つまりきらりと光る特徴を持った会社が毎週、紹介されるわけです。例えばスマホによる遠隔診断サービス、アポ取りを専門とする法人営業支援、医師情報のネット検索サービス、学生と企業を結ぶカフェ…などひとひねりもふたひねりもしたユニークな「売り」がちりばめられています。それでも個人的には5年残れる会社は半分かな、という気がしています。なぜならば競合相手がいくらでも押し寄せ、その会社の特徴があっという間に打ち消されてしまうからです。

起業家は一人で何か立ち上げようと考えてはいけない気がします。例えばビジネス戦略も財務経理、経営、マーケティング、改善研究、カスタマーサービス…と知らなくてはいけない分野はゴマンとありますが、それらが初めからわかる人は皆無です。だからこそ、ある程度グループ化させたほうがワークするのではないでしょうか?

バンクーバーの街中にメディカルビルディングという変わった建物があります。大きな病院のはす向かいにあるその建物のテナントはすべて専門医の医療事務所。専門的治療を要する患者はここで専門医に見てもらい、場合によってそばの大病院で施術してもらう仕組みです。つまり、メディカルビルと言いながら医療機器はほとんどない単なるドクターの事務所がずらっと並んでいるのです。

メリットは専門医集団で情報が取り合えること、建物の共有スペース、例えば待合場所に関して齟齬がないこと、共通するサービス、レントゲンや各種検査機関、処方箋調剤がすべて一つの建物で賄えることなどがあげられます。

私が今、日本で描くチャレンジしてみたいビジネスとはマーケットであります。かつて一つの屋根の下に肉屋、魚屋、八百屋、乾物屋、味噌屋や惣菜店などが軒を連ねていました。そんなマーケットは今、まず、お見掛けすることはありません。しかし、よくよく考えればあのマーケットの一つひとつの店は高い専門性と個性という「売り」があったはずです。例えば「肉屋のコロッケ」といえばだれでも勝手においしいものだと連想するでしょう。スーパーマーケットの総菜コーナーとは一味もふた味も違う特徴を出すことができます。「今日のスイカは甘いよ、奥さん、ちょっと食べてみなよ」と差し出されることは今はありません。でもマーケットなら可能なのです。

これも一人ではできません。多くの商店が寄り添うことで可能なビジネスであります。しかし、起業家に下駄をはかせてあげることは必要です。自分一人なら50点しか取れなくても下駄が30点あれば合格点まではもう少しになりますね。

発想の転換とはこういうことではないでしょうか?起業のハードルは確かに上がりました。だからと言ってあきらめるのではなく、どうやったら不足する力を補えるか、そこに知恵を出していけばまだまだ消費を刺激することは可能ではないでしょうか?また、面白いビジネスが生まれる素地もできると感じます。

私はまだまだ挑戦します。なにかきっかけがあればいつでも一緒に汗を流したいと思います。

今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

まずはルビコン川を渡った英国。様々な記事やコメントが出ていると思いますが確実に言えることはこの先のことは誰もわからないということです。そして人々は必要以上に感情的になるでしょう。あまりにもそれに固執すると新たなる道を築くのに大きな障害となりかねません。

そんな中で私も思うことをいくつか。目先ありそうなこととして英国ポンドの世界主要通貨としての機能低下、これがまず障害になると思います。それもあり、英国の物価が急上昇するリスクが差し迫ると思います。

次いでスコットランドの独立運動再気運。これも避けられないでしょう。更にEU内の右翼の勢いを増幅させることもありそうです。ドイツ、メルケル首相の采配で何度となくあったユーロ圏の危機は乗り越えられましたが、同首相の花道も見えています。

これから2年の間にEU離脱の為に具体的にどのような議論が展開されるのか注目です。考えてみれば押し寄せる移民難民がなければこのような選択肢はなかったかもしれません。ならば、イスラム国に端を発した問題は「風が吹けば桶屋が儲かる」的な思想の三段跳びがあったといえるでしょう。

我々が心しなくてはいけないのはこれが単に英国単体の問題ではないということ。必ず、これは飛び火します。人々の心に訴え、一部の人に勇気を与えることになるでしょう。その試練はまずはアメリカで試されることになります。ドナルド トランプ氏にとっては強烈な追い風となるでしょう。

さて、マーケットについて一言だけ。株価の下落率は日本が7.92%、香港2.92%、上海1.30%、ドイツ6.82%、フランス8.04%、英国は午後にぐっと戻して3.15%下落に留まっています。アメリカは3.4%下落となりました。これが何を意味するか、ですが、大きく下げたのは欧州大陸と日本です。日本は明らかに過剰反応で弱腰ニッポン丸出しでした。金曜日のシカゴ日経先物は15200円程度になっていますから月曜日はひとまず反騰でしょう。信用筋は追証発生となっていると思いますが、とりあえずスケジュール通過感から一旦は反対売買となるとみています。

為替は英国の離脱があろうがなかろうが当面の円高基調は変わらないとみています。スピードの問題だけです。

さて、次のニュース。株主総会の時期で各社ドラマがあったようです。注目はシャープと三菱自動車とドイツのVWでありました。株主の不満は経営陣に向けられ、激しい言葉で経営姿勢が糾弾されました。何もなければ名社長だったのに、知らぬところで起きた事件に責任だけ取らされる経営者は「ついていない」のぼやき節。こんなことなら社長をやるのではなかった、と思っているかもしれません。いや、多くの上場会社の経営陣はいつ自分のところに降りかかるかもしれない火の粉に戦々恐々としていることでしょう。明日は我が身、とはすべての上場会社の経営者に捧げる言葉です。

最後に東京都議会がリオのオリンピックの視察を中断したこと。このニュースに接した時、私は思わず笑ってしまいました。舛添さんを引きずり下ろしたあの議会の勢いはどうしたのか、と。一方で視察は大事なことなので「私費」で行くことで検討しているとのことです。結構じゃないですか、日本の議員が自腹で視察に行く時代が遂に到来したのです。まるで英国の議員と同様、「名誉職の手弁当」仕事を誇りと思う議員がもっと増えてくれたらうれしいですね。

しかし、リオまでの費用は高いと思います。それでも自費で行くならば議員役人の大好きな視察旅行の楽しい雰囲気は吹っ飛び、真剣そのもので勉強してくれるでしょう。都議会は都民にお返しをすべきです!ところで当初の視察予算6200万円、実際には1億円かかるかも、と言われているその費用、私費での視察が終わった際にはお一人当たりおいくらだったのか、ぜひ公開してもらいたいと思います。

では今日はこのぐらいで。あまり気持ちよい週末とならない人もいるかもしれませんが、気分転換をしましょう。

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ではまた明日。

世界の不確実性と日本の奇妙な安定感4

英国のEU離脱を問う選挙が進んでいますが、仮に残留となってもそれで安心できるわけではありません。今回の問題の根本はユーロ体制に対する不満がたまたま英国で大きなボイスとなっただけで2017年のドイツ、オランダ、フランスでの選挙で再び国を二分するような議論となってもおかしくないでしょう。

アメリカも11月に大統領選が行われます。このところ、トランプ氏支持派の凋落が伝えられていますが、まだ選挙戦は長いので全米を巻き込んだ議論が継続されることでしょう。お隣中国は議論を吹っ掛けると捕まるお国ですから国民は心の中で鬱積するものをぐっとこらえて黙っているのだろうと思います。中国でボイスが自由に飛び交うようになれば共産党は吹っ飛ばされるのではないでしょうか?

日本では参議院選挙が始まりましたが議論で盛り上がるということはなさそうです。特に今回の選挙は争点が与野党でずれまくっていますのでつまらない選挙となりそうです。

日本で議論はなぜ盛り上がらないのでしょうか?個人的に思うことは、我慢してしまう、あきらめてしまう、野党に力がなさすぎる、国家体制が盤石すぎる、保守的思想の蔓延などがあげられるのではないでしょうか?その上、近頃は「草食系若者」と「偏食系若者」が増えすぎたようです。

草食系がなぜ増えたのか、これも長年のテーマです。一時、ユニセックス化が指摘されました。男がより女に、女がより男に近づく的な発想です。女性の社会進出は勿論大きな要素です。が、それだけでもなさそうです。

確かに男はファッションに気を配るようになる一方、女子はタバコを吸い、「女酒会」でガンガン酒を飲んだりします。女はスカートより動いやすいパンツファッションと確かにその傾向はみて取れます。しかし、Z世代(85年から91年生まれ)は37.5%が草食系女子とされる報告もあります。

これは日本の「失われた時代」に符合し、バブルが何であるかも知らない世代が小さな幸せに満足するようになってしまったことがあるかもしれません。今の若い人にはスポーツカーも高級スイス時計も全身デザイナーズブランドも必要ではありません。そのかわりフェイスブックでつながるうれしさ、友達とシェアする楽しさ、イヤホンの音楽で自分の世界に入り込む引きこもり感、ミニマリストとしてすっきりあっさり過ごす人生がテイストなのでしょう。これは世界の中では私が見る限り日本、韓国などに見られる傾向ではないでしょうか。

欧米ではなぜ対立軸が生まれ、ボイスを交わし盛り上がるのでしょうか?私が見る限り、欧米人は少なくとも「濃いブラッド」を持っていると思います。中流の人は中流なりの、上流の人は上流の人なりの不満がいつもあって(私は聞き役になってしまいますが)常に「もっと」という熱い欲望が渦巻いています。

その背景の中、リーマンショック後の過剰流動性が招いた格差社会に対して大衆が蜂起した、ということではないでしょうか?主要先進国の金融緩和によりニューノーマルが生じました。これが社会に不満を生み出し、民衆の蜂起化現象を引き起こした、これが私の現在思うところです。

金融緩和が引き起こした問題とは何でしょうか?金利が下がりました。その結果、金利収入が重要な生活手段だったリタイア層はそれを失いました。(欧米は5-10%の金利でした。)金利低下で投資マネーが市場に入り込み、住宅価格は暴騰しました。世界から安い不動産を求め、マネーが集中砲火のごとく浴びせられたため、一般大衆はいくら金利が安くてもローンをして買える物件はうんと遠方に行くか、小さな集合住宅ぐらいとなりました。

企業は効率化を求め、世界の同業を買収する一方でリーマンショックで数多くの構造的変化が生まれました。、安泰であった職が失われたり、かつての水準の給与はもらえなくなりました。アメリカの自動車産業はその好例であります。私の顧客であるホテルの従業員用駐車場を歩くと面白いことにエグゼクティブと称する駐車エリアの車は生活感あふれる年季の入った車が多いのに対してアルバイトの人達の車はアウディやポルシェといった高級車で通勤する人が目立ちます。明らかに歪んでいるのです。

この歪みに声を上げるのが欧米、諦めて自分の世界を作り上げるのが日本を含むアジアのような気がします。

不確実な世界はまだまだ続く気がします。悩ましい世の中です。

では今日はこのぐらいで。

PS. 為替が異常な動きをしています。予断を許さないと思います。

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また明日お会いしましょう。
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