外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2017年07月

郷に入っては郷に従え、海外業務のイロハ4

初めて海外赴任する直前、海外主計の課長さんが私に一言、「どんなことがあっても税金の納付期限は守り、税はきちんと払えよ」と。課長さんのその言葉の背景は各地の海外事業で問題になっていた税金をめぐるトラブルだったと思います。日本の感覚で税金を払わない、あるいは税金査定を甘く見た結果、当局からお咎めや訴訟があり、あちらこちらで頭痛のタネになっていたからでしょうか?

そう言われながらある時、カナダの関連会社で固定資産税の納付を手続きミスで期限から数日遅れて払ったらしっかり10%のペナルティが来ました。ほかにも小さい納税ミスで罰金を何度か納付させられた記憶があります。その後、税務当局から各種税務監査が4-5年、立て続けで入り、会社の経理書類を徹底的に調べられました。

幸いにして意図的な税金隠しはなかったのですが、日本企業独特の社員への福利厚生や人事関係費用の一部が否認され、追徴を払わされました。これは本社が決めたルールに基づくものだったため、あとで本社とひと悶着になったのを覚えています。

特に多くの企業が採用する駐在家族の2-3年に一度のホームリーブ(日本への一時帰国費用)は全部否認されました。理由はカナダで働くビザを持つ本人の家族が日本に一時帰国する費用をカナダの会社が負担し、税務控除対象とする理由はないとするものでした。たぶん、今でも多くの日本企業がこれを取り入れているはずですが、国によってその捉え方は全然違うのだということでしょう。

私は業務の関係でカナダ赴任後、2-3年は契約関係の仕事が主だったため、机の上は法律の書類で埋め尽くされていました。それゆえ、契約社会の発想、着眼点をずいぶん学ばせてもらいました。そのポイントはあらゆる事象、ケースを考え、フローチャートのごとく、こういう時はこうする、という帰着点が示されているものでした。一方、日本の法律図書は「双方疑義が生じた場合には甲乙誠意をもって協議決定するものとする」で逃げてしまっているのです。つまり、北米の契約図書が異様に分厚いのに対して日本の契約書は主たる部分をこの一言で流してしまっているのです。

ではこれを実務に照らし合わせると実は東芝など多くの日本企業が陥ったわなを見つけ出すことができます。まず、日本企業は仕事欲しさに業務にかかるリスクテイクをしすぎるきらいがあります。東芝でも原発建設会社のもつリスク査定を誤ったか、わかっていてそれに目をつぶったかのどちらかのはずです。(私は後者だと思いますが。)

次に契約書を誰も読まない点でしょうか?確かにちょっとしたものでも4-50ページ、大きい契約なら数百ページに及ぶ法律図書はただでさえ疲れるのに英語となれば1ページも読めないという社員が多いのは同情します。が、あっと驚くその文言はその膨大な法律図書の僅か1行だけ記載されているケースも多く、「後の祭り」になることが多いのです。

つまり、実務が分かる人が契約図書を読み込み、リスクがどこにあるのか、把握しないととんでもないことになるのです。私が今でもプレーイングマネージャーならぬ「プレーイング プレジデント」であるのは自分のビジネスの契約図書を完全に読み込んでいるか、自分で作成しているため法律の穴まで知り尽くしていることもあるのです。

私が日本企業の国際化が遅れていると思うのはそういうことなんです。そして日本人社員でできないのならローカルのしっかりしたアドバイザーを抱え込むべきでしょう。(日本人ではなく、現地人のアドバイザーです。日本人のアドバイザーは往々にして力に限界があります。)大きなビジネスだけではなく、レストランや小規模ビジネスをしている日本の方がこの手の問題に引っかかり、泣きを見たケースは枚挙にいとまがありません。

外国には日本の常識が通じないことを肝に銘ずるべきでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

スタートアップに必要なのは資金よりも経営ノウハウ4

どうやらビジネスのスタートアップが花盛りになってきたようです。以前からお伝えしているように東証一部上場の大企業や老舗企業は成長が止まっているところも多く、時代の急速な変化にむしろ守りの姿勢を強めているところもあります。多くは今までの安定経営をいかに継続するか、という保守的チャレンジだと思います。

一部の大企業ではリスクテイク、アイディア、フレッシュさなどという耳触りの良い理由でベンチャーに投資するところも増えています。例えば日経ビジネスによるとパナソニックは今後5年で110億円をベンチャーに投じるとあります。

起業家の私から見れば流行に乗っている大企業にしか見えません。大企業病とは安泰と上から目線でビジネスをすることの意です。私のような弱小、極小は足元にも及ばないどころか近づくことすら許されません。ところが我々はビジネスアイディアは大企業の足元には落ちていないと考えていますので全然別のところをいつも歩んでいます。言い換えれば大企業が探しても簡単に面白いビジネスを発見できるものではないのです。

ではベンチャーの側から見るとどうか、なのですが、世の中、大きく変わってきたと思います。かつて起業家にとって最大の難敵は資金でした。が、金融緩和のおかげで投資家が目を皿のようにして投資対象を探しています。その辺のオヤジが千万や億単位にお金をひょいと出すのです。よってちょっと魅力ある投資案件=起業家がいればそこそこのお金はかつてに比べてはるかに集まりやすくなりました。

ではベンチャーは何に苦しんでいるか、といえば経営そのものであります。大概、起業家はある一つの面白いアイディアを深堀することにより人より先んじたサービスやモノを生み出します。ただ、それをビジネスというテーブルに載せ水平展開するのは極めて苦手なのです。

それこそマーケティング、経理、人事、法務、総務までほぼ何もできていないという方は多いのです。私は起業家であると同時に投資もします。投資をしながら私はその会社に思いっきり首を突っ込むことにしています。それはせっかくのアイディアがビジネスとして浮上し、成長し、利潤を生むようなベースを作る必要があるからです。つまり、ベンチャーと一緒に汗をかきます。

大企業の投資部門はそんなことはしません。金を出したのだから成果を見せろ、です。この発想そのものがそもそもの間違いです。ベンチャーには金ではなく、小規模の会社の経営ノウハウをまず植え付ける、あるいはそのお膳立てをしてあげることが必要なのです。

実はごく最近、あるビジネスで協業を打診されました。聞いたとたん、起業家の直感で間違いなく跳ねる事業になると判断し、瞬間にOKを出しました。打診した本人は紙に書いたプレゼン資料もなく、私に15分か20分しゃべっただけです。

このニュービジネスは資金需要もありますがそれは二の次で新しい分野の事業をどう、切り崩し、造成し、道を作るか、ここにかかっています。私が主業とする不動産やシェアとは全く違うビジネスですが、ビジネスの新しい道づくりの話を考えると血が騒ぐのです。突然、活力がみなぎり、やるぞー、という気になるのです。

一方でこれもごく最近ですが、ある方にはダメ出しをしました。夢を語り、勉強し、うんちくは立派だったのですが、アイディアそのものに現実性がないのです。私は話を聞きながら損益計算とキャッシュフローを頭の中でざっくり作り上げます。1-2分もあれば計算できます。その場合、本人がどれだけ頑張ってプレゼンしてもビジネスの基本である収益見合いがない点がそっくり抜け落ちているのです。リスクファクターを乗せる以前の基本の経営モデルそのものがワークしないのです。

最近よく見かけるのが「日本の良さ」を海外に持ち出すビジネス。実はこのハードルは非常に高いのです。ところが「海外の良さ」を日本に持ち込むのはかなりイージーです。海外にいるとネタが転がっているのではなく、ネタを創造しやすくなるのです。発想そのものが全く違うとも言えそうです。

日本のスタートアップビジネス、成功してもらいたいと思いますが、単なるブームで終わらなければよいという危惧も感じる今日この頃です。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

今週の日本は政治の話題に振り回されました。月、火の加計学園質疑、週後半の稲田、野田、蓮舫各氏の辞任(ないしその意向)で夏のネタ枯れのマスコミには一息でした。しかし、どれも一定の決着がついたような話ですのでマスコミは次のターゲット、何を狙うのでしょうか?では今週のつぶやきです。

アメリカの今週の人はジェフ ベゾス
日本が政治だらけならばアメリカはベゾスだらけでした。そう、アマゾンの創業者、ジェフ ベゾスです。アマゾンの17%の株式を持つ同氏は同社株が1080ドルまでつけたことで、ビルゲイツ氏を抜いて世界一の富豪となりました。日本円換算でなんと10兆円程度にもなるはずです。(あくまでも計算上の資産で彼のポケットにこのお金が入っているわけではありませんが。)

ところが木曜日の場引け後に発表した同社の四半期決算は利益が前年同期比77%も落ち込み、アナリストの予想からはまったくかい離した結果となりました。金曜日はアマゾンショック、とまでは言いませんが、ナスダック市場に暗い影を落としました。市場関係のニュースはアマゾン一色です。

そのベゾス氏は先行投資がかさんだとし、次の四半期は赤字になる可能性も示唆しています。配当も勿論せず、キャッシュフローは全て新しい事業に投資していくそのビジネススタイルは何年も変わりません。それでもアメリカの投資家は夢を託し、株価は10倍になったわけです。高度を上げ続けるアマゾン号は攻めの手を緩めそうにもありません。

日産がなんと1位!?
ほとんどの方はえっ、と思うはずです。1-6月の自動車販売。トヨタでもVWでもありません。日産が1位になりました。日産、VW、トヨタはそれぞれ527万、516万、513万台です。理由は三菱自動車の貢献でしょうか?同社分は50万台あり全体の1割です。首位グループの一角、GMはインド撤退でトップグループからは離脱となりそうです。

日産は価格が魅力的で販売を伸ばしたと思います。弊社のレンタカー部門でも同社製を主体に導入するのは価格の割に見栄えが良く、装備も一通りついている点でしょうか?但し、見えないところでかなりケチっているのでトラブルが多いのも同社製の特徴ではありますが。

西のトヨタ、東の日産からスタートし、永遠のライバル同士はそのビジネススタイルそのものが根本的に違ってきました。アグレッシブな経営者VS職人気質とでもいいましょうか。常にトヨタに後れを取っていた日産としてはしてやったりなのでしょう。1-6月世界販売というたった一つの指標ですが、それでもトップを取ったゴーンさんはやり手であることは間違いないでしょう。

バラバラのアメリカに国民は飽き飽き
トランプ大統領と議会のバトル。今のところは議会優勢です。オバマケアは葬り去れず、大統領が自慢げに語った法人税の国境調整はなくなり、ロシアに対しては議会が制裁強化決定をしています。結局、大統領と議会のバトル、どちらが強いかと言えば泣く子も黙る議会、ということになりそうです。

株価が面白い反応を示しています。トランプ大統領就任時に医薬品メーカーは儲けすぎているとし、株価は叩かれていましたが、今は持ち直しています。一方でインフラ関係の企業の株価は下落するという真逆の状態になっています。

大統領はやることなすこと全部裏目、むしろ大統領のいったことと逆になると思った方がよいのかもしれません。そんなアメリカの将来を不安視する声もありますが、議会が防波堤になっている状態が続きます。但し、この防波堤も大波が来たら大丈夫なのか、という心配は残ります。

裏をかいた北朝鮮
北朝鮮がICBMらしきものを飛ばしました。しかも29日未明。つまり夜中です。今まで午前中ばかり飛ばしていたのが前回は午後、そして今回は夜中です。実験ですからいろいろやるのでしょう。金正恩氏が平壌にいないらしいという情報があったのでどこかでまた打ち上げる準備をしているだろうとは予想されていました。またそれが休戦協定締結記念日の27日ではないかとされていましたが、裏をかきました。

韓国の文大統領の対話の呼びかけは完全無視。私の読みは「韓国大統領を相手とせず」だと思います。世界のリーダーたるアメリカとディールして勝つことをもくろんでいるのでしょう。一方で北朝鮮は挑発の域を出ないとみています。仮に弾道ミサイル実験が思惑通りいかずどこかに被害をもたらすようなことがあればそれを理由にして各国は北朝鮮に一気に攻め込むでしょう。金正恩氏は極めて危険な賭けをしているように見えます。

読めないのは中国。とにかく秋までは内政のことで手一杯ですから北朝鮮問題は何があっても「対話」というはずです。秋以降はわかりません。中国の布陣次第でしょう。それにしても日本から出てくるコメントは「許せない」「断固抗議」だけなんです。今回の安倍首相の夜中のコメントもそうでした。毎回同じ内容では心理的インパクトはもうないと思います。相手はそんなタマではありません。安倍首相もへとへとの一週間を過ごしゆっくり休みたいところではあったのでしょう。インタビュー時の顔はお疲れでありました。いや、お疲れ様でした、と心から申し上げます。

では蒸し暑い週末となりそうですが、お楽しみください。ここバンクーバーは抜けるような青空で土曜日からの好例の3回にわたる各国からの花火大会、今年は「ジャパン」が先陣です。地元の人はぜひ応援に!

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女性トップの内憂外患4

くしくも話題の二人が辞意を表明しました。蓮舫代表と稲田大臣。共通するのは期待が先行したものの苦しくて夜も眠れなくなった女性リーダー達のぎりぎりの判断という点でしょうか。

私は時々、世界の女性リーダーが苦境に陥っていることをこのブログを通じて指摘させていただいています。ブラジルのルセフ元大統領、韓国の朴槿恵元大統領、アメリカからはヒラリークリントン氏が上がるでしょう。また、今後、苦境に陥りそうなのが英国のメイ首相、ミャンマーのアウンサンスーチー氏でしょうか?

女性の地位の向上、あるいは男女の社会的地位の平等感はいまや当たり前なのですが、女性リーダーの不振ぶりがちょっと目につきすぎます。そしてその身の潰し方がどの人も美しくないのです。もちろん、立派な女性指導者やリーダーもまだまだたくさんいます。アメリカのイエレンFRB議長、台湾の蔡英文総統、ドイツのメルケル首相、IMF専務理事のラガルド氏などいくらでも名前は上がります。そんな中、日本では女性の地位向上を目指している中、女性リーダーが内憂外患でお辞めになるのは実に残念であります。

なぜこうなるのでしょうか?

ずばり、言葉の発し方だと思っています。

私もカナダだけもすでに25年以上過ごしており、アメリカでも仕事をしてきましたが女性のマネージャーや責任者は男性よりも多いぐらいです。その間、十分すぎるくらいいろいろな方とやり取りをしてきました。いや、それだけではなく、雑居ビルのエレベーターに乗るたびに聞こえてくる女性同士の会話やソーシャルなお付き合いから感じるものもあります。

そこで思うのは女性は比較的言い切り口調(断言調)の傾向が強い点でしょうか?白黒はっきりしていていいのですが、鋭利なその口調でそこまで言うか、という過激さが反発を食らう要素の一つであることは確かです。

一般に男性の口調より女性の方が優しくて聞きやすいという方は多いでしょう。店先の女性販売員さんは確かににこやかで柔らかいトーンですが、よく聞くとズバッと言い切っているケースが目立ち、それをやさしげなオブラートに包んでいるだけというのはよくあります。

ところが政治家などトップになると女性言葉は使えませんのでどうしても強い言葉が出てしまうというのが私の認識する女性リーダーが苦境に陥る共通点であります。(英語だって女性言葉はあります。)

例えばよく耳にする小池百合子氏も時々、刃物でえぐるような鋭い発言をしますが、精神的余裕度が高いのでヒステリックな断言調にはなっていません。イエレン議長は単語一つで世界の金融市場に影響を与えるため、かなり意識的に選んだ言葉遣いをしています。また、彼女は金融という狭い世界にフォーカスしている点で専門用語を通じた言葉選びがしやすい環境にあると思います。

それとお辞めになった方々のもう一つの共通点は脇が甘かったと思います。これは社会全般に原因があるのですが、女性リーダーのトップを固めるのは女性ではなく男性がほとんどです。男性と女性のコミュケーションは表層の言葉に対してその奥底にある真意の部分が伝わりにくいケースがしばしば発生します。女性リーダーは自分の意志通りに事が運ぶと思ったら実は全然違っていたということがおきます。実は女性が多い企業は案外うまくいくというのは意思疎通がシームレスにできるからなのでしょう。

私が以前、女性の時代といっても突然無理やり大臣や閣僚にするのは時期尚早だと申し上げたのは底上げにはまだまだ時間がかかるという意味であります。女性の時代には大いに期待しています。しかし、女性も努力しなくてはいけません。突然、エスカレーターやエレベーター人事で並みいるライバルを押しのけて上に上がった理由が政治的配慮であれば実力でも何でもありません。

日本の政治家に限っていえば女性の実力者は多く、女性議員も圧倒的に増えてきました。リーダーシップを取れるような逞しい女性が数多く育ってもらいたいと思っています。(もちろん、語弊の無いように申し上げておきますが、男性のしゃべり方も意地っ張りでひどい人は本当に酷いです。)

では今日はこのぐらいで。

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JT(日本たばこ)戦略ミスの本質4

JT(日本たばこ)が日本の加熱式たばこ市場で出遅れました。市場で先行したのはフィリップモリスの「アイコス」で2014年から販売を開始しています。また、ブリティッシュアメリカンタバコ(BAT)もJTの先を行きます。一方、JTのプルームテックはようやく東京で販売が始まったところです。優良国際企業とされるJTが戦略ミスを犯したのは今後、どこの日本企業にもあり得る大きな問題を秘めています。たばこに興味ない人も「んっ?」と思うかもしれません。

JTは世界のたばこ会社を次々買収し、世界のたばこメーカーでは第3位につけ(除く中国)、業界では台風の目であります。その戦略は何処で行っているかと言えば日本のJTではなく、スイスにある子会社のJTインターナショナルが担っています。つまりたばこというビジネスを地球儀目線で捉えているはずです。

そんな中、JTインターナショナルは普通の紙巻たばこそのものにこだわりを持ち続けていた感があります。JTインターナショナルも本社がスイスにあることで欧州市場の匂いが強く影響していることは間違いなく、遠いアジアの日本市場を見誤ったというのが今回の戦略ミスです。これは小泉光臣社長も認めています。

事実、日本で急速に伸びている加熱式タバコですが、世界の加熱式たばこの96%の市場を日本が占めるというあまりにも異常な市場のゆがみがある点をグローバルな目から判断ミスしたのでしょう。その間にフィリップモリスが着々と敵陣で成果を上げていたというのが今回の顛末であります。

日経新聞には加熱式タバコプルームテックの増産で500億円投資すると記事がありますが、そんな積極的な話ではなく、完全な出遅れ勝負になっています。出遅れ理由は会社の経営判断ミス以外にいろいろ取り沙汰されていますが、個人的にはJTがその出自の財務省との関係で税金に配慮したとされる点に極めて信憑性がありそうな気がします。

紙巻きたばこ一箱20本分の税金は約245円。一方、プルームテックにすると紙巻きたばこ30本換算で34円だけです。つまり、一気に税収は1本あたり14分の1以下になるため、それこそJTが財務省に忖度したか、財務省がプルームテックはそんなに力を入れるなよ、とささやいた可能性はありそうです。

ではなぜ、日本だけが加熱式タバコという特殊市場を形成しているのでしょうか?世界で普及している「電子タバコ」(=ベイブ)の必需品である液体ニコチンが日本では薬事法で規制されて障壁があるからでしょう。そこを突いたのが日本市場にあう加熱式タバコということかと思います。

では、ここからが考察なのですが、分煙や飲食店での全面禁煙が進まない日本は世界のガラパゴスだった可能性はあります。JTがもうひとつ検討したとすれば電子タバコ(ベイブ)は仮にニコチンの問題を別にしてもあの煙(ミスト)を非喫煙者は受け付けないと思ったかもしれません。それぐらいモクモクです。

各種規制の中で世界基準の電子タバコは日本で普及しないとJTがPassingした結果、世界の強豪を相手に自陣で戦わねばならない顛末が見て取れます。

私は日本市場は世界の中ではユニークということをこの10年、ほぼ一貫して書き続けてきました。その間、日本のガラパゴスは数多く生まれました。面白いものを開発する能力は素晴らしいのですが、あまりにもエキストリームな感じがありました。

今回のJTの例はその真逆で日本市場が世界の主流や潮流から外れていて、市場評価を見誤ったのでしょう。ここは日本のすべての企業が危惧すべき問題点だと思います。かつてはGDP世界2位、消費大国日本へはどんな世界企業もその目を向けていました。

正直、外国企業からすると日本企業とはビジネスをしたくないという声はあります。理由は「うるさい」「細かい」「完璧主義」「期日の厳密さ」などなど欧米のスタッフレベルでは異次元の要求をされることばかりでした。それでも日本市場を重視したのは「儲かったから」であります。

今、消費市場を地球儀レベルでみるとアジア=中国です。これは中国のバブルが弾けようが政治がどうなろうがそこに13億の人がいることには変わりなく、市場は存続しつづけるという意味であります。

驕っていたのは自民党だけではなく、我々日本の産業界全般にもその傾向があったことには留意すべきでしょう。ならば、いま、気持ちを新たにしてどうやって世界市場に打って出るのか、一度リセットするぐらいのスタンスを持たないと厳しいかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

何処に行く、日本の政治と政党4

閉会中審査で衆参両院の加計学園他のやり取りがとりあえず終わりました。この後、どこに行くのか、野党の方からは「これは何回でも、いや、証人喚問でも」という声もあるようですが、もうこれ以上はないのではないでしょうか。この件、もうそろそろ終わりだと思います。何故そう考えるのか、と言えば、この月曜、火曜が役者そろい踏みのクライマックスであたかもドラマの最終回のようなものだったと感じるからです。

日本の問題追及への意識は大体、最後に当事者が出てきて攻防があって終わります。好例が豊洲移転問題をめぐる石原元都知事他の百条委員会における証人喚問でした。あの後何かありましたでしょうか?一部の議員からああだ、こうだ、という発言がちらほらありましたが、その後、なんらアクションは起きていません。何故かといえばこれもマスコミが深く絡みます。「もう新味がない」につきます。森友の一件も籠池さんが国会に出てきてクライマックスでした。

パンドラの箱があるとすればその箱に何が入っているのか、それを知りたいのが外野の目線。それまでにああでもない、こうでもないと噂が先行し、評論家が好き勝手に放談し、マスコミはやれ、スクープだと大騒ぎします。ところが、そのパンドラの箱が開いてしまうと中身がどうであろうが、見えてしまうわけです。そこからの興味は急速に萎みます。これは断言します。人間の性なんだと思います。

勿論、加計学園のパンドラが開いたというのは語弊があるかもしれませんが、石原さんの証人喚問同様、箱は開けたけど、煙こそ出たもののそこには何もなかったという感じのように思えます。

よって、今日から目線は民進党と内閣改造に変わるのではないでしょうか?(希望的観測です。)

まず、民進党ですが、野田幹事長が都議選の責任を取ってお辞めになるようです。蓮舫党首が心の支えを失ったとき、どうするのか、相当厳しい立場に追い込まれると思います。次の幹事長を探さねばなりませんが、火中の栗を拾う人がいるでしょうか?岡田、安住、前原、枝野各氏あたりの名前が候補のようですが、どの方もお断りする気がします。保身を考えるからです。蓮舫氏と一蓮托生で燃えたくないと考えると思います。

となれば、民進党は内部溶解をする可能性はあります。解党という声も上がっているようですが、そこまでいかなくても分裂はあるかもしれません。分裂した場合、蓮舫氏が考える共産党との連携に前向きなグループと都民ファの国政進出の可能性を前提としたグループという構図でしょうか?

では自民党。こちらも簡単ではなさそうです。まず、人気が剥離した安倍政権が内閣改造で乗り切れるほど切り札があるのか、であります。革新的人事をすればリスクは高まります。そしてキーは石破さんなのでしょう。つい先日の調査でも次の首相候補として安倍首相を抜いたようです。理由は一連の問題に距離を置き、批判的態度だったと考えています。

結局、自民も民進も内部問題が大きく、一番笑っているのが公明党や共産党のように一枚岩になっている政党です。決してトップは取れないけれどいぶし銀のような輝きを持っているとも言えます。

では政治に無関心になり、無党派ばかりが伸びていくこの現状をどうするのか、ですが、私ならオリンピックと暮らしの二本立てテーマを考えます。オリンピックは子供たちに夢と希望を、そして暮らしは現実を、です。

なぜ、経済を外したかといえば今日の経済状況をみるとアメリカ同様、今の企業は効率と成長を目指して勝手に動くので政府が打ち出す奇妙な対策をしなくてもいいと考えています。むしろ政府は企業のリクエストを補佐するぐらいの方が良い気がします。

オリンピックに関しては私ならオリンピックの競技ばかりではなく、音楽、芸術から学問五輪やそれこそクイズ五輪、ストリートパフォーマーの五輪でもいい、とにかく、イベントを打ち出してもっとオリンピックのすそ野を広げてあげることが大事だと思います。これぞビジネスなんです。

暮らしは高齢者のことも分かりますが、ここは敢えて勤労者層の暮らしに発想の転換を図るような知恵を出せればと思います。仕事以外におもしろいことを見つけられる環境を作ってあげることじゃないでしょうか?

政治家は政党という枠組みの中で派閥があり、サル山の大将の争いを常にやっています。政治家のベクトルは外に向かねばならないのに保身の内向きベクトルです。そんな内向きの力関係故、国民にそっぽを向かれるのだと自民も民進も気が付いてもらいたいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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青学の短大閉校に思うこと4

青山学院が女子短期大学を閉校すると発表しました。個人的には少し前から知っていたのですが、黙っていました。今回、公にしたので呟かせていただきます。学生時代、化粧の匂いのする青短の学食に時々忍び込んでいました。女子学生が好きそうなピラフやドリアなどが器も女子好みのかわいい系で取り揃えていたのを思い出します。そこに入るのはかなり勇気がいるのですが、ある意味、別世界を楽しめたとも言えました。

さて、「アオタン」が何故、閉校になるのか、と言えば純粋に志願者が減っているためです。報道のとおり30年前は9000人近くいたのに今では2000人にも満たないためで役割を終えてきていると考えているのでしょう。大体「女子」短期大学であって、男子はなぜ、ダメなんですか、と言いたいところに短期大学の本当の歴史があるかと思います。

短期大学がもともとどういう経緯で設立されたのか、でありますが、一般的には戦後の学制制度の改革の中で四年制大学基準の規模や設備に満たないところが短大として許可を受けています。そのうえで、それまでの女子学校が高等教育機関として短大を設立したこともあり、女子短大が多いという背景があります。

次いで教育目的が四大と微妙に違います。四大の場合、「知的、道徳的及び応用的能力を展開させること」を目的としますが、短大の場合は「職業又は実際生活に必要な能力を育成すること」を目的とします。一見、短大はアカデミックさよりも実務的なレベルの教育機関という風にも読み取れます。実際には良妻賢母そのものを目的としていたと考えてよいかと思います。

良妻賢母とは「女子の本来の任務は家を整え,子を産み,子を育てることにあるとする思想に基づいた婦人の理想像を表わした語。 つまり,よき妻であり賢い母であることが婦人の理想とされ,したがって教育の目標とされた」(コトババンクより)であります。平たく言えば裁縫、生け花、家事全般が出来て子育てをきちんとできるような立派な母になりなさい、と言い換えることができるかもしれません。もちろん、今の方が聞いたら怒るかもしれませんが、かつてはそういう時代だったのですから致し方ありません。

それゆえに短大の設立学部は教養、英文、日文、福祉、看護、児童教育など比較的ソフトタッチで女子向きなものが多いのも事実です。

個人的には文科省の指針、及び短大経営者が世の変化に対応できなかったこと、そして魅力ある学部づくりができなかったことで就職を含めた短大卒の評価が十分ではなくなったことが今日の短大の敗因だと思います。

外国では短大は実務能力を養うところとしてごく普通にその地位を確立しています。私もカナダで採用試験に望むとき、短大卒の場合、一定の実務能力があるという前提で接することができます。カナダでも四大卒業の人は会社を渡り歩きながらキャリアアップを図るケースが目立ちますが、短大の場合、会社にしっかり根付いて専門職を任せやすいという違いはあるかと思います。

ところが、日本の場合、企業が新卒を雇うという習慣が変わらないため、名の知れない大学を含め、大卒と称する人が余りにもあふれてしまったのが現実であります。そこで割を食うのが短大生で、履歴書で差がつく結果になってしまったのでしょう。

日本全体の短大志願者の推移は1993年ごろがピークで定員20万人に対して26万人ぐらい志願者がいました。ところが99年に定員と志願者の数が逆転(つまり枠的には全入化)となります。在籍者の数でも93年が53万人でピークをつけますが、2016年は13万人を切っています。ちなみに在籍者の男女比は12:88で女子学校のイメージは確定的であります。短大の数は93年に600校弱でしたが、現在は340まで減っています。こうなれば学校経営としても成り立たないし、時代の流れからは遠い存在であることは一目瞭然なのであります。

では、このまま短大がなくなってよいのか、といえば私は違うと思います。何のために四大を出たのか分からない学生をてんこ盛りで生み出すより実務を身に着けた男女が生まれる短大教育を見直す時が来たと思います。

日本で教育の仕事を少し覗いていますが、できない人は本当にできないです。なのに、なぜ、履歴書に○○大学卒と書くためと「聞こえのよい良さそうな会社」に入るために四大に行かされるのか、(自分の意思で行くのではなく、親に行かされる)このあたりを原点に立ち返って考えてみるのも意味があることかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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