外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2017年08月

値上げする勇気4

経営者にとって値上げは胸が痛む判断でしょう。大概の会社や経営者は保守的行動をとりますのでなるべく値上げしないようコストを見直し、効率化を高め、他社の動向をちらちら見ながら我慢大会をすることが多いかと思います。それでも値上げしなくてはいけない最終的な動機とはこれ以上の効率化は図れない、というギブアップ状態から「敗軍の将は兵を語らず」的な苦渋の選択が見て取れます。

私がカナダで経営しているビジネス群は基本的に価格変動は需給に基き判断させてもらっています。概ね、価格改正は年中行事のようなものになっています。マリーナ部門は係留料が毎年4%前後必ず上がりますし、駐車場部門の月極も今年8%上げます。レンタカーは上げたもの、下げたものいろいろですが、慣らすと5%ぐらい上がっています。投融資部門でも貸付金利がカナダの利上げがあったこともあり上昇しています。変わらないのは長期リース主体の商業不動産部門ぐらいですが、こちらも契約更新時には市場動向に合わせるように上がっています。

これだけ上げてもマリーナ部門と商業不動産部門以外は私どもの価格は市場価格と比して3割から5割安い金額を提示しています。(私どもの価格が安いのはNO FRILL(飾らない)からでしょう。)もともとが安いこともあり、多少の価格改正ならばお客様はついてきていただいています。同業他社は我々以上のペースで値上げしており、値上げが追い付かない奇妙な状態にあるのです。ただ、私共もやみくもに値上げしているのではなく、設備投資やサービス向上の為に値上げ以上の資金を投じているのが現状です。

何故そんなに皆、値上げするのか、と言えばここ、バンクーバーの場合、潜在的物価の上昇率が大きいからでしょう。住宅では分譲は言うに及ばず、賃貸も10年前に比べて5割は上がっています。飲食店のように人件費の比率が大きいビジネスは賃金の上昇が最終価格に跳ね返ります。それこそラーメン屋から高級フレンチまでこの数年で肌感覚で3割ぐらい上がっているはずです。更に2021年までに最低賃金が15ドルになるよう現在、段階的に上昇させており、9月15日からはそれまでの最低賃金が4.6%上昇し、11.35ドルになります。

では、需要は落ちているのか、と言えば全くそんな気配はなく、人気飲食店の予約は取れず、ホテルはべらぼうな価格を提示するし、街からレンタカーはすっかり消え失せるほどであります。

値上げする経済は基本的に好転する経済です。需要を喚起するからです。ドライバー席は供給側にあります。良いビジネスをするところは価格以上の人気を博すため、事業拡大に走ります。この時、市場で淘汰がおき、成績不振のところが消え、勢いある会社が制覇する仕組みです。一方、需要はそれに追いすがろうとするのです。

ではアマゾンに買収されたホールフーズはどうでしょうか?今週から最大43%の価格見直しで大値下げ攻勢をかけています。真逆です。一つにはホールフーズの価格設定が強気すぎて市場の潜在需要を十分享受できなかったことがあります。が、私はホールフーズはデイリーな商品であることから値下げ圧力が強いのだろうと思います。

つまり、価格は二極化していると言えるのではないでしょうか?

日経に280円料金で有名な鳥貴族が28年ぶりに値上げし、298円にすると報じています。これを受け株式市場では同社株は一時10%以上も高くなるなど好意的に受けて止めています。もちろん、顧客側からは厳しい意見も出ているかと思います。個人的にはそれでもこの時代にまだ298円、嫌なら文句を言わずに他を当たればいいと思っています。もしも顧客が大きく流出した場合、鳥貴族の価格と顧客の関係が硬直していて経営側が28年間、顧客の成長を促さなかったとも言えます。

安さを売りにするビジネスの場合、価格を守るために経営がどうしても保守的になります。一方、品質を追求するところは顧客がその製品やサービスにほれ込んでいるわけで価格に妥当性があれば一番安くなくてもお客様は共に成長するのだろうと思います。

妥当な価格付けをする勇気、これが大事だと思っています。日本の場合、いやいや最後に値上げをするケースが多々見られますが、経営戦略としてクオリティを売るというアプローチもあるはずです。私が東京で経営するシェアハウスは決して安くはないですが、ほぼ満室が続いています。理由は心地よくて他を探す気にならない、と多くの皆様からコメントを頂戴しています。

価格戦略とは本当に難しいものです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

米ドルの行方4

ミサイルが日本の上を飛ぶと日本円が買われる、というストーリーを一般の方に説明するのはやや困難なことであります。いや、もしかすれば専門家すらきちんと説明できないかもしれません。私は為替取引はやりませんが、為替が強く影響する金(ゴールド)関連相場を手掛けるため、留意してその動向を見ています。FXの方の場合はストップロスの設定があるため、短期の動きにより注目するかと思いますが、私のような立場の場合、比較的大きなトレンドで見る点で立場が違うかもしれません。

私が基本的に参考にするのはドルインデックスであります。これはドルの価値を複数の主要通貨に対して指数化したものであり、特定のペアではない点で概観するには適しています。そのドルインデックスは2014年8月頃までは80前後をさまよっていたのですが、そこから急騰し、2016年12月に103までつけます。強いドルだった時は近隣窮乏化ではないですが、資源価格が下落し、金利上昇が期待されたアメリカに資金が回帰した時期に重なります。

ところが、トランプ大統領が就任した2016年12月前後からその風向きが変わります。欧州が安定し、中国発の経済不安感もいったん収まるなどアメリカ以外の国の回復ぶりが目立ち始めます。個人的にはトランプ大統領がドル安の引き金を引いたとは言いませんが、アメリカへの資金集中のトレンドが収まったという認識をしています。

その後、ドルインデックスはドル安を意味する下落の一途をたどり、現時点で91程度の水準となっています。チャート的には数々の下値抵抗線を抜いてきているため、下値の目途が立ちにくい状況になっています。(目先は一服していますので今日は円安に振れています。)

問題は今後であります。ドル安が懸念される最大の理由の一つに債務上限引き上げ問題がうまくいかないのではないかという点であります。アメリカの予算は10月からスタートするのですがそれには予算を承認することと財源を確保するという二つのプロセスが求められます。うち、財源が確保できなければ予算もへったくれもないわけでここが毎度の通り、ネックになっています。そして、今回は例年以上に厳しいとみられています。

財源がない、つまり、債務上限引き上げが出来なければ10月半ばぐらいから徐々に資金が枯渇してきますので政府機関に機能しなくなるところが出てきます。過去、何度もこの事態に陥っていますので「またか」的な雰囲気があるのですが、格付け機関がウオッチするなど要注意状態にあります。

また、外部環境としては欧州中央銀行は先々の利上げが視野に入ってきてドル安ユーロ高を演じているほか、利上げ期待のある英国、カナダ、オーストラリアがドル安を誘う原因となっています。一方のアメリカからはこれ以上ドル高になる材料が出にくいというシーソーゲームではないかと想定しています。

円に関しては引き続き金融緩和政策をとっていますので微妙なバイアスが続きますが、景気動向次第では緩和の具合をやや引き締める可能性がないとは言えないでしょう。

仮に5%程度動いた場合、円は100円台前半まであり得ることになり、多くの輸出企業の想定為替レートより悪化してしまいます。このあたりを日銀と政府がどう対処していくのか、注目すべきところではないかと思います。

強いアメリカとは経済、軍事、政治力を含めた総合的影響力でありました。ところがこの10年、アメリカに総合的強さの維持が困難に見えるとともに欧州(ユーロ圏)の安定感と中国の台頭は為替の「座り心地」をも変える可能性があることに留意せねばいけないのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ライドシェアの時代4

あなたが雨の日に車を運転している時、バス停で傘もなく、ひとりたたずむ女性を見かけたとします。「お乗りになりますか?」と声をかけても怪しい奴だと思われるのが関の山。いや、それ以上に警察は「知らない人についていかないように」と教育しています。つまり、バスのように不便で時間もかかり、お金もとるものなのに人々は「安全、安心」なものとして利用します。

一方、カナダでちょっと郊外に行くと相変わらず、ヒッチハイカーを見かけます。初めて北米に来た頃には「大丈夫なのかな?」と思ったりしたのですが、案外、乗せる人は優しく、一人で長距離運転するのは飽きる、という方もいらっしゃってそれなりに機能してきたと言えるでしょう。

ウーバーのようなライドシェアは「運転する人は怪しい人ではない」という前提を作ったという点で極めて優れたビジネスモデルだといえるでしょう。日本では役所と業界の意向があり、解禁されることは当面なさそうな気配ですが、ここBC州では解禁の兆しが見えてきています。

ライドシェアはアメリカでは80年代には普通にありました。郊外に住む近所の人たちの通勤先がダウンタウンなど同じ方向ならば数人が1台の車に相乗りし、月曜は誰、火曜は誰、といった具合に順番で運転手と自動車を回す仕組みになっていました。これならばガソリン代も車の損料、駐車料もぐっと抑えられ、街の交通渋滞の緩和にも役立ちます。その後、高速道路にはライドシェアレーンが出来たりして、ライドシェアの発想はどんどん進化していきました。

高速道路を通過する無数の車を移動手段のインフラだと考えれば確かに空っぽの後部座席よりも誰か乗せたほうが効率的に決まっています。いかにもアメリカらしい発想であります。

これが中国で馬鹿はやりしているのですが、個人的にはアジアでのその発想は「サイドビジネス」なのだろうと思います。もともとの発想は一人運転は暇、ガソリン代が節約できるというシェアの本質的理由でそれが始まったはずなのにアジアは金儲け手段と考えてしまうところに大きなギャップがあるような気がします。

同様の話は民泊で、日本では年間180日までの運用を前提とした法律が18年1月から施行されます。この180日に対してあちらこちらから「これでは商売にならない!」と声が上がります。しかし、民泊の趣旨はそんなアグレッシブな拝金主義ではなく、「余った部屋があるから泊まる?」ぐらいの感覚をネット環境に乗せただけであります。

個人的にはこの発想の最大の違いは宗教観から来るのだろうと思っています。つまり、キリスト教的な助け合いや愛の手といった考え方が礼拝などを通じて刷り込まれています。これはユダヤでもイスラムでも近いものがあります。ところが神道や仏教はそのような教えを恒常的に聞くことはありません。せいぜい、法事の時に坊主から説法を聞かされるぐらいでしょう。

シェアビジネスを語るには誰も指摘したことがないであろうこの最大の違いを認識しないことには意味をなさないと思います。

では、利用者側のスタンスはどうでしょうか?アジアにおいてはライドシェアでも民泊でも「安いから」が最大の理由ではないでしょうか?北米ではたぶん、「便利だから」が先に来ると思います。以前も書きましたが、北米では地域によってはタクシーなんて来ません。来てもサービスが悪かったりすることを考えるとライドシェアは「すぐに目的地に行けて助かった!ありがとう、はい、これそのチップね。」が発想の根源だろうと思います。つまりビジネスとしての発想というより奉仕の精神が先行していると考えられないでしょうか?

日本の場合は拝金主義の上に「下心満載」の男性陣がいたりするのが問題です。たしか、先日も民泊施設で下心が災いした事件がありました。私は日本ではこの手の問題は必ず起きるとみています。これが役所なり業界が「解禁できるわけない」と規制を上げる理由づくりになる、ということです。

ではお前はライドシェアをやるのか、と言えばやらないと思います。そこまで効率化に囚われると疲れてしまいそうです。解禁された暁にはやりたい人はどうぞ、という感じでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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マスコミの戦国時代4

ごく最近、産経の電子版で読まれた記事トップに輝いたのが「『とにかく安倍をたたけ』の大号令、 新聞業界の『不都合な真実』」であります。記事の内容は毎日や朝日新聞が安倍首相を叩くことなら何でもするという社内の雰囲気があるという業界暴露記事であります。

産経はこれとは別に東京新聞の望月衣塑子記者の批判記事もしばしば掲載しています。菅官房長官の記者会見でしつこく迫る姿には賛否両論で「週刊金曜日」「アエラ」など左系雑誌が氏の姿勢に賞賛しており、事態を煽っています。

かつて、記者会見が「荒れる」ことはありませんでした。マスコミの自制が効かなくなったのはトランプ大統領とマスコミとの戦いが直接的引き金になった可能性は高いでしょう。それ以上にマスコミそのものの生き残り大戦争が起きていると言えます。また「週刊文春」がマスコミのあり方の次元を変えたきっかけとなった点も見逃せません。

日本の大新聞は一般紙と称され思想の色はあっても差は比較的少なかったのが歴史であります。理由は新聞購読者を取り込むためには「思想色」が邪魔になったからです。石鹸やティッシュペーパーを抱えた新聞のセールスが玄関口で「お宅のような記事を書く新聞は購読できないね」と門前払いを食らうと新聞の営業部が編集部に「どうにかしろ!」と社内戦争を仕掛け、結局中和的なトーンになるというのが歴史でした。毎日新聞出身の山崎豊子氏著「運命の人」の小説かそのドラマにもそれが表現されているシーンがあったはずです。

産経新聞はかつて経営不振でその打開のために「主婦が喜ぶカラー刷りの夕刊」を売りにしていました。そのカラー刷りの記事とは今夜の料理がテーマで、実に平和な時代だったとも言えましょう。

ところがネット主流になると紙媒体の新聞を購読する層が極端に減ってきます。このままでは20年後に何社紙媒体を発行し続けられるか、という状態でしょう。その点で例えば東京新聞の望月記者の行動は同新聞のマーケティングには極めて大きな効果があり、それこそ、年末には立派な賞与が支払われるのではないでしょうか?

さらに過激なのは無名のネットメディアが数多く立ち上がりそこの記事がヤフーなどに掲載される状況になっています。また、その先を行くのは字を読むのが苦手になった現代人のために動画ニュースを発信するメディアまで登場です。

スマホではソフトをダウンロードすればニュース情報がどんどん入ってきます。エレベーターや電車を待つ数十秒から数分の間に読めるその情報はある意味、マインドコントロールされやすい要素があります。「ニュースピック」ではあるニュースを開くと有名人のコメントがぱっと同時にみられます。そこに堀江貴文氏がよくコメントを入れているのですが、例えば「彼がコメを入れているニュースなら読もうか」という仕組みになっているのです。

今、メディアの構造は大きく形を変えたとも言えます。つまり一つの事実に対して多くの補足、歴史的背景および専門家のコメントという記事体系が一般人や有名人、非専門家のコメントでその記事の評価をする時代になっているとも言えます。

これはあたかも「ぐるなび」で行きたいレストランのコメントが重視されるのと同じであります。言い換えれば専門家は政策、戦略的に言いたいことも言えないけれど素人で一般人なら明け透けのストレートボイスが発信できるとも言えます。

これではマスコミのマーケティング戦略はよりアグレッシブになり、本質を見失うどころか、一般大衆に間違った色付けをし、更に国民を賛成派、反対派という明白な分離を促進させることになるでしょう。

アメリカで起きているトランプ大統領とマスコミの対立はアメリカの問題ではなく、地球儀ベースで同様のことがおきているその氷山の一角だといえます。

我々がマスコミに利用され、マインドコントロールされたくないならばニュースの読み方も考えなければいけない時代なのかもしれません。見方によっては便利どころか、全く面倒な時代になったと思います。

では今日はこのぐらいで。

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トロントの南京大虐殺記念日問題4

南京大虐殺?カナダのトロント?オンタリオ州議会?

初めて耳にする方にはその二つが即座に結びつかないと思います。いや、私だって結びつきません。しかし、この動きはずっとありました。トロント市では中華系議員の強い押しもあり、悪名高きロブフォード市長(当時)が推進派に押し切られるように2012年に12月13日を南京大虐殺記念日としてしまいました。この時は南京大虐殺75周年という仕切り目だったことがあります。(こちらでは25年ごとの仕切りをより重視します。)

その後、しばらく落ち着いていたのですが、この半年ぐらい、再びその話題が盛り上がってきてしまいました。理由は今年の12月13日は南京事件から80周年となるからでこれを機に恒常的な記念日としたいという活動家グループ(トロントの「アルファ」)の意向があるようです。

現地の声は断片的に聞こえてきています。日系文化会館という現地の日系のコア施設団体(会員数3500名)が中心となって日本側の主張について交渉を進めてきていますが、併せてなでしこアクション(真実の歴史を世に伝えたいという山本優美子氏を代表とする主に女性の活動グループ)のトロントの方々もかなり活発に動かれているようです。

ご記憶にある方もいらっしゃると思いますが、2015年にバンクーバーに隣接するバーナビー市で慰安婦像建立の計画を察知し、大掛かりな日系グループの反対運動を展開、これが功を奏し、その建立を阻止いたしました。私もその端くれとして、15年4月にバーナビー市長と談判、平和的解決案の提示を経て翌日の市長声明とあいなりました。(ただし、実際には様々な戦略的下地作りでなしえたものであります。)

その時の慰安婦像はかなり前から韓国の職人により制作され、その代金の支払いという問題が相手側にはあったようです。よって、それを建立することで一定の寄付金を集めなければいけないというそもそも論がおかしな状態にあったと記憶しています。そこの陰にちらちら見えたのがアルファであります。正式には世界抗日戦争史実維護連合会というようですが、舌を噛みそうなので通常アルファ(ALPHA)と称しています。これは中華系の強い団体であり、本部はロスにあります。

このアルファを敵に回すとやりにくくなるため、慰安婦像問題の際にはアルファと極力距離を置く戦略はありました。しかし、今回のトロントの南京大虐殺記念日はアルファが直接的に関与しているものと思われ、先行きは楽観視できません。

この問題はたまたま一週間ほど前の日経と産経に「自民党の有志団14名がオンタリオ州議会に手紙を出したことが分かった」(発出したのは6月でずいぶん古い話です。)という記事が出たので今日のブログのトピに上げてみた次第です。ちなみに中国外交部は華春瑩報道官が21日の定例記者会見で「南京大虐殺は抹消を許されない痛ましい歴史であり、歴史を鑑としてのみ戦争の悲劇の再演は避けられる」と述べています。

この手の問題は実は戦略的に非常に難しい問題があります。それは日本政府(=外務省)が表立っては動きにくいのです。何故かと言えば日本政府が動けばそれに対抗するように中国政府が当然出てくるからです。つまり、第三国の事象に日本と中国の政府間でバトルをするという大掛かりな問題が生じてしまうのです。

その場合、矢面に立つのは現地の日系人と日系団体であります。同じことはアメリカ各地で沸き起こる慰安婦像建立問題への対応も同様であります。ところがいわゆる団結力が希薄なのは海外の日系団体の最大の弱点でもあります。中華系や韓国系は目的論を掲げさせると時として大きな力を見せることは朴槿恵氏反対デモや香港の民主化デモで十分証明できます。

では第三国のカナダではどうなのか、ですが、基本的にアジア情勢に十分精通していないローカルの人たちは一方の当事者の主張に「なるほど、そうだね」とまずうなずきます。ところが日本側から何も声がないとそれに暗黙の了解があると思うのです。つまり、北米の典型的スタイルなのですが、意見がないものはそれに賛同する、同意する、了承すると捉えられてしまうのです。

ここで海外の日系コミュニティには二つの問題があることを提示しておきます。一つは情報に疎いこと、二つ目に組織力がないことであります。海外では「したたか」という言葉がぴったりくるほど様々な利害関係が常に渦巻いています。日本のように平和で四季が巡り巡るなどという穏便な時はなく、常に緊張感を持たざるを得ません。ゆえに我々在留邦人は一人ひとりが日本のレプリゼンタティブだという気持ちで、もっと広い情報や見地を持ち続けなくてはいけないでしょう。

海外に来てそんなことまでしなくてはいけないのか、と思われる方が大半だと思います。このような活動の話をするとすぐに手を横に振って「興味ないから」「時間がないから」と逃げてしまう人もかなり多いのが実情です。残念です。

トロントでなぜ南京大虐殺記念日なのか、世界で1,2を争う多様文化都市トロントにおいてそのような論理性がどこにあるのか、私にはさっぱり分かりません。それこそ、広島の原爆記念日をカナダで記念日にするのか、という話と同じです。そんなことすれば365日、全て記念日で埋め尽くされてしまうでしょう。

一定の強い思想をもった人々の色に染めてしまうことは全ての人にとって後悔でしかないと思います。今、アメリカでも白人至上主義に関して大きく湧き上がっています。我々はバランスを良しとする「主流派のボイス」を味方につけるべきではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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今週のつぶやき4

子供たちの夏休みが短くなる傾向が話題になっています。脱ゆとり教育で授業のコマ数確保ができないから、というのが理由です。9月から2学期という時代も終わり8月20日前後から学校が始まる時代が到来しそうです。子供受難の時代でしょうか?

さて今週のつぶやきです。

ジャクソーンホールよりゲーリーコーン
市場関係者の期待感はほぼゼロだったアメリカ ジャクソンホールでの中央銀行関係者の会議。もともとはここでフライフィッシングを楽しみたかったポールボルガー元FRB議長の時代からの一種のお祭りであります。忙しい中銀関係者からすれば夏のバカンスのようなものでしょうか?

今回もイエレン議長から中小金融機関の融資規制緩和の発言こそあったものの金融政策についての発言はありません。そもそもイエレン議長からサプライズ発言が出ると思っている専門家ももほとんどいませんでした。それよりもゲーリーコーン国家経済会議委員長が「白人至上主義問題」が発生して以降初めてインタビューを受けた方が10倍注目であります。

コーン氏は次期FRB議長の最有力候補。そして発言では「I have come under enormous pressure both to resign and to remain in my current position.」(委員長の座に残るか、辞めるか極めて強い外部圧力の中に自分はいる)でありました。ユダヤ人としてのプライドを含め、ギリギリの選択にある胸の内を明かしたわけです。また、先週金曜日に大統領に会った際にはドラフトした辞任の紙を携えていたとしています。

仮にコーン氏が国家経済会議委員長や次期FRB議長を受けないとすれば氏の影響力はユダヤ系の影響力ある人に伝播することが確実であり、ユダヤであるイエレン議長も同調しかねません。これが起こればトランプを取るか、ユダヤが支えるアメリカの政治経済を取るか、の踏み絵となってもおかしくないと言えるかもしれません。

「もう職場には戻らない人」と「もう職場には戻れない人」
前者はアメリカで史上最高額の宝くじが当たった53歳の女性の発言。後者はサムスンの李在鎔副会長(49歳)に言い渡された禁固5年間の実刑判決であります。

片や働かなくて済むという嬉しさ、片や、こんな中途半端なところで韓国最大企業のトップのポジションを享受できない悔しさがにじみ出ています。

さて、李在鎔氏の判決。一部で指摘されているように世論が動かす「国民情緒法」で判決なんてどうにでもなるという世界そのものでありました。朴槿恵元大統領にも厳しい判決が下ると予想されています。私は財閥支配に苦しむ国民や世論をうまく取り込んだ中国側のマインドコントロールが効いているとみています。韓国人は自己責任よりも「誰かのせいにする」ことに長けているだけでなく、「誰かが助けてくれる」という甘えの姿勢も非常に強い国民性があります。ここをうまく利用されたというのが私の見方であります。

東芝のあがき
「恥も外聞もなく」というのは東芝とそれにぶら下がる人たちのことなのでしょう。優先交渉権がいつの間にかファンドのKKRとウェスタンデジタル組に変わっていて産業革新機構や政策投資銀行も勝ち馬への乗り換えをするようです。昔の戦国大名が「どっちの親分が勝ちそうかでついていく相手を決める」としたのと同じです。

日経は「売却額は2兆円を軸に」としていますが、このディールは甘くないはずです。KKRは肉食系、それにあれだけあがいたウエスタンデジタル社です。私の大胆予想はKKR/WD組が条件付き売買契約(3月末までのクロージング)の勝利をおさめますが、東芝は上場を維持できず、結局、条件未達で売却出来ず、がシナリオになると思います。

私がキーだと思っているのは独占禁止法審査時間であります。もともと7-9か月かかるとされています。9月上旬に売却ディールが決まったとしても3月末まで6.5カ月しかないのです。どれだけ頑張っても時間切れの懸念がありますが、その最大のハードルは中国であります。中国が政策的にこの売却に意地悪をしようとすればほんのちょっとだけゆっくり作業をすればよいだけです。

個人的には東芝の半導体部門売却を回避したうえで非上場化する案は既にプランBで検討されているのではないかと思っています。その場合、誰が負けになるのか、といえば上場が前提の日本の金融機関であり、東芝は実は勝ちとなるはずです。なぜなら最大の儲け代が東芝に残るのですから。


後記
何やら日本は食中毒大はやりで感染経路も特定できていないものもあります。挙句の果てに貸し切りバスに乗っていた乗客まで食中毒という事件もあったようです。外食が信じられず、家で食べるという人も増えるのでしょうか。飲食店にとっては美味しくない話です。

では今日はこのぐらいで。

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減り続けるゴルフ人口が物語るもの4

日本生産性本部が毎年発表するレジャー白書。今年の目玉はパチンコ人口が遂に1000万人を割ったという点のようです。合わせてテレビゲーム、宝くじ、カラオケも市場が縮小しているようです。その中で日経はさすが、目の付け所が「ゴルフ人口」でこちらはこの1年で27.6%も減って550万人となり、ピークの3分の1になったと報じています。

私もお仲間のうちなのですが、ゴルフ、パチンコ、宝くじ、カラオケ…これらはみんな昭和のレジャーなんです。共通して言えることは「無駄打ち」と「時間がかかる」点でしょうか?宝くじは時間がかからないじゃないか、と言われそうですが、発表までの日にちが待てないのが現代の人です。今すぐ知りたいんです。

私がゴルフをほぼやらなくなったのは10年以上も前。サラリーマンの時は年に20-30ラウンドはしたと思います。が、もう無理、と思ったのは平日ゴルフでは仕事のことが常に頭にあるし、週末ゴルフはこれで半日以上費やすのはあまりにももったいないと思ったからでしょう。その後、年に数回、どうしてもやらねばならない付き合いゴルフもあったのですが、「ひろはゴルフをやらない」と認知され、いまでは「ゴルフやっていたの?」と言われます。

私の通った大学は田中康夫の「なんとなくクリスタル」の題材になるようなところでその当時、全国大学の先陣を切って大学の周りから雀荘が消えていきました。(私の通った高校も同じ敷地内ですからその変遷はずっと見続けてきました。)なぜ、麻雀が流行に敏感だった我が大学で真っ先に廃れたかと言えば「ダサい」「時間の無駄」「タバコくさい」「生産性ゼロ」でとどのつまりは「女の子のモテないから」でありました。

ところがゴルフは私が高校の時から一目置かれていて「ゴルフ部の〇〇さんって…」という話が結構聞こえてきました。テニスとスキーも流行ったのですが、ゴルフは別世界だったと記憶しています。何故ゴルフが格好いいと思われたかと言えば「金持ちの象徴」「おしゃれ」「ゴルフ場に行く車にも期待!」でなぜかゴルフ部の連中は何時も原色系のベストを着ていた記憶があります。

さて、私は卒業後、就職した先がゴルフ場を造成させたら日本でも有数のゼネコンでした。そして御多分に漏れず、私も自社開発のゴルフ場の現場で1年半お世話になりました。当時のゴルフ開発は尋常ではない金をかけました。川田泰三先生の監修で倉本昌弘氏や岡本綾子氏が工事中のゴルフ場に来て、コースデザインの微調整を行い、とにかく日本一のゴルフ場を標ぼう、会員権は第一次募集が8000万円の法人オンリーでした。当時日経に日本一高額の第一次募集として記事にもなりました。

時代はぐっと飛び、90年代後半、私はアメリカ、ワシントン州でも仕事をしていました。それは自社所有のゴルフ場の経営、管理でした。極めて戦略的で管理も行き届いたゴルフ場でしたが経営的には厳しいものがありました。そのため、PGAの下部組織であるナイキツアーのコースにすると同時にナイキツアーのノースウェスト本部もゴルフ場内に設置するなどあらゆる手を尽くします。が、資金繰りが悪化していたため、売却しかない、と判断。マイクロソフトの創業者グループのおひとりである日系人の方に売却しました。(この方は現在、ゴルフ場をかなり所有、運営していらっしゃるアメリカで活躍する代表的日系人のおひとりです。)

つい数年前、長年親交のあったある日本人から氏の所有するカナダ国境に近いアメリカのゴルフ場を買わないか、と言われ、かなり真剣に検討し頻繁に通いました。結果、金額の折りあいがつかず、購入を断念しましたが、ちなみに私の査定は1億円ほどでした。普通のゴルフ場の価値はせいぜいそんなものしかないんです。今、そのゴルフ場は閉鎖したと思います。

そういうわけで私もなんだかんだ、ゴルフとはずっと縁があったのですが、結局、時間と金がかかり、ルールと講釈が多いレジャーは廃れるということだと思います。

ところでレジャーには2時間の壁があるのを御存じでしょうか?

映画、コンサート、ドラマ放送、講演会、野球やサッカーのゲーム…多くのイベントは大体2時間で終わります。これは一般的人間が集中できる限界なのです。つまりゴルフ業界が「これからどうしよう」という懸念を持つなら、ずばり、ハーフラウンドをオファーすることだろうと思います。

ゴルフは頑張って4時間、込んでいれば5時間以上かかります。日本では更に昼食があります。これが長すぎると思います。また、ゴルフ場は潰しが効かない施設です。あればかりは閉鎖しようが倒産しようが煮ても焼いても食えない不動産。たしか、千葉県と兵庫県はゴルフ場のメッカだったと思いますが、せいぜい、地元料金でも作って現状維持するしかないのではないでしょうか?

松山選手の活躍の陰でゴルフが十分楽しめないのは実に残念ではあります。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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