外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2018年02月

予想通りのパウエル新FRB議長証言4

パウエルFRB新議長の話など興味ある人はわずかかもしれません。が、アメリカの「二人の大統領の一人」といえば少しは興味も出るかもしれません。勿論、アメリカに2人、大統領がいるわけはないのですが、FRB(連邦準備制度理事会)という組織はそれぐらい金融に関する実権を持っており、アメリカの経済を牛耳っているといっても過言ではないでしょう。

一方、本物の大統領であるトランプ氏は「ビジネスマン」としての自負が強く、経済活性化を政策的に推進しようとしています。言い換えれば今までの大統領は金融政策花盛りという時代のニーズもあり、FRB任せだったともいえるのですが、トランプ大統領はそのお株をFRBから少しでも奪おうと奮闘しています。税制改革もそうですし、具体案が出ませんが、強大なインフラ整備案もあります。こうなるとトランプ政権が進む道をFRBが踏み外さないようフォローしていくというスタンスにみえ、今までと攻守逆転した感すらあります。

その中でジェローム パウエル氏は考え方は前任のジャネット イエレン氏とほとんど変わらないものの民主党が指名したイエレンでは嫌だ、ということで共和党が推すパウエル氏に挿げ替えました。

今日、そのパウエル氏の議会証言が行われました。議長就任以来ほとんど公的に発言をすることがなく、就任初日に襲ったアメリカ株式市場のクラッシュにも無言を貫きました。そういう意味では何を言うのか、一応、注目されたのですが、ふたを開けてみればやはり、何も面白くない証言だったと思います。

面白くない証言とはどういう意味か、といえば市場がほぼ予想した通りの保守的で踏み外さず、言動も深入りせず、現状を追認し、金利は徐々に上げる、といったテーゼ的発言にとどまりました。本年の利上げ回数についても具体的なことには一切触れていません。言い換えれば金融関係のメディアにとってこれほどニュース性のない議会証言もない、ということであります。

では、アメリカの経済が今後もシナリオ通り成長していくのか、という点については専門家の間では議論があるところです。特に税制改革による経済刺激策は現状のように景気が比較的良い時期にやる政策ではないという意見には注目です。これにより労働市場をひっ迫させ、景気を必要以上にヒートアップさせる結果、金利が上昇し、景気を冷やす、というシナリオです。ならばパウエル氏はタカ派でもハト派でもないトランプ政権追随派で、トランプ大統領が盛り上げれば盛り上げるほど市場がオーバーヒートしないよう、ゆっくり冷やす女房役にも見えます。

オバマ政権の際、FRBは真骨頂だったと思います。リーマンショックからの回復においてFRBの果たした役割はあまりにも大きく、長く経済の主役の座についていました。バーナンキ氏からイエレン氏へのバトンタッチもスムーズで、イエレン氏は労働市場の回復という点に強い目標を置きました。

パウエル氏の証言で労働市場の話はほとんど出てきません。あるのはインフレ機運に対してコントロールする、というスタンスであります。ではインフレになりやすい環境を作ったのは誰か、といえばトランプ氏の税制改革です。首座入れ替えに見えるのはこのことであります。

少なくとも過去10年から20年、経済を主導するのは金融政策だという流れがありました。もしかするとトランプ大統領はその大きな流れを変えるのかもしれません。つまり、政権主導型の経済政策と景気対策であります。中央銀行はそれをフォローする役割にする、という役割が世界の流れになる可能性は否定しません。例えば習近平氏は今まで以上に経済政策を強く打ち出すかもしれないですし、日本も炭酸が抜けたような黒田氏の日銀より2020年オリンピック後に向けた政策期待が高まりそうな気もします。

こう考えるとパウエル議長の証言からいろいろ想像力が膨らんできてしまうのですが、こんなことでこれだけ引っ張るのも私だけなんでしょうね。所詮、あまり注目されない新FRB議長という予感がします。

では今日はこのぐらいで。
 
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また明日お会いしましょう。

仮想通貨の新ステージ4

仮想通貨の議論をみていると様々な長所短所が見えてきます。その中で現在市場で取引されているビットコインなどが第一期とすればそろそろ次のステージにバトンタッチする頃かな、と思っていたところ、面白いものが出てきました。ベネズエラ発の「ペトロ」です。

ベネズエラといえば南米の石油の国、実質国家破たんしている国、アメリカなどから制裁を受けている国といったろくでもないイメージが付きまといます。昔はもう少しまともだったのですが、大統領が二代続けて酷く、国家をぶち壊してしまいました。世界でも最悪国家の一つであります。

ちなみに同国のインフレ率だけ見ると2015年が112%、16年が254%だったのですが、17年には2616%であります。数字だけ並べられてもピンとこないでしょうが、1年で物価が27倍になる世界は世の中から定価が消えることを意味します。私もかつてハイパーインフレ時代のブラジルを訪れたことがありますが、価格は一日に何度も作り変えられ、レストランでは昼と夜で価格が変わります。

そんなベネズエラ政府が苦肉の策として打ち出した仮想通貨「ペトロ」は同国で産出される石油を裏付けとし、ドル、ユーロ、ビットコイン、イーサのみで購入できるそうですが、裏付けとは何でしょうか?よくわかりません。ベネズエラ政府が期待する発行額60億ドルが生み出せるか疑問符が付きますが発想としては明らかに次のステージ入りをしています。

価値の裏付けという点では先日、米ドルにリンクされているとする仮想通貨「テザー」の管理者が米当局の呼び出しを受けたことで話題になりました。「本当に仮想通貨の発行額相当の米ドルを資産の裏付けとして所有しているのか」を確認するためです。テザーは中国人が国内資金の海外持ち出しルートとして活用していたため、注目をされていました。調査ではどうもプエルトリコに何か裏付け資産があるらしいという話は聞こえてきますが、多分、政治的圧力で潰される気がします。中国政府が放置するとは思えません。

流出したNEMも結局いまだ、決定打はありません。本来、ブロックチェーンは流通の足跡が残る=取引の全容がわかるはずでした。しかし、そこがクリアできなかった痛手は現在流通している仮想通貨の安全レベルが稚拙であることを裏付けてしまったと言えるのかもしれません。

話を元に戻しますが、ベネズエラ政府が仮想通貨を発行することはある意味、新時代を迎えたかもしれません。ロシア政府は仮想通貨「クリプトルーブル」の発行手続きを進めていますが、現在、「障害」にぶつかっているようでしばらく保留される可能性が高い模様です。クリアできない不正使用などへの対応が思ったより複雑なのだろうと思います。ただ、今後、政府発行の仮想通貨は様々な国が追随する可能性はあります。私が思う仮想通貨の第2ステージとはまさに「聞いたことがない国家や街や地方政府があたかも地方国債の如く発行する通貨」であります。

例えばスペインのカタルーニャ地方が万が一、独立宣言をした場合、同地方が仮想通貨を街の資産を担保に発行することは論理的には可能で、それは一種の起債であって、広く一般人を巻き込みながら普及させるということと同じになります。これを逆手に捉えれば国家の秩序をいくらでも乱す手段がそこに生まれつつあるということでもあります。

仮想通貨の発行者は一定の担保なり裏付け資産をもつことが今後の仮想通貨発行の最低限の前提になるかもしれません。今、日本のメガバンクが発行準備をしている仮想通貨も1コイン=1円の交換という担保がついています。つまり、これが本来あるべき仮想通貨の姿への移行期ともいえるでしょう。

さて、ここで大きな疑問符が付きます。担保価値なり裏付け価値があるとすれば仮想通貨という相場が成立するのか、であります。私の頭ではどうしてもここは解明できません。テザーは中国人が国内資金を海外に持ち出すための手段だという特殊事情がありました。つまり、テザーに一旦変えることが主目的であり、テザーそのものの利用を考えているわけでもテザーの値上がりというわけでもなく、あくまでも媒介であったような気がします。

ベネズエラのペトロは国債と何ら変わらず、持つことによる割引率が何%か、という話になりはしないでしょうか?つまり、基準価格の1ペトロ=1バレルの原油価格を越える積極的理由があるのか、であります。専門的には原油価格の先物に対するレバレッジ効果という側面でペトロが大きく上昇するシナリオは考えられますが、余りにもマニアックで一般受けしません。

こう見てくると仮想通貨は今後、時間と共に新しい通貨が品を変え、形を変えて出てくるとみています。但し、ビットコインにみられるようなボラティリティはなく、時間と共に落ち着きのある相場付きになるような気がします。

ビットコインは数年もたてば「お前、まだ、ウィンドウズ95、使ってんの?」というレベルと同じ話になるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

北朝鮮の狙い、朝鮮半島の展開5

オリンピックが終わり、日本の報道は余韻を残しながらようやく平常に戻るのだろうと思います。思い出していただきたいのはオリンピックが始まる前、北朝鮮のオリンピック参加、応援団、楽団の公演などを通じて政治化したオリンピックとあれだけ報道が熱くなっていたもののいつの間にかスーッと消え、閉会式に金英哲副委員長が来たことも小さな報道で留まっています。あれっと思っている方もいらっしゃるでしょう。

文在寅大統領はオリンピック期間中、せっせと南北外交を進めていました。それはオリンピックという例外規定や緩和期間を通じた戦略でありました。結果として金正恩委員長の妹、与正氏や2010年の哨戒艦爆沈事件の主導者であり金正恩氏の右腕的存在である金英哲氏との会談を成功させています。

ではなぜ、金正恩氏が姿勢を転換させたのでしょうか?個人的にはミサイル実験を続けるのが難しくなった事情がある気がします。一つには実験はほぼ完了し、次は実験ではないというレベルまで達した可能性があります。もう一つは資金的に制裁がじわりと効いて厳しくなってきた可能性もあります。それを受けた作戦変更はあり得ます。が、私は出来レースのような気がしないでもありません。つまり、誰かに仕組まれたストーリーという気もするのです。

先週、トランプ大統領は独自制裁としてはかなり厳しい(本人は今までで最も厳しいとする)27団体、28船舶の制裁逃れの海上貿易に対してペナルティを課しました。今、アメリカが主導している対北朝鮮制裁はいわゆる水攻め、兵糧攻めであって、相手がギブアップするのを待ち続けるというスタンスに見えます。これは確かに堪えているはずで金委員長が作戦変更を余儀なくさせられたとすればアメリカの思惑通りということになります。

現在、金−文の両首脳会談が取りざたされています。個人的にはさほど遠くない時期に文大統領が訪朝する形で実現するのだろうと思います。首脳会談そのものはアメリカも日本も反対はしないはずです。問題は核開発を止めるのか、国連の査察団を受け入れるのか、といった言質を取れるのかが着目されるところです。安倍首相は多分内心、「できないだろう」と踏んでいて、それ故に文大統領にかなり強くその点を説明したものの思われます。

では南北両国の間はどうなっているのか、でありますが、北朝鮮は韓国の動きに関して内部情報を含め、ほぼ全て把握していると断言してよいと思います。その上で金与正、金英哲両氏を韓国に出したのでしょう。

北朝鮮の情報部は偵察総局と称しています。もともと作戦部、対外情報調査部、偵察局があったものを統合したものです。その偵察総局の初代トップが強硬派として知られる金英哲氏であります。それとは別に北と南にはもともと情報交換する秘密組織があり、密接に繋がっているとされますが表向きはほとんどわからないようです。また、もう一つ実態がよくわからない秘密組織として「洛東江」があります。多分上述の偵察総局の一部門だとは思いますが、工作機関として知られています。

ちなみに北朝鮮の諜報組織の原型は日本が戦時中に作り上げた陸軍中野学校の諜報部隊の一部であり、終戦で北朝鮮に残った連中が暗躍したのではないか、とされる話もありますが、真偽のほどはよくわかりません。いずれにせよ、北朝鮮の偵察総局は優秀であり、金正男殺害も彼らの手で行われています。

つまり、手を知り尽くした関係の中で双方接近となればアメリカ、日本、更には国連を納得させるような合意形成がどう作られるのか、ここにかかってくると思います。ここで必ずくぎを刺さねばならないのは「ゴールポストは固定しなくてはいけない」という点でしょう。文大統領と国際世論がどう対峙するのか、一歩間違えば同属とみなされかねないギリギリの外交となる気がします。

仮に南北統一へのスケジュールでもできるとすれば日本は相当構えなくてはいけないでしょう。南北が共通する政治的標的は日本になる可能性が高いからです。その際、日本にも彼ら諜報部隊は相当、入り込み、それなりの左派的活動をするはずです。断言してもよいでしょう。それゆえの一歩先を読んだ対策を日本は早急に進めるべきだと思います。

では今日はこのぐらいで。

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日本流の顧客サービス、その是非4

少し前の日経ビジネスで「おもてなしのウソ」という特集を組んでいました。思わず、食い入るように読んだのですが、多分、賛否両論の記事だった気がします。

私が面白い内容だなぁと思ったのは吉野家は「フルサービス」を標榜していたものの実験的にセルフのうどん屋のようなセミサービス店舗を展開しているという点。いや、何気に考えれば吉野家がフルサービスで松屋がセミサービスという違いを誰がどれだけ価値として感じているかわかりません。ならば、確かに吉野家のセルフはありなのかなぁと思います。

一方で私はラーメン店の自販機でチケットを買うのがあまり得意ではありません。メニューの写真を見てうまそうかどうか決めるべきものが欠落し、商品名と価格だけのボタンを押せ、というのも横柄な商売だなぁ、と感じるのです。そして餃子がうまそうなら頼むかもしれないけれど見せるマーケティングがどっかに行ってしまっています。

もう一つ、記事が着目していたのが旅館「加賀屋」のサービス。客室係が到着後の対応だけで8回も訪問していたというのです。確かにうざいでしょう。これでは「家政婦は見た」ならぬ「客室係は見た」になってしまい、客のプライバシーにかかわります。旅館の位置づけが変わってきた今日、サービスのやり方も当然変化しなくてはいけません。

記事には旅館の部屋食がだるい、というトレンドも紹介されていました。旅館の部屋は昼は居間、食事時のダイニングルーム、夜間の寝室を一つの部屋で全部兼ね備えるというやや無謀さがありました。客は部屋から動かなくてよいというメリットはあったのでしょうがいかにも「湯治」のイメージが強すぎます。

日本の会社はサービスや付加価値をやたらつけたがります。テレビショッピングで「いまなら〇〇もついて9980円!」というのは常套句ですが、顧客が〇〇が欲しかったものか、といえばどうでもいいものばかりだったりしませんか?つまり〇〇の押しつけであってそんなのいらないから本体を安くしろ、というのが本当のボイスではないでしょうか?

以前、このブログで書いた気がするのですが、カナダから日本に戻って電車に乗るととにかく「やかましい!」のです。それは車掌のアナウンス。せっかく、テープで案内が流れるのに(しかも最近は英中韓国語でも言うので同じ案内が4回流れます。これもうるさいのですが、ここは我慢。)ようやくテープが終わったと思ったら車掌が大して意味のない案内をします。私はしゃべるな、と言いたいと思います。なぜ、車掌の案内が耳障りかといえば車掌の声の大きさが一定せず、うるさい時や聞き取りにくい時、車掌によってはしゃべり続けるなど不快音となるからでしょう。

日本の携帯電話の契約形態もおかしいと思います。とにかく複雑怪奇。従業員でもわからなくなるほどいろいろなオプションと組み合わせがあり、結果として客が十分理解せず契約していることもしばしばあるようです。カナダの携帯電話の契約はシンプルです。理由は日本のように複雑にすると必ず理解できず、のちのちクレームが起きやすくなるからです。

日本の過剰包装はどうでしょうか。成田で日常的に土産として買う仙台「萩の月」。個人的には外国向け土産の雄、東京ばな奈より外国人受けすると思いますが、「萩の月」の包装は明らかに過剰だと思います。確か仙台では箱無しだと何十円か安く買えたと記憶しています。旨いんですが、過剰包装分でややネガティブなコメントが出やすいのは事実です。

「日本の常識、世界の非常識」とよく言われますが、サービスについては全般的に見直すべきだろうと思います。多くは削減させていいと思いますが、削りすぎてしまったラーメン店の自販機などは逆にフォローすべき点かもしれません。私は訪日外国人が増えたからサービスを見直すのではなく、日本人の生活習慣が変わったことを受けて見直すべきだ、と思っています。勿論、外国人からも様々なコメントは寄せられるでしょう。そこは受け入れるべきは受け、守るべきは守ればよいと思います。個別の判断でしょう。ただ一点、現代人は「忙しい」が前提にあります。予定も事前に考えてきます。一定の流れのある生活に邪魔をせず、アシストするというのが今あるべきサービスなのなかぁ、と思います。

では今日はこのぐらいで。

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今週のつぶやき4

日本は春を迎える予兆なのか、寒暖の差が激しいようですが、今年の冬は全般に寒く、北陸地方は雪に悩まされました。ここバンクーバーは温かい年なら2月下旬は桜のつぼみが見え始めることもあるのですが、今年は私の26年の経験でも最も寒い冬のように感じます。今週も日によっては氷点下4度ぐらいまで下がり日中も気温が上がらず、雪が降っても溶けません。気候の奇行なのでしょうか?

さて、今週のつぶやきです。

金融相場の過渡期
今週の世界の金融マーケットはまずまずの落ち着きを取り戻しています。ただ、子細に見ているとナーバスさがあるように感じます。買う側は本当に強気なのか、といえばちょっと試すだけで悪いニュースが出れば本気で売る、というスタンスを感じます。この相場つきは経験上、あまり、好ましくなく、ちょっとしたつまずきで大けがをしやすい状態とも言えます。

バンクーバーを含むBC州の政府が今週、予算を発表した際に州財務大臣が「住宅価格を下げる政策をとる」と公言しています。左寄り政権の極度に偏ったボイスであり、失望感一杯です。政策的にそのようなことをすれば壊滅的打撃を受けるのは過去の事例を見ればわかること。

金融相場の過渡期である現在は一番センシティブな時期に差し掛かっているという状況を理解せねばなりません。「金持ちは悪だ、人々に平等を!」と冷水をぶっかけたら金持ちだけに水がかかるのではなく、99%の人にもっと冷たい思いをさせるという点を忘れています。

来週はアメリカのFRBのパウエル新議長の議会証言があります。彼の性格からすれば何も面白くない証言になる気がしますが、市場はむしろそれを期待しているのであって、サプライズは今の時期は聞きたくないのです。日本も黒田さんが継続するのは政策変更がないという点で安心感ですが、それぐらい今の時期は気をつけて政策変更をしないとだめだと思います。BC州はその点、最悪の政権になってしまっています。

悲喜こもごも、オリンピックいろいろ
ある意味、この2週間はまるでメディアの長期休暇のようなもので目にするのはオリンピック関連ばかり。不思議なことに他のニュースが出てこないのはないのか、落とされているのか分かりませんが、盛り上がりを見せたことは確かでしょう。

この時期になるとにわかコメンテーターが増えるのも面白く、それまでほとんど興味がなかった人がやけに専門的に語ったりしていませんか?バラエティ番組の深堀がそれをより促進させるのでしょう。

ならば私もにわかコメントを一つ。昨日のフィギュア。サギトワの金メダルに疑問符がついているようです。私もそう感じます。メドベージェワの方が美しかったと思います。ショートの時もそうだったのですが、ロシアの選手は点数を稼ぐ要領の良さが目立ち過ぎました。後半にジャンプを集めれば体力だけが全てのようにすら感じます。悪く言えばザギトワの演技は体操のようだったと言ってしまうと、素人が何を、と反論が来そうなのでこのぐらいにしておきます。

雪の教訓
「福井県は大規模自然災害が発生しても迅速な復旧・復興が可能な地域づくりを目指す『県国土強靱化地域計画案』を作成した」(日経)とあります。今年の記録的大雪を指しているのですが、新幹線は普通に動いたのに在来線が遅延したといったことが一例として紹介されています。

私はその計画案を読んでいないのですが、もっと気にすべきことは過疎地帯にいる方々への対策ではないのかな、と思います。誰が雪かきをしてどうやって街に行くのか、燃料が切れたらどうするのか、などを考えると今まで話題にならなかった方がおかしいと思います。

先日読み物をしていて超過疎地域の「活性化」のために移住する人を募集したところ、若者が集まったという記事がありました。私は「これは違うだろう」と思います。超過疎地帯は今後、増える一方でライフラインを維持し、コミュニティを作ることは現実的ではないのです。先祖代々の土地はもちろん所有してもらっても構いませんが、過疎化した村人に街に移ってもらう政策を進めるべきです。

今年の大雪が物語る問題とは主要幹線道路から離れたところへの対処であったはずです。たとえば豪雨や地震では局所的な被害が多いのですが、今年の雪はそれこそ北陸から北海道までと広範なエリアでありました。ここをマスコミはほとんどすっ飛ばしているし、役所からも何も聞こえてこないのはおかしいのではないでしょうか?

後記
安倍首相が朝日新聞を叩いている、という報道がありました。なぜ、朝日だけなのでしょうか?私は今、「ブンヤ暮らし36年、回想の朝日新聞」という本を読んでいます。2月1日に発刊されたばかりの文庫で、まだ途中までしか読んでいませんが、朝日の体質が手に取るようにわかります。へぇ、新聞記事とはこういうふうに載るのか、ととても勉強になります。その上で安倍首相が朝日を苛める理由は「なるほどねぇ」と思わず頷けます。これは面白い本です。お勧めです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

モノの値段の怪4

日本は近年の歴史でもまれにみるデフレを経験しました。それは長期に渡り、学者や専門家がいろいろ言う割に全く上昇しませんでした。日銀の黒田総裁も物価上昇2%というコミットメントとその達成時期については何度となく先送りしてきました。理論で説明できない何かがそこに潜んでいるのかもしれません。

エコノミスト誌が興味深い記事を提供しています。「原油価格が高止まりする怪」であります。2014年に100ドル超えていた価格が暴落し2年後に28ドルを割り込んだ際、市場には悲観論が漂ったはずだったのになぜ、いま、その倍以上(今日で62ドル程度)の価格となるのだろう、という話です。

私もこのブログを長く書いている中で過去、どんなことを書いたのか、それなりに記憶しています。原油価格が暴落した際に私は「70ドル程度が心地よいレベルのはずだからいずれ戻す」ということを述べています。では私がその時、心地よいレベルとは何を基準に考えたのかといえば産油国やその業界の人々がストレスなく利益を上げるレベルをその程度と考えたのです。

ご記憶にあると思いますが、原油価格が暴落した際、あのサウジですら国家予算は赤字となり、対策に追われ、アラムコの上場やら石油代替産業の育成に目を向け、孫正義氏とまで手を組みました。他の多くの産油国も国政は乱れ、地球儀ベースの波乱の引き金を引くところでした。が、原油価格の心地よいレベルへの回復でそれらの話はスーッと消え、優先度は下がりました。

先のエコノミスト誌には何が書いてあるのか、といえばあらゆる理由付けです。それはこじつけに近い気もします。ただ、記事にいみじくもジョージオーウェルの「1984」における二重思考を指摘しています。そして二つの矛盾する考えを両方信じるという二重思考をその言葉通りにエコノミスト誌もご丁寧にトレースしているのです。

価格の収斂とは「人々が心地よいと感じる最大公約数に収まる価格レンジを求めている」という表現に変えたら分かりやすいでしょうか。居酒屋では5000円、スーパーの買い物は3000円といった具合に多くの人々はバルク(一括り)でどれぐらいという期待価格を持っています。つまり、居酒屋メニューで仮に焼き鳥が200円、枝豆が400円というバランス悪い価格設定があったとしてもお会計をした時、5000円で収まるかがポイントなのです。スーパーでもやしと豆腐が客寄せのメインテーマとなりますが、それらがいつもより10円安くても100円高い牛肉を買う行動もするのです。そして締めていくら、であのスーパーはどう、このスーパーはどう、という基本判断が生まれていないでしょうか?

私に日本をデフレのどん底に陥れた犯人は誰か、と聞かれたらズバリこう答えます。100均とマクドナルドと牛丼屋です。

100均については消費者の期待価格を大幅に下げてしまいました。「えー、これも100円、あれも100円、みんな買っちゃっても1000円でおつりがくる!」という衝撃を与えました。お昼に500円ランチならどこに行く、で店舗数と食べるスペースのインフラが整うマクドナルドは業界をリードし、牛丼戦争は牛丼食べてドトールで時間つぶししてもサラリーマンの懐が痛まない快適感を与えました。ユニクロもそうでしょう。あんなに暖かいのにこの値段というのはユニクロが衣料に「機能」というエレメントを加えたことが大きいのです。他社を圧倒した理由はそこにあります。しかもあの値段、です。

では株価はどうなのかといえば皆が心地よく儲けられる水準を維持したいと市場は思っています。少なくとも痛みを伴う8000円ではないし、バブルの4万円でもないですが、2万円台は心地よく、損もせず、皆がそうであってほしいレベルではないでしょうか?

自転車の長距離レースを見た方はいらっしゃいますか?レースの途中まで数名が先頭集団を形成して数分先を走ります。ところがレース終盤にほとんどのケースではプロトン(レース専門用語でフランス語のPeloton(プロトン)で本体の意)に吸収され、プロトンの中からレース勝利者が出るようになっています。

これは本体が集団心理の母集団であり、先行隊はその先を見て本体に状況を知らせています。言い換えれば期待値より大きく離れたところはそこでどのような障害や問題があるかを確かめ、母集団の動きをある程度コントロールし、その上で本体が最終決定者となるのです。

ものの価格の決定プロセスとは大体こんなもので母集団を動かすほど革命、革新的なことがない限り標準から大きく外れたものも必ず元に戻るバイアスがかかるのだ、ということかと思います。

では最後に日本の物価は上がらないのかね、と言われれば少しずつ上がると思います。それは日本の消費者は輸入に頼らざるを得ないという点を過小評価しているだけで海外物価の高騰や中国などとの買い付け競争で物価が引き上げられやすいトレンドはあると思います。

が、人々の期待価格はここ何十年とほとんど変わっていないのではないでしょうか?居酒屋が1万円になったら行けませんよね。それが日本の企業側の努力であり、母集団が分離、分解しないように頑張ってくれているとも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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10年後の人との過ごし方4

時代の変化という観点で日本が立ち遅れていることがあります。それは家をより快適なものにするという発想とそこに人を招くこと、であります。

私がカナダで住宅開発を始める時、北米の人たちのライフスタイルをじっくり見ることからスタートしました。毎年のように近隣のコンドミニアムに引っ越し、高層階や低層階、最新のコンドミニアムの住み心地などを試し続けました。併せて、いろいろな方の家にも招かれながら居住空間をどのように使うのか研究し、自分たちの住宅開発の間取りやインテリアの発想を考え続けました。

その中で割と衝撃だったのはDENと称する部屋の使い道でありました。これは窓もない4畳半ぐらいのスペースで当時は個人用テレビルーム/書斎/パソコンルームという位置づけでガラクタ部屋的な感もありました。ではリビングですが、ゆったりとしたソファ越しに皆で歓談する社交場のようなところですっきりしたインテリアです。家族が団らんするのか、といえばコンドなら狭いのでそうなりますが、戸建ての場合、ファミリールームが別にあり、そこが家族の過ごす場所でありました。

また、台所は25年ぐらい前からオープンキッチンと称して、カウンター越しにキッチンを見える化し、食べる人が参加できる台所づくりが完全なる市場トレンドとなりました。それまでの「台所は奥様の城」という発想は北米にすらあったのですが完全に覆されたわけです。

その後、我々を含めたデベロッパーはキッチンの見せる化に於いて如何に美しく表現するか、ハイブランドのアプライアンス、ダブルオーブン、ワインクーラー、エスプレッソマシーン、更にキッチンキャビネットのサーフェスの処理などにこだわり抜きます。

では、その変化の背景とは何か、といえば自分のこだわりを徹底追及し、家を友人に見せるエンタテイメントセンターと位置付けているのではないか、と考えています。そういう意味では北米の住宅はどの家も家主の主張を感じます。

一方、日本。一般的に申し上げますと人を呼び込む発想が欠けていると思います。それはお客様をお客様として扱い、上げ膳据え膳を強いるからでありましょう。一緒にキッチンに立つ、などという考えは毛頭ありません。他人に冷蔵庫を開けられるのは最も恥ずかしいことだと考える奥様は多いでしょう。

訪れたお宅のソファーに座れば底が抜けていた(へたっているの意)ことも何度かあります。それよりも日本の住宅にはモノが多すぎます。狭い住宅なのに何年も触っていないであろう埃の積もったモノが狭しと置かれています。段ボールがそのまま置いてありませんか?正直、狭い家が余計狭く、そして醜く見えるのです。「狭いところですみません」というその挨拶言葉は家が狭いというより家主が狭くしている側面もあるのではないでしょうか?

日経にコーヒー市場の「第4の波」なる記事があります。読めば1台10万円もするような高級焙煎、ドリップマシーンに期待、という趣旨なのですが、それは家で旨いコーヒーを飲みたいという需要が高まったということなのでしょう。日本の家電は進化していてお釜だって電子レンジだって世界が驚く技術を持っています。これは台所をエンターテイメント化させるには十分なツールのはずです。

日本には飲食店が異様に多く、繁華街の飲み屋も健在です。なぜ、飲みに行くのか、といえば家飲みしにくい環境があるからでしょう。子供が寝ているとか勉強している、というのもあるでしょう。それ以上に「誰が準備して片付けるのよ!」という奥様の一撃があります。サラリーマン川柳100選の「妻いない この日は朝から プレミアム」に頷くご主人というのが現実であります。

客を上げ膳据え膳にさせないおもてなしの仕方というのもありだと思います。日本にその芽が出てくれば日本の住宅は人を呼んで楽しむ場所へと大変革すると思います。もちろん、消費も増えるでしょう。リノベして、古い家具を取り換えて…という需要が出るからです。AIの前にまずは食洗器です。

10万円のコーヒーマシーンを独り占めするのはもったいないと思いませんか?10年後、友人と自宅でワイン飲みながらワイワイやるのが主流、という時代に代わる可能性は私はアリだと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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