外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2018年03月

今週のつぶやき4

桜、さくら、サクラ!一色の今週ですが、東京は風が強かった日もあって花見もこの週末がギリギリという感じでしょうか?よく聞かれるのですが、バンクーバーの桜も見事です。北米ではワシントンDCが有名ですが、ここも多種多様で比較的長い期間、楽しめます。何故、旅行会社は桜ツアー計画しないだろうと思います。

さて今週のつぶやきです。

やや安ど感の株式市場、不安感たっぷりの仮想通貨市場
日本の株式は3月末をいい形で通過しました。昨年の3月末は19500円弱、昨日の終値は21500円弱。その差は2000円で10%強。悪くないパフォーマンスだったと思います。時価総額は650兆円弱でバブル期のピークを抜いています。

時価総額だけを見ると80年代後半から現在に至るまで600兆円と250兆円の間を上がり下がりしています。時価総額と日経平均は当然ながらリンクするはずですからここから類推すると日経平均4万円弱だったあの時は異様な乖離を示していて、指数的におかしかった気がします。穿った見方をすると証券会社が日経平均採用銘柄だけを集中して購入して煽ったとしたらどうでしょうか?

NYも週間で見ると上げ下げはあったものの若干上昇して終了、アメリカ10年物国債も3%を超えるといわれながらギリギリでこらえ、週末は2.74%と下落傾向。恐怖指数も20を割り込み、安定しています。個人的にはさほど不安感はないとみています。

一方の仮想通貨。政府レベルでの制限、民間の宣伝停止、クレジットカードでの仮想通貨購入禁止など地雷だらけの仮想通貨市場は週末で6800ドル台と今年の最安値を再び視野に入れ始めています。著名人や銀行家などがビットコインについて様々な見解を述べてきましたが、宴は終わりです。東京三菱UFJが今年にも仮想通貨を発行するとしています。1コイン1円の固定型です。これが相場無き仮想通貨の正しい方向性だと期待しています。

話題にならなかった公示価格
そうです、今週発表になった公示価格のニュースも話題にならず、麻生大臣ではありませんが、報道各社は何を報じたいのか、タブロイド紙に成り下がったのか聞いてみたいものです。

その公示価格、住宅地が全国平均でプラス0.3%と昨年のゼロから遂にプラス転換。商業地は引き続き好調で前年の1.4%から1.9%上昇となっています。今年の特徴は地方でも地価上昇がみられている点でしょうか?特に注目したいのは上昇率トップ3は北海道、倶知安町。この函館と札幌の間にあるニセコが外国人によって開拓されているというのも日本人にとって微妙な気分になるでしょう。

一方で外国人が買わなければこの町にリゾートは出来なかったわけで一概に批判もできないところであります。よく外国人に買い占められるという話があります。外国では一定の歯止めを利かせる方法はあります。日本も一部の島しょでそのような懸念がありますが、法的にオーバーヒートをさせない、あるいは純粋な投資目的、居住目的以外は所有を認めないとする要件を作ったうえである程度の外国人の不動産所有は進めたほうが良いと思います。

彼らはドライですので純粋投資ならば土地を永久のものなどとは考えません。日本の株式市場だって6割以上が外国人によって所有されている現状を考えれば不動産を介したミニバブルで日本の経済大攻勢はあり、と思います。

日本はアメリカを期待しすぎてはいけない北朝鮮問題
産経に北朝鮮問題について「日米」vs「中韓露朝」とあります。確かに表面上はこの構図なのですが、私は本件に関してアメリカをあまり信用していません。トランプ大統領は日本との関係と自身の手柄なら自分を取る傾向があるからです。言い換えればアメリカにとって都合の良い結論が出るならば日本にとって満足ではない内容でもディールするとみています。

金正恩委員長は中国と会い、韓国と予定が決まり、アメリカとも会談日程を調整しています。まだプーチン氏のロシアとは話が出てきていませんが、金正恩氏の性格からすれば日本よりロシアと先に会うと見るのが流れでしょう。何故か、と言えば金正恩氏にとって日本とはディールにならず、高いハードルの要求を持ってくるだけとみられているからです。

そうなれば日本の野党がまた、やんや言うわけです。安倍首相の外交手腕は大したことがない、と。これも仕組まれたシナリオに見えます。

トランプ大統領がシリアからの撤退を表明しています。理由は「お金が無駄だから」。トランプ大統領はマネーマンですからそのあたりの割り切り感が非常に強い人物です。韓国とのFTA再交渉が異様な早さで決着したのもトランプ大統領が「在韓米軍撤退」をほのめかしたからとされます。トランプ大統領は政治家ではなく投資家であり、ディーラーだという点を考えると私は皆さんが考えるほど大統領が日本の味方をするとは思えないのです。安倍首相のしわはもっと増えるかもしれません。

後記
いよいよ新年度入りとなります。日本では正月に並び「気分一新」となる時です。私は正月の抱負をもう一度見直して軌道修正する時でもあります。皆様はどうでしょうか?いよいよ暖かくなってきて外にも出たくなる時です。この週末は気分転換を図って新たなる年度を迎えたいところですね。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

カルロス ゴーン氏にみるもの4

(日産とルノーの合併交渉に関する噂が現在、出ておりますが、同交渉は簡単ではなく、状況を踏まえていずれ、トピとさせていただきます。本日の内容はそれとは全く関係がありません。)

日産のカルロス ゴーン氏のことを書くと厳しいコメントを頂くことがあります。読み物をしていても当然ながら批判的なものもあります。なぜだろうか、と考えると人によっては彼のカリスマ性が肌と合わないからなのだろうと思います。世の中、どんな素晴らしい経営者でもウマが合う、合わないということはあります。よって、批判のボイスも拝見しておりますが、個人的にはゴーン氏は経営者としては超一流と申し上げてよいと思います。

そのゴーン氏の独占インタビュー記事が日経ビジネスに掲載されています。前半は彼の任期のことが中心ですが、後半にビジネスのビジョンを述べています。なかなか興味深い記事でした。

その中で「未来は誰にも分らない」とし、ゴーン氏ですら中国がEVの世界最大市場になるとは想像していなかったと述べています。そしてそれに続くのが「この事実を謙虚に受け止めなくてはなりません。どの市場で何が売れるなんて分からない。予想などできないのです。分からないからこそ、技術を準備しておかねばなりません。」とあります。この言葉は自動車産業にかかわらず、すべてのビジネスに言えることです。

自動車業界もそうですが、世の中のすべてのビジネスはあまりにも過激なスピードで変化しています。企業は業績予想をし、中期、長期計画を策定しますが、その策定通りにはなかなかいきません。M&Aで大きくなると思いきや、減損を余儀なくさせられたリコーのケースもあります。

こんな私だって会社の5か年計画ぐらいは策定しており、今年が4年目の年になります。数字だけはどうにかついて来ていますが、中身は当初予想していたプランとかなり相違しています。その間、計画通りに展開しなかった案件がある半面、突然降ってわいてきたような話や想定以上に伸びた案件など様々です。ゴーンさん風に言わせていただけるのなら180度、目線を広くといざという時のディフェンスを行いながら攻める手を緩めず、選手交代(事業への力のかけ方)を積極的に行っていくということでしょうか?

ゴーンさんのインタビューに「EVのクルマ造りはよりシンプルだから競合が激しくなるのでは?」という質問に対して「クルマとはiPhoneと違い、各国の規制をクリアする難しさがある」と述べています。ご記憶にある方がいらっしゃるかどうか、私もずいぶん前に自動運転の普及に関して似たようなことを指摘したことがあります。クルマという製品だけを考えればある程度の自動運転化はもう手が届くところにあると思います。しかし、それを国ごと、地域ごとでどう許可していくかは全く別物であります。

例えば先日、ウーバーの自動運転で死亡事故が起きました。運転席にいた女性の方は事故直前、下を向いているのが車内カメラで確認されています。私も写真を見ました。北米の記事では自動運転のファンクション上の問題とされていますが、では何のために人を運転席に乗せなくてはいけなかったのか、という点はつじつまが合いません。結局、人は自動運転だからと言って気を緩めるのでしょう。

飛行機を考えてみましょう。操縦で一番難しいのは離陸と着陸の時です。いわゆる「魔の11分」です。様々な飛行条件が時々で変わるため、人間の経験に頼るべくパイロットが手動で操縦するわけです。が、一定の高度に達し、安定飛行になると自動運転に切り替えます。言い換えればある程度想定できる条件下では自動でもよいが、エレメントが多くなる時にはいまだ、人間の経験値が勝っているともいえるのでしょう。

今回のウーバーの事故でまた、自動運転への経験値が増えたわけですが、それを各国がどう評価し、受け入れるかどうかは別問題なのです。そして、自動車を作ったことがない会社が突然その産業に入ってきてもクレジタビリティがないということをゴーンさんは言いたいのだろうと思います。

最後にゴーンさんがもう一つ、良いことを言っています。「正解は一つではない」です。これも私が再三言ってきたことと重なります。「先の見えない時代に正しい判断なんてない。もっと言えば、正しい結論が一つしかないわけでもないのです。経営者がしっかりと市場を見極め、他の経営者と意見交換をした上で決断を下すことが大切かと思います。」

自動車業界についていえば日産の経営もトヨタの経営もマツダの経営も与えられた条件下でできる限りのことをしているという意味で正しいのです。たまたま立ち位置が違うのだ、だから、その場所によっては解は無限に存在するといってもいいでしょう。

日本では膨大な種類の経営術の本が発行されています。それらに学ぶことも多いのですが、私が松下幸之助にはなれないのと同様、身の丈の最適な答えは自分で見つけ出さねばならないということでもあります。

ゴーン氏の言うように我々経営者は1年先を確約することができない中で最善の予想といざという時の対策というバランス感覚をもって経営のかじ取りを求められています。これで長く安定した結果を生み出すことができるのでしょう。99年に倒産寸前の日産に乗り込み19年。異論はあるはずですが、現役の代表的経営者のひとりとして過言はないでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

激変するか、日本のテレビ番組4

日本のテレビほどチャンネルごとの差異が少ないのも珍しいでしょう。「この番組つまんない」といってチャンネルを変える(かつてはチャンネルを回すと言いましたね)のも似たような番組構成の中で自分にフィットしたものを探す、という行為でしょうか?時間帯によってはチャンネルを変えてもどこもニュース、天気予報、あるいはコマーシャルというのも勘弁してほしいと思いませんか?

一方、テレビ制作側はコスト意識を持つようになり、お笑い芸人や素人など費用が安く済む「人材」を多用し、クイズ、食、参加型スポーツ競技(SASUKEなど)などの「商材」をふんだんにし、バラエティ化が進みました。同時に「テレビの品格」が議論されるようになります。

また、忙しい時代においてテレビ離れがより一層進んでいることも事実でドラマのように一定期間、テレビの前に釘付けにされるような番組作りは難しくなってきた気がします。(録画したビデオを見るのも義務感と化していませんか?)個人的にはNHK大河がなぜ、ほぼ1年という長きに渡って続けることに疑問を感じていないのか不思議であります。ストーリーの進捗が遅く、現代のテンポにあっていない気がします。

さて、テレビ番組に関してはどなたも言いたいことはあろうかと思いますが、政府の規制改革推進会議が現在、放送改革をするために取り組んでおり、画期的な変化を起こす可能性が出てきました。それは一言でいえば「政治色やステートメントを多少盛り込んだ番組ができる」ことであります。具体的には放送法第4条の撤廃、ないし大幅見直しであります。

放送法第4条第1項には仝安、風俗を害しない∪治的公平事実を曲げないぢ侘事象については論点を多くすることとあり放送の基本ルールが設定されています。これが大幅に見直されたとしても公序良俗は視聴者の目という観点から維持されると思われますが、特徴づくりという点でテレビ局の基本方針を大きく変えることになるでしょう。

この骨組みを大きく変える仕組みはテレビ局というインフラ部分と番組制作を分離させることにあります。電力会社が発電部分と送電部分を分離したのと同じです。この結果、テレビはコンピューター画面から見るインターネットの動画配信と同等となり、テレビ局運営に激震となるのであります。それゆえに日テレの社長がこの議論に噛みつくのも分からないわけではありません。

私はテレビは既に時代の主役ではないと確信しています。テレビというハードは受信装置の一種類にすぎず、大画面を必要とする番組とそうではないものもあります。4K以上の画像が求められる番組はもっと数少ない気がします。テレビそのものは家族のだんらんという発想でスタートしたのですが、家に複数台のテレビの時代になり、家族がバラバラでテレビを見るようになり家族分裂化の遠因となったという見方もできます。それぐらい日本人は放送番組が生活の中で密着しているわけです。

さて、この規制改革で一番可能性があるのが報道番組における主張の色であります。ご承知の通り、各テレビ局は新聞社と繋がっています。日テレ/読売、TBS/毎日、フジ/産経、テレ朝/朝日、テレビ東京/日経となっています。かつてはせいぜい日テレでは巨人の放送が多いな、ぐらいだったのですが、現在ではニュースのコメンテーターのボイスに「色」がにじみ出ています。これが今後、「染まるほど」になる可能性は否定できません。いよいよ日本人にも「食事の席では政治の話をしない」というマナーが生まれるようになるのかもしれません。

個人的には改革という点では賛成です。そして番組制作会社が質の良いものを作らなければ買ってもらえないという時代を迎えたとも言えます。言い換えればお笑い芸人を活用する手段からもっと広く人材を探し当てながら「面白い!」と思わせる展開になるのででしょう。

当然ながらネットと放送の更なる融合も出てくるでしょう。ようやくそういう時代に向かうようになったと私は安堵しています。

では今日はこのぐらいで。

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米中朝のゲーム、日本は参加できず

めったにない壮大なゲームが展開されているように見えます。北朝鮮と韓国の融和、トランプ大統領の中国をターゲットした関税、推測ながら金正恩氏と習近平氏の突如の会談。これは日本が佐川氏の証人喚問で揉めている最中の出来事であります。私が小説家ならば相当面白いシナリオが描けるかもしれません。

このスリリングな小説の切り口をどこに持ってくるかですが、私はトランプ大統領のアメリカとしたいと思います。トランプ大統領は経済はわかる人物として評価を得、事実、株価は順調に上昇、経済の回復ぶりを十分アピールしてきました。ここで本人がわざわざ株価に波乱をきたすような関税というボールを中国にめがけて投げます。理由は秋の中間選挙であります。

では、株式市場に大きく影響するような高めの球を中国に投げ込んだ勝算ですが対中国強硬派向けとしては機能しています。かつて日米貿易で日本製品が焼き討ちされたあの頃と同様のフラストレーション対策であることはほぼ想定通りでしょう。しかし、トランプ大統領の高めに投げた球は必ずその後下がることを意味しており、中国とどこで「なしをつけるのか」に注目が集まります。

私の予想は外交ではないか、という気がします。言い換えれば関税問題に対して関税報復する醜い経済戦争の妥協点を探すのではなく、関税と引き換えに中国が得るギブアンドテイクがあるのではないかとみています。それが北朝鮮のように見えるのです。

トランプ大統領はもともと外交が得手だったわけではなく、大統領就任以来、しばしば奇抜で素人くさい演技をしてきたことも事実であります。大統領の強みはどう見ても経済であり、カリスマっぽくふるまうそのしぐさであります。その中で北朝鮮問題を解決することは事実上の最終決戦的要素があり、世界が5月にも実施されるであろう米朝首脳会談に注目が集まります。当然、その手腕も中間選挙に影響します。ならばそのバックサポートを中国に依頼したらどうでしょうか?

一方、金正恩委員長はここまでディール巧者として駒を進めてきた中で次の一手が必要となります。韓国、アメリカとくれば次に中国をその土俵に引っ張り出すのは当然の手段となりましょう。今回、北京で何が議論されたか、でありますが、ひょっとするとアメリカとのディールがうまくいくことを条件に北朝鮮が中国と取引をし、朝鮮半島和平の確約をするのではないかという気がします。

つまり、シナリオ通りとすれば北朝鮮は四面楚歌だった状況からアメリカ、中国、韓国と取引を通じて思惑通りの起死回生が図れるのであります。金正恩氏はそこで意図的に仮想敵国として日本を強調したらどうでしょうか?韓国は簡単に同調し、中国は相方として「いい人役」を演じ日本と仲裁をかって出ます。これは中国を利します。

そのタイミングを考えると安倍首相がほとんど新味のない森友問題でぐずついている今がベストであります。ですが、私はそう考えません。森友問題は仕組まれた気がするのです。この時期にこの問題で政権を国内問題でがんじがらめにして外交的対策を打たせないようにしているとしたらどうでしょうか?

一般の世界ではあまり知られていませんが、諸外国には諜報員、工作員はうようよいるもので身内が実はスパイだったという話はよくあります。個人的にはどう考えても主題になるべきではない森友問題がこんな形になること自体が出来すぎていないでしょうか?

今回の森友問題はだれか黒幕が後ろで操っていないでしょうか?それが朝日新聞をたきつけ、野党が一帯となって与党潰しをすることを計算づくで展開しているように見えるのです。今頃誰かが高笑いしているように見えるのですが、それはそのあたりの小物の策士ではない気が致します。

こうストーリーを作ってくれば満更でもない小説になりますが、これは私の創作が入りすぎているのでしょうか?そうとも言い切れないものを感じます。

では今日はこのぐらいで。

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派手なビジネス、地味なビジネス、ビジネスをする側からの目4

SNSの普及は人々の価値観も変えたかもしれません。「いいね」と思われることがよいことで、反応が少ないと大したことがない、と結びつけられるとすれば、人々へ与えるサプライズ感がその尺度となりかねません。

飲食の世界を覗けば鮮度、ボリューム、奇抜さ、他店にない驚きを売りにすればマスコミから取り上げられ、更に客足は伸びるでしょう。すると口コミで更に勢いづくことになります。つまり、飲食店は如何にマスコミに取り上げられるかが勝負となります。そこで勢いに乗れば2店目、3店目と多店舗展開をし、イケイケどんどんになります。

その一方で流行が数年で沈静化するのも世の常で、「昔は大行列だったあの店が…」ということもしばしば起きるのであります。このあたりの駆け引きがビジネスの世界ではもっとも難しいところではないかと思います。

一方、街中にはあまり話題にはならないけれど老舗の如く、いつもにぎわっている店もあります。なぜか、といえばそこに行けば「間違いないもの」が提供されるからでしょう。私はそれを「マクドナルド化」と称したいと思います。つまり、特別ではないし、流行でもないけれど顧客から見て失敗しない確実さがあるわけです。

人々はいつどこでどういう時にお金を使うかといえばコアな消費部分と不定期な消費や非日常の消費といった定常的ではない消費に分けられます。定常的消費の代表例が、家賃、近隣スーパーでのグローサリーショッピング、会社のそばのランチの店、携帯などの通信費といった具合で支出先がある程度一定しています。不定期消費先はたまに使う相手先であり、消費者からすれば一番「浮気をしたくなる」ところでもあります。

例えば洋服を全部同じ店から買う人はいないでしょう。友人や家族と外食するのにいつも同じ店に行くこともありません。これはほぼ無限にある選択肢の中からTPOに合わせ、よさげなところを選ぶという楽しみがそこに存在しているといってよいでしょう。

私は小さい時から「衣食住は廃れない」と教えられてきました。が、これは今の時代にはなかなか通用しない格言だと思っています。それよりも定常消費してもらえるビジネスに入り込むことが目立たないけれど安定の秘訣ではないかと思っています。

私は不動産を通じて「お貸しする」ビジネスをカナダと日本でやっています。「どうしても借りたい」という需要があり、ほかに選択肢がなく、競合を寄せ付けにくい仕組みがそこにあります。私のビジネスに関してはこのブログで時々つぶやきますが、本質的に話題性はほとんどありません。外ではほとんどしゃべりません。宣伝も大げさにはしません。但し、一言だけ言えば、超効率と安定したリターンをしっかり確保できる仕組みが最大のウリであります。

ブランド化して成功する場合とそうではない場合があります。ブランド化が成功しやすいのは老舗、圧倒的市場規模、ブランドに対する顧客の期待を裏切らないことが大切です。つまり、目立つことで人々の注目を浴びてもそれに対して十分なリターンをお客様に示せなければブランドは失墜します。

ところで無印良品とニトリはある意味、好対照の例だと思います。堤清二氏が作り上げた「無印」の本質は目立たないことにありました。が、現在の海外事業において無印は完全にブランドとして事業展開が進みます。この是非は分かりませんが私には違和感があります。一方、ニトリは日本人ならだれでも知っている「あの店」ですが、日本の中でインフラ的ポジションに育っています。つまり、必ず参照したくなる店になっているのです。ニトリという名前の商品には「格好いい」というイメージはあまり伴わないけれど使うと案外いいんだよね、という普遍性を提供しているように感じます。つまり、無印とニトリはいつの間にか立場が逆転しているんです。どちらが安定するか、私はニトリに軍配が上がるように感じます。

我々はマスコミを通じて新しい店や新製品の情報に目を奪われます。つまり、振り回されるのですが、そんなこと、お構いなく、しっかり稼いでいるビジネスもたくさんあることに目を転じればビジネス展開や戦略も案外一考の余地があるかもしれません。

二日間にわたって消費者の目とビジネスをする側の案外見落としそうな点を考えてみました。

では今日はこのぐらいで。

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無限の選択、限られた選択、消費者からの目4

日本からお客さんが来ると「食事を…」ということになるのですが、いつも悩むのがこれっというレストランリストが自分にないことでしょうか?一応、それなりのラインアップは持っているのですが、「最近はやりのあの店、この店」というと正直、キャッチアップしていません。

私の選択は至極簡単なんです。生ビールがある寿司屋。実はこの選択肢はありそうで極めて限られます。混んで並ぶのもいや、予約なんてとんでもない、となると大体選択肢は1軒しかなく、そこには社食のように通うわけです。

私の知り合いに旨いものを食べられるならどんなことをしてでもどこまで行っても食するという方がいます。「すごいエネルギー」といつも感心するのですが、その人は食べることを人生至福の幸せと感じているので価値観としてご立派だと思います。食べることが唯一の幸せ、という方はその人に限らず、ずいぶん多い気がします。そういう方に「日本に行けばおいしいものが食べられるのでいいですね」と言われるのですが、私は日本でほとんどろくなものを食べませんので「んー!」と答えに窮します。

90年代半ば、シアトルで150席ほどの日本食レストランの経営を任されていたころ、ビルゲイツ様御一行がランチに来られました。普通に10ドルぐらいの照り焼きチキンの定食か何かを召されていたと記憶しています。彼にとってはファンシーな食事よりも仕事の脂が乗りきっていた頃なので仕事の打ち合わせをしながら片手間で腹を満たすぐらいの感じだったのでしょう。

ワードローブといえば今着ている服のリストのような意味合いですが、私はだいたい6-7種類の服が毎日順番に出てくる仕組みになっています。洗濯したものは一番下に置き、朝、上にあるものから着ます。(もちろん、何かある時は順番の入れ替えや普段着ない服も出てきますが。)なぜかといえば面倒くさいからなのです。朝の1分は日中の10分ぐらいの価値がある中でそんなことに時間を割く気にならないのです。

ビジネスの消耗品も最近はほとんど同じものの注文の繰り返しです。「もうそろそろ〇〇が切れそうです」と言われたらアマゾンで注文履歴から速攻注文で1分以内で作業は終わります。きっとアマゾンのサイトをぐるぐる探していたらお宝が出てくるのかもしれませんが、そんなことに時間を使うならもっとやらねばならないことが山積しています。

飛行機のチケットの取り方も変わりました。日本行きは日に3社3便あります。それぞれの航空会社の予約サイトに行くと今はマトリックス上で行きと帰りの前後1週間枠ぐらいの空席状況と価格が一目で見られます。3つの航空会社のそのマトリックスなり予約状況ページを開き、並べて一番お得なのをさっと選びます。

今、多くの方が10年、20年前に比べて忙しいと感じているはずです。理由は情報過多と興味が増えるからだろうと思います。更に情報は深堀可能で興味ある世界の話はいくらでも掘り進められます。これが現代人を忙しくさせているのでしょう。もちろん、SNSもあります。最近は仕事も電話はほとんどなくなったのですが、メールの量が半端ではなく、ほとんどチャット状態でやり取りすることもしばしばです。「メールの返事は熱いうちに返せ」が大原則ですから仕事そのものがメール中心に振り回されているといっても過言ではありません。

そうなると1日終わるとへとへとで、夜の7時ぐらいから日用品の買い物にスーパーに行けば必要なものをササッと買って早く落ち着きたいというライフです。

消費が伸びないと言われますが、忙しさが消費を妨げていることは否めないでしょう。私だって時間があればちょっと違うところに食事にも行きたいし、ワードローブの入れ替えもあるかもしれないですが、時間がそれを許してくれないと恨み節がつい口から出てくるのが今日この頃であります。

そういえば小学校でアルマーニの制服が話題になりましたが親も子も制服があれば何にも悩まなくて済む点で楽なのかもしれません。とすれば、今は小学生から忙しいライフに変わったのでしょうか?あぁ、恐ろしや。

今日は消費者側からの目で捉えてみましたが、明日、ビジネスをする側からの目で続編をお届けしたいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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北米不動産の価格低迷の兆し4

北米の不動産市場など興味ない、とおっしゃる方も多いと思いますが、案外、今回の価格低迷の兆しは嫌な感じがします。北米で不動産ビジネスをしている者としての勘でしょうか?

カナダでは上がり過ぎた不動産価格、個人の年収に対する借入金の多さ、更には不動産ローン会社の不正発覚を受けた不動産ローンの審査、プロセスの見直しなどで向かい風が吹き荒れながらもどうにかこうにか、価格は上昇していました。

理由はコンスタントに増える移民による需要と中国人を中心とする世界の富裕層による不動産のセーフティーボックス(お金を置いておくには安全な場所)化があったと思います。不動産デベロッパーはあらゆる開発用地を物色し、無理な価格で買い取り、とんでもない販売価格を提示するパタンが相変わらず横行しています。

ところが、アメリカから始まった金利上昇局面はカナダにも波及し、変動型の不動産ローンの金額は着実に上昇しています。つまり、真綿で首を絞められている状態です。デベロッパーも背伸びして土地を買い、住宅を買った個人もどこまで金利を我慢できるのか、体力勝負的な感じが見受けられます。

統計を見るとカナダの2月度の取引件数は前年同月比17%下落し、2013年の水準にまで下がっています。リスティング(売りたい物件数)は2月は前月比8%以上増えており、特にBC州では11%増と典型的な悪い指標が出ています。価格面では2.8%下落し、18カ月ぶりの安値となっています。

更にBC州の場合、Speculation Taxを導入することを決めています。これはBC州に居住していない人に対して不動産評価額に対して段階的に上げ、最終的に2%の特別税を課すというものです。例えば1億円の物件を持っていれば年間200万円の税を外国人だけに課すというわけです。これは衝撃的で政策的にも外国人「不歓迎」を露骨に示しています。個人的にはかなり「危険な匂い」を感じます。

アメリカについてはまだ楽観視するきらいはありますが、2月の着工件数、許可申請件数とも大きく下げており、金利面との比較となっています。

ご承知の通り、カネ余り現象と国境を越えたマネーの動きは金融緩和に端を発した現象で、中国人などがセーフヘイブンを求めて政治的に中立、安定的なカナダあたりに不動産を求めていました。が、中国政府は外貨の流出を防ぐため、あらゆる手段を講じる一方、中国人は仮想通貨を介して更に抜け道を探すといういたちごっこをしておりました。が、その最前提は「不動産は上がる」点につきます。

このシナリオが崩れれば市場の需給関係は崩れますので否が応でも調整期に突入することになります。ただ、個人的には不動産価格が暴落するというシナリオはないとみています。理由は富裕層のお金がセーフティーボックスから出せなくなるだけの話で直ちに売却しないと破産するという性格のものではないからです。私が「危険な匂い」と申し上げるのは「街の活性化が止まる」リスクを考えています。

不動産バブルというのは仮に評価上上がっただけでも金持ちになった気がするものです。それが消費や投資に前向きの姿勢を生み出すのですが、含み損となればマインド的に「冬眠」のようになってしまいます。日本でも経験したから実感できる方も多いはずです。

言い換えれば好調を維持している北米経済は不動産のバブル潰しでシュリンクする可能性は見ておいた方がよさそうです。以前申し上げましたが、北米の商業不動産も冴えず、ショッピングモールなども優勝劣敗がはっきり出てきています。アメリカには廃墟のようなモールがあちらこちらで見られます。

こうなると誰がどこでどうやって儲けているのか、不思議な気もしてきます。季節に四季があるように景気も循環します。ずっといい時はない、とすれば北米は少し堅実なライフに変わるのかもしれません。えっ、日本ですか?もともと堅実だから大丈夫でしょう。日本はそういう点でも実にガラパゴスであります。

では今日はこのぐらいで。

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