外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2018年08月

報道機関の色4

バンクーバーに「バンクーバー新報」という日本語の新聞があります。1978年に創刊し、一度も休刊したことがないのが自慢の週刊新聞で地元の方にもよく読まれています。この新聞、実は社説がない新聞でこの新聞の色は、と言われると「ん?」と感じるかと思います。

当地にはもう一つ、「ふれいざー」という無料月刊誌があるのですが、この媒体も色を出さないという趣旨のようで一つの事象にA、B、Cの意見がありますと並列で並べてしまいます。ご判断は読者でせよ、ということかと思います。

なぜ、色が出ないのか、(いや、出さないのか)といえばバンクーバーの日本語媒体を読む潜在購読者層の数が知れており、そこに色を付けることで自らのビジネスの範囲を狭めることになるからと察しています。言い換えれば狭い日系社会の中では我慢も大事で、うまくやっていかねばならないということかと思います。

「中立のメディアは存在するのか」ということを何年か前にこのブログを通じて議論したことがありました。当時、NHKは国営放送なのになぜ、中立とは思われないのか、あるいは日経新聞も経済の新聞なのに必ずしも右寄りではないというコメント内の議論だったと記憶しています。

バンクーバーのメディアのようにマーケットが小さいところでは色を出したくても出せない一方、読者層が多いところでは色を出すことでマーケットシェア(思想シェア?)を奪い合うという構図があるのかもしれません。NHKも視聴料を取る以上、視聴者を逆なでしないようにせざるを得ません。つまり時局に合わせたトーンの微調整はあるのだろうと思いますが、現代社会ではやや左ブレするのかもしれません。

ニュースの構成は事実を伝える部分、それを解説する部分、それに意見を加える部分の3つのカテゴリーに分けられると思います。例えば今、台風が来ていますが、台風の大きさ、風速、方向、スピードはファクチャル(事実)の部分、24時間予想雨量や交通機関への影響の可能性、被害予想は解説、そして今、避難すべきか、家に留まる方が安全か、というのは意見の部分になります。(一人住まいの高齢者が夜、ゲリラ豪雨が予想される中、公民館まではたして避難できるのか、という話があったかと思います。)この例えはあまりよくないのですが、これが政治、信条、社会判断となると議論百出になります。

ある意味、これがメディアの醍醐味で報道各社の記者が一番書きたい部分であるわけです。色がない報道はケチャップのかかっていないオムライスのようなもので読み手がなるほどと頷き、共鳴してもらうことが報道各社の最大のセールスポイントともいえるのでしょう。

では産経新聞を愛読している方が朝日新聞に切り替わることはあるのか、といえばこのブログをお読みの読者には考えにくいでしょう。ところがメディアには色がついているということを十分に察知していない世代にとってたまたま手にした新聞にそう書いてあったことが強い印象に残るかもしれません。最近では激減したと思いますが、家で購読する新聞によって長時間かけてマインドセットすることも可能になるでしょう。

もっと言ってしまえば、ドラマなどで人々の心に強いインパクトを与えることも可能です。いわゆるトレンドづくりもこれで可能になります。アメリカのドラマ、「セックス アンド ザ シティ」などはその典型ですし、日本人に自虐史観を与えた映画もずいぶんあります。

かつて、報道機関はあまり色を出さないようにしていました。戦前には報道統制があり、もっと同じトーンでしたし、現代の中国の報道が似たようなものなのも国家統制をするためであります。

全く色がない報道になれば報道機関は一つだけあれば足ります。あとは読者が考えればよいからです。しかし全ての人が様々な判断基準の中で論理性のある結論に帰着できるわけではありません。「どうしたらよいか分からない」という方は多いでしょう。となれば、報道機関の色は必然であり、読者は逆にそれを事前に十分認識しておくべき、ということなのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

嫌な上司、嫌な部下4

世の中、人付き合いから逃れるのはほぼ不可能。ましてや仕事をする方ならば上司、部下、顧客に取引先など様々な人と一定のお付き合いをしなくてはいけません。

その中で何年たっても問題が解決しないのは上司と部下の関係であります。私がサラリーマンをしていた頃でも今の方が思っていることもほぼ同じレベルという点で人間関係だけはITのように進化できないとも言えそうです。

私が初めて嫌な上司と当たったのは新入社員のしょっぱな。掛け持ちの工事現場間の移動で上司の車の運転手代わりをさせられていました。会社規定で私有車持ち込みに手当がつくから、上司は、自動車ローンの足しになるといつも言っていました。昼食をどこかで取った後は「おい、どっかそのあたりに止めてくれ。昼寝をする」が日課のようになっていました。あるいは「君のために」といい夜は毎日のように社費で飲み。「若いやつを育てるのはカネがかかる」と言いながら無理やり飲み屋に拉致されていました。

書き出したらキリがないのですが、その頃、書店で手に取った本が「嫌な上司を持った時の本」でむさぼるように読んだのを覚えています。幸か不幸か、1年したら別の部下が入社し、私のお役御免となりました。

嫌な上司はどんな人、といえばハラスメント系が上位に上がります。セクハラ、パワハラなどは分かりますが、あるリストによると35種類もあるハラスメント系は特に女性からの指摘が多いようです。特に女性の場合、大まかな傾向として自分と普段接っしている人に対して一定の評価があり一度、それが設定されるとなかなか覆らないという癖があるように見受けられます。

私の経験からするとこの女性の男性に対する評価は一瞬のうちに仮評価されることが多いようです。ポマードが嫌だった、顔が嫌い、息が臭いなど案外、人間性と無関係のところで第一印象ができ、あとは女子更衣室と女子会で烙印が押され、本評価になるのではないでしょうか?

英国の2000人のサラリーマンに同様のアンケートをした結果があるのですが、上位はコミュニケーションをとらない、指示に一貫性がない、マイルールを押し付ける、部下の仕事を理解しない、無能…となっており、日本と本質的には似ているとも言えます。

では、上司から見て嫌な部下はどんな人なのでしょうか?依頼した仕事が不正確、遅い、頼んでもいないことまでやるなどの個性を勝手に出すタイプがまず上がります。食って掛かる部下もいます。「課長、ちょっとお話があるのですが…」はだいたい嫌なタイプで今までたまっていたマグマが一気に爆発する様子が目に浮かびます。

上司と部下の関係がなぜうまくいかないのか、といえば部内のことのみならず、自分の上司や同期、ライバルとの戦いなど様々な切り口がある一方、部下は上司とのラインが主流のケースが多いでしょう。双方がそもそも対等の関係にないともいえそうです。

コミュニケーションも腹を割ったものではなく、「お前らにこれを説明するのは難しい」とそもそも話すらしないこともあるでしょう。かといって部下がいつも弱者であるか、といえば若い方の割り切り感も行き過ぎていることもあります。会社のルールを盾に権利のみを主張するタイプは必ずいるものです。義務はどうなったの、と思わず聞きたくなりますが、結局、上司と部下の中間である係長やチームリーダーあたりが潤滑剤としての役割を果たすことが重要なのだろうと思います。

上司と比べれば部下の経験はまだまだ。しかし、だてに歳だけ取った上司が部下使いできないのは会社側の人事教育が足りないとも言えます。部下を持つようになる人材には定期的な社内教育と個別指導は必要でしょう。会社としては上司も部下も皆、重要な人的資産のはずです。十二分の力を発揮できるかは人事にあり、と言えるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

NAFTA交渉で見せたアメリカの強権4

正直、驚きであります。NAFTAに代わる新通商交渉でカナダそっちのけでアメリカとメキシコが二国間で詰め、ファーストトラックであっという間に完了してしまいました。この二国間交渉の完遂で、カナダに対して「これに乗るか、乗らないと後悔するぞ」と迫っています。

この話を平たく言います。3人の仲良しがいて、うち、一人がリーダー格でした。リーダーの無謀ぶりに残りの二人がどうにか、抵抗しようとしましたが、うち一人を、お前は裏切り者だから知らん、と放置し、もう一人に「お前は俺と仲良くするよな!」と迫っているようなものです。

メキシコは12月1日に左派勢力の新大統領が就任します。展開が読みづらいという点もあり、現大統領の権限の中で交渉をまとめ上げてしまいました。内容的には自動車の部品調達率が62.5%から75%に、現地調達では全体の40-45%の工場で時給16ドル以上であることなどを定めています。

パッと見る限り、カナダがこの内容を飲めなくはないと思います。個別案件としてアメリカとカナダでは乳製品の扱いの問題が残っていますが、最終的にはクリアするとみています。

ちなみにトランプ大統領は「NAFTA」はアメリカにとって悪い思い出だからこの名前はもう使わないと宣言しているようです。どうも戦略的な意味合いもあり、「俺が作り上げた新しいルール」を標榜するのだろうと思います。

これは日本にとって嫌な予感がする展開です。現在、まとめ上げたTPPの批准を待っているところですが、権力を振りかざすトランプ大統領がTPP加盟国を一カ国ずつ壊して自分との交渉で抱き込む作戦をとりかねないからです。その場合、TPPを主導した日本がカナダ同様、いじめられて、「どうだ、これでも合意しないのか!」と圧力をかけるシナリオの可能性を引き出してしまいました。

もちろん、これは悲観論です。ですが、この大統領は自分のためならどんなことでも平気でやる男です。そこは心してかかるべきかと思います。

交渉力とは何か、といえば依存度なのだと思います。例えば日本の原油の輸入は様々なところからほぼ均等に調達しています。それは世界危機が仮に起きた際にも原油調達に影響が出にくいように配慮しているものです。何か起きても「それじゃ、しょうがないね」で対応できるか、是が非でもどうにかしなければならない、というポジションかの違いでしょう。

私が時々懸念するのは日本とアメリカの同盟関係の在り方は本当に対等なのか、という点であります。実質的には日本はアメリカに期待するところが大きいでしょう。ではアメリカから見て日本がどうしても重要だと思わせる部分がどれだけあるか、このポイントをしっかり押さえないとアメリカの州の一つになり下がってしまいます。

カナダとアメリカの関係を見ると資本も貿易も政治経済の影響力もアメリカは極めて大きな存在です。例えばカナダの祝日でもアメリカの株式市場は活況を呈しますが、アメリカの祝日はカナダの株式市場は閑散としています。こうなるとカナダ人からすればアメリカはさほど好きではなくとも否が応でも影響は受けてしまう、ということであります。

日本がアメリカと対等なパートナーとなるには日本がアジアを取りまとめる圧倒的指導力と人望ならぬ「国望」を持ってもらえるようなリーダーになることが重要だと考えています。

もちろん今回のNAFTAの一件はトルドー首相がカナダで行われたG7サミットの際の議長国として「へまをした」ことも大きいと思います。経験不足と言われている若き首相にとって高いものにつきそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

中古の時代がやってきた4

中古品を快く思わないのは世代間ギャップがあるのかもしれません。年齢が上の方は覚えていらっしゃるでしょう、粗悪品の時代を。そして、次々売り出される新しいものを買い、古いものはどんどん捨てていた方も多いでしょう。そんな時代に生まれ育った方にとって「中古はありえん」と思うのはもっともなことであります。

中古自動車は特にそのイメージが強く、「前の所有者がどんな人だったかわからない」「メンテをきちんとしていたかわからない」などの心配が付きまとっていた記憶があります。

中古の概念を破り始めたのはブックオフではないかと思います。音楽CDや古本をきれいにして結構な価格で売るというスタイルは斬新でした。私はブックオフで古本は買ったことがないのですが、音楽CDでは世話になりました。何しろCDはあくまでも音を再生するものであり、CDに触って何かすることは限られています。つまり、スピーカーから出てくる音は新品も中古も同じ、と考えてしまえば何ら抵抗はありませんでした。

若い方は発想をどんどん変化させました。以前、中古品売買のパイオニアの一つ、上場会社の「コメ兵」がなぜ、名古屋ではやり始めたのか気になり、名古屋学なる名古屋人気質をいろいろな角度から研究して、更に名古屋に何度か行ってじっくり観察したことがあります。私の印象としては見栄っ張りのようで実はものすごく堅実(いや、ケチに近い)という相反する性格(これをアンビバレントと言います。欅坂46のシングル曲もそういうタイトルですね。)がブランド品の新品を買っては売り、を繰り返す現代の日本の若者の原点を生み出した大きな原動力だと思っています。

とすればメルカリにみられるトレンドは今後、更に進んでいくはずですが、私はここで大予言をします。それは日本で中古住宅市場が大きく伸びるという点です。

日本はなぜ中古住宅市場が伸びないか、いろいろな理由が思い浮かびます。22年程度で償却する木造の建物は銀行などの査定上、ゼロ評価になります。ゼロのわけがないのですが、ゼロなんです。これをお読みの皆さんの住宅、22年以上たったところにお住まいの方も多いでしょう。それがゼロだと思いますか?思わないならゼロではないということです。つまり、市場がその価値をつける時代がやってくるのです。銀行ではありません。

中古住宅が嫌われるもう一つの理由は古びているからですが、リノベーションをすれば外壁も内装も新品同様になります。柱だってやり替えられます。つまりほぼ新築に近いリノベーションが可能ですが、そんなことを売り込む業者が少ないだけです。水周りだけリノベする、キッチンだけやる、という部分ごとのリノベは大変コスト高になる理由は業者が専門業者だからで、建築業者に全体のリノベをやらせると金額はまるで変ってくるはずです。(ただし、今の時代でも業者間取引と個人向け取引では価格体系が全く違うという古い商慣習は残っています。)

少し前の日経の記事に「膨らむ中古市場、周辺産業潤す 物価は下押し?」と物価下押しに「?マーク」がついています。記事には 「第一生命経済研究所の永浜利広氏は、中古品市場の拡大が名目GDPを0.2ポイントほど押し下げていると試算」とあり、物価下押しを肯定するトーンと同時に「ネットのフリマ利用者の半数以上は売却を前提に新品を購入している」とも記載しています。つまり、経済学的には下押しにみられるが新しい市場を発掘する可能性も示唆されています。

一点だけ申し上げると世の中、すべてのモノが中古品にとって代わることは絶対にありえません。新品があっての中古です。つまり、新品の需要は必ずあり、モノが循環するという新たな付加価値が付いたということです。例えば3万円のブランドバックには手が出ないけれど2万円ならちょっと背伸びをしてでも欲しい、と思う人はいるでしょう。ここに新たな市場が生み出されるということではないでしょうか?

私は大いに期待しています。

では今日はこのぐらいで。

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漂流する北朝鮮問題4

トランプ大統領はポンペオ国務長官に訪朝予定のキャンセルを指示しました。前回の訪朝の際に明白な果実がなく、今回も金正恩委員長に会える確約がないことから「行ってもしょうがない」と判断したのでしょう。ディールする価値がない相手のところにわざわざ行く必要はない、というポジションかと思います。

思い返せば6月にトランプ大統領がシンガポールで金正恩委員長と会談した際、まるで新時代が築かれるような発言を繰り返し、核の脅威はなくなったとまで言い放っていました。つまり、緊張関係が緩む、ということで、そこで得したのは北朝鮮のみならず、中国とロシアでありました。会談したトランプ大統領がそういうならもういいのだろう、という緩んだ形が中朝国境当たりのビジネスの再活性化につながっています。

表面上、北朝鮮は弾道ミサイル実験をしなくなりましたが、その真意はどこにあるのでしょうか?折しも北朝鮮に拘束されていた日本人が「追放」という形で釈放されるようです。人道的理由としていますが、北朝鮮はどこに向かっているのでしょうか?

北朝鮮とアメリカの立場の違いは明白です。アメリカが非核化が第一義と主張しているのに対し、北朝鮮は体制保証や制裁解除を優先させる立場にあることです。事実、非核化と言っておきながら寧辺の核関連施設の稼働を続けるなどの行動が見られ、アメリカの求める方向とは真逆の状態にあります。

また、韓国の文大統領が9月に平壌での南北首脳会議を見込んでいるほか、習近平国家主席の訪朝も噂されています。9月9日の北朝鮮建国70周年でも大規模なパレードとなりそうで国の威信をかけるようにも見受けられます。

個人的には北朝鮮から核をとったらただの貧乏な国でしかなく、アメリカが必死に交渉しようとする動機もなくなります。つまり北朝鮮からすれば何が何でも核の放棄はしないポジションにあるのではないでしょうか?一定の強気の立場を貫きながら中国、韓国、はたまたロシアとディールするのでしょう。最終目標は北が主導する南北統一、ないし北が圧倒的に有利な平和条約締結ではないかと考えています。

以前から何度も指摘していますが、朝鮮半島の長い歴史の中で争いごとが多かったのが半島情勢です。そしてその主導権や影響力は半島の根元に近い方が有利という歴史もあります。冊封関係もつ中国が控えているからでしょう。

今、韓国の経済情勢は決して芳しいとは言えません。トルコの通貨ショックを機に新興国の苦境が伝えられていますが、韓国もその枠組みに入るのではないか、と見られています。これは文大統領が北朝鮮に余計にすり寄る背景にもなりえると言えます。

対北朝鮮政策についてはぐっと締め付けを強化すべきでしょう。アメリカは北朝鮮により厳しい態度を示すべきですし、中国との貿易戦争ディールの中で北朝鮮制裁の強化を条件に加えるぐらいの圧力はかけ続けるべきです。トランプ大統領が金委員長にずいぶん優しいメッセージを送っていますが大統領の心理からすると相手の出方が読めない苦しさが見て取れます。

経済的に破綻していると言われ続けてすでに何十年もたっていますが、破綻しません。それなりの地下経済網が発達しているからでしょう。ここは一度締めなおす気構えが必要かと思います。

では今日はこのぐらいで。

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老後、いざという時の備え4

日曜日の日経一面トップは「認知症患者、資産200兆円に 30年度 マネー凍結懸念、対策急務」とあります。興味ない方はまず読まない記事ですが、多くの人に基礎知識としてある程度知って頂きたい内容かと思います。若い人には関係ない、ということもありません。それは皆さんのご両親やご親戚がいつ認知症や判断能力の低下が起きるかわからないというリスクがあるのです。

記事によると2030年の認知症患者の資産総額は200兆円を超えるとされ、これは日本すべての金融資産の1割以上となり、GDPの4割にもなる金額で、これがフリーズ(凍結)されることは日本経済にとって大きな影響があると記されています。

私はまずは我々が来るべきその日にどう備えるか、また、認知になった場合、どうなるのかを理解すべきと思います。天災は忘れたころにやってくる、と言いますが、事故やケガは予想すらできず、若くて元気でいても突然その人生のコースが崩れることはあります。

私のカナダの会社の会計士と食事をしながら歓談していた時、「ヒロは遺言状を書いたか?」と聞きます。いくら何でもそれにはまだ早すぎます。すると彼は「こちらの社長やエグゼクティブはみんな用意しているよ、会社がいつどんな風になるかわからないしね」と。4,5歳年上の彼は「もちろん、僕も用意している」というのです。

北米の発想はプリベンティブ(予防的)な行動を起こす点が特徴で、日本のように何か起きたら対策をするのとは大きな違いがあります。それは個人の将来という点においても予防的な準備をしているということなのでしょう。

では遺言とまではいかなくても認知になるとどうなるか、という不安はあると思います。

カナダで身寄りのない日本人が認知になるケースは間々あります。日本のご親族がとりあえず裁判所のプロセスが必要なguardianではなく、Power of Attorney(POA)を選任、その方がカナダにいる認知症の方の日々の支出を管理しているというケースはそれなりにあると思います。

日本の 成年後見人にしろ、カナダのPOAにしろ、多少の制約はありますが、ほとんど誰でもなれるという容易さがあります。ところが認知などの判断ができなくなった方に成り代わり支出の管理をするといってもある方の長い人生に後見人やPOAが突然乗り込んで来るわけです。これはとても困難な仕事なのです。

私があるケースを傍で見ている限り、POAは決して正しい判断をしているとは思えませんでした。しかし、彼らの報酬も月数万円程度と知れているため、単なるお財布管理以上のことはしてくれません。だいたいそんなことを完全なる善意でやってくれる方もどれだけいるのかと思うとはて?と、疑問を感じてしまうのです。

もう一つのケースはPOAをお友達にお願いしたケースです。これはひどかった。本人の承諾があったらしいのですが、判断能力が明らかに劣っている、あるいは判断をするにふさわしくない時期に本人の承諾を得たようで相当額を引き出して自己用途に使ってしまったのです。

当然、それはPOAの範疇である生前の行為。ところがお亡くなりになると別の管理者であるExecutor(遺言執行人)が関与してくるのですが、POAの判断が生前、正しかったのか、と疑念を抱いてしまったのです。こうなるとどう証明するのか、裁判にまでもつれ込むのかわかりませんが、とんでもない問題に発展する余地を残してしまったのです。

そういう意味では例え少額でも貯金や資産がある以上、遺言や本人の意思は元気な時から明白にしておくことが必要です。それこそ、家族にディスクローズ(開示)ないし、弁護士か後見人候補者と相談しておくべきでしょう。(日本が問題が発生しないと動けない例として法廷後見人は本人の判断能力が劣ったことが確認できないと任命できないのです。おかしいですね、事前準備ができないんです。)

私はお金もないし関係ない、という方もいらっしゃるでしょう。実はもめごとはお金がある人もない人もほぼ均等に起きるのです。そりゃ億単位の遺産相続でもめるケースもありますが、テレビ一台でもめる家もあるのです。それも私は見てきました。それまで仲の良い兄弟だったのにそれを機に突然関係が崩壊するケースもあります。だいたい、兄弟、姉妹でもめる場合その配偶者が入れ知恵をする場合が多いものです。配偶者は直接的な血縁関係ではないために黒目に¥マークや$マークが焼き付いているのかもしれません。

いい年齢になったら子供に残さず、使うぞ、という方もいらっしゃいます。しかし人生60年、70年と続けてきたその方の生活や消費、支出のテンポもあるものです。突然、金遣いが荒くなるということはあまりないでしょう。とすればもめない準備をするのが一定年齢の方の役目なのかもしれません。そして日経の記事にあるように経済に還元させることももちろん重要だと思います。

では今日はこのぐらいで。

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今週のつぶやき4

今週はニュースが少なかったのか、ワイドショーでは金足農業高校をこれでもか、というほど報じていました。しかし、春夏連覇した大阪桐蔭の影があまりにも薄かったのは関東系のニュースを見たからでしょうか?それともドラマチックなストーリー性がキーだったのでしょうか?それを言えばアジア競技大会の池江璃花子さんの8種目で金6銀2というのは超人的。もう少しニュースになってもいい気がしますが。

では今週のつぶやきです。

さぁ、ジャクソンホール
といってもご存じない方も多いかもしれません。アメリカの小さな町に毎年この時期に世界の中央銀行のトップが集まり、秋からの金融政策を占う会議が催されます。数多い中央銀行総裁の集まりの中でなぜジャクソンホールがこれほど注目されるかといえば夏休み明けの9月から気分一新(こちらは9月スタートの意識が強いです。)ということと7-8月の経済ニュースの夏枯れに対して情報への飢えがあるのでしょう。

早速、面白いネタが飛び込んできました。パウエルFRB議長はアメリカ金利の上昇局面がそろそろ終盤に差し掛かっているというニュアンスを示してきました。また、9月の利上げ見込みについてはfor nowという表現を使っていますので利上げするけれどそれが継続的ではないという強い含みがあります。

これはトランプ大統領からのプレッシャーもあるのでしょうけれど各種経済統計が今一つ振るわない中、FRBがそろそろ引き締めの手綱を緩めるように感じます。貿易戦争の影響もこれからです。多くのアメリカ人がつぶやくのです。「今年は減税もあっていい、だけど来年半ば以降はどうかなって」。

忘れかけていた英国のEU離脱
あまりにも英国の内部事情が荒れていているのか、あるいは日本から見れば遠い国のドタバタ劇とみているのか、さほど話題になりませんが、こちらも来年3月の離脱に向け、10月には全てのおぜん立てが整わないと事務手続きが間に合わない状況にあります。

なぜ、これほどうまくいかないのか、いろいろ理由はあるでしょうが、個人的にはメイ首相が「迷首相」だからでしょう。彼女はもともと離脱反対派。それなのに首相になって離脱を推進するのですからエコノミスト誌に報じられている「ソフト離脱」政策をするのは読めていました。一方、EUとゴリゴリとネゴるために強硬派のボリス ジョンソンを外相に据え対応させる戦略でしたが、この男、働かないうえに最後、ポイッと辞めてしまいました。そういう男なんです。

ではここからのシナリオですが、何でもあり、だと思います。つまり、合意なき離脱かもしれないし、ある程度まとまるかもしれない、けれどありそうなのは3月が延長されるケースかと思うのです。なぜなら、合意なき離脱はEUも困るからです。英国の影響力は無視できないし、くだんのエコノミスト誌には軍事力と情報収集能力で長ける英国が抜ければ安全保障に大きな支障が出るとされます。

EU本体も一枚岩ではなさそうですし、ドイツの覇権などと言われた時代もどこへやら、ややバラバラ感が漂います。欧州の人は嘆いていることでしょう、「あいつら、こんな面倒なこと、しやがって」と。

中古車の自動販売機???
アメリカも考えるスケールが違います。8階建ての中古車販売会社の駐車場ビルにずらり並ぶ車を購入するプロセスが自動販売機というのです。ネットであらかじめ、与信審査を行った上で特別のコインを自販機に投入するとその車が出てくる仕組みとのこと。紙面だけ読んだだけでは今ひとつ、流れがつかめないのですが、すでに10か所で稼働しているというのですから機能しているのでしょう。

私、思うことがあるのです。ネットって値切れないよな、って。確かに「値切る」という行為自体がもうイケてないのかもしれません。今の中高年は値切ることに並々ならぬ精力を傾け、まるで戦利品を獲たかのような喜びを感じたものです。勿論、私だってやります。デパートでも成功したことはこのブログでお伝えしました。

しかし、いまや提示価格をそのまま受諾するのが普通となれば対面販売でも値切る人が少なくなるということでしょう。なぜなら知らないのですからそんなことしていいという常識感/経験則がないのです。

かつて、モノの価格は売り方と買い方の熾烈なる価格交渉で決まりました。法人個人問わずです。この交渉こそが需要と供給のぎりぎりの攻防戦だったとも思うのですが、いまやネット提示価格、つまり売り手の言い値を受けるか、受けないか、というワンサイドゲームになっています。ネットショッピングに「交渉」とか「入札」機能を付けたら面白いでしょうね。

そういえば日本のCPI(消費者物価指数)の計算にようやくネットショッピングを反映させるそうです。ちょっと前にこのブログで今のCPIの計算根拠、どうなのかね?と指摘した件です。ただ、ネットショッピングはCPIを引き下げる効果の方が大きいかもしれません。黒田総裁、ジャクソンホールはご欠席だそうですが、2%のインフレ率、達成には大きなため息でしょうか?

後記
このブログにお越しの方の多くは私の本題よりコメント欄を楽しみにされている方のほうが多いのかと思います。私が何年も前にこのコメが荒れた際、一行コメントはダメ、と申し上げました。意見にはそれなりの理由があるものだと。あと議論はウェルカムですが、人の批判も禁じ手です。世の中には考え方はいくらでもある、というのが私の根本思想。そしてそのベストの解はその選択者にとってのベストであり、他人からすればベストではないかもしれません。つまり、最適解そのものの定義もないと考えています。

皆さんが楽しみにしてくれるコメ欄ならばそのクオリティに磨きをかけて頂く為には皆さんのご協力が必要です。コメが面白いブログとして長くお付き合い頂ければと思っております。よろしくお願いします。

では今日はこのぐらいで。

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