外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2018年10月

日韓は薄氷の関係に4

徴用工をめぐる韓国最高裁判所の判決に日本のメディアは大きく反応しました。判決そのものについては報道で十分カバーされているので少し視点を変えて考えてみます。

韓国の憲法裁判所が近年、それまでの常識を覆した判決は2011年8月の元慰安婦の個人請求権に関してであります。「韓国政府の不作為は違憲である」としたのです。これを受けて韓国国会は同年9月に日本政府に対して元慰安婦に対する公式謝罪と被害賠償を求める議案を通過させました。時の大統領は李明博で彼は「感情の仮面」を取り去り、対日外交姿勢を急転回させ、竹島に行き、天皇陛下に日王と称し「ひざまずいて謝れ」と言ったことはあまりにも有名であります。

韓国社会において憲法裁判所の判決は三権分立のさらに上に立つともされ、誰もがその内容に服従しなくてはいけないという枠組みの背景があります。今般の徴用工の裁判には時間がかかり、数日前には朴槿恵政権下の担当官が裁判の「時間引き延ばし工作」をしたとして逮捕されました。思うに朴元大統領もこの判決が出れば自身の対日外交政策に非常に重くのしかかると想定していた節はあるのでしょう。

元慰安婦の判決がもたらした日韓関係の悪化は言うまでもありません。同判決を受け、慰安婦像を国内のみならず、海外にも建立し、その勢いが止まらない中、安倍首相は2015年、朴元大統領政権下の韓国と日韓合意をします。この時、慰安婦問題が「最終的、不可逆的に解決される」とし、財団を設立し、10億円の基金をでスタートさせることになったのです。これは世界中が注目し、全ての人がその証人として何が合意されたか理解しています。が、その合意は破られ、財団さえ解散されようとしているのです。

慰安婦問題の時は当事者が日本政府であったことと内容が内容だけに見て見ぬふりをする日本の方は多かったはずです。ところが今回の徴用工問題は多数の民間企業とビジネスという要素が含まれることからその影響力は慰安婦問題の時とは比較にならないマグネチュードがあると考えています。

今回の憲法裁判の内容が国際常識に照らし合わせて無茶苦茶であることは言うまでもありません。勝手な想像ですが、裁判官らは仮に日本に有利な判決をした場合自分たちが血気盛んな韓国人から血祭りにされることを恐れた世論同調型の判決(「国民情緒法」とも揶揄される)であったことは否めません。判決ありきの裁判でした。

手法としては今後、国際司法裁判所への提訴もあり得ますが、これは両国が同意しなくてはならず、韓国政府がそれをするとは思えません。(竹島案件でも同意していません。)同意しないのは自国の最高機関の司法判断が仮に覆された場合の威厳の崩壊を気にしているのでしょうか。

実際の対策としては徹底的な民間ベースでの事業断絶と情報のシャットダウンをするしかありません。つまり裁判や外交といった公的なプロセスに過大に期待せず、企業が韓国への信頼度を再度検証した上で「コリアリスク」を経営指標に取り込み、毅然たる態度をとることであります。また、今後どれだけ同様判決が出ようとびた一文払うべきではないでしょう。日本政府はそれら企業を守るリーガルシールド(法的防御策)を急ぐべきでしょう。

当然ながら日韓の外交は冷たい時代を迎えます。その向こうの北朝鮮も日本に厳しい姿勢を続けているのですから北朝鮮外交云々以前の問題に引き戻されてしまったと考えています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

中国には逆風か、ドイツ、ブラジルの政治話題から。4

週明け、2つの政治話題に注目しています。ドイツからはメルケル首相が21年以降の党首選には出ないと明言したこと、ブラジルからは極右のジャイル ボルソナロ氏が大統領に当選したことであります。

ドイツのメルケル首相は2005年11月に首相に就任し、在任13年目を迎えるところでありますが、栄枯盛衰を見事に演じきった首相でありました。就任当初は連立の枠組みの調整に苦労するなど前政権だったシュレーダー氏の名前が見え隠れするような時もありましたが次第に自身の行動力を発揮、特に外交政策ではロシアともよいコミュニケーションラインをとり、「欧州の時代、ドイツの時代」を作り始めました。

メルケル首相が世界で最も活躍する女性と映ったのはリーマンショック後の対応、そして引き続き起きた欧州危機での強さだったと思います。規律を守ることを第一主義とするドイツからしてギリシャの軟弱姿勢を厳しく批判、また、当時は徹夜会議で何度も危機を乗り越えてきましたが、あの頃、ニュースを見るたびに真の意味の「鉄の女」とはメルケル首相のことではないかと思ったことすらあります。

が、移民問題を機にメルケル首相には暗雲が漂います。そして明らかに政権と対立するAfDなど極右候補がジワリと票を伸ばしてきたのも事実です。今回の「党首選には出ない」という発言は連立与党の調整が厳しくなっている中で州議会選挙で大破の2連敗を喫したことがその引き金となったようです。

ドイツは従来、中国と近い関係にありました。特に自動車については中国人の欧州車信奉(昔からベンツはブランド力と安全性において圧倒的人気がありました。)もあり、自動車を通じた中国との関係は深いものがあります。日本でも80年代に一時期流行したVWのサンタナは中国では圧倒的な人気を誇り(モデルチェンジ後の今でも売れているはずです。)、ベンツの筆頭株主も中国企業です。

それ以外にもドイツと中国は切っても切れない関係にあるのですが、メルケル流の外交が生み出した背景は当然あったでしょう。ドイツが今後、メルケル首相の退任を待たずに体質変化するとすれば他の欧州諸国と同様、我慢できない層の躍進は考えられます。ずばり、右派であり、ポピュリズムとなります。これは中国にとっては読みづらい相手になると考えてよさそうです。もともと中国は英国との関係強化を政策的に図ったもののメイ首相下ではそれがかなわず、その動きが沈静化しています。

さて、もう一つの話題はブラジルの大統領選ですが、こちらも先週末に状況をお伝えしていましたが、ボルソナロ氏が10%ポイントほどの差をつけて勝利しました。この人がどういう政策を持ち、ブラジルという巨大国家をどう運営していくのか全く未知数でありますが、少なくとも口の悪さにおいては天下一品のようであります。

その氏が掲げるステートメントに「ブラジルを中国に買収させるわけにはいかない」とあります。中国は自然資源に飢えており、個人的には水とか空気といったものに資金を投じる傾向を見て取っています。その点、ブラジルは自然資源の宝庫であることからBRICSの関係もあり相当の資金を投じてきたものと思われます。

しかし、ブラジルに限らず、インドネシア、マレーシア、あるいは一部のアフリカ諸国からも中国のマネー攻勢に「これはおかしいだろう」と気づきが出ています。そして中国自体もブランドものバックを買いあさるような海外の会社や資産の買収攻勢の動きは止まっています。

習近平氏の運営する中国はどう見ても四面楚歌に近い状態が生まれ始め、じわじわと追い込まれている感じがします。中国の株価の不振ぶりが注目されますが、担保処分というテクニカルな下落要素と政府のPKOのはざまが見て取れます。

世界の潮流はどこに向かうのか、少なくともメルケル氏の党首退任、ブラジルの新大統領選出は時代の流れの本流だといってよいでしょう。2020年代は荒れるのか、新しい夢と希望のある10年になるのか、読みにくいところです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

TPP11がやってくる!4

TPP11の発効の目途が立ったようです。11月にもカナダとオーストラリアが国内手続きを完了する見込みでこれにより遅くとも年明けにはいよいよ現実のものとなります。

このTPP11は日本語であり、英語ではCPTPP(The Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)と呼びます。ただし、一般の方に格好をつけて「CPTPPが…」と英語でしゃべりだしても100%通じないのも事実であります。カナダではNAFTAに変わるUSMCAに形を変えることで合意しましたが、カナダの貿易量を考えても多くの人は環太平洋地域との貿易がどれだけ重要なのかという点はあまり重視していないのかもしれません。

カナダは欧州とは包括的経済貿易協定(CETA)をすでに結んでおり、欧州の製品が比較的安く買える時代になっています。貿易量は各分野でCETA締結前より一桁%後半から二桁%で伸びています。カナダで欧州製の自動車はもともと安かったのに更に下がっていくことになり、消費者の選択肢は当然増えていきます。

そういう意味ではTPP11も一定のインパクトはあると考えています。域内GDPは12兆ドルでEUの20兆ドル、NAFTA(USMCA)の24兆ドルには現時点では及びませんが、加盟国が増えそうなことと加盟国の潜在成長力が高いことから10年でEUの規模に肉薄する可能性はあります。

ではモノが急に安くなるのか、といえば実はTPP11に加盟している国のうち日本と個別EPAがないのはカナダとニュージーランドだけでほかの国とはすでに90%から100%に近い自由貿易の提携が行われています。つまり、目に見えてモノが安くなるという効果は限定的かと思います。

むしろ、北米のUSMCA、欧州のEUに対抗する強力な経済連携がアジア地区に登場することで政治経済的な発言力が増すことに大きな期待が寄せられるのではないでしょうか?

不思議なもので昨日は「先鋭化する思想」と題し、バラバラになる世界がより鮮明になってきた、と書かせていただいたのに今日は巨大な経済圏が生まれつつあるとは矛盾ではないか、とご指摘を受けると思います。TPP11が発効に向けて順調に動いているのは世界の様々なボイスに打ち勝つために自分も大きな傘の中にいなくてはいけないという自己防衛もあるのかもしれません。TPP11の場合は巨大化する中国という市場に対抗するためでありました。世の中、実に複雑であります。

私はカナダにいますのでその点を考えてみると、日本との貿易が急速に増えるかといえば日本からの輸入は増えると思います。が、カナダから日本への輸出は日本の半分以下伸び率の可能性が高いと思います。上述の欧州とカナダ間のCETAを見ても欧州からカナダとカナダから欧州のボリューム比較は2倍ほどの開きが出ているのです。理由は簡単でカナダから日本に売るべき工業製品は極めて限定的であるからです。

もともとカナダはアメリカとのNAFTAでカナダの産業構造そのものが弱体化/偏向化しています。稼ぎの多くはオイル、ガス、資源、建設業、不動産業といった旧態依然の業種が多く、日本から見て喉から手が出るほど欲しいものは限られるでしょう。私がカナダから日本に行くときに土産を買わないのは買わないのではなく、ないからであります。

そう考えるとTPPはもともと日本に一番有利と言われていた意味が分かってくるわけでTPP11も日本製品の販売促進は期待できるでしょう。またビザなど人の出入りの扱いも変わるとされています。どのような形になるのか、楽しみです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

先鋭化する思想4

ブラジルで大統領選挙が28日に行われます。日本とは地球の裏側のブラジルの話など、あまり興味がないかもしれませんが、そこで繰り広げられる戦いは今の世の中の縮図を感じます。

有利に立つのが極右ジャイル ボルソナロ下院議員。受けて立つのが左派で元サンパウロ市長のフェルナンド アダジ候補であります。アダジ候補が今一つ伸びないのは有罪となっているルラ元大統領の地盤を引き継いでいるからでしょうか?同国はルラ、ルセフとあまりにも不人気な労働党出身の大統領がしばしブラジル政権を牛耳っていたことで国民に強い不満が醸成されていたのでしょう。

ではこのままボルソナロ氏が大統領になればどうなるのか、といえばブラジルのトランプと言われているぐらいですから想像しがたいものがあります。

覚えていらっしゃると思いますが、色濃いトップの流行はフィリピンのドゥテルテ大統領の誕生からではなかったでしょうか?勧善懲悪型でそれを実行するには手段を選ばないというスタイルは当時、オバマ大統領と厳しい関係になるほどでした。その後、トランプ大統領が誕生します。フランスでは落選したものの極右のルペン氏に大きな支持層が生まれました。ドイツでは「ドイツのための選択肢」党(略称AfD)がじわりじわりとその勢力を伸ばしています。イタリアでは先日お伝えしたように極右の「同盟」が連立与党の座についています。

カナダでは中道左派の自由党のトルドー氏が首相の座にいますが、世論調査では中道右派の保守党といい勝負を展開しています。世論調査とは別に聞こえてくる声は「彼ではだめ」であります。理由は「いい顔しすぎ」なのです。このいい顔とは敵を作らないで中庸に物事を進めていくオバマ前大統領のスタイルとそっくりなのですが、最近の人は刺激のないテイストを好まないのでしょう。

地球上のほぼすべてのエリアでそんな状態が起きたのはなぜなのでしょうか?

個人的に思うのは強いリーダーシップ、そして自分たちの利益を守るという目線の変化ではないでしょうか?共存を訴え、G20ができたころは俺も私もお仲間に入れてもらったという表面上のお友達づきあいを大事にしました。日本の昔のムラ社会のようなものです。

ところがその間にロシアも中国もその強い色合いをむき出しにし、ロシアはウクライナ問題からクリミアの侵攻、実効支配をしました。中国はアフリカ諸国に資金のバラマキと中国人を送り込み、アフリカを中国の影響下に置こうとしました。つまり、オバマ前大統領の「仲良くしようよ」という掛け声と裏腹に世界では問題がどんどん膨れ上がっていたのが実態でありました。

つまり、いい顔している場合ではない、もっと力づくで自分たちの権利を確保しないと盗まれるぞ、という危機感を募らせているのが現代社会の構図ではないでしょうか?

これがさらに講じれば国際紛争が起きないとは言えません。事実、米中は貿易という名の戦争をしています。私は今から2年以上も前に「バラバラになる世界」というタイトルのブログを記しました。今読み返してみればその方向性はより明白いなってきているように思えます。

自分の利益を守る、言い換えれば保守的な動きは今しばらく続くのかもしれません。その時、世界がどういう枠組みになっていくのでしょうか?我々は時代のローラーコースターに上がったり下がったり右へ左へ揺すられているのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

2017年の小中高のいじめ件数が前年比で28%増の41万件になったと発表されています。目が行き届いた結果もあり、認知件数が増えたとされます。そんな中、痛ましい事件だったのが中学生が「真の犯行」をする前に迷惑になるからと祖父母を殺傷した事件でしょうか?個人的には大人の社会が「短絡的」になって行く中でそれを子供たちも思考回路の中に取り込んでしまった気がします。機会があればこういう問題も取り上げてみたいところです。

さて今週のつぶやきです。

晴れのち雨、ちょっと晴れたらあとはザーザー降り
あまり市場のことは書かない方がいいのでしょう。こういう荒れた時は予想なんて出来ません。そんな中、週末の悪材料はアマゾンでした。7-9月期の売り上げが市場予想に届かない、これが原因でドツボのように売られ、世界中の株式市場に影響しています。ちょっと待って欲しいのは「市場予想」って何、であります。専門家の勝手予想の平均値なのですが、下回ったのは売り上げだけ。それも1%程度です。これでもそこまで失望させるものなのでしょうか?私にはさっぱりわかりません。

それよりも本当に怖いのはアメリカの7-9月GDP。3.5%アップと絶好調を維持しています。しかし、中身が悪いのです。企業の在庫がGDPを押し上げたのです。いうまでもなく、米中貿易戦争を見越して企業が課税される前に先取りをしたのが明白に出てしまいました。そして10月に入り急激な株価の下落です。10-12月のGDPは相当悪くなるとみています。1%台かもしれません。FRBは強気一辺倒を少しずつ軌道修正するものと思われます。

市場のことは市場に聞け、であります。先日も書いたように「心理」が値動きを増幅させます。トランプ大統領の声も聞こえないのはこの下落に一枚噛んでしまったことに対する後悔でしょうか?

笑顔の握手のその向こう側
安倍首相と習近平国家主席の笑顔の握手の写真を見ながら「オー、ポリティックス!」と思わずつぶやいてしまいました。報道を読む限りバラ色。あたかも日中新時代を迎えたようにすら感じます。そこには恐ろしいほどの思惑の玉手箱が詰め込まれていることは確かです。

この写真をみて一番刺激を受けたのが文大統領のような気がします。「おもしろくない」でしょう。朝鮮半島問題でこれほど努力しているのに習主席の文大統領の評価は高くないようです。この関係、あえて言うなら中国から見ると韓国は協力業者、日本はライバルという位置づけなのかもしれません。

中国との関係を安定化させておくことは個人的には今の時期には意味ある事と思っています。理由はトランプ大統領のワイルドカードが読みにくい点でしょうか?アメリカは日本に今後も無理難題を押しつけて来ることでしょう。その際にどういう対策カードを切るか、中国にしろ、ロシアにしろ、東南アジア諸国にしろカードは多いに越したことはないと私は思っています。

安堵感と不安感
安田純平氏の釈放に一番喜んでいるのは家族と政府でしょう。それ自体は素直に喜ぶべきです。トランプ大統領がトルコでとらえられていたアメリカ人牧師の解放も喜んでいましたが、それはすさまじい政治力とパワーゲームであったことは間違いありません。今回、日本政府が氏の解放に向けた交渉も特別ユニットが担当したようですが大したものだと思います。

安田氏への自己責任の問題については議論百出のようです。彼は一橋大学から信濃毎日新聞に6年ほど在籍、その間にアフガンとイラクの取材を行い、その後、フリーになっています。そういう背景からは別に物見遊山で取材に行ったわけではなかったのでしょう。

が、帰路の飛行機の中の彼の顔は安堵感と恐ろしいほどの不安感が入り混じった表情でありました。事実、記者会見も奥さんが代行しましたが多分、政府としてマスコミに出す前に知っておきたいことがあったと同時に本人がそこに出ることが芳しくなかったという判断だったと思います。帰国便で氏が日本政府の介在による開放を心地よく思っていないという趣旨の発言をしたとの件は極めて遺憾です。

解放されたけれど今後の生活は、世間はどういう目で見るのか、自由に歩き回れるのか、といった不安は当然あるでしょう。それが高じて「懲りない男」を再び演じる可能性もあるかもしれません。まずは手記でも書いていただきながらゆっくり頭を冷やすのがよろしいかと思います。

後記
10月30日に韓国の最高裁で元徴用工が新日鐵住金への個人請求権を求めた差戻最高裁の判決が出ます。韓国の裁判は世論に左右されますので個人的には個人請求権を認める判決が出る公算は高いとみています。そうなれば日韓関係にはより冷たい風が吹き、今回の日中関係の改善の意味合いがより強く出てくるかもしれません。要注目です。

では今日はこのぐらいで。

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疎外されるイタリアのリスク4

イタリアが厳しい立場に追いやられています。6月にポピュリズム政党、「五つ星運動」と極右の「同盟」による連立政権に政治経験ゼロのジュゼッペ コンテ首相が就任しました。その内閣が作り上げた2019年度予算案は歳出が2.4%増えるというものであります。ポピュリズム政党ならではの予算案といってよいでしょう。

ところがイタリアはEUに加盟する以上、EUのルールに従わねばなりません。それを監視する欧州委員会はこの予算案にいちべつも与えず、否定、差し戻しました。ところがコンテ首相はこの予算が出来た過程は容易ではない、とし、見直しを拒否、欧州委員会と明白な断絶が出来てしまいました。

欧州委員会は仮にイタリアが言うことを聞かなければ強権でもってさまざまな罰則を科していくことになるのですが、イタリアはそれを黙って受け入れるのでしょうか?

かつて世界大戦をした時、一種の疎外感からくる爆発的な反動があったのを思い出してしまいます。

国際ルールは世の中を縛り上げ、極めて均一でバランスの取れたものをつくりあげようという立派な理念が先行するため、その理念に達成できない国家は不良化するか、離脱するかの選択をとるしかありません。アメリカが次々と過去の協定や縛り、連携関係を見直し、脱退し、破棄し続けるのはその縛りが国家にとってふさわしくないという強い信念がそうさせるのでありましょう。

TPP11が発効に向かい着実に歩を進めています。すでに4カ国が批准しており、11月中には発効に必要なあと2カ国も批准するとみられており、いよいよこの巨大な経済連携がスタートしそうです。しかし、多分ですが、何年か経つと運用上の問題やひずみは必ず生まれてきます。それはスタートの時には同じところに立っていても時間がたつと必ず差が生まれるためで遅れが出た国家は不満を呈する、というのは常套であるといってもよいでしょう。

イタリアの場合もEUという厳しい規律に音を上げているように見えます。ギリシャも苦しい経験をしましたが、イタリアの場合はその経済規模はギリシャの比ではありません。同時に進む英国のEU離脱交渉も含め、連携と歪み、そこからの綻びは避けられないのかもしれません。

そう捉えればトランプ大統領が北米の自由貿易協定、NAFTAを破棄し、USMCAという新協定を締結したのは機能不全、ないし、時代にマッチしなくなった内容を見直すという意味で健全なアプローチだったともいえるのでしょう。

EUはその金融システムを含め、根本的問題点が多いとされています。が、あまりにも巨大な組織と化し、身動きが取れなくなり、システムそのものを見直す余地すらないという欧州らしい問題を作り上げているとも言えます。

欧州の大戦がなぜ起きたのかといえば独仏英という強大な国家間に生まれる裂け目が広がったことがその背景であります。とすればイタリアや英国の動きを見ていると欧州の危機を予感させるものすらあります。

TPP11も追加参加国が出てくる勢いですが、見直し条項を設けておかないと機能不全に陥るリスクを持ち合わせる可能性が高いと思います。一緒にずっと手をつないで渡れる橋はないのであります。

国家は常に理想を高く掲げますが、その崇高さゆえに理想が高ければ高いほど思ぬしっぺ返しが来るともいえるのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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給与もデジタルマネーの時代4

先日、ふと気が付けば日本からカナダにあるべき送金が銀行口座に記録されていません。Value Dateと称する送金が行われた日は3週間前。おかしいと思い、日本側の銀行に調べてもらいました。すると送金に問題はないので受け側のカナダの銀行で問い合わせてくれと。

連絡をして当該Value Dateから今日までの海外送金のPending List(保留リスト)を確認してもらったのですが見つかりません。その際銀行から言われたのは、「(通常の送金形態である)スイフト送金は間に中間銀行(コルレス銀行)が入るから間違いはよくある、だが、それは送り手の方からしか確認できない」と言われました。(これが嘘か本当か、そこは知りません。)

私は再びボールを東京に投げますが、銀行間で送金確認がとれているからカナダ側のミスだ、と返答が来ます。そこで、送金に関するコンピューターのデータコピーを日本側から貰い、再びカナダの銀行へ。今回はそのValue Dateにカナダの銀行に入金があったかを確認した上でそのお金がどこに行ったか、探し出す作業をしたのです。30分かかってやっとわかったのは赤の他人の口座に入金されていたのです。私が怒っているのは日本側は6000円も送金手数料を取っていながら「こちらの落ち度はない」というし、カナダの銀行は「スイフトの問題」と取り合わず、結局、私が右往左往させられたことであります。

最近スイフト送金を前近代的な送金方法とする声がその世界ではよく言われています。まず、世界を駆け巡るお金の件数と金額が膨大になっていること、上述のコルレス銀行と称する中間銀行が介在すること、ハッカーに狙われやすいこと、実は案外、マニュアルチックな送金方法のため、私のケースのように人為ミスが起きること、送金手数料がバカ高い上に中間銀行まで手数料を「搾取」するので手元に思惑より少ない入金になることなどが挙げられます。

ところで欧米の場合、小切手システムが主流で日本でいう電信送金はほとんどありませんでした。近年、ようやくインターネットバンキングで多少資金は動かせますが、私の会社の法人口座はカナダ最大手の一つですが、ネットバンキングで業者払いなどはできません。不便極まりなく、いちいち小切手を切らねばならないのです。

最近E-transferと称するE-mailにリンクさせて送金する仕組みも普及していますが、これも通常、個人口座の少額決済に限られます。つまり、思った以上に送金業務は銀行側も顧客側も手間暇がかかっているのです。

私がキャッシュレスになってほしいと思うのはこの時間をどうにかしたいのです。私どもの関連の会社を通じて行っているカナダから日本向けのギフト販売では顧客からの支払いはかつては小切手だったのですが、今ではクレジットカードで即座に課金、前払いシステムになっています。クレジットの処理もターミナルを介さず、私の目の前のコンピューターの画面で処理します。つまり、格段に処理能力が上がっているうえ、一日の終わりにバッチ処理し、経理にすぐ反映できるようなっています。20年前に比べると隔世の感であります。

日経に「デジタルマネーで給与 厚労省、来年にも解禁」とあります。なんで厚労省なのかという疑問はさておきその内容は「2019年にも銀行口座を通さずにカードやスマートフォン(スマホ)の資金決済アプリなどに送金」とあります。様々な条件が付くので通常の仮想通貨ではだめですが、多分、三菱UFJが開発している仮想通貨「COIN」が視野に入っているものと思われます。これは仮想通貨の発行額がすべて担保されており現金と等価で交換できる仕組みを備えるとされます。

冒頭海外送金の話を持ち出したのはこの仮想通貨を海外送金に充てると瞬時でほとんどコストがかからずに間違いがなく送金できる仕組みがすでに形成されています。つまり、地球上のほぼすべての金融機関が使うスイフトシステムは終わりを告げるということであります。

私はそれを待ち望みます。お金が画面上で処理され、家計簿も会社の経理も自動処理されれば経理作業からも解放されます。何を夢物語のようなことを、とおっしゃるでしょう。そんな時代はもうすぐそこにきています。私のカナダの会社はもう何年も現金を扱ったことがありません。思った以上に時代は進んでいると思います。

では今日はこのぐらいで。

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