外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2019年03月

オートショーに見た消費の二極化4

先日、バンクーバーで開催されたオートショーを見に行くチャンスがありました。これだけ長く住んでいながら規模が小さい当地のオートショーには一度も行ったことがなかったのですが、東京モーターショーと違い、空いている分、ゆっくり車を堪能できる点ではよかったと思います。

さて、当地のオートショーは入り口を入るとまずはラグジュアリーカーとスポーツカーがずらりと並びます。なぜか異様にフェラーリが多かったのは出展しているのがメーカーではなく、ディーラーであったこともあります。

ラグジュアリー会場の次にある一般展示車会場で人の流れを見ていると自動車各社ラインアップでは上級車と実際に購入できそうな実用車に人気が分かれています。SUVに力を入れているところが多く、セダンはあまり人気がなかったのが印象的でした。また、一般車展示エリアにバンクーバーのカローラであるBMWやベンツなど欧州勢がほとんどなかったのも驚きであります。個人的に強い印象があったのはジャガーのFシリーズ(スポーツカーです)にはインド人がたくさん集まっていました。彼らのあこがれなのかもしれません。

全体を見渡して感じたのは運転席回りの仕様は日欧米どの車もほぼ同じようになってきている点でしょうか?センターコンソール近くの手元で操作できるような仕組みが主体となっているほか、インパネはゲームセンターのような液晶画面がかなり増えた印象です。車体価格は一般車でもずいぶん高くなってきていると思います。技術の進歩に対して価格上昇のバランスが悪い印象を持ちました。

私どももレンタカー部門があるので自動車価格はある程度認識していますが、弱小会社なのでフリートディスカウントと称するレンタカー卸用の特別割引が効きません。(メーカーによりますが、大きいところだと20-30%値引きがあるようです。)そうなると購入価格とその車からの予想売上、下取り価格を考えるとこれ以上の車体価格の上昇は弱小会社では吸収できない事態になります。私がしばしば申し上げる大資本、大規模が有利というのはこのことであります。

さて、話を元に戻しますが、1500万円以上するようなラグジュアリーカーの価値とはどこにあるのか、といえば見栄と優越感と差別化なのですが、購入者の生活水準に合わせた適材商品だともいえます。クルマも含めた生活全般のバランス感覚といいましょうか?つまり、10億円の価値がある住宅のガレージに日産ノートというわけにはいかないですし、ユニクロを着てマセラッティに乗るわけにもいかないわけです。

日本では一点豪華主義というのがあり、普通の方が一点だけ極めて高いものを持っているアンバランスなケースはごく普通に見られますが、海外では少ないと思います。ずいぶん昔、「日本はルイヴィトンをもった人が通勤電車に乗って会社通いしている不思議な国」とフランスで報じられたことがあります。夜のお仕事のお姉さまがシャネラーだったりするのも海外から見るととてもおかしな感覚ですが、日本の平等主義が生み出した独自性だと考えています。

海外を主体に考えると収入の二分化はより明白になってきています。資本家と労働者という歴史で習ったあの区分は別になくなったわけではなく、今でもごく普通に存在しており、資本家となり、アッパーな生活をする人たちが糸目をつけずに1500万円の車を普通に購入するわけです。一方、一般層はオートローンを組める現実的な自動車を探すという意味で中途半端な金額の車が少なくなってきた感じはします。感覚的には700万円から1000万円のレンジは中途半端な感じがします。

日本で軽自動車が今でも販売の主流であるのは消費層分布の結果だと思います。「2:6:2の法則」というのがあるのですが、自動車販売では6:2:2の法則にシフトしているように見えます。つまり軽自動車でいい、という層が6割、残り4割を普通車と高級車で市場を分けるという感じでしょうか?仮にそうだとすれば日本はいまだに世界有数の金持ちがいる国ですが、この30年弱で大衆層の地滑りが起きてしまったともいえそうです。

クルマがよりバルキーでボリューム感が出てきたのは海外のテイストを反映していると思います。大きく見せるのは自分の力の誇示であります。それゆえにセダンよりもSUV、アメリカではライトトラックがいいというのは運転しやすさもありますが、チビに見られないという自己顕示欲の表れなのかもしれないと考えればオートショーを見に行き、そこに群がる人たちを観察する価値は大いにあったとも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

野球が始まりました。原巨人が復活したのですが、情けない初戦でした。この数年、思っていることを一言でいうと「巨人とかけて大企業と解く。そのこころは坊ちゃんじゃ勝てない」プライドとブランドが邪魔すると新しいアイディアや新陳代謝が起こらないのです。菅野を絶対エースにする点が巨人らしいのですが、私は違うと思うのです。もっと新風を。大企業も同じです。

では今週のつぶやきです。

パウエル議長よりもイエレン元議長
最近、ブルームバーグの記事はパウエル議長の話題ではなく、イエレン元議長の講演や発言を参照にしたものが増えています。理由は分かりやすさなのだと思います。以前私も何度か指摘したと思いますが、イエレンさんは優秀で金融のかじ取りは上手だったと思います。

そのイエレンさん、最新の発言ではアメリカは今年は利上げしない、リセッションリスクはなくスピードの調整期にある、と述べています。わかりやすいです。逆イールドが生じた数日前も気にすることはないと指摘しており、市場がやや持ち直した経緯があります。

一方、日本の株式市場。上がったと思ったら下がり、を繰り返しています。目先の材料が不足し、強弱感が対立しているためです。以前指摘したように米中貿易協定が決着するまでこんな感じになるかもしれませんが、短期から中期では上に向かうバイアスが強まるとみています。月曜日は大幅続伸になるとみています。

あぁ、少子高齢化
韓国の統計庁が将来人口の予想を発表しましたが、想定以上に少子化が進み、来年から人口減、2065年には日本を抜いて高齢化最先端国になるそうです。合計特殊出生率は世界最低の0.98、つまり一人生まないということになるのです。韓国ほどではなくても似たようなのは中国沿岸部、そして日本であります。

少子化になる理由は多岐にわたると思われます。宗教的背景、娯楽や社会環境、子女教育と結婚観、不動産価格、景気、教育費などなどいくらでも理由はあります。日本にも少子化担当大臣がいますが、レポート一本出てこないでしょう。学術的見地から見直すべきであり、小手先のリップサービス的対策ではだめだと思います。

少子化といえば高齢化が対で出てきます。朝日新聞に「横浜の閑静な住宅街、実態は『限界集落』 住民に危機感」という記事があります。横浜市の一部地区に65歳以上の人口が半数以上を占める限界集落に当たる地域があるようです。都心では新宿の外山団地や板橋の高島平団地は限界集落状態にあるのでは、とされます。そういえば東京のサラリーマンに圧倒的人気を誇った田園都市線沿線。私はあの沿線も限界集落予備軍と見ています。

最大の問題は若者と高齢者が混じらず、流行のエリアが移動することでしょうか?今、埼玉の自虐ネタが流行っているそうですが、埼玉や千葉は案外、元気があるのかもしれません。

世界で評判の良い空港
スカイトラックス社が発表した顧客から見て評価の高い世界空港ランキング最新版。1位はシンガポールのチャンギでしたが2位に羽田が上がり、更に6位に中部、9位に成田が食い込みました。羽田、中部、成田ともに昨年からランクアップをしており、トップ10に3空港入ったのは日本だけであります。

ほとんど話題にならないニュースですがこれは評価できると思います。欧州では7位のミュンヘンが最高で北米では17位のバンクーバーが最高です。羽田の評点の一つに清潔さが挙げられていますが、成田も大型投資で空港トイレを大改修中です。ひどいトイレでしたからこれが完了すれば成田も更に評価が上がるかもしれません。あと成田は免税店は利権で押し込んだような大したものを売っていない免税ショップを前面に出すよりも一般的な土産店の行列の長さの改善をすべきでしょう。時代は変化しています。

しかし、個人的には福岡空港が好きなんです。理由はとにかく中心部に近いこと。この距離感は絶対ですね。関西地区は三つの空港(関空、伊丹、神戸)の相乗効果がないのが残念です。羽田の場合、京急の運行に不満が残ります。通勤時間は急行しかないので混雑した通勤電車と化していてスーツケースの扱いが大変なのです。あと品川の乗り換え。これはぞっとするものがあります。その点ではまだ成田の方が楽に行けます。これを改善すれば羽田の1位も近いかもしれません。

後記
週明け月曜日、11時半いよいよ新元号の発表です。4月は時代の移り変わりを感じさせるそんな特別なひと月になりそうです。そういえばあの平成と発表になった瞬間、私も会社でテレビを見ていたあの日を思い出します。31年の平成の時代は奥深い時でした。私は「平」から「翔」や「昇」といった上に向かう言葉が欲しいなぁ、と思います。予想が当たる人はさて、いるのでしょうか?楽しみです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

新 会社は誰のもの?4

会社は誰のもの?というテーマの答えはもう出ているだろう、と言われるかもしれないし、いやいや、時代とともにその定義は変わるのだ、と言われる方もいるでしょう。

会社を運営するドライバー席に座るのは社長であります。その運転テクニックが上手ければ従業員もハッピーだし、株主もハッピーであります。こう見ると運転手が一番偉そうに見えますが、「おまえの運転が下手ならいつでも代わりはいるのだからな」と監視の目を光らせているのが株主であります。

今、住宅設備機器の大手、LIXIL社で創業家出身の潮田洋一郎氏の作法に注目が集まっています。潮田氏は一線を退き、シンガポールから創業家として同社を遠隔操作してきました。GEでの経験を通じてプロ経営者と言われた藤森義明氏を社長に招くもののドイツ、グローエ社買収の際にその中国子会社の不正会計を見抜けず、責任を取らせました。その次に資材のMonotaRO社の瀬戸欣哉氏をやはりプロ経営者として招聘します。しかし、週刊誌ネタのなるほどのひどい解任、それに合わせて社外取締役だった山梨広一氏の社長及び潮田氏自身の会長兼CEO就任を発表しました。これが株主の逆鱗に触れているのであります。

優秀と言われる二人の経営者をあっさり首切り、自分の意のままに大企業を動かしていることにガバナンスがないと怒りの声が上がったのです。もちろん、潮田氏が大株主で会社を支配する立場なら別ですが、氏は3%しか持ち合わせていません。これではほかの大株主が怒るのも無理がありません。

つまり会社は誰のもの、といった時、潮田氏は創業家としてのふるまいをし、97%の他の株主とこれから対峙しなくてはいけなくなったのです。創業家の反逆といえば出光が昭和石油と合併話が出た際に出光創業家が社風を盾にその合併を長く、認めなかったことがあります。結局、このバトルも終わり、無事、4月に合併することになるのですが、創業家の思いと影響力は必ずしも一致しないのかもしれません。

これが創業者なら別です。例えばビルゲイツ氏であるとか、ウォレンバフェット氏であれば一線から引いていても相当の影響力はあるでしょうけれど創業家、つまり、オリジナルではない家族、親族のパワーは時代とともに薄れていると考えた方がよさそうです。

私の知るある会社のケースです。倒産しそうな会社を買収、立て直し立派な会社にされた方がお亡くなりになり、親族の方が代表を引き継ぎました。ところがその方は業界も知らず、海外で仕事をしたこともなく、英語もできません。私としては心配でこの新社長に2度ほどお目にかかってやんわりと助言をさせていただいたのですが、聞く耳を持って貰えていません。

非上場の会社の社長のポジションは絶対安泰かといえばそんなことは全くありません。ドライバー席の社長の運転が下手なら株主が代えるぞ、ということを上述しました。しかし、従業員が声を上げることもできるのです。その会社が今後、どうなるかわかりませんが、「裸の大将」にすることはその気があれば比較的簡単にできます。揺さぶることもできるでしょう。

そしてあまりにも運転が下手ならばそれ以前にクライアントがそっぽを向き、会社として存続が不可能になることもあり得るでしょう。

北米流にいえば会社の所有権は株主にあるでしょう。そしてその権力は非常に強いものがあります。しかし、会社とは従業員と顧客がいてこそ成り立つのも事実です。

日産のガバナンスが注目されています。経営陣はゴーン氏を追い落とし、フランスの会社にならないようにするために必死の対策を取りました。しかし、その間、顧客が求めるクルマ作りはすっかり抜け落ちてしまいました。北米では「値引きの日産」で名が通っていますが、それでもほしいクルマが少なくなっています。経営バトルをしている間に顧客が逃げつつある、というのが現状です。

伊藤忠とデサントのバトルも経営権をめぐるバトルとしては好例であったと思います。デサントがあまりに韓国での売り上げに偏り過ぎていてそれを不満に思う伊藤忠の敵対的TOBでデサントを屈服させ、デサントの社長以下ほとんどの現経営陣は退陣を発表しています。しかし、今後の立て直しは容易ではないと思います。株主としての力技としては横綱と平幕の戦いでしたから初めから勝負はついていました。しかし、この戦いが果たして株主、経営陣、従業員、そして顧客層に満足しうるものだったか、禍根を残さなければよいと思っています。

会社は誰のもの、という時、株主と経営陣の力づくの戦いがどうしても注目されてしまいますが果たしてそれが全てを解決するのか、最近の様々な事例からこの問題は新たなイシューとして持ち上がってくるような気も致します。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

何故、街中はクリニックと薬局とドラッグストアだらけなのだろう?4

私が日本に戻ると商店が新陳代謝を起こしていることがしばしばあります。たまに行くから余計に気がつくものです。「あっ、あそこの看板が変わった」と。

しかし、新しく生まれる店舗の多くはクリニックとドラッグストアと調剤薬局であります。私のところには有名大型ドラックストアが100メートルの間に3つあります。私にはちっとも面白くない光景なのですが、中に入ると必ずそこそこ客はいるものなのです。日本の消費者のドラッグストア好きはある意味別世界にある気がします。

ここカナダにもドラッグストアはもちろんありますが、薬の販売コーナーは割と狭く種類もさほど豊富ではありません。日本ではパッケージのデザインで「売らんかな」という商魂のたくましさが見て取れますし、「今週の店長のおすすめ」というステッカーで安売りを押し出されると薬を安売りで買うものなのか、と首をかしげてしまう時もあります。

日経に「増えすぎた薬局 6万店、始まったサバイバル」という記事があります。門前薬局がなぜ増えるのか、この長い記事を読むと「それでも儲かる」「かつての医者との結託や賄賂」といった独特の商慣習が見て取れます。確かに薬剤師は誰でもなれるわけではなく、門前薬局を開設するためのハードルはあるかと思いますが、そこを抜ければブルーオーシャンで年収〇千万円が待っているというお話と理解しました。

薬剤投与が増えれば国の社会保障費は膨張し、納税をしている勤労年層に影響が出ますが、膨大な量の薬をもらうのはすでに納税をほとんどしない層であります。そこに医者が薬漬けをして薬局が儲かるというシナリオがあるならばどうなのかなぁ、と首をかしげてしまうのです。

だいたい日本は薬が安すぎます。先日、私が当地で眼科に通って投与された薬は当地の保険を使っているのに日本円で8000円支払いました。その後、その薬がよく効いたので医者に「なくなったからもっと欲しい」と言ったらあの薬は抗生物質で今の状態ではもうダメ、と投与すらしてくれなかったのです。

日本でかつて潰れないビジネスの一つに寿司屋がありました。住宅街の中にポツンとある寿司屋、誰も客が入っているのを見たことがないあの寿司屋がなぜ潰れないのか、といえば父ちゃん母ちゃんで切り盛りし、「(この程度の店で)マジかぁ」というほどの金額をボラれます。あとは近所のおじいさん、おばあさんのところに出前があり、「税金?、うち、儲かっていないから」という事情があったからでしょう。そんな街中の寿司屋も出前が減って経営者も高齢化となり、さすがにいよいよなくなってきたな、という感じがします。

ならば門前薬局は現代の寿司屋なのでしょうか?

日本のビジネスは同じようなものが急激に増え、時代の流れを思わせておきながらある時、地球から恐竜が消えた如く、あっという間に縮小する運命があります。似たようなケースは弁当屋でしたが淘汰されました。現在ではコンビニエンスストアが明らかに氷河期を迎えようとするところで、次は門前薬局となるのでしょうか?

日経の記事には「全薬局を2025年までに『かかりつけ薬局』にする。かかりつけ薬局は患者の病歴や服薬歴を把握し、健康の相談窓口にならなければならない。当然患者からの指名が必要だ」とあり、これが門前薬局膨張を食い止める手段だというのです。これ、私の理解が足りないのかもしれませんが、おかしいですね。患者の病歴や服薬歴なんてQRコードで読み取って全国どこでも共通のデータベースを施すべきじゃないでしょうか?かかりつけ薬局は時代が2世代ほど古い発想のように感じます。個人情報云々で厚労省が立ち止まってしまっては日本に近代化はやってきません。

駅を降りると整骨院に歯科医に皮膚科、薬局とドラッグストアでは日本中が巣鴨になってしまいます。もっと日本を楽しくしたいですよね。商店も華やかになってもらいたいところです。

では今日はこのぐらいで。

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投資用不動産市場に黄色信号か?4

日本で投資用不動産が売れないようです。昨年の書類改ざん、不正融資で悪役に回ったアパート開発業者やレオパレスの施工不良の問題も尾を引いているのでしょう。日本の性格というか、悪いとなると業者も銀行も一気に自己ルールを厳しくし、今までと打って変わったようなスタンスをとるため、日本で投資用不動産市場は壊滅的ダメージを受けるかもしれません。

不動産は入居者があって商売になります。では人口減が叫ばれる日本で一体だれが入居するのかという疑問は残ります。その答えは人は転勤や就学で移動しますので人口が増える地域には需要が生まれること、また、高度成長期に建てられた木造の築4-50年経ったアパートがそろそろ解体せざるを得ない時期に来ているものもあり、住み替え需要は場所を探せば確かに存在するということかと思います。

しかし、この動向は読みにくいものです。例えば大学の地方移転で一時期アパートが潤ったとされましたがその大学が都心回帰でキャンパスがなくなり、残ったのは空き家だらけのアパートだけ、という笑えない話もよく耳にします。同様に企業の工場新設に伴う住宅需要もありますが、最近は工場も機械化が進み、大挙して人が動いてくる時代ではありません。

個人的にもう一つ期待外れになったと思う原因がAirbnbではないでしょうか?数年前、中古マンションをローンをして購入、エアビーで副収入を得ることが流行った時期がありました。国や地方自治体のルールができる前です。ルールがないということは人のうわさ話に尾ひれがついて「稼げるみたいだ」が「すごく儲かるみたいだ」になり、「お前もやった方がいいよ」という展開だったと思います。ところがご承知の通り、その後、Airbnbはあまりにも厳しい制約が課せられてしまいました。

地方銀行が不動産融資を急激に絞り込んだのも影響しています。スルガ銀行問題はただでさえ収益がなくて四苦八苦する地方銀行の数少ない利益の源泉を締めてしまいました。例えば頭金を2割要求するといった厳格化はチョイ乗りの投資家を市場から追放したともいえるでしょう。

では不動産事業をやっているお前はどう思うのか、でありますが、「よかった」ともろ手を挙げて喜んでおります。質が悪いものを大量供給することで不動産市場全体を沈下させるリスクがありました。

例えばシェアハウスでもこんなのは部屋ではないだろう、と思わせるような物件もずいぶんあり、一時は家賃月2万円とか、場合によってはゼロ円というのも出回りました。ゼロ円物件は管理費だけで回すとか、一定期間後は賃料をとるといったもので、私からすると「もう止めてくれ」と思っていました。極端に安い物件はテナントの質が悪く、使い勝手も荒く、ヒッピーハウスのようになってしまい悪循環に陥るケースは多いものです。

ある意味、「シェアハウスは貧乏人が住むところ」というイメージを課してしまい、本来あるべき新しい居住スタイルの選択肢という流れに邪魔したとも言えます。

投資用物件に熱い視線を送っていたのが小金持ち層と副収入を得たい「目に¥マーク」がついているような人たちでしょうか?不動産投資セミナーは今でも盛況だと聞きます。ただ、今後の趨勢としては不動産はREITを含め大規模資金の大規模開発が主流となってくるとみており、小型物件は徐々に不利になってくると考えています。理由は管理能力を含めたサービスクオリティです。賃貸に住む若者もより格好いい物件、時代の流れに即したライフスタイル、アメニティが豊富な物件を当たり前と思うようになるはずで、コンベンショナルな(一般的な)アパートは確実に時代の潮流に乗り遅れるとみています。

不動産に投資して不動産屋に管理を任せ、利回りが〇%などという宣伝そのものが前世のスタイルだと私は思います。そんなセミナーには行く価値はないでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

トランプ大統領のロシア疑惑調査とモリカケ問題4

トランプ氏にとって大統領就任以来、目の上のたん瘤のような問題だったのが大統領選の際のロシア疑惑でありました。お忘れになった方も多いかもしれませんが、本件はロシアが同大統領選においてトランプ陣営にテコ入れし、クリントン候補を引きずり落とすための工作をした、とされる事件でそれにトランプ大統領が関与していたのか、これが疑惑の焦点でありました。

モラー特別検察官が指揮を執ったその長い調査が終了し報告書が完成、司法長官であるバー氏に報告、バー氏は4ページ程度にまとめた簡易報告書を作成し、各方面に配布しました。結論から言うとトランプ大統領の関与は見つからなかった、となっています。

大統領は発表前日の土曜日、よほど心配だったのか、フロリダの自社のゴルフ場でプレーをしながら距離感を保っていたとされますが、その心理は判決を待つ気持ちだったのでしょう。ツィッターもあまり発せず、ある意味、殊勝な感じすらしたのであります。これはホワイトハウスと言えども情報が一切入ってこない状態であったため、大統領としてもあがきようがない、ということでもありました。

さて、私はこれよりも民主党が今後どう吠えるのか、こちらの方が楽しみであります。すでに民主党下院議長のペロシ氏が「バー氏の書簡には多くの疑問がある。同氏は中立的な立場におらず、客観的な結論を下す立場にいない」とこき下ろし、とにかく全文公開、バー司法長官の議会証言を通じてどこかに疑惑調査の疑惑がないか、ほじくり出そうと懸命になっています。

というのは今回、この疑惑が黒か黒に近い灰色であれば民主党は大統領弾劾を一気呵成に進めるチャンスでもあったわけで思ったより全然白であった今回の報告に腹を立てているというふうに見えます。そしてそれは1年ちょっと後に迫る大統領選に向けた民主党の力を見せつけるためにも今後、この話題を引っ張る可能性は残されています。

この話の展開は日本のモリカケ問題の与野党の展開に似ています。日本での問題はいろいろなところでグレーな動きがあったが、それが首相とつながっていると断じることができなかった点でありましょう。それに対して日本の野党は首相との関係を探るために再三再四、国会を空転させ、本来進めるべき議案進行を止め、最終的には野党の内部分裂や力量の限界を感じさせたと思います。

ただ、日本の場合、コアになる調査報告があいまいで脇の甘さを露呈することがしばしばあったことがコトを更に紛糾させる原因になったとみています。よってアメリカの場合、モラー特別検察官の報告書の完成度の高さが民主党の突き上げの余地を探るうえで重要になってくるでしょう。もしも完成度が高い内容のものに対して民主党が深追いすれば日本と同様、野党民主党がより不利な立場に追い込まれるリスクを抱えるとも言えそうです。

日本でもアメリカでもそうですが、野党がやるべきことは何か、といえばもっと国民の利益になるアジェンダを正攻法な手法で論争すべきであると思うのです。もちろん、相手の失敗や疑惑に付け込んで一気に追い落とすことは戦術としてはアリですが、戦略ではないと思うのです。しかし、野党は目先の材料をネタに揺することが仕事のようになってきており、本来あるべき野党の仕事をどこまでやっているのか、私にはわかりにくいものがあります。

最近アメリカでも無党派と称される人が増えています。政治に興味がないのです。それは国民目線に立った論戦とストラティジーの欠如なのだろうと思います。投票に行く人が少ないのも野党のふがいなさ、ひいては政治がつまらないということも大いにありそうです。

では今日はこのぐらいで。

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長短金利逆転が見せる不吉な予感4

95%の人にとって長短金利逆転がどうのこうの、という話に「それで?」と思うはずです。私だってこんなものには興味を持つ予定ではなかったのです。しかし、会社を経営をし、株式市場で運用があるとなれば景気の先行きがどうなるかは興味あるところです。いや、むしろ知らなくてはいけないものです。

ところが私には水晶玉もないし、予言者もそばにいませんので自分で考えなくてはいけません。それを手助けしてくれるものが経済指標であります。経済指標には先行指標と遅行指標があります。先行指標とは景気の先行きを占うもので株式市況、住宅着工件数などが、遅行指数には雇用者数、家計消費支出といったものがあります。

その中で今日のお題である長短金利逆転は経済の先行きを占うには極めて意味があり、忌み嫌われる時とされています。昨年来、ディープな経済関係メディアではこの話題がちょくちょく出ていたのですが、ついに逆転したため、比較的一般的なニュースにもカミングアウトしてしまいました。

この長短逆転とはアメリカの長期金利、つまり10年物国債の利回りと短期金利、通常は3カ月物の金利を言いますが、の金利が逆転することを言います。一般的にお金を借りる場合、長期に借りる方が金利は高いものです。皆さんが預金をするときにも長期で預けた方が若干金利がよいのと同じです。

ところが、今は長期でお金を借りるよりも短期で借りる方が金利が高いという状況が生じてしまったのです。これはそうそうあることではなく、今世紀では2000年と2006年の2回しか起きていません。そして2001年にはドットコムバブル崩壊、2007年にはアメリカ住宅市場のピークアウト、住宅バブル崩壊から2008年のリーマンショックにつながったのは記憶に新しいところです。

では今回はどうなるか、といえば何かが破裂する公算がある可能性があるのかもしれません。何かはわかりません。潜在的にはいろいろ考えられます。アメリカも中国も欧州も英国もそのネタはあります。いや、ベネズエラのような小さな国の崩壊が世界を伝播する可能性もあります。

先日、このブログで2019年が「平坦で落ち着いた景気を維持できればいい」という趣旨のことを書かせていただきました。それはなかなか困難な道のりであるという意味でもあります。

何かのきっかけで中央銀行が対策をとらねばならない事態になった際、確実に言えることがあります。それは短期金利の急激な下落であります。これは2001年も2007年もそうでした。それこそ0.25%ではなく0.5%ずつ下げるといった対策を施すのです。

この際、株価は大幅な水準訂正を起こし、資金クランチが起きやすくなり、銀行や投資家から追加融資や出資を受けにくくなります。総弱気になり、資金の流動性は下がり、財務体質に問題があったり背伸びをしている会社が行き詰まるのが一般的シナリオです。特に今回の場合、アメリカ以外は金利の下げ余地がないため、マイナス金利が当たり前になり、銀行経営が厳しくなるケースがあり得ます。

ただ、これも比較的早く収まる傾向があり、半年から1年ぐらいの辛抱ではないかと思います。景気後退期は歴史的に見ても比較的短く、そのあとだらだらと長い景気回復期がやってくるのがいつものパタンであります。

では、このバブル崩壊はどうやって引き起こされたか、といえば個人的には人為的な引き金と「煽り」ではないかと思います。過去、記憶にあるバブル崩壊はほぼこれで説明がつきます。では今、一番経済が高揚しているところはどこかといえば案外私はアメリカだと思うのです。中国も欧州もずっとドツボにハマったままで高揚感は全くありません。

アメリカの何が高揚感か、絞り込んでみると「トランプ現象」そのもののではないかと思うのです。ある意味、「トランプバブル」であります。アメリカを富ませるために減税し、アメリカ企業の海外滞留資金を国内回帰させ、株価対策を行い、中国との貿易バランスを力づくで行うといった政策はアメリカにとってを心地よい政策でありますが、一方で麻薬のように体質がマヒしてきているように見えるのです。

仮にそんなことが起きればどうなるか、ですが、私の予想はずばり、「バラバラな世界」であります。アメリカの民主党から大統領候補が続々と生まれているように一体感がない世界で自分のテリトリーを守ろうとする社会ができる可能性はあります。もちろん、TPPや貿易の二国間協定などでモノやヒトの流れが突然止まることはありませんが、協調感がない社会が生まれるかもしれません。

長短金利逆転とは恐ろしいシナリオがあり得ることは肝に銘じた方がよさそうです。そして今後、数週間の間に米中貿易協定、英国のEU離脱問題を含む様々な重要案件の様子が見えてきます。日本が10連休の時は気をつけろ、というのはそんな真っただ中に10日間も市場が動かないというまずい時期に当たるのが気がかりであります。

では今日はこのぐらいで。

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