外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2019年06月

G20 安倍首相の通信簿4

G20が終わりました。これほどの重要会議の議長を務めた安倍首相への注目度は否が応でも高まっていました。難しいと思われた共同宣言である「大阪宣言」も盛り込みました。総括して通信簿をつけるなら私は85点を差し上げます。

20か国の我儘が先鋭化する中、それをどう取りまとめるか、むしろ、19か国が安倍首相に気を遣ったようにも感じます。つまり、あしげく外遊に勤しみ、外交で必死に落としどころを求め続けてきた安倍首相への遠慮もあったかもしれません。

日本は基本的に外交姿勢はバランスを保つスタンスを取り続けてきました。理由は小国で資源もない中、敵を作らず、うまくやっていくことを至上課題してきたことがあります。時の首相によりそのバランスは多少、右寄り、左寄りの時もあります。が、安倍首相の場合、就任当時に比べて明らかに等間隔外交が強まりました。それは逆に相手との関係に厚みを増す中でどちらも立てなくてはいけない状況になるからでしょう。

その例としてプーチン大統領との首脳会談は26回目を重ねていますが、その外交成果が十分ではないのは人間関係が先に構築されてしまったからともいえます。トランプ大統領とのゴルフ外交も双方の理解度が進み、最悪のケースは避けられるものの最良のケースもあり得ないともいえるのです。

ではそれに対して辛口筋が「甘い!」「失望だ!」「あれだけ外遊しているのになぜだ!」といった声を上げるかもしれませんが、日本の立場を考えた場合、今のバランス外交がうまく機能するプラス面はマイナス面よりはるかに大きいのかもしれません。色濃い外交を将来するのであればそれはその時の首相のリーダーシップに担うものであり、安倍首相の持ち合わせた外交能力は以前にもまして角が丸くなったと言わざるを得ません。

その丸い外交の成果は二国間外交にも表れ、安倍首相を真ん中に左右にトランプ、習近平両氏が座るサミットの開会はその流れを象徴するものだったのかもしれません。注目された米中首脳会談も非常に中庸で予想通りの結果となりました。この件に関し、一点だけコメントを付け加えるとすればトランプ大統領の強面戦術はそろそろ薬が切れそうだ、という点でしょうか?アメリカはもっと論理的戦略に立ち戻らないと中国との通商戦争は尻切れトンボか中途半端な成果に終わる可能性があります。

主要紙の社説は日経、読売、産経、毎日が米中首脳会談を取り上げ、安倍首相にスポットを当てませんでした。一方、朝日の社説は見るに耐えない安倍首相への批判というより非難に近く、まったくもって公平性を欠いている内容であります。まるで野党の遠吠えと同じであります。

マスコミが議長への敬意を一つも示さなかったことは最低のマナーすら守れなかったとも言えます。

もし私が首相で難題山積の中、こんなバランス外交を通じて将来への可能性を繋げる議長が出来たなら自分への褒美を上げたいところであります。では最後になぜ15点減点があったか、ですが、大阪宣言に数値目標を設置したのはプラごみ対策だけだった点でしょうか?もっと具体性が欲しかったというのが正直なところでした。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

昨日のブログ「日米安保破棄は現実的か?」に関しましては本稿を書いている時点で76件ものコメントを頂戴し、熱い意見の交換をみました。このブログがこのような討議の場として使っていただけるなら本望であります。さて、G20、2日目となり、様々なニュースが流れてきていますが、米中首脳会談がその最大の注目でしょう。そこでG20関係をまとめたブログは明日にして、なるべくそれ以外のニュースを中心に今週のつぶやきをまとめてみたいと思います。

市場は戦々恐々
月曜日の市場がどこに向かうか誰も予想できません。快晴なのか、豪雨なのかあと数時間でわかるでしょう。金曜日のNY市場。私が注目したのは金市場。市場が考えるリスクがどこにあるのか、微妙な心理は金相場に如実に表れることがあります。

週前半に大きく上げた金価格はその後、G20への期待感から1400ドル近辺までずるっと下がってきていたのですが、金曜日は比較的締まった取引で1410ドル台を維持しました。私は市場の注目は米中通商問題ではなく、イラン情勢ではないか、とみています。米中問題はニュースそのものにインパクト性がなくなっており、市場をさらに悪化させる要因になりにくい一種の「下方硬直性」が出てきています。

一方、イラン問題はまだこれから。そしてG20が終わればそちらに目線は向かうでしょう。個人的に注目しているのは日本のタンカーを含むあの襲撃事件は誰がやったのか、であります。私の知る限りどこにも当事者らしき名前が挙がってきません。私が可能性は薄いもののあり得なくはないと考えられる案として第三国がやらせたという公算はどうでしょうかねぇ?世界は魑魅魍魎です。

企業の話題も山もりです
株主総会シーズンも終わり、様々なドラマがありました。話題になった企業のいくつかをチェックしてみましょう。

投資用不動産でデータ改ざんを行っていたTATERUに7日間の業務停止命令が下されました。個人的には寛容な配慮だとみています。この決定が下る前、TATERU側は厳しい処分は会社の存続性を否定するという趣旨の発言をしており、業績予想もままならない状態となっています。

株主総会でかろうじてCEOに復帰したのがLIXILの瀬戸欣哉氏。賛成比率は53.7%ですので今期に信用回復を含めた過去のしがらみを払しょくしなくてはいけないでしょう。私の言うしがらみとは人事派閥。瀬戸氏の敵は相当います。不動産市況に影響される同社の企業見込みは厳しいものが想定される中、辣腕を見せることができるのか、注目です。

ジャパンディスプレイのドタバタ劇もニュースにすらならなくなりましたが、中国と香港企業からの支援で目標の出資額の85%程度までは集まりました。中国企業の支援にはアップルの支援も含まれています。同社の失敗はアップル社の意向にあわせ、巨額の投資をして作った石川県白山工場そのものが間違いのもと。アップル頼みの会社の姿勢も含め、いかに経産省が経営できないか、見せつけた代表例でしょう。個人的には役所が絡む見るも無残な無能経営だったと思っています。

闇営業問題の本質は何処にある?
あまり芸能問題には興味ないのですが、今回の吉本興業のお笑い芸人が大挙して反社会勢力の集まりに有償で参加していた件の背景は何なのでしょうか?多くの皆様の方が私より100倍よく知っていると思いますが、私のようにあまり興味がない人間の方が案外、見えるものもあります。

結局、この業界全体の独特性なのだろうと思います。テレビに映るのは完成形。その前にプロダクションや芸能事務所が様々な営業を繰り返し、論理性より主観性で物事が決まりやすいのだろうと思います。結局、芸人に払われるのは「これっぽっち」なのは中抜きされた結果であります。それゆえ闇営業もしたくなります。だって、私の名前で売れているのだから、という自負がありますからね。

しかし、これもサラリーマンの名刺と同じで日本の社会には個人で売りこむ仕組みがありません。所属が基本で「人は後からついて来る」とすれば「お前ぐらいの芸人は履いて捨てるほどいる」と言われかねません。同じようなシーンは韓国の芸能界でも同じ。そうかぁ、日本の芸能界も在日の方が主体となって廻していましたね。ところでジャニー喜多川氏の容態も取りざたされていますが、そろそろ日本の芸能界、大構造改革をしたらどうでしょうかね?

後記
ちょっと気になるのがスポーツ界。1−2カ月前もちらっと書いたと思いますが、今一つ盛り上がってきません。上位にはいくけどトップになれないケースが続出しています。JOC会長に柔道の山下さんが就きました。JOCも刷新するならスポーツ界も新しく踏み出してもらいたいところです。日本の場合、無名の人が圧倒的成績を上げると「僕も、私も」という傾向が強いので注目もしていない人の活躍を期待しましょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

日米安保破棄は現実的か?4

トランプ大統領も構造改革が大好きな方だと思います。当然ながら日米安保も不公平と再びかみついてきました。別に今に始まったわけではなく、大統領就任時から考えていたリストの一つであろうと思います。その意味がどこにあるか、どういう戦略にでるか、それを改めて考える時期に来たのかもしれません。

二国間関係は永遠ではなく、結果として有期的関係になることはあります。世界を見れば情勢に合わせて微妙なかじ取りをとる国は案外多いものです。中国とロシアの関係一つとっても戦後、近づいたり離れたりしてきています。その背景は二国関係がパリティかどうか、時の政権の見方次第で不平等感が見えてきたりするのでしょう。

ただ、二国関係を目先の損得勘定で判断するのも危険であり、冷静さを保つことは重要であります。

さて、今回のトランプ氏の日米安保に関する言及ですが、私にはジャブのように感じます。中国との一件が収まれば次は朝鮮半島と日米安保が一体で検討されるかもしれません。トランプ大統領は朝鮮半島問題についての真意が何なのか、どうしたいのか、これが見えにくいのですが、トランプ氏には韓国に対して辟易感があるようにみえます。これが単に文大統領との個人的関係なのか、朝鮮半島政策そのものなのか、判断に苦しみますが、基本的には東アジア政策にアメリカが今後どこまで関与するか、というところなのでしょう。

仮にそうである場合、アメリカは朝鮮半島での直接的関与は状況次第で撤退もあり得ると思います。状況次第というのは北朝鮮の体制変化が起きて韓国駐留米軍の正当性が見直せる事態になった場合です。朝鮮戦争を通じてもともとが赤化拡大阻止という名目でしたが、今日、赤化が膨張するという趣旨はピンときません。

では、朝鮮半島からの撤退があった場合、日本はどうなるのでしょうか?私見としては中国が新たなる冷戦相手となる可能性はあり、太平洋の防衛ラインを維持することは重要で日本との安保を「もうやめた」ということはまず考えられないとみています。

とすれば冒頭のトランプ発言は日本に対して「もっと金を出せよ」というせびりか、「貿易交渉が待っているぜ」の脅しか、「安倍首相も憲法改正したいんだろう」という暗黙の援護射撃のどれかではないかとみています。

では憲法改正の援護射撃だった場合、いくらアメリカが応援したとしても本当に安倍首相に実現できるでしょうか?少なくとも現時点で見れば困難だと思います。あまりにも世論がそこに向いていません。世界で様々な不和が起きる中、日本だけが奇妙な静けさの中にあり、危機感がまったく高揚していないのであります。

ある役人と話をした時、「日本の外交は全方向外交で実にうまくやっている」と自画自賛していましたが、外務省は基本的に弱腰仲良し外交路線を長く続けており、敵を作らないやり方にたけています。これが結果として9条改正機運に結び付かない間接的な影響とみています。

また、仮に憲法改正で9条が見直されたとしても日本が独立独歩になるのは1000%無理であります。現代の戦争とは実際のドンパチというより、カードゲームのように潜在兵力や能力で「俺はこんなもの、持っているぜ」「俺だってこれがあるぜ」というバーチャル上のバトル合戦です。それには日本はあまりにも年老いているし、潜在兵士としての人口も足りないし、防衛予算の膨張は国民が許さないでしょう。

トランプ大統領の言う「いざという時、アメリカは日本を守るが、日本はアメリカを守らない。これは不公平だ」という点もトランプ大統領のトランプゲームの手の内の一つというのが本音ではないでしょうか?日米安保破棄は全くもって現実的ではなく、言葉をそのまま受け止める話でもないと考えています。

では今日はこのぐらいで。

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かかりつけ医の時代は来るのか?4

かかりつけ医、英語でホームドクターと称する仕組みを取り入れる動きが出てきたと日経が報じています。厚労省が増大化する医療費負担の軽減対策の一環としてようやく重い腰を上げた、ということでしょう。

ただ、日経の記事の一番最後に「日本では医師会がかかりつけ医の登録制に反対している。患者が医療機関を自由に選べる原則が崩れる恐れがあり、診療所の経営を圧迫する懸念も強いためだ。調整は難航する可能性が高い」と付け足しのように書かれているのが妙に気になりました。

日本医師会、16万人の医者を中心とする会員数を誇り、日本の政治にも強い影響力を持つこの団体が利益団体と化す時、「ホームドクター制度、そんなものは絶対に許さんよ、ガハハハハ」と鉄板焼きに赤ワインを傾けながら取り巻きが「御意!」としているシーンは決してテレビの見過ぎではなく、そんなものだろうなぁとたやすく想像できるのであります。

しかし、香港のデモではないですが、日本にもガッツがあって声を上げる若者たちがいるならば無策の医療費増大に歯止めをかけ、働く世代への負担を軽減化させるべきだ、という声を上げないことには医師会の強権力を打破するのは難しいかもしれません。

ホームドクター制度を日本でも導入すべし、ということはこのブログで何年も前から時折述べてきました。日本人の医療に対するこだわりとは「ブランド意識」が伴っていることがあります。「〇〇病院の〇〇先生が素晴らしい」という評判はだいたい入院患者から発せられる評判であります。私からすれば話半分だと思うのですが、このような風評が日本人は大好きで「〇〇先生に診てもらえることになったのよ」という病院の待合室での会話は日常的だと思います。

また医者も「患者様は神様です」的なところがあり、患者様の「私、病気なんですが」という哀願に絶対に否定せず、「うーん、このあたりがちょっと怪しいですねぇ。これは〇〇という難病の可能性が高いですね」といって処方箋を山のように出す、というのも最近のお決まり。とにかく、難病という言葉がやけやたら飛び交っているような気がするのです。本当に難病なのか、事実を知りたいものであります。

医者も人の子、少子化で将来の患者数が減ることを見越し、いかに既得権益を守るかは生活がかかっているともいえるわけでA5のステーキから安い輸入肉になり下がりたくないという気持ちから「ホームドクター、とんでもない!」につながるのでしょう。

ではホームドクター制度のあるカナダでどういう状態にあるか、と申しますと私にはホームドクターはいません。いた方がいいと言われていますが、ホームドクターとして受け入れてくれるところを探すのが億劫。(もちろん、日本人はほぼいません。)では病院にはどうやってかかるのか、といえばウォークインクリニックという何でも医者(歯科と眼科は除く)があり、そこに行くとだいたい何でも見てくれます。もしもクリニックで判断できない場合には上のランクの病院を紹介されます。

例えば私は眼科のクリニックに行った際、異常が発見され、そのあと専門医にずっとかかっていますが、すでに1年以上たち、様々な治療、加療をしてもらっており、一度ルートに乗るとレベルの高い治療をしっかり受けることができます。

問題は専門医にかかるまでの時間が長いこと、クリニックで異常を見落とす可能性があることがあります。ただ、カナダは医療費が無料の国に対し、日本はそれなりに払うわけですからそのあたりの対策はある程度はカバーできるのではないでしょうか?

逆説的かもしれませんが、日本は医療が非常に充実しています。逆に何かあれば病院に駆け込めばよいという甘えがあるのかもしれません。私はカナダに住んでいて「ここで病気になったらアウト」という意識を持っています。だから健康維持にできるだけ努めることが自分を守ることにつながります。

日本にホームドクター制度ができたら日本人も自我の意識を持つようになるかも知れません。

では今日はこのぐらいで。

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さぁG20、首脳宣言と個別案件との闘争4

G20がいよいよ開催されます。しかもこれほど重要案件が並ぶG20も久々ではないでしょうか?世界からの注目度もいつも以上に高いでしょう。その議長を務める安倍首相の手腕にも当然期待が高まるわけですが、果たして期待感の通り展開するのでしょうか?

今回のG20サミットは全体会議よりもそれに付随して行われる個別会議に注目が集まります。その最たるものがトランプ大統領と習近平国家主席の個別会合であります。個人的には無難にこなす、とみています。この無難とは貿易摩擦問題については継続協議とし、アメリカが時間的猶予を与える譲歩をするとみています。トランプ大統領としては手綱を緩めなければそれでいいわけです。習近平国家主席としては北朝鮮からの親書なりメッセージをトランプ大統領に渡しながら今後の北朝鮮問題について対話路線を続けることで中国としてもアメリカと絶縁関係にならない最大限の政治的勝利を狙うことでしょう。

トランプ大統領が今回、中国問題を最優先事項に持ってこないと考える理由は足元のイランとの関係悪化の対応にエネルギーを費やされるからであります。当然ながらアメリカの来年の大統領選も視野に入れながら強いアメリカ、経済が成長する(=株価が上昇する)アメリカを打ち出すものとみています。

ではこれはトランプ大統領個人の情熱なのか、といえば私はそんなことは微塵にも思っていません。舞台の上で熱演する大統領の演技力は素晴らしいと思いますが、舞台下で厳しい目線を送っている人たちがいるはずです。それは誰なのかといえば、ユダヤでありましょう。

国家覇権の戦い、ユダヤ対中華対イスラム対キリスト(特にカソリック)という対立軸でみると分かりやすいのかもしれません。今起こりつつあるのは第2のブロック経済化への危機であります。1度目は1930年代に起き、各国が関税競争を行い自国の利益を追求し、第二次世界大戦へつながっていきました。当時のブロックはスターリング ブロック、フラン ブロック、マルク ブロック、ドル ブロック、円ブロックでした。つまり通貨をベースにしたブロック化であります。

今回は宗教や将来の経済力を考えたうえでのけん制であります。各国はそのブロック経済がどれほど悪影響を及ぼすか歴史から勉強しているので当然ながら一気呵成にはそうならないのですが、相手を挑発し、ギリギリの選択を迫るのがアメリカ流、そしてトランプ大統領の演技力であります。

このような背景の中で安倍首相がG20でどういうかじ取りをみせるのか、注目されます。今回の主要テーマは8本。世界経済、貿易/投資、イノベーション、環境/エネルギー、雇用、女性のエンパワーメント、開発、保健であります。一般的には経済や貿易/投資のテーマに注目が集まりますが、このテーマだけ見れば首脳共同宣言は難しいのかもしれません。特に「反保護主義」というワーディングは過去のサミットでもアメリカの反対で削除された経緯があり、G20におけるアメリカの我儘が今回も通るとみています。個人的には全体会議はあまり期待感がありません。

個別会議では米中会議のほかに安倍首相がほぼ全首脳と会合を設定している中で韓国を外した点が注目されます。日中戦争の時、近衛文麿首相(当時)が「(中国の)国民政府を相手にせず」と発言したことは今でも知っている方はいらっしゃるでしょう。今の安倍首相はまさに「韓国政府を相手にせず」であり、その厳しい姿勢が韓国への強烈なメッセージとなるとみています。

それ以外にトランプ/プーチン会談は注目だと思います。これがうまくいけば米ロ関係は改善に向かうとみられています。「敵の敵は味方」という言葉がありますが、この演出は「敵の味方は味方」という奇妙なロジックになります。プーチン氏そのものも一時の勢いがなく、妥協は大いにあるかと思います。

G20の枠外としては天皇皇后両陛下とフランス マクロン大統領ご夫妻との宮中昼食会が開催される点が異彩を放っているように感じます。日仏間はゴーン氏問題や日産問題などで揺れている中でそれを払しょくするかのような昼食会設定は上手な外交手段だったと思います。

さてこれから数日はメディアはネタに困ることはないでしょう。注目です。

では今日はこのぐらいで。

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植物肉や培養肉の時代の衝撃4

日本では植物肉とか培養肉などという言葉はほとんど通じないでしょう。振り返ってみれば日本では戦後、食卓に肉が並ぶのが夢でした。その夢の実現に向けて日本人は猛烈な努力をし、ついに松坂牛や神戸牛をはじめ、三元豚、薩摩地鶏など数々のブランド肉を生み出し、世界でもトップクラスの品質を生み出しているといってよいでしょう。

ところが世界では昔から肉に対する様々な制約がありました。宗教的制約と体質的制約であります。それゆえ、世界では肉を食さない人が珍しいわけではありません。25年ぐらい前、アメリカ人の従業員が突然、奥様の影響でベジタリアンになり、それ以降、一切肉を口にしなくなります。それまでは一緒にステーキを食べに行っていたのに、です。その彼が「ベジタリアンになるとき、満腹感がないのではないかと思ったけど全然大丈夫だよ」と私にもしきりに勧めていたのを覚えています。

北米のスーパーではベジタリアン用のイミテーション肉はずいぶん前から売っていました。夏のBBQの時などにはベジタリアン用に必ずこのイミテーション肉のソーセージなども買うのですが、必ず残ってしまいます。決しておいしくなかったからです。

当地にはいわゆる採食主義者向けレストランがいろいろあり、中華料理店でも採食主義者専門店があります。初めて行ったとき、「案外行ける」と思いました。ただ、菜食主義の寿司店はまずかった!(魚も植物性のイミテーションにして人工着色してそれらしきものにして売っているレストランがあるのです。)

ではなぜ、この数年、急に植物肉やら培養肉なるものが出てきたのか、といえば急にベジタリアンが増えたわけではなく、パーセプション(認知)の浸透と植物肉の技術の進歩、そしてマーケティングなのだろうと思います。まるで世の中にガソリン以外で動く自動車が登場したかのような大革命的扱いなのでしょう。その背景には環境問題と健康志向がありそうです。

牛一頭育てるのにどれだけの餌を与えなくてはいけないのか、今後、増大する人口に見合う食肉を生産し続ければ食糧問題だけでなく、地球環境問題にも影響する、という発想が根本にあるのだろうと思います。もう一つは動物性由来のアレルギーがなく、狂牛病のような病気もないということでしょうか?

北米でオーガニックフードを扱う「ホールフーズ」というスーパーが流行に敏感な世代を中心に流行っていますが、なぜでしょうか?根本の由来を考えると自分のカラダに入るものは安全安心なものが良いという発想がありそうです。

これらの時代の流れに敏感な層が生み出しているのが植物肉や培養肉といった自然界の環境を傷めず、自分のカラダにも優しい食品へのし好の変化かもしれません。

では日本でこんな文化ははやるのでしょうか?私にはわかりません。が、私が北米にいる限りにおいて感じるのは、北米での食に対するこだわりは日本に比べてはるかに低いと思います。つまり、日本のように飲食へのとことんの追及などなく、いつも同じようなものばかり食べ続けることに特段抵抗を持ちません。よって、上述のようにパーセプションで世の中のトレンドが生み出しされた瞬間、そちらに向かってどんどん走り出せるともいえるのかもしれません。

カナダで最も著名なドーナッツ/コーヒーチェーンのティム ホートンズでもビヨンド ザ ミートのハンバーガーを売り始めていますし、スーパーのセーフウェイでも大々的に宣伝して販売強化をしています。

私の直感ですが、これは爆発的成長をするとみています。特に今は北米主体ですが、イスラム圏や菜食主義の仏教徒が多いインドや東南アジア圏で圧倒的に受けると思います。また、今はまだ食物由来のミンチ肉が中心ですが、培養肉でステーキ状の塊肉も近い将来できるはずです。

では動物性脂が欠かせないラーメンやさしが入ったA5の牛肉などを食べる日本人はまた世界から異端児扱いされるのか、と言われればそれはないと思います。ならば韓国人が培養肉の焼き肉を食べるのか、というのと同じです。食文化の長い歴史がある地域ではそこまで変わることはないでしょう。そういうものが世の中を席巻したとしても人間のし好がそう簡単に変われるものではないとみています。

もちろん、最近日本食の中でも天ぷらは脂っこくて北米ではさほど好まれないといった傾向から多少の取捨選択は出てくるかもしれませんが。

確実に言えることは私のように北米に28年も住んでいると食に対する期待感がゼロなので食べたい欲求は下がることは事実かもしれません。ビヨンド ザ ミート、私は案外、抵抗なく受け入れるかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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難しくなった起業、初期赤字にどう耐えるか?4

ウーバーやリフトといったライドシェア企業は数多くの大口出資者を迎え入れ、上場を果たしていますが、今しばらく赤字経営が続くと見られています。理由は売り上げの8割近くが運転手の人件費であり、その残りだけでは開発費、マーケティング費用、あるいは管理を賄いきれないという構造的問題を抱えているためです。

売り上げがどれだけ伸びてもビジネスモデルが人件費主体であり、レバレッジが効かないため、相当の売上高と市場占有率を維持することが勝利の方程式となりますが、ライドシェアビジネスそのものは特段、最先端の技術を要するわけではなく、レッドオーシャン化し、競合との激しい戦いとなっています。

メルカリも同様に赤字から脱却できません。同社のアメリカ事業の独り立ちが事業モデルの成否の鍵とされます。アメリカでの1-3月の売り上げは1億ドルを超えてきたもののアメリカ事業の黒字化には月間売り上げが1億ドル必要とされ、計算上、あと3倍も売り上げを増やさねばなりません。

このような初期赤字が続くビジネス環境は必ずしも大手の最先端の事業に限ったものではありません。

例えば私どもで準備しているカナダの老人介護施設事業は当局からの要求水準が異様に高く、初期開発費用は当然ながら当初想定より大きく膨らんでいます。更にそのコスト増に対応するため、施設のサイズを大きくして想定売り上げを増やすことになりますから事業費はもっと膨らむというイタチごっこになっています。仮にこの施設が完成しても10年は赤字確定です。(事業赤字とキャッシュフローが違うところがミソでこれをうまく利用するのが不動産事業者の得手とするところです。)

ではそれでも私がこの事業を進める理由は何か、といえばこのハードルを乗り越えてしまうと追随者が来にくくなる、ということでしょう。新しいビジネスはブルーオーシャンを狙うことが必然でありますが、私はブルーx2という考えを持っています。つまり、ただ単にユニークだけならば時間差を経て必ず追随が来ます。しかし、2種類以上のユニークさがあると追随は相当難しくなります。

私がこの発想に気が付いたのは今から7-8年前に上場企業のスターマイカの水永会長にお会いした際、氏の事業が追随を許さない不動産事業モデルだということを聞いて刺激を受けたのです。当時の氏のビジネスは中古マンションを買ってリノベして賃貸しながらタイミングを見て高く売却するというモデルでした。それだけでは誰でもできそうですが、彼の場合はいっぺんに何十億円という資金を投じて投網のように物件を買い取る方式で圧倒的交渉力が価格支配力を生むということでした。

こう見るとブルーオーシャン成功には資金力が最大の武器か、と思われます。それは否定はしません。

例えば私は今、ある事業買収案件に仲介者としてかかわっていますが、買い手が購入を躊躇しているのはビジネスそのものが現時点でさほど儲かっていない中、自分が購入することで果たして儲けを生み出すことができるのか、という懸念であります。これはよくわかります。それは買い手の財布の大きさによるのです。もしも想定外の赤字になれば財布はすぐに底をつくでしょう。

「タダでも持って行け」というのは「タダほど高いものはない」ともいえるわけでリスク見合いの資金力を論じないまま最近の起業の話をするのは難しくなったのかもしれません。

一般に不振事業の買収と建て直しとは今までとは全く違う企業体や組織、営業体制といった根本を変えることにより生まれ変わります。永守氏の買収成功物語はここにキーがあるわけで買収に全資金を突っ込んであとは運を天に任せるだけではまずその買収は成功しないのであります。

私は日本はまだ買収はいけると思うのですが、北米での起業や買収は資金負担のハードルが相当あがったとみています。一つはあらゆる物価が想定を超えていること、特に人件費の上昇は厳しいと思います。日本のように少人数で回すという発想はありませんから、事業にはもろに影響が出てくるでしょう。もう一つは箱、つまりリテールといった店づくりのコストも異様に跳ね上がっています。

ラーメン屋一軒作るのに5千万円から1億円はかかる時代です。トロントにある日本食レストランは内装と設備だけで数億円かけているそうですが、それだけやって成功すればようやく顧客の囲い込みができるということのなのでしょう。

もちろん、パパスアンドママス(父ちゃんかぁちゃん事業)も健在ですが、ビジネスの基盤はずいぶん変わってきたというのが私の実感であります。

では今日はこのぐらいで。

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