外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2019年09月

ラスト1マイルではない、宅配の急所4

ラスト1マイルという言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?宅配業者がA地点からB地点にものを運ぶのに一番手間がかかるのは最後の1マイル(1.6キロ)だというわけです。最近はあらゆるものを運ぶことがサービスの付加価値と考えらえる時代になりました。レストランの食事も「運ぶ」時代ですが、これだけ進化した現代社会ですが、いまだに人間が汗をかきかき顧客に物品を運ばざるを得ません。

宅配業者は様々な工夫をしているため今は1マイルの問題というより、顧客と商品の接点だけの問題、つまり接続の問題になっていると考えています。では何か良い方法がないものでしょうか?

物流の進化は目覚ましく、国内も国際宅配便も非常にスムーズになっています。それは移動の「幹」の部分が太く、かつ高速になっているからであります。そこから枝葉に分かれるのですが、枝葉も以前に比べて多様化しています。

例えばJR北海道などは一部で通常の旅客車両に宅配荷物を積んで駅間の移動をしているところもあります。バスやタクシーも宅配兼業で普通で使われています。国際宅急便も通常の旅客便に荷物を積んでいるのはご存知でしょう。つまり、今の時代、人間と宅配便の混載は当たり前になってきたともいえるのです。

多くの宅配荷物は地域ごとにある集配センターにまとまった形で配送され、そこから自転車やバイク、軽自動車などで各住戸に回ります。ところが問題はせっかく持っていったのに「いない」という事態が発生することでしょうか?そのために複数回配達に行ったり、ステッカーが貼られていて集配所に取りに来てくれ、といったことになります。取りに行くなら宅配の価値は下がってしまいます。

日本やアメリカなどではドローンによる代替手段について実証実験をしています。ただ、私から見てこれはややポイントずれしている部分があると思うのです。それはドローンがどこかに物を運ぶという点においては人間が運ぶのと何ら変わりはなく、スピードと労働力が多少減るというだけでしかないのです。私が冒頭に指摘した「接続」については何ら解決するものではありません。

個人的にはスマホのアプリで対応できないかと考えています。物流の世界は今、完全にトラッキングできるようになっています。来るべき荷物がどこにあり、どの業者からどの業者に何時何分に渡されたという記録が全部わかるようになっています。それを利用し、最終集配所に来た時点で受取人宛にアプリかテキストで荷物を今から数分以内に配達できるが受け取り可能かを確認したらどうでしょうか?つまり無駄足をなくすというステップです。

次に仮にドローンが様々な技術的及び法的課題を乗り越えて普及するのであれば、集配所から各住戸の宅配地点への配達は1-2分しかかからないはずで顧客に玄関なりの受け取り場所に来てもらうようにすることで無人化はある程度進めることが可能かと思います。

マンションなどは自動販売機のような「ドローンボックス」(私が命名しました。)をマンション入り口に設置、そこにドローンが荷物を運び、一時格納し、受取人がスマホのアプリで受けたセキュリティ番号を押すと格納された中から自分の荷物が取り出せる仕組みがワークすると思います。(一種の自動販売機のような機械を想定しています。)

ウーバーイーツのようにレストランからのフードデリバリーは配達先の相手がいないことはまずないでしょう。つまり、配達の効率はほぼ100%のはずです。これを通常の宅配でも達成できれば労働効率はある程度改善できると思います。

ところでFEDEXのような国際宅急便は書類便でも北米と日本間で1万円ぐらいかかります。これは配達する場所によっては経由する業者が増えることが一つあるのと地方には宅配のインフラが十分ではないことがあります。日本国内は同一業者が集荷から配達まで一気通貫できますが、国際間や海外ではエリアも広く、そのコストは都市部であっても非常に高額になります。

個人的にはこれはおかしいと思うのです。たかが書類便でなぜ1万円なのか?何か逆転の方法があるのではないかとずっと考えています。書類を都市間の事務所だけに限り、かつドローンが集荷すればそのコストは数分の一から十分の一ぐらいに落とすことは可能になるはずです。

少なくとも日本は物量と大手業者のインフラを考えるとアプローチを変えた発想で現状を乗り越えられないかといつも思っています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

集合写真に気をつけろ、差し迫る肖像権問題4

東京である会議に出席していたところ、思わぬ内容で盛り上がりました。肖像権です。「集合写真には気をつけろ」というわけです。正直、私は写真嫌いで無頓着なのであまり気に留めていませんでしたが気になる話題でしたので皆様とシェアしたいと思います。

ロスアンジェルスから出席していた方が「集合写真を撮るとき、そのご家族の子供が写真を撮るとき背中を向けた」というのです。母親が「その集合写真の団体と関係ないから子供の顔は撮らせない」というのがその理由です。

皆さん、必ず経験があると思います。集合写真を撮るときはカメラマンが「はい、そこの赤い服着た方、もう少し中に」「そうそう、そちらのスーツの方、もうちょっと顔を出してくださーい」などといってニコッと笑って写真に納まります。その写真、その数時間後にはフェイスブックに上がっていて全然関係ない人から「〇〇さんのイベントに行っていたんだ」と言われたことありませんか?

何の関係もない人が他人の集まりの集合写真をみて「あぁ、〇さんと△さんもきている」と人間関係に勝手な想像力を膨らませているわけです。(人の「のぞき見心理」は恐ろしいほど深いものがあります。)今は「あはは!」でいいのですが、もしかするととんでもない時代が来るかもしれません。

ニューヨークから出席していた方はさらにこんなことを発言します。「集合写真で胸に名札を付けているものは絶対ダメ。これで本人と名前が完全一致してしまい訴えられたら一発アウト」と指摘していました。私は思わず、「アメリカはカナダよりセンシティブかもしれないですね。」とつぶやいてしまいました。

ところがその後の全体会議では日本における肖像権に関する意見が飛び交います。集合写真をウェブ等にアップできるのか、という議論です。解像度を落として特定できないようにしているとか(それじゃ集合写真の意味をなさないですね)、事前に承諾を得るといった対策を取っているという意見が出ます。ただ、承諾についても口頭であり、発言している人も法的にどこまで対抗できるのか自信なさげで「大丈夫だとは思いますが、気になるようなら書面で」というわけです。

集合写真なんてノリで撮るもので撮る前に「では皆さん、こちらに承諾のサインをして」とはならないでしょう。ならばそのうち「私は写真に入らない」という拒否権行使をする人が続出して集合写真にならなくなるかもしれません。

写真に関して最大の変化は「紙のアルバム」が「ウェブアルバム」に変わったことであります。学校を卒業する時の記念アルバムには集合写真が欠かせません。欠席した人は写真の隅に丸く顔写真だけわざわざ追加して掲載したりしていました。こんな写真集がごく平然と配られていたのは紙のアルバムが前提だからであります。

が、このアルバムがネットに掲載され、それが公開されたとしたらどうでしょうか?騒ぎになるはずです。恐ろしい時代です。

今のスマホは写真機能がどんどん進化しています。アップルは今回の新型で3つのカメラを搭載、サムスンやファーウェイは4つになりつつあります。これは使う側からすれば鮮明な画像が撮れるということなのですが、見方を変えれば顔認証とAI技術でどうにでも利用できるということになります。

例えば技術的には集合写真の被写体の人物を顔認証でチェックし、特定したうえで人間相関図を瞬時に作り上げることも可能でしょう。これは誰と誰がつながっていて誰と誰は仲が悪いということすら見ようと思えば見えてしまうことを可能にします。(もちろん、法律違反ですが法律は技術進歩について行っていません。)

我々はネットでもフェイスブックでも写真や動画を見ることが当たり前になっています。上述のようにちょっとしたスマホでもプロ顔負けの高画像の写真がお手軽に撮れるようになっています。しかし、それを防御する個人の権利は完全に置いてけぼりになっています。

公開する写真、しない写真、写真の管理などあまりにも面倒な時代になりつつあります。個人情報を守るということで団体の住所録などはウェブには載せませんし、電話帳もなくなりました。今は住所氏名がわからなくても顔を見れば誰だかわかってしまう時代です。

近い将来、ある集まりに行って顔は分かっているけれど名前が思い出せないという時、その人にスマホを向けると瞬時にその人の名前や経歴がスマホに出てきたらどうですか?「お名前思い出し機能」と称して実はもう完全にプライベートなんてなくなっているとすれば諦めるのか、徹底抵抗するのか悩ましい時代になったものです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

小泉大臣のセクシー発言が話題になりました。スピーチ前の記者会見で「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」と発言したことで日本国内ではセクシーって何だ、ということになったようです。外国に住む私から言わせてもらうとこの単語は使う人が使わないと意味をなさない単語と申し上げておきます。私は使えません。小泉さんなら使えます。トムクルーズのような「いかす男」がさりげなく使うところに格好良さがあります。正しい用法か、といえば学校では習いませんが、全然問題ありません。断言します。

では今週のつぶやきです。

トランプ大統領の中国潰し
次はここに来たのか、と思ったのがアメリカで上場する中国企業を上場廃止にするというプランであります。現在アメリカで上場されている中国企業は156社。当然、こうなれば中国企業の株式は流動性を失うので売りたたかれることになり、トランプさんとしてはしめしめ、ということなのでしょう。

ところである中国の方と食事をしながら歓談していた際にアリババを退任したジャックマー氏の話に及びました。彼は先生をやるということになっているが、実は訴訟で毎日飛び回らねばならない大変な日々を送ることになる、とのこと。大半が欧米からの訴訟とのことです。実は私も何年か前にアリババの株式を持っていたことがあり、その際にある不正疑惑があり、集団訴訟のお誘いが来ております。

トランプさんも中国と同意が近いと言ってみたり、次々と制裁を発表したりと駆け引きというか、朝令暮改というか、方向性が定まらなくなっていることは正直言って困ります。彼にとってディールが楽しくてしょうがないのでしょうが、全ての対象物をゲームする悪癖はやめてもらいたいものです。

グレタ トゥンベリさんの発言の是非
グレタ トゥンベリさんという名前を聞いたことがありますか?スウェーデンの高校生で環境活動家であります。地球温暖化に声を上げるため高校生ストライキを実施、欧州やオーストラリアで数十万人が参加する主宰者であり、今回、「気候行動サミット」で演説をしています。

短い演説の中のある一節です。

「あなた方は人気低落を恐れるあまり、環境に優しい恒久的な経済成長のことしか語りません。非常ブレーキをかけることだけが唯一の理にかなった対策なのに、あなた方は私たちをこの混乱に陥れた、あの悪いアイデアを推進することしか口にしません。それは大人気のない発言です。その重荷をも、あなた方は私たち子どもに負わせているのです。でも私は人気取りのことは考えません。私は気候の正義と生きている惑星のことを考えます。」(CNN)

多分、高校生あたりには耳障りが良いのでしょう。高校生としての考えも評価します。しかし、この発言をベースにすると人類の進化を否定してしまいます。人間を含むすべての動植物は自然摂理の循環の中でしか生きられなくなります。グレタさんが今、生きている環境すら否定してしまいませんか?

LVMH(モエ ヘネシー ルイヴィトン)のベルナール アルノー会長がこの発言をめぐり、「天変地異説に完全に屈している」とし「若い人の士気をくじく」と述べています。

地球温暖化にどう立ち向かうのか、我々はあらゆる努力の中で試行錯誤しながらもがいています。グレタさんがもう少し大人になり、社会人になった時、世の中が一面の理想だけではないということを知るでしょう。その時、私はグレタさんに自分のこの発言をもう一度読み返してもらいたいと思います。

関電が「感電」した押し付け賄賂
幹部20名がもらった3億2千万円、いや、もらったと言ったら語弊があるので「預かった」このお金にはしびれます。無理やり押し付けたのは高浜町元助役。なぜこの時期に発覚したかといえば今年3月にこの元助役が亡くなり、ほとぼりが冷めたので「死人に口なし」となったからであります。

その間、賄賂を渡していた建設会社は売り上げが急増しています。つまり、関電側は「預かった」と言いながらもこの建設会社は売り上げが何倍にも膨れ上がる「果実を身にしていた」ことになります。多分ですが、この助役は高浜市の中で原発を推進するための立役者であったとみています。そのために関電は元助役の言うことを聞かざるを得なかったという関係の中で「お断りできずそうめんのようなもの以外は預かっていたものをお返しした」ということになっています。

とすれば、関電は原発事業を推進するためにあらゆるトップ営業をしてきたともいえ、ますます原発の立場は悪くなります。原発問題の本質問題は別に置いておくとして、どうやって原発を作る場所が決まったか、その決定過程とその背景を探るときわどい話が色々と出てきます。今回もその一環だったのでしょうか?関電トップも「人の子」でありました。

後記
N国党代表の立花さんがまたぶっ放しています。「ばかな国ほど子供を産む」とか途上国での教育について「犬に教えるのは無理。犬に近い。世界中の人間はそれに近い人が圧倒的に多い」と発言しています。この発言に対して立花氏が反論のYouTubeを上げています。この方は半ばユーチューバーでわざと軽い発言をしているようにも見えます。自作自演にも見えます。私は当初からこの方に大否定でした。人の上に立つ者には品位と品格が必要です。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ジャパンディスプレイの失敗にみる会社再建のあるべき方法4

私は長い社会人経験の中で何が専門なのだろうと思う時があります。表層では不動産事業を看板ビジネスとして掲げていますが、実は一番長く携わったのが事業再生関連であります。

ゼネコン時代、バブルのさなかにフライしないプロジェクトを数本抱えていました。世の中が浮足立っている中、「きっとこの事業もうまくいくさ」とどうにか、前に進めようと努力したのですが、ほとんど完敗状態でした。

北米に移ってきてしばらくした後、シアトルの全事業がデッドロックに乗り上げ、シアトルの出店を解体、人材総入れ替えとなり、私の上司と私の2人でバンクーバーから管理することになりました。毎週2日間、ワシントン州の3か所の事業所や現場に通い詰め、事業再建に努めます。運営中のゴルフ場事業は融資を受けている地元の銀行から特別管理下に、日本の親会社のメインバンクからも1円単位の管理を求められました。

その間、自分の事業であるバンクーバーの事業会社は様々なしがらみや借入金の利払いがかさみ、90年代後半には300億円を超える債務超過状態。本体の決算で開示義務が生じる可能性があり、これまた縮み上がるような日々を過ごしました。

リストラと事業再建が私にとっては当たり前となり、アメリカでは剛腕にも全事業で一気に170人の解雇をし、各事業所でそれらの従業員を前に責任者として説明をしました。カナダの会社は300億円の債務超過を解消するためあらゆるテクニックを駆使し、数年かけて段階的に大幅削減させました。事実、その会社は私が後々に買収したのですが、今ではすっかり一掃され、黒字会社として運営しています。

今、カナダで事業再生案件を手掛けていますが、これから日本でもひとつ手掛けることになるかもしれません。

会社を再生させるにはどうしたらよいのか、といえば上述のようにテクニック論もあるのですが、最終的には会社という組織のベクトルを同じ方向にそろえ、活性化を再度促進させることであります。

ジャパンディスプレイの迷走ぶりがいよいよ佳境に入ってきたように見えます。臨時株主総会を今日27日に控える中、中国側から前日に出資「お断り」の通告となり、再び、直前で裏切られてしまいました。今日の臨時株主総会をどう乗り越えるのかわかりませんが、個人的には一旦、法的整理させるべきかと思います。

この春からの再生プラン、そして出資者に振り回されてきた理由がどこにあるのか、といえば経営陣と会社の体質が事業をするような状態になっていない、それに尽きると思います。外部の資金を取り込みたくてもそれに応えられないのであれば、それは法的に再生をさせるしかありません。

ニュースではアップル社が更なる資金援助をすると報じられています。私にはある意味、驚きのニュースです。この会社の経営陣が経営について本当に理解しているのか不思議なのですが、ジャパンディスプレイの経営が窮地に陥ったのはアップルに偏重した経営があったからなのです。これがとにかく第一原因なのです。これにより同社が事業のフレキシビリティをなくし、「アップル様の言う通り」になってしまっています。操業停止している白山工場もアップルの言うなりであんな投資をしてしまったのでしょう。

私は何度か、このブログでジャパンディスプレイができたもともとの組成体、ソニー、日立、東芝という日本を代表するプライドの塊の寄せ集めが足かせだったと述べました。更に産業革新機構と経産省というガチガチの上から目線管理でさらに手足を縛りあげ、自由度がほとんどない会社に仕立て上げたのであります。そんな組織に中華系のファンドの資金が入ると考える方がおかしいのであります。彼らは金も出すが、口も出す、です。しかし、ジャパンディスプレイとその後ろにいる産業革新機構は金だけ出させるぐらいの感じだったと思います。

もしも私が再生させるならまず、法的再生をさせること、そのあと、産業改革機構と経産省に一切手を引かせること、新経営陣は外部のプロの経営者を持ってくることが第一ステップです。次いで、新しい出資者に新たなる技術開発の研究開発費を重めに出してもらうよう計らうこと、新経営陣はディスプレイビジネスの10年後がどのように変貌しているか見極めた上でそれに見合う新たな戦略を立てること、シェアという数字を追わず他社より一歩半先を行く経営をすることが重要かと思います。

日本的経営の何がだめなのか、日本の企業経営者はこのケーススタディをしっかり学ぶべきだと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

フェイスブック ホライズン 仮想現実に見る自分の本性4

フェイスブックが新たなSNS交流サイト、ホライズンを発表しました。これは本人が参加するのではなく、自分のアバターがそこの主役になるそうです。アバター、ご存知とは思いますが、自分の分身をキャラクターなどにしてあたかももう一人の自分のような人格を与えるのです。

このホライズン、フェイスブックの英語版宣伝用画像がYouTubeにあるのですが、VR用のゴーグル(ヘッドセット)を身に着け、Wiiのリモコンのようなもの(タッチコントローラー)を両手に持ちながらあたかも違う世界にいる自分を楽しめるというものであります。こんなものができればディズニーランドに行く必要がなくなる気がします。

この仮想現実の中に自分を放り込むわけですから例えば日本では江戸時代や戦国時代に戻って自分が豊臣秀吉や徳川家康と話をするといったシーンの再現も可能になるのでしょうか。仮想現実を未来の自分に置き換えるケースは多いと思いますが、過去に戻ることも当然可能なはずで、ある意味、仮想タイムマシーンと考えてもよいのでしょう。現代の技術もここまで来たのか、と感慨深いものがあります。

私はフェイスブックはやらないのですが、このホライズンには大変興味があります。それはある実験がしたいのです。アバターが自分の分身と申し上げましたが自分の人格はそれほど人格者であるか、まともな人間であるのか、実は良い人と悪人の両方を持っているのではないか、といった様々な想定ができるのです。

仮想現実にある自分が自分そのままであってもそれはもちろん構わないのですが、普段できない自分の本性を出してみたいと思う人は多いと思うのです。例えば会社で上司やクライアントからいろいろ言われてストレスをためた自分に対してアバターには本当の自分を描くとか、あるいはストレス発散をアバターに代行させることも可能になるのかもしれません。

人が本性を見せた時、それが仮想現実の中でどういう社会とアバター同士の交流ができるのか、全く想像ができないのであります。

日経はマーク ザッカーバーグ氏との単独インタビューを行い、トップ記事にあげています。その中で「かつてはまず製品をつくって提供し、問題があればその時点でやめる。そういうやり方をしてきた。いまは先手を打たなければだめだ」と述べています。この言葉の意味は現実社会の道徳観から乖離した製品を造る会社の新たな試練という意味に聞こえます。

この発言の背景はもちろん話題の仮想通貨、リブラの話であります。リブラが実現するかどうか、今後の議論を待たねばならないのですが、私は数年のうちで何らかの形で市場に出てくると思います。その可能性としてこの「ホライズン」の中でのお金のやり取りを仮想通貨で行うのではないか、と勘繰っています。

仮想世界ですから世の中の法律も社会制度も何もありません。その無から生まれた新たな社会には中央銀行はありませんからリブラを基本通貨とすることは可能になります。ある意味、ザッカーバーグ氏の作り上げようとしている世界は恐ろしくSFチックでありならがらも第二の地球が生まれるともいえるのです。想像を勝手に膨らましている私自身、本当にこれが現実に起きるのだろうか、と勘繰っていますが、どうやら技術はそこにあるように感じます。

私はザッカーバーグ氏に聞いてみたいのはこのホライズンがもたらすであろう参加型仮想現実の社会は自分のインタビュー発言にある「まず先手を打たなければだめだ」という先手を打ったのだろうか、であります。ザッカーバーグ氏が描くメルヘンチックな社会だけであればそれは結構ですが、とてもダークな世界がそこに生まれた時、氏は再び、アメリカの公聴会で頭を下げることになりやしないか、と私は覗いてもいない仮想現実の社会に一種の恐怖すら感じるのであります。

では今日はこのぐらいで。

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トランプ氏弾劾調査と大統領選挙4

アメリカの大統領選挙が意識され始めたこの時期、やっぱりというか、もうこの段階で戦いの火ぶたが切って落とされた、そんな感じがします。

アメリカ下院議長で民主党のナンシー ペロシ氏は民主党の重鎮で今年79歳。バラバラになりつつある民主党の中ではある意味、かなり安定感を持った党の顔的な存在であります。当然ながら大統領選挙に向けてペロシ氏の果たす役割も大いにあるわけで彼女はトランプ大統領をどう切り崩すか、そちらに精力を傾けます。

今回、報道されたトランプ大統領弾劾調査開始とは既報の通りですが、念のためおさらいします。民主党の元副大統領、バイデン氏が副大統領時代にウクライナのガス会社に勤める次男を守るためにそのガス会社を調査しようとしていた検事総長を解任しようと画策したのではないか、という疑惑が生まれます。トランプ氏はこれをネタにウクライナの大統領に270億円相当の支援協力金を出し渋ったのではないか、という二つの疑惑がからまった小説のような話であります。

トランプ大統領は俺がウクライナ大統領と交信した記録はオープンにしてやると息巻いており、疑惑解消に努めています。一方、ペロシ議長はこんなことで民主党の有力大統領候補の芽がつぶされてはたまらないと大統領の行為を違法とし、大統領弾劾の調査をするとこちらも盛り上がっているのであります。

個人的な見解ですが、これはトランプ氏が有利だと思われます。一つにはバイデン氏の情報がアメリカの諜報部門から上がってきている点です。アメリカの諜報能力は優れており、これをバイデン氏なりペロシ氏が反論できるかどうか私に微妙に感じるのです。

もう一点はペロシ氏の今回の異様な盛り上がり方こそがバイデン氏の不正行為を裏付ける形にすら見える点でしょうか?逆に言えば民主党は他に人がいないのか、ということになります。

三番目に挙げられる可能性としてはバイデン氏が民主党の大統領候補から滑り落ちると大統領候補の目玉が居なくなり、大混戦が予想され、圧倒的知名度と一定の実績を積んだトランプ大統領に対抗できなくなるリスクがある点でしょう。

事実、バイデン氏の今回の疑惑問題とは別に既に一部地域でバイデン氏の人気に陰りが出ている点が指摘されています。アイオワ州の世論調査ではエリザベス ウォーレン氏がバイデン氏をわずかながらリードしたと報じられています。ウォーレン議員はGAFA解体論者の筆頭候補であり、仮に彼女が大統領になろうものならアメリカの代表的IT企業は分割、解体のリスクにさらされます。

ご記憶にある方もいらっしゃるでしょうが、マイクロソフト社が一時期分割案で揺れ動いたことがあります。圧倒的な強みが故に恨みを買ったのです。同社はその後、その司法の戦いにこそ勝ったものの会社としての活力は一時期、完全に失われ、復活に十数年を要しています。つまり、ウォーレン議員がやろうとしていることはかつてのマイクロソフト問題を一社のみならず、GAFA全体で行おうというとんでもない話であり、仮にそれがどれだけ世論の支持があったとしてもアメリカ経済に与える打撃は計り知れないものになるのです。

ところで最近、カリスマ的地位にある人に火の粉がかかっているケースが目立っています。トランプ氏のみならず、英国のジョンソン首相は議会閉会が違法と裁判所から判断が下され、同氏の戦略はすべて覆される状況になっています。WeWorkのニューマンCEOもそのカリスマ性故の圧倒的知名度を誇っていましたが、ソフトバンクからのCEO引きずりおろし作戦であえなく「降臨」しました。

何事もやりすぎは禁物、ということなのでしょうか?

少なくとも今回の弾劾調査はトランプ大統領がかつて乗り越えてきた数々のゴシップに比べればはるかにたやすい問題に見えます。むしろ、ペロシ氏の焦りばかりが強調されるそんな戦いであります。まだ大統領選は長丁場で入り口にも来ていません。こういう状況を見ると民主党の戦略と勢いにどうしても疑問を感じないわけにはいきません。

他人事ながら選挙はもう少し面白いものになってほしいと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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弾けるのか、投資バブル4

バブルとその崩壊を人生の中で何度か身近で経験しながら「次は何バブル?」と注意深く見続けてきました。明らかにマネーのアロケーションがいびつで金持ちにそのお金が集中しすぎています。理由は過度な資本主義の代表的悪役である資本家がインキュベーション中(孵化中)のヨチヨチ企業を大枚をはたいて根こそぎ買収してしまうからです。

なぜ東大生は官僚よりも起業家を目指すのか、といえば東大卒というブランドを持つ創業者の事業を「お金がすべて」と思っている投資家が過度なバリュエーションで市場価値の5倍、10倍ですら「これでも安い買い物」と信じているからでしょう。そこにはちょっと話題になった会社への無理な過信を伴います。

私の周りにうまくExitした起業家が中途半端な小金をもって「次の投資先」をワインをくるくる回しながら探しているのです。この兆候は昨日今日に始まったわけではなく、2000年代初頭のネットバブルの際に「偉くなりたいならアメリカのMBAをとろう」というブームがあった頃に端を発しています。当時、話題になった堀江貴文氏や村上世彰氏が東大というブランドを持っていた(堀江氏は卒業していないが)ことから大学には戻れないけれどMBAなら今からでも取れる、という後押しがあったことも否定できません。

その間に大きく育ったのが三木谷浩史、孫正義両名で今や買収して寡占の市場を突き進んでいます。

長期化する低金利は小金持ちの人を銀行預金から「何か面白いものに投資する」という姿勢に変貌させました。日本人がFXでトルコリラが大好きなのは国のリスクをも顧みずその表面利回りに飛びつくからであります。あるいは聞いたこともない健康食品に億単位の資金が集まるのは「もっと儲けたい」という一心だからでしょう。

さて、こんな日本の金の亡者はそれでもアメリカ人よりまともな気がします。かつてアメリカのエンジェル投資家といえば真に野心家を育てようという気持ちが先行していたはずなのに今はリターンの計算ばかりするようになってしまいました。

ネットフリックスが大金をはたいてどんどん新作を作るのは投資家のマネーを背景に「今、ここで頑張らないと競合他社に勝てない」と湯水のごとく、資金を使いまくるからです。会社がどれだけ赤字になっても平気なのは同社に限らず、ウーバーもWeWorkもそうでしょう。連中の金の使い方は尋常ではなく、健全経営という思想はなく、あたかも203高地で兵隊がいくら死のうが、そこに工夫もなく繰り返し兵力を投入して犠牲者を積み上げるのとそっくりなのであります。

22日の日経の一面は 「『債務の宴』静かな異変 米低格付け融資、資金流出続く」であります。ローン担保証券(CLO)から投資家が資金を引き揚げる傾向があるというのです。専門的なので詳述は避けますが、要は起業したばかりの会社の将来性と収益性に対して投資家が疑問視し始めた公算が見て取れるというのです。そしてそれはよさげに見える若い会社の価値をあまりにも高く評価しすぎており、将来、景気の変動があった際の耐性が不十分ではないか、というものです。

リーマンショックの引き金となったCDO(不動産担保証券)とある意味似た体質を持っており、アメリカがナチュラルな景気後退ができず、カンフル剤を打ち続けているという見方もできなくはありません。

我々は過去の何度かのバブル崩壊を通じて強靭な金融体制を敷いてきたと信じています。しかし、人の欲望がその間隙を縫って予想もつかないほど加熱した場合、それを本当にコントロールできるのか、試練が待ち構えているのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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