外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2020年01月

新型肺炎とアメリカ経済から見る株式市場の行方4

一週間ほど前、このブログで「経験則からすればある株価(=24448円)を明白に超えればそこから加速度を上げて上昇する公算がある」という専門家の声をご紹介しました。ところが残念なことにその話をご紹介した24000円程度直後から昨日までに1200円幅の下落となり、先が読みにくくなっている状況にあります。

この「24448円を明白に超える」という点が肝なのですが、そこを読み飛ばしておまえは株式市場に楽観視していると思われては困るのです。チャート分析はうそをつくこともありますが、あるポイントを明白に抜けるには市場で莫大なエネルギー(売買高)が必要になり、そこには当然、好材料が付随していないとそういうことにはならないわけでそれなりの裏付けはあるのです。

回りくどい言い方かもしれませんが、「そのポイントを超えられなければしばらくはチャンスは巡ってこない」ということでもあります。事実、長期チャート上はゴールデンクロスから遠ざかりつつあり、短期チャートはWトップという嫌な形になっています。

さて、こんな株価に誰がした、といえば新型肺炎であります。ただ、北米では地政学的なこともあり、株価動向の主因とはいいきれません。確かに患者は世界の各国で確認されつつありますが、欧米では各国、片方の指で数えらえる程度であります。日本でも大騒ぎですが、今日現在14名の感染者数で留まっています。幸いなことに緊急事態宣言がWHOから出たのでこれで無制限な拡大を阻止するという強いメッセージにもなりました。

ただ、世間が異様に騒ぎ、報道はそれ一色で人々が恐怖におののいているという感じに見えます。SARSの時も同じでした。あの時も株価はどんと下がりましたが終息が見極められる前から株価は戻り歩調になり、数カ月で回復しています。ですので今回の下げは絶好の買い場が到来しているとする向きは多く、いつ頃底打ちするのか、虎視眈々とその動向を見ている投資家は多いのです。

LVMH(ルイヴィトンなどの世界高級ブランド所有会社)のベルナール アルノー会長が同社の中国チームの報告からは「流行のピークは数週間後ぐらいではないか」と報告を受けていると決算発表で述べています。1月29日の話ですから2月半ばから下旬とみているのでしょう。

企業による分析は政府の分析と違い、より実態に近いことは多いものです。もちろん無責任な楽観は許されないのですが、着眼としては意味があります。政府は保守的にみる点において時間的ずれが生じるわけで投資家にとって非常に意味があることなのです。

さて、では株価に一番影響するアメリカ経済そのものはどうか、でありますが、10-12月のGDPは2.1%で着地。事前予想よりほんの少しだけ上回っていますが、内容が悪いのです。個人消費は7-9月期の3.2%から1.8%に、消費成長率も5.3%から1.2%に減速しています。企業投資も悪い内容です。10-12月が普通は消費が盛り上がる時期であることを考えると憂慮すべき結果と考えてよいでしょう。

ところがアメリカの金融政策決定会合であるFOMCでパウエル議長は再び間違ったメッセージを市場に送ってしまっています。「量的緩和は終わり」ととらえられる非常にテクニカルな策を打ち出しているのです。(「短期国債の購入ペースを緩やかにする」ということなのですがここでは説明は省略します。)

そのため10-12月の決算発表時期のさなかにある市場に微妙な空気が流れており、どちらかというと腰を折った形になってしまっているのです。トランプ大統領もパウエル氏を自分で選んで自分に後悔していると思います。この議長選任は明らかに失敗でありました。パウエル氏に市場とのコミュニケーションを取るというFRB議長として最も求められる能力が欠如しているのです。

アメリカは2月からいよいよ選挙の話題が中心となります。通常、選挙イヤーの株価は堅調とされます。一方で株価がすでにバブル的状態になっていることは多くの専門家が指摘していることで一部の銘柄はパンパンに膨れ上がっています。

このあたりを俯瞰すると中期的には新型肺炎問題で2月初旬から中旬まで調整、その後回復基調を辿り始め、5月ぐらいまでは順調に推移し、そのあとは乱高下があるかもしれないという個人的想定をしています。相場は相場に聞けという格言があります。読みずらいのですが、目先の材料の方向性がわかっている今は2-3カ月先までは与件に対する予想をはめ込めば読みやすくなっているともいえそうです。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカランキング

また明日お会いしましょう。

物語が作り出す行動規範4

経済学ほど評価が一定しない学問も珍しいかもしれません。自然科学のように理論と発見という領域で疑問を挟み込む余地が少ない学問に比べ、人文科学の一領域、特に経済学は時代とともに揺れるのであります。

日経に「経済は『物語』で動く? ノーベル賞学者が開く新境地」という記事があります。ノーベル賞を受賞したロバート シラー教授の最新の教示はNarrative Economics (物語経済学)であります。いわゆる行動経済学とは一線を画する新しいようですが、実は我々は既によく知っている行動規範をまとめた学説です。

この本の英文の紹介内容を拝見しました。なるほど、確かに人々の行動はそれが正しいかどうかは別としてメディアや噂、写真付きのSNSの情報といったいかにも正しいと信じさせる情報に振り回されています。GAFAの株は上がり続ける、不動産価格は下がらない、ビットコインは新しく世を制する通貨だ…。

我々の日々の行動は経済に限らずほとんどすべてが情報による判断に依存することが大きくなっています。中国の新型肺炎も中国政府の発表とは別に様々なところから様々な話がリークされ、それを受けた行動を展開するため、人々はいろいろな憶測をするのです。武漢市は隠していた、WHOは緊急事態宣言をすべきだった、病院はカオス状態…という話から想像力たくましく「盛った」ストーリーが人々を信じさせ、より大きなムーブメントとなります。

キャッシュレス社会も無理やりストーリーを作り上げています。若い人はキャッシュを持たない、飲み会でも割り勘機能がついて仲間内のお金のやり取りも安心、香典も電子マネー払いだよ、といった流布は消費者以前に事業者がその動きを先に察知し、お客に「申し訳ありません、当店では現金はあつかっておりません」となり、それがまた拡散するという繰り返しであります。

トランプ大統領がフェイクニュースだ、と叫んだのはうわさや憶測が必ずしも正確ではないということへの反論であったわけです。先日もこのブログで書きましたが、グレタさんは環境問題について声を上げるけれど彼女は一点集中突破型の古い攻め方であります。私から見ればまるで原理主義的思想家であり、本質的には「行けてない」はずなのに若者から絶大なる支持が生まれているのは「切り口がわかりやすい」「大人の世界は魑魅魍魎」というストーリー性ではないかと思うのです。

こんな社会になったのは一つにインターネットの情報に原因を考えています。いわゆる「お気に入り」のニュースや調べものに関連記事がどっさりリンクされればなるほど非常に狭い範疇の事柄に対してプロ顔負けの情報量を得ることができます。「にわか専門家」というやつです。皆さんもご経験があると思います。

例えば病院に行って医者に診てもらったところ、自分の期待と違った診断であると「せんせー、ネットにはこう書いてありますが…」と攻め入り、「それでは〇〇の検査もしましょうか?」という具合で患者は勝ち誇るのですが、医者は(ネットの情報は必ずしも当てはまらないけれど)患者を無下にできないという気づかいがそこにあるわけです。

私もこんな世界にはずっと以前から気になっていました。そこで取った私の対策は一つの事象を様々な角度から見直してみる、ということです。角度を変えてみるだけではなく、透かして見る、壊して内部を見る、化学反応を見る、といった考え方で本当に巷で言われていることが正しいのか、考えるようにしています。それゆえ、私の主張はまるで皆様から支持されないことも多いのですが、それは私の分析が甘いのかもしれないし、先を読み過ぎているのかもしれないし、全く外しているのかもしれません。ただ、そういうアプローチは極めて重要なのです。

今日は長くなるので書きませんが、この分析能力が今の若者にはほとんどなくなってしまっています。ネットに書いてあることが正しいと信じているわけです。たった1%の例外なのにあたかもそれが事実のように書いてある記事を読んで「私は本当の事実を知っているの!」と自慢してしまうわけです。

これが世の中で展開される様々な混乱でもあるのでしょう。そういう意味ではトランプ大統領がフェイクニュースと叫んだ気持ちは大いにシェアしたいところであります。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカランキング

また明日お会いしましょう。

野党に期待すること4

初めに申し上げますが、私は逆立ちしても野党に同調することはありません。しかし、政治というのは野党がないと困るのです。日本人が全員同じ考えではありません。老若男女どころか様々な立ち位置の違い、例えば経営者と被雇用者、高収入者と低所得者、独り者と家族持ち、都会に住む者と田舎に住む者、サラリーマンと自営業、健康な人とそうではない人…といった具合に全ての人が置かれている立場は違うのです。

そのような切り口を踏まえたうえでそれぞれの考えを聞き、どう政治に反映していくかは重要な視点であり、野党の役割とはその与党が推進するであろう政策に対して修正を行い、マイナーな方々の権益を守ることも必要であります。

昨年末に立憲民主党の枝野幸男代表が旗振りをした野党合流話は国民民主党との距離感が埋められずその作戦は失敗しました。この失敗について個人的に感じることは二つ。一つは枝野氏は何をしたかったのか、二つ目は野党というヤジを飛ばすことが仕事になりつつある政党にどこまで国民は信頼をおけるのか、であります。

野党が合流するという着想がそもそも行けていないように感じます。二大政党をイメージしているのだろうと思いますが、今、時代は個性化の深掘りであります。アメリカの二大政党が実体的に機能しなくなりつつあるのは国民をAかBのどちらかの枠組みにはめ込もうとする単純な時代ではないということです。

かつて少品種大量生産でモノを安く届けることで社会は潤いました。しかし、90年代から少量多品種の時代に変わります。これはモノの生産の現場の話なのですが、これを消費するのは消費者である点に気がついてほしいのです。つまり、戦後から高度成長期の頃は経営側と労働者側が激突し、デモやストライキを経験し、時として強すぎる組合が会社組織そのものを壊すほどの二大勢力の激突が構図でした。その好例が日産と日本航空です。

しかし、90年代から会社は変わり、人々も個性を見出そうと変化したのです。人それぞれ歩む道は違うのだということです。それに拍車をかけたのが派遣労働やシェアの時代でそれが当たり前の選択肢となった意識の変化は大きいと思います。社会は細分化され、様々な人が様々な境遇の中で生きているわけでその声は千差万別なのであります。ならば、野党の数は本来であればもっとあってもおかしくないはずで統合というのは私から見れば真逆の思想なのであります。

私は野党に政治をしているまじめさを見せてもらいたいと思うのです。与党の言質を取るようなくだらないことは子供だましであります。そんなことはスルーしてよいのです。安倍政権を追い込むことではなく、野党にも野武士がいるな、と思わせて支持層、ファン層をつかむことではないでしょうか?

どうしても安倍政権が嫌なら自民党の内部を崩壊させるぐらいの大作戦を展開したらよいでしょう。それの方が「お主、なかなかやるな」といわれます。共産党や社民党といった政党のスタンスも古いと思います。(公明党もそうです。)誰のための政党なのか、誰に支持されたいのか、的が絞れておらず、組織票に頼る政党はいずれ存在意義を失います。

世の中が激変している中で政党が変わらないわけはないのです。なのに野党が自分の看板にしがみついてしまっているところに国民のしらけ切った目線があることに気がつくべきでしょう。

日本では諸外国のように与党がよく変わる政権交代は起きにくくなっています。理由はほぼ単一民族で格差は世界のレベルからすれば極めて小さいからで、政治家に縋りつくような社会ではないからであります。もう一点、国民レベルでは政治は遠い世界の出来事でしかないのです。政治家と直接しゃべったことがある人がどれだけいるでしょうか?

政治は永田町で決まるのではなく、もっと街中を見渡してもらいたいのです。そうすれば枝野氏も野党合流なんて考えなかったのではないかと思いますが。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカランキング

また明日お会いしましょう。

悪徳不動産屋5

不動産絡みの仕事というのは昔からうさん臭さを伴っているイメージがあります。そういう私も大学1年生の時に友人に付き合って受験した宅建が合格してしまったことが私の人生を変えました。日本で不動産開発の仕事をしていた時、今と時代こそ違えど、これほど悪人や悪人に群がる子分がいる業界もすごいと感じたものです。

なぜゼネコンが自社開発で泥まみれになったのでしょうか。80年代、ゼネコンは新規の案件を受注するのに必死で、利益を削ってでもとにかく仕事を取ってくるのですが、営業部から土木や建築部に案件が廻ると「こんな受注金額でどうするんだ」と喧々諤々の騒動になります。

そこで自社開発ほど楽な商売はないという視点が生まれます。例えば私が手掛けた自社開発のゴルフ場案件はコース造成とクラブハウスで驚くことに100億円かけたのですが、法人会員権を平均1億円で売っていたので十分な利益が出て、社長賞を受賞しました。

その後、私は社長、不動産部部長と3人で進める特命係を「拝命」し、特殊案件ばかり手掛けていました。その際に見た不動産を取り巻く怪しい人間たちには辟易とするものがありました。強欲でマネーしか愛せないその世界は私の人生で最も狂っていた時代でありましたが、絶対に経験できない世界を見せてもらったことも事実であります。

なぜ、不動産には悪い奴らが集まるのか、といえば扱う金額が大きいこと、不動産売買そのものからマネーのにおいがプンプンするため、悪徳な輩が入り込む余地が大きいということなのでしょう。

ここ数年、融資の書類改ざん事件が世を騒がせました。スルガ銀行やTATERUなどその一角でありますが、日経が同社の独自調査としてアルヒという東証一部上場の住宅ローンあっせん会社を取り巻く改ざん疑惑を報じました。

アルヒは全国に153店舗あり、その8割がフランチャイズ店。そして今回の日経のスクープは神奈川県内の特定のフランチャイズ店2店舗を中心に改ざん行為が行われていたようだ、というものです。投資用マンションを十分な年収がない人に買わせるというものであります。記事によると新生銀行グループのアプラスがそのローンを付保しています。

この疑惑、悪徳業者が不動産の売買手数料欲しさにローン審査を通す細工を行ったとみるのがありうる推測だと思います。いわゆる会社ぐるみの案件ではないとみています。通常は不動産を現金で買う人はほとんどいませんので不動産ローンがつくかどうかが購入条件となります。アルヒはその審査を早く通すことが売りでフラット35の扱いは業界NO1とされます。実際にアルヒのウェブサイトにも「特長1:スピーディーな審査!お急ぎの方も安心。事前審査も本審査もすばやく対応。『時間がない』『人気物件で競争が激しい』などの場合もご相談ください」とあります。

ところがこの日経のすっぱ抜きがでて同社の株価がストップ安まで売り込まれると同社はプレスリリースを出します。「弊社が取り扱う『アプラス投資用マンションローン』に関しては、主に不動産事業者から持ち込まれた書類を取り次ぎ、株式会社アプラスへ送付する業務のみを担当しており、同ローンの審査、融資実行や債権管理等は弊社で一切行っておりません」と。

投資マンションローンはフラット35とは違うローンで、アルヒとアプラスの業務関係を構築していく中で様々な取り決めがあったといいたいのでしょう。しかし、結果として顧客の利便性ではなく、業者間の利益を考えた関係であり、そこに双方の責任所在の確認が抜けてしまっているのです。

アプラスはアルヒを通してきた書類には一定の信用できる担保価値があると考えていたようでここに落とし穴が生まれてしまっています。想像するに末端の不動産屋が悪さをしたのだと思いますが、一部上場の2つの会社がそれを見逃してしまうスキームがそこに存在していたことは不動産を扱う会社としては腑抜けだったと思います。

不動産事業を取り巻く業界には残念ながら今でも悪徳はいます。積水が詐欺師に騙されたこともありました。一般の投資家もサブリースなど、おいしい話と飛びついたからですが、世の中、旨い話など存在しないことをもう少し認識すべきでしょう。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカランキング

また明日お会いしましょう。

二つの企業を取り巻く裁判の行方4

世界が注目する二つの裁判が本格的に動き出し、その行方に注目が集まります。世界で最も早い成長率でトップクラスに躍り出た中国のIT企業、ファーウェイの創業者の娘で副会長兼CFOである孟晩舟被告の審理、もう一つは同じく世界トップクラスのIT企業、サムスン電子の創業家会長である李在鎔被告の差し戻し裁判であります。

双方ともあまりにも著名で巨大な企業になったにもかかわらず、トップが拘束された事態はたまたま偶然の出来事だったのでしょうか?企業側と政治が複雑に絡み合い、成長を求める企業への高い代償だったのかもしれません。

しかし、その背景に強い政治色が見え隠れしていたとすれば時間とともに政治の色も変わる点を考えなくてはいけません。裁判の公平性とは何なのか、影響力を配慮し、世論を見据えた裁判官の保身的判断が下されるようになるのか、このあたりはAIにはできない人間のなせる技が潜んでいるかもしれません。広義の意味での情状酌量であります。

孟晩舟被告についてはバンクーバーの最高裁で審理が継続しており、長ければ秋まで続くとされています。事実、その報道は連日、当地のニュースとなっていますが、あくまでも感触的な見方ですが、割と早い時期に判断が下され、釈放されるように感じます。犯罪者引き渡し条約に基づき、アメリカはカナダに孟被告をアメリカに引き渡すよう要求していますが、ならないとみています。そうならなくする理由など作れるわけで「逮捕するときの手続きがまずかった」という理由を裁判所が前面的に採用すればそれまでであります。

なぜ、裁判所は孟被告にとって有利な判断を下すと私が考えているのかといえば、もともとカナダは中国との貿易量を含めた関係は強く、ファーウェイの製品についてアメリカが主張するような禁止措置は取っていません。とすればカナダはこの裁判を通じて孟被告に「やり過ぎだった」と判断すれば中国との関係は改善するでしょう。

カナダにおける中華系人口が占める割合は非常に高く、バンクーバーで3割、トロントで1割程度となっています。そこから生まれる政治、経済、世論などは無視できない規模となっており、カナダ特有のバランス外交が存在します。故にファーウェイの件もカナダにとってよほどのことがない限り、アメリカにそこまですり寄る気はなく、一裁判の案件としてどこまで対イランの進出に絡む虚偽説明が孟被告と紐づけされるか、となりそうです。

一方、サムスンの李在鎔被告でありますが、朴槿恵前政権の際の絡みであり、「大統領からのお願い」がそもそものきっかけとされる贈賄に対する差戻裁判です。こちらは春ごろまでには判決が出そうです。昨年あたりは李被告が再収監されるとみられており、李被告も取締役から降りるなど収監への準備を整えていました。

ただ、韓国の風見鶏裁判制度は世論や社会情勢を極めてうまく取り込んで判断する傾向がある点に鑑み、私はこちらも逆転の猶予刑になるとみています。理由は韓国の経済がうまく回っていないこと、文大統領への逆風があり、サムスン電子の経営を混迷化させるかもしれない裁判所の判断は韓国経済再浮上のきっかけを失うという判断があるから、と考えています。当然ながら4月15日の韓国総選挙も視野にあります。

サムスンは仮に李被告が収監された場合、経営のかじ取りを巡ってグダグダになるのは目に見えています。サムスン電子内部からの得た情報では李健煕氏の存在感が消えた現在、息子の在鎔氏がサムスンのベクトルを維持できるかの瀬戸際にあるようで、すでに一部では次を見据えた動きもあるようです。韓国人の気質はそんなものであり、権力闘争が起きるのは当たり前であります。そうさせないためには李被告をサムスン再生だけではなく、韓国再生のために再度チャンスを与えるという判断がより自然に見えるのです。

世の中、極論的判断は下らない傾向が強まっています。トランプ大統領の数々のディールも双方のネゴシエーションをもとに落としどころを決めます。司法取引においてもウィンウィンの関係になるように仕組まれています。

この行方を含め、裁判の在り方も今後一つの焦点となってくるでしょう。大金をかける裁判に果たしてどれだけの意味があるのか、司法の変質化も考える時代になるのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカランキング

また明日お会いしましょう。

地球温暖化問題、何ができるのか?4

地球温暖化問題の話題が尽きなくなってきました。ダボスで開催されている会議ではトランプ大統領とグレタさんが直接ではないですが、双方がそれぞれの主張を言い合う形になりました。ただ、私が理解する限り、思想上の相違以上にお互いが好きではないという相手の否定から入っているようであります。

トランプ大統領も地球温暖化問題についてはこの2年ぐらいの間にやや考えを変えてきている感は無きにしも非ずです。特に選挙を考えると自己の主張を貫き通すことが野暮であることには気がついているはずで、例えばダボスでは1兆本の植林活動にアメリカも参加すると表明しています。

一方、グレタさんは煽るのは上手なのですが、現在置かれている我々の社会が地球環境を配慮したものに確実に変わりつつある中でエキセントリックすぎるように感じます。また、西欧社会が彼女を必要以上に祭り上げることは一種のショーのようなものとなっており、私からすれば「子供を利用した政治活動」ではないかとすら思います。

最近、北米で肉を食べるはよくないという傾向がとみに強まってきています。マクドナルドはカナダの店舗通じてビヨンドミート製の大豆由来の人工肉の実験店を展開しており、最近、好評なのか、実験店拡大を表明しました。また、スターバックスが同様に植物由来の肉(肉とは言えないのかもしれません。)を使った製品開発を検討すると発表しており、人工肉に拍車がかかりそうな状況にあります。(なぜ、マクドナルドはすぐに全面展開しないのか、といえば市場が急成長しすぎて製造がおいつかないというボトムネックの問題であります。)

このブームは単に健康志向だけではなく、牛などの家畜を育てるのに要する餌やゲップが地球環境に良くないとされることからの強いムーブメントであります。同様の動きは牛乳にもあり、アメリカにおける牛乳の消費量はこの30年で3割下落、変わって大豆やアーモンド、麦などの植物由来のミルクの消費が急速に伸びています。

気象はどうでしょうか?異常気象は今や日常茶飯事となっています。今、日本では一部のスキー場で雪不足から営業できないと悲鳴の声が上がっています。オーストラリアの森林火災はすでに日本の国土の半分と同じ大きさを焼き尽くしたとされ、それが大雨や嵐も巻き起こし、手の施しようがない状態になっています。

このままでいけば異様に暑い夏は世界で当たり前となり、昨年40度を超えたフランスのみならず、日本でもそういう日は来るのでしょう。その場合、人間は我慢と対応をすればどうにかなりますが、地球環境は必ずしもそれに順応できるわけではありません。例えばサンマがとれないといった漁業の不安定化はあるでしょうし、農作物でも最近では北海道がコメの主産地になりつつあります。

我々に何ができるのか、これをもっと考えなくてはいけません。例えば私はカナダでいつも不思議に思っているのはどの家や施設の庭でも秋になると落ち葉をきれいに片づけます。カナダで針葉樹が増えたのはたい肥が足りず、土地がやせたことが原因の一つであります。植林で広葉樹を植えてもきれいに片づけるのはある意味、無駄なのであります。

Be Natural、これが必要なのかもしれません。人間社会は必要以上に見栄えを気にするようになりました。食べ物でも一番おいしいところだけ取ってあとは捨てるのは高級料理店の当たり前の調理方法でありますが、それはこれからの社会の非常識でもあるのです。

シイタケは傘以外のところは固いと思い、捨てていたのですが、使えるのでは、と言われて調べてみたら捨てていたのはどうやら軸という部分を含んでいたらしく、料理すれば食べられることに気がつきました。こんな工夫は地球温暖化にどう関係するのかと思われるでしょう。

我々の行動一つ一つを見直すこと、そして温暖化が迫ってくるのであればそれに対応する備えをすることが我々にまずはできることではないかと考えています。サンマがとれなければ目黒のサンマ祭りは止めるという判断だって必要なんです。あまりにも過去にとらわれ過ぎると変化対応が後手になるのであります。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカランキング

また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

新型肺炎が中国の正月休みである春節と重なりました。肺炎そのものもとても気になりますが、中国の消費が上向くこの時期の経済活動が低迷するのは潜在的にボディーブローとなります。そして、習近平主席には本心からお見舞い申し上げます。ただ、中国にここまでツキがなくなっているのはたまたまではなく、そういう運命の道を作ってきた経緯があったのだろうと考えています。肺炎の原因はわかりませんが、中国特有の因果関係があると思われ、それを事前にリスクとして予見できなかったことは大きすぎる中国の統治がいかに難しいかを物語っているのかもしれません。

では今週のつぶやきです。

日本株に期待の声
一部の専門家やアナリストなどから日本の株式市場に「最後の」夜明け前という声が出てきています。これはあくまでもチャートを分析した話で「チャートの月足が7年ぶりにゴールデンクロスする」という普通の人が聞いてもチンプンカンプンなこの事態が生じるかもしれないというのです。一言で言うと経験則からすればある株価を明白に超えればそこから加速度を上げて上昇する公算があるというわけです。

このある株価とは18年の高値、24448円であります。現在は23827円ですが、チャート上はエリオット分析という考えの中で上昇第3波に突入しているというのがその見解であり、もし本当にそれが当たるならは5月ぐらいまでに26-27000円程度までの上昇はあり得るかもしれません。ただそれが最後の上昇波ですからあとは下落が待っていることになります。また、今年はアメリカ大統領選、中国の状況、中東情勢、英国のEU離脱、ドイツ経済など不安要素は山積みですからあくまでもその間、何も問題がなく、日本がオリンピックに沸くという前提がもっと重要かもしれません。

アメリカの株価も基本的には順調でダウ30000ドルは視野に入っているとみています。(現在29000膨度です。)ただ、明らかにGAFAの時価総額とかテスラの株価からは日本がバブルの時の不動産価値と同じ現象が起きていますから「最後の宴」のような気がしてならないのであります。

飛ばない国産飛行機
三菱飛行機が開発を進めるスペースジェット(旧MRJ)が6度目の納期延期を発表しそうだと一部で報じられています。三菱の社内体質の問題と万単位の部品をコントロールし開発する能力がないと皆が思っていますが、表だっては誰も言えない状況にあります。ライバルとなるべくエンブラエルはボーイングと組んだこともあり、開発スピードが極めて早くなっています。

一方、三菱飛行機の場合、例えば指示系統が非常に複雑でカナダ、ボンバルディアで経験を積んだアレックス ベラミー氏が重工の会長の宮永氏とのコミュニケーションラインを重視するというヒエラルキーが存在しているようです。開発事業とはどんなものでもカリスマ性あるリーダーが強い意志を持って完成させるものであり、テスラを軌道に乗せたイーロンマスク氏のような全身全霊を捧げるぐらいではないと成し得るものではありません。

6度も延期するというのは恥ずかしいというより日本の製造業への信頼感を完全に失わせる事態であります。同社はクルーズ船の造船でも2500億円の巨額損失を計上したことがあります。その時の教訓はほとんどなかったといってよいでしょう。エリート集団ゆえに足の引っ張り合いが引き起こした飛ばないプロジェクトになってしまうのでしょうか?

つまらなくなった政治に夢を
政治は常に2つの要素に分けて考えるべきです。一つは表向きの政策運営、もう一つは党としての運営であります。安倍政権が2012年末に成立した当初はこの二つの要素が両輪の輪のごとくうまく廻っていました。先日このブログで為替の話をした際、2015年7月から為替は変わったと指摘しましたがこの安倍政権の両輪の輪に変化の兆しが出てきたのもその頃だったのかもしれません。

「政治に興味があるか」とアクティブ層に聞けばNOという無関心派が圧倒的に多いと思います。それは国民をワクワクさせず、どこか違う国民の知らぬ世界でコトが進行していること、そして安倍首相が個人的にどれだけ良い仕事をしたとしてもそれ以上につまらない問題が出てきて、国会が空転し無駄なお金と時間を費やしているのであります。野党は空転させるプロ集団でありますが、それ以上のことができるとも思えません。ヤジは飛ばせても人材の層は極めて薄いのであります。

しかし、これでは日本の政治は一向に変わらないでしょう。個人的には劇薬的ではありますが自民党分割案を提案したいと思います。似たようなポリシーながら双方が競合し、切磋琢磨する関係を作った方がよい気がします。好き嫌いが分かれる石破さんを対抗馬に立てる、そして安倍さんが正攻法で勝負する、それを国民は望んでいるんじゃないでしょうか?党利党略は国民はもううんざりしていることを分かってもらいたいと思います。

後記
環境活動家のグレタさんにムニューシン財務長官が「大学で経済学を勉強してから戻ってきて」と述べたのに対し「そんなの関係ない」と反論しました。「学」がある人間は何が有利かといえば論理性と説得力、そして論破する力だろうと思います。多くのデモは声の力で圧倒しようとします。昔は暴力もあったでしょう。しかし、情報化社会に生きる中、今、世の中起きているすべての事はあまりに多面的であり、一面だけを捉えて解決策を見出せなくなっていることに気が付き始めている人も多いはずです。本当に物事を展開するのは難しく厄介になりました。ムニューシン氏はそれを言いたかったのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカランキング

また明日お会いしましょう。
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
Archives
記事検索
Recent Comments
  • ライブドアブログ