外国で仕事をされた方なら分かると思いますが、初対面のビジネス相手とあったとき、簡単に名前を言ったり、或いは誰かが代表してパラパラっと紹介して早速席について商談、ということが結構ありませんか?

僕も始めてこちらに来た頃はそれでも無理やり名刺を渡して相手からも名刺をもらおうと努力するのですが、相手はおもむろにお財布を出し、レシートとカードで膨れ上がった財布の中からちょっと折れ曲がった名刺をようやく一枚取り出して、「あった、最後の一枚。はい。」と渡されたりするわけです。

アレから19年。ぼくのフェラガモの名刺入れはあまり使われることもなく、ホコリがかぶっています。

商談のとき、僕は名刺を胸のポケットにそのまま数枚、入れてしまいます。そして相手から名刺を出されてたら「ありがとうございます。」といって僕もさっと名刺を出します。名刺入れに入っていないからほんとにさっと出ます。

僕と同じぐらいの歳の知り合いが新入社員で日本のN証券に入ったとき、飛び込み営業で一日50枚、名刺をもらってこなくてはいけないといって嘆いていました。

同じ頃、僕は建設会社の新入社員教育で名刺は両手で受けとる、という教育を受けて神妙になっていました。

それが今じゃ、こちらの人とのミーティングでは名刺は僕からは基本的に出しません。ミーティングの終わりに今後この人とやり取りする必要があると思えば備忘録的に名刺をいただきますし、差し上げます。

すごく横柄な感じがするでしょう。ですが、こちらの人は大体こんな感じです。
要は、社名や肩書きではなく、その人が何をしに、何を言いにきたのかが重要である、ということなのです。そして、最後、わかりました、では、こちらが連絡先ですのでよろしく、という流れです。

元東大総長の小宮山宏さんが日経ビジネスでとても面白いことを述べています。
「私が言っても日本を動かせないが、同じことをオバマ米大統領が言うと信じる。つまり、日本の人の言った新しいことの価値を自分で判断できないところにあるというのです。」

要は日本は誰が言ったか、誰の要請なのか、あなたは誰で俺に会う価値があるのか、などなどすべては肩書きから始まるのです。
だから小宮山さんの言わんとしているのも「オバマさんという有名で信用出来る人だから正しいだろう」という前提があるということなのです。

ならば、日本人は名刺というブランドがないと対面者との価値が判断できないとも言えるのかもしれません。

同様のことはこのブログでも時々書いてきました。ブランドが判断基準の日本人ということです。このブランドだから2万円、これは3万円などなど。

名刺も同じことです。有名企業のしかるべき肩書きの人なら話を聞くけど、そうでないとたいした扱いをしない。

日本人が名刺を交わさずにビジネスを勧められるか一度ゲームをしたら面白いと思いますよ。ですが、世界は名刺を交わすのは付随的行為だということも付け加えておきますね。

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ではまた。