今回の震災で「苦労」した人たちの中に「高層マンション居住者」が入ると思います。

もしもあなたの部屋が43階の海が見えるすばらしい眺望を備えた高級マンションであったとしましょう。セキュリティも完備され、オール電化のキッチンも使いやすいですよね。

が、電気が止まりそのご自慢のマンションがこれほど憎く思えたことも無いと思います。電気がないとエレベーターが動きませんし水も出ません。だからトイレにもいけません。お湯も沸かせません。

泣かされた住民は関東地区にどれぐらいいらっしゃったのでしょうか?老人や小さい子供がいたら完全にアウトの状態です。

そもそも日本にそんな高層の住宅が必要だったのでしょうか?これが僕の最大の疑問なのです。森ビルの森稔社長はコンパクトシティと称して一つのコミュニティ空間に職住接近のコンビニエンスタウンを作ることを標榜しました。その代表例が六本木ヒルズ。

僕は反対を唱えていました。なぜならコンパクトシティといっても結局横に広がるところを縦に広げた、つまり、高さを上げただけの話です。このメリットは何と言っても不動産デベロッパーにあります。例えば一区画の土地から10階建ての建物と30階建ての建物では3倍の容積ですから3倍儲かるのです。

日本は狭い国土の中に表情豊かな街づくりを行ってきました。曲がりくねった路地裏や戦争で被害を受けなかったエリアの昔のたたずまい、あるいは由緒あるお屋敷町など少し歩けば日本を感じないわけにはいきません。

が、若い人は駅そばのマンション暮らしを現代風のライフスタイルと考え、次から次へと建てられた「下駄履き高層マンション」(=一階にスーパーなどの商店が入っているマンション)に飛びついていきました。

が、その間、低層住宅しか立たないエリアは閑散としてしまいました。需要が減っているからです。その上、若い人には価格面から戸建てなどそうそう手が出ません。大きな敷地が売り出されても戸建て住宅業者が猫の額の様な区画に分けて「あなたも戸建てに住める!」といって売り出すのです。

日本の不動産価格が下がってしまった原因をバブルの崩壊とか、景気が下向きという理由で片付けていませんか?不動産デベロッパーが次々と超高層マンションを街中に建てると土地が空に向かって無尽蔵に供給されてしまうのです。

バブル前までは「日本の土地は有限」だったのにバブル後は「空に向かえば土地は無限」になってしまったので供給が無尽蔵に増えたと考えるほうがナチュラルです。バブルの崩壊が原因だと思っているのはもはや正しくありません。

日本では高齢化が進み、低層住宅街の古い戸建てでは安全上、管理上、さまざまな問題が生じてきています。一方、マンションでも上述の高層マンションにおける今回の教訓のみならず建物が老朽化したときの立替の問題など法律的に複雑、煩雑な問題を抱えています。

僕は不動産デベロッパーとしてはっきり申し上げますが、不動産を買うならこれからは土地持ちの戸建ての方が有利だと考えています。それは第三者に売却しない限り一度建てればその人の子供の世代までは使えますし、売却したとしても購入代金の約半分に当たる土地代は確実に残るからです。マンションの場合管理費や修繕積み立てがバカにならないのです。戸建てはそれがゼロ円なのです。

震災を機に高層マンションへの需要は下がっているようです。不動産購入を考えている方はじっくり考える良いチャンスかもしれません。

という事で今日はこのぐらいで。

ブログの応援をお願いできますか?クリックをするとブログランクアップに繋がります。
人気ブログランキングへ
ではまた明日。