夏の電力不足が懸念され始めました。そして価格の上昇する原油に代わり、液化天然ガス(LNG)が注目されています。そして私のブログでたびたび指摘しておりますようにこれは価格が下がる資源であります。今日はもう少しみてみましょう。

北米の天然ガス市場。10年来の安値で、100万BTU当たり$2.5米ドル程度の相場。先日届いたカナダ大手銀行のレポートでは2012年と13年の予想を大幅に下方修正し今年の平均を2.5ドル、来年を3.6ドルとし目先は2ドル程度まで下押すとしています。

理由は需要低下、供給過多、シェールガスの非在来型ガスの登場などいろいろです。そして、最大のネックは液化天然ガスの最大消費地、日本と韓国に送る手段がほとんどないことであります。アメリカもカナダもその輸出基地建設のために準備が進んでいますが、LNGのサプライチェーンは極めてプロセスが複雑で大規模になるためカナダはこのままのペースなら2015年頃からの出荷になります。つまりあと3年。アメリカもオレゴンで計画が進んでいますが、これも時間がかかると思います。

天然ガス産出会社は生産調整を行っており、2−3割の減産となっています。目先、更なる減産もありえる状態です。

唯一の希望はアジア市場であり、輸出基地が出来れば現在16ドル台、スポットで18ドルとも言われるLNG市場に入り込むことが出来ます。輸出原価が今の市場価格程度なら9−10ドルといわれていますから利幅も大きいと考えられています。更にカナダBC州の場合、天然ガスのロイヤリティ収入がこの6年で五分の一程度まで落ち込んでおり、積極的に売り込みたいのは山々でしょう。

しかし、私は仮に「北米産LNG」がアジア市場に入ってくればLNGの市況は大きく緩むと思います。もともと輸送手段がなくアメリカやカナダで使い切れない状態だったわけですから安値攻勢とは言わないまでも価格が下向きのバイアスになりやすくなるでしょう。

これは日本の電力にとってはプラスな話になりえます。また、この3年の間には日本での中長期的な電力政策の見直しが進むでしょう。そして、可能性としては電源供給は一般住宅の太陽光パネル、燃料電池の更なる普及をはじめ、企業の自家発電設備の普及を含む分散型になるような気がします。それは石油の需要も下がるし、LNGの需要も下がることになるかもしれません。

こう考えれば電力価格は目先、一時的には値上げがあるとしても長期的には下向きになるような気がいたします。少なくとも天然ガスは北米のガラパゴスであり、余っているという認識は意味があるかと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょうか?

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ではまた明日。