このトピックスは金融界の今年最大の注目ばかりではなく、もし、利上げを決定すればアメリカではお茶の間ニュースのトップになることは間違いないでしょう。それは2006年6月に最後に金利を上げてから9年3カ月、いわゆるゼロ金利になってからも6年経つ中で「復活」ののろしというスタンスに立つのでしょう。

その間、量的緩和も行いながらも「カンフル剤」処置は終了し、長いリハビリを通じてようやく利上げができる環境が整いつつあるというのが流れであります。特にイエレン議長の専門であり最大の関心事である雇用情勢については順調な回復ぶりを見せ、これ以上の失業率の低下は賃金上昇が加速する可能性が出て来るため雇用情勢だけ見れば利上げに関しては問題ないと考えられます。

問題はインフレ率であります。アメリカがターゲットとする2%のインフレ率には当面届く気配はなく、石油価格が下落する傾向がすぐに変わる傾向もない点に於いて「インフレになっていないのに利上げするのか?」という経済原則への疑問が残っています。これは専門家や学者が利上げに諸手の賛成が出来ない最大の理由です。

次いで外野の声があります。米ドルが基軸通貨という特別な役割を担っている以上、アメリカの金融政策はアメリカ国内経済のみならず、世界経済に直接的に影響するというものです。特にゼロ金利や量的緩和で世界のマネーをジャブジャブ状態にしたのはアメリカであります。ベン バーナンキ前FRB議長は「ヘリコプターベン」とも言われ、デフレ克服にはヘリコプターからマネーをばら撒けばよい、と発言したぐらいなのです。

それが今だディスインフレの状態なのに自国の経済が順調に回復しているから利上げするのは身勝手ではないか、というのが外野の文句であります。その代表がIMFと世界銀行、更には中国もアメリカの金融政策に批判的であります。中国の場合は外貨流出の危機に見舞われやすくなり、アメリカ国債を引き続き売却し米国国債安、利回り上昇を引き起こすと脅し文句を述べています。

17日木曜日のNY時間の午後2時ごろには決定が発表になりますが、市場関係者の利上げ予想は25%程度、学者など学識派が五分五分のオッズになっています。また、今回は決定内容よりその後行われるイエレン議長の声明により注目が集まることになります。

個人的にはインフレ率が改善しない今、利上げする理由は十分ではないこと、及び8月-9月のチャイナショックを経験したばかりで新興国の経済状況は今だ微妙なところにあることから利上げすべきではないと考えています。但し、「蛇の生殺し」を続けるFRBのスタンスこそ最も悪影響を与えているともいえます。よって、今回のFOMCに於いていかなる決定をしようと、その次のステップを明白にする責任を負っていると考えます。

このところ、金の相場も煮え切らない状態が続いているのですが、一部の専門家からもいっそのこと、利上げを発表してもらった方が商品相場も動きやすくなる、とコメントされています。

今日のNYダウは200ドル以上上げましたが、その理由は何だったのか、と考えると利上げしようがしまいが、もう織り込んだようにみえます。ダウのチャートは8月25日を底にきれいに回復基調を描いており、8月の急落に対してほぼ半値戻しのところまで来ています。よって市場が待つのはイエレン議長の明白で歯切れのよい声明ということになるでしょう。

仮に利上げする場合、低インフレ下に於ける利上げという経済原則に反するアプローチに対しては「アメリカの長年の金利水準を考えれば目先の利上げは市場から資金を吸い上げるというより溢れているマネーの上澄みを取り除くだけ」というグリーンスパン的表現でもってかわすことは可能なのではないでしょうか?

市場は疑心暗鬼。私は一応、手元キャッシュを確保して臨機応変な対応ができるようにしてあります。さて、結果はあと1日半であります。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。