せっせと海外旅行に行く熟年カップルは相変わらず多く、「ビジネスで行く○○」といった旅行会社の広告が目立ちます。いわゆる熟年組は海外旅行がブームになった時を知っており、その面白さを肌身で感じているのだろうと思います。

一方、比率で見ると30代前後の若い世代の海外旅行は減少傾向が見られます。これはバブル後の経済低迷期に「近い、安い」の傾向や国内旅行に大きくシフトしたこともあり、今後も海外旅行ブームに大きく舵が切られることはない気がします。

もう一つは海外に行く価値が画像や情報で満腹になっている気もします。頭でっかちで分かった気になる、行った気になるということでしょうか?

長年コンスタントにバンクーバーの事業で人材募集をかけてきて最近、明らかに変わったことが二点あります。

一つはワーキングホリディの方の向かう都市のトレンドがバンクーバーからトロントに変わったこと、もう一つは大学を1年休学してワーキングホリディに来る方が急増していることであります。

なぜ、バンクーバーではなく、トロントなのか、いろいろ考えたのですが、トロントの日系メディアがトロントを上手に紹介し、面白くした点は欠かせないでしょう。また、私が聞き取りをした限りでは最近、「日本人のいない」「アジア人の少ない」都市を目指したいという若者の声がずいぶんありました。その点、トロントは割と日本人若者にはあまり注目されてこなかったカナダ最大で東部の経済都市だけにこの傾向はしばらく続くものかと思います。

一方、大学を休学してくる学生ですが、男女ともに大変増えています。面接などを通じて得た情報としては「就職後は海外で好きなことをして1年も過ごせるチャンスが二度と到来しない」「就活でかなり有利」「生きた英語のトレーニング」という意見でした。

今、大学生ぐらいの年齢層の方はグローバル化が肌身で感じられる年齢でしょうか。外国人の雇用との戦い、英語が社内公用語、国内空洞化といった言葉が並び、若者に危機感を煽ったことはあるかと思います。いわゆる社会人になって「頑張る」要素で海外を切り離せなくなったことで否が応でも海外経験を踏むことが流れになってきているような気がします。

仮に私の感覚が間違っていないなら数年のうちに「大学休学、一年海外」の流れは学生の間の一種のトレンドになるかもしれません。

いわゆる「パック旅行」世代や「地球の歩き方」世代は海外を貪欲に「のぞき見」するスタイルだったと思います。今でもその世代の人の旅行スタイルは変わらないと思います。故に最近の調査で最も満足した地域は東ヨーロッパ(エイビーロード調査)となったのは「新たなる発見」がバックボーンだろうと思います。ところが今の若者は海外生活になじむことを主としています。シェアハウスで非日本人と日本語を使わない生活をする、アルバイトもなるべく日本語を使わないジャパレス以外を探すなどを通じて「見る」「体験する」から「溶け込む」に変わってきています。

海外と日本という目線で長年見続けてきた私としてはこのトレンドチェンジは日本人の国際化に一歩だけ近づいた気がします。これは日本が海外とのビジネスを通じて繁栄するための基礎となりますから大いにプラスでありましょう。

もう一つ、最近話題となっていますが、就活の時期が遅くなったり早くなったりして学生はいい迷惑であります。その中、大学が半期ずらした卒業を認めるところが出てきていることに着目したいと思います。一時期東京大学の秋入学が話題になったものの「圧力」で没になりました。しかし、私学系では春卒業ではなく、夏卒業秋就職のパタンが出てきています。そうであれば学生の卒業時期にばらつき傾向ができて就活も全く違う切り口となるかもしれません。

就職時期を決めるのは企業ではない、学生もその選択権がある、ということでしょう。結構なことです。

いっとき、企業の社員が海外赴任を嫌っているということが取り上げられ、海外赴任逆風時代がありました。その風向きも少し、変ってくるのかも知れません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。日本の皆さんはよい三連休を。