「都民ファースト」の信条は多くの都民を含む国民に政治の在り方を投げかけました。多くの都民は小池百合子知事の挑戦と改革精神に心を揺り動かされました。私は当初、数少ないブレーンで大丈夫か、と心配しましたが、今日に至る間にブレーンのみならず、「希望の塾」生を含め、急速に仲間を増やしてきました。この小池劇場の行方について考えてみたいと思います。

小池知事が今日までに直面した主たる案件は豊洲移転問題、オリンピック競技場、「希望の塾」と小池新党、都議会の勢力関係、私立高校実質無償化、都道電柱ゼロ化などが話題に上がっています。中には二階建て電車で通勤ラッシュをなくすという困難なこともご提案されていますが、「今より改善できることがあるのではないか」という出来る、出来ないという現実性を超えたチャレンジがその政策と姿勢に見て取れます。

まず、「希望の塾」ですが、これは単にメディアを通じて受け身で政治を評する姿勢から共に学ぶという自ら行動を起こさせる発想です。その点において橋下徹氏の維新政治塾と同じ思想ですが、規模が違いました。通常、塾とは寺小屋的で小規模の塾生がマンツーマンで勉強するスタイルがイメージされますが、希望の塾では数千人が同時に学ぶ点において画期的でありました。

更に塾生から次期都議選に向けて都議立候補を目指す「都議選対策講座」とブレーン養成の「政策立案部会」の候補者選びの試験が1月7日に行われており、20日頃に合格者発表があるかと思われます。この試験、受験生をかなりヘロヘロにさせる強者だったようですが、そこまでしてでも新しい都政に自分も参加したいという気持ちを抱かせた点は素晴らしいと思います。

つまり、政治を参加型にさせた点が画期的であったのです。かつての自民党主体の都政は見えない部分が多すぎました。それが次々と露呈し、極め付けだったのが舛添氏の様々なトラブルでありました。彼の犯した金額的問題は正直、そんなに大きなものではありません。しかし、都民が怒ったのは公明性と透明性の欠如の一点であったのです。小池氏はここを突破口とし、都民を味方につけた点は大いなる作戦勝ちでありました。

多分ですが、このやり方に触発されてほかの地方自治体でも同様の改革が生まれてくる可能性があります。

江戸時代に「士農工商」という身分制度がありました。明治に入り、この制度はなくなったのですが、実は今でも脈々と続いているのが「士」と「農工商」の分断であります。国や領地を治めるのは役人の仕事、だから民は役人のやり方にいやおうなしについていかざるを得なかったのが歴史であります。残念ながらこの分断が招いた悲劇とは「農工商」である民は「士」に注文ばかりして責任を擦り付けるスタイルが醸成された点でしょうか?言い換えれば「農工商」たる民は政治に対するコメンテーターであり、批評家と化したわけです。

ここが日本における民主化の遅れでありました。かつて海外では日本人のことを「羊」と称したのですが、それは濃紺のスーツを着て、定時に会社に行き、会社の指示にきちんと従い、会社の方針に表立って反発することなく、おとなしく、まじめである点が海外からは奇異の目となっていたわけです。つまり声を発しない、体制の流れに身を任せるスタイルです。その不満は仕事のあとの居酒屋でのうっぷん晴らしにつながります。

私の見る小池劇場の最大のポイントは参加型に変えた点であります。自分も何かできるというチャンスを与えたのであります。そのうえで小池知事はいくつかのチャレンジをしてきました。例えばオリンピック会場の変更案も一つでした。結果として表向きは何ら覆されることはありませんでしたが問題を提起し、議論し、改善を加え、コストカットという実を得たプロセスを通じてディスクローズ(開示)し、都民ならず多くの国民まで巻き込んだ彼女の戦略がそこに見えるのであります。

問題はこれからでありましょう。参加型にすると意見は大きく割れます。その際に最終判断を下す小池知事の能力に焦点が集まります。橋下さんが大阪で圧倒的強みを見せたもののその後、うまくいかなくなったのは「賞味期限切れ」を起こしたからであります。ポピュリズムとは本心でそう思っていなくても周りについていく羊さんがたくさんいる点です。ところが多くの羊さんは途中で息切れを起こし、脱落していきます。ここで人気が剥離し、支持率が下がるというのが大きな流れでしょう。

よって、小池百合子知事のポピュリズムをこのままやっていけば数年で墜落します。(あの小泉元首相でも賞味期限はありました。)小池知事がしなくてはいけないのはその騰勢を維持し、オセロをひっくり返したうえで小池氏自身のポジションを次の次元に引き上げることであります。そうすれば賞味期限は伸びるはずです。つまり、国政への復帰であります。

計算高い小池氏ですのでこれぐらいは当然考えているでしょう。自民党党籍の話も中途半端でブラブラ状態にしているのはそのためだと思います。よくわからないうやむやにすることで将来、政治の色が変わった時、どちらにでも取れるような選択肢を残しておく、ということでしょう。ここは高度な政治力学のような気がします。

豊洲でも試験結果から異常値が出て知事をはじめ、多くの関係者が困惑しているようです。個人的には1-8回目の試験と今回の試験会社が違う点がミソのような気がします。ここはしっかり調査しないと豊洲が消えるかもしれない大事な判断となることでしょう。注目しています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。